JP2017202514A - 厚鋼板の冷却制御方法および製造方法 - Google Patents

厚鋼板の冷却制御方法および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】冷却停止温度制御の精度を従来よりも高くすることが可能な厚鋼板の冷却制御方法を提供する。
【解決手段】冷却工程に新たに連続して供されるn+1本以上(n≧4)の厚鋼板について、温度予測モデルを用いて、冷却工程における当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値を算出し、当該予測値の誤差を推定し、算出した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値と、推定した予測値の誤差とから、冷却停止温度の修正値を算出し、冷却停止温度の修正値が目標値となるように、冷却水量および/または鋼板搬送速度を決定し、決定した冷却水量および/または鋼板搬送速度にて厚鋼板の冷却工程を行う、厚鋼板の冷却制御方法において、冷却停止温度の予測値の誤差を推定する際に、1〜n本目までの厚鋼板に対しては、過去の操業実績データベース活用学習を活用した手法で予測値の誤差を推定し、n+1本目以降の厚鋼板に対しては、層別学習を活用した手法で予測値の誤差を算出する。
【選択図】図6

Description

本発明は、厚鋼板の冷却工程における冷却制御方法に関し、詳しくは、圧延後の厚鋼板を冷却装置で水冷する際に、所望の冷却停止温度にする厚鋼板の冷却制御方法、および、この方法を用いる厚鋼板の製造方法に関する。
厚鋼板の冷却工程における温度制御では、冷却開始前に、水冷による鋼板温度変化を伝熱計算にて推定し、目標冷却停止温度を得るように、冷却水量や冷却装置内の鋼板搬送速度を決定する。そのため、水冷による鋼板温度変化の推定精度が、冷却停止温度の制御精度を左右する。実際の冷却停止温度が目標値とかけ離れてしまうと、製品に必要な機械的特性が得られなくなるため、冷却停止温度を高精度に制御することが求められている。
鋼板温度変化を伝熱計算によって推定する際、鋼板表面と冷却水や空気との間の熱流束や、鋼板内部での熱伝導は、厳密なモデル化が困難である。そのため、例えば、鋼板表面の性状や成分系の差異が、伝熱計算の誤差因子となり、冷却停止温度の精度悪化要因となる。このため、鋼板温度変化の予測モデルの誤差を学習補正することで、制御精度の維持が図られている。
鋼板温度変化の予測モデルの誤差を補正する技術として、例えば特許文献1には、冷却工程に供する当該厚鋼板について、厚鋼板の温度予測モデルを用いて、冷却工程における当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値を算出し、スラブ毎に過去の実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、抽出した過去の実績データから、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定し、算出した上記当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値と、推定した上記当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差とから、上記冷却停止温度の修正値を算出し、当該修正値が目標値となるように冷却水量や鋼板搬送速度を決定し、決定した冷却水量や鋼板搬送速度で厚鋼板の冷却工程を行う、厚鋼板の冷却制御方法が開示されている。
また、特許文献2および特許文献3には、モデル誤差推定値として、製造条件毎に区分して層別学習した学習値を用いる学習制御方法が開示されている。
特開2012−81518号公報 特開平4−367901号公報 特開2005−202803号公報
特許文献1〜3に記載の技術を用いることにより、制御精度を所定の程度まで高めることが可能になる。しかしながら、厚鋼板の機械的特性を安定的に造り込み、合金元素削減によるコスト合理化を図るためには、冷却停止温度制御をさらに高精度化する必要がある。
そこで本発明は、冷却停止温度制御の精度を従来よりも高くすることが可能な厚鋼板の冷却制御方法、および、この冷却制御方法を用いる厚鋼板の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、過去の操業実績データを蓄積したデータベースから抽出したデータを用いて、当該厚鋼板の冷却停止温度のモデル予測誤差を推定する技術(モデル誤差推定値として操業データベース活用学習を行った値を用いる技術)、および、モデル誤差推定値として層別学習した値を用いる技術、のそれぞれについて、同一条件で製造された厚鋼板を連続して冷却する数が10本未満の場合と、20本以上の場合における、冷却停止温度制御の精度を調査した。10本未満の場合の結果を図1Aおよび図1Bに、20本以上の場合における21本目以降の厚鋼板に関する結果を図2Aおよび図2Bに、それぞれ示す。図1Aおよび図2Aは層別学習の結果を示す図であり、図1Bおよび図2Bは操業データベース活用学習の結果を示す図である。なお、図1Aおよび図1Bに示した製造条件において、学習なしの場合の、誤差平均は−10.0℃であり、標準偏差は28.2℃である。また、図2Aおよび図2Bに示した製造条件において、学習なしの場合の、誤差平均は−8.4℃であり、標準偏差は24.1℃である。
図1Aおよび図1Bに示したように、製造機会の少ない製造条件では、操業データベース活用学習(図1B)の方が、冷却停止温度を高精度に制御できていた。これに対し、図2Aおよび図2Bに示したように、製造機会の多い製造条件では、層別学習(図2A)の方が、冷却停止温度を高精度に制御できていた。
同一製造条件の厚鋼板を冷却したときのモデル誤差の推移の一例を、図3に示す。同じ製造条件のものを連続して冷却する場合には、温度予測モデルの誤差要因となり得る冷却水と鋼板表面との間の熱流束に関して、上流工程である圧延機の圧延ロールの表面粗度の変化が連続的であることから、鋼板の表面性状は徐々に変化する。また冷却水の水温も連続的に変化するなど、温度予測モデルの誤差要因の変化が連続的であることから、図3に示すように、温度予測モデルの誤差に突然の変化が生じにくい。このため、製造機会の多い製造条件では、層別学習で前材の冷却実績に基づいて、学習値を修正していく指数平滑学習で十分に追従できる。
また、例えば連続した冷却が始まった直後は、冷却水を循環使用していると、冷却水の水温が大きく上昇するなど、温度予測モデルの誤差因子が大きく変化する。そのため、製造機会の少ない製造条件では、層別学習では追従できず、過去の操業実績データベースに蓄積された同様な状況のデータを用いる方が、冷却停止温度制御の精度が良い。
以上のことから、本発明者らは、同一製造条件の厚鋼板を連続して冷却する場合、最初の数本は、過去の操業実績データベースに蓄積されたデータを用いたモデル誤差推定を行い、上述したように、冷却水と鋼板表面との間の熱流束などのモデル誤差要因が安定した後は、層別学習のモデル誤差推定値を適用することにより、冷却停止温度制御の精度が向上することを知見した。
本発明は、このような知見に基づいて完成させた。以下、本発明について説明する。
本発明の第1の態様は、冷却工程における厚鋼板の温度変化挙動を予測するための温度予測モデルを用いて、冷却工程における当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値を算出する予測値算出工程、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する推定工程、予測値算出工程において算出した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値と、推定工程において推定した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差とから、上記冷却停止温度の修正値を算出する修正値算出工程、並びに、冷却停止温度の修正値が目標値となるように、冷却水量および/または鋼板搬送速度を決定する決定工程、を備え、上記推定工程で当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する際に、スラブ毎に過去の実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、該抽出した過去の実績データから、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定し、冷却工程に供される、厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、n+1本以上(n≧4)製造される場合、n+1本目以降の厚鋼板に対しては、スラブ毎に過去の実績データを区分けして保存した学習テーブルに保存された、温度予測モデルの予測誤差を修正する学習値、を修正した新たな学習値を、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差として用い、決定工程において決定した冷却水量および/または鋼板搬送速度にて、厚鋼板の冷却工程を行う、厚鋼板の冷却制御方法である。
温度予測モデルを用いて厚鋼板の冷却停止温度の予測値を算出する場合、冷却水量や鋼板搬送速度等の種々のパラメータを繰り返し変更しながら、予め定められた冷却停止温度の目標値に近づけるように、予測値の計算および算出を行う。そして、当該予測値の算出および決定の後、当該予測値と対応して決定された冷却水量や鋼板搬送速度等となるように、実操業を行う。しかしながら、温度予測モデルにより算出した冷却停止温度の予測値が目標値と一致していたとしても、当該温度予測モデル結果にしたがって実操業を行った場合、冷却停止温度の実測値が目標値と一致しない場合がある。これは、温度予測モデルにより予測した予測値に誤差が含まれていることにより生じる。そこで、本発明の第1の態様および以下に示す態様では、温度予測モデルにおいて冷却水量や鋼板搬送速度等を適宜設定することにより算出した鋼板冷却停止温度の予測値に含まれる誤差を解消すべく、データベースから抽出した過去の実績データから予測値の誤差を修正する、または、過去の実績データを区分けして保存した学習テーブルに保存された学習値を修正した新たな学習値を予測値の誤差として推定する。そして、推定した誤差と当初算出した予測値とを用いて修正値とし、当該修正値が目標値となるように冷却水量や鋼板搬送速度を再度設定し、当該再設定した冷却水量や鋼板搬送速度にしたがって、実際の冷却工程を行うことにより、厚鋼板の冷却停止温度の実測値と目標値との乖離を抑制した。
本発明の第1の態様および以下に示す態様において、「製造条件」とは、厚鋼板のスペック、圧延実績、冷却条件等を例示することができる。「温度予測モデル」とは、冷却工程における厚鋼板の温度変化挙動を予測するためのモデルをいい、例えば特許文献1で用いるような温度予測モデルを適用することができる。「温度予測モデルを用いて、冷却工程における当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値を算出する」とは、例えば、冷却水量や鋼板搬送速度を仮定し、仮定した冷却水量や鋼板搬送速度を用いて温度予測モデルにて、これから冷却工程に供する厚鋼板の冷却停止温度の予測値を算出する形態が挙げられる。「冷却停止温度が目標値となるように、冷却水量および/または鋼板搬送速度を決定する」とは、例えば、仮の冷却水量、仮の鋼板搬送速度を仮定して温度予測モデルを用いた温度計算を行い、冷却停止温度を予測し、1〜n本目までの厚鋼板に対しては操業データベース活用学習により推定した誤差を、n+1本目以降の厚鋼板に対しては層別学習により求めた新たな学習値をそれぞれ用いて、求めた修正値が冷却停止温度の目標値とほぼ同様となるまで、繰り返し計算することによって、冷却水量および/または鋼板搬送速度を決定する形態が挙げられる。「スラブ毎に過去の実績データを蓄積したデータベース」とは、従来の層別テーブル方式に係るデータベースとは異なるデータベースであって、例えば、従来の層別テーブル方式のように過去の実績データを製造条件毎に区分けする必要はなく、過去実績データがスラブ毎に蓄積されたものを挙げることができる。「製造条件が類似する」とは、厚鋼板のスペック、圧延実績、冷却条件等の厚鋼板に適用する製造条件が類似することを意味する。「実績データを区分けして保存した学習テーブル」とは、例えば、過去の実績データを製造条件毎に区分けした、層別テーブル方式に係るデータベースが挙げられる。
このような形態にすることにより、最初の数本の厚鋼板については、過去の操業実績データベースに蓄積されたデータを用いたモデル誤差推定値を用い、その後の厚鋼板については、層別学習のモデル誤差推定値を用いることができるので、冷却停止温度制御の精度を従来よりも高くすることができる。
本発明の第2の態様は、冷却工程における厚鋼板の温度変化挙動を予測するための温度予測モデルを用いて、冷却工程における当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値を算出する予測値算出工程、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する推定工程、予測値算出工程において算出した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値と、推定工程において推定した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差とから、上記冷却停止温度の修正値を算出する修正値算出工程、並びに、冷却停止温度の修正値が目標値となるように、冷却水量および/または鋼板搬送速度を決定する決定工程、を備え、推定工程において当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する際に、スラブ毎に過去の実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、該抽出した過去の実績データから、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定し、冷却工程に供される、厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、m+1本以上(m≧3)製造される場合、m+1本目以降の厚鋼板に対しては、i本目(i≧m+1)の厚鋼板を冷却するにあたり、i本目の厚鋼板よりもk本前(1≦k≦j、j≧3)の厚鋼板を冷却したときの、上記温度予測モデルによる冷却停止温度の計算値と実績温度との差である誤差をE0・k、i本目の厚鋼板よりもk本前の厚鋼板を製造するまでの実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、該抽出した過去の実績データから推定した、上記k本前の厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差をE1・k、i本目の厚鋼板よりもk本前の厚鋼板を製造するまでの実績データを区分けして保存した学習テーブルに保存された、上記k本前の厚鋼板製造時の、上記温度予測モデルの予測誤差を修正する学習値を修正した新たな学習値である誤差をE2・k、i本目の厚鋼板よりもk本前の厚鋼板の誤差に乗ずる重みをw、とするとき、下記式1で表される評価関数F1と下記式2で表される評価関数F2とを比較し、評価関数F1の方が小さい場合には、スラブ毎に過去の実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、該抽出した過去の実績データから、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定し、評価関数F2の方が小さい場合には、スラブ毎に過去の実績データを区分けして保存した学習テーブルに保存された、温度予測モデルの予測誤差を修正する学習値を修正した新たな学習値を、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差として用い、決定工程において決定した冷却水量および/または鋼板搬送速度にて、厚鋼板の冷却工程を行う、厚鋼板の冷却制御方法である。
このような形態であっても、最初の数本の厚鋼板については、過去の操業実績データベースに蓄積されたデータを用いたモデル誤差推定値を用い、その後の厚鋼板については、層別学習のモデル誤差推定値を用いることが可能なので、冷却停止温度制御の精度を従来よりも高くすることができる。
本発明の第3の態様は、上記本発明の第1〜第2の態様に係る厚鋼板の冷却制御方法を用いた冷却工程を備える、厚鋼板の製造方法である。
本発明によれば、冷却停止温度制御の精度を従来よりも高くすることが可能な厚鋼板の冷却制御方法、および、この冷却制御方法を用いる厚鋼板の製造方法を提供することができる。
製造機会が少ない製造条件での層別学習による冷却停止温度の予測精度を説明する図である。 製造機会が少ない製造条件での操業データベース活用学習による冷却停止温度の予測精度を説明する図である。 製造機会が多い製造条件での層別学習による冷却停止温度の予測精度を説明する図である。 製造機会が多い製造条件での操業データベース活用学習による冷却停止温度の予測精度を説明する図である。 同一製造条件の厚鋼板を冷却したときのモデル誤差の推移を説明する図である。 事例ベースモデリングの概念図である。 事例ベースモデリング手法の考え方を示す概念図である。 本発明の第1の態様に係る厚鋼板の冷却制御方法の流れを示す図である。 本発明の第2の態様に係る厚鋼板の冷却制御方法の流れを示す図である。 操業データベース活用学習と層別学習との切り替え方法の概要を説明する図である。 厚鋼板の温度予測精度の結果を説明する図である。
本発明の実施の形態について以下に説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例であり、本発明は以下に示す形態に限定されない。
1.事例ベースモデリング(操業データベース活用学習)
図4に示すように、事例ベースモデリングでは、過去の蓄積データの中から、予測対象の製造条件に近いデータを検索し、その場で製造条件を決定する。その手順は以下の通りである。
(1)予測対象の特性を良く表す情報ベクトル(予測誤差因子(=説明変数))を決定する。
(2)要求点(例えば、予測対象の製造条件など)に対応する近傍を選択する。
(3)選択した近傍の中にある各サンプルと要求点との類似の度合いを求める。
(4)選んだ各サンプルの出力を補間して要求点の出力を計算する。
(1)情報ベクトル(予測誤差因子)の決定
操業データベースを活用した物理モデルの予測誤差を推定するモデリングを行う場合、予測誤差の要因となる因子(予測誤差因子:例えば、製造条件など)を情報ベクトルとして与える。より具体的には、統計解析等を実施して、予測誤差への影響因子を抽出する。また、いわゆるブラックボックスモデリングの場合にも、推定した出力値がどのような製造条件の影響を受けるのかを統計的に解析することにより、予測誤差因子を特定および決定することができる。
(2)要求点の近傍の選択
要求点の近傍を選択することの目的は、推定したい出力値の予測精度を高めるために、事前に蓄積したデータ集合からできるだけ要求点に類似したデータを選択することであり、ここで選択したデータ(データの部分集合)と、要求点との類似度によって、最終的な予測精度が決まる。要求点の近傍を選ぶにあたっては、例えば以下の処理が考えられる。
まず、二つの情報ベクトル間の距離関数を定義して、データベースに蓄積された過去の実績データと、要求点との間の距離をそれぞれ計算する。次に、計算した距離に基づいて当該距離が一番近いk個のサンプルを類似データとして抽出する。このような処理は、いわゆるk−NN(k Nearest Neighbors)法によって実行することができる。
一例として、各データと要求点との間の距離dを、下記式3のような重み付きEuclid距離として定義する。当該重み付きEuclid距離が一番近い所定数のサンプルを要求点の類似データとして抽出する。
(3)近傍と要求点との類似度
一般に、事例ベースモデリングでは、要求点と選ばれたデータとの間の類似度は、両者の間の距離によって決められる重みとして表現される。重みの大きさは、両者の距離が遠ければ0に近づき、逆に近ければ1に近づくものとすればよい。重み関数としては、例えば、下記式4のようなGaussian関数や、下記式5のようなTricube関数を用いることができる。
ただし、dは距離関数、αは定数である。
(4)要求点の出力計算
事例ベースモデリングの一つの特徴は、局所での簡単なモデル(例えば線形モデル)を用いて、大域的に複雑なモデル(例えば非線形モデル)を適切に近似できることにある。代表的な局所モデル同定方法は、例えば、「重み付き局所回帰法(LWR)」や「重み付き線形平均法(LWA)」であり、それぞれ下記式6、式7のように表される。
本発明における操業データベース活用学習では、図5に示すように、過去の事例から予測対象の製造条件に近いデータ(類似データ)を検索して、推定値を得る。その手順は以下に示す通りである。各説明変数(予測誤差因子)の距離は、下記式8のような重み付きEuclid距離で定義することができる。
ただし、Xijは過去データの説明変数(予測誤差因子)、Xnjは予測対象データの説明変数(予測誤差因子)、wは各説明変数(予測誤差因子)に対する重み、iはデータ番号、jは説明変数番号(1〜m)(予測誤差因子番号1〜m)である。
この重み付きEuclid距離の値の小さい複数のデータ(例えば、100本のデータ。)を類似データとして抽出する。この抽出した類似データを用いて、下記式9で示されるような線形回帰モデルのパラメータベクトルθを、下記式10のようなデータの不適合さを最小にする最適化問題に帰着させて同定する。このようにして得られた下記式11のように示される局所的な回帰モデル式を用いて、予測対象の推定値(下記式11の左辺)を導出する。
ただし、a、a、…、aはモデルパラメータである。
なお、過去事例の中からモデルパラメータの同定に用いる類似データとして、予測対象の製造条件に近いデータを抽出した場合、予測誤差因子(説明変数)がすべて同一となる場合がある。このような場合には、当該予測誤差因子に対するモデルパラメータの同定が不可能となるため、これを除外した予測誤差因子にて、局所回帰モデルパラメータを同定する。具体例として、k番目の予測誤差因子がすべて同値となった場合、a=0の制約条件の下で、最適化問題に係る式(上記式10)を解けばよい。
また、過去事例の中からモデルパラメータ同定に用いる類似データとして、予測対象の製造条件に近いデータを抽出した場合、予測誤差因子(説明変数)が極めて類似する場合がある。このような場合には、線形回帰モデルではむしろ正確な予測が難しくなるので、抽出したデータから平均値を求めて予測対象の推定値として導出すればよい。
以上のような事例ベースモデリング手法を用いた方法によって、厚鋼板の冷却停止温度に係る予測値の誤差を推定することが可能となる。本発明における操業データベース活用学習では、温度予測モデルにおいて冷却水量や鋼板搬送速度等を適宜設定することにより算出した鋼板冷却停止温度の予測値に含まれる誤差あるいは温度予測モデルそのものに含まれる誤差を解消すべく、過去実績データを用いて予測値の誤差を推定する。そして、推定した誤差を用いて当初算出した予測値を修正して修正値とし、当該修正値と対応するように冷却水量や鋼板搬送速度を再度設定し、当該再設定した冷却水量や鋼板搬送速度にしたがって、実際の冷却工程を行うことで、厚鋼板の冷却停止温度の実測値と目標値との乖離を抑制し、温度制御を高精度なものとすることができる。
2.層別学習
層別学習とは、厚鋼板の大きさや鋼種などの製造条件ごとに区分した層別テーブルを設けておき、層別区分ごとに、モデル誤差推定値を適応修正していく方法である。層別学習では、温度予測モデルによる冷却停止温度の計算値と実績温度との差を求め、その厚鋼板の製造条件に合致する層別区分での学習値を誤差推定値として適応修正する。例えば、層別テーブルを製造条件A、B、Cの3条件で区分し、それぞれの区分数がN、N、Nであるとすると、学習値を格納する層別テーブルは、
で定義される。ある厚鋼板の冷却を実施する場合に、当該厚鋼板の製造条件から、それぞれに該当する区分No.(i,i,i)を求め、誤差推定値として格納されている学習値E(i,i,i)を取り出し、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差として用いる。
学習値の適応修正では、厚鋼板の冷却が完了したときに、下記式12にて、該当する区分No.(i,i,i)の学習値を更新する。
ただし、Enewは更新後の学習値、Eoldは更新前の学習値、Eは当該厚鋼板での温度予測モデルにおける冷却停止温度の計算値と実績温度との差、gは平滑化ゲインである。
3.本発明の第1の態様
本発明の第1の態様は、厚鋼板に応じて、上記操業データベース活用学習および層別学習の一方を選択して用いる、厚鋼板の冷却制御方法である。具体的には、例えば、図6に示すような方法S10を挙げることができる。すなわち、本発明の第1実施形態にかかる厚鋼板の冷却制御方法S10は、厚鋼板の温度予測モデルを用いて、冷却工程における当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値を算出する予測値算出工程S11、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する推定工程S12、予測値算出工程S11で算出した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値と、推定工程S12で推定した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差とから、冷却停止温度の修正値を算出する修正値算出工程S13、冷却停止温度の修正値が目標値となるように、冷却水量および/または鋼板搬送速度を決定する決定工程S14、並びに、予測値の誤差の推定に必要となる予測誤差因子をデータベースに蓄積する予測誤差因子蓄積工程S15を備えている。
3.1.予測値算出工程S11
工程S11は、冷却工程で冷却される厚鋼板について、厚鋼板の温度予測モデルを用いて、冷却工程における当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値を算出する工程である。工程S11においては、冷却工程における従来の鋼板温度予測モデルを適用することができる。工程S11では、冷却水量や鋼板搬送速度の初期値を設定し、当該鋼板温度予測モデルを用いて、冷却停止温度を計算し、予測値を算出すればよい。
3.2.推定工程S12
工程S12は、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する工程である。工程S12では、厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する際には、原則として操業データベース活用学習を用い、冷却工程に供される、厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、n+1本以上(n≧4)製造される場合には、n+1本目以降の厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差の推定に層別学習を用いる。以下に、その内容を説明する。
3.2.1.操業データベース活用学習
厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、n+1本以上(n≧4)製造されない場合の厚鋼板に対して、または厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、n+1本以上(n≧4)製造される場合でも、1〜n本目までの厚鋼板に対しては、スラブ毎に過去の実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、該抽出した過去の実績データから、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する。
実績データの抽出に際しては、上述したように、例えば製造条件に係る予測誤差因子(説明変数)を用いて重み付きEuclid距離やマハラノビス距離等の距離関数を設定し、当該距離が小さいもの(近傍にあるもの)を所定数選択し、当該厚鋼板と製造条件が類似する実績データとして抽出する等、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出することができるものであればいずれであってもよい。この工程で用いる実績データに係るデータベースの形態例を、表1に示す。表1に示すように、予測誤差因子(説明変数)としては、冷却停止温度の予測値の誤差に影響の大きいものが挙げられ、例えば、板厚や板幅、板長、カーボン当量、圧延ロール摩耗量、デスケ回数(デスケーリングの回数)、冷却停止温度の実測値等の各種製造条件とすればよい。
上記表1において、例えば、上記式8に係るEuclid距離を用いて近傍を選択する場合において、例えばデータNo.1のものについては、
d1(X1)=√{1/50*(20-25)^2+…(中略)…+1/3*(3-3)^2}
のように、Euclid距離を計算することができる。この工程では、当該計算値の小さい、所定数のデータを抽出すればよい。
このようにして、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出したら、抽出した過去の実績データから、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する。すなわち、重み付き線形平均法(上記式7等)を採用して、この工程で抽出した当該厚鋼板と製造条件の近い過去の実績データを用い、出力推定値(例えば上記式7の左辺)を求めることにより、厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を得ることができる。なお、式7における重みwは、Gaussian関数やTricube関数(上記式4、式5)とすればよい。また、重み付き局所回帰法(上記式6)を採用した場合には、データの不適合さを最小にする最適化問題に係る式10に帰着させて、式9で示されるモデルパラメータθを同定する。そして、得られた局所的な回帰モデルに係る式11を用いて、出力推定値を計算して、厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を得ることができる。特に、この工程では、抽出した過去の実績データに基づいて線形回帰モデル式を作成し、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定するとよい。線形回帰モデルのような簡便なモデルを取り扱うことで、計算速度の短縮が可能となり、事例ベースモデリング手法を用いる本発明の効果がより適切に奏される。
3.2.2.層別学習
冷却工程に供される、厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、n+1本以上(n≧4)製造される場合、n+1本目以降の厚鋼板に対しては、スラブ毎に過去の実績データを区分けして保存した学習テーブルに保存された、温度予測モデルの予測誤差を修正する学習値を修正した新たな学習値を、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差として用いる。
例えば、層別テーブルを製造条件A、B、Cの3条件で区分したとすると、厚鋼板の製造条件がそれぞれ
に該当する場合、その該当する区分の学習値E(i,i,i)を取り出し、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差として用いる。
3.3.修正値算出工程S13
工程S13は、工程S11において算出した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値と、工程S12において推定した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差とから、冷却停止温度の修正値を算出する工程である。工程S13においては、例えば、工程S11において算出した冷却停止温度の予測値と工程S12において推定した予測値の誤差分とを足し合わせることにより、冷却停止温度の修正値を算出することができる。あるいは、誤差を予測温度と実測温度の比として求め、予測温度に誤差を乗じることにより、冷却停止温度の修正値を算出してもよい。
3.4.決定工程S14
工程S14は、工程S13で算出した修正値が冷却停止温度の目標値となるように、冷却水量および/または鋼板搬送速度を決定する工程である。冷却水量および/または鋼板搬送速度を決定するに際しては、例えば、鋼板温度予測モデルを用いて、冷却水量や鋼板搬送速度の初期値を設定し、冷却停止温度を計算する。そして得られた修正値が上記冷却停止温度の目標値と一定以上乖離している場合には、さらに、仮の冷却水量、仮の鋼板搬送速度を仮定して、繰り返し計算を行い、冷却停止温度の修正値が目標値とほぼ同等となるように、冷却水量や鋼板搬送速度を収束させるように計算し、決定すればよい。そして、工程S14において決定した冷却水量および/または鋼板搬送速度にて、厚鋼板の冷却工程を行うことで、厚鋼板の冷却が適切に制御された状態にて厚鋼板の冷却を行うことができる。
3.5.予測誤差因子蓄積工程S15
工程S15は、予測値の誤差の推定に必要となる予測誤差因子をデータベースに蓄積する工程である。例えば、上記工程S11〜S14を経て、厚鋼板の冷却制御を行い、当該厚鋼板の実績データを得る。そして、得られたデータのうち、特に、予測誤差因子に係るデータをデータベースに蓄積し、後の冷却制御時に用いることにより、当該厚鋼板よりも後に冷却工程に供される厚鋼板について、冷却制御精度を一層向上させることができる。
また厚鋼板の冷却が完了したときに、当該厚鋼板の製造条件から、それぞれに該当する区分No.(i,i,i)を求め、下記式12にて、該当する区分No.(i,i,i)の層別テーブル学習値を更新する。
ただし、Enewは更新後の学習値、Eoldは更新前の学習値、Eは当該厚鋼板での温度予測モデルにおける冷却停止温度の計算値と実績温度との差、gは平滑化ゲインである。
本発明に係る厚鋼板の冷却制御方法S10は、上記工程S11〜S15を備えることにより、厚鋼板の冷却工程において、冷却停止時の温度制御を高精度にて行うことができる。
厚鋼板の冷却制御方法S10において、操業データベース活用学習により予測値の誤差推定をした厚鋼板について、工程S12で抽出した過去の実績データにおける過去の予測値の誤差と、工程S12で推定した当該予測値の誤差とを比較し、比較の結果に基づいて、抽出した過去の実績データにおける過去の予測値の誤差の平均値を、工程S12における、当該予測値の誤差とすることが好ましい場合もある。例えば、工程S12で推定した当該予測値の誤差が、工程S12で抽出した過去の実績データにおける過去の予測値の誤差の平均値±2σ(ここで、工程S12で抽出した過去の実績データにおける過去の予測値の誤差の標準偏差をσとする。)の範囲外となった場合、工程S12における当該予測値の誤差を、抽出した過去の実績データにおける過去の予測値の誤差の平均値、あるいは重み付き平均値へと置き換えるとよい。
また、同じく操業データベース活用学習により予測値の誤差推定をした厚鋼板について、工程S12で抽出した過去の実績データが、該過去の実績データにおける製造条件と当該厚鋼板の製造条件との類似度が所定値以上のもののみからなる場合は、過去の実績データにおける過去の予測値の誤差の平均値を、工程S12における、当該予測値の誤差とすることが好ましい。この場合において、上述のように、データの類似度は、過去の実績データの予測誤差因子と、厚鋼板の製造条件における予測誤差因子とに基づいて、Euclid距離として表すことができるので、当該Euclid距離が所定値以下である場合に、「類似度が所定値以上」と判断することができる。
4.本発明の第2の態様
本発明の第2の態様は、厚鋼板に応じて、上記操業データベース活用学習および層別学習の一方を選択して用いる点で、本発明の第1の態様と類似しているが、m+1本目以降の厚鋼板(n−1≧m≧3、n≧4)に対して、上記式1で表される評価関数F1と上記式2で表される評価関数F2とを比較し、その大小関係によって、上記操業データベース活用学習および層別学習の一方を選択して用いる点が、本発明の第1の態様と異なっている。本発明の第2の態様にかかる厚鋼板の冷却制御方法としては、具体的には、例えば、図7に示すような方法S20を挙げることができる。すなわち、厚鋼板の冷却制御方法S20は、厚鋼板の温度予測モデルを用いて、冷却工程における当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値を算出する予測値算出工程S21、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する推定工程S22、予測値算出工程S21で算出した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値と、推定工程S22で推定した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差とから、冷却停止温度の修正値を算出する修正値算出工程S23、冷却停止温度の修正値が目標値となるように、冷却水量および/または鋼板搬送速度を決定する決定工程S24、並びに、予測値の誤差の推定に必要となる予測誤差因子をデータベースに蓄積する予測誤差因子蓄積工程S25を備えている。
ここで、工程S21は、上記工程S11と同様とすることができる。また、工程S23〜工程S25は、それぞれ、上記工程S13〜工程S15と同様とすることができる。そこで、工程S22について、以下に説明する。
4.1.推定工程S22
工程S22は、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する工程である。工程S22では、原則として操業データベース活用学習を用い、冷却工程に供される、厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、m+1本以上(m≧3)製造される場合には、m+1本目以降の厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する際に、上記式1で表される評価関数F1が上記式2で表される評価関数F2よりも小さい場合には操業データベース活用学習を用い、上記式2で表される評価関数F2が上記式1で表される評価関数F1よりも小さい場合には層別学習を用いる。評価関数F2と評価関数F1が等しい場合には層別学習を用いることが好ましい。以下に、その内容を説明する。
4.1.1.操業データベース活用学習
厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、m+1本以上(m≧3)製造されない場合の厚鋼板に対して、または厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、m+1本以上(m≧3)製造される場合でも、1〜m本目までの厚鋼板に対しては、スラブ毎に過去の実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、該抽出した過去の実績データから、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する。その内容については、上記「3.2.1.」と同様であるため、ここでは説明を省略する。
4.1.2.操業データベース活用学習または層別学習
冷却工程に供される、厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、m+1本以上(m≧3)製造される場合、m+1本目以降の厚鋼板に対しては、i本目(i≧m+1)の厚鋼板について、下記式1で表される評価関数F1と下記式2で表される評価関数F2とを比較する。そして、F1<F2である厚鋼板に対しては、1〜m本目までの厚鋼板と同様に、スラブ毎に過去の実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、該抽出した過去の実績データから、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する。これに対し、F1>F2である厚鋼板に対しては、スラブ毎に過去の実績データを区分けして保存した学習テーブルに保存された、温度予測モデルの予測誤差を修正する学習値を修正した新たな学習値を、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差として用いる。F1<F2の場合の推定方法は上記「3.2.1.」と同様であり、F1>F2の場合の推定方法は上記「3.2.2.」と同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、F1=F2の場合は、F1>F2の場合と同様に行うことが好ましい。
上記式1および式2において、E0・kは、i本目の厚鋼板よりもk本前(1≦k≦j、j≧3)の厚鋼板を冷却したときの、上記温度予測モデルによる冷却停止温度の計算値と実績温度との差である誤差である。また、E1・kは、i本目の厚鋼板よりもk本前の厚鋼板を製造するまでの実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、該抽出した過去の実績データから推定した、上記k本前の厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差である。また、E2・kは、i本目の厚鋼板よりもk本前の厚鋼板を製造するまでの実績データを区分けして保存した学習テーブルに保存された、上記k本前の厚鋼板製造時の、上記温度予測モデルの予測誤差を修正する学習値を修正した新たな学習値である誤差である。また、wは、i本目の厚鋼板よりもk本前の厚鋼板の誤差に乗ずる重みである。
工程S22の理解を容易にするため、具体例を示しつつ、以下に説明を続ける。以下に示す例では、同一の製造条件で製造された6本の厚鋼板を連続して冷却すると仮定し、n=4、m=3、且つ、j=3と仮定する。このとき、1〜3本目までの厚鋼板に対しては、操業データベース活用学習を用いて予測値の誤差を推定する。
4本目以降の厚鋼板に対しては、i本目(i=4、5、6)より前3本(j=3)の、|E0・k−E1・k|または|E0・k−E2・k|に重みwを乗じることにより得られる値の合計である、評価関数F1およびF2を計算する。ここで、1本目の厚鋼板についての、|E0・k−E1・k|をE11、且つ、|E0・k−E2・k|をE21とし、2本目の厚鋼板についての、|E0・k−E1・k|をE12、且つ、|E0・k−E2・k|をE22とし、3本目の厚鋼板についての、|E0・k−E1・k|をE13、且つ、|E0・k−E2・k|をE23とし、4本目の厚鋼板についての、|E0・k−E1・k|をE14、且つ、|E0・k−E2・k|をE24とし、5本目の厚鋼板についての、|E0・k−E1・k|をE15、且つ、|E0・k−E2・k|をE25とする。
このとき、4本目の厚鋼板についての工程S22では、4本目より前3本、すなわち、1〜3本目の厚鋼板における、|E0・k−E1・k|および|E0・k−E2・k|を用いて、評価関数F1およびF2をそれぞれ算出する。具体的には、4本目の厚鋼板についての工程S22では、F1=w×E13+w×E12+w×E11、F2=w×E23+w×E22+w×E21となる。ここで、E13やE23にwをかけるのは、3本目の厚鋼板は4本目の厚鋼板の1本前(k=1)の厚鋼板だからであり、E12やE22にwをかけるのは、2本目の厚鋼板は4本目の厚鋼板の2本前(k=2)の厚鋼板だからであり、E11やE21にwをかけるのは、1本目の厚鋼板は4本目の厚鋼板の3本前(k=3)の厚鋼板だからである。「F1=w×E13+w×E12+w×E11」と「F2=w×E23+w×E22+w×E21」とを比較し、前者の方が小さければ操業データベース活用学習を用いて誤差を推定し、後者の方が小さければ層別学習を用いて誤差を推定する。
次に、5本目の厚鋼板についての工程S22では、5本目より前3本、すなわち、2〜4本目の厚鋼板における、|E0・k−E1・k|および|E0・k−E2・k|を用いて、評価関数F1およびF2をそれぞれ算出する。具体的には、5本目の厚鋼板についての工程S22では、F1=w×E14+w×E13+w×E12、F2=w×E24+w×E23+w×E22となる。「F1=w×E14+w×E13+w×E12」と「F2=w×E24+w×E23+w×E22」とを比較し、前者の方が小さければ操業データベース活用学習を用いて誤差を推定し、後者の方が小さければ層別学習を用いて誤差を推定する。
次に、6本目の厚鋼板についての工程S22では、6本目より前3本、すなわち、3〜5本目の厚鋼板における、|E0・k−E1・k|および|E0・k−E2・k|を用いて、評価関数F1およびF2をそれぞれ算出する。具体的には、6本目の厚鋼板についての工程S22では、F1=w×E15+w×E14+w×E13、F2=w×E25+w×E24+w×E23となる。「F1=w×E15+w×E14+w×E13」と「F2=w×E25+w×E24+w×E23」とを比較し、前者の方が小さければ操業データベース活用学習を用いて誤差を推定し、後者の方が小さければ層別学習を用いて誤差を推定する。
本発明に係る厚鋼板の冷却制御方法S20であっても、上記工程S21〜S25を備えることにより、厚鋼板の冷却工程において、冷却停止時の温度制御を高精度にて行うことができ、誤差をも考慮した冷却停止温度となるように厚鋼板の冷却制御が可能となる。
厚鋼板の冷却制御方法S20においては、1〜m本目までの厚鋼板およびm+1本目以降の厚鋼板のうちF1<F2である厚鋼板について、工程S22で抽出した過去の実績データにおける過去の予測値の誤差と、工程S22で推定した当該予測値の誤差とを比較し、比較の結果に基づいて、抽出した過去の実績データにおける過去の予測値の誤差の平均値を、工程S22における、当該予測値の誤差とすることが好ましい場合もある。例えば、工程S22で推定した当該予測値の誤差が、工程S22で抽出した過去の実績データにおける過去の予測値の誤差の平均値±2σ(ここで、工程S22で抽出した過去の実績データにおける過去の予測値の誤差の標準偏差をσとする)の範囲外となった場合、工程S22における当該予測値の誤差を、抽出した過去の実績データにおける過去の予測値の誤差の平均値、あるいは重み付き平均値へと置き換えるとよい。
また、1〜m本目までの厚鋼板およびm+1本目以降の厚鋼板のうちF1<F2である厚鋼板について、工程S22で抽出した過去の実績データが、該過去の実績データにおける製造条件と当該厚鋼板の製造条件との類似度が所定値以上のもののみからなる場合は、過去の実績データにおける過去の予測値の誤差の平均値を、工程S22における、当該予測値の誤差とすることが好ましい。この場合において、上述のように、データの類似度は、過去の実績データの予測誤差因子と、厚鋼板の製造条件における予測誤差因子とに基づいて、Euclid距離として表すことができるので、当該Euclid距離が所定値以下である場合に、「類似度が所定値以上」と判断することができる。
本発明の第1の態様または本発明の第2の態様に係る厚鋼板の冷却制御方法における、操業データベース活用学習と層別学習との切り替え方法の概要を、図8に示す。図8に示したように、本発明の厚鋼板の冷却制御方法では、操業データベース活用学習および層別学習の一方を用いて推定した、厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を用いて、モデル計算を行い(冷却停止温度の修正値を算出し)、この結果を用いて決定した冷却水量および/または鋼板搬送速度にて、厚鋼板の冷却工程を行うことにより、厚鋼板の冷却停止温度を制御する。そして、予測値の誤差の推定に必要となる予測誤差因子を製造条件や、加熱実績、圧延実績と紐付けてデータベースに保存する。また厚鋼板の冷却が完了したときに、当該厚鋼板の製造条件から、それぞれに該当する区分No.(i,i,i)を求め、下記式12にて、該当する区分No.(i,i,i)の層別テーブル学習値を更新する。
ただし、Enewは更新後の学習値、Eoldは更新前の学習値、Eは当該厚鋼板での温度予測モデルにおける冷却停止温度の計算値と実績温度との差、gは平滑化ゲインである。
5.本発明の第3の態様
本発明の第3の態様は、上記第1の態様または第2の態様に係る本発明の厚鋼板の冷却制御方法を用いて、厚鋼板の冷却工程の冷却停止時における温度制御を精度よく行いながら、厚鋼板を製造する、厚鋼板の製造方法である。すなわち、本発明の第3の態様においては、製造工程の一つとして備えられた冷却工程において、上記厚鋼板の冷却制御方法を用いることに特徴を有する。本発明の第3の態様において、冷却工程以外の構成(圧延工程や搬送工程等)については、従来と同様の構成を採用することができる。
厚鋼板の製造において、冷却工程は厚鋼板の特性を決定するのに重要な工程であり、冷却工程の制御を高精度にて行うことで、高品質な厚鋼板を製造できる。この点、本発明の第3の態様に係る厚鋼板の製造方法においては、上記第1の態様または第2の態様に係る本発明の厚鋼板の冷却制御方法が採用されることにより、冷却工程の冷却停止時の温度制御を高精度にて行うものとしている。すなわち、本発明に係る厚鋼板の製造方法によれば、高品質な厚鋼板を製造することができる。
実施例を参照しつつ、本発明についてさらに説明を続ける。
操業データベース活用学習と層別学習との切り替え方法として、下記2種類(実施例1および実施例2)を試行し、従来の方法(比較例1〜3)とともに、厚鋼板の温度予測精度を評価した。
<実施例1>
同一製造条件の厚鋼板を連続して6本以上冷却する場合には、1本目〜5本目の厚鋼板については操業データベース活用学習の誤差推定値を適用し、6本目以降の厚鋼板については層別学習の誤差推定値を適用する。その他の厚鋼板については操業データベース活用学習の誤差推定値を適用する。
<実施例2>
同一製造条件の厚鋼板を連続して4本以上冷却する場合には、1本目〜3本目の厚鋼板については操業データベース活用学習の誤差推定値を適用し、4本目以降の厚鋼板については、直前の3本の厚鋼板を対象に、操業データベース活用学習と層別学習のそれぞれについて、下記の評価関数を計算し、その計算値が小さい方の推定方法の誤差推定値を適用する。
評価関数=w×|1本前の誤差推定値−実際の誤差|
×|2本前の誤差推定値−実際の誤差|
×|3本前の誤差推定値−実際の誤差|
ここで、w=4、w=2、w=1。
その他の厚鋼板については、操業データベース活用学習の誤差推定値を適用する。
<比較例1>
すべての厚鋼板について、操業データベース活用学習も層別学習も適用せずに、温度予測モデルの計算結果に基づいて厚鋼板の冷却停止温度を制御する。すなわち、図6に記載の方法S10において、工程S12、S13を行わず、工程S11の予測値にもとづいて(工程S12の予測値の誤差推定値を0として)、工程S14の冷却水量/鋼板搬送速度を決定して制御する。
<比較例2>
すべての厚鋼板について、層別学習の誤差推定値を適用する。
<比較例3>
すべての厚鋼板について、操業データベース活用学習の誤差推定値を適用する。
実施例1〜2および比較例1〜3の、厚鋼板の温度予測精度の結果(標準偏差および平均温度誤差)を、図9に示す。図9に示したように、実施例1〜2は、温度予測モデルの誤差を学習補正しなかった比較例1のみならず、層別学習を単独で用いた比較例2や操業データベース活用学習を単独で用いた比較例3よりも、厚鋼板の温度予測精度が良くなることが確認された。したがって、本発明によれば、厚鋼板の品質向上が期待できる。
本発明は、厚鋼板の冷却工程(水冷工程)において好適に用いることができる。また、これにより、高品質な厚鋼板を製造することができる。

Claims (3)

  1. 冷却工程における厚鋼板の温度変化挙動を予測するための温度予測モデルを用いて、冷却工程における当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値を算出する、予測値算出工程、
    当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する、推定工程、
    前記予測値算出工程において算出した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値と、前記推定工程において推定した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差とから、前記冷却停止温度の修正値を算出する、修正値算出工程、並びに、
    冷却停止温度の修正値が目標値となるように、冷却水量および/または鋼板搬送速度を決定する、決定工程、
    を備え、
    前記推定工程で、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する際に、
    スラブ毎に過去の実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、該抽出した過去の実績データから、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定し、
    冷却工程に供される、厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、n+1本以上(n≧4)製造される場合、
    n+1本目以降の厚鋼板に対しては、スラブ毎に過去の実績データを区分けして保存した学習テーブルに保存された、温度予測モデルの予測誤差を修正する学習値を修正した新たな学習値を、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差として用い、
    前記決定工程において決定した冷却水量および/または鋼板搬送速度にて、厚鋼板の冷却工程を行う、厚鋼板の冷却制御方法。
  2. 冷却工程における厚鋼板の温度変化挙動を予測するための温度予測モデルを用いて、冷却工程における当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値を算出する、予測値算出工程、
    当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する、推定工程、
    前記予測値算出工程において算出した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値と、前記推定工程において推定した当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差とから、前記冷却停止温度の修正値を算出する、修正値算出工程、並びに、
    冷却停止温度の修正値が目標値となるように、冷却水量および/または鋼板搬送速度を決定する、決定工程、
    を備え、
    前記推定工程で、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定する際に、
    スラブ毎に過去の実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、該抽出した過去の実績データから、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定し、
    冷却工程に供される、厚鋼板の製造条件が同一の厚鋼板が連続して、m+1本以上(m≧3)製造される場合、
    m+1本目以降の厚鋼板に対しては、i本目(i≧m+1)の厚鋼板を冷却するにあたり、
    i本目の厚鋼板よりもk本前(1≦k≦j、j≧3)の厚鋼板を冷却したときの、前記温度予測モデルによる冷却停止温度の計算値と実績温度との差である誤差をE0・k
    i本目の厚鋼板よりもk本前の厚鋼板を製造するまでの実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、該抽出した過去の実績データから推定した、前記k本前の厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差をE1・k
    i本目の厚鋼板よりもk本前の厚鋼板を製造するまでの実績データを区分けして保存した学習テーブルに保存された、前記k本前の厚鋼板製造時の、前記温度予測モデルの予測誤差を修正する学習値を修正した新たな学習値である誤差をE2・k
    i本目の厚鋼板よりもk本前の厚鋼板の誤差に乗ずる重みをw
    とするとき、
    下記式1で表される評価関数F1と下記式2で表される評価関数F2とを比較し、
    前記評価関数F1の方が小さい場合には、スラブ毎に過去の実績データを蓄積したデータベースから、当該厚鋼板と製造条件が類似する厚鋼板の過去の実績データを抽出し、該抽出した過去の実績データから、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差を推定し、
    前記評価関数F2の方が小さい場合には、スラブ毎に過去の実績データを区分けして保存した学習テーブルに保存された、温度予測モデルの予測誤差を修正する学習値を修正した新たな学習値を、当該厚鋼板の冷却停止温度の予測値の誤差として用い、
    前記決定工程において決定した冷却水量および/または鋼板搬送速度にて、厚鋼板の冷却工程を行う、厚鋼板の冷却制御方法。
  3. 請求項1または2に記載の厚鋼板の冷却制御方法を用いた冷却工程を備える、厚鋼板の製造方法。
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