JP2017202611A - タイヤの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】品質に優れたタイヤの製造方法の提供。【解決手段】この製造方法は、カーカス筒体とビード部材とをシェーピングフォーマ14に搬送するビードカーカス筒体搬送工程と、シェーピングフォーマ14でカーカス筒体の端部がビード部材周りで折り返えされるカーカス筒体成形工程とを備えている。ビード部材は、コア部材とコア部材から半径方向外向きに延びるエイペックス部材とを備えている。ビードカーカス筒体搬送工程において、ビード部材をビード部材保持具24が保持している。このビード部材保持具24に保持されるビード部材のエイペックス部材が加温されている。【選択図】図1
Description
本発明は、タイヤの製造方法に関する。
特開2002−210839号公報には、ビードコア配置装置が開示されている。このビードコア配置装置では、円筒状のカーカス筒体の外周面に、ビード部材が所定の間隔でセットされている。ビード部材の底面がカーカス筒体の外周面に貼着されて、ビードカーカス筒体が形成されている。このビードカーカス筒体がシェーピングフォーマに受け渡される。シェーピングフォーマで、カーカス筒体の端部がビード部材の周りで折り返される。このビードカーカス筒体と他のゴム部材と貼り合わされてローカバーが形成される。このローカバーが加硫成形されて、タイヤが得られる。
このビードコア配置装置は、一対のビード部材を所定の間隔で保持している。この所定の間隔の一対のビード部材が円筒状のカーカス筒体に貼着されている。このビードコア配置装置は、ビード部材間においてカーカス筒体の距離が安定している。これにより、製造されるタイヤにおいて、ビードコア間のカーカスの幅が安定している。このビードコアのコードパスが安定している。このビードコア配置装置は、タイヤのユニフォミティの向上に寄与する。
ビード部材は、コアを構成するコア部材とエイペックスを構成するエイペックス部材とを備えている。このコア部材は、スチール等の金属製部材を含む。エイペックス部材は、コア部材から半径方向外向きに延びている。このエイペックスは高硬度のゴムからなる。このエイペックスを構成するエイペックス部材も高硬度であり、変形し難い。このエイペックス部材の周りでカーカス筒体が折り返されるときに、エイペックス部材とカーカス筒体との間に隙間を生じたり、エイペックス部材とカーカス筒体との間にエアーが入り込む現象(以下、エアー入りと称する)が生じうる。この隙間やエアー入りは、ローカバーの品質を低下させる。このローカバーの品質低下は、タイヤの品質を低下させる。
本発明の目的は、品質に優れたタイヤの製造方法の提供にある。
本発明に係るタイヤの製造方法は、
円筒形状のカーカス筒体とリング形状のビード部材とをシェーピングフォーマに搬送するビードカーカス筒体搬送工程と、
上記シェーピングフォーマで、上記カーカス筒体の端部が上記ビード部材周りで折り返えされるカーカス筒体成形工程とを備えている。
上記ビード部材は、コア部材とコア部材から半径方向外向きに延びるエイペックス部材とを備えている。
上記ビードカーカス筒体搬送工程において、上記ビード部材をビード部材保持具が保持している。このビード部材保持具に保持される上記ビード部材の上記エイペックス部材が加温されている。
円筒形状のカーカス筒体とリング形状のビード部材とをシェーピングフォーマに搬送するビードカーカス筒体搬送工程と、
上記シェーピングフォーマで、上記カーカス筒体の端部が上記ビード部材周りで折り返えされるカーカス筒体成形工程とを備えている。
上記ビード部材は、コア部材とコア部材から半径方向外向きに延びるエイペックス部材とを備えている。
上記ビードカーカス筒体搬送工程において、上記ビード部材をビード部材保持具が保持している。このビード部材保持具に保持される上記ビード部材の上記エイペックス部材が加温されている。
好ましくは、上記カーカス筒体の外周面に上記ビード部材の底面が圧着されてビードカーカス筒体が形成されている。上記ビードカーカス筒体搬送工程において、上記ビードカーカス筒体が上記シェーピングフォーマに搬送されている。上記カーカス筒体成形工程において、上記シェーピングフォーマがブラダーを備えている。このブラダーが上記カーカス筒体の端部を上記ビード部材周りで折り返えしている。
好ましくは、上記ビード部材保持具の温度は、20℃以上65℃以下である。
好ましくは、上記ビードカーカス筒体搬送工程において、上記ビード部材保持具の温度が検出されている。上記ビード部材保持具の温度は、所定の温度に調整されている。
本発明に係る成形装置は、シェーピングフォーマ及びビードカーカス筒体搬送装置を備えている。上記ビードカーカス筒体搬送装置は、ビード部材保持具及び加温装置を備えている。上記ビードカーカス筒体搬送装置は、円筒形状のカーカス筒体とリング形状のビード部材とをシェーピングフォーマに搬送する機能を備えている。上記シェーピングフォーマは、上記カーカス筒体の端部を上記ビード部材周りで折り返えす機能を備えている。上記ビード部材保持具は、上記ビード部材を保持する機能を備えている。上記加温装置は、上記ビード部材保持具が保持する上記ビード部材を加温する機能を備えている。
本発明に係るタイヤの製造方法では、ビード部材が加温されているので、エイペックス部材が変形し易い。このエイペックス部材は、カーカス筒体の端部など他の部材と接着易い。このビード部材とカーカス筒体との間に隙間やエアー入りが生じることが抑制されている。この製造方法はローカバーの品質向上に寄与しうる。この製造方法はタイヤの品質の向上に寄与しうる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1には、タイヤ成形装置としての、ローカバーの成形装置2が示されている。この成形装置2は、第一ドラムとしてのバンドドラム4と、ビードカーカス筒体搬送装置としてのバンドトランスファー6及びビードセッター8と、第二ドラムとしてのベルトドラム10と、ベルトトランスファー12と、シェーピングフォーマ14とを備えている。図示されないが、この成形装置2は、制御装置を備えている。
バンドドラム4は、円筒形状のドラム本体16と、図示されないモータとを備えている。ドラム本体16は、モータによって、その軸線を回転軸に回転可能にされている。このドラム本体16は、周方向に分割された多数のセグメント18からなっている。この多数のセグメント18が半径方向に移動可能にされている。ドラム本体16は、このセグメントの半径方向の移動によって、拡径及び縮径可能にされている。制御装置は、バンドドラム4の回転と、ドラム本体16の拡径及び縮径とを制御する。
バンドトランスファー6は、走行台20及びカーカス筒体セッター22を備えている。カーカス筒体セッター22は走行台20に載置されている。カーカス筒体セッター22は、走行台20によって、バンドドラム4とシェーピングフォーマ14との間を移動可能にされている。
図示されないが、カーカス筒体セッター22は、多数のカーカス筒体保持具を備えている。このカーカス筒体保持具は、例えば、吸着パッドである。複数の吸着パッドが円周方向に並べられている。この円周方向に並べられた複数の吸着パッドが、軸方向に間隔を空けて配置されている。この吸着パッドは、半径方向内向きの吸着面を備えている。この吸着面を保持対象物の外面に真空吸着可能にされている。それぞれの吸着パッドが半径方向に移動可能にされている。制御装置は、走行台20及びカーカス筒体セッター22を制御する。
ビードセッター8は、一対のビード部材保持具としての一対のビードセットリング24と、図示されない加温装置とを備えている。ビードセッター8は、バンドトランスファー6の走行台20に載置されている。ビードセッター8は、走行台20によって、バンドドラム4とシェーピングフォーマ14との間を移動可能にされている。制御装置は、一対のビードセットリング24を制御する。
それぞれのビードセットリング24は、リング状の形状を備えている。一対のビードセットリング24は、軸方向に所定の間隔を空けて位置決めされうる。この所定の間隔は、調整可能にされている。ビードセットリング24は、例えば、電磁石が埋め込まれている。このビードセットリング24は、周方向に分割された複数の円弧体からなってもよい。この円弧体が周方向に並べられて、略リング形状にされていてもよい。この円弧体が半径方向に移動して拡径縮径可能にされてもよい。
加温装置は、一対のビードセットリング24を加温する。加温装置によって、それぞれのビードセットリング24は、所定の温度に加温されうる。この加温装置は、特に限定されないが、例えば、ビードセットリング24内に温水流路を形成してもよいし、ビードセットリング24を加温する電熱線が設置されてもよい。
図示されないが、成形装置2は、更に、温度センサーを備えている。この温度センサーは、ビードセットリング24の温度を測定しうる。制御装置は、加温装置及び温度センサーを制御している。制御装置は、温度センサーからビードセットリング24の温度データを受信する。この制御装置は、ビードセットリング24が所定の温度になる様に、加温装置を制御する。この成形装置2は、ビードセットリング24を所定の温度に維持しうる。このビードセットリング24は、更に冷却装置を備えていてもよい。例えば、ビードセットリング24内に冷水流路を形成してもよい。冷却装置を備えることで、ビードセットリング24の温度調整がより高精度にかつ迅速にしうる。
図2には、ビードセットリング24がビードカーカス筒体Aと共に示されている。このビードセットリング24は、ビード部材Bを保持した状態にある。このビード部材Bは、コア部材Bcとコア部材Bcから半径方向外向きに延びるエイペックス部材Baとを備えている。コア部材Bcは、タイヤのビードのコアを形成する。コア部材Bcは、例えばスチール等の金属製材料を含む。エイペックス部材Baは、タイヤのビードのエイペックスを形成する。このエイペックスは、高硬度の架橋ゴムからなる。
このビード部材Bは、半径方向内向きに面する底面がカーカス筒体Cの外周面に圧着されている。このビードセットリング24は、電磁石によって、ビード部材Bを保持している。エイペックス部材Baの軸方向軸方向外側の全面がビードセットリング24に接触している。ビードセットリング24は、加温装置によって、ビード部材Bを加温している。
ビードセットリング24は、エイペックス部材Baを加温している。
ビードセットリング24は、エイペックス部材Baを加温している。
図示されないが、この図2の状態において、カーカス筒体セッター22のカーカス筒体保持具が、カーカス筒体Cを保持している。具体的には、多数の吸着パッドが、カーカス筒体Cの外周面に吸着して、カーカス筒体セッター22がカーカス筒体Cを保持している。このビードカーカス筒体Aは、ビードセットリング24と吸着パッドとで、保持されている。
図1のベルトドラム10は、円筒形状のドラム本体26と、図示されないモータとを備えている。ドラム本体26は、モータによって、その軸線を回転軸に回転可能にされている。このドラム本体26は、周方向に分割された多数のセグメント28からなっている。この多数のセグメント28が半径方向に移動可能にされている。ドラム本体26は、このセグメント28の半径方向の移動によって、拡径及び縮径可能にされている。制御装置は、ベルトドラム10の回転と、ドラム本体26の拡径及び縮径とを制御する。
ベルトトランスファー12は、走行台30及びベルトセッター32を備えている。ベルトセッター32は走行台30に載置されている。ベルトセッター32は、走行台30によって、ベルトドラム10とシェーピングフォーマ14との間を移動可能にされている。制御装置は、走行台30及びベルトセッター32を制御する。
図3(a)及び図3(b)を参照しつつ、シェーピングフォーマ14が説明される。シェーピングフォーマ14は、一対の移動体34、34を備えている。この一対の移動体34は、軸方向に移動可能にされている。ここでは、説明の便宜上、図3(a)において、左右方向を軸方向とし、上下方向を半径方向とし、一対の移動体34の間をシェーピングフォーマ14の軸方向内側とする。制御装置は、シェーピングフォーマ14を制御する。
それぞれの移動体34は、本体36、シリンダー38、ピストン40、ロックリング42及びブラダー44を備えている。一対の本体36の間隔が軸方向に変更可能にされている。本体36に、シリンダー38が形成されている。このシリンダー38に、ピストン40が摺動可能に挿入されている。ピストン40の軸方向内側には、テーパ面38aが形成されている。このテーパ面38aは、軸方向外側から内側に向かって、半径方向内向きに傾斜している。ロックリング42は、本体36に半径方向に移動可能に取り付けられている。ロックリング42の後端は、テーパ面38aに当接している。これにより、ピストン40が軸方向に摺動することで、ロックリング42は、半径方向に拡径及び縮径可能にされている。
ブラダー44は、ロックリング42の軸方向外側に位置している。ブラダー44には、流体が充填されうる。この成形装置2では、流体として空気が用いられている。ブラダー44は、空気が充填されることで、膨張する。ブラダー44は、空気が抜かれることで収縮する。図3(a)にはブラダー44が収縮した状態が示されている。
図示されないが、一対の移動体34の間にも、シェーピング流路が形成されている。このシェーピング流路から、一対の移動体34の間に流体が充填されうる。この成形装置2では、流体として空気が用いられている。一対の移動体34の間に空気が充填されることで、カーカス筒体Cの軸方向中央部がトロイド状に膨張しうる。図3(b)には、ロックリング42が拡径し、ブラダー44が膨張し、カーカス筒体Cの中央部がトロイド状に膨張した状態が示されている。
この成形装置2を用いたタイヤの製造方法が説明される。このタイヤの製造方法は、タイヤの各部を構成するゴム部材からローカバーが成形される予備成形工程と、モールド内でローカバーが加圧及び加熱されてタイヤが得られる加硫工程とを備えている。
予備成形工程は、部材準備工程、トレッド筒体成形工程、カーカス筒体成形工程、ビードカーカス筒体成形工程、ビードカーカス筒体搬送工程、トレッド筒体搬送工程、カーカス筒体成形工程及び合体成形工程を備えている。
部材準備工程では、タイヤの各部を構成する部材が準備される。例えば、タイヤのインナーライナーを構成するインナーライナー部材、カーカスを構成するカーカス部材、ビードを構成するビード部材、ベルトを構成するベルト部材、トレッドを構成するトレッド部材、サイドウォールを構成するサイドウォール部材等が準備される。
図4(a)に示される様に、トレッド筒体成形工程では、ベルトドラム10の外周面に、トレッド筒体Dが形成される。この工程では、図示されないが、ベルトドラム10の外周面に、帯状のベルト部材が巻回される。ベルト部材の端部がジョイントされて円筒形状にされる。このベルト部材の外周面に、帯状のトレッド部材が重ねて巻回される。このトレッド部材の端部がジョイントされて、円筒形状にされる。この様にして、トレッド筒体Dが成形される。
図4(b)に示される様に、カーカス筒体成形工程では、カーカス筒体Cが成形される。バンドドラム4の外周面に、帯状のインナーライナー部材が巻回される。インナーライナー部材の端部がジョイントされて円筒形状にされる。このインナーライナー部材の外周面に帯状のカーカス部材が重ねて巻回される。カーカス部材の端部がジョイントされて、円筒形状にされる。この様にして、カーカス筒体Cが成形される。
図示されないが、ビードカーカス筒体成形工程では、ビード部材供給装置が、ビードセッター8にビード部材Bを供給する。一対のビードセットリング24は、電磁石によって、それぞれビード部材Bを保持する。一対のビードセットリング24は、一対のビード部材Bを、所定の間隔で保持する。ビードセッター8は、加温装置によって、一対のビード部材Bを加温していてもよい。このビードセッター8は、バンドトランスファー6と共に、バンドドラム4に向かって移動する。カーカス筒体セッター22及びビードセッター8は、カーカス筒体Cの半径方向外側に移動する。
カーカス筒体Cの半径方向外側に一対のビード部材Bが位置する状態で、バンドドラム4のドラム本体16が拡径する。ビード部材Bの底面がカーカス筒体Cの外周面に圧着される。ビード部材Bとカーカス筒体Cとが圧着されて、ビードカーカス筒体Aが形成される。カーカス筒体セッター22は、カーカス筒体Cの外周面を保持する。ビードセッター8は、この間、ビード部材Bを所定の間隔で保持し続けている。
ビードカーカス筒体搬送工程では、このビードセッター8は、カーカス筒体セッター22と共に、シェーピングフォーマ14に向かって移動する。カーカス筒体セッター22及びビードセッター8は、ビードカーカス筒体Aを保持している。カーカス筒体セッター22及びビードセッター8は、シェーピングフォーマ14の半径方向外側に移動する。図4(c)に示される様に、ビードカーカス筒体Aは、シェーピングフォーマ14の半径方向外側に配置される。
図3(a)及び図3(b)に示された様に、空気圧によって、ピストン40が軸方向内向きに移動する。ピストン40の移動によって、ロックリング42が半径方向外向きに拡径する。ロックリング42がビード部Bの底面に押し当てられる。ロックリング42がビード部Bを所定の間隔で保持する。ロックリング42がビード部Bを保持した後に、ビードセッター8はビード部材Bの保持を解除する。加温装置は、ビードセットリング24の加温を停止する。カーカス筒体セッター22は、カーカス筒体の保持を解除する。バンドトランスファー6は、シェーピングフォーマ14から離れる。バンドトランスファー6は、シェーピングフォーマ14とバンドドラム4との間の位置に移動する(図1参照)。
トレッド筒体搬送工程では、ベルトトランスファー12は、シェーピングフォーマ14に向かって移動する。ベルトトランスファー12は、トレッド筒体Dを、カーカス筒体Cの半径方向外側に位置させる。
カーカス筒体成形工程では、一対の移動体34の間に空気が充填される。一対のビード部材の間で、カーカス筒体Cの軸方向中央部は、半径方向外向きにトロイド状に突出させられる。一対の移動体34は、互いに近付く向きに移動する(図3(b)参照)。ブラダー44に空気が充填される。ブラダー44が膨張する。膨張したブラダー44は、カーカス筒体Cの軸方向端部を、ビード部材Bの周りに折り返す。この様にして、ビード部材Bは、カーカス筒体Cの中央部と端部とに貼り合わされる。
合体成形工程では、トロイド状に突出したカーカス筒体Cの中央部の半径方向外側に、トレッド筒体Dが貼り合わされる。図示されないが、カーカス筒体Cの折り返された軸方向端部にサイドウォール部材等が貼り合わされる。この様にして、ローカバーが成形される。このローカバーは、加硫工程に送られる。
加硫工程では、モールドが準備されている。このローカバーは、モールドに投入される。ローカバーが加圧及び加熱されて、加硫成形される。ローカバーは、モールドのキャビティ面に倣って成形されて、タイヤが得られる。
この製造方法では、ビードカーカス筒体搬送工程において、ビードセットリング24がエイペックス部材Baを加温している。このエイペックス部材Baは、軟らかくなっている。このエイペックス部材Baは、変形し易くなっているので、他の部材に密着し易い。このエイペックス部材Baは、カーカス筒体Cの主部及び端部と密着し易い。この製造方法は、カーカス筒体Cとビード部材Bとの間に隙間が形成されることが抑制されている。カーカス筒体Cとビード部材Bとの間にエアー入りが発生することが抑制されている。この製造方法は、ローカバーの品質の向上、更にはタイヤの品質の向上に寄与する。
この製造方法では、エイペックス部材Baが加温されているので、エイペックス部材Baが所定の温度以上に維持される。この製造方法は、室温の影響を受け難い。この製造方法は、室温の影響を低減して、ローカバーの品質を安定的に維持しうる。更に、ビードセットリング24の温度が所定の温度に調整されてもよい。例えば、この温度が予め定めた一定の温度に調整されてもよい。ビードセットリング24の温度を一定の温度に調整することで、エイペックス部材Baの温度が一定に保持されうる。エイペックス部材Baの温度を一定に保持することで、エイペックス部材Baの密着性のバラツキが抑制される。これにより、ローカバーの品質を安定的に維持しうる。
この製造方法では、円筒形状のカーカス筒体Cの外周面に、リング形状のビード部材Bが圧着されている。一対のビード部材Bは、一対のビードセットリング24によって、所定の間隔で保持されている。一対のビード部材Bの間のカーカス筒体Cの軸方向幅は、安定している。この製造方法よるタイヤは、ビードコア間のコードパスが安定化されている。この製造方法によるタイヤは、ユニフォミティに優れている。
この製造方法では、カーカス筒体成形工程において、カーカス筒体Cの主部が膨張させれ、軸方向端部が折り返されている。このカーカス筒体成形工程において、エイペックス部材Baが軟らかくされているので、エイペックス部材Baとカーカス筒体Cの中央部及び軸方向端部とが密着し易い。この製造方法によれば、カーカス筒体Cの主部のトロイド状の突出とブラダー44の膨張によっても、エイペックス部材Baとカーカス筒体Cとが安定的に密着しうる。
この製造方法では、エイペックス部材Baとカーカス筒体Cの中央部及び軸方向端部と密着性を向上している。これにより、一層、一対のビード部材Bの間のカーカス筒体Cの軸方向幅が安定している。この製造方法よるタイヤは、ビードコア間のコードパスが、一層安定化されている。この製造方法によって得られるタイヤは、一層、ユニフォミティに優れている。
カーカス筒体Cとエイペックス部材Baとの密着性の向上の観点から、ビードセットリング24の加温温度は、好ましくは20℃以上であり、更に好ましくは30℃以上であり、特に好ましくは40℃以上である。一方で、加温温度がある程度の温度を超えると、ビード部材とカーカス筒体との密着性はそれ以上の向上が期待できない。また、加温温度が高くなると、エアー入りが発生し易い。この観点から、加温温度は、好ましくは65℃以下であり、更に好ましくは60℃以下であり、特に好ましくは50℃以下である。この加温温度は、エイペックス部材Baと接触する、ビードセットリング24の接触面の中央位置で測定される。
ここでは、エイペックス部材Baは、ビードセットリング24を介して加温されている。これにより、ビードセットリング24の周りに、加温装置の加温手段を別途設置する必要がない。このビードセットリング24と別体の加温手段がないので、ビード部材Bの着脱が容易にされている。但し、この加温装置は、ビードセットリング24を介するものに限られない。加温装置が、ビードセットリング24が保持するビード部Bのエイペックス部材Baを直接加温する手段を備えていてもよい。
ここでは、ビード部材Bは、カーカス筒体Cと圧着されたビードカーカス筒体Aとして、シェーピングフォーマ14に搬送されたが、これに限られない。搬送されるビード部材Bが加温されることで、エイペックス部材Baの密着性を向上しうる。ビード部材Bがカーカス筒体Cと圧着されずに、ビード部材Bとカーカス筒体Cとが、シェーピングフォーマ14に搬送されてもよい。この様に搬送されるビード部材Bが加温されてもよい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1の成形装置が準備された。ビードセッターの温度は、40(℃)にされた。この成形装置を用いて、ローカバーが得られた。このタイヤサイズは、205/45R17であった。このときの室温は、10(℃)であった。
図1の成形装置が準備された。ビードセッターの温度は、40(℃)にされた。この成形装置を用いて、ローカバーが得られた。このタイヤサイズは、205/45R17であった。このときの室温は、10(℃)であった。
[比較例1]
ビードセッターでの加温がされなかった。その他は、実施例1と同様にして、ローカバーが得られた。
ビードセッターでの加温がされなかった。その他は、実施例1と同様にして、ローカバーが得られた。
[実施例2−6]
ビードセッターの温度が表1に示される様にされた他は、実施例1と同様にして、ローカバーが得られた。
ビードセッターの温度が表1に示される様にされた他は、実施例1と同様にして、ローカバーが得られた。
[エアー入り及び不具合の評価]
それぞれのローカバーが目視検査された。この目視検査では、ビード部周りのエアー入りの発生の有無が確認された。また、ローカバーの形状不良等ローカバー不具合の発生の有無が確認された。その評価結果が表1に示されている。この評価では、比較例1の評価結果を100として、指数化されている。この評価結果は、数字が小さいほど好ましい。
それぞれのローカバーが目視検査された。この目視検査では、ビード部周りのエアー入りの発生の有無が確認された。また、ローカバーの形状不良等ローカバー不具合の発生の有無が確認された。その評価結果が表1に示されている。この評価では、比較例1の評価結果を100として、指数化されている。この評価結果は、数字が小さいほど好ましい。
表1に示されるように、実施例の製造方法では、比較例の製造方法に比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された方法は、ビード部材の周りでカーカス筒体の端部が折り返されるタイヤの製造方法に広く適用されうる。
2・・・成形装置
4・・・バンドドラム
6・・・バンドトランスファー
8・・・ビードセッター
10・・・ベルトドラム
12・・・ベルトトランスファー
14・・・シェーピングフォーマ
22・・・カーカス筒体セッター
24・・・ビードセットリング
32・・・本体
40・・・ブラダー
4・・・バンドドラム
6・・・バンドトランスファー
8・・・ビードセッター
10・・・ベルトドラム
12・・・ベルトトランスファー
14・・・シェーピングフォーマ
22・・・カーカス筒体セッター
24・・・ビードセットリング
32・・・本体
40・・・ブラダー
Claims (5)
- 円筒形状のカーカス筒体とリング形状のビード部材とをシェーピングフォーマに搬送するビードカーカス筒体搬送工程と、
上記シェーピングフォーマで、上記カーカス筒体の端部が上記ビード部材周りで折り返えされるカーカス筒体成形工程と
を備えており、
上記ビード部材がコア部材とコア部材から半径方向外向きに延びるエイペックス部材とを備えており、
上記ビードカーカス筒体搬送工程において、上記ビード部材をビード部材保持具が保持しており、このビード部材保持具に保持される上記ビード部材の上記エイペックス部材が加温されているタイヤ製造方法。 - 上記カーカス筒体の外周面に上記ビード部材の底面が圧着されてビードカーカス筒体が形成されており、
上記ビードカーカス筒体搬送工程において、上記ビードカーカス筒体が上記シェーピングフォーマに搬送されており、
上記カーカス筒体成形工程において、上記シェーピングフォーマがブラダーを備えており、このブラダーが上記カーカス筒体の端部を上記ビード部材周りで折り返えしている請求項1に記載の製造方法。 - 上記ビード部材保持具の温度が20℃以上65℃以下である請求項1又は2に記載の製造方法。
- 上記ビードカーカス筒体搬送工程において、上記ビード部材保持具の温度が検出されており、上記ビードリングの温度が所定の温度に調整されている請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ製造方法。
- シェーピングフォーマ及びビードカーカス筒体搬送装置を備えており、
上記ビードカーカス筒体搬送装置が、ビード部材保持具及び加温装置を備えており、
上記ビードカーカス筒体搬送装置が、円筒形状のカーカス筒体とリング形状のビード部材とをシェーピングフォーマに搬送する機能を備えており、
上記シェーピングフォーマが上記カーカス筒体の端部を上記ビード部材周りで折り返えす機能を備えており、
上記ビード部材保持具が上記ビード部材を保持する機能を備えており、
上記加温装置が上記ビード部材保持具が保持する上記ビード部材を加温する機能を備えている成形装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016095098A JP2017202611A (ja) | 2016-05-11 | 2016-05-11 | タイヤの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2016095098A JP2017202611A (ja) | 2016-05-11 | 2016-05-11 | タイヤの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017202611A true JP2017202611A (ja) | 2017-11-16 |
Family
ID=60321375
Family Applications (1)
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JP2016095098A Pending JP2017202611A (ja) | 2016-05-11 | 2016-05-11 | タイヤの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017202611A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111098537A (zh) * | 2018-10-26 | 2020-05-05 | 通伊欧轮胎株式会社 | 充气轮胎的制造方法以及胎圈部件的收纳保持器 |
-
2016
- 2016-05-11 JP JP2016095098A patent/JP2017202611A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111098537A (zh) * | 2018-10-26 | 2020-05-05 | 通伊欧轮胎株式会社 | 充气轮胎的制造方法以及胎圈部件的收纳保持器 |
CN111098537B (zh) * | 2018-10-26 | 2021-09-07 | 通伊欧轮胎株式会社 | 充气轮胎的制造方法以及胎圈部件的收纳保持器 |
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