JP2017202514A - 厚鋼板の冷却制御方法および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷却工程に新たに連続して供されるn+1本以上(n≧4)の厚鋼板について、温度予測モデルを用いて、冷却工程における当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値を算出し、当該予測値の誤差を推定し、算出した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値と、推定した予測値の誤差とから、冷却停止温度の修正値を算出し、冷却停止温度の修正値が目標値となるように、冷却水量および/または鋼板搬送速度を決定し、決定した冷却水量および/または鋼板搬送速度にて厚鋼板の冷却工程を行う、厚鋼板の冷却制御方法において、冷却停止温度の予測値の誤差を推定する際に、1〜n本目までの厚鋼板に対しては、過去の操業実績データベース活用学習を活用した手法で予測値の誤差を推定し、n+1本目以降の厚鋼板に対しては、層別学習を活用した手法で予測値の誤差を算出する。
【選択図】図6
Description
また、特許文献2および特許文献3には、モデル誤差推定値として、製造条件毎に区分して層別学習した学習値を用いる学習制御方法が開示されている。
本発明は、このような知見に基づいて完成させた。以下、本発明について説明する。
図4に示すように、事例ベースモデリングでは、過去の蓄積データの中から、予測対象の製造条件に近いデータを検索し、その場で製造条件を決定する。その手順は以下の通りである。
(1)予測対象の特性を良く表す情報ベクトル(予測誤差因子(=説明変数))を決定する。
(2)要求点(例えば、予測対象の製造条件など)に対応する近傍を選択する。
(3)選択した近傍の中にある各サンプルと要求点との類似の度合いを求める。
(4)選んだ各サンプルの出力を補間して要求点の出力を計算する。
操業データベースを活用した物理モデルの予測誤差を推定するモデリングを行う場合、予測誤差の要因となる因子(予測誤差因子:例えば、製造条件など)を情報ベクトルとして与える。より具体的には、統計解析等を実施して、予測誤差への影響因子を抽出する。また、いわゆるブラックボックスモデリングの場合にも、推定した出力値がどのような製造条件の影響を受けるのかを統計的に解析することにより、予測誤差因子を特定および決定することができる。
要求点の近傍を選択することの目的は、推定したい出力値の予測精度を高めるために、事前に蓄積したデータ集合からできるだけ要求点に類似したデータを選択することであり、ここで選択したデータ(データの部分集合)と、要求点との類似度によって、最終的な予測精度が決まる。要求点の近傍を選ぶにあたっては、例えば以下の処理が考えられる。
一般に、事例ベースモデリングでは、要求点と選ばれたデータとの間の類似度は、両者の間の距離によって決められる重みとして表現される。重みの大きさは、両者の距離が遠ければ0に近づき、逆に近ければ1に近づくものとすればよい。重み関数としては、例えば、下記式4のようなGaussian関数や、下記式5のようなTricube関数を用いることができる。
事例ベースモデリングの一つの特徴は、局所での簡単なモデル(例えば線形モデル)を用いて、大域的に複雑なモデル(例えば非線形モデル)を適切に近似できることにある。代表的な局所モデル同定方法は、例えば、「重み付き局所回帰法(LWR)」や「重み付き線形平均法(LWA)」であり、それぞれ下記式6、式7のように表される。
層別学習とは、厚鋼板の大きさや鋼種などの製造条件ごとに区分した層別テーブルを設けておき、層別区分ごとに、モデル誤差推定値を適応修正していく方法である。層別学習では、温度予測モデルによる冷却停止温度の計算値と実績温度との差を求め、その厚鋼板の製造条件に合致する層別区分での学習値を誤差推定値として適応修正する。例えば、層別テーブルを製造条件A、B、Cの3条件で区分し、それぞれの区分数がNA、NB、NCであるとすると、学習値を格納する層別テーブルは、
で定義される。ある厚鋼板の冷却を実施する場合に、当該厚鋼板の製造条件から、それぞれに該当する区分No.(iA,iB,iC)を求め、誤差推定値として格納されている学習値E(iA,iB,iC)を取り出し、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差として用いる。
学習値の適応修正では、厚鋼板の冷却が完了したときに、下記式12にて、該当する区分No.(iA,iB,iC)の学習値を更新する。
本発明の第1の態様は、厚鋼板に応じて、上記操業データベース活用学習および層別学習の一方を選択して用いる、厚鋼板の冷却制御方法である。具体的には、例えば、図6に示すような方法S10を挙げることができる。すなわち、本発明の第1実施形態にかかる厚鋼板の冷却制御方法S10は、厚鋼板の温度予測モデルを用いて、冷却工程における当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値を算出する予測値算出工程S11、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する推定工程S12、予測値算出工程S11で算出した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値と、推定工程S12で推定した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差とから、冷却停止温度の修正値を算出する修正値算出工程S13、冷却停止温度の修正値が目標値となるように、冷却水量および/または鋼板搬送速度を決定する決定工程S14、並びに、予測値の誤差の推定に必要となる予測誤差因子をデータベースに蓄積する予測誤差因子蓄積工程S15を備えている。
工程S11は、冷却工程で冷却される厚鋼板について、厚鋼板の温度予測モデルを用いて、冷却工程における当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値を算出する工程である。工程S11においては、冷却工程における従来の鋼板温度予測モデルを適用することができる。工程S11では、冷却水量や鋼板搬送速度の初期値を設定し、当該鋼板温度予測モデルを用いて、冷却停止温度を計算し、予測値を算出すればよい。
工程S12は、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する工程である。工程S12では、厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する際には、原則として操業データベース活用学習を用い、冷却工程に供される、厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、n+1本以上(n≧4)製造される場合には、n+1本目以降の厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差の推定に層別学習を用いる。以下に、その内容を説明する。
厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、n+1本以上(n≧4)製造されない場合の厚鋼板に対して、または厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、n+1本以上(n≧4)製造される場合でも、1〜n本目までの厚鋼板に対しては、スラブ毎に過去の実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、該抽出した過去の実績データから、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する。
d1(X1)=√{1/50*(20-25)^2+…(中略)…+1/3*(3-3)^2}
のように、Euclid距離を計算することができる。この工程では、当該計算値の小さい、所定数のデータを抽出すればよい。
冷却工程に供される、厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、n+1本以上(n≧4)製造される場合、n+1本目以降の厚鋼板に対しては、スラブ毎に過去の実績データを区分けして保存した学習テーブルに保存された、温度予測モデルの予測誤差を修正する学習値を修正した新たな学習値を、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差として用いる。
に該当する場合、その該当する区分の学習値E(iA,iB,iC)を取り出し、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差として用いる。
工程S13は、工程S11において算出した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値と、工程S12において推定した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差とから、冷却停止温度の修正値を算出する工程である。工程S13においては、例えば、工程S11において算出した冷却停止温度の予測値と工程S12において推定した予測値の誤差分とを足し合わせることにより、冷却停止温度の修正値を算出することができる。あるいは、誤差を予測温度と実測温度の比として求め、予測温度に誤差を乗じることにより、冷却停止温度の修正値を算出してもよい。
工程S14は、工程S13で算出した修正値が冷却停止温度の目標値となるように、冷却水量および/または鋼板搬送速度を決定する工程である。冷却水量および/または鋼板搬送速度を決定するに際しては、例えば、鋼板温度予測モデルを用いて、冷却水量や鋼板搬送速度の初期値を設定し、冷却停止温度を計算する。そして得られた修正値が上記冷却停止温度の目標値と一定以上乖離している場合には、さらに、仮の冷却水量、仮の鋼板搬送速度を仮定して、繰り返し計算を行い、冷却停止温度の修正値が目標値とほぼ同等となるように、冷却水量や鋼板搬送速度を収束させるように計算し、決定すればよい。そして、工程S14において決定した冷却水量および/または鋼板搬送速度にて、厚鋼板の冷却工程を行うことで、厚鋼板の冷却が適切に制御された状態にて厚鋼板の冷却を行うことができる。
工程S15は、予測値の誤差の推定に必要となる予測誤差因子をデータベースに蓄積する工程である。例えば、上記工程S11〜S14を経て、厚鋼板の冷却制御を行い、当該厚鋼板の実績データを得る。そして、得られたデータのうち、特に、予測誤差因子に係るデータをデータベースに蓄積し、後の冷却制御時に用いることにより、当該厚鋼板よりも後に冷却工程に供される厚鋼板について、冷却制御精度を一層向上させることができる。
また厚鋼板の冷却が完了したときに、当該厚鋼板の製造条件から、それぞれに該当する区分No.(iA,iB,iC)を求め、下記式12にて、該当する区分No.(iA,iB,iC)の層別テーブル学習値を更新する。
本発明の第2の態様は、厚鋼板に応じて、上記操業データベース活用学習および層別学習の一方を選択して用いる点で、本発明の第1の態様と類似しているが、m+1本目以降の厚鋼板(n−1≧m≧3、n≧4)に対して、上記式1で表される評価関数F1と上記式2で表される評価関数F2とを比較し、その大小関係によって、上記操業データベース活用学習および層別学習の一方を選択して用いる点が、本発明の第1の態様と異なっている。本発明の第2の態様にかかる厚鋼板の冷却制御方法としては、具体的には、例えば、図7に示すような方法S20を挙げることができる。すなわち、厚鋼板の冷却制御方法S20は、厚鋼板の温度予測モデルを用いて、冷却工程における当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値を算出する予測値算出工程S21、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する推定工程S22、予測値算出工程S21で算出した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値と、推定工程S22で推定した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差とから、冷却停止温度の修正値を算出する修正値算出工程S23、冷却停止温度の修正値が目標値となるように、冷却水量および/または鋼板搬送速度を決定する決定工程S24、並びに、予測値の誤差の推定に必要となる予測誤差因子をデータベースに蓄積する予測誤差因子蓄積工程S25を備えている。
工程S22は、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する工程である。工程S22では、原則として操業データベース活用学習を用い、冷却工程に供される、厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、m+1本以上(m≧3)製造される場合には、m+1本目以降の厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する際に、上記式1で表される評価関数F1が上記式2で表される評価関数F2よりも小さい場合には操業データベース活用学習を用い、上記式2で表される評価関数F2が上記式1で表される評価関数F1よりも小さい場合には層別学習を用いる。評価関数F2と評価関数F1が等しい場合には層別学習を用いることが好ましい。以下に、その内容を説明する。
厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、m+1本以上(m≧3)製造されない場合の厚鋼板に対して、または厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、m+1本以上(m≧3)製造される場合でも、1〜m本目までの厚鋼板に対しては、スラブ毎に過去の実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、該抽出した過去の実績データから、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する。その内容については、上記「3.2.1.」と同様であるため、ここでは説明を省略する。
冷却工程に供される、厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、m+1本以上(m≧3)製造される場合、m+1本目以降の厚鋼板に対しては、i本目(i≧m+1)の厚鋼板について、下記式1で表される評価関数F1と下記式2で表される評価関数F2とを比較する。そして、F1<F2である厚鋼板に対しては、1〜m本目までの厚鋼板と同様に、スラブ毎に過去の実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、該抽出した過去の実績データから、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する。これに対し、F1>F2である厚鋼板に対しては、スラブ毎に過去の実績データを区分けして保存した学習テーブルに保存された、温度予測モデルの予測誤差を修正する学習値を修正した新たな学習値を、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差として用いる。F1<F2の場合の推定方法は上記「3.2.1.」と同様であり、F1>F2の場合の推定方法は上記「3.2.2.」と同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、F1=F2の場合は、F1>F2の場合と同様に行うことが好ましい。
4本目以降の厚鋼板に対しては、i本目(i=4、5、6)より前3本(j=3)の、|E0・k−E1・k|または|E0・k−E2・k|に重みwkを乗じることにより得られる値の合計である、評価関数F1およびF2を計算する。ここで、1本目の厚鋼板についての、|E0・k−E1・k|をE11、且つ、|E0・k−E2・k|をE21とし、2本目の厚鋼板についての、|E0・k−E1・k|をE12、且つ、|E0・k−E2・k|をE22とし、3本目の厚鋼板についての、|E0・k−E1・k|をE13、且つ、|E0・k−E2・k|をE23とし、4本目の厚鋼板についての、|E0・k−E1・k|をE14、且つ、|E0・k−E2・k|をE24とし、5本目の厚鋼板についての、|E0・k−E1・k|をE15、且つ、|E0・k−E2・k|をE25とする。
このとき、4本目の厚鋼板についての工程S22では、4本目より前3本、すなわち、1〜3本目の厚鋼板における、|E0・k−E1・k|および|E0・k−E2・k|を用いて、評価関数F1およびF2をそれぞれ算出する。具体的には、4本目の厚鋼板についての工程S22では、F1=w1×E13+w2×E12+w3×E11、F2=w1×E23+w2×E22+w3×E21となる。ここで、E13やE23にw1をかけるのは、3本目の厚鋼板は4本目の厚鋼板の1本前(k=1)の厚鋼板だからであり、E12やE22にw2をかけるのは、2本目の厚鋼板は4本目の厚鋼板の2本前(k=2)の厚鋼板だからであり、E11やE21にw3をかけるのは、1本目の厚鋼板は4本目の厚鋼板の3本前(k=3)の厚鋼板だからである。「F1=w1×E13+w2×E12+w3×E11」と「F2=w1×E23+w2×E22+w3×E21」とを比較し、前者の方が小さければ操業データベース活用学習を用いて誤差を推定し、後者の方が小さければ層別学習を用いて誤差を推定する。
次に、5本目の厚鋼板についての工程S22では、5本目より前3本、すなわち、2〜4本目の厚鋼板における、|E0・k−E1・k|および|E0・k−E2・k|を用いて、評価関数F1およびF2をそれぞれ算出する。具体的には、5本目の厚鋼板についての工程S22では、F1=w1×E14+w2×E13+w3×E12、F2=w1×E24+w2×E23+w3×E22となる。「F1=w1×E14+w2×E13+w3×E12」と「F2=w1×E24+w2×E23+w3×E22」とを比較し、前者の方が小さければ操業データベース活用学習を用いて誤差を推定し、後者の方が小さければ層別学習を用いて誤差を推定する。
次に、6本目の厚鋼板についての工程S22では、6本目より前3本、すなわち、3〜5本目の厚鋼板における、|E0・k−E1・k|および|E0・k−E2・k|を用いて、評価関数F1およびF2をそれぞれ算出する。具体的には、6本目の厚鋼板についての工程S22では、F1=w1×E15+w2×E14+w3×E13、F2=w1×E25+w2×E24+w3×E23となる。「F1=w1×E15+w2×E14+w3×E13」と「F2=w1×E25+w2×E24+w3×E23」とを比較し、前者の方が小さければ操業データベース活用学習を用いて誤差を推定し、後者の方が小さければ層別学習を用いて誤差を推定する。
本発明の第3の態様は、上記第1の態様または第2の態様に係る本発明の厚鋼板の冷却制御方法を用いて、厚鋼板の冷却工程の冷却停止時における温度制御を精度よく行いながら、厚鋼板を製造する、厚鋼板の製造方法である。すなわち、本発明の第3の態様においては、製造工程の一つとして備えられた冷却工程において、上記厚鋼板の冷却制御方法を用いることに特徴を有する。本発明の第3の態様において、冷却工程以外の構成(圧延工程や搬送工程等)については、従来と同様の構成を採用することができる。
同一製造条件の厚鋼板を連続して6本以上冷却する場合には、1本目〜5本目の厚鋼板については操業データベース活用学習の誤差推定値を適用し、6本目以降の厚鋼板については層別学習の誤差推定値を適用する。その他の厚鋼板については操業データベース活用学習の誤差推定値を適用する。
同一製造条件の厚鋼板を連続して4本以上冷却する場合には、1本目〜3本目の厚鋼板については操業データベース活用学習の誤差推定値を適用し、4本目以降の厚鋼板については、直前の3本の厚鋼板を対象に、操業データベース活用学習と層別学習のそれぞれについて、下記の評価関数を計算し、その計算値が小さい方の推定方法の誤差推定値を適用する。
評価関数=w1×|1本前の誤差推定値−実際の誤差|
w2×|2本前の誤差推定値−実際の誤差|
w3×|3本前の誤差推定値−実際の誤差|
ここで、w1=4、w2=2、w3=1。
その他の厚鋼板については、操業データベース活用学習の誤差推定値を適用する。
すべての厚鋼板について、操業データベース活用学習も層別学習も適用せずに、温度予測モデルの計算結果に基づいて厚鋼板の冷却停止温度を制御する。すなわち、図6に記載の方法S10において、工程S12、S13を行わず、工程S11の予測値にもとづいて(工程S12の予測値の誤差推定値を0として)、工程S14の冷却水量/鋼板搬送速度を決定して制御する。
すべての厚鋼板について、層別学習の誤差推定値を適用する。
すべての厚鋼板について、操業データベース活用学習の誤差推定値を適用する。
Claims (3)
- 冷却工程における厚鋼板の温度変化挙動を予測するための温度予測モデルを用いて、冷却工程における当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値を算出する、予測値算出工程、
当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する、推定工程、
前記予測値算出工程において算出した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値と、前記推定工程において推定した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差とから、前記冷却停止温度の修正値を算出する、修正値算出工程、並びに、
冷却停止温度の修正値が目標値となるように、冷却水量および/または鋼板搬送速度を決定する、決定工程、
を備え、
前記推定工程で、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する際に、
スラブ毎に過去の実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、該抽出した過去の実績データから、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定し、
冷却工程に供される、厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、n+1本以上(n≧4)製造される場合、
n+1本目以降の厚鋼板に対しては、スラブ毎に過去の実績データを区分けして保存した学習テーブルに保存された、温度予測モデルの予測誤差を修正する学習値を修正した新たな学習値を、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差として用い、
前記決定工程において決定した冷却水量および/または鋼板搬送速度にて、厚鋼板の冷却工程を行う、厚鋼板の冷却制御方法。 - 冷却工程における厚鋼板の温度変化挙動を予測するための温度予測モデルを用いて、冷却工程における当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値を算出する、予測値算出工程、
当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する、推定工程、
前記予測値算出工程において算出した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値と、前記推定工程において推定した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差とから、前記冷却停止温度の修正値を算出する、修正値算出工程、並びに、
冷却停止温度の修正値が目標値となるように、冷却水量および/または鋼板搬送速度を決定する、決定工程、
を備え、
前記推定工程で、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する際に、
スラブ毎に過去の実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、該抽出した過去の実績データから、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定し、
冷却工程に供される、厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、m+1本以上(m≧3)製造される場合、
m+1本目以降の厚鋼板に対しては、i本目(i≧m+1)の厚鋼板を冷却するにあたり、
i本目の厚鋼板よりもk本前(1≦k≦j、j≧3)の厚鋼板を冷却したときの、前記温度予測モデルによる冷却停止温度の計算値と実績温度との差である誤差をE0・k、
i本目の厚鋼板よりもk本前の厚鋼板を製造するまでの実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、該抽出した過去の実績データから推定した、前記k本前の厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差をE1・k、
i本目の厚鋼板よりもk本前の厚鋼板を製造するまでの実績データを区分けして保存した学習テーブルに保存された、前記k本前の厚鋼板製造時の、前記温度予測モデルの予測誤差を修正する学習値を修正した新たな学習値である誤差をE2・k、
i本目の厚鋼板よりもk本前の厚鋼板の誤差に乗ずる重みをwk、
とするとき、
下記式1で表される評価関数F1と下記式2で表される評価関数F2とを比較し、
前記評価関数F1の方が小さい場合には、スラブ毎に過去の実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、該抽出した過去の実績データから、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定し、
前記評価関数F2の方が小さい場合には、スラブ毎に過去の実績データを区分けして保存した学習テーブルに保存された、温度予測モデルの予測誤差を修正する学習値を修正した新たな学習値を、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差として用い、
前記決定工程において決定した冷却水量および/または鋼板搬送速度にて、厚鋼板の冷却工程を行う、厚鋼板の冷却制御方法。
- 請求項1または2に記載の厚鋼板の冷却制御方法を用いた冷却工程を備える、厚鋼板の製造方法。
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