JP2017204993A - 回転電機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電圧位相制御と電圧振幅制御との相互干渉を抑制し、回転電機のトルク制御性の低下を回避できる回転電機の制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置は、位相振幅制御を2つの独立した制御系に置き換え、第1一巡伝達関数「Pa・Aδt・Ht」の周波数特性におけるゲイン余裕及び位相余裕が確保されるとの条件、及び第1一巡伝達関数の周波数特性におけるゲイン交差角周波数が、回転電機の伝達関数の共振角周波数未満になるとの条件を満たすように、電圧位相算出時のフィードバック制御で用いられるゲインを設定する。また制御装置は、第2一巡伝達関数「Pb・Bvλ・Hi」の周波数特性におけるゲイン余裕及び位相余裕が確保されるとの条件、及び第2一巡伝達関数の周波数特性におけるゲイン交差角周波数が上記共振角周波数未満になるとの条件を満たすように、電圧振幅算出時のフィードバック制御で用いられるゲインを設定する。
【選択図】 図11

Description

本発明は、インバータに電気的に接続された回転電機の制御装置に関する。
この種の制御装置としては、回転電機に印加される電圧ベクトルの位相である電圧位相に基づいてインバータを操作する位相制御を行うものが知られている。これにより、回転電機のトルクを指令トルクにフィードバック制御する。ここで、このフィードバック制御で用いられるフィードバックゲインの設定手法としては、下記特許文献1に開示されているものがある。この手法は、電圧位相を入力とし、トルクを出力とする1入力1出力の回転電機のモデルを用いたものである。詳しくは、この手法では、回転電機の矩形波駆動時において、回転電機の周波数特性を示す伝達関数を、回転電機の定常状態におけるトルク及び電圧位相の関係から定数に近似してゲインを設定している。
特開2012−39730号公報
回転電機の制御装置としては、電圧位相に加えて、電圧ベクトルの大きさである電圧振幅に基づいてインバータを操作する位相振幅制御を行うものもある。位相振幅制御が行われる場合、電圧振幅に基づく指令電流制御と、電圧位相に基づくトルク制御とが相互に干渉し、回転電機のトルク制御性が低下するおそれがある。相互干渉が発生する構成には、上記特許文献1に記載された1入力1出力を前提としたフィードバックゲインの設定手法を適用することはできない。
本発明は、位相振幅制御時のトルク制御性の低下を回避できる回転電機の制御装置を提供することを主たる目的とする。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
本発明は、インバータ(20)に電気的に接続された回転電機(10)の制御装置において、前記回転電機のトルクを指令トルクにフィードバック制御するための操作量として、前記回転電機に印加される電圧ベクトルの位相である電圧位相(δ)を算出する位相算出部(30)と、前記回転電機に流れる電流を前記指令トルクに応じた指令電流(Iλ*)にフィードバック制御するための操作量として、前記電圧ベクトルの大きさである電圧振幅(Vr)を算出する振幅算出部(30)と、前記電圧位相及び前記電圧振幅に基づいて前記インバータを操作することにより、前記トルクを前記指令トルクに制御する制御部(30)と、を備える。なお、回転電機において、指令トルクを実現可能な範囲で最適な電流条件、例えば、最小の電流量で最大トルクを実現するよう、電圧ベクトルが制御される。
また本発明では、前記電圧位相を入力とし、前記トルクを出力とする前記回転電機の周波数特性を表す伝達関数が第1伝達関数(Gδt)として定義されており、前記電圧振幅を入力とし、前記トルクを出力とする前記回転電機の周波数特性を表す伝達関数が第2伝達関数(Gvt)として定義されており、前記電圧位相を入力とし、前記指令電流を出力とする前記回転電機の周波数特性を表す伝達関数が第3伝達関数(Gδλ)として定義されており、前記電圧振幅を入力とし、前記指令電流を出力とする前記回転電機の周波数特性を表す伝達関数が第4伝達関数(Gvλ)として定義されており、前記電圧位相を入力とし、前記トルクを出力とする前記回転電機の周波数特性を表して、かつ、前記第1伝達関数及び前記第2伝達関数を含む伝達関数が位相側伝達関数(Aδt)として定義されており、前記電圧振幅を入力とし、前記指令電流を出力とする前記回転電機の周波数特性を表して、かつ、前記第3伝達関数及び前記第4伝達関数を含む伝達関数が振幅側伝達関数(Bvλ)として定義されており、前記電圧位相を入力とし、前記トルク又は該トルクから高周波成分が除去された値を出力として、かつ、前記位相算出部のフィードバック制御の伝達関数と前記位相側伝達関数とを含む一巡伝達関数が第1一巡伝達関数(Ga)として定義されており、前記電圧振幅を入力とし、前記指令電流又は該指令電流から高周波成分が除去された値を出力として、かつ、前記振幅算出部のフィードバック制御の伝達関数と前記振幅側伝達関数とを含む一巡伝達関数が第2一巡伝達関数(Gb)として定義されている。
本発明は、前記第1一巡伝達関数の周波数特性におけるゲイン余裕及び位相余裕が確保されるとの第1条件、及び前記第1一巡伝達関数の周波数特性におけるゲイン交差角周波数が、前記第1伝達関数及び前記第2伝達関数それぞれの周波数特性における共振角周波数未満になるとの第2条件を満たすように、前記位相算出部のフィードバック制御で用いられる位相フィードバックゲインを設定する位相ゲイン設定部(30)と、前記第2一巡伝達関数の周波数特性におけるゲイン余裕及び位相余裕が確保されるとの第3条件、及び前記第2一巡伝達関数の周波数特性におけるゲイン交差角周波数が、前記第3伝達関数及び前記第4伝達関数それぞれの周波数特性における共振角周波数未満になるとの第4条件を満たすように、前記振幅算出部のフィードバック制御で用いられる振幅フィードバックゲインを設定する振幅ゲイン設定部(30)と、を備える。
上記発明では、電圧位相を入力とし、回転電機のトルクを出力とする回転電機の周波数特性を表して、かつ、第1,第2伝達関数を含む伝達関数が位相側伝達関数として定義されている。
回転電機の位相振幅制御時の電圧位相、及び指令電流の周波数が第1,第2伝達関数の共振角周波数よりも低い低周波数領域において、第1,第2伝達関数のゲイン周波数特性、及び位相周波数特性は、入力とする電圧位相、または指令電流の周波数変化に対して大きく変化しない。このため、第1,第2伝達関数を含む位相側伝達関数のゲイン周波数特性、及び位相周波数特性は、低周波数領域においては、電圧位相、及び指令電流周波数の大小により大きく変化しない。
一方、上記発明では、電圧振幅を入力とし、指令電流を出力とする回転電機の周波数特性を表して、かつ、第3,第4伝達関数を含む伝達関数が振幅側伝達関数として定義されている。
位相振幅制御時の電圧位相、及び指令電流の周波数が第3,第4伝達関数の共振角周波数よりも低い低周波数領域において、第3,第4伝達関数のゲイン周波数特性、及び位相周波数特性は、入力とする電圧位相、または指令電流の周波数変化に対して大きく変化しない。このため、第3,第4伝達関数を含む位相側伝達関数のゲイン周波数特性、及び位相周波数特性は、低周波数領域においては、電圧位相、及び指令電流周波数の大小により大きく変化しない。
位相側伝達関数及び振幅側伝達関数の上述した周波数特性を利用することにより、電圧振幅に基づく指令電流制御と電圧位相に基づくトルク制御との相互干渉の影響を抑制できることに本願発明者は着目した。相互干渉の影響を抑制できると、位相側伝達関数を含む第1一巡伝達関数と、振幅側伝達関数を含む第2一巡伝達関数とのそれぞれを独立して設計でき、トルク制御性の低下を回避できるフィードバックゲインの設計を個別に実施できる。
そこで上記発明では、位相ゲイン設定部により、第1一巡伝達関数の周波数特性におけるゲイン余裕及び位相余裕が確保されるとの第1条件、及び第1一巡伝達関数の周波数特性におけるゲイン交差角周波数が、第1,第2伝達関数それぞれの周波数特性における共振角周波数未満になるとの第2条件を満たすように、位相算出部のフィードバック制御で用いられる位相フィードバックゲインが設定される。また、振幅ゲイン設定部により、第2一巡伝達関数の周波数特性におけるゲイン余裕及び位相余裕が確保されるとの第3条件、及び第2一巡伝達関数の周波数特性におけるゲイン交差角周波数が、第3,第4伝達関数それぞれの周波数特性における共振角周波数未満になるとの第4条件を満たすように、振幅算出部のフィードバック制御で用いられる振幅フィードバックゲインが設定される。このように設定された各フィードバックゲインに基づいてトルク制御が行われることにより、位相振幅制御時のトルク制御性の低下を回避することができる。
第1実施形態に係るモータ制御システムの全体構成図。 モータ制御処理を示す機能ブロック図。 電圧ベクトルの変化に伴う電流ベクトルの変化を示す図。 d軸とλ軸とのなす角度の算出手法を示す図。 λ軸を説明するための図。 λ軸電流の算出手法を示す図。 最小電流最大トルク制御時の電流ベクトルの軌跡、定電圧楕円及び定トルク曲線を示す図。 トルクフィードバック制御系のブロック線図。 モータジェネレータの各伝達関数の周波数特性を示す図。 非干渉化されたモータジェネレータの伝達関数の周波数特性を示す図。 非干渉化されたトルクフィードバック制御系のブロック線図。 ゲイン設定処理の手順を示すフローチャート。 位相振幅制御時及び位相制御時の電流,電圧ベクトルの挙動を示す図。 第2実施形態に係るモータ制御処理を示す機能ブロック図。 記憶部に記憶されたゲインのマップ情報を示す図。 ゲイン設定処理の手順を示すフローチャート。 第3実施形態に係る記憶部に記憶されたゲインのマップ情報を示す図。 第4実施形態に係る非干渉化されたトルクフィードバック制御系のブロック線図。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る制御装置を具体化した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る制御装置は、3相回転電機に接続された3相インバータに適用される。制御装置及び回転電機は、電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載される。
図1に示すように、モータ制御システムは、モータジェネレータ10、3相インバータ20、及び制御装置30を備えている。本実施形態において、モータジェネレータ10は、車載主機であり、そのロータが図示しない駆動輪と動力伝達可能とされている。本実施形態では、モータジェネレータ10として、同期機を用いており、より具体的にはIPMSMを用いている。
モータジェネレータ10は、インバータ20を介して、直流電源としてのバッテリ21に接続されている。バッテリ21の出力電圧は、例えば百V以上である。なお、バッテリ21及びインバータ20の間には、インバータ20の入力電圧を平滑化する平滑コンデンサ22が設けられている。ちなみに、バッテリ21の出力電圧を昇圧してインバータ20に出力する昇圧コンバータが制御システムに備えられる場合、昇圧コンバータが直流電源に相当する。
インバータ20は、上アームスイッチSup,Svp,Swpと下アームスイッチSun,Svn,Swnとの直列接続体を相数分備えている。各直列接続体は、バッテリ21に並列接続されている。U相上,下アームスイッチSup,Sunの接続点には、モータジェネレータ10のU相が接続されている。V相上,下アームスイッチSvp,Svnの接続点には、モータジェネレータ10のV相が接続されている。W相上,下アームスイッチSwp,Swnの接続点には、モータジェネレータ10のW相が接続されている。ちなみに本実施形態では、各スイッチSup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnとして、電圧制御形の半導体スイッチング素子を用いており、より具体的には、IGBTを用いている。そして、各スイッチSup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnには、各フリーホイールダイオードDup,Dun,Dvp,Dvn,Dwp,Dwnが逆並列に接続されている。
モータ制御システムは、さらに、モータジェネレータ10に流れる各相電流のうち、少なくとも2相分の電流を検出する相電流検出部を備えている。本実施形態において、相電流検出部は、モータジェネレータ10のV相に流れる電流を検出するV相電流検出部23Vと、W相に流れる電流を検出するW相電流検出部23Wとを含む。また、モータ制御システムは、バッテリ21の出力電圧をインバータ20の電源電圧VINVとして検出する電圧検出部24、及びモータジェネレータ10の電気角θeを検出する角度検出部25を備えている。なお、角度検出部25としては、例えばレゾルバを用いることができる。
各種検出部の検出値は、図示しないAD変換器等を介して制御装置30に入力される。制御装置30は、マイコンを主体として構成され、モータジェネレータ10のトルクを指令トルクTrq*にフィードバック制御すべく、インバータ20を操作する。制御装置30は、インバータ20を構成する各スイッチSup,Sun,Svp,Svn,Swp,Swnをオンオフ操作すべく、上記各種検出部の検出値に基づいて、各操作信号gUp,gUn,gVp,gVn,gWp,gWnを生成する。制御装置30は、生成した各操作信号gUp,gUn,gVp,gVn,gWp,gWnを各スイッチに対応する各駆動回路Drに対して出力する。ここで、上アーム側の操作信号gUp,gVp,gWpと、対応する下アーム側の操作信号gUn,gVn,gWnとは、互いに相補的な信号となっている。すなわち、上アームスイッチと、対応する下アームスイッチとは、交互にオン状態とされる。なお、指令トルクTrq*は、例えば、制御装置30の外部に設けられた制御装置であって、制御装置30よりも上位の制御装置から出力される。
続いて、図2を用いて、制御装置30によって実行されるモータジェネレータ10のトルク制御について説明する。
2相変換部30aは、V相電流検出部23Vにより検出されたV相電流IV、W相電流検出部23Wにより検出されたW相電流IW及び電気角θeに基づいて、モータジェネレータ10の3相固定座標系におけるU相電流IU,V相電流IV,W相電流IWを、2相回転座標系であるdq座標系におけるd,q軸電流Idc,Iqcに変換する。
フィルタ部30bは、2相変換部30aから出力されたd,q軸電流Idc,Iqcに、減衰域における周波数成分を除去するフィルタ処理を施して、d,q軸電流Idr,Iqrを出力する。
トルク推定部30cは、フィルタ部30bから出力されたd,q軸電流Idr,Iqrに基づいて、モータジェネレータ10の推定トルクTeを算出する。ここで、推定トルクTeは、d,q軸電流Idr,Iqrと推定トルクTeとが関係付けられたマップ又はモデル式を用いて算出されればよい。
トルク偏差算出部30dは、指令トルクTrq*から推定トルクTeを減算することにより、トルク偏差ΔTを算出する。
位相算出部30eは、トルク偏差算出部30dによって算出されたトルク偏差ΔTに基づいて、推定トルクTeを指令トルクTrq*にフィードバック制御するための操作量として、インバータ20の電圧ベクトルVnvtの位相である電圧位相δを算出する。本実施形態では、下式(eq1)に示すように、トルク偏差ΔTを入力とする比例積分制御によって電圧位相δを算出する。
上式(eq1)において、Kpδは第1比例ゲインを示し、Kiδは第1積分ゲインを示す。本実施形態において、第1比例ゲインKpδ及び第1積分ゲインKiδが「位相フィードバックゲイン」に相当する。
なお本実施形態において、電圧位相δは、d軸の正方向を基準とし、この基準から反時計回りの方向が正方向として定義されている。
指令電流算出部30fは、指令トルクTrq*に基づいて、指令トルクTrq*を実現するためのd,q軸指令電流Id*,Iq*を算出する。本実施形態では、最小電流最大トルク制御(Maximum torque per ampere control)を実現するための電流をd,q軸指令電流Id*,Iq*として算出する。
λ軸設定部30gは、モータジェネレータ10のd,q軸インダクタンスLd,Lqと、位相算出部30eにより算出された電圧位相δとに基づいて、dq座標系においてd軸とλ軸とのなす角度θλを算出する。以下、λ軸について説明する。
永久磁石同期機の電圧方程式は、下式(eq2)で表される。
上式(eq2)において、pは微分演算子を示し、Rは電機子巻線抵抗を示し、ωeはモータジェネレータ10の電気角周波数を示し、Ψは永久磁石の電機子鎖交磁束の実効値を示す。上式(eq2)において、モータジェネレータ10の回転速度が一定となる定常状態を想定し、過渡現象を無視するとの条件を課すと、「p=0」となる。また、上式(eq2)に、モータジェネレータ10の回転速度が十分高く、「R<<ωe・Ld」,「R<<ωe・Lq」の関係が成立するとの条件を課す。以上から、上式(eq2)は下式(eq3)のように表される。
d,q軸電圧Vd,Vqと、電圧位相δ及び電圧振幅Vrとの関係は、下式(eq4)で表される。
ここで電圧振幅Vrとは、電圧ベクトルVnvtの大きさのことである。具体的には、電圧振幅Vrは、電圧ベクトルVnvtのd軸成分であるd軸電圧Vdの2乗値とq軸成分であるq軸電圧Vqの2乗値との和の平方根として定義される。
電圧位相δが微小量Δδだけ変化した場合における電圧方程式は、上式(eq3),(eq4)を用いると、下式(eq5)で表される。以降、上記微小量Δδを位相微小変化量と称すこととする。
上式(eq5)から上式(eq3)を減算すると、下式(eq6)が導かれる。
上式(eq6)において、右辺の「Idδ−Id」がd軸電流変化量ΔIdδであり、「Iqδ−Iq」がq軸電流変化量ΔIqδである。上式(eq6)を各電流変化量ΔIdδ,ΔIqδについて解くと、下式(eq7)が導かれる。
図3に、dq座標系における電圧ベクトルVnvt及び電流ベクトルInvtを示す。図3には、電圧位相δが位相微小変化量Δδだけ変化した場合の電流ベクトルInvtの変化分をΔIδにて示した。また、電圧振幅Vrが微小量ΔVrだけ変化した場合の電流ベクトルInvtの変化分をΔIvnにて示した。以降、上記微小量ΔVrを振幅微小変化量と称すこととする。
電流ベクトルInvtの変化分を拡大した図が図4である。上式(eq7)より、電圧位相δが微小変化した場合において、d軸に対する電流ベクトルInvtの変化方向αは、下式(eq8)で表される。
上式(eq8)のアークタンジェント演算により、例えば、変化方向αを「−π〜+π」の間で算出することができる。ここで、図5には、電流ベクトルInvtの変化方向と直交する方向に延びる座標軸を、非干渉軸であるλ軸として示している。すなわち、λ軸は、電圧位相δが微小変化した場合における電流ベクトルInvtの変化分が0となる方向の座標軸である。電圧振幅Vrが振幅微小変化量ΔVrだけ変化した場合の電流ベクトルの変化分ΔIvnのうち、上記変化分ΔIvnをλ軸に写像したλ軸成分は、電圧位相δの変化の影響を受けない非干渉電流である。本実施形態では、この電流をλ軸電流Iλとして電圧振幅Vrの算出に用いる。ここで、λ軸を設定するために必要なパラメータであるd軸とλ軸とのなす角度θλは、下式(eq9)で表される。
先の図2の説明に戻り、λ軸設定部30gは、上式(eq9)に基づいて、d軸とλ軸とのなす角度θλを算出する。
λ軸指令電流算出部30hは、指令電流算出部30fにより算出された各指令電流Id*,Iq*と、λ軸設定部30gにより算出された角度θλとに基づいて、下式(eq10)を元に、λ軸指令電流Iλ*を算出する。
図6に、λ軸指令電流Iλ*の算出態様を示す。図6には、d,q軸指令電流Id*,Iq*にて規定される指令電流ベクトルをIn*にて示し、現在の電流ベクトルをInvtにて示した。
λ軸実電流算出部30iは、フィルタ部30bから出力されたd,q軸電流Idr,Iqrと、λ軸設定部30gにより算出された角度θλとに基づいて、下式(eq11)を元に、λ軸電流Iλrを算出する。
λ軸電流偏差算出部30jは、λ軸指令電流Iλ*からλ軸電流Iλrを減算することにより、λ軸電流偏差ΔIrを算出する。
振幅算出部30kは、λ軸電流偏差ΔIrに基づいて、電圧振幅Vrを算出する。詳しくは、振幅算出部30kは、λ軸電流Iλrをλ軸指令電流Iλ*にフィードバック制御するための操作量として、電圧振幅Vrを算出する。本実施形態では、下式(eq12)に示すように、フィードバック制御として比例積分制御を用いる。
上式(eq12)において、Kpvは第2比例ゲインを示し、Kivは第2積分ゲインを示す。本実施形態において、第2比例ゲインKpv及び第2積分ゲインKivが「振幅フィードバックゲイン」に相当する。
変調器30mは、振幅算出部30kにより算出された電圧振幅Vr、位相算出部30eにより算出された電圧位相δ、電気角θe及び電源電圧VINVに基づいて、位相が電気角で120度ずつずれたU,V,W相の指令電圧GU,GV,GWを算出する。
本実施形態において、変調器30mは、推定トルクTeを指令トルクTrq*に制御するために、電圧位相δ及び電圧振幅Vrの双方を操作対象とする位相振幅制御と、電圧位相δのみを操作対象とする位相制御とを切り替えて実行する。
位相振幅制御時には、正弦波PWM制御又は過変調PWM制御が実行される。正弦波PWM制御とは、電圧振幅Vrを電源電圧VINVで規格化した値である変調率Mrが第1変調率Ma未満となる場合、インバータ20の出力電圧が電気角周波数ωeで変動する正弦波となるようにインバータ20を操作する制御である。正弦波PWM制御は、指令電圧GU,GV,GWのピーク値が電源電圧VINVの「1/2」以下となる場合に行われる。なお第1変調率Maは、例えば100%に設定されている。
なお変調率Mrは、下式(eq13)に基づいて算出されればよい。
過変調PWM制御とは、指令電圧GU,GV,GWのピーク値が電源電圧VINVの「1/2」を上回る場合に、指令電圧GU,GV,GWに対するモータジェネレータ10への実際の印加電圧の不足分を補償しつつインバータ20を操作する制御である。過変調PWM制御は、変調率Mrが第1変調率Ma以上であってかつ第2変調率Mb(>Ma)未満となる場合に行われる。
位相振幅制御が行われる場合、図7に示すように、実際の電流ベクトルはMTPAラインLmtpa上を動くこととなる。MTPAラインLmtpaは、最小電流最大トルク制御により定まるd,q軸電流Id,Iqの軌跡である。実際の電流ベクトルは、MTPAラインLmtpaと、指令トルクTrq*に対応する定トルク曲線との交点に位置することとなる。
一方、位相制御時には、矩形波制御が実行される。矩形波制御とは、モータジェネレータ10の1電気角周期において、上アームスイッチをオン操作とする期間と下アームスイッチをオン操作する期間とが1回ずつとされる制御である。矩形波制御では、変調率が第2変調率Mbで固定されるため、電圧位相δのみが操作量となる。
位相制御が行われる場合、図7に示すように、実際の電流ベクトルは定電圧楕円Lvc上を動くこととなる。定電圧楕円Lvcは、電圧位相δのみを操作する場合に取り得るd,q軸電流Id,Iqの軌跡である。実際の電流ベクトルは、定電圧楕円Lvcと、指令トルクTrq*に対応する定トルク曲線との交点に位置することとなる。
先の図2の説明に戻り、信号生成部30nは、変調器30mから出力された3相の指令電圧GU,GV,GWに基づいて、各操作信号gUp,gUn,gVp,gVn,gWp,gWnを生成して各駆動回路Drに出力する。信号生成部30nは、例えば、指令電圧GU,GV,GWと、三角波信号等のキャリア信号との大小比較に基づく三角波比較PWM制御により、各操作信号gUp,gUn,gVp,gVn,gWp,gWnを生成する。ちなみに、キャリア信号に基づく操作信号の生成に代えて、パルスパターンに基づいて操作信号を生成してもよい。
速度算出部30pは、電気角θeに基づいて、モータジェネレータ10の電気角周波数ωeを算出する。
ゲイン設定部30qは、電気角周波数ωe、電源電圧VINV、指令トルクTrq*及び電圧振幅Vrに基づいて、第1比例ゲインKpδ、第1積分ゲインKiδ、第2比例ゲインKpv及び第2積分ゲインKivを設定する。以下、ゲインの設計手法について説明した後、ゲイン設定部30qによるゲイン設定処理について説明する。
まず、ゲインの設計手法について説明する。
図8に、トルクフィードバック制御系のブロック線図を示す。この制御系は、図2に示した制御系を、モータジェネレータ10の各動作点近傍で線形化した伝達関数から構成されている。本実施形態では、インバータ20の電源電圧、モータジェネレータ10のトルク及び電気角周波数にて動作点を特定することとする。図8では、位相算出部30eの伝達関数をPa(s)にて示し、振幅算出部30kの伝達関数をPb(s)にて示す。
図8において、指令トルク変化量Δtrq*は、現在の指令トルクTrq*を平衡点とし、その平衡点からの指令トルクの微小変化量を示す。
伝達関数Ht(s)は、観測器を表し、フィルタ部30bを含む伝達関数である。本実施形態において、伝達関数Ht(s)は、ローパスフィルタの伝達関数であり、例えば1次遅れフィルタである。フィルタの伝達関数Ht(s)は、制御系のうち2相変換部30aからフィルタ部30bを介してトルク偏差算出部30dに至るまでの構成に相当する。
位相算出部30eの伝達関数Pa(s)の出力は、位相微小変化量Δδである。位相微小変化量Δδは、現在の電圧位相δから、平衡点における電圧位相δ0を減算した値に相当する。モータジェネレータ10の駆動状態が定常状態になると、現在の電圧位相δが平衡点における電圧位相δ0に収束し、位相微小変化量Δδが0に収束する。
伝達関数Ctλは、指令トルク変化量Δtrq*を入力として、指令トルクTrq*がΔtrq*だけ変化した場合のλ軸指令電流Iλ*の微小変化量Δiλ*を出力とする伝達関数である。伝達関数Ctλは、制御系のうち、指令電流算出部30fからλ軸指令電流算出部30hに至るまでの構成に相当する。本実施形態において、伝達関数Ctλは、入力信号の周波数に依存せず、モータジェネレータ10のトルクのみに依存するものとなっている。指令トルク変化量Δtrq*が0に収束すると、λ軸指令電流の微小変化量Δiλ*が0に収束する。
伝達関数Hi(s)は、観測器を表し、フィルタ部30bを含む伝達関数である。本実施形態において、伝達関数Hi(s)は、ローパスフィルタの伝達関数であり、例えば1次遅れフィルタである。フィルタの伝達関数Hi(s)は、制御系のうち、2相変換部30aからフィルタ部30bを介してλ軸電流偏差算出部30jに至るまでの構成に相当する。
振幅算出部30kの伝達関数Pb(s)の出力は、振幅微小変化量ΔVrである。振幅微小変化量ΔVrは、現在の電圧振幅Vrから、平衡点における電圧振幅Vr0を減算した値に相当する。モータジェネレータ10の駆動状態が定常状態になると、現在の電圧振幅Vrが平衡点における電圧振幅Vr0に収束し、振幅微小変化量ΔVrが0に収束する。
モータジェネレータ10を表す伝達関数のうち第1伝達関数Gδt(s)は、位相微小変化量Δδを入力として、電圧位相δが位相微小変化量Δδだけ変化した場合のモータジェネレータ10のトルク変化量である第1トルク変化量Δtr1を出力とする。位相微小変化量Δδが0に収束すると、第1トルク変化量Δtr1が0に収束する。
モータジェネレータ10を表す伝達関数のうち第2伝達関数Gvt(s)は、振幅微小変化量ΔVrを入力として、電圧振幅Vrが振幅微小変化量ΔVrだけ変化した場合のモータジェネレータ10のトルク変化量である第2トルク変化量Δtr2を出力とする。振幅微小変化量ΔVrが0に収束すると、第2トルク変化量Δtr2が0に収束する。
第1トルク変化量Δtr1及び第2トルク変化量Δtr2の加算値が、総トルク変化量Δtrqとなる。総トルク変化量Δtrqは、フィルタの伝達関数Ht(s)を介してトルク偏差算出部30dに入力される。
モータジェネレータ10を表す伝達関数のうち第3伝達関数Gδλ(s)は、位相微小変化量Δδを入力として、電圧位相δが位相微小変化量Δδだけ変化した場合のλ軸電流の変化量である第1λ軸電流変化量Δi1を出力とする。モータジェネレータ10の駆動状態が定常状態となり、位相微小変化量Δδが0に収束すると、第1λ軸電流変化量Δi1が0に収束する。
モータジェネレータ10を表す伝達関数のうち第4伝達関数Gvλ(s)は、振幅微小変化量ΔVrを入力として、電圧振幅Vrが振幅微小変化量ΔVrだけ変化した場合のλ軸電流の変化量である第2λ軸電流変化量Δi2を出力とする。モータジェネレータ10の駆動状態が定常状態となり、振幅微小変化量ΔVrが0に収束すると、第2λ軸電流変化量Δi2が0に収束する。
第1λ軸電流変化量Δi1及び第2λ軸電流変化量Δi2の加算値が、総λ軸電流変化量Δiλとなる。総λ軸電流変化量Δiλは、フィルタの伝達関数Hi(s)を介してλ軸電流偏差算出部30jに入力される。
ここで、位相微小変化量Δδ及び振幅微小変化量ΔVrを入力とし、総トルク変化量Δtrqを出力とする伝達関数は下式(eq14)で表される。
上式(eq14)において、sはラプラス演算子を示す。また、位相微小変化量Δδ及び振幅微小変化量ΔVrを入力とし、総λ軸電流変化量Δiλを出力とする伝達関数は下式(eq15)で表される。
上式(eq14),(eq15)を下式(eq16),(eq17)のように表す。
ここで、電圧位相δとλ軸電流Iλとは非干渉化されている。このため、第4伝達関数Gvλ(s)の低周波数域におけるゲイン周波数特性は0dBに対して十分小さいものとなり、無視できる。このため、上式(eq17)は下式(eq18)のように表すことができる。
図9に、所定の動作点を平衡点とした場合の各伝達関数Gδt,Gδλ,Gvt,Gvλの周波数特性を示す。図示されるように、各伝達関数Gδt,Gδλ,Gvt,Gvλは、電気角周波数近傍に共振角周波数を有している。本実施形態において、各伝達関数Gδt,Gδλ,Gvt,Gvλの共振角周波数ωrは、モータジェネレータ10の各動作点において、互いに同じ角周波数となっている。
各伝達関数Gδt,Gδλ,Gvt,Gvλは、共振角周波数ωrよりも十分低い低周波数領域において、ゲインが略一定となっている。また、各伝達関数Gδt,Gδλ,Gvt,Gvλは、共振角周波数ωrよりも十分低い低周波数領域において、位相遅れも0又は0に近い値となっている。このため本実施形態では、低周波数領域において、各動作点の各伝達関数Gδt,Gδλ,Gvt,Gvλを定数とみなす。
ここで、モータジェネレータ10の駆動状態が定常状態であるとの条件、すなわち、s=0の条件を課すと、上式(eq16)は下式(eq19)となる。
本実施形態において、上式(eq19)のAδtを位相側伝達関数と称すこととする。第1,第2伝達関数Gδt(0),Gvt(0)は、モータジェネレータ10の動作点が定まれば算出できる。このため、動作点と、振幅微小変化量ΔVrと位相微小変化量Δδとの比とがわかれば、上式(eq19)により位相側伝達関数Aδtを算出できる。なお図10(a)に、所定の動作点における位相側伝達関数Aδtを示す。
一方、モータジェネレータ10の駆動状態が定常状態であるとの条件を課すと、上式(eq18)は下式(eq20)となる。
本実施形態において、上式(eq20)のBvλを振幅側伝達関数と称すこととする。第4伝達関数Gvλ(0)は、モータジェネレータ10の動作点が定まれば算出できる。このため、動作点がわかれば、上式(eq20)により振幅側伝達関数Bvλを算出できる。この際、振幅微小変化量ΔVrと位相微小変化量Δδとの比は不要である。なお図10(b)に、所定の動作点における振幅側伝達関数Bvλを示す。
上述した位相側伝達関数Aδt及び振幅側伝達関数Bvλを用いることにより、図8に示すブロック線図を、図11に示すブロック線図のように表すことができる。図11に示すブロック線図は、電圧位相δから電圧振幅Vrへの干渉と、電圧振幅Vrから電圧位相δへの干渉とが解消されたものとなっている。このため、相互干渉に起因したトルク制御性の低下を回避するように、位相算出部30eを含むフィードバック制御系と、振幅算出部30kを含むフィードバック制御系とを個別に設計できる。
続いて図12を用いて、ゲイン設定処理について説明する。この処理は、ゲイン設定部30qにより、例えば所定周期毎に繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、指令トルクTrq*、電気角周波数ωe、電源電圧VINV、及び振幅算出部30kにより算出された電圧振幅Vrを取得する。本実施形態において、ステップS10の処理が情報取得部に相当する。
続くステップS12では、電圧振幅Vrがその上限値Vlim未満であるか否かを判定する。この処理は、位相振幅制御又は位相制御のいずれが実行されているかを判定するための処理である。ここで上限値Vlimは、上記第2変調率Mbに対応する電圧振幅に設定されている。
ステップS12において肯定判定した場合には、位相振幅制御の実行中であると判定し、ステップS14に進む。ステップS14では、位相振幅制御時における振幅微小変化量ΔVr及び位相微小変化量Δδを算出する。ここで図13(a)には、位相振幅制御時における電流ベクトルInvt及び電圧ベクトルVnvtを示す。ΔIδは、電圧位相δが位相微小変化量Δδだけ変化した場合の電流変化量を示し、ΔIVは、電圧振幅Vrが振幅微小変化量ΔVrだけ変化した場合の電流変化量を示す。ΔInは、電流ベクトルInvtの大きさの変化分を示し、位相振幅制御時はMTPAラインLmtpaに沿った向きを持つ。このことから、振幅微小変化量ΔVr、及び位相微小変化量Δδは電流ベクトルがMTPAラインLmta上にて微小変化したときの電圧ベクトルVnvtの電圧振幅及び電圧位相の微小変化量より得ることができる。また、Vr0は、電圧ベクトルVnvtの大きさを示し、「Vr0×Δδ」は、電圧位相δが位相微小変化量Δδだけ変化した場合の電圧ベクトルVnvtの変化分を示す。
先の図12の説明に戻り、続くステップS16では、上式(eq19)に基づいて、位相側伝達関数Aδtを算出する。詳しくは、まず、指令トルクTrq*、電気角周波数ωe及び電源電圧VINVに基づいて、実数で与えられる第1,第2伝達関数Gδt(0),Gvt(0)を算出する。そして、算出した第1,第2伝達関数Gδt(0),Gvt(0)と、振幅微小変化量ΔVr及び位相微小変化量Δδの比とを上式(eq19)に入力することにより、位相側伝達関数Aδtを算出する。なお、第1,第2伝達関数Gδt(0),Gvt(0)は、例えば、指令トルクTrq*、電気角周波数ωe及び電源電圧VINVと関係付けられて第1,第2伝達関数Gδt(0),Gvt(0)が規定されたマップ又は数式に基づいて算出されればよい。
またステップS16では、上式(eq20)に基づいて、振幅側伝達関数Bvλを算出する。詳しくは、指令トルクTrq*、電気角周波数ωe及び電源電圧VINVに基づいて、実数で与えられる第4伝達関数Gvλ(0)を算出し、算出した第4伝達関数Gvλ(0)を振幅側伝達関数Bvλとする。なお、第4伝達関数Gvλ(0)は、例えば、指令トルクTrq*、電気角周波数ωe及び電源電圧VINVと関係付けられて第4伝達関数Gvλ(0)が規定されたマップ又は数式に基づいて算出されればよい。
一方、ステップS12において否定判定した場合には、位相制御の実行中であると判定し、ステップS18に進む。ステップS18では、指令トルクTrq*、電気角周波数ωe及び電源電圧VINVに基づいて、第1伝達関数Gδt(0)を算出し、算出した第1伝達関数Gδt(0)を位相側振幅関数Aδtとする。これは、位相制御の実行中においては、振幅微小変化量ΔVrが0となるため、上式(eq19)を下式(eq21)にすることができるためである。なお図13(b)には、位相制御時における電流ベクトルInvt及び電圧ベクトルVnvtを示す。
またステップS18では、上式(eq20)に基づいて、振幅側伝達関数Bvλを算出する。
ステップS16、S18の処理の完了後、ステップS20に進み、電気角周波数ωeに基づいて、フィルタの伝達関数Ht(s)、Hi(s)のフィルタ特性を設定する。ここでは、モータジェネレータ10の第1〜第4伝達関数Gδt,Gvt,Gδλ,Gvλの共振を抑制するようにフィルタ特性を設定する。具体的には、伝達関数Ht(s)、Hi(s)のカットオフ周波数ωoffが共振角周波数ωrよりも低くなるようにフィルタ特性を設定すればよい。
続くステップS22では、第1比例ゲインKpδ及び第1積分ゲインKiδを算出する。本実施形態では、以下の(A)〜(D)の条件を満たすように、第1比例ゲインKpδ及び第1積分ゲインKiδを算出する。
(A)下式(eq22)に示す第1一巡伝達関数Ga(s)のゲイン周波数特性におけるゲイン余裕が第1所定値Da以上であるとの条件。ここでゲイン余裕は、位相交差角周波数において、第1一巡伝達関数Ga(s)のゲイン周波数特性のゲインが0dBに対して下回る値である。位相交差角周波数は、第1一巡伝達関数Ga(s)の位相周波数特性が180度になる場合の角周波数である。
(B)第1一巡伝達関数Ga(s)の位相周波数特性における位相余裕が第1位相Ea以上であるとの条件。ここで位相余裕は、ゲイン交差角周波数において、第1一巡伝達関数Ga(s)の位相周波数特性が−180度に対して上回る値である。ゲイン交差角周波数は、第1一巡伝達関数Ga(s)のゲイン周波数特性のゲインが0dBになる場合の角周波数である。
(C)第1一巡伝達関数Ga(s)のゲイン交差角周波数ωc1が、第1伝達関数Gδt(s)及び第2伝達関数Gvt(s)それぞれの共振角周波数ωr未満になるとの条件。
(D)上記(A)〜(C)の条件を満たして、かつ、位相算出部30eの積分制御における積分時間Ti1が最短になるとの条件。
続くステップS24では、第2比例ゲインKpv及び第2積分ゲインKivを算出する。本実施形態では、以下の(E)〜(H)の条件を満たすように、第2比例ゲインKpv及び第2積分ゲインKivを算出する。
(E)下式(eq23)に示す第2一巡伝達関数Gb(s)のゲイン周波数特性におけるゲイン余裕が第2所定値Db以上であるとの条件。
(F)第2一巡伝達関数Gb(s)の位相周波数特性における位相余裕が第2位相Eb以上であるとの条件。
(G)第2一巡伝達関数Gb(s)のゲイン交差角周波数ωc2が、第3伝達関数Gδλ(s)及び第4伝達関数Gvλ(s)それぞれの共振角周波数ωr未満になるとの条件。
(H)上記(E)〜(G)の条件を満たして、かつ、振幅算出部30kの積分制御における積分時間Ti2が最短になるとの条件。
続くステップS26では、ステップS22の処理で算出した第1比例ゲインKpδ及び第1積分ゲインKiδを位相算出部30eに対して出力する。これにより、算出した第1比例ゲインKpδ及び第1積分ゲインKiδが電圧位相δの算出に用いられる。
続くステップS28では、ステップS24の処理で算出した第2比例ゲインKpv及び第2積分ゲインKivを振幅算出部30kに対して出力する。これにより、算出した第2比例ゲインKpv及び第2積分ゲインKivが電圧振幅Vrの算出に用いられる。
ちなみに、上述したゲイン設定処理によるゲイン設定手法は、共振角周波数ωrよりも低い低周波数領域において各伝達関数Gδt,Gvt,Gδλ,Gvλが定数とみなせることに基づくものである。このため、例えば、上述したゲイン設定処理は、電気角周波数ωeが共振角周波数ωrよりも低い所定角周波数以下であることを条件として実行されればよい。また例えば、電気角周波数ωeが上記所定角周波数以下となるようにモータジェネレータ10のトルク制御が行われるようにしてもよい。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
・位相側伝達関数Aδtに含まれる第1,第2伝達関数Gδt(s),Gvt(s)をs=0の場合の第1,第2伝達関数Gδt(0),Gvt(0)とした。また、振幅側伝達関数Bvλに含まれる第4伝達関数Gvλ(s)をs=0の場合の第4伝達関数Gvλ(0)とした。このため、第1,第2,第4伝達関数Gδt,Gvt,Gvλの位相周波数特性が0度又は0度に近い値となる。したがって、モータジェネレータ10の各動作点において、第1,第2,第4伝達関数Gδt(0),Gvt(0),Gvλ(0)を定数とみなすことができるようになる。これにより、電圧位相δに基づくトルク制御と電圧振幅Vrに基づくトルク制御との相互干渉の影響を抑制できる。その結果、位相算出部30e及び振幅算出部30kのそれぞれにおいて、独立して制御系を設計することができ、トルク制御性の低下を回避できるような比例,積分ゲインを個別に設定することができる。
・指令トルクTrq*、電気角周波数ωe及び電源電圧VINVに基づいて、第1,第2,第4伝達関数Gδt,Gvt,Gvλを算出した。このため、モータジェネレータ10の動作点が変化する場合であっても、モータジェネレータ10のトルク制御の応答性及び安定性を高く維持することができる。
・位相制御時においては、電圧振幅が固定されているため、振幅微小変化量ΔVrが0になる。したがって、位相側伝達関数Aδtにおいて、第2伝達関数Gvtを無視できる。これにより、第1比例ゲインKpδ及び第1積分ゲインKiδを算出する際に第2伝達関数Gvtを算出する必要がなくなる。したがって、制御装置30の演算負荷を低減することができる。
・MTPAラインLmtpaは、q軸電流Iqの座標軸から離れるように原点Oから延びている。このため、電流ベクトルInvtをMTPAラインLmtpa上に位置させるためには、電圧位相δ及び電圧振幅Vrそれぞれをある程度の操作量で操作することが要求される。したがって、最小電流最大トルク制御時には、振幅微小変化量ΔVr及び位相微小変化量Δδそれぞれがある程度大きくなる傾向になる。これにより、位相側伝達関数Aδtの算出に用いる各微小変化量ΔVr,Δδにノイズが重畳したとしても、そのノイズに各微小変化量ΔVr,Δδが埋もれるおそれが小さい。したがって、最小電流最大トルク制御を用いる構成によれば、位相側伝達関数Aδtの算出精度を高めることができる。
・上記(D)の条件を課して第1比例ゲインKpδ及び第1積分ゲインKiδを算出した。また、上記(H)の条件を課して第2比例ゲインKpv及び第2積分ゲインKivを算出した。このため、第1,第2一巡伝達関数Ga,Gbの共振角周波数近傍のゲインを低下させることができ、トルク制御の安定性を高めることができる。
・電圧振幅を入力とし、λ軸電流を出力とする第4伝達関数Gvλ(s)を制御系の設計に用いた。このため、振幅側伝達関数Bvλの算出に際し、第4伝達関数Gvλ(0)を無視でき、第4伝達関数Gvλ(0)を算出する必要がない。これにより、制御装置30の演算負荷を低減することができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、フィードバックゲインの設定手法を変更する。
図14に、本実施形態に係るトルク制御の機能ブロック図を示す。なお図14において、先の図2に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
図示されるように、ゲイン設定部30rは、記憶部としてのメモリを備えている。メモリは、図15に示すように、指令トルクTrq*、電気角周波数ωe及び電源電圧VINVと関係付けられて第1比例ゲインKpδ,第1積分ゲインKiδが規定されたマップ情報を予め記憶している。メモリに記憶されている第1比例ゲインKpδ及び第1積分ゲインKiδは、上記(A)〜(D)の条件を満たすように適合されたものである。
また、メモリは、指令トルクTrq*、電気角周波数ωe及び電源電圧VINVと関係付けられて第2比例ゲインKpv,第2積分ゲインKivが規定されたマップ情報を予め記憶している。メモリに記憶されている第2比例ゲインKpv及び第2積分ゲインKivは、上記(E)〜(H)の条件を満たすように適合されたものである。
続いて図16を用いて、本実施形態に係るゲイン設定処理について説明する。この処理は、ゲイン設定部30rにより、例えば所定周期毎に繰り返し実行される。なお図16において、先の図12に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
この一連の処理では、ステップS12において肯定判定した場合には、位相振幅制御の実行中であると判定し、ステップS40に進む。ステップS40では、取得した指令トルクTrq*、電気角周波数ωe及び電源電圧VINVに基づいて、メモリに記憶されている情報から、第1比例ゲインKpδ及び第1積分ゲインKiδを選択する。なお、このステップで選択される第1比例ゲインKpδ及び第1積分ゲインKiδは、上式(eq19)に示す位相側伝達関数Aδtを用いて適合されたものである。
一方、ステップS12において否定判定した場合には、位相制御の実行中であると判定し、ステップS42に進む。ステップS42では、取得した指令トルクTrq*、電気角周波数ωe及び電源電圧VINVに基づいて、メモリに記憶されている情報から、該当する第1比例ゲインKpδ及び第1積分ゲインKiδを選択する。なお、このステップで選択される第1比例ゲインKpδ及び第1積分ゲインKiδは、上式(eq21)に示す位相側伝達関数Aδtを用いて適合されたものである。
ステップS40,S42の処理の完了後、ステップS44に進む。ステップS44では、取得した指令トルクTrq*、電気角周波数ωe及び電源電圧VINVに基づいて、メモリに記憶されている情報から、該当する第2比例ゲインKpv及び第2積分ゲインKivを選択する。なお、このステップで選択される第2比例ゲインKpv及び第2積分ゲインKivは、上式(eq20)に示す振幅側伝達関数Bvλを用いて適合されたものである。
続くステップS46では、ステップS40又はS42の処理で選択した第1比例ゲインKpδ及び第1積分ゲインKiδを位相算出部30eに対して出力する。またステップS46では、ステップS44の処理で選択した第2比例ゲインKpv及び第2積分ゲインKivを振幅算出部30kに対して出力する。
各フィードバックゲインをリアルタイムで都度算出するには、非線形の連立方程式を解く必要があるため、制御装置30の演算負荷は増加する。これに対し、本実施形態によれば、動作点に基づいてマップ情報から選択する構成であるため、制御装置30の演算負荷を低減できる。
なお、本実施形態において、位相制御時のフィードバックゲインのみをマップ情報化してメモリに記憶させてもよい。以下、この理由について説明する。
所望のフィードバックゲインを設計するには、モータジェネレータ10のトルク、電源電圧及び電気角周波数から定まる動作点を決定し、決定した動作点における第1〜第4伝達関数Gδt,Gvt,Gδλ,Gvλを特定する必要がある。動作点は、d,q軸電流から定まる電流ベクトルとして捉えることができる。このため、フィードバックゲインは、d,q軸電流Id,Iqの関数となる。
ここで、モータジェネレータ10の最大効率を考えると、動作点は以下のように定義できる。詳しくは、電圧が飽和する位相制御時においては、先の図7に示すように、定電圧楕円Lvcと定トルク曲線Lctの交点が動作点となる。一方、電圧が非飽和である位相振幅制御時においては、MTPAラインLmtpaと定トルク曲線Lctとの交点が動作点となる。MTPAラインLmtpaと定トルク曲線Lctとは、モータジェネレータ10のトルクによって一義的に定まる。
これに対し、定電圧楕円Lvcは電気角周波数及び電源電圧によって定まるものの、定電圧楕円Lvcと定トルク曲線Lctの交点を求めるには非線形の連立方程式を解くことが要求される。このため、制御装置30の演算負荷が大きくなるといった問題が生じる。この問題に対処するために、位相制御時におけるフィードバックゲインのみマップ情報化してもよい。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について、上記第2実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、フィードバックゲインのメモリへの記憶態様を変更する。詳しくは、メモリは、図17に示すように、電源電圧VINVを電気角周波数ωeで除算した値である比率情報「VINV/ωe」及び指令トルクTrq*と関係付けられて第1比例ゲインKpδ,第1積分ゲインKiδが規定されたマップ情報を予め記憶している。またメモリは、比率情報及び指令トルクTrq*と関係付けられて第2比例ゲインKpv,第2積分ゲインKivが規定されたマップ情報を予め記憶している。特に本実施形態では、位相制御時におけるフィードバックゲインのみマップ情報化している。
上述した記憶態様は、メモリの記憶情報量を削減するために採用されている。以下、フィードバックゲインと比率情報とが関係付けられる理由について説明する。
電気角周波数及び電源電圧により変動する定電圧楕円Lvcについて考える。定常状態であってかつ電機子巻線抵抗Rを無視した場合の永久磁石同期機の電圧方程式は、上式(eq3)にて表される。上式(eq3)のd,q軸電圧Vd、Vqについて2乗和をとると、下式(eq24)が導かれる。
上式(eq24)を変形すると、下式(eq25)のように、電源電圧VINVに対応する電圧振幅Vrを含む「Vr/ωe」でまとめることができる。
上式(eq25)は、楕円を表す方程式であり、「Vr/ωe」が一定であれば、その楕円は同じ形となることを示している。このため、電圧が飽和する位相制御時においては、「Vr/ωe」及びトルク、すなわち「VINV/ωe」及びトルクによりモータジェネレータ10の動作点を特定できる。
続いて、本実施形態に係るゲイン設定処理について、先の図16に示した処理との相違点を中心に説明する。
ゲイン設定部30rは、取得した電気角周波数ωe及び電源電圧VINVに基づいて、比率情報「VINV/ωe」を算出する。ゲイン設定部30rは、算出した比率情報と指令トルクTrq*とに基づいて、メモリに記憶されている情報から、第1比例ゲインKpδ及び第1積分ゲインKiδと、第2比例ゲインKpv及び第2積分ゲインKivとを選択する。
以上説明した本実施形態によれば、メモリの記憶情報量を削減することができる。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態について、上記第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、図18に示すように、フィードバックゲインの算出に用いる第1一巡伝達関数Ga(s)に、第1むだ時間要素Xa(s)が含まれている。また、第2一巡伝達関数Gb(s)に、第2むだ時間要素Xb(s)が含まれている。なお図18において、先の図11に示した構成と同一の構成については、便宜上、同一の符号を付している。
各むだ時間要素Xa(s),Xb(s)は、トルクフィードバック制御系における種々の遅延時間をむだ時間として反映して位相余裕判定の条件に加えることにより、位相余裕判定精度を高めるために設けられる。これにより、各フィードバックゲインKpδ,Kiδ,Kpv,Kivの算出精度を高める。
なお、種々の遅延時間としては、例えば、相電流検出部による電流検出から電流検出値がフィルタ部30bに入力されるまでの入力遅延時間、制御装置30からインバータ20までの信号遅延時間、各種検出値のAD変換による遅延時間、制御周期毎の出力更新に起因した遅延時間等が挙げられる。
続いて、各むだ時間要素Xa(s),Xb(s)の反映手法について説明する。
先の図12のステップS22において、第1一巡伝達関数Ga(s)を下式(eq26)のように設定する。
ここでは、第1むだ時間要素Xaのむだ時間taに電気角周波数ωeが乗算された値に基づいて、遅延時間が現在の電気角周波数ωeにおける位相遅れに換算される。
また、図12のステップS24において、第2一巡伝達関数Gb(s)を下式(eq27)のように設定する。
ここでは、第2むだ時間要素Xbのむだ時間tbに電気角周波数ωeが乗算された値に基づいて、遅延時間が現在の電気角周波数ωeにおける位相遅れに換算される。
以上説明した本実施形態によれば、位相余裕の判定精度を高めることができ、ひいては各フィードバックゲインKpδ,Kiδ,Kpv,Kivの算出精度を高めることができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第3実施形態において、位相制御時のみならず、位相振幅制御におけるフィードバックゲインをマップ情報化してもよい。
・上記第4実施形態で説明したむだ時間要素をさらに用いて、上記第2,第3実施形態の各フィードバックゲインを適合してもよい。
・図12のステップS22の処理において、(D)の条件は必須ではない。また、ステップS24の処理において、(H)の条件は必須ではない。
・上記第1実施形態では、s=0(ωe=0)となる場合の各伝達関数Gδt,Gvt,Gvλに基づいて比例,積分ゲインを設定したがこれに限らない。例えば、0<ωe<ωrとなる場合の各伝達関数Gδt,Gvt,Gvλに基づいて比例,積分ゲインを設定してもよい。この場合であっても、各伝達関数Gδt,Gvt,Gvλの位相が0度から大きくずれていないため、相互干渉の影響を抑制することはできる。
・上記第1実施形態では、λ軸電流Iλrをλ軸指令電流Iλ*にフィードバック制御するための操作量として、電圧振幅Vrを算出したがこれに限らない。例えば、d軸電流Idrをd軸指令電流Id*にフィードバック制御するための操作量として、電圧振幅Vrを算出してもよい。この場合、第3伝達関数は、位相微小変化量Δδを入力として、電圧位相δが位相微小変化量Δδだけ変化した場合のd軸電流の変化量である第1d軸電流変化量Δid1を出力とする伝達関数Gδd(s)となる。また、第4伝達関数は、振幅微小変化量ΔVrを入力として、電圧振幅Vrが振幅微小変化量ΔVrだけ変化した場合のd軸電流の変化量である第2d軸電流変化量Δid2を出力とする伝達関数Gvd(s)となる。そして、第1d軸電流変化量Δid1及び第2d軸電流変化量Δid2の加算値が、総d軸電流変化量Δidtとなる。この構成において、上式(eq15)に代わり、下式(eq28)が定義される。
上式(eq28)を下式(eq29)のように表す。
この場合、電圧が飽和する位相制御時においても、位相微小変化量Δδ及び振幅微小変化量ΔVrを上式(eq29)に入力することにより、振幅側伝達関数を算出する必要がある。
・d,q軸指令電流Id*,Iq*の算出手法としては、最小電流最大トルク制御によるものに限らず、例えばd軸指令電流Id*を0にするものであってもよい。
・トルクフィードバック制御で用いるトルクとしては、トルク推定値に限らず、例えば、モータジェネレータ10のトルクを検出するトルク検出器の検出値であってもよい。
・位相算出部30e及び振幅算出部30kにおけるフィードバック制御に微分制御を含めてもよい。
・上記第1実施形態では、モータジェネレータ10の各伝達関数と関係付けられるモータジェネレータ10の動作点を表すパラメータとして、指令トルクTrq*、電気角周波数ωe及び電源電圧VINVを用いたがこれに限らない。例えば、指令トルクTrq*、電気角周波数ωe及び電源電圧VINVのうち、一部であってかつ少なくとも1つを用いてもよい。なお、上記第2,第3実施形態でフィードバックゲインと関係づけられる動作点についても同様である。
また、動作点を表すパラメータとして、電源電圧VINVに代えて電圧振幅Vr又は変調率Mrを用いたり、電気角周波数ωeに代えてモータジェネレータの機械角周波数を用いたりしてもよい。
・先の図2において、フィルタ部30bを、2相変換部30aとトルク推定部30cとの間、又はトルク推定部30cとトルク偏差算出部30dとの間に設けてもよい。
・モータジェネレータとしては、IPMSMに限らず、SPMSMであってもよい。この場合、動作点を表すパラメータとして、指令トルクTrq*に代えて、q軸指令電流Iq*を用いてもよい。
またモータジェネレータとしては、永久磁石界磁型のものに限らず、巻線界磁型のものであってもよい。さらにモータジェネレータとしては、同期機に限らず、例えば誘導機であってもよい。
・モータジェネレータとしては、3相のものに限らず、それ以外の相数を有するものであってもよい。
・モータジェネレータとしては、車載主機として用いられるものに限らず、電動パワーステアリング装置を構成する電動機等、他の用途に用いられるものであってもよい。
10…モータジェネレータ、20…インバータ、30…制御装置。

Claims (11)

  1. インバータ(20)に電気的に接続された回転電機(10)の制御装置において、
    前記回転電機のトルクを指令トルクにフィードバック制御するための操作量として、前記回転電機に印加される電圧ベクトルの位相である電圧位相(δ)を算出する位相算出部(30)と、
    前記回転電機に流れる電流を前記指令トルクに応じた指令電流(Iλ*)にフィードバック制御するための操作量として、前記電圧ベクトルの大きさである電圧振幅(Vr)を算出する振幅算出部(30)と、
    前記電圧位相及び前記電圧振幅に基づいて前記インバータを操作することにより、前記トルクを前記指令トルクに制御する制御部(30)と、を備え、
    前記電圧位相を入力とし、前記トルクを出力とする前記回転電機の周波数特性を表す伝達関数が第1伝達関数(Gδt)として定義されており、
    前記電圧振幅を入力とし、前記トルクを出力とする前記回転電機の周波数特性を表す伝達関数が第2伝達関数(Gvt)として定義されており、
    前記電圧位相を入力とし、前記指令電流を出力とする前記回転電機の周波数特性を表す伝達関数が第3伝達関数(Gδλ)として定義されており、
    前記電圧振幅を入力とし、前記指令電流を出力とする前記回転電機の周波数特性を表す伝達関数が第4伝達関数(Gvλ)として定義されており、
    前記電圧位相を入力とし、前記トルクを出力とする前記回転電機の周波数特性を表して、かつ、前記第1伝達関数及び前記第2伝達関数を含む伝達関数が位相側伝達関数(Aδt)として定義されており、
    前記電圧振幅を入力とし、前記指令電流を出力とする前記回転電機の周波数特性を表して、かつ、前記第3伝達関数及び前記第4伝達関数を含む伝達関数が振幅側伝達関数(Bvλ)として定義されており、
    前記電圧位相を入力とし、前記トルク又は該トルクから高周波成分が除去された値を出力として、かつ、前記位相算出部のフィードバック制御の伝達関数と前記位相側伝達関数とを含む一巡伝達関数が第1一巡伝達関数(Ga)として定義されており、
    前記電圧振幅を入力とし、前記指令電流又は該指令電流から高周波成分が除去された値を出力として、かつ、前記振幅算出部のフィードバック制御の伝達関数と前記振幅側伝達関数とを含む一巡伝達関数が第2一巡伝達関数(Gb)として定義されており、
    前記第1一巡伝達関数の周波数特性におけるゲイン余裕及び位相余裕が確保されるとの第1条件、及び前記第1一巡伝達関数の周波数特性におけるゲイン交差角周波数が、前記第1伝達関数及び前記第2伝達関数それぞれの周波数特性における共振角周波数未満になるとの第2条件を満たすように、前記位相算出部のフィードバック制御で用いられる位相フィードバックゲインを設定する位相ゲイン設定部(30)と、
    前記第2一巡伝達関数の周波数特性におけるゲイン余裕及び位相余裕が確保されるとの第3条件、及び前記第2一巡伝達関数の周波数特性におけるゲイン交差角周波数が、前記第3伝達関数及び前記第4伝達関数それぞれの周波数特性における共振角周波数未満になるとの第4条件を満たすように、前記振幅算出部のフィードバック制御で用いられる振幅フィードバックゲインを設定する振幅ゲイン設定部(30)と、を備える回転電機の制御装置。
  2. 前記位相側伝達関数は、定常状態における前記第1伝達関数及び前記第2伝達関数のそれぞれを含み、
    前記振幅側伝達関数は、定常状態における前記第3伝達関数及び前記第4伝達関数のそれぞれを含む請求項1に記載の回転電機の制御装置。
  3. 前記位相側伝達関数において、前記第2伝達関数には、前記電圧振幅の変化量(ΔVr)が前記電圧位相の変化量(Δδ)で除算された値が乗算されており、
    前記電圧位相に基づく前記インバータの操作時に前記電圧振幅が固定されているか否かを判定する判定部(30)を備え、
    前記位相ゲイン設定部は、前記判定部により前記電圧振幅が固定されていると判定された場合、前記第2伝達関数が除かれた前記位相側伝達関数を含む前記第1一巡伝達関数を前記位相フィードバックゲインの設定に用いる請求項1又は2に記載の回転電機の制御装置。
  4. 前記位相側伝達関数において、前記第2伝達関数には、前記電圧振幅の変化量(ΔVr)が前記電圧位相の変化量(Δδ)で除算された値が乗算されており、
    前記位相ゲイン設定部は、前記電圧位相及び前記電圧振幅に基づいて前記インバータが操作されている場合における前記電圧振幅及び前記電圧位相それぞれの変化量に基づいて、前記位相フィードバックゲインの設定に用いる前記位相側伝達関数を算出する請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
  5. 前記指令電流は、最小電流最大トルク制御に基づいて算出される値であり、
    前記電圧振幅の変化量(ΔVr)、及び前記電圧位相の変化量(Δδ)は、前記最小電流最大トルク制御を実現する電流指令上を微小変化したときの変化量として定義される請求項4に記載の回転電機の制御装置。
  6. 前記回転電機の電気角周波数情報、前記回転電機のトルク情報及び前記インバータの電源電圧情報のうち、少なくとも1つを含む前記回転電機の動作点情報を取得する情報取得部(30)と、
    前記動作点情報と関係付けられて、かつ、前記第1条件及び前記第2条件を満たす前記位相フィードバックゲインを記憶している位相記憶部(30)と、
    前記動作点情報と関係付けられて、かつ、前記第3条件及び前記第4条件を満たす前記振幅フィードバックゲインを記憶している振幅記憶部(30)と、を備え、
    前記位相ゲイン設定部は、前記情報取得部により取得された動作点情報、及び前記位相記憶部の記憶情報に基づいて、前記位相フィードバックゲインを設定し、
    前記位相ゲイン設定部は、前記情報取得部により取得された動作点情報、及び前記振幅記憶部の記憶情報に基づいて、前記振幅フィードバックゲインを設定する請求項1又は2に記載の回転電機の制御装置。
  7. 前記回転電機の電気角周波数情報及び前記インバータの電源電圧情報を少なくとも含む前記回転電機の動作点情報を取得する情報取得部(30)と、
    前記電源電圧に対する前記電気角周波数の比の情報である比率情報と関係付けられて、かつ、前記第1条件及び前記第2条件を満たす前記位相フィードバックゲインを記憶している位相記憶部(30)と、
    前記比率情報と関係付けられて、かつ、前記第3条件及び前記第4条件を満たす前記振幅フィードバックゲインを記憶している振幅記憶部(30)と、を備え、
    前記位相ゲイン設定部は、前記情報取得部により取得された動作点情報、及び前記位相記憶部の記憶情報に基づいて、前記位相フィードバックゲインを設定し、
    前記位相ゲイン設定部は、前記情報取得部により取得された動作点情報、及び前記振幅記憶部の記憶情報に基づいて、前記振幅フィードバックゲインを設定する請求項1又は2に記載の回転電機の制御装置。
  8. 前記第1一巡伝達関数及び前記第2一巡伝達関数のそれぞれには、前記トルクを前記指令トルクにフィードバック制御する制御系におけるむだ時間要素が含まれている請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
  9. 前記位相算出部及び前記振幅算出部それぞれのフィードバック制御は、比例積分制御であり、
    前記位相ゲイン設定部は、前記第1条件及び前記第2条件を満たして、かつ、積分制御における積分時間が最短となるように、前記位相フィードバックゲインとしての第1比例ゲイン及び第1積分ゲインを設定し、
    前記振幅ゲイン設定部は、前記第3条件及び前記第4条件を満たして、かつ、積分制御における積分時間が最短となるように、前記振幅フィードバックゲインとしての第2比例ゲイン及び第2積分ゲインを設定する請求項1〜8のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
  10. 前記第1伝達関数、前記第2伝達関数、前記第3伝達関数及び前記第4伝達関数のそれぞれは、前記回転電機の動作点により定まる伝達関数であり、
    前記回転電機の動作点情報を取得する情報取得部(30)を備え、
    前記位相ゲイン設定部は、前記情報取得部により取得された動作点情報に基づいて、前記位相フィードバックゲインを設定し、
    前記振幅ゲイン設定部は、前記情報取得部により取得された動作点情報に基づいて、前記振幅フィードバックゲインを設定する請求項1〜9のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
  11. 前記回転電機の回転座標系において前記電圧位相が微小変化した場合の前記回転電機に流れる電流ベクトルの変化分が0となる方向の座標軸が非干渉軸として定義されており、
    前記指令電流は、前記電流ベクトルの前記非干渉軸方向成分の電流である請求項1〜10のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
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