JP2021039612A - 情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】予測モデルに対する入力データの妥当性判断を可能にする。
【解決手段】情報処理装置(1)は、特性予測モデル(112)を用いて推論した製品の特性値と、該特性値の実測値との差を予測誤差として特定する予測誤差特定部(1021)と、製品の製造条件と予測誤差との関係をモデル化して誤差予測モデル(113)を生成する誤差予測モデル生成部(1023)と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、製品の製造条件と該製造条件で製造された当該製品の特性値との関係をモデル化した予測モデルに対する入力データに関する処理を行う情報処理装置等に関する。
従来から、予測モデルを用いた予測について、様々な技術分野で研究が進められている。例えば、下記の特許文献1には、鋼材の最適な製造条件を決定する際に、品質設計者の意思決定を容易にするための技術が開示されている。この技術においては、過去の製造実績に基づいて、ある製造条件で製造した場合の製品材質を推定している。この推定は、予測モデルを用いた予測の一種であるといえる。
特開2002−241846号公報(2002年8月28日公開)
上記特許文献1の技術を含め、予測モデルを用いた予測においては、予測モデルに入力する入力データに誤謬がある場合や、予測モデルに適合しない入力データを入力した場合等に、予測精度が低下してしまうという問題があった。このような問題を解決するためには、予測モデルに入力する入力データの妥当性を判断する必要がある。
本発明の一態様は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、予測モデルに入力する入力データの妥当性を判断することを可能にする情報処理装置等を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、製品の製造条件と該製造条件で製造された当該製品の特性値との関係をモデル化した特性予測モデルを用いて算出した上記特性値と、上記製造条件で実際に製造された上記製品の特性値との差を、上記特性予測モデルの予測誤差として特定する予測誤差特定部と、上記製品の製造条件と上記予測誤差との関係をモデル化して、上記製品の製造条件から予測誤差を予測するための誤差予測モデルを生成する誤差予測モデル生成部と、を備えている。
また、本発明の一態様に係る他の情報処理装置は、上記の課題を解決するために、製品の製造条件と該製造条件で製造された当該製品の特性値との関係をモデル化した特性予測モデルを用いて算出した上記特性値と上記製造条件で実際に製造された上記製品の特性値との差である予測誤差と、上記製造条件との関係をモデル化した誤差予測モデルを用いて、上記特性予測モデルにある製造条件を入力する場合の予測誤差を算出する誤差予測部と、上記誤差予測部が算出した予測誤差の値に基づき、上記ある製造条件が上記特性予測モデルに対する入力データとして妥当であるか否かを判定する適合判定部と、を備えている。
また、本発明の一態様に係る情報処理方法は、上記の課題を解決するために、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、製品の製造条件と該製造条件で製造された当該製品の特性値との関係をモデル化した特性予測モデルを用いて算出した上記特性値と、上記製造条件で実際に製造された上記製品の特性値との差を、上記特性予測モデルの予測誤差として特定する予測誤差特定ステップと、上記製品の製造条件と上記予測誤差との関係をモデル化して、上記製品の製造条件から予測誤差を予測するための誤差予測モデルを生成するモデル生成ステップと、を含む。
また、本発明の一態様に係る他の情報処理方法は、上記の課題を解決するために、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、製品の製造条件と該製造条件で製造された当該製品の特性値との関係をモデル化した特性予測モデルを用いて算出した上記特性値と上記製造条件で実際に製造された上記製品の特性値との差である予測誤差と、上記製造条件との関係をモデル化した誤差予測モデルを用いて、上記特性予測モデルにある製造条件を入力する場合の予測誤差を算出する誤差予測ステップと、上記誤差予測ステップで算出した予測誤差の値に基づき、上記ある製造条件が上記特性予測モデルに対する入力データとして妥当であるか否かを判定する判定ステップと、を含む。
本発明の一態様によれば、予測モデルに入力する入力データの妥当性を判断することが可能になるという効果を奏する。
本発明の実施形態1に係る情報処理装置の要部構成の一例を示すブロック図である。 誤差予測モデルで予測した予測誤差と、実測値に基づいて算出した予測誤差との相関関係を示す図である。 誤差予測モデルで予測した耐力の予測誤差と、誤差予測モデルで予測した引張強さの予測誤差との相関関係を示す図である。 予測誤差に基づいて複数の入力データをスクリーニングした結果を示す図である。 上記スクリーニングの結果を実測値ベースの予測誤差と比較した結果を示す図である。 スクリーニングが特性予測モデルの予測精度に与える影響を示す実験結果を示す図である。 誤差予測モデルを生成する情報処理方法の一例を示すフローチャートである。 製造条件のスクリーニングを行った上で製品特性の予測値を算出する情報処理方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態2に係る製造システムの構成例を示すブロック図である。
〔実施形態1〕
〔概要〕
本発明の一実施形態に係る情報処理装置1の概要を説明する。詳細は図1等に基づいて以下説明するが、情報処理装置1は、特性予測モデル112を用いて予測した製品の特性値と、該特性値の実測値との差を予測誤差として特定する予測誤差特定部1021を備えている。また、情報処理装置1は、製品の製造条件と予測誤差との関係をモデル化して誤差予測モデル113を生成する誤差予測モデル生成部1023を備えている。
上記の構成によれば、予測誤差を予測するためのモデルである誤差予測モデル113を生成することができる。誤差予測モデル113を使用すれば、特性予測モデル112を用いて予測を行う前に、その入力データを用いて予測を行った場合の予測誤差を確認することが可能になる。入力データにデータ誤りが含まれている場合や、入力データが特性予測モデルに適合していない場合等には予測誤差が大きくなるので、誤差予測モデル113によれば、特性予測モデル112を用いた推論を行う際の入力データの妥当性を判断することが可能になる。
なお、上記製品は、所定の製造工程によって製造されるものであり、かつ、その製造条件と該製造条件で製造された製品の特性値との関係をモデル化することにより、製造条件から特性値を予測できるようなものであればよく、特に限定されない。また、上記製品には完全な製品となるまでの半製品も含まれる。そして、上記特性値は、製品に関する特性を示すものであればよく、上記製造条件は該特性に相関のある条件であればよい。
例えば、上記製品は、金属、合金、および、金属を含む複合材、の何れかであってもよい。このような製品では、原料組成や加工温度等の製造条件と、引張強さや耐力等の製品の特性値との間に相関関係があることが分かっている。よって、上記製品が、金属、合金、および、金属を含む複合材、の何れかである場合、特性予測モデル112を、当該製品の製造条件を示す入力データから、当該製品の製品特性を示す説明変数を予測するモデルとすることができる。この構成によれば、金属、合金、または、金属を含む複合材の製品特性を予測するにあたり、その予測に用いる製造条件が特性予測モデル112に対する入力データとして妥当であるか否かを判断することが可能になる。
また、情報処理装置1は、特性予測モデル112と誤差予測モデル113を用いて、入力部121の新規製造条件入力部1211に新規製造条件を入力する場合の予測誤差を算出する誤差予測部1031を備えている。そして、情報処理装置1は、誤差予測部1031が算出した予測誤差の値に基づき、上記新規製造条件が特性予測モデル112を用いた推論に対する入力データとして妥当であるか否かを判定する適合判定部1030を備えている。上記判定において妥当ではないと判定されるのは、予測誤差が大きくなる可能性の高い入力データである。よって、上記の構成によれば、特性予測モデル112を用いた推論を行う順推論部1010に対し、予測誤差が大きくなる可能性の高い入力データが入力されないようにすることが可能になる。また、適合判定部1030の判定結果は、出力部122の誤差予測結果表示部1222に表示することができる。
〔装置構成〕
図1は、情報処理装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、情報処理装置1は、情報処理装置1の各部を統括して制御する制御部10、情報処理装置1が使用する各種データを記憶する記憶部11、および入出力部12を備えている。入出力部12には、情報処理装置1における入力操作を受け付ける入力部121と、制御に対する出力を受け付ける出力部122が含まれる。なお、記憶部11および入出力部12は、情報処理装置1に外付けされた、情報処理装置1とは別体の装置であってもよい。また、出力部122は、所定の態様でデータを出力できるものであればよい。例えば、データを表示出力させる場合には、表示装置を出力部122とすればよい。
入力部121は、制御法の指示を受け付けるときには制御法指示部1210として機能する。なお、制御法の指示については後述の〔変形例〕で説明する。また、入力部121は、新規製造条件の入力を受け付けるときには、新規製造条件入力部1211として機能する。
出力部122は、順推論部1010の推論結果を表示するときには順推論結果表示部1220として機能する。また、出力部122は、逆推論部1011の推論結果を表示するときには逆推論結果表示部1221として機能する。さらに、出力部122は、誤差予測部1031による誤差予測の結果に基づく適合判定部1030の判定結果を表示するときには誤差予測結果表示部1222として機能する。また、誤差予測結果表示部1222は、誤差予測部1031による誤差予測の結果を表示してもよい。
制御部10には、機械学習により特性予測モデル112を構築する学習部A100と、特性予測モデル112を用いて製品の特性値を推論する推論部A101が含まれている。また、制御部10には、機械学習により誤差予測モデル113を構築する学習部B102と、誤差予測モデル113を用いて誤差を推論する推論部B103が含まれている。推論部A101には、順推論部1010および逆推論部1011が含まれている。また、学習部B102には、説明変数寄与評価部1020、予測誤差特定部1021、教師データ生成部1022、および誤差予測モデル生成部1023が含まれている。そして、推論部B103には、適合判定部1030と誤差予測部1031が含まれている。
また、記憶部11には、製造レコードテーブル110、試験レコードテーブル111、特性予測モデルテーブル112、および誤差予測モデルテーブル113が記憶されている。なお、特性予測モデルテーブル112に含まれる特性予測モデルについても特性予測モデルテーブルと同じ参照番号「112」で説明する。同様に、誤差予測モデルテーブル113に含まれる誤差予測モデルは参照番号「113」で説明する。
推論部A101は、特性予測モデル112を用いて、製品の製造条件から該製造条件で製造された当該製品の特性値を推論する。詳細は後述するが、推論部A101は、新規製造条件入力部1211に入力された製造条件のうち、適合判定部1030が妥当と判定した製造条件について順推論部1010で特性値を推論するので、信頼性の高い特性値を推論することができる。
予測誤差特定部1021は、新規製造条件入力部1211に入力された新規製造条件に対し、特性予測モデル112を用いて順推論部1010で推論された特性値と、試験レコードテーブル111に記憶される上記製造条件で実際に製造された製品の特性値との差を、特性予測モデル112の予測誤差として特定する。詳細は後述するが、特定された予測誤差は、誤差予測モデル113を構築するための教師データの生成に用いられる。
教師データ生成部1022は、誤差予測モデル113を構築するための教師データを生成する。具体的には、教師データ生成部1022は、予測誤差特定部1021が特定した予測誤差と、その予測誤差に対応する製造条件とを対応付けて教師データとする。なお、説明変数寄与評価部1020が、特性予測モデル112による予測への寄与が相対的に大きい説明変数を特定していた場合、教師データ生成部1022は、それらの説明変数を除いた製造条件と、予測誤差とを対応付けて教師データとする。
説明変数寄与評価部1020は、特性予測モデル112を用いた順推論部1010による推論の際に新規製造条件入力部1211に入力される製造条件に含まれる複数の説明変数の中から、特性予測モデル112による予測への寄与が相対的に大きい説明変数を少なくとも1つ特定する。このような説明変数の特定には、例えばステップワイズ変数減少法等を用いることができる。この場合、決定係数の変動が大きい説明変数を、寄与が大きい説明変数であると特定することができる。
誤差予測モデル生成部1023は、製品の製造条件と予測誤差との関係をモデル化して、製造条件から予測誤差を予測するための誤差予測モデル113を生成する。誤差予測モデル113の生成は、教師データ生成部1022が生成する教師データを用いた機械学習によって行われる。
なお、誤差予測モデル113の生成と、誤差予測モデル113を使用した予測とは、異なる装置で行う構成としてもよい。この場合、情報処理装置1から教師データ生成部1022、説明変数寄与評価部1020、および誤差予測モデル生成部1023を省略し、これらの構成を備えた他の情報処理装置に誤差予測モデル113を生成させてもよい。そして、情報処理装置1は、上記他の情報処理装置が生成した誤差予測モデル113を取得し、これを用いて予測誤差を算出すればよい。
なお、上述のように、説明変数寄与評価部1020が特性予測モデル112による予測への寄与が相対的に大きい説明変数を特定していた場合、教師データ生成部1022は、それらの説明変数を除いた製造条件と、予測誤差とを対応付けて教師データとする。この場合、誤差予測モデル生成部1023は、説明変数寄与評価部1020が特定した説明変数を除いた製造条件と予測誤差との関係をモデル化して誤差予測モデル113を生成することになる。
本願の発明者の検討の結果、特性予測モデル112に入力する入力データをそのまま用いて誤差予測モデル113を生成するよりも、特性予測モデル112による予測への寄与が相対的に大きい説明変数を除いて誤差予測モデル113を生成する方が、予測精度の高い誤差予測モデル113を生成できることが判っている。よって、上記の構成によれば、特性予測モデル112に入力する入力データをそのまま用いる場合よりも、予測精度の高い誤差予測モデル113を生成することが可能になる。
新規製造条件入力部1211は、特性予測モデル112による推論の際に、順推論部1010に対する入力データ、すなわち製品の製造条件を示すデータ(以下、単に製造条件と呼ぶ)の入力を受け付ける。製造条件の決定方法は特に限定されない。例えば、新規製造条件入力部1211は、製造条件に含まれる各説明変数の値をランダムにあるいは所定の規則に従って決定してもよい。また、新規製造条件入力部1211は、過去に使用された製造条件を製造レコードテーブル110から読み出し、製造条件に関する説明変数に所定の値を加算あるいは減算する等の処理を施すことによって製造条件を生成してもよい。
誤差予測部1031は、誤差予測モデル113を読み込む。そして、誤差予測部1031は、読み込んだ誤差予測モデル113に、新規製造条件入力部1211に入力された製造条件を入力して、予測誤差を推論する。また、特性予測モデル112による予測への寄与が相対的に大きい説明変数を除去した教師データを用いて生成された誤差予測モデル113を用いる場合、誤差予測部1031は、誤差予測モデル113に入力する製造条件から当該説明変数を除去する。
適合判定部1030は、誤差予測部1031が算出した予測誤差の値に基づき、当該予測誤差を算出する基になった製造条件(例えば新規製造条件入力部1211に入力された製造条件)が順推論部1010に渡されるデータとして妥当であるか否かを判定する。例えば、適合判定部1030は、予測誤差の値またはその絶対値が所定の閾値を超えた場合に、入力データとして妥当ではないと判定してもよい。
逆推論部1011は、適合判定部1030が妥当と判定した製造条件を入力データとして順推論部1010が予測した特性値に基づき、製品の製造条件を逆推論することにより決定する。例えば、逆推論部1011は、順推論部1010が推論した特性値が所定の条件を満たしている場合に、その特性値の推論に用いた製造条件を、上記製品の製造条件として決定してもよい。
製造レコードテーブル110は、製品の製造条件を記録したテーブルであり、試験レコードテーブル111は、その製造条件で製造された製品の特性値を記録したテーブルである。特性予測モデル112は、製品の製造条件と該製造条件で製造された当該製品の特性値との関係をモデル化したものであり、製造レコードテーブル110に記録されている製造条件と試験レコードテーブル111に記録されている特性値に基づいて構築されている。
誤差予測モデル113は、製品の製造条件と予測誤差との関係をモデル化したものであり、製造条件から予測誤差を予測するためのものである。上述のように、誤差予測モデル113は誤差予測モデル生成部1023によって生成される。
〔特性予測モデルの例〕
特性予測モデル112の構成例を説明する。本実施形態では、一例として、特性予測の対象とする製品がH2nアルミニウム板材(以下、アルミ板材と略称する)である例を説明する。アルミ板材の製造工程には、原料の鋳造、ソーキング、熱間圧延(熱延)、冷間圧延(冷延)、および焼鈍の各工程が含まれる。
製品がアルミ板材である場合、特性予測モデル112によって予測する特性値、すなわち特性予測モデル112の目的変数は、アルミ板材の任意の特性値とすればよい。この場合、特性予測モデル112の説明変数は、上記目的変数と相関のある製造条件を示すものとすればよい。以下では、アルミ板材の引張強さと耐力を目的変数とし、製造工程に含まれる各種の処理温度と、アルミ板材の原料あるいは該原料を加工した中間製品(製品であるアルミ板材となる以前のもの)の不純物含有量を説明変数とする例を説明する。上記処理温度としては、例えば熱延温度や焼鈍温度が挙げられる。また、上記不純物としては、例えばSi、Mg、Fe等が挙げられる。
特性予測モデル112は、上述のような説明変数と目的変数との関係をモデル化したものとすればよい。モデル化の手法は特に限定されない。例えば、特性予測モデル112は、主成分回帰等により構築された線形な回帰モデルであってもよいし、ニューラルネットワーク等で構築された非線形な回帰モデルであってもよい。
〔誤差予測モデルの妥当性の検証〕
誤差予測モデル113の説明変数には、特性予測モデル112の説明変数の少なくとも一部を含める。例えば、説明変数寄与評価部1020が、特性予測モデル112の説明変数の中から、特性予測モデル112による予測への寄与が相対的に大きい説明変数を特定した場合、その説明変数を除いた残りの説明変数を、誤差予測モデル113の説明変数とする。誤差予測モデル113の生成に使用する説明変数は、特性予測モデル112の説明変数と同じであるから、製造レコードテーブル110から読み出すことができる。
また、誤差予測モデル113の目的変数は、特性予測モデル112の目的変数の予測誤差とする。例えば、特性予測モデル112の目的変数が引張強さと耐力であれば、誤差予測モデル113の目的変数は、引張強さの予測誤差と耐力の予測誤差とすればよい。
誤差予測モデル113は、上述のような説明変数と目的変数との関係をモデル化したものとすればよい。モデル化の手法は特に限定されない。例えば、誤差予測モデル113は、回帰分析等により構築された線形モデルであってもよいし、ニューラルネットワーク等で構築された非線形モデルであってもよい。
以下では、複数の中間層を含むニューラルネットワークによって誤差予測モデル113を生成する例を説明する。誤差予測モデル113の中間層の数と、各中間層のノード数は特に限定されないが、例えば中間層を2層とし、各中間層のノード数を50個としてもよい。この場合、誤差予測モデル113は、入力層と出力層とを含めて計4層の深層ニューラルネットワークとなる。なお、入力層のノード数は説明変数の数に等しく、出力数のノード数は目的変数の数に等しい。詳細は図7に基づいて後述するが、このような誤差予測モデル113は、教師データ生成部1022が生成した教師データを用いた深層学習により生成することができる。
〔誤差予測モデルの妥当性の検証〕
上記のようにして構築した誤差予測モデル113の妥当性の検証結果を図2および図3に基づいて説明する。図2は、誤差予測モデル113で予測した予測誤差と、実測値に基づいて算出した予測誤差(以下、実測値ベースの予測誤差と呼ぶ)との相関関係を示す図である。また、図3は、誤差予測モデル113で予測した耐力の予測誤差と、誤差予測モデル113で予測した引張強さの予測誤差との相関関係を示す図である。
図2の(a)に示すように、耐力について、誤差予測モデル113で予測した耐力の予測誤差と、実測値ベースの予測誤差との間には相関がある(R=0.51)という結果となった。また、図2の(b)に示すように、引張強さについても、誤差予測モデル113で予測した予測誤差と、実測値ベースの予測誤差との間にも相関がある(R=0.42)という結果となった。なお、図2の(a)(b)に示すカウント数のグラフについては図4に基づいて後述する。
また、図3の(a)に示すように、実測値ベースの耐力の予測誤差と、実測値ベースの引張強さの予測誤差との間には相関関係があった。そして、図3の(b)に示すように、誤差予測モデル113で予測した耐力の予測誤差と、誤差予測モデル113で予測した引張強さの予測誤差との間にも、図3の(a)と同様の相関関係があった。つまり、誤差予測モデル113の予測値においても、実測値ベースの予測誤差と同様の相関関係が再現された。
さらに、図3の(c)には、アルミ板材のS−S曲線(stress-strain curve)を記載している。図3の(c)において、縦軸が応力、横軸がひずみである。図示のように、TS(引張強さ)は、S−S曲線における応力の最大値である。また、YS(耐力)は、除荷後に残る永久ひずみが例えば0.2%となる応力である。
通常、アルミを含む金属・合金板材は、n乗硬化則を満たす。つまり、図3の(c)に破線で示すS−S曲線のように、実線のS−S曲線に対して耐力がΔYS減少した場合、引張強さはΔTS増加する。また、同図に一点鎖線で示すS−S曲線のように、実線のS−S曲線に対して耐力がΔYS増加した場合、引張強さはΔTS減少する。このように、アルミ板材のS−S曲線は、n乗硬化則を満たすように、ΔTSとΔYSがリンクして変動するため、特性予測モデル112による予測も、誤差予測モデル113による予測も共に信頼できるといえる。
〔予測誤差に基づくスクリーニング〕
上述のように、適合判定部1030は、誤差予測モデル113を用いて算出された予測誤差の値に基づき、当該予測誤差を算出する基になった製造条件が特性予測モデル112に対する入力データとして妥当であるか否かを判定する。そして、適合判定部1030は、妥当ではないと判定した製造条件を、順推論部1010への入力データから除外する。つまり、適合判定部1030は、順推論部1010に渡されるデータを、除外するものと除外しないものとにスクリーニングする。以下、図4から図6に基づいて入力データのスクリーニングの例を説明する。
図4は、予測誤差に基づいて複数の入力データをスクリーニングした結果を示す図である。図4の(a)のグラフは、誤差予測モデル113を用いて算出された引張強さの予測誤差の分布を示している。この図では、横軸の中央に近いほど予測誤差の絶対値が小さく、中央から離れる程予測誤差の絶対値が大きい。図4の(a)では、誤差予測モデル113を用いて算出された引張強さの予測誤差の絶対値が1.0より小さい入力データを妥当とし、1.0以上の入力データを妥当でないとするスクリーニングを行った結果を示している。図4の(a)では妥当でないと判定された予測誤差を斜線で示している。この予測誤差に対応する入力データは、順推論部1010への入力データから除外される。なお、妥当性判定の基準となる閾値は、順推論部1010を用いた推論に要求される精度等に応じて適宜定めればよい。
また、図4の(b)のグラフは、誤差予測モデル113を用いて誤差予測部1031で算出された耐力の予測誤差の分布を示している。この図では、図4の(a)のスクリーニングにて除外された入力データから算出された耐力の予測誤差を斜線で示している。図4の(b)に示されるように、除外された入力データから算出された耐力の予測誤差も、引張強さの予測誤差と同様にその絶対値が大きい傾向にある。
図5は、図4の(a)のスクリーニング結果を、実測値ベースの予測誤差と比較した結果を示す図である。図5の上側の2つのグラフでは、実測値に基づいて算出した耐力の予測誤差の分布を示している。そして、図5の右上のグラフでは、スクリーニングによって除外された入力データに対応する予測誤差を斜線部で示している。
また、図5の下側の2つのグラフでは、スクリーニングの対象とした各入力データについて、実測値に基づいて算出した耐力と引張強さの予測誤差を示している。そして、図5の右下のグラフでは、スクリーニングによって除外された入力データに×印を付している。
図5の各グラフから、誤差予測モデル113を用いて誤差予測部1031で算出された引張強さの予測誤差に基づくスクリーニングを行った場合に、実測値ベースの耐力の推定誤差が大きい入力データが優先的に除外されていることがわかる。
図6は、スクリーニングが特性予測モデル112の予測精度に与える影響を示す実験結果を示す図である。図6の例では、まず、2組のテストデータ(サンプリング1と2)を入力データとして特性予測モデル112により耐力の予測を行った。そして、上記テストデータから上述のようなスクリーニングによって一部のテストデータを除外した後、特性予測モデル112により耐力の予測を行った。また、予測結果の検証のため、各テストデータの製造条件で実際に製品を製造し、その耐力と引張強さを実測した。
図6の(a)に示すサンプリング1の例では、81個のテストデータを特性予測モデル112に入力して耐力の予測値を算出した。この予測値と、各テストデータが示す製造条件で製造した製品の耐力の実測値との関係が、図6の(a)の「スクリーニング前」のグラフに示されている。図示のように、R=0.69であった。
また、81個のテストデータからスクリーニングにより17個のデータを除去し、残る64個のテストデータを特性予測モデル112に入力して算出した耐力の予測値と耐力の実測値との関係が、図6の(a)の「スクリーニング後」のグラフに示されている。図示のように、R=0.76であり、スクリーニング前よりもR値が向上している。同様に、図6の(b)に示すサンプリング2の例においても、スクリーニング後にR値が向上している。
以上のように、誤差予測モデル113を用いて誤差予測部1031で算出した予測誤差に基づくスクリーニングを行うことにより、特性予測モデル112による予測の精度を向上させることができる。具体的には、情報処理装置1では、予測部101は、適合判定部1030が誤差予測モデル113を用いて誤差予測部1031で算出した予測誤差に基づいて妥当であると判定した入力データを、特性予測モデル112を読み込んだ順推論部1010に入力する。これにより、適合判定部1030による判定を行わない場合と比べて予測の精度を向上させることができる。なお、上記の例では、誤差予測モデル113を用いて算出された引張強さの予測誤差に基づいてスクリーニングを行っているが、誤差予測モデル113を用いて算出された耐力の予測誤差に基づいてスクリーニングを行うこともできる。
〔処理の流れ(誤差予測モデルの生成)〕
情報処理装置1が誤差予測モデル113を生成する処理の流れを図7に基づいて説明する。図7は、誤差予測モデル113を生成する情報処理方法の一例を示すフローチャートである。
S1では、特性予測モデル112を読み込んだ順推論部1010が、製造レコードテーブル110に記憶された製造条件を読み出す。S2では、特性予測モデルテーブル112を読み込んだ順推論部1010が、製品特性の予測値を推論する。
S3では、予測誤差特定部1021が、S2で推論された製品特性の予測値に対応した製品特性の実測値を試験レコードテーブル111から読み出す。そして、S4(予測誤差特定ステップ)では、予測誤差特定部1021は、S3で読み出した製品特性の実測値と、S2で推論された製品特性の予測値との差を予測誤差として特定する。
S5では、教師データ生成部1022が、S1で読み出された製造条件と、S4で特定された予測誤差とを対応付けて教師データとする。そして、S6では、教師データ生成部1022は、誤差予測モデル113の生成に必要な数(予め定めておけばよい)の教師データを生成済みであるか否かを判定する。生成済みであると判定された場合(S6でYES)にはS7の処理に進み、生成済みではないと判定された場合(S6でNO)にはS1の処理に戻る。S1の処理に戻った場合、新規製造条件入力部1211が新規製造条件の入力を受け付け、この新たな製造条件についてS2〜S6の処理が行われる。
S7では、説明変数寄与評価部1020が、順推論部1010に渡される製造条件のうち、順推論部1010の推論結果に対する寄与の大きい製造条件を特定する。なお、S7の処理は、S1の処理以前に行っておいてもよいし、S1〜S6の処理と平行で行ってもよい。
S8では、教師データ生成部1022は、生成済みの各教師データにおける製造条件から、S7で特定された製造条件を除去する。これにより、誤差予測モデル113の生成に用いる教師データが完成する。なお、S7の処理は、S1の処理を開始する前に行っておいてもよい。この場合、S8の処理を実行する代わりに、S5で教師データを生成する際に、予測結果に対する寄与の大きい製造条件を除去してもよい。
S9(モデル生成ステップ)では、誤差予測モデル生成部1023が、S8で完成した教師データを用いて誤差予測モデル113を生成し、記憶部11に記憶する。これにより、図7の処理は終了する。
以上のように、情報処理装置1が実行する情報処理方法は、特性予測モデル112に製造条件を入力することにより出力される製品特性の予測値と、製品特性の実測値との差を予測誤差として特定する予測誤差特定ステップ(S4)を含む。また、この情報処理方法は、上記製造条件と上記予測誤差との関係をモデル化して、誤差予測モデル113を生成するモデル生成ステップ(S9)を含む。このようにして生成された誤差予測モデル113を用いることにより、特性予測モデル112に対し、予測誤差が大きくなる可能性の高い入力データが入力されないようにすることが可能になる。
〔処理の流れ(予測値の算出)〕
情報処理装置1が製品特性の予測値を算出する処理の流れを図8に基づいて説明する。図8は、製造条件のスクリーニングを行った上で製品特性の予測値を算出する情報処理方法の一例を示すフローチャートである。
S11では、新規製造条件入力部1211が新規製造条件の入力を受け付ける。そして、当該新規製造条件は、特性予測モデル112を読み込んだ順推論部1010に渡され、順推論部1010により特性予測値が推論される。続くS12(誤差予測ステップ)では、誤差予測モデル113を読み込んだ誤差予測部1031が、S11で入力された新規製造条件を、読み込んだ上記誤差予測モデル113に入力して予測誤差を推論する。なお、誤差予測モデル113の生成の際に、順推論部1010の推論結果に対する寄与の大きい製造条件が除去されていた場合、誤差予測部1031は、誤差予測モデル113に入力する複数の製造条件から、寄与の大きい上記製造条件を除去する。
S13(判定ステップ)では、適合判定部1030が、S12で推論された予測誤差の値に基づいて、対象データが特性予測モデル112に対する入力データとして妥当であるか否かを判定する。S13で新規製造条件の適合性がYESと判定された場合にはS14の処理に進む。S14では、適合判定部1030は、順推論部1010における特性予測値の推論結果を採用し、順推論結果表示部1220にその推論結果を表示させて、図8の処理は終了する。S13でNOと判定された場合には、S15の処理に進む。S15では、適合判定部1030は、入力された新規製造条件が特性予測モデル112に適合しない旨を誤差予測結果表示部1222に表示させて、図8の処理は終了する。
図示していないが、逆推論部1011は、S14で推論された予測値に基づいて、製品の製造に適用する製造条件を決定してもよい。この場合、逆推論部1011は、決定した製造条件を逆推論結果表示部1221に表示させる。
以上のように、情報処理装置1が実行する情報処理方法は、誤差予測モデル113を用いて、特性予測モデル112を読み込ませた順推論部1010への入力対象となっている対象データから予測誤差を算出する誤差予測ステップ(S12)を含む。また、この情報処理方法は、誤差予測ステップで算出した予測誤差の値に基づき、上記対象データが特性予測モデル112を読み込ませた順推論部1010に対する入力データとして妥当であるか否かを判定する判定ステップ(S13)を含む。よって、特性予測モデル112を読み込ませた順推論部1010に対し、予測誤差が大きくなる可能性の高い入力データが入力されないようにすることが可能になる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
本実施形態では、情報処理装置1の機能を複数の装置を含むシステムによって実現した例を図9に基づいて説明する。図9は、情報処理装置1の機能を有する製造システム200の構成例を示すブロック図である。製造システム200は、製品を製造するシステムであり、判定装置21、予測装置22、製造条件決定装置23、および製造設備24を含む。
判定装置21は、上記実施形態1で説明した誤差予測部1031と適合判定部1030を備えた装置である。判定装置21は、誤差予測モデル113を用いて予測誤差を算出すると共に、該予測誤差に基づいて予測装置22に入力する入力データが妥当であるか否かを判定し、妥当であると判定した入力データを予測装置22に入力する。なお、入力データは、製造システム200における製品の製造条件を示すデータである。
予測装置22は、上記実施形態で説明した特性予測モデル112を読み込ませた順推論部1010を備えた装置である。上述のように、判定装置21が妥当であると判定した入力データが予測装置22に入力されるので、予測装置22は、この入力データを、特性予測モデル112を読み込ませた順推論部1010に渡して製品の特性値(予測値)を推論する。
製造条件決定装置23は、上記実施形態で説明した逆推論部1011を備えた装置である。製造条件決定装置23は、予測装置22の予測結果に基づいて、製造システム200における製品の製造条件を決定する。例えば、予測装置22が耐力を予測する場合、耐力が閾値以上であるとの条件を設定してもよい。この場合、製造条件決定装置23は、予測装置22の予測する耐力が閾値以上となる製造条件を、製造システム200における製品の製造条件として決定する。
製造設備24は、製造条件決定装置23が決定した製造条件で製品を製造する。なお、決定された製造条件の適用は、全て自動で行ってもよいし、一部手動で行ってもよい。自動で行う場合、製造設備24に制御装置を設け、この制御装置に製造条件を変更させればよい。
以下、製造システム200で実行される製造方法について説明する。図9に示すように、まず、判定装置21に入力データとして複数の製造条件が入力される。
次に、判定装置21は、入力された製造条件から妥当でない製造条件を除外して、予測装置22に出力する。そして、予測装置22は、入力された製造条件から製品の特性値を算出し、製造条件決定装置23に出力する。この特性値は、妥当でない製造条件を除外して算出されたものであるから妥当な予測結果であるといえる。
次に、製造条件決定装置23は、予測装置22が出力した特性値が目標とする範囲内である製造条件を、製造システム200における製品の製造条件として決定し、決定した製造条件を製造設備24に通知する。この製造条件は、妥当でない製造条件を除外して算出した特性値に基づいて決定されたものであるから、妥当な製造条件であるといえる。そして、製造設備24は、製造条件決定装置23が決定した製造条件で製品を製造する。
以上のように、製造システム200で実行される製造方法には、製品特性の予測に用いる候補となる複数の製造条件のうち、予測誤差に基づいて妥当ではないと判定された製造条件を除外するステップが含まれる。また、この製造方法には、除外されなかった製造条件を、特性予測モデル112を読み込ませた順推論部1010に渡して特性値を推論するステップと、推論された特性値が所定の条件を満たす製造条件を、製造システム200における製品の製造条件として決定するステップが含まれる。さらに、この製造方法には、決定された製造条件で製品を製造するステップが含まれる。これにより、特性値が所定の条件を満たす可能性が高い製品を製造することができる。なお、この製造方法で製造された製品も本発明の範疇に含まれる。
〔変形例〕
誤差予測部1031が算出する予測誤差は、入力データ(製造条件)のスクリーニング以外にも利用することができる。例えば、実施形態1の情報処理装置1は、新規製造条件入力部1211に入力データが与えられた場合に、その入力データをスクリーニングすることなく特性予測モデル112を読み込ませた順推論部1010に渡して特性値を推論してもよい。この場合、順推論部1010が推論した特性値を順推論結果表示部1220に表示出力させると共に、誤差予測部1031が推論した予測誤差も順推論結果表示部1220に表示出力させてもよい。これにより、情報処理装置1のユーザに、算出された特性値にどの程度の誤差が含まれ得るかを認識させることができる。つまり、この構成では、入力データの妥当性判断をユーザに行わせることができる。
また、誤差予測部1031が算出した予測誤差を用いて、順推論部1010が推論した特性値を補正してもよい。例えば、図1のブロック図において、推論部A101内に「補正部」のブロックを追加し、当該補正部が、順推論部1010が推論した特性値から、誤差予測部1031が算出した予測誤差を減じる演算を行う構成としてもよい。この場合、補正部の補正後の特性値が推論部A101から出力される。
さらに、ユーザが制御法指示部1210に所望の制御法を入力することにより、使用する制御法を切り替えられる構成としてもよい。例えば、制御法指示部1210は、下記の3通りの制御法の何れかをユーザに選択させて、制御部10にその選択結果に応じた制御を実行させてもよい。
(i)特定値の推論は行うが、誤差予測は行わない
(ii)誤差予測を行い、誤差の程度が大きいと予測される場合には、特性値の推論結果を棄却する(詳細は実施形態1参照)
(iii)特性予測値から誤差の予測値を減じる補正を行う(詳細は前段落参照)
なお、本発明は、製品の特性を予測するための特性予測モデルに限られず、任意の予測モデルについて、どの程度の誤差が生じるかを予測するために利用することができる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理装置1の制御ブロック(特に制御部10、入力部121、および出力部122に含まれる各部)、判定装置21、予測装置22、および製造条件決定装置23の制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、上記各装置は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラム(情報処理プログラム)の命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 情報処理装置
101 推論部A
1020 説明変数寄与評価部
1021 予測誤差特定部
1023 誤差予測モデル生成部
1031 誤差予測部
1030 適合判定部
112 特性予測モデルテーブル
113 誤差予測モデルテーブル

Claims (9)

  1. 製品の製造条件と該製造条件で製造された当該製品の特性値との関係をモデル化した特性予測モデルを用いて算出した上記特性値と、上記製造条件で実際に製造された上記製品の特性値との差を、上記特性予測モデルの予測誤差として特定する予測誤差特定部と、
    上記製品の製造条件と上記予測誤差との関係をモデル化して、上記製品の製造条件から予測誤差を予測するための誤差予測モデルを生成する誤差予測モデル生成部と、を備えていることを特徴とする情報処理装置。
  2. 上記製造条件に含まれる複数の説明変数の中から、上記特性予測モデルによる予測への寄与が相対的に大きい説明変数を少なくとも1つ特定する説明変数寄与評価部を備え、
    上記誤差予測モデル生成部は、上記説明変数寄与評価部が特定した説明変数を除いた上記製造条件と、上記予測誤差との関係をモデル化して、上記誤差予測モデルを生成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 上記特性予測モデルは、金属、合金、および、金属を含む複合材、の何れかの製品について、当該製品の製造条件から、当該製品の製品特性を示す特性値を予測するモデルであることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
  4. 製品の製造条件と該製造条件で製造された当該製品の特性値との関係をモデル化した特性予測モデルを用いて算出した上記特性値と上記製造条件で実際に製造された上記製品の特性値との差である予測誤差と、上記製造条件との関係をモデル化した誤差予測モデルを用いて、上記特性予測モデルにある製造条件を入力する場合の予測誤差を算出する誤差予測部と、
    上記誤差予測部が算出した予測誤差の値に基づき、上記ある製造条件が上記特性予測モデルに対する入力データとして妥当であるか否かを判定する適合判定部と、を備えていることを特徴とする情報処理装置。
  5. 上記適合判定部が妥当と判定した製造条件を上記特性予測モデルに入力して上記特性値を推論する推論部を備えていることを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
  6. 情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
    製品の製造条件と該製造条件で製造された当該製品の特性値との関係をモデル化した特性予測モデルを用いて算出した上記特性値と、上記製造条件で実際に製造された上記製品の特性値との差を、上記特性予測モデルの予測誤差として特定する予測誤差特定ステップと、
    上記製品の製造条件と上記予測誤差との関係をモデル化して、上記製品の製造条件から予測誤差を予測するための誤差予測モデルを生成するモデル生成ステップと、を含むことを特徴とする情報処理方法。
  7. 情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
    製品の製造条件と該製造条件で製造された当該製品の特性値との関係をモデル化した特性予測モデルを用いて算出した上記特性値と上記製造条件で実際に製造された上記製品の特性値との差である予測誤差と、上記製造条件との関係をモデル化した誤差予測モデルを用いて、上記特性予測モデルにある製造条件を入力する場合の予測誤差を算出する誤差予測ステップと、
    上記誤差予測ステップで算出した予測誤差の値に基づき、上記ある製造条件が上記特性予測モデルに対する入力データとして妥当であるか否かを判定する判定ステップと、を含むことを特徴とする情報処理方法。
  8. 請求項1に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラムであって、上記予測誤差特定部および上記誤差予測モデル生成部としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラム。
  9. 請求項4に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラムであって、上記誤差予測部および上記適合判定部としてコンピュータを機能させるための情報処理プログラム。
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