JP7452443B2 - 圧延モデルの学習方法 - Google Patents
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Description
前記学習方法は、
前記現象の説明変数を用いて層別化された学習テーブルと、前記説明変数のデータと、に基づいて、前記学習テーブルから圧延モデルの学習係数を抽出するステップと、
前記学習係数により特定された圧延モデルを用いて前記現象の目的変数の予測値を計算するステップと、
前記目的変数の予測値と、当該予測値に対応する前記目的変数の実績値との誤差に基づいて、前記学習係数を更新するステップと、
を備える。
前記学習方法は、更に、
前記目的変数と相関を有する複数の変数を含む相関変数の過去のデータセットを規格化するステップと、
前記規格化された過去のデータセットの主成分分解によって、当該過去のデータセットの複数の主成分を計算するステップと、
前記複数の主成分のうちの第一主成分を前記説明変数に追加し、当該第一主成分の重み係数を用いて前記学習テーブルを拡張するステップと、
前記過去のデータセットの規格化に用いた規格化係数を用いて、前記予測値の計算時における前記相関変数のデータセットを示す予測時データセットを規格化するステップと、
前記予測時データセットと、前記重み係数とを用いて、前記予測時データセットの主成分を計算するステップと、
前記予測時データセットの主成分のデータと、前記予測値の計算時に使用された前記説明変数のデータと、に基づいて、前記予測値の計算時に使用された学習係数を示す予測時学習係数を、前記拡張された学習テーブルから抽出するステップと、
前記予測時学習係数により特定された圧延モデルを用いて前記予測値を計算するステップと、
前記予測時学習係数より特定された圧延モデルにより計算された前記予測値と、当該予測値に対応する前記目的変数の実績値との誤差に基づいて、前記拡張された学習テーブルを更新するための学習係数を示す更新用学習係数を計算するステップと、
前記更新用学習係数を用いて、前記拡張された学習テーブルに格納されている前記予測時学習係数を更新するステップと、
を備える。
まず、本実施形態に係る学習方法の前提について説明する。
図1は、本実施形態に係る学習方法を実現するための装置構成例を示す図である。本実施形態に係る学習方法は、圧延ラインのプロセス制御計算機1において行われる。プロセス制御計算機1は、所望の寸法、温度、機械特性などを有する圧延材を製造するように、圧延機のロールギャップ、圧延速度、冷却水の水量といった制御対象の制御量の設定値を計算する。
プロセス制御計算機1(処理装置)は、上位計算機から圧延命令情報2を受け取る。圧延命令情報2としては、スラブの厚さ、幅、鋼種といったスラブ情報や、コイルの目標厚、目標幅、目標温度といったコイル目標情報が例示される。プロセス制御計算機1は、また、過去圧延データベース15から、目的変数と相関を有する変数(以下、「相関変数」とも称す。)の過去のデータセットを受け取る。この相関変数は、目的変数と相関を有する少なくとも2種類の変数を含んでいるものとする。
図2及び3を参照して、学習テーブル14の一例を説明する。なお、図2は、学習テーブル拡張機能12による拡張前の学習テーブル14の一例を示している。また、図3は、学習テーブル拡張機能12による拡張後の学習テーブル14の一例を示している。
次に、本実施形態に係る学習方法について、図1で説明したプロセス制御計算機1の各機能に着目しながら説明する。なお、以下の説明については、図1に加えて図4が参照される。
重み係数同定機能11は、下記ステップS1~S5による主成分分解により、第一主成分の重み係数を計算する。
ステップS1:
目的変数と相関を有するk個の変数p1~pk(つまり、相関変数)を選ぶ。
ステップS2:
過去圧延データベース15から、ステップS1で選択したk個の相関変数のデータセット(つまり、過去の圧延におけるk個の相関変数のデータセット)のベクトルPi(i=1~k)を受け取る。ベクトルPiは下記式(1)により表現される。
式(1)において、pijはデータセットのj(≦np)番目における相関変数piを表し、npはデータセットにおける1相関変数あたりのデータ数を表す。
ステップS3:
ベクトルPiを適当なルールにより規格化し、規格化後の相関変数ベクトルPistd(i=1~k)を計算する。相関変数ベクトルPistdは下記式(2)により表現される。
ステップS4:
規格化は、例えば、予め各相関変数の取りうる範囲が分かっている場合は、その最小値pimin、最大値pimaxを用いて下記式(3)により規格化する。
各相関変数の取りうる範囲が不明な場合は、例えば、データセット中の相関変数piの平均値Piave及び標準偏差pidevを用いて下記式(4)により規格化する。
ステップS5:
規格化後の相関変数ベクトルPistdを主成分分解する。これにより、k個の主成分pPCA1~pPCAkと、重み係数a11~a1k、・・・、ak1~akkが得られる。
学習テーブル拡張機能12は、第一主成分pPCA1と、重み係数a11~a1kとを重み係数同定機能11から受け取る。学習テーブル拡張機能12は、第一主成分pPCA1を「新たな説明変数」として追加し、第一主成分pPCA1に基づいて学習テーブル14を拡張する。学習テーブル14の拡張に際しては、第一主成分pPCA1が適当な範囲に区切られる。学習テーブル拡張機能12は、また、重み係数a11~a1kのデータセットを、拡張後の学習テーブル14に格納する。
主成分計算機能13は、下記ステップS1~S4により、主成分の計算と、目的変数の予測時に新たな説明変数(つまり、第一主成分pPCA1)が属していた学習テーブル層とを計算する。
ステップS1:
設定計算機能16から目的変数の予測時における相関変数piのデータセット(つまり、予測時データセット)を受け取る。
ステップS2:
受け取った相関変数piのデータセットを、重み係数同定機能11から受け取った規格化係数により規格化する。
ステップS3:
規格化後の相関変数pistd(i=1~k)のデータセットと、重み係数同定機能11から受け取った重み係数a11~a1kのデータセットとを用いて、目的変数の予測時における主成分pPCA1を計算する。
ステップS4:
主成分pPCA1のデータに基づいて、拡張後の学習テーブル14の何れの層にこのデータが属しているのかを特定する。
設定計算機能16は、制御対象3やセンサ4から送られるフィードバック情報を受け取る。このフィードバック情報には、圧延モデルを用いて計算された目的変数の予測値に対応する実績値が含まれる。そこで、設定計算機能16は、目的変数の予測値と実績値の誤差(誤差率)を計算する。設定計算機能16は、また、下記式(7)により更新用学習係数Znewを計算する。
上記式(7)において、Zoldは目的変数の予測値の計算時に使用された学習係数(以下、「予測時学習係数」とも称す。)であり、Zcurは誤差であり、αは学習ゲインである。
ところで、主成分分解により得られる重み係数a11~a1k、・・・、ak1~akkは、相関変数のデータセットのベクトルPiに依存する。そのため、圧延設備の諸元に変更があった場合、又は、補修、部品交換などで圧延機の特性が変わった場合などは適当なタイミングでベクトルPiを更新する必要がある。そこで、本実施の形態では、ベクトルPiの更新が定期的に行われる。
本実施形態に係る学習方法による効果について、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施形態に係る学習方法を熱間圧延プラントのデータに適用した検証結果の一例を示す図である。検証の対象は、仕上圧延機(FM)の第1~7スタンドの荷重学習係数とした。
11 重み係数同定機能
12 学習テーブル拡張機能
13 主成分計算機能
14,141,142,14l 学習テーブル
15 過去圧延データベース
16 設定計算機能
2 圧延命令情報
3 制御対象
4 センサ
Claims (4)
- 圧延プロセスにおける現象を予測するための圧延モデルの学習方法であって、
前記現象の説明変数を用いて層別化された学習テーブルと、前記説明変数のデータと、に基づいて、前記学習テーブルから圧延モデルの学習係数を抽出するステップと、
前記学習係数により特定された圧延モデルを用いて前記現象の目的変数の予測値を計算するステップと、
前記目的変数の予測値と、当該予測値に対応する前記目的変数の実績値との誤差に基づいて、前記学習係数を更新するステップと、
を備え、
前記学習方法は、更に、
前記目的変数と相関を有する複数の変数を含む相関変数の過去のデータセットを規格化するステップと、
前記規格化された過去のデータセットの主成分分解によって、当該過去のデータセットの複数の主成分を計算するステップと、
前記複数の主成分のうちの第一主成分を前記説明変数に追加し、当該第一主成分の重み係数を用いて前記学習テーブルを拡張するステップと、
前記過去のデータセットの規格化に用いた規格化係数を用いて、前記予測値の計算時における前記相関変数のデータセットを示す予測時データセットを規格化するステップと、
前記予測時データセットと、前記重み係数とを用いて、前記予測時データセットの主成分を計算するステップと、
前記予測時データセットの主成分のデータと、前記予測値の計算時に使用された前記説明変数のデータと、に基づいて、前記予測値の計算時に使用された学習係数を示す予測時学習係数を、前記拡張された学習テーブルから抽出するステップと、
前記予測時学習係数により特定された圧延モデルを用いて前記予測値を計算するステップと、
前記予測時学習係数より特定された圧延モデルにより計算された前記予測値と、当該予測値に対応する前記目的変数の実績値との誤差に基づいて、前記拡張された学習テーブルを更新するための学習係数を示す更新用学習係数を計算するステップと、
前記更新用学習係数を用いて、前記拡張された学習テーブルに格納されている前記予測時学習係数を更新するステップと、
を備えることを特徴とする圧延モデルの学習方法。 - 前記学習方法は、更に、
前記相関変数の過去のデータセットの更新を定期的に行うステップを備え、
前記過去のデータセットの更新ステップは、
前記相関変数の過去のデータセットから、当該過去のデータセットのデータ数未満の任意のデータを時系列の古いデータから順に削除するステップと、
前記時系列の古いデータが削除されたデータセットに、前記時系列の古いデータの削除データ数と等しい数の新しいデータを、時系列の新しいデータから順に追加するステップと、
を備え、
前記過去のデータセットの更新ステップが更新期間中に繰り返し行われ、
前記更新期間中において、前記削除データ数が段階的に増やされる
ことを特徴とする請求項1に記載の圧延モデルの学習方法。 - 前記学習方法は、更に、
前記相関変数の過去のデータセットに規格化処理に適さない不適データが含まれるか否かを判定するステップと、
前記不適データが含まれると判定された場合、前記相関変数の過去のデータセットを時系列に並べて、前記不適データの直前に得られたデータを用いてこれを置換するステップと、
を備え、
前記不適データが含まれると判定された場合、前記予測時学習係数の置換ステップを実行しない
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧延モデルの学習方法。 - 前記学習方法は、更に、
前記相関変数の過去のデータセットに規格化処理に適さない不適データが含まれるか否かを判定するステップと、
前記不適データが含まれると判定された場合、前記不適データを除いた前記相関変数の過去のデータセットの平均値を用いてこれを置換するステップと、
を備え、
前記不適データが含まれると判定された場合、前記予測時学習係数の置換ステップを実行しない
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧延モデルの学習方法。
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