JP6702297B2 - プロセスの異常状態診断方法および異常状態診断装置 - Google Patents

プロセスの異常状態診断方法および異常状態診断装置 Download PDF

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Description

本発明は、製造プロセス等のプロセスの異常状態診断方法および異常状態診断装置に関する。
製造プロセス、発電プロセス、搬送プロセス等のプロセスの異常状態を診断する方法としては、モデルベースアプローチとデータベースアプローチとがある。モデルベースアプローチは、プロセスにおける物理的または化学的な現象を数式で表現したモデルを構築し、構築したモデルを用いてプロセスの異常状態を診断するアプローチである。一方、データベースアプローチは、プロセスで得られた操業データから統計解析的なモデルを構築し、構築したモデルを用いてプロセスの異常状態を診断するアプローチである。
鉄鋼プロセスのような製造プロセスでは、1つの製造ラインで多品種、多サイズの製品が製造されるため、操業パターンが無数に存在する。また、高炉のような製造プロセスでは、鉄鉱石やコークス等のような自然物を原材料として用いるために、製造プロセスのばらつきが大きい。このため、鉄鋼プロセスのような製造プロセスの異常状態を診断する場合、モデルベースアプローチのみによるアプローチでは限界がある。
データベースアプローチとしては、過去の異常発生時の操業データをデータベース化して現在の操業データとの類似性を判定する診断方法や、逆に正常時の操業データをデータベース化して現在の操業データとの違いを判定する診断方法がある。ところが、鉄鋼プロセスのような製造プロセスでは、製造に用いられる設備点数が多い上に、特に日本のように老朽化が進んだ設備が多い場合、過去に前例のないトラブルが発生することが少なくない。このため、過去のトラブル事例をベースとする前者のような診断方法では、異常状態の予知に限界がある。
一方、後者の診断方法としては、特許文献1,2に記載されているものがある。具体的には、特許文献1,2には、正常時の操業データを用いて作成されたモデルによる予測に基づき製造プロセスの異常状態を予知または検知する方法が記載されている。
国際公開第2013/011745号 特許第4922265号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載の方法は、製造プロセスの異常状態を予知または検知するのに留まっており、製造プロセスにおいて発生した異常状態の原因を推定することができない。このため、製造プロセスにおいて発生した異常状態の原因を推定可能な技術の提供が期待されていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、製造プロセス等のプロセスにおいて発生した異常状態の原因を推定可能なプロセスの異常状態診断方法および異常状態診断装置を提供することにある。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るプロセスの異常状態診断方法は、正常操業時に得られたプロセスにおける複数種類の変数の実績値を用いて前記プロセスの状態を予測する複数のサブモデルの予測誤差から前記サブモデルごとに算出される前記プロセスの正常状態からの逸脱指標を用いて前記プロセスの異常状態を診断するプロセスの異常状態診断方法であって、前記逸脱指標に対して予め指定した条件を満たしたときに、前記サブモデルを、前記逸脱指標の高い順に所定の数だけ選択、または、予め設定した閾値以上のものを選択するサブモデル選択ステップと、前記サブモデル選択ステップで選択した前記サブモデルごとに、前記サブモデルを構成する説明変数を、影響係数の大きい順に所定の数だけ選択、または、予め設定した閾値以上のものを選択する説明変数選択ステップと、前記サブモデル選択ステップで選択した前記サブモデルおよび前記説明変数選択ステップで選択した前記説明変数に基づいて、前記プロセスの異常状態を診断するための関連情報を作成する関連情報作成ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係るプロセスの異常状態診断方法は、上記発明において、前記関連情報作成ステップは、前記サブモデル選択ステップで選択した前記サブモデルに対応する前記逸脱指標および/または前記逸脱指標に対応する目的変数と、前記説明変数選択ステップで選択した前記説明変数とに基づいて、前記関連情報を作成することを特徴とする。
また、本発明に係るプロセスの異常状態診断方法は、上記発明において、前記関連情報は、前記サブモデルに対応する変数の時系列チャート、および/または、前記サブモデルを構成する説明変数に関する散布図であることを特徴とする。
また、本発明に係るプロセスの異常状態診断方法は、上記発明において、前記時系列チャートは、前記サブモデルに対応する前記逸脱指標および/または前記逸脱指標に対応する目的変数および/または前記サブモデルを構成する説明変数の時系列チャートを含み、前記散布図は、前記サブモデルに対応する前記逸脱指標、前記逸脱指標に対応する目的変数および/または前記サブモデルを構成する説明変数に関する散布図と、前記逸脱指標に対応する目的変数および前記サブモデルを構成する説明変数に関する散布図と、の少なくとも一方を含むことを特徴とする。
また、本発明に係るプロセスの異常状態診断方法は、上記発明において、前記プロセスの状態には製造プロセスにおける製造中の製品の状態が含まれることを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るプロセスの異常状態診断装置は、正常操業時に得られたプロセスにおける複数種類の変数の実績値を用いて前記プロセスの状態を予測する複数のサブモデルの予測誤差から前記サブモデルごとに算出される前記プロセスの正常状態からの逸脱指標を用いて前記プロセスの異常状態を診断するプロセスの異常状態診断装置であって、前記サブモデルを、前記逸脱指標の高い順に所定の数だけ選択、または、予め設定した閾値以上のものを選択し、選択した前記サブモデルごとに、前記サブモデルを構成する説明変数を、影響係数の大きい順に所定の数だけ選択、または、予め設定した閾値以上のものを選択するサブモデル決定部と、前記サブモデル決定部で選択された前記サブモデルおよび前記説明変数に基づいて、前記プロセスの異常状態を診断するための関連情報を作成する関連情報作成部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るプロセスの異常状態診断装置は、上記発明において、前記関連情報作成部は、前記サブモデル決定部で選択された、前記サブモデルに対応する前記逸脱指標および/または前記逸脱指標に対応する目的変数と、前記説明変数とに基づいて、前記関連情報を作成することを特徴とする。
また、本発明に係るプロセスの異常状態診断装置は、上記発明において、前記関連情報は、前記サブモデルに対応する変数の時系列チャート、および/または、前記サブモデルを構成する説明変数に関する散布図であることを特徴とする。
また、本発明に係るプロセスの異常状態診断装置は、上記発明において、前記時系列チャートは、前記サブモデルに対応する前記逸脱指標および/または前記逸脱指標に対応する目的変数および/または前記サブモデルを構成する説明変数の時系列チャートを含み、前記散布図は、前記サブモデルに対応する前記逸脱指標、前記逸脱指標に対応する目的変数および/または前記サブモデルを構成する説明変数に関する散布図と、前記逸脱指標に対応する目的変数および前記サブモデルを構成する説明変数に関する散布図と、の少なくとも一方を含むことを特徴とする。
また、本発明に係るプロセスの異常状態診断装置は、上記発明において、前記プロセスの状態には製造プロセスにおける製造中の製品の状態が含まれることを特徴とする。
本発明によれば、製造プロセス等のプロセスにおいて異常が検知された際に、正常時と異常時とを比較できるように関連情報が自動で作成されるため、プロセスにおいて発生した異常状態の原因を速やかに特定し、対処することが可能となる。
図1は、本発明の実施形態に係るプロセスの異常状態診断装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施形態に係るプロセスの異常状態診断装置による異常状態診断方法の流れを示すフローチャートである。 図3は、本発明の実施形態に係るプロセスの異常状態診断装置によって算出された、サブモデルごとの逸脱指標を示すグラフである。 図4は、本発明の実施形態に係るプロセスの異常状態診断装置によって作成された時系列チャートである。 図5は、本発明の実施形態に係るプロセスの異常状態診断装置によって作成された散布図である。 図6は、本発明の実施形態に係るプロセスの異常状態診断装置によって作成された散布図である。 図7は、本発明の実施形態に係るプロセスの異常状態診断装置によって作成された、変数と逸脱指標との相関係数の絶対値を示した一覧表である。
以下、本発明の実施形態に係るプロセスの異常状態診断方法および異常状態診断装置について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。また、以下の説明において、「Aおよび/またはB」とは、「AおよびBの少なくとも一方」のことを意味している。
[異常状態診断装置]
異常状態診断装置1は、鉄鋼設備等の製造設備の製造プロセス、発電設備の発電プロセス、搬送設備の搬送プロセス等の、種々のプロセスの異常状態を診断する装置であり、図1に示すように、入力部10と、出力部20と、外部装置30と、記憶部40と、制御部50と、を主な構成要素として備えている。なお、以下の説明では、鉄鋼プロセスのような製造プロセスに異常状態診断装置1を適用した例について、説明する。
入力部10は、後記するサブモデルによる予測や原因推定を行う診断対象の実操業データを情報・制御系ネットワークを介して受信する装置である。入力部10は、受信した診断対象の実操業データを制御部50に入力する。
出力部20は、表示装置や印刷装置等の出力装置によって構成されており、制御部50の各種処理情報を出力する。
外部装置30は、電気通信回線を介して情報通信可能な形態で制御部50に接続されている。外部装置30は、操業データベース(以下、「操業DB」という)31を備えている。この操業DB31には、プロセスの過去の操業時に取得された複数種類の変数の時系列データのうち、正常操業時に取得された複数種類の変数の時系列データが電気通信回線を介して読み取り可能な形態で格納されている。
記憶部40は、ハードディスク装置等の記憶装置によって構成されており、制御部50に接続されている。記憶部40には、サブモデルデータベース(以下、「サブモデルDB」という)41が記憶されている。サブモデルDB41は、プロセスおよび/またはプロセスにおいて製造中の製品の状態を示す時系列の予測値を算出する数式をサブモデルとして格納している。
制御部50は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置によって構成されており、異常状態診断装置1全体の動作を制御する。制御部50は、演算処理装置がコンピュータプログラムを実行することによって、逸脱指標算出部51、異常検知部52、サブモデル決定部53および関連情報作成部54として機能する。これら各部の機能については後記する。
(サブモデル)
本実施形態において、サブモデルとは、例えば製造前の材料の状態、製造前の設備の設定、製造中の設備の状態、製造中および/または製造後の製品の状態等の間の関係を示した数式のことを意味する。例えば、製造前の材料の状態、製造前の設備の設定状態、製造中の設備の状態等から、製造中および/または製造後の製品の状態を予測する順モデルとしての数式の他に、製造前の材料の状態、製造中の設備の状態、製造中および/または製造後の製品の状態等から、製造前の設備の設定は妥当だったのかを逆推定する逆モデルとしての数式といったように、相互に推定し合う様々な数式モデルが存在する。複数種類のサブモデルを構築することにより、製造プロセス等のプロセス全体で1つのモデルを構築するよりも異常状態の早期検知および原因推定が容易になる。
製造プロセスでは、目標通りの品質や寸法で製品を作り込むため、様々なモデルが構築されており、製造プロセスの状態や製造中の製品の状態を予測することがなされているが、このような既存のモデルをサブモデルとして用いてもよい。また、サブモデルが不足している場合は、統計的な処理によって新たなサブモデルを追加することもできる。例えば製造プロセスの正常操業時に取得した自身以外の複数の変数を用いて回帰式を求め、サブモデルとして用いることができる。また、各サブモデルには、所定の評価期間におけるサブモデルの予測誤差に応じて信頼度(予測誤差が小さくなるのに応じて大きくなる値)が付与されている。なお、算出された信頼度が低い場合には、サブモデルの構成を見直すことが望ましい。
(逸脱指標)
本実施形態において、逸脱指標とは、例えばサブモデルから算出される予測値と、これに対応する製造プロセス等のプロセスの実績値の差分値または比率、もしくはこれらを基に算出される値のことを意味する。逸脱指標は、前記した信頼度を組み合わせて算出される値であるとより好ましい。この場合の組み合わせ方法は、例えば「信頼度考慮ありの逸脱指標」=「信頼度考慮なしの逸脱指標×信頼度」等が考えられる。なお、逸脱指標は、監視したいタイミングの値であるのに対して、信頼度は、監視したいタイミングよりも以前の期間で評価された値であり、両者のタイミングは異なる。
[異常状態診断方法]
以下、前記した異常状態診断装置1による異常状態診断方法について、図2〜図7を参照しながら説明する。異常状態診断方法は、正常操業時に得られたプロセスにおける複数種類の変数の実績値を用いてプロセスの状態を予測する複数のサブモデルの予測誤差からサブモデルごとに算出される、プロセスの正常状態からの逸脱指標を用いて、プロセスの異常状態を診断する。前記した「プロセスの状態」には、例えば製造プロセスにおける製造中の製品の状態が含まれる。
異常状態診断方法は、読み込みステップと、逸脱指標算出ステップと、異常検知ステップと、サブモデル選択ステップと、説明変数選択ステップと、関連情報作成ステップと、関連情報表示ステップと、を行う。なお、以下の説明では、鉄鋼プロセスのような製造プロセスに異常状態診断方法を適用した例について、説明する。
読み込みステップでは、逸脱指標算出部51が、操業DB31から処理対象時刻において製造プロセスから取得された複数種類の変数のデータを読み込む(ステップS1参照)。
続いて、逸脱指標算出ステップでは、逸脱指標算出部51が、読み込みステップで読み込んだ複数種類の変数のデータを用いて、処理対象時刻における製造プロセスの製造状態が正常操業時における製造プロセスの製造状態とどの程度異なるかを示す値を、逸脱指標としてサブモデルごとに算出する(ステップS2参照)。
逸脱指標算出部51は、具体的には、まずサブモデルDB41からサブモデルのデータを読み出し、変数の実績値のデータを対応するサブモデルに代入することにより、変数ごとに処理対象時刻における予測値を算出する。次に、逸脱指標算出部51は、変数間の絶対量や単位の違いを規格化するために複数種類の変数の実績値および予測値のデータを正規化する。次に、逸脱指標算出部51は、処理対象時刻における変数の正規化された予測値と正規化された実績値との差分値を、逸脱指標としてサブモデルごとに算出する。
ここで、図3は、トラブル発生時におけるサブモデルごとの逸脱指標の大きさを示している。同図における(a)〜(c)は、それぞれ異なるトラブル事例を示しており、各グラフの縦軸は逸脱指標の値を、横軸はサブモデルの番号を示している。
図3の(a)〜(c)に示すように、高い値を示す逸脱指標の組み合わせはトラブルの形態に応じて異なる。例えば図3(a)のトラブルの場合、No.15,No.24,No.38,No.91,No.172,No.192,No.194のサブモデルで高い逸脱指標を示している。また、図3(b)のトラブルの場合はNo.4,No.20,No.28,No.34,No.38のサブモデルで、図3(c)のトラブルの場合はNo.11,No.38,No.194のサブモデルでそれぞれ高い逸脱指標を示している。
続いて、異常検知ステップでは、異常検知部52が、逸脱指標算出ステップで算出された逸脱指標に基づいて、製造プロセスの異常状態を検知する(ステップS3参照)。異常検知部52は、例えば逸脱指標算出ステップで算出された逸脱指標が、予め定めた閾値を超えた場合に、製造プロセスが異常状態にあることを検知する。
なお、異常検知部52は、例えば逸脱指標についてサブモデルの信頼度を考慮する場合は、サブモデルの信頼度の大きさに応じてそれぞれの逸脱指標に重みを付け、さらに重み付与後の逸脱指標を合計し、その合計値が予め定めた閾値を超えた場合に、製造プロセスが異常状態にあることを検知してもよい。
続いて、サブモデル選択ステップでは、サブモデル決定部53が、逸脱指標に対して予め指定した条件を満たしたときに、サブモデルを選択する(ステップS4参照)。サブモデル決定部53は、例えば逸脱指標算出ステップで算出された逸脱指標の高い順に、所定の数(例えば5つ)だけサブモデルを選択する。あるいは、サブモデル決定部53は、例えば逸脱指標算出ステップで算出された逸脱指標が予め設定した閾値以上のサブモデルを選択する。
なお、サブモデル決定部53は、例えば逸脱指標についてサブモデルの信頼度を考慮する場合は、サブモデルの信頼度の大きさに応じてそれぞれの逸脱指標に重みを付け、さらに重み付与後の逸脱指標を合計し、その合計値が予め定めた閾値を超えたサブモデルを、逸脱指標の高い順に所定の数(例えば5つ)だけ選択してもよい。
続いて、説明変数選択ステップでは、サブモデル決定部53が、サブモデル選択ステップで選択されたサブモデルごとに、当該サブモデルを構成する説明変数を選択する(ステップS5参照)。サブモデル決定部53は、例えば影響係数の大きい順に、所定の数(例えば5つ)だけ説明変数を選択する。あるいは、サブモデル決定部53は、例えば影響係数が予め設定した閾値以上の説明変数を選択する。なお、ここでの説明変数とは、例えば製造プロセスおよび/または製造プロセスにおいて製品を製造する際の製造条件のことを示している。
続いて、関連情報作成ステップでは、関連情報作成部54が、サブモデル選択ステップで選択されたサブモデルおよび説明変数選択ステップで選択された説明変数に基づいて、製造プロセスの異常状態を診断するための関連情報を作成する(ステップS6参照)。関連情報作成部54は、サブモデル選択ステップで選択されたサブモデルに対応する逸脱指標および/または逸脱指標に対応する目的変数と、説明変数選択ステップで選択された説明変数とに基づいて、関連情報を作成する。
関連情報作成部54は、前記した関連情報として、例えば製造プロセスの正常状態および異常状態を示す時系列チャートを作成する。ここで、図4は、前記したサブモデル選択ステップで選択されたサブモデルに対応する変数(サブモデルの予測対象の変数)の時系列チャートであり、縦軸はサブモデルに対応する変数(および/またはサブモデルに対応する異常スコア)を、横軸は時刻を示している。
また、図4において、(a)は製造プロセスにおける異常発生チャージのデータ、(b)は異常発生チャージの1つ前のチャージのデータ、(c)は異常発生チャージの2つ前のチャージのデータ、(d)は異常発生チャージの3つ前のチャージのデータ、(e)は異常発生チャージの4つ前のチャージのデータである。このように、関連情報作成部54は、異常が発生した時点の他に、そこから遡った時点の時系列チャートを作成してもよい。
また、関連情報作成部54は、製造プロセスの異常時におけるサブモデルに対応する変数の時系列チャート(図4(a))やその所定チャージ前におけるサブモデルに対応する変数の時系列チャート(図4(b)〜図4(e))に加えて、例えばサブモデル構築時等の、製造プロセスの正常時におけるサブモデルに対応する変数の時系列チャートを作成してもよい。これにより、製造プロセスにおける異常時(および異常時付近)のデータ傾向と、正常時のデータ傾向とを比較することが可能となる。
関連情報作成部54は、前記した関連情報として、図4に示した時系列チャートに代えて、あるいは当該時系列チャートとともに、製造プロセスの正常状態および異常状態を示す散布図を作成する。ここで、図5は、前記したサブモデル選択ステップで選択されたサブモデルの説明変数(前記した説明変数選択ステップで選択された説明変数)に関する散布図であり、縦軸はサブモデルに対応する変数(生値)を、横軸はサブモデルの説明変数を示している。
なお、図5(a)〜(e)の散布図の横軸は、それぞれ異なる説明変数である。本実施形態では、前記したサブモデル選択ステップにおいて、図3(b)のNo.20のサブモデルが選択され、かつ前記した説明変数選択ステップにおいて、説明変数18,19,173,116,39が選択されたことを想定している。従って、図5(a)の横軸を説明変数18、図5(b)の横軸を説明変数19、図5(c)の横軸を説明変数173、図5(d)の横軸を説明変数116、図5(e)の横軸を説明変数39としている(後記図6においても同様)。また、この場合の図5(a)〜(e)の散布図の縦軸は、No.20のサブモデルに対応する変数(生値)である。
また、図5(a)〜(e)の散布図において、Dは製造プロセスの正常時における変数の関係を示すデータ、DN0は製造プロセスの異常発生チャージにおける変数の関係を示すデータ、DN1は異常発生チャージの1つ前のチャージにおける変数の関係を示すデータ、DN2は異常発生チャージの2つ前のチャージにおける変数の関係を示すデータ、DN3は異常発生チャージの3つ前のチャージにおける変数の関係を示すデータ、DN4は異常発生チャージの4つ前のチャージにおける変数の関係を示すデータである(後記図6においても同様)。
図5に示すように、データDN0,DN1,DN2,DN3,DN4が示す変数の関係は、製造プロセスの正常時におけるデータDが示す変数の関係から外れている。従って、同図のような散布図を参照することにより、製造プロセスにおいて、例えば説明変数18,19,173,116,39に対応する製造条件が異常状態の原因であると推定することができる。
なお、関連情報作成部54は、例えば図6(a)〜(f)に示すような散布図を作成してもよい。同図の縦軸は、サブモデルに対応する変数の逸脱指標、横軸は、逸脱指標に対応する変数やサブモデルの説明変数を示している。
ここで、異常の要因が自身にある場合は、自身の変数(目的変数)と逸脱指標との相関係数が高くなる。一方、異常の要因が説明変数側にある場合は、その説明変数と逸脱指標との相関係数が高くなる。同図の事例では、図6(a)に示すように、自身の変数との相関係数が絶対値で最も高いため、異常状態の原因が自身にあることが分かる。また、関連情報作成部54は、図6(a)〜(f)に示した散布図に代えて、図7に示すように、変数と逸脱指標との相関係数の絶対値を示した一覧表を作成してもよい。このような散布図または一覧表を参照することにより、例えばサブモデルの逸脱指標を押し上げている説明変数を特定することができるため、製造プロセスで発生した異常状態の原因を推定することができる。
最後に、関連情報表示ステップでは、制御部50が、関連情報作成ステップで作成された関連情報(時系列チャートおよび/または散布図)を、出力部20を介して、例えば図示しない表示装置等に表示する(ステップS7参照)。これにより、操業オペレータや設備保全員に対して、異常状態を検知した旨および異常状態の原因を示すことができる。
以上のような処理を行う本実施形態に係る異常状態診断方法によれば、製造プロセス等のプロセスにおいて異常が検知された際に、正常時と異常時とを比較できるように関連情報が自動で作成されるため、プロセスにおいて発生した異常状態の原因を速やかに特定し、対処することが可能となる。
以上、本発明に係るプロセスの異常状態診断方法および異常状態診断装置について、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
例えば、前記した実施形態において、関連情報作成部54は、図4に示した時系列チャートに代えて、あるいは当該時系列チャートとともに、サブモデルに対応する逸脱指標および/または逸脱指標に対応する目的変数および/またはサブモデルを構成する説明変数の時系列チャートを作成してもよい。
また、前記した実施形態において、関連情報作成部54は、図5および図6に示した散布図に代えて、あるいは当該散布図とともに、サブモデルに対応する逸脱指標、逸脱指標に対応する目的変数および/またはサブモデルを構成する説明変数に関する散布図や、逸脱指標に対応する目的変数およびサブモデルを構成する説明変数に関する散布図等を作成してもよい。
また、前記した実施形態では、鉄鋼プロセスのような製造プロセスに異常状態診断装置1および異常状態診断方法を適用した例を説明したが、発電プロセスや搬送プロセス等に異常状態診断装置1および異常状態診断方法を適用することも可能である。
1 異常状態診断装置
10 入力部
20 出力部
30 外部装置
31 操業データベース(操業DB)
40 記憶部
41 サブモデルデータベース(サブモデルDB)
50 制御部
51 逸脱指標算出部
52 異常検知部
53 サブモデル決定部
54 関連情報作成部

Claims (10)

  1. コンピュータによって構築された異常状態診断装置において、正常操業時に得られたプロセスにおける複数種類の変数の実績値を用いて前記プロセスの状態を予測する複数のサブモデルの予測誤差から前記サブモデルごとに算出される前記プロセスの正常状態からの逸脱指標を用いて前記プロセスの異常状態を診断するプロセスの異常状態診断方法であって、
    前記コンピュータが備えるサブモデル決定部が、前記逸脱指標に対して予め指定した条件を満たしたときに、前記サブモデルを、前記逸脱指標の高い順に所定の数だけ選択、または、予め設定した閾値以上のものを選択するサブモデル選択ステップと、
    前記サブモデル決定部が、前記サブモデル選択ステップで選択した前記サブモデルごとに、前記サブモデルを構成する説明変数を、影響係数の大きい順に所定の数だけ選択、または、予め設定した閾値以上のものを選択する説明変数選択ステップと、
    前記コンピュータが備える関連情報作成部が、前記サブモデル選択ステップで選択した前記サブモデルおよび前記説明変数選択ステップで選択した前記説明変数に基づいて、前記プロセスの異常状態および正常状態を示す関連情報を作成する関連情報作成ステップと、
    前記異常状態診断装置が備える制御部が、前記関連情報を表示する関連情報表示ステップと、
    を含むことを特徴とするプロセスの異常状態診断方法。
  2. 前記関連情報作成ステップは、前記関連情報作成部が、前記サブモデル選択ステップで選択した前記サブモデルに対応する前記逸脱指標および/または前記逸脱指標に対応する目的変数と、前記説明変数選択ステップで選択した前記説明変数とに基づいて、前記関連情報を作成することを特徴とする請求項1に記載のプロセスの異常状態診断方法。
  3. 前記関連情報は、前記サブモデルに対応する変数の時系列チャート、および/または、前記サブモデルを構成する説明変数に関する散布図であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプロセスの異常状態診断方法。
  4. 前記時系列チャートは、前記サブモデルに対応する前記逸脱指標および/または前記逸脱指標に対応する目的変数および/または前記サブモデルを構成する説明変数の時系列チャートを含み、
    前記散布図は、
    前記サブモデルに対応する前記逸脱指標、前記逸脱指標に対応する目的変数および/または前記サブモデルを構成する説明変数に関する散布図と、
    前記逸脱指標に対応する目的変数および前記サブモデルを構成する説明変数に関する散布図と、
    の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項3に記載のプロセスの異常状態診断方法。
  5. 前記プロセスの状態には製造プロセスにおける製造中の製品の状態が含まれることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のプロセスの異常状態診断方法。
  6. 正常操業時に得られたプロセスにおける複数種類の変数の実績値を用いて前記プロセスの状態を予測する複数のサブモデルの予測誤差から前記サブモデルごとに算出される前記プロセスの正常状態からの逸脱指標を用いて前記プロセスの異常状態を診断するプロセスの異常状態診断装置であって、
    前記サブモデルを、前記逸脱指標の高い順に所定の数だけ選択、または、予め設定した閾値以上のものを選択し、選択した前記サブモデルごとに、前記サブモデルを構成する説明変数を、影響係数の大きい順に所定の数だけ選択、または、予め設定した閾値以上のものを選択するサブモデル決定部と、
    前記サブモデル決定部で選択された前記サブモデルおよび前記説明変数に基づいて、前記プロセスの異常状態および正常状態を示す関連情報を作成する関連情報作成部と、
    前記関連情報を表示する制御部と、
    を備えることを特徴とするプロセスの異常状態診断装置。
  7. 前記関連情報作成部は、前記サブモデル決定部で選択された、前記サブモデルに対応する前記逸脱指標および/または前記逸脱指標に対応する目的変数と、前記説明変数とに基づいて、前記関連情報を作成することを特徴とする請求項6に記載のプロセスの異常状態診断装置。
  8. 前記関連情報は、前記サブモデルに対応する変数の時系列チャート、および/または、前記サブモデルを構成する説明変数に関する散布図であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のプロセスの異常状態診断装置。
  9. 前記時系列チャートは、前記サブモデルに対応する前記逸脱指標および/または前記逸脱指標に対応する目的変数および/または前記サブモデルを構成する説明変数の時系列チャートを含み、
    前記散布図は、
    前記サブモデルに対応する前記逸脱指標、前記逸脱指標に対応する目的変数および/または前記サブモデルを構成する説明変数に関する散布図と、
    前記逸脱指標に対応する目的変数および前記サブモデルを構成する説明変数に関する散布図と、
    の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項8に記載のプロセスの異常状態診断装置。
  10. 前記プロセスの状態には製造プロセスにおける製造中の製品の状態が含まれることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一項に記載のプロセスの異常状態診断装置。
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