JP2016032407A - 回転電機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータジェネレータに流れる高調波電流を好適に低減することができる回転電機の制御装置を提供する。【解決手段】制御装置30は、各操作信号生成部33U〜33Wのメモリに記憶されたパルスパターンを選択する処理を行う。ここで、制御装置30を構成する高調波処理部31は、パルスパターンの選択処理で用いられる出力電圧ベクトルの電圧振幅「Vn+ΔV」,電圧位相φに振幅高調波信号,位相高調波信号を重畳する。これにより、固定座標系においてモータジェネレータの電気角速度ωのk倍の角速度で変動するk次の高調波電流を低減する。【選択図】 図2

Description

本発明は、スイッチング素子を有する電力変換回路に電気的に接続された回転電機に適用される制御装置に関する。
この種の制御装置としては、例えば下記特許文献1に見られるように、電動機のトルク変動等を低減すべく、電動機に流れる高調波電流を低減するものが知られている。詳しくは、インバータを構成するスイッチング素子のオンオフ操作により、固定座標系において電動機に流れる基本波電流に、トルク変動等の要因となる高調波電流を低減するための高調波電流を重畳させる。ここで、高調波電流を重畳させるためのスイッチング素子のオンオフ操作は、電流フィードバック制御によって算出された指令電圧とキャリアとの大小比較に基づくPWM制御によって行われている。
特許第3852289号公報
ところで、スイッチング素子のオンオフ操作手法としては、上述したPWM制御を用いた手法のほかに、パルスパターンを用いた手法もある。詳しくは、制御装置は、例えばインバータの出力電圧ベクトルの振幅ごとに、電動機の電気角と関係づけられたスイッチング素子のオンオフ操作指令を記憶する記憶手段を備えている。こうした構成において、まず、電動機の制御量をその目標値にフィードバック制御するための操作量として、1次回転座標系におけるインバータの出力電圧ベクトルの位相を設定する。ここで、1次回転座標系とは、固定座標系において電動機に流れる基本波電流の変動角速度と同じ角速度で回転する座標系のことである。そして、出力電圧ベクトルの振幅に基づき選択されたオンオフ操作指令を、電気角の検出値に対して上記位相だけずらしてスイッチング素子に対して出力することで、スイッチング素子をオンオフ操作する。
ここで、パルスパターンを用いた手法においても、電動機のトルク変動等の要因となる高調波電流を低減すべく、高調波電流を重畳する手法の適用が望まれる。
本発明は、回転電機に流れる高調波電流を好適に低減することができる回転電機の制御装置を提供することを主たる目的とする。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
本発明は、スイッチング素子(SUp〜SWn)を有する電力変換回路(20)に電気的に接続された回転電機(10)に適用され、固定座標系において前記回転電機に流れる基本波電流の変動角速度と同じ角速度で回転する座標系を1次回転座標系とし、前記回転電機の制御量をその目標値にフィードバック制御するための操作量として、前記1次回転座標系における前記電力変換回路の出力電圧ベクトルの位相を設定する電圧位相設定手段(30d)と、前記制御量を前記目標値に制御するための操作量として、前記出力電圧ベクトルの振幅を設定する電圧振幅設定手段(30h,30j,30k,32)と、前記振幅を含む振幅パラメータごとに、前記回転電機の電気角と関係づけられた前記スイッチング素子のオンオフ操作指令を記憶する記憶手段(33U〜33W)と、前記電圧振幅設定手段によって設定された振幅を含む前記振幅パラメータに基づき選択された前記オンオフ操作指令を、前記電気角の検出値を基準として、前記電圧位相設定手段によって設定された位相だけずらして前記スイッチング素子に対して出力することで、前記スイッチング素子をオンオフ操作する操作手段(33U〜33W)と、前記回転電機に流れる相電流検出値に基づき、前記回転電機に流れる高調波電流を抽出する抽出手段(31a,31b)と、「1±6n」(nは0以外の整数)を整数kと定義し、前記抽出手段によって抽出された高調波電流に基づき、前記固定座標系において前記回転電機の電気角速度のk倍の角速度で変動する高調波電流を低減するための高調波信号であって、前記1次回転座標系において前記電気角速度の「k−1」倍の角速度で変動する高調波信号を生成する生成手段(31i,31j;31i,31j,31s,31t)と、前記操作手段において用いられる前記振幅及び前記位相のうち少なくとも一方に前記高調波信号を重畳する重畳手段(31k,31l)とを備えることを特徴とする。
操作手段において用いられる出力電圧ベクトルの振幅及び位相のうち少なくとも一方に、電気角速度の「k−1」倍の角速度で変動する高調波信号を重畳すると、固定座標系において回転電機に電気角速度のk倍の高調波電流(以下、k次の高調波電流)が流れる。このため、低減対象とするk次の高調波電流を相殺するような高調波信号を振幅及び位相のうち少なくとも一方に重畳することにより、回転電機に流れるk次の高調波電流を低減することができる。
そこで、上記発明では、回転電機に流れる相電流検出値に基づき、回転電機に流れる高調波電流を抽出する。抽出された高調波電流は、低減対象とする高調波電流を把握するための情報となる。そして、抽出された高調波電流に基づき、上記高調波信号を生成する。こうして生成された高調波信号を、振幅及び位相のうち少なくとも一方に重畳することにより、回転電機に流れるk次の高調波電流を好適に低減することができる。
第1実施形態にかかるモータ制御システムの全体構成図。 モータ制御のブロック図。 λ軸を説明するための図。 d軸とλ軸とのなす角度の算出手法を示す図。 λ軸を説明するための図。 λ軸電流の算出手法を示す図。 基本波成分と高調波成分との関係を示す図。 高調波処理部のブロック図。 第2実施形態にかかる高調波信号生成部のブロック図。
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる回転電機の制御装置を、車載主機として多相回転機(3相回転電機)を備える車両(例えば、電気自動車やハイブリッド車)に適用した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、モータ制御システムは、モータジェネレータ10、「電力変換回路」としてのインバータ20、及びモータジェネレータ10を制御対象とする制御装置30を備えている。本実施形態において、モータジェネレータ10は、車載主機であり、図示しない駆動輪に連結されている。本実施形態では、モータジェネレータ10として、突極機であるIPMSMを用いている。
モータジェネレータ10は、インバータ20を介して、直流電源としてのバッテリ22に接続されている。バッテリ22の出力電圧は、例えば百V以上である。なお、バッテリ22及びインバータ20の間には、インバータ20の入力電圧を平滑化する平滑コンデンサ24が設けられている。
インバータ20は、上アームスイッチSUp,SVp,SWpと下アームスイッチSUn,SVn,SWnとの直列接続体を備えている。U相上,下アームスイッチSUp,SUnの接続点には、モータジェネレータ10のU相が接続され、V相上,下アームスイッチSVp,SVnの接続点には、モータジェネレータ10のV相が接続され、W相上,下アームスイッチSWp,SWnの接続点には、モータジェネレータ10のW相が接続されている。ちなみに、本実施形態では、各スイッチSUp〜SWnとして、電圧制御形の半導体スイッチング素子を用い、より具体的には、IGBTを用いている。そして、各スイッチSUp〜SWnには、各フリーホイールダイオードDUp〜DWnが逆並列に接続されている。
モータ制御システムは、さらに、相電流検出手段、電圧検出手段、及び回転角検出手段を備えている。詳しくは、相電流検出手段は、モータジェネレータ10のV相に流れる電流を検出するV相電流センサ42Vと、W相に流れる電流を検出するW相電流センサ42Wとを含む。電圧検出手段は、インバータ20の入力電圧(バッテリ22から出力される直流電圧)を検出する電圧センサ44を含む。回転角検出手段は、モータジェネレータ10の回転角(電気角θe)を検出する回転角センサ46(例えばレゾルバ)を含む。
制御装置30は、マイコンを主体として構成され、モータジェネレータ10の制御量(本実施形態ではトルク)をその目標値(以下、目標トルクTrq*)にフィードバック制御すべく、インバータ20を操作する。詳しくは、制御装置30は、インバータ20を構成するスイッチSUp〜SWnをオンオフ操作すべく、上記各種センサの検出値に基づき、各スイッチSUp〜SWnに対応する操作信号gUp〜gWnを生成し、生成された各操作信号gUp〜gWnを各スイッチSUp〜SWnに対して出力する。ここで、上アーム操作信号gUp,gVp,gWpと、対応する下アーム操作信号gUn,gVn,gWnとは、互いに相補的な信号(論理が反転した信号)となっている。すなわち、上アームスイッチと、対応する下アームスイッチとは、交互にオン状態とされる。なお、目標トルクTrq*は、例えば、制御装置30の外部に設けられた制御装置であって、制御装置30よりも上位の制御装置から出力される。
続いて、図2を用いて、制御装置30によって実行されるモータジェネレータ10のトルク制御について説明する。この制御は、位相制御と、振幅制御とを含むものである。
まず、位相制御について説明する。2相変換部30a(「2相変換手段」に相当)は、V相電流センサ42Vによって検出されたV相電流IV、W相電流センサ42Wによって検出されたW相電流IW、及び回転角センサ46によって検出された電気角θeに基づき、3相固定座標系におけるU相電流IU,V相電流IV,W相電流IWを1次回転座標系(d−q座標系)におけるd軸電流Idr及びq軸電流Iqrに変換する。ここで、1次回転座標系とは、3相固定座標系における相電流の基本波成分の変動角速度と同じ角速度で回転する座標系のことである。なお、U相電流IUは、キルヒホッフの法則に基づき、V相電流IV及びW相電流IWから算出すればよい。
トルク推定器30bは、2相変換部30aから出力されたd,q軸電流Idr,Iqrに基づき、モータジェネレータ10の推定トルクTeを算出する。ここで、推定トルクTeは、d軸電流Idr及びq軸電流Iqrと推定トルクTeとが関係付けられたマップを用いて算出してもよいし、モデル式を用いて算出してもよい。
トルク偏差算出部30cは、目標トルクTrq*から、トルク推定器30bによって算出された推定トルクTeを減算することでトルク偏差ΔTを算出する。なお、トルク推定器30bによって算出された推定トルクTeから高周波成分を除去するフィルタ(ローパスフィルタ)を制御装置30に備え、高周波成分が除去された推定トルクTeを目標トルクTrq*から減算することでトルク偏差ΔTを算出してもよい。
位相設定部30d(「電圧位相設定手段」に相当)は、トルク偏差算出部30cによって算出されたトルク偏差ΔTに基づき、推定トルクTeを目標トルクTrq*にフィードバック制御するための操作量として、電圧位相φを算出する。詳しくは、トルク偏差ΔTを入力とする比例積分制御によって電圧位相φを算出する。本実施形態において、電圧位相φは、d軸の正方向を基準とし、この基準から反時計回りの方向(d軸の正方向からq軸の正方向へと回転する方向)が正方向として定義されている。このため、目標トルクTrq*に対して推定トルクTeが不足する場合には、電圧位相φを増大(進角)させ、目標トルクTrq*に対して推定トルクTeが過剰となる場合には、電圧位相φを減少(遅角)させるようにする。
高調波処理部31は、位相設定部30dによって算出された電圧位相φに位相高調波信号φrを重畳して出力する。なお、高調波処理部31については、後に詳述する。
電気角加算部30eは、高調波処理部31の出力値δに電気角θeを加算する。第1シフト部30fは、電気角加算部30eの出力値「θe+δ」から「2π/3」減算した値を出力する。第2シフト部30gは、電気角加算部30eの出力値「θe+δ」に「2π/3」加算した値を出力する。これにより、電気角加算部30eの出力値「θe+δ」、第1シフト部30fの出力値「θe+δ−2π/3」、及び第2シフト部30gの出力値「θe+δ+2π/3」は、互いに電気角で「2π/3」(120°)ずつずれた信号となる。なお、本実施形態では、以降、電気角加算部30eの出力値をU相参照角θUと称し、第1,第2シフト部30f,30gの出力値をV,W相参照角θV,θWと称すこととする。
続いて、振幅制御について説明する。指令電圧設定部30hは、目標トルクTrq*を入力として、規格化電圧振幅「Vn/ω」を算出する。ここで、規格化電圧振幅「Vn/ω」とは、1次回転座標系におけるインバータ20の出力電圧ベクトルの指令振幅(以下、電圧振幅Vn)を電気角速度ωで除算した値のことである。なお、電圧振幅Vnは、上記出力電圧ベクトルのd軸成分Vdの2乗値及びq軸成分Vqの2乗値の和の平方根として定義される。本実施形態において、規格化電圧振幅は、目標トルクTrq*及び規格化電圧振幅が関係付けられたマップを用いて算出される。
速度算出部30iは、回転角センサ46によって検出された電気角θeに基づき、モータジェネレータ10の電気角速度ωを算出する。速度乗算部30jは、規格化電圧振幅「Vn/ω」に電気角速度ωを乗算することで、電圧振幅Vnを算出する。電圧振幅Vnは、モータジェネレータ10のトルクを目標トルクTrq*にフィードフォワード制御するための操作量となる。
補正部30kは、速度乗算部30jから出力された電圧振幅Vnに、補正量算出部32によって算出された振幅補正量ΔVを加算することで、電圧振幅Vnを補正する。なお、補正量算出部32については、後に詳述する。また、本実施形態において、指令電圧設定部30h、速度乗算部30j、補正部30k及び補正量算出部32が「電圧振幅設定手段」に相当する。
補正部30kによって補正された電圧振幅「Vn+ΔV」は、上記高調波処理部31に入力される。高調波処理部31は、電圧振幅「Vn+ΔV」に振幅高調波信号Vrを重畳して出力する。
U,V,W相操作信号生成部33U,33V,33W(「操作手段」に相当)は、高調波処理部31において振幅高調波信号Vrが重畳された電圧振幅Vkと、U,V,W相参照角θU,θV,θWと、電圧センサ44によって検出された入力電圧VINVとに基づき、各操作信号gUp〜gWnを生成して各スイッチSUp〜Swnに対して出力する。本実施形態では、各操作信号を以下のように生成する。
各操作信号生成部33U〜33Wは、メモリ(記憶手段)を備えている。メモリには、変調率Mごとに、電気角の1回転周期「2π」分の操作信号波形(パルスパターン)がマップデータとして記憶されている。本実施形態において、操作信号波形は、電気角1周期においてモータジェネレータ10の各相巻線に基本波電流を流すための基本波電圧を印加可能なものである。本実施形態では、U〜W相のそれぞれにおいて、記憶されている操作信号波形はいずれも、上アームスイッチSUp,SVp,SWpのオン操作期間と下アームスイッチSUn,SVn,SWnのオン操作期間とが半々となる波形とされている。これは、インバータ20の出力電圧を電気角の1回転周期で均衡の取れたものとするための設定である。さらに本実施形態では、U〜W相のそれぞれにおいて、操作信号波形はいずれも、電気角の1回転周期の中央(180°)に対して対称性を有するものとされている。詳しくは、中央に対して等距離にある一対のタイミングの論理値が逆とされている。本実施形態では、論理「H」が上アームスイッチSUp,SVp,SWpのオン操作指令に対応し、論理「L」が下アームのスイッチSUn,SVn,SWnのオン操作指令に対応する。メモリに記憶されている操作信号波形は、変調率Mごとに、各操作信号生成部33U〜33Wのそれぞれで互いに共通のものである。
各操作信号生成部33U〜33Wは、まず、入力電圧VINVと、高調波処理部31から出力された電圧振幅Vkとに基づき、変調率Mを算出する。本実施形態において、変調率Mとは、入力電圧VINVで電圧振幅Vkを規格化した値のことである。より具体的には、変調率Mとは、入力電圧VINVの「1/2」で電圧振幅Vkを除算した値を、「√(1.5)」で除算した値のことである。各操作信号生成部33U〜33Wは、算出された変調率Mに基づき、該当する操作信号波形を選択する。こうして操作信号波形が選択されると、各操作信号生成部33U〜33Wは、この波形の出力タイミングを高調波処理部31から出力された電圧位相δに基づき設定することで、操作信号を生成する。すなわち、U〜W相のそれぞれについて、同一の操作信号波形が、電気角で互いに120°ずつずらされて出力される。これにより、電気角で位相が互いに120°ずれた正弦波状の相電流を流すことができる。
続いて、上記補正量算出部32と、上記高調波処理部31とについて説明する。
まず、図3〜図5を用いて、補正量算出部32の設計手法について説明する。
永久磁石同期機の電圧方程式は、下式(eq1)で表される。
Figure 2016032407
上式(eq1)において、「p」は微分演算子を示し、「R」は電機子巻線抵抗を示し、「Ld」,「Lq」はd,q軸インダクタンスを示し、「ψ」は永久磁石の電機子鎖交磁束の実効値を示す。上式(eq1)において、モータジェネレータ10の回転速度が一定となる定常状態を想定し、過渡現象を無視するとの条件を課すと、「p=0」となる。また、上式(eq1)に、モータジェネレータ10の回転速度が十分高く、「R<<ω・Ld」,「R<<ω・Lq」の関係が成立するとの条件を課す。以上から、上式(eq1)は下式(eq2)のように表される。
Figure 2016032407
d,q軸電圧Vd,Vqと、電圧位相φ及び電圧振幅Vnとの関係は、下式(eq3)で表される。
Figure 2016032407
ここで、電圧位相φが微小量Δφだけ変化した場合における電圧方程式は、上式(eq2),(eq3)を用いると、下式(eq4)で表される。
Figure 2016032407
上式(eq4)から上式(eq2)を減算すると、下式(eq5)が導かれる。
Figure 2016032407
上式(eq5)において、右辺の「Idφ−Id」がd軸電流変化量ΔIdφであり、「Iqφ−Iq」がq軸電流変化量ΔIqφである。上式(eq5)を各電流変化量ΔIdφ,ΔIqφについて解くと、下式(eq6)が導かれる。
Figure 2016032407
図3に、1次回転座標系における電圧ベクトルVnvt及び電流ベクトルInvtを示す。ここで、電流ベクトルは、d軸電流の2乗値及びq軸電流の2乗値の和の平方根として定義される。図3には、電圧位相φが微小量Δφだけ変化した場合の電流ベクトルInvtの変化分を「ΔIφ」にて示した。また、電圧振幅が微小量ΔVnだけ変化した場合の電流ベクトルInvtの変化分を「ΔIvn」にて示した。この電流ベクトルInvtの変化分を拡大した図を図4として示す。上式(eq6)より、電圧位相φが微小変化した場合において、d軸に対する電流ベクトルInvtの変化方向αは、下式(eq7)で表される。
Figure 2016032407
上式(eq7)のアークタンジェント演算により、例えば、変化方向αを「−π〜+π」の間で算出することができる。特に本実施形態では、上式(eq7)の右辺において、括弧内の分母が0となってかつ分子が正の値となる場合、変化方向αを「π/2」として算出する。一方、上式(eq7)の右辺において、括弧内の分母が0となってかつ分子が負の値となる場合、変化方向αを「−π/2」として算出する。ここで、図5には、電流ベクトルInvtの変化方向と直交する方向に延びる座標軸をλ軸として示している。電圧振幅Vnが微小量ΔVnだけ変化した場合の電流ベクトルの変化分ΔIvnのうち、λ軸成分(すなわち、上記変化分ΔIvnをλ軸に写像した成分)は、電圧位相φの変化の影響を受けない電流である。本実施形態では、この電流をλ軸電流Iλとして振幅補正量ΔVの算出に用いる。λ軸電流Iλを用いることにより、振幅制御と位相制御との干渉を抑制することができる。ここで、λ軸を設定するために必要なパラメータであるd軸とλ軸とのなす角度λは、下式(eq8)で表される。
Figure 2016032407
以上を踏まえ、先の図2に戻り、補正量算出部32について説明する。
λ軸設定部32aは、d,q軸インダクタンスLd,Lqと、位相設定部30dから出力された電圧位相φとに基づき、上式(eq8)を元に、d軸とλ軸とのなす角度λを算出する。λ軸設定部32aは、1次回転座標系において、電圧位相φの変化に対する電流ベクトルInvtの変化が非干渉化された非干渉化座標軸(λ軸)を設定する非干渉化軸設定手段に相当する。λ軸設定部32aにおいて設定されるλ軸は、モータジェネレータ10の駆動状態の変化に伴って都度変化する。
指令電流設定部32bは、目標トルクTrq*に基づき、d,q軸指令電流Id*,Iq*を設定する。本実施形態では、最小電流最大トルク制御を実現するための電流をd,q軸指令電流Id*,Iq*として設定する。なお、最小電流最大トルク制御については、例えば「埋込磁石同期モータの設計と制御:武田洋次ら、外3名、オーム社、平成18年4月20日、第1版」の23ページに記載されている。
λ軸指令電流算出部32cは、指令電流設定部32bから出力された各指令電流Id*,Iq*と、λ軸設定部32aから出力された角度λとに基づき、下式(eq9)を元に、λ軸指令電流Iλ*を算出する(図6参照)。
Figure 2016032407
ここで、図6には、現在の指令電流ベクトルを「In*」にて示し、現在の電流ベクトルを「Invt」にて示した。
λ軸実電流算出部32dは、2相変換部30aから出力されたd,q軸電流Idr,Iqrと、λ軸設定部32aから出力された角度λとに基づき、下式(eq10)を元に、λ軸電流Iλrを算出する(図6参照)。
Figure 2016032407
λ軸がモータジェネレータ10の駆動状態の変化に伴って変化するため、λ軸電流Iλr及びλ軸指令電流Iλ*もモータジェネレータ10の駆動状態の変化に伴って都度変化することとなる。
電流偏差算出部32eは、λ軸実電流算出部32dから出力されたλ軸電流Iλrをλ軸指令電流Iλ*から減算することで電流偏差ΔIλを算出する。なお、λ軸実電流算出部32dから出力されたλ軸電流Iλrから高周波成分を除去するフィルタ(ローパスフィルタ)を制御装置30に備え、高周波成分が除去されたλ軸電流Iλrをλ軸指令電流Iλ*から減算することで電流偏差ΔIλを算出してもよい。
振幅補正量算出部32fは、電流偏差算出部32eから出力された電流偏差ΔIλに基づき、λ軸電流Iλrをλ軸指令電流Iλ*にフィードバック制御するための操作量(換言すれば、推定トルクTeを目標トルクTrq*にフィードバック制御するための操作量)として、振幅操作量としての振幅補正量ΔVを算出する。詳しくは、電流偏差ΔIλを入力とする比例積分制御によって振幅補正量ΔVを算出する。
こうした構成によれば、λ軸電流Iλrに基づき振幅補正量ΔVを算出していることから、振幅制御と位相制御との干渉が抑制されている。このため、各電流Idr,Iqrを各指令電流Id*,Iq*に高精度に制御することができる。これにより、振幅制御におけるフィードバック制御の応答性を位相制御におけるフィードバック制御の応答性と同等レベルまで向上させることができる。したがって、外乱が発生したり、過渡状態となったりする場合であっても、高いトルク制御性と高い電流制御性との双方を維持することができる。
続いて、高調波処理部31について説明する。
まず、高調波処理部31を制御装置30に備えた理由について説明する。
モータジェネレータ10の磁気特性(例えば、d,q軸インダクタンスや誘起電圧定数)が理想的な特性とされる場合、電気角で互いに120°ずつずれた正弦波の相電流を各相に流すことでき、高調波成分を含まない一定のトルクを得ることができる。しかしながら、実際のモータジェネレータ10では、理想的な磁気特性を得ることは困難となる。このため、下式(eq11)に示すように、磁気特性が理想的なものからずれることに起因して、各相電流IU〜IWに高調波電流が含まれることとなる。
Figure 2016032407
上式(eq11)において、右辺第1項は、振幅Ir1及び位相φ1とする基本波電流を示し、右辺第2項は、振幅Irk及び位相φkとする高調波電流を示している。ここで、右辺第2項の「k」は、「1±6n」(nは0以外の整数)である。なお、以降、電気角速度ωのk倍の角速度で変動する高調波電流をk次の高調波電流と称すこととする。
高調波電流がモータジェネレータ10に流れると、トルク変動や損失(例えば鉄損)が増大する懸念がある。ここで、高調波電流が含まれる相電流を1次回転座標系のd,q軸電流に変換したものは、下式(eq12)で表される。なお、図7には、1次回転座標系における基本波電流ベクトルと高調波電流ベクトルとの合成ベクトルの振幅を「It」で示し、位相を「φt」で示した。
Figure 2016032407
上式(eq12)は、固定座標系において相電流にk次の高調波電流が含まれると、1次回転座標系において「k−1」次の高調波電流が表れることを示している。すなわち、上式(eq12)は、1次回転座標系における高調波電流であって、固定座標系におけるk次の高調波電流を低減可能な「k−1」次の高調波電流が存在することを示している。ここで、「k−1」次の高調波電流は、電気角速度ωの「k−1」倍の角速度で変動する高調波信号を電圧振幅「Vn+ΔV」及び電圧位相φのそれぞれに重畳することにより流すことができる。
特に本実施形態では、1次回転座標系における6次の高調波電流が顕著なため、6次の高調波電流を低減対象とする。ここで、「k=1±6n」の関係より、6次の高調波電流を打ち消すためには、固定座標系において、k=−5とした−5次の高調波電流、又はk=7とした7次の高調波電流を相電流に重畳すればよい。なお、「k>0」の場合、各相の高調波電流は、電気角θeの進行に伴って、U,V,W相の順で波形が変化する。一方、「k<0」の場合、各相の高調波電流は、電気角θeの進行に伴って、「k>0」のときとは逆順で波形が変化する。
図8に、高調波処理部31のブロック図を示す。
d軸偏差算出部31aは、指令電流設定部32bから出力されたd軸指令電流Id*と2相変換部30aから出力されたd軸電流Idrとの偏差であるd軸電流偏差ΔId(「d軸高調波成分」に相当)を算出する。具体的には、d軸指令電流Id*からd軸電流Idrを減算することでd軸電流偏差ΔIdを算出する。q軸偏差算出部31bは、指令電流設定部32bから出力されたq軸指令電流Iq*と2相変換部30aから出力されたq軸電流Iqrとの偏差であるq軸電流偏差ΔIq(「q軸高調波成分」に相当)を算出する。具体的には、q軸指令電流Iq*からq軸電流Iqrを減算することでq軸電流偏差ΔIqを算出する。なお、本実施形態において、各偏差算出部31a,31bが「抽出手段」に相当する。
高次電流変換部31c(「高次電流算出手段」に相当)は、下式(eq13),(eq14)を用いて、1次回転座標系における各電流偏差ΔId,ΔIqを、高次回転座標系(dk−qk)におけるd,q軸高次電流Idkr,Iqkrに変換する。ここで、高次回転座標系とは、固定座標系におけるk次の高調波電流の変動角速度と同じ角速度で回転する座標系のことである。高次回転座標系は、互いに直交するdk軸とqk軸とで規定されている。なお、本実施形態において、高調波電流の位相φkは、dk軸の正方向を基準とし、この基準から反時計回りの方向(dk軸の正方向からqk軸の正方向へと回転する方向)が正方向として定義されている。
Figure 2016032407
Figure 2016032407
上式(eq13),(eq14)において、右辺の「(k−1)θe」は、1次回転座標系の基準軸(d軸)と高次回転座標系の基準軸(dk軸)との位相差を示す。
目標値設定部31d(「可変設定手段」に相当)は、目標トルクTrq*及び電気角速度ωに基づき、d軸目標高次電流Idk*と、q軸目標高次電流Iqk*とを可変設定する。各目標高次電流Idk*,Iqk*は、トルク変動や鉄損を抑制する観点から設定されている。ここでは、例えば、目標トルクTrq*が大きいほど、各目標高次電流Idk*,Iqk*を大きく設定すればよい。なお、各目標高次電流Idk*,Iqk*は、例えば、目標トルクTrq*、電気角速度ω、及び各目標高次電流Idk*,Iqk*が関係付けられたマップや数式を用いて設定すればよい。
d軸高次偏差算出部31eは、d軸目標高次電流Idk*とd軸高次電流Idkrとの偏差であるd軸高次偏差Δdkを算出する。具体的には、d軸目標高次電流Idk*からd軸高次電流Idkrを減算することでd軸高次偏差Δdkを算出する。q軸高次偏差算出部31fは、q軸目標高次電流Iqk*とq軸高次電流Iqkrとの偏差であるq軸高次偏差Δqkを算出する。具体的には、q軸目標高次電流Iqk*からq軸高次電流Iqkrを減算することでq軸高次偏差Δqkを算出する。
d軸フィードバック制御部31g(「d軸操作量算出手段」に相当)は、d軸高次偏差算出部31eから出力されたd軸高次偏差Δdkに基づき、d軸高次電流Idkrをd軸目標高次電流Idk*にフィードバック制御するための操作量として、d軸フィードバック電流Idkf(「d軸操作量」に相当)を算出する。詳しくは、d軸高次偏差Δdkを入力とする比例積分制御によってd軸フィードバック電流Idkfを算出する。
q軸フィードバック制御部31h(「q軸操作量算出手段」に相当)は、q軸高次偏差算出部31fから出力されたq軸高次偏差Δqkに基づき、q軸高次電流Iqkrをq軸目標高次電流Iqk*にフィードバック制御するための操作量として、q軸フィードバック電流Iqkf(「q軸操作量」に相当)を算出する。詳しくは、q軸高次偏差Δqkを入力とする比例積分制御によってq軸フィードバック電流Iqkfを算出する。
1次電流変換部31iは、下式(eq15)を用いて、高次回転座標系におけるd,q軸フィードバック電流Idkf,Iqkfを1次回転座標系におけるd,q軸高調波電流Id1f,Iq1fに変換する。
Figure 2016032407
電圧変換部31jは、d,q軸高調波電流Id1f,Iq1fに基づき、振幅高調波信号Vrと、位相高調波信号φrとを算出する。詳しくは、まず、下式(eq16)を用いて、d,q軸高調波電流Id1f,Iq1fをd,q軸高調波電圧Vd1f,Vq1fに変換する。
Figure 2016032407
続いて、下式(eq17),(eq18)を用いて、d,q軸高調波電圧Vd1f,Vq1fに基づき、振幅高調波信号Vrと、位相高調波信号φrとを算出する。
Figure 2016032407
Figure 2016032407
なお、下式(eq18)のアークタンジェント演算により、例えば、位相高調波信号φrを「−π〜+π」の間で算出することができる。特に本実施形態では、下式(eq18)の右辺において、括弧内の分母が0となってかつ分子が正の値となる場合、位相高調波信号φrを「π/2」として算出する。一方、括弧内の分母が0となってかつ分子が負の値となる場合、位相高調波信号φrを「−π/2」として算出する。
ちなみに、本実施形態において、1次電流変換部31i及び電圧変換部31jが「生成手段」に相当する。また、上式(eq16)は、基本波電流及び高調波電流を含む下式(eq19)に示す電圧方程式から、上式(eq2)を減算することで導くことができる。
Figure 2016032407
振幅重畳部31kは、補正部30kから出力された電圧振幅「Vn+ΔV」に振幅高調波信号Vrを重畳して出力する。位相重畳部31lは、位相設定部30dから出力された電圧位相φに位相高調波信号φrを重畳して出力する。なお、本実施形態において、振幅重畳部31k及び位相重畳部31lが「重畳手段」に相当する。
このように、本実施形態では、振幅重畳部31kの出力値Vkと、位相重畳部31lの出力値δとに基づき、操作信号波形を選択して各スイッチSUp〜SWnに対して出力した。これにより、モータジェネレータ10に流れる高調波電流を低減することができ、ひいてはトルク変動や損失を低減することができる。
さらに、本実施形態では、各高調波信号Vr,φrの生成に際し、目標トルクTrq*及び電気角速度ωに基づき、各目標高次電流Idk*,Iqk*を可変設定した。こうした設定は、高調波電流の低減効果の向上に寄与している。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、先の第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、低減対象とする高調波電流を複数(2つ)とする。具体的には、1次回転座標系における±6次の高調波電流を低減するために、−5次の高調波電流と7次の高調波電流とを各相電流に重畳する。
図9に、本実施形態にかかる高調波処理部31のブロック図を示す。なお、図9において、先の図8に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
本実施形態において、先の図8に示した各処理部31c〜31jを、第1高次電流変換部31c、第1目標値設定部31d、第1d,q軸高次偏差算出部31e,31f、第1d,q軸フィードバック制御部31g,31h、第1の1次電流変換部31i、及び第1電圧変換部31jと称すこととする。そして、第1高次電流変換部31cの出力値を第1d,q軸高次電流Idkr1,Iqkr1とし、第1目標値設定部31dの出力値を第1d,q軸目標高次電流Idk*1,Iqk*1とする。また、第1d,q軸高次偏差算出部31e,31fの出力値を第1d,q軸高次偏差Δdk1,Δqk1とし、第1d,q軸フィードバック制御部31g,31hの出力値を第1d,q軸フィードバック電流Idkf1,Iqkf1とし、第1の1次電流変換部31iの出力値を第1d,q軸高調波電流Id1f1,Iq1f1とする。また、第1電圧変換部31jの出力値を第1振幅高調波信号Vr1及び第1位相高調波信号φr1とする。本実施形態において、各高調波信号Vr1,φr1は、各相電流に−5次の高調波電流を重畳するための信号である。このため、第1高次電流変換部31cにおける高次回転座標系(第1高次回転座標系)は、固定座標系における−5次の高調波電流の変動角速度と同じ角速度で回転する座標系となる。
こうした構成に加えて、各相電流に7次の高調波電流を重畳するための第2振幅高調波信号Vr2及び第2位相高調波信号φr2を生成するための構成31m〜31tを高調波処理部31に付加する。本実施形態において、これら構成31m〜31tは、第1振幅高調波信号Vr1及び第1位相高調波信号φr1を生成するための構成31c〜31jと同じ構成である。詳しくは、第2高次電流変換部31mは、各電流偏差ΔId,ΔIqを、第2高次回転座標系における第2d,q軸高次電流Idkr2,Iqkr2に変換する。ここで、第2高次回転座標系とは、固定座標系における7次の高調波電流の変動角速度と同じ角速度で回転する座標系のことである。
第2目標値設定部31nは、目標トルクTrq*及び電気角速度ωに基づき、第2d,q軸目標高次電流Idk*2,Iqk*2を可変設定する。各目標高次電流Idk*2,Iqk*2は、トルク変動や鉄損を抑制する観点から設定されている。
第2d軸高次偏差算出部31oは、第2d軸目標高次電流Idk*2と第2d軸高次電流Idkr2との偏差である第2d軸高次偏差Δdk2を算出する。第2q軸高次偏差算出部31pは、第2q軸目標高次電流Iqk*2と第2q軸高次電流Iqkr2との偏差である第2q軸高次偏差Δqk2を算出する。第2d軸フィードバック制御部31qは、第2d軸高次偏差Δdk2を入力とする比例積分制御によって第2d軸フィードバック電流Idkf2を算出する。第2q軸フィードバック制御部31rは、第2q軸高次偏差Δqk2を入力とする比例積分制御によって第2q軸フィードバック電流Iqkf2を算出する。
第2の1次電流変換部31sは、上式(eq15)を用いて、第2高次回転座標系における第2d,q軸フィードバック電流Idkf2,Iqkf2を1次回転座標系における第2d,q軸高調波電流Id1f2,Iq1f2に変換する。第2電圧変換部31tは、第1電圧変換部31jと同様の手法により、第2d,q軸高調波電流Id1f2,Iq1f2に基づき、第2振幅高調波信号Vr2と、第2位相高調波信号φr2とを算出する。
振幅重畳部31kは、補正部30kから出力された電圧振幅「Vn+ΔV」に、第1,第2振幅高調波信号Vr1,Vr2を重畳して出力する。位相重畳部31lは、位相設定部30dから出力された電圧位相φに、第1,第2位相高調波信号φr1,φr2を重畳して出力する。
以上説明した本実施形態によれば、各相電流に含まれる高調波電流をより低減することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・d,q軸高次電流Idk,Iqkの算出手法としては、上記第1実施形態に例示したものに限らず、例えば以下に説明するものであってもよい。固定座標系において、d,q軸指令電流Id*,Iq*に基づき算出された基本波電流を相電流から減算することで、高調波電流を抽出する。そして、抽出された高調波電流を、1次回転座標系を介すことなく、高次回転座標系における電流に直接変換することで、d,q軸高次電流Idk,Iqkを算出する。
・目標トルクTrq*及び電気角速度ωのうちいずれか1つに基づき、d,q軸目標高次電流Idk*,Iqk*を可変設定してもよい。また、d,q軸目標高次電流Idk*,Iqk*のそれぞれを可変設定することなく、固定値に設定してもよい。
・上記第1実施形態では、d軸偏差算出部31aにおいて、d軸指令電流Id*とd軸電流Idrとの偏差としてd軸高調波成分を抽出したがこれに限らない。例えば、d軸電流Idrにフィルタ(バンドパスフィルタやハイパスフィルタ)処理を施すことで、d軸高調波成分を抽出してもよい。なお、q軸高調波成分についても同様である。
・上記第2実施形態において、低減対象とする高調波電流を3つ以上にしてもよい。
・上記各実施形態において、特開2012−23943号公報に見られるように、電圧振幅のフィードバック制御として、d軸電流をその指令電流にフィードバック制御するための操作量として、振幅補正量ΔVを算出してもよい。また、上記各実施形態において、補正量算出部32を除去してもよい。すなわち、振幅制御において、電圧振幅のフィードバック制御は必須ではない。
・上記各実施形態において、電圧振幅に振幅高調波信号を重畳しない構成を採用してもよい。また、上記各実施形態において、電圧位相に位相高調波信号を重畳しない構成を採用してもよい。この場合であっても、上記各実施形態で得られる効果に準じた効果を得ることはできる。
・上記第1実施形態において、変調率Mに代えて、電圧振幅「Vn+ΔV」ごとに電気角と関係づけてパルスパターンをメモリに記憶してもよい。
・回転電機としては、IPMSMに限らず、例えば、SPMSMや巻線界磁型同期機であってもよい。また、回転電機の制御量としては、トルクに限らず、例えば回転速度であってもよい。
10…モータジェネレータ、20…インバータ、30…制御装置、SUp〜SWn…スイッチ。

Claims (6)

  1. スイッチング素子(SUp〜SWn)を有する電力変換回路(20)に電気的に接続された回転電機(10)に適用され、
    固定座標系において前記回転電機に流れる基本波電流の変動角速度と同じ角速度で回転する座標系を1次回転座標系とし、
    前記回転電機の制御量をその目標値にフィードバック制御するための操作量として、前記1次回転座標系における前記電力変換回路の出力電圧ベクトルの位相を設定する電圧位相設定手段(30d)と、
    前記制御量を前記目標値に制御するための操作量として、前記出力電圧ベクトルの振幅を設定する電圧振幅設定手段(30h,30j,30k,32)と、
    前記振幅を含む振幅パラメータごとに、前記回転電機の電気角と関係づけられた前記スイッチング素子のオンオフ操作指令を記憶する記憶手段(33U〜33W)と、
    前記電圧振幅設定手段によって設定された振幅を含む前記振幅パラメータに基づき選択された前記オンオフ操作指令を、前記電気角の検出値を基準として、前記電圧位相設定手段によって設定された位相だけずらして前記スイッチング素子に対して出力することで、前記スイッチング素子をオンオフ操作する操作手段(33U〜33W)と、
    前記回転電機に流れる相電流検出値に基づき、前記回転電機に流れる高調波電流を抽出する抽出手段(31a,31b)と、
    「1±6n」(nは0以外の整数)を整数kと定義し、前記抽出手段によって抽出された高調波電流に基づき、前記固定座標系において前記回転電機の電気角速度のk倍の角速度で変動する高調波電流を低減するための高調波信号であって、前記1次回転座標系において前記電気角速度の「k−1」倍の角速度で変動する高調波信号を生成する生成手段(31i,31j;31i,31j,31s,31t)と、
    前記操作手段において用いられる前記振幅及び前記位相のうち少なくとも一方に前記高調波信号を重畳する重畳手段(31k,31l)とを備えることを特徴とする回転電機の制御装置。
  2. 前記回転電機に流れる高調波電流の変動角速度と同じ角速度で回転する座標系を高次回転座標系とし、
    前記抽出手段によって抽出された高調波電流を前記高次回転座標系における電流に変換した高次電流を算出する高次電流算出手段(31c;31c,31m)をさらに備え、
    前記生成手段は、前記高次電流に基づき、前記高調波信号を生成する請求項1記載の回転電機の制御装置。
  3. 前記高次電流算出手段は、前記高次電流として、前記高次回転座標系の直交2軸成分であるd軸高次電流及びq軸高次電流を算出し、
    前記d軸高次電流をd軸目標高次電流にフィードバック制御するための操作量として、前記高次回転座標系におけるd軸操作量を算出するd軸操作量算出手段(31g;31g,31q)と、
    前記q軸高次電流をq軸目標高次電流にフィードバック制御するための操作量として、前記高次回転座標系におけるq軸操作量を算出するq軸操作量算出手段(31h;31h,31r)とをさらに備え、
    前記生成手段は、前記d軸操作量及び前記q軸操作量に基づき、前記高調波信号として、前記1次回転座標系における前記振幅の高調波成分である振幅高調波信号と、前記1次回転座標系における前記位相の高調波成分である位相高調波信号とを生成し、
    前記重畳手段は、前記振幅に前記振幅高調波信号を重畳し、また、前記位相に前記位相高調波信号を重畳する請求項2記載の回転電機の制御装置。
  4. 前記回転電機の電気角速度及び前記制御量の目標値のうち少なくとも一方に基づき、前記d軸目標高次電流及び前記q軸目標高次電流を可変設定する可変設定手段をさらに備える請求項3記載の回転電機の制御装置。
  5. 前記相電流検出値を前記1次回転座標系の直交2軸成分であるd軸電流及びq軸電流に変換する2相変換手段(30a)をさらに備え、
    前記電圧振幅設定手段は、直流成分である前記d軸電流の指令値と、直流成分である前記q軸電流の指令値とに基づき、前記振幅を設定し、
    前記抽出手段は、前記d軸電流と前記d軸電流の指令値との差をd軸高調波成分として抽出し、また、前記q軸電流と前記q軸電流の指令値との差をq軸高調波成分として抽出し、
    前記高次電流算出手段は、前記d軸高調波成分及び前記q軸高調波成分に基づき、前記d軸高次電流及び前記q軸高次電流を算出する請求項3又は4記載の回転電機の制御装置。
  6. 前記高調波信号によって低減対象とされる高調波電流は、前記電気角速度のk倍の角速度で変動する高調波電流のうち、互いに異なる角速度で変動する複数の高調波電流である請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転電機の制御装置。
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