JP2017200978A - 粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】被着体表面の汚染が抑制された金属板の表面を一時保護する粘着テープの提供。【解決手段】ポリ塩化ビニル系基材11と、基材の少なくとも一面にゴム系粘着剤層12を備え、基材及び粘着剤層は、可塑剤として式(1)で表すベンゼンジカルボン酸エステルを含有し、粘着剤層は、アルキルフェノール類からなる凝集改質剤を含有する粘着テープ10。[2つの置換基(−CO2R1、−CO2R2)がo位の場合、R1及びR2は炭素数が9以上かつ少なくとも1つの第三級炭素を含む分岐アルキル基、2つの置換基がm位又はp位の場合、炭素数が8以上かつ少なくとも1つの第三級炭素を含む分岐アルキル基]【選択図】図1

Description

本発明は、粘着テープに関する。
金属板の表面を一時的に保護するために、粘着テープが利用されている(例えば、特許文献1)。この種の粘着テープは、金属板の加工時や保管時等に、金属板が傷付かないように金属板の表面を覆うように貼り付けられる。そして、粘着テープは、最終的に金属板から剥離される。
このような粘着テープでは、柔軟性に優れる等の理由により、粘着剤層を支持する基材として、可塑剤が添加されたポリ塩化ビニル(PVC)フィルムが利用されている。可塑剤としては、例えば、フタル酸ビス(n−オクチル)(以下、DOP)等が用いられている。DOPは、室温を含む広い温度範囲で液状であるため取扱い易く、しかもPVCとの相溶性が高いため、この種の可塑剤として多用されていた。
特開2015−20405号公報
ところで、欧州における化学物質の使用を管理する規則(Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals、以下、REACH規則)により、環境負荷を低減する目的で、DOPの使用が制限される予定である。そのため、DOPに代る他の可塑剤の利用が検討されている。DOPの代替物質としては、例えば、テレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(以下、DOTP)が挙げられる。
しかしながら、可塑剤としてDOTPを使用すると、被着体から粘着テープを剥離した際に、被着体の表面に汚れが付着してしまうことがあった。この汚れは、被着体に粘着テープを貼り付けた際に、粘着テープ側か被着体側へ何らかの物質が移動するために起こると考えられる。なお、この汚れは、可塑剤としてDOPを使用した場合には見られず、DOPの代替物質(例えば、DOTP)を使用した場合に見られる。
本発明の目的は、被着体表面の汚染が抑制された粘着テープを提供することである。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、ポリ塩化ビニル系基材と、 前記ポリ塩化ビニル系基材の少なくとも一面に形成されるゴム系粘着剤層とを備え、前記ポリ塩化ビニル系基材及び前記ゴム系粘着剤層は、可塑剤として下記一般式(1)で表されるベンゼンジカルボン酸エステルを含有し、前記ゴム系粘着剤層は、アルキルフェノール類からなる凝集改質剤を含有する粘着テープが、被着体表面の汚染を抑制できることを見出し、本願発明の完成に至った。
Figure 2017200978
(式中、ベンゼン核の2つの置換基(−CO、−CO)がオルト位の場合、R及びRは炭素数が9以上でありかつ少なくとも1つの第三級炭素原子を含む分岐アルキル基からなり、ベンゼン核の2つの置換基(−CO、−CO)がメタ位又はパラ位の場合、炭素数が8以上でありかつ少なくとも1つの第三級炭素原子を含む分岐アルキル基からなる。なお、2つの置換基(−CO、−CO)は、同一又は互いに異なってもよい。)
前記粘着テープにおいて、前記アルキルフェノール類の酸価が、11〜150であることが好ましい。
前記粘着テープにおいて、前記ベンゼンジカルボン酸エステルは、粘着テープ中に、10質量以上50質量%以下含まれていることが好ましい。
前記粘着テープにおいて、粘着テープ中に含まれる前記ベンゼンジカルボン酸エステルに対するアルキルフェノール類の割合(質量比)が、0.0005以上0.1以下であることが好ましい。
前記粘着テープにおいて、前記ゴム系粘着剤層の厚みtbに対する前記ポリ塩化系ビニル基材の厚みtaの割合(ta/tb)が5以上15以下であることが好ましい。
前記粘着テープにおいて、前記ポリ塩化系ビニル基材の厚みtaが、90μm以上110μm以下であることが好ましい。
前記粘着テープにおいて、前記ポリ塩化系ビニル基材のJIS−K−7127に従って測定される最大伸びが100%以上であることが好ましい。
前記粘着テープにおいて、前記アルキルフェノール類が有するアルキル部位は、イソプレン、イソプレン水素添加物、イソプレン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種からなるものであてもよい。
前記粘着テープにおいて、前記イソプレン誘導体が、テルペン、ロジン酸、テルペン誘導体、ロジン酸誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種からなるものであってもよい。
前記粘着テープにおいて、金属板加工用であってもよい。
本発明によれば、被着体表面の汚染が抑制された粘着テープを提供することができる。
粘着テープの一例を模式的に表した説明図 粘着テープの他の一例を模式的に表した説明図
〔粘着テープ〕
本実施形態に係る粘着テープは、ポリ塩化ビニル系基材と、ポリ塩化系ビニル基材の少なくとも一面に形成されゴム系粘着剤層とを備える。
図1は、粘着テープ10の一例を模式的に表した説明図である。図1に示されるように、粘着テープ10は、ポリ塩化ビニル系基材11と、ゴム系粘着剤層12とを備えている。
なお、一般的に「粘着テープ」は、「粘着シート」、「粘着フィルム」等と異なった名称で呼ばれることもあるが、本明細書では、表現を「粘着テープ」に統一する。また、粘着テープにおけるゴム系粘着剤層の表面を、「粘着面」と称する場合がある。
(ポリ塩化ビニル系基材)
ポリ塩化ビニル系基材(以下、「PVC系基材」と称する場合がある。)は、ポリ塩化ビニルを主成分として含む基材であり、可塑剤としてベンゼンジカルボン酸エステルを含有する。なお、PVC系基材は、単層構造であってもよいし、積層(多層)構造であってもよい。
PVC系基材中のポリ塩化ビニルの含有割合は、特に限定されないが、例えば、PVC系基材全質量(100質量%)に対して、60質量%以上が好ましく、65質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましい。なお、ポリ塩化ビニルの含有割合の上限としては、特に限定されないが、例えば、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下が更に好ましい。PVC系基材中のポリ塩化ビニルの含有割合が、このような範囲であると、PVC系基材の剛性が確保され、PVC系基材の応力緩和性に優れる。また、PVC系基材中のポリ塩化ビニルの含有割合が、このような範囲であると、PVC系基材に対して、可塑剤等を添加することができ、基材の柔らかさや耐溶剤性等の性質を調整することができる。
上記ポリ塩化ビニルとしては、軟質ポリ塩化ビニル(例えば、重合度が1500以下であるポリ塩化ビニル)が好ましい。上記ポリ塩化ビニルの重合度(平均重合度)は、特に限定されないが、例えば、500〜1300が好ましく、より好ましくは900〜1300である。重合度が上記範囲であることにより、PVC系基材の柔軟性が確保される。なお、ポリ塩化ビニルの重合度は、例えば、重合時の塩化ビニル含有量等により調節することができる。
本明細書において、重合度とは、JIS K 6721(1977)に準拠して測定されるものをいう。具体的には、例えば、下記の平均重合度の測定方法により測定できる。
[平均重合度の測定方法]
測定するポリ塩化ビニルを試料とし、予めデシケーター中で、常温で乾燥した試料200±1mgを量りとり、メスフラスコに移し、これに約40mlのニトロベンゼンを加えて約100℃に加熱する。試料が外見上完全に溶解したときに冷却し、更にニトロベンゼンを加えて30±0.05℃で全量を50mlとし、これを試験液とする。該試験液を用いてウッベローデ形粘度計により相対粘度(ηre1)及び比粘度(ηsp)を測定する。そして、下記式(1)により極限粘度([η])を求め、下記式(2)によって平均重合度(P)を算出する。
[η]=(√2/C)×√(ηsp−logeηre1) ・・・・・ (1)
P=500×{antilog10([η]/0.168)−1} ・・・・・ (2)
C:試験液の濃度(g/l)
PVC系基材は、本発明の目的を損なわない範囲で、ポリ塩化ビニル以外の他の樹脂を含んでいてもよい。上記ポリ塩化ビニル以外の他の樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド等が挙げられる。上記他の樹脂は、1種であってもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。上記ポリ塩化ビニル以外の他の樹脂の含有割合としては、特に限定されないが、例えば、PVC系基材全質量(100質量%)に対して、1.0〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜5.0質量%である。
(可塑剤)
PVC系基材は、可塑剤として、下記一般式(1)で示されるベンゼンジカルボン酸エステルを含有する。
Figure 2017200978
(式中、ベンゼン核の2つの置換基(−CO、−CO)がオルト位の場合、R及びRは炭素数が9以上でありかつ少なくとも1つの第三級炭素原子を含む分岐アルキル基からなり、ベンゼン核の2つの置換基(−CO、−CO)がメタ位又はパラ位の場合、炭素数が8以上でありかつ少なくとも1つの第三級炭素原子を含む分岐アルキル基からなる。また、2つの置換基(−CO、−CO)は、同一又は互いに異なってもよい。)
PVC系基材は、このような可塑剤を含有することにより、適度な柔軟性(可塑性)、延伸性等が得られる。
このようなベンゼンジカルボン酸エステルは、揮発性し難く、環境負荷の低減を図り易い。また、前記ベンゼンジカルボン酸エステルは、アルキル基中に第三級炭素原子が含まれる(すなわち、分岐アルキル基(R,R)を有する)ため、凝集して固化又は結晶化し難く、低温(例えば、0℃)でのテープ特性を安定させ易い。
ベンゼンジカルボン酸エステルとしては、例えば、フタル酸ジアルキル、イソフタル酸ジアルキル、テレフタル酸ジアルキル等が挙げられる。
なお、分岐アルキル基(R,R)の炭素数の上限値は、好ましくは14以下であり、より好ましくは13以下であり、更に好ましくは10以下である。
特に、ベンゼンジカルボン酸エステルの分岐アルキル基(R,R)が、2−エチルヘキシル基、イソノニル基の場合、それらの炭素数が、DOPのアルキル基(2−エチルヘキシル基)の炭素数と同一又は1つ違いのため、化学的性質がDOPと非常に近く、DOPの代替品として好適である。
好ましいベンゼンジカルボン酸エステルとしは、例えば、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、テレフタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)(DOTP、テレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル))、テレフタル酸ジイソノニル、テレフタル酸ジイソデシル等が挙げられる。
更に好ましいベンゼンジカルボン酸エステルとしは、一般式(1)中のベンゼン核における2つの置換基がパラ位で配置するテレフタル酸ジアルキル(例えば、テレフタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)、テレフタル酸ジイソノニル、テレフタル酸ジイソデシル)が挙げられる。これらは、分子対称性が高く、分子間相互作用が高まることで揮発性が低下し環境への負荷が軽減されるため、特に好ましい。
PVC系基材における可塑剤の配合量は、目的に応じて適宜、設定される。このような可塑剤の配合量は、樹脂成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上であり、好ましくは50質量部以下、より好ましくは45質量部以下である。可塑剤の配合量がこのような範囲であると、粘着テープの柔軟性が確保され、粘着テープの貼り合わせ等の作業性が良好となり、また、被着体に対する追従性が確保される。また、可塑剤の含有割合(質量%)がこのような範囲であると、可塑剤がPVC基材等から染み出すことが抑制され、貼り合わせ等の作業性や、粘着力が確保される。
PVC系基材には、本発明の目的を損なわない範囲で、安定剤、着色剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
PVC系基材の厚みtaは、特に制限はなく目的に応じて適宜、設定される。例えば、PVC系基材の厚みの下限値としては、好ましくは20μm以上であり、より好ましくは40μm以上であり、更に好ましくは50μm以上である。また、例えば、PVC系基材の厚みの上限値としては、好ましくは200μm以下であり、より好ましくは150μm以下であり、更に好ましくは130μm以下である。PVC系基材の厚みが、このような範囲であると、取扱性に優れると共に、PVC系基材の延伸性、柔軟性、追従性等に優れる。
PVC系基材のJIS K 7127に従って測定される最大伸び(%)は、特に限定されないが、例えば100%以上が好ましく、より好ましくは200%以上である。なお、前記最大伸び(%)の上限値は、特に制限はないが、例えば、1000%程度が好ましい。PVC系基材の最大伸び(%)がこのような範囲であると、PVC系基材に適度な伸び性が確保され、ゴム系粘着テープの被着体に対する追従性が向上する。
PVC系基材の表面には、必要に応じて、例えば、表面処理が施されていてもよい。上記表面処理としては、特に限定されないが、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、サンドマット加工処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の物理的処理、クロム酸処理等の化学的処理、コーティング剤(下塗り層形成)による易接着処理(コーティング処理)等が挙げられる。
PVC系基材の製造方法は、特に限定されないが、例えば、射出成形、押出成形(Tダイ押出成形等)、インフレーション成形、カレンダー成形、ブロー成形、キャスティング成形等の公知のフィルム(シート)成形方法が挙げられる。
(ゴム系粘着剤層)
ゴム系粘着剤層は、ゴム成分(ゴム系ポリマー)を主成分として含むゴム系粘着剤を層状に形成したものからなリ、PVC系基材の少なくとも一面に形成される。なお、ゴム系粘着剤層は、後述するように、必須成分として、アルキルフェノール類からなる凝集改質剤を含有する。
ゴム系粘着剤層中のゴム成分の含有割合(質量%)(下限値)は、50質量%以上であり、好ましくは55質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上である。また、前記含有割合(質量%)の上限値は、例えば、95質量%以下であり、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは85質量%以下である。ゴム系粘着剤層中のゴム成分の含有割合(質量%)が、このような範囲であると、粘着テープに必要な粘着力が確保等される。
ゴム成分としては、特に制限されないが、例えば、天然ゴム;変性天然ゴム;スチレン−ブタジエン−スチレン系ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン系ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン系ブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン系ブロック共重合体、イソプレン系ゴム、ポリブタジエン系ゴム、エチレン−プロピレン系共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン系共重合ゴム、ポリイソブチレン系ゴム、ブチル系ゴム、クロロプレン系ゴム等の合成ゴム等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用されてもよい。なお、本明細書において、天然ゴムと、変性天然ゴムとを、「天然ゴム系成分」と称する場合がある。
合成ゴムとしては、未変性であってもよいし、変性(例えば、カルボキシル変性されたクロロプレンゴム)であってもよい。なお、本明細書において、合成ゴム(未変性)と、変性合成ゴムとを、「合成ゴム系成分」と称する場合がある。
変性天然ゴムは、天然ゴムに由来する構造を50質量%以上(好ましくは、60質量%以上)含むものからなる。変性変転ゴムとしては、例えば、天然ゴムに、モノマー(例えば、アクリル酸エステル)をグラフト重合させたグラフト変性天然ゴム等が挙げられる。天然ゴムにグラフト重合させるモノマーとしては、アクリル系モノマー、スチレン等の天然ゴムにグラフト重合させ得るモノマーの1種又は2種以上が用いられる。
変性天然ゴムとしては、天然ゴムに、グラフト重合させるモノマーの50質量%以上が、アクリル系モノマーである、アクリル変性天然ゴムが好ましい。
アクリル変性天然ゴムにおいて、天然ゴムにグラフト重合させるアクリル系モノマーとしては、炭素数が1〜16の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸tert−ブチル等)、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
天然ゴムにグラフト重合させるアクリル系モノマーとしては、メタクリル酸メチル(MMA)が好ましい。
なお、天然ゴムに、アクリル系モノマー等をグラフト重合させる方法としては、特に制限はなく、公知の重合方法が用いられる。
(凝集改質剤)
凝集改質剤は、DOPの代わりに用いた可塑剤がゴム系粘着剤層中において凝集することを抑制する機能を備えている。ゴム系粘着剤層中において可塑剤が凝集すると、可塑剤が固化又は結晶化し、ひいては被着体に汚染物質が付着する原因となる。そこで、ゴム系粘着剤層は、凝集改質剤を含有することで、可塑剤が凝集することを抑制している。
凝集改質剤は、アルキルフェノール類からなる。アルキルフェノール類は、アルキル部位と、フェノール部位を備えている。アルキルフェノール類は、アルキル部位がゴム系粘着剤と親和性を示し、かつフェノール部位に含まれる水酸基が可塑剤と親和性を示すことで、ゴム系粘着剤と可塑剤との相溶性を高めていると推測される。
アルキルフェノール類が備えるアルキル部位は、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−(3−オキサ)ペンチル基、n−ヘキシル基、n−(3−アザ)ヘプチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の直鎖アルキル基が挙げられる。また、これら直鎖アルキル基にアルキル置換基等の官能基が結合した分岐アルキル基は、テープ構成材料と混合し易くなる等の利点があり、好ましい。
分岐アルキル基としては、例えば、イソプレン、イソプレンを水素添加して得られるイソプレン水素添加物、イソプレン又はイソプレン水素添加物を多量体化したイソプレン誘導体等が挙げられる。これらは、天然抽出物から得ることが可能であり、環境負荷をより一層低減することが期待できるため、特に好ましい。
具体的なイソプレン誘導体としては、例えば、ピネン、リモネン、ミルセン、カンフェン、ジペンテン、ロジン、ロジン酸等が挙げられる。
なお、イソプレン誘導体は、天然抽出物だけでなく、イソプレン又はイソプレン水素添加物を公知の方法で製造したものから、製造されてもよい。イソプレン誘導体の製造方法は、例えば、文献「有機合成化学、第24巻、11号、1028−1040、1966年」に示されている。
アルキルフェノール類のフェノール部位としては、フェノール、ナフトール等のフェノール性水酸基含有多環芳香族類、レゾルシノール等のフェノール性水酸基を複数有するフェノール誘導体等のフェノール類縁体を利用できる。何故ならば、水酸基中の酸素原子の電子が芳香環と共鳴するため、上述したような親和性を得る観点からは同じだからである。
アルキルフェノール類として利用可能な市販品としては、例えば、商品名「YSレジン類」(ヤスハラケミカル株式会社製)、商品名「タマノル類」(荒川化学工業株式会社製)、商品名「スミライトレジンPR類」等が挙げられる。
また、アルキルフェノール類は、上記文献に記載のフリーデルクラフト反応や、Pd触媒等を利用した上記アルキル基の前駆体と上記フェノール類縁体の前駆体とのカップリング反応等の公知の有機合成方法で得ることが可能である。
更に、上記反応を用いてアルキルフェノール類を多量体化(樹脂化)したものは、例えば、ガラス転移温度(Tg)を有することになり、ゴム系粘着剤に加えると、ゴム系粘着剤の熱的性質を変えることが可能となるため、凝集改質剤として特に好ましい。
また、アルキルフェノール類の酸価は、好ましくは11〜150であり、より好ましくは13〜125であり、更に好ましくは15〜110である。アルキルフェノール類の酸価がこのような範囲であると、可塑剤の凝集抑制効果を発揮することができ、しかも、ゴム系粘着剤層の粘着特性を変質させることや、被着体が金属である場合にその被着体を腐食する虞がない。
凝集改質剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
凝集改質剤は、粘着テープ中の可塑剤に対して、質量比で、10〜200%含まれるように、ゴム系粘着剤層に添加される。凝集改質剤が、このような範囲で添加されると、ゴム系粘着剤層の粘着特性を変質させることなく、可塑剤の凝集抑制効果を発揮することができる。
ゴム系粘着剤層は、上記ゴム成分及び凝集改質剤以外に、必要に応じて、他の成分を含有する。ゴム系粘着剤層が含有する他の成分としては、例えば、粘着付与剤、架橋剤、可塑剤等が挙げられる。
ゴム系粘着剤層に利用される粘着付与剤としては、特に制限されないが、公知の各種粘着付与剤樹脂から選択される一種または二種以上を用いることができる。
ゴム系粘着剤層に利用される架橋剤としては、特に制限されないが、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤等が挙げられる。前記架橋剤としては、特にイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤が好ましい。前記架橋剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネ−ト、水素添加キシレンジイソシアネ−ト等の脂環族ポリイソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート類、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートL」]、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートHL」]等が挙げられる。
前記エポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテル、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂等が挙げられる。
架橋剤の配合量の下限値は、目的に応じて適宜設定され、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上である。また、架橋剤の配合量の上限値は、目的に応じて適宜設定され、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは4質量部以下であり、より好ましくは3.5質量部以下であり、更に好ましくは3.0質量部以下であり、特に好ましくは2.5質量部以下である。架橋剤の配合量が、このような範囲であると、ゴム系粘着剤層の強度を確保し易い。
ゴム系粘着剤層は、可塑剤として、PVC系基材と同様、上記一般式(1)で示されるベンゼンジカルボン酸エステルを含有する。
ベンゼンジカルボン酸エステルとしては、例えば、フタル酸ジアルキル、イソフタル酸ジアルキル、テレフタル酸ジアルキル等が挙げられる。
なお、上記一般式(1)における分岐アルキル基(R,R)の炭素数の上限値は、好ましくは14以下であり、より好ましくは13以下であり、更に好ましくは10以下である。
特に、ベンゼンジカルボン酸エステルの分岐アルキル基(R,R)が、2−エチルヘキシル基、イソノニル基の場合、それらの炭素数が、DOPのアルキル基(2−エチルヘキシル基)の炭素数と同一又は1つ違いのため、化学的性質がDOPと非常に近く、DOPの代替品として好適である。
好ましいベンゼンジカルボン酸エステルとしは、例えば、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、テレフタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)(DOTP、テレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル))、テレフタル酸ジイソノニル、テレフタル酸ジイソデシル等が挙げられる。
更に好ましいベンゼンジカルボン酸エステルとしは、上記一般式(1)中のベンゼン核における2つの置換基がパラ位で配置するテレフタル酸ジアルキル(例えば、テレフタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)、テレフタル酸ジイソノニル、テレフタル酸ジイソデシル)が挙げられる。これらは、分子対称性が高く、分子間相互作用が高まることで揮発性が低下し環境への負荷が軽減されるため、特に好ましい。
可塑剤の配合量の下限値は、目的に応じて適宜設定され、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上であり、より好ましくは10質量部以上であり、更に好ましくは15質量部以上である。また、可塑剤の配合量の上限値は、目的に応じて適宜設定され、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以下であり、より好ましくは40質量部以下であり、更に好ましくは30質量部以下である。可塑剤の配合量が、このような範囲であると、ゴム系粘着剤層の柔軟性等を確保し易い。
ゴム系粘着剤層は、本発明の目的を損なわない範囲において、老化防止剤、着色剤(顔料、染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、軟化剤、界面活性剤、フィラー、溶剤、触媒、ゴム系粘着剤以外の他の粘着剤、シランカップリング剤等の公知の添加剤が配合されてもよい。
ゴム系粘着剤層を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、上記ゴム成分と共に、凝集改質剤等の他の成分が所定の溶剤(例えば、トルエン)に添加されてなる粘着剤溶液を、所定の基材(例えば、PVC系基材)の表面に塗布し、その塗布物を乾燥させることでゴム系粘着剤層を形成する方法が挙げられる。
ゴム系粘着剤層の厚みtbは、特に限定されず、目的に応じて適宜、設定される。ゴム系粘着剤層の厚みの下限値は、例えば、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは2μm以上であり、更に好ましくは5μm以上である。また、ゴム系粘着剤層の厚みの上限値は、例えば、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは45μm以下であり、更に好ましくは40μm以下である。ゴム系粘着剤層の厚みが、このような範囲であると、ゴム系粘着剤層の粘着力、強度等を確保し易い。
図2は、粘着テープ10Aの他の一例を模式的に表した説明図である。図2に示されるように、この粘着テープ10Aは、ポリ塩化ビニル系基材11と、ゴム系粘着剤層12との間に、下塗り層13を備えている。このように、ゴム系粘着テープ10Aは、下塗り層13を備える構成であってもよい。
(下塗り層)
下塗り層は、ポリ塩化ビニル系基材に対する投錨性(アンカー効果)を高める等の目的で、フィルム状のポリ塩化ビニル系基材の片面に形成される。下塗り層は、主として、PVC系基材及びゴム系粘着剤層の双方に対して親和性を有する材料によって構成される。下塗り層は、例えば、PVC系基材に親和性を有する材料(基材親和性材料)と、ゴム系粘着剤層に対して親和性を有する材料(ゴム親和性材料)との混合材料、PVC系基材に親和性を有する材料(基材親和性材料)とゴム系粘着剤層に対して親和性を有する材料(ゴム親和性材料)とを、重合等により一体化した複合材料等からなる。
ポリ塩化ビニル系基材に対して親和性を有する材料(基材親和性材料)としては、ポリアクリル酸エステル類が好ましい。ポリアクリル酸エステル類としては、基材への密着性、基材変形に対する追従性、基材に形成されるゴム系粘着剤層の表面平滑性等を高める等の理由により、(メタ)アクリル酸エステル類(例えば、アクリル酸、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸シクロヘキシル等)から合成されたポリマーが好ましく、特に、ゴム系粘着剤層に対して親和性を有する材料(ゴム親和性材料)との相溶性の観点より、メタクリル酸メチル(MMA)から合成されたポリマーが好ましい。
ゴム系粘着剤層に対して親和性を有する材料(ゴム親和性材料)としては、天然ゴム、ブチル系ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム、ニトリル−ブタジエン系ゴム等が挙げられる。ポリ塩化ビニル系基材に対して親和性を有する材料(基材親和性材料)との相溶性、基材が引き伸ばされた際に発生する応力に対して破断が起き難い等の理由により、特に、天然ゴムが好ましい。
ポリ塩化ビニル系基材に対して親和性を有する材料(基材親和性材料)と、ゴム系粘着剤層に対して親和性を有する材料(ゴム親和性材料)とを、一体化した複合材料としては、例えば、天然ゴムに、メタクリル酸メチルをグラフト重合させて得られる、メタクリル酸メチルグラフト天然ゴムが挙げられる。
なお、下塗り層中における基材親和性材料とゴム親和性材料との混合割合は、目的に応じて適宜設定される。下塗り層中における基材親和性材料の混合割合(質量%)の下限値は、基材親和性材料及びゴム親和性材料の合計質量に対して、好ましくは、5質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上であり、更に好ましくは15質量%以上である。また、下塗り層中における基材親和性材料の混合割合(質量%)の上限値は、基材親和性材料及びゴム親和性材料の合計質量に対して、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、更に好ましくは30質量%以下である。下塗り層中における基材親和性材料の混合割合(質量%)が、このような範囲であると、ゴム系粘着テープにおけるゴム系粘着剤層の表面平滑性を確保しつつ、ゴム系粘着剤層とPVC系基材とが接着される。
下塗り層の厚みは、特に限定されず、目的に応じて適宜、設定される。下塗り層の厚みの下限値は、例えば、好ましくは0.1μm以上であり、より好ましくは0.2μm以上であり、更に好ましくは0.5μm以上である。また、下塗り層の厚みの上限値は、例えば、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは5μm以下であり、更に好ましくは2μm以下である。下塗り層の厚みが、このような範囲であると、ゴム系粘着テープにおけるゴム系粘着剤層の表面平滑性を確保しつつ、ゴム系粘着剤層とPVC系基材とが接着される。
粘着テープは、本発明の目的を損なわない範囲で、PVC系基材、ゴム系粘着剤層、下塗り層以外の他の層を備えてもよい。他の層としては、PVC系基材の背面側(ゴム系粘着剤層が形成される側の反対側)に形成される背面処理剤層(例えば、離型剤と樹脂とを含む背面処理剤からなる層)等が挙げられる。前記離型剤としては、例えば、シリコーン樹脂、長鎖アルキルアクリレート(共)重合体(長鎖アルキル系離型剤)等が挙げられる。また、前記樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル系ポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
(剥離ライナー)
粘着テープが備えるゴム系粘着剤層の粘着面には、使用前の状態において、ゴム系剥離ライナーが貼り付けられていてもよい。このような剥離ライナーとしては、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤により表面処理されたプラスチックフィルムや紙等の剥離層を有する基材;ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素系ポリマーからなる低接着性基材;オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)等の無極性ポリマーからなる低接着性基材;等が挙げられる。
(粘着テープの製造方法)
粘着テープを製造する方法は、特に限定されないが、例えば、PVC系基材上に、ゴム系粘着剤を形成するための粘着剤溶液を塗布して、その塗布物を乾燥させる方法、PVC系基材上に下塗り層を形成し、その下塗り層上に、ゴム系粘着剤を形成するための粘着剤溶液を塗布して、その塗布物を乾燥させる方法、剥離ライナー上にゴム系粘着剤を形成するための粘着剤溶液を塗布し、その塗布物を乾燥させた後、その塗布物上に、PVC系基材(又は下塗り層付きPVC系基材)を貼り合わせる方法、等が挙げられる。
(粘着テープの厚み)
粘着テープの厚みは、特に限定されないが、取扱性や、延伸等の基材変形に対する追従性等の観点より、下限値としては、好ましくは40μm以上であり、より好ましくは50μm以上である。また、粘着テープの厚みの上限値としては、例えば、好ましくは200μm以下であり、より好ましくは150μm以下である。
(ta/tb)
粘着テープにおける、ゴム系粘着剤層の厚みtbに対するポリ塩化系ビニル基材の厚みtaの割合(ta/tb)は、好ましくは5以上、より好ましくは9以上であり、好ましくは15以下、より好ましくは11以下である。前記割合(ta/tb)がこのような範囲であると、例えば、表面に凹凸(例えば、10μm程度の凹凸)を有する被着体に粘着テープが貼り付けられた際に、粘着テープの表面平滑性が確保され、粘着テープを貼り付けたままの状態で被着体を積層して保管することが可能となる。また、前記割合(ta/tb)がこのような範囲であると、前記凹凸を有する被着体に対して隙間なく追従(追随)する形で貼り付くことが可能であり、被着体の保管中に被着体と粘着テープの間に水等が浸入することが防止され、ひいては被着体表面の汚れが防止される。
(可塑剤含有率)
粘着テープ中の可塑剤含有率X(質量%)は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上であり、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。粘着テープ中の可塑剤含有率Xがこのような範囲であると、粘着テープの接着面から被着体表面に汚染物質が移行することが抑制される。なお、粘着テープ中の可塑剤含有率X(質量%)の求め方は、後述する。
(凝集改質剤含有率)
粘着テープ中の凝集改質剤含有率Y(質量%)は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下である。粘着テープ中の凝集改質剤含有率Yがこのような範囲であると、粘着テープの接着面から被着体表面に汚染物質が移行することが抑制される。なお、粘着テープ中の凝集改質剤含有率Y(質量%)の求め方は、後述する。
(凝集改質剤/可塑剤)
粘着テープ中に含まれるベンゼンジカルボン酸エステル(可塑剤)に対するアルキルフェノール類(凝集改質剤)の割合(凝集改質剤/可塑剤)Zは、好ましくは0.0005以上、より好ましくは0.001以上であり、好ましくは0.1以下、より好ましくは0.05以下である。粘着テープ中における前記割合(凝集改質剤/可塑剤)Zがこのような範囲であると、粘着テープの接着面から被着体表面に汚染物質が移行することが抑制される。なお、粘着テープ中における前記割合(凝集改質剤/可塑剤)Zの求め方は、後述する。
(粘着テープの形態)
粘着テープは、ロール状に巻回された形態の粘着テープ巻回体であってもよい。上記巻回体は、粘着テープのみが巻回された形態の粘着テープ巻回体(巻き芯がないゴム系粘着テープ巻回体)、粘着テープが巻芯にロール状に巻回された形態の粘着テープ巻回体等であってもよい。上記巻芯としては、特に限定されないが、例えば、プラスチック材が主構成材として用いられた巻芯(プラスチック製巻芯)、紙材が主構成材として用いられた巻芯(紙製巻芯)、金属材が主構成材として用いられた巻芯(金属製巻芯)等が挙げられる。また、粘着テープは、平面状に広がった形態のものであってもよい。
(粘着テープの汚染防止性)
粘着テープは、被着体に貼り付けられた後、被着体から剥離された際に、被着体の表面に汚れを付着させない汚染防止性を備えている。粘着テープは、ゴム系粘着剤層に凝集改質剤を含むことによって、汚染防止性を発揮することができる。なお、粘着テープの汚染防止性の評価方法は、後述する。
(粘着テープの最大伸び)
粘着テープのJIS K 7127に従って測定される最大伸び(%)は、特に限定されないが、例えば100%以上が好ましく、より好ましくは200%以上である。なお、前記最大伸び(%)の上限値は、特に制限はないが、例えば、500%程度が好ましい。粘着テープの最大伸び(%)がこのような範囲であると、例えば、絞り加工時に被着体の変形に追従することが可能となる。また、粘着テープの貼り付け時に、貼り付け応力でテープが伸びすぎて、テープに厚みムラが生じることも抑制される。
(粘着テープの粘着力)
粘着テープは、金属板等の被着体に対して、剥離(再剥離)可能な状態で、密着できる粘着力を備えている。例えば、被着体(SUS430BA板)に対して、0.3m/分の剥離速度の際、23℃での粘着力(下限値)は、0.1(N/20mm)以上が好ましく、0.2(N/20mm)以上がより好ましく、0.3(N/20mm)以上が更に好ましい。また、被着体(SUS430BA板)に対して、0.3m/分の剥離速度の際、23℃での粘着力(上限値)は、5(N/20mm)以下が好ましく、2.5(N/20mm)以下がより好ましく、2(N/20mm)以下が更に好ましい。粘着力がこのような範囲であると、粘着テープが加工(例えば、絞り加工)の途中に被着体から自然に剥離することが抑制され、また、被着体から剥離が困難になることも抑制される。なお、粘着テープの粘着力は、後述する方法によって測定される。
(粘着テープのその他の機能)
粘着テープは、平面のみならず、曲面や凹凸面等の様々な表面形状の被着体に対する追従性(静的な追従性)を備えている。また、粘着テープは、被着体に貼り付けられた状態で、被着体と共に変形されても、被着体に対して密着し続ける機能(動的な追従性)も備えている。また、粘着テープは、延伸性、柔軟性、作業性(取扱性)、保存安定性、加工性、等にも優れている。また、粘着テープが、ロール状に巻回された形態の粘着テープ巻回体である場合に、テープを引き出す作業を行い易い。
(粘着テープの用途)
粘着テープは、例えば、表面保護用粘着テープとして用いることができる。具体的には、ステンレス、アルミニウム等の各種金属部材(例えば、金属板)の加工時の表面保護用の粘着テープ、ダイシング工程用の粘着テープ、ガラス等の表面保護用の粘着テープ等の用途に用いることができる。また、粘着テープは、金属板の加工用途の中でも特に、金属板の絞り加工用の保護テープとして好ましい。粘着テープは、絞り加工時に、被着体である金属板が大きく変形されても、被着体から剥がれることなくその変形に追従することができ、しかも最終的には、被着体表面を汚染することなく被着体から剥離することができる。
ゴム系粘着テープは、特に、金属板等の金属部材の表面に貼り付ける用途で用いられることが好ましい。なお、金属部材の表面には、塗膜等が形成されていてもよい。なお、粘着テープは、金属部材以外に、樹脂部材、ガラス等の他の部材からなる被着体に貼り付けて用いてもよい。
(1)ポリ塩化ビニル系基材と、前記ポリ塩化ビニル系基材の少なくとも一面に形成されるゴム系粘着剤層とを備え、前記ポリ塩化ビニル系基材及び前記ゴム系粘着剤層は、可塑剤として下記一般式(1)で表されるベンゼンジカルボン酸エステルを含有し、前記ゴム系粘着剤層は、アルキルフェノール類からなる凝集改質剤を含有する粘着テープ。
Figure 2017200978
(式中、ベンゼン核の2つの置換基(−CO、−CO)がオルト位の場合、R及びRは炭素数が9以上でありかつ少なくとも1つの第三級炭素原子を含む分岐アルキル基からなり、ベンゼン核の2つの置換基(−CO、−CO)がメタ位又はパラ位の場合、炭素数が8以上でありかつ少なくとも1つの第三級炭素原子を含む分岐アルキル基からなる。なお、2つの置換基(−CO、−CO)は、同一又は互いに異なってもよい。)
(2)前記粘着テープにおいて、前記アルキルフェノール類の酸価が、11〜150である。
(3)前記粘着テープにおいて、前記ベンゼンジカルボン酸エステルは、粘着テープ中に、10質量%以上50質量%以下含まれている。
(4)前記粘着テープにおいて、 粘着テープ中に含まれる前記ベンゼンジカルボン酸エステルに対するアルキルフェノール類の割合(質量比)が、0.0005以上0.1以下である。
(5)前記粘着テープにおいて、前記ゴム系粘着剤層の厚みtbに対する前記ポリ塩化系ビニル基材の厚みtaの割合(ta/tb)が5以上15以下である。
(6)前記粘着テープにおいて、前記ポリ塩化系ビニル基材の厚みtaが、90μm以上110μm以下である。
(7)前記粘着テープにおいて、前記ポリ塩化系ビニル基材のJIS−K−7127に従って測定される最大伸びが100%以上である。
(8)前記粘着テープにおいて、前記アルキルフェノール類が有するアルキル部位は、イソプレン、イソプレン水素添加物、イソプレン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる。
(9)前記粘着テープにおいて、前記イソプレン誘導体が、テルペン、ロジン酸、テルペン誘導体、ロジン酸誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる。
(10)前記粘着テープにおいて、金属板加工用である。
(11)前記粘着テープにおいて、前記一般式(1)において、ベンゼン核の2つの置換基(−CO、−CO)がパラ位であってもよい。
(12)前記粘着テープにおいて、前記ベンゼンジカルボン酸エステルが、テレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、テレフタル酸ビスイソノニルエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種からなる。
(13)前記粘着テープにおいて、前記ゴム系粘着剤層は、ゴム成分として、天然ゴム系成分と合成ゴム系成分とを含む。
(14)前記粘着テープにおいて、前記天然ゴム系成分は、天然ゴムに、アクリル系成分を5〜50質量%の割合でグラフト重合させたものからなる。
(15)前記粘着テープにおいて、前記ポリ塩化系ビニル基材と、前記ゴム系粘着剤層との間に下塗り層が介在される。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
(ポリ塩化ビニル系基材の作製)
ポリ塩化ビニル(重合度P=100)100質量部に対して、DOTP(可塑剤、テレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル))、株式会社ADEKA製)30質量部、メチレンビスステアリン酸アミド(商品名「ビスアマイドLA」、日本化成株式会社製)1質量部が添加されてなる軟質ポリ塩化ビニルを、カレンダー法によりフィルム状に成形して、軟質ポリ塩化ビニルフィルム(ポリ塩化ビニル系基材)を得た。得られた軟質ポリ塩化ビニルフィルムの厚みは、110μmであり、JIS−K−7127に従って測定される弾性率(MD:Machine Direction)は、250MPaであり、JIS−K−7127に従って測定される最大伸び(MD)は、400%であった。また、製造直後の軟質ポリ塩化ビニルフィルムの表面粗さ(算術平均表面粗さRa)は、0.1μmであった。なお、算術平均表面粗さRaは、走査型プローブ顕微鏡を用いて測定した(後述するその他の実施例等の算術平均表面粗さRaについても同様)。
(下塗り層の形成)
天然ゴム(天然ゴムラテックス、商品名「HYTEX HA」、野村貿易株式会社製、濃度62.0質量%)100質量部(固形分)、メタクリル酸メチル(MMA、三菱瓦斯化学株式会社製)37.47質量部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(界面活性剤、商品名「ノイゲンEA−190D」、第一工業製薬株式会社製)1.01質量部、クメンハイドロパーオキサイド(重合開始剤、商品名「パークミル H−80」、日油株式会社製)0.48質量部及びテトラエチレンペンタミン(和光純薬工業株式会社製)0.34質量部の混合物からなる水溶液を、40℃で2時間維持して、天然ゴムにメタクリル酸メチルをグラフト重合させて、MMAグラフト天然ゴム(MMA−g−NR)(アクリル成分含有率:27質量%)を含むポリマー水溶液(1)を得た。
ポリマー水溶液(1)を、上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に塗布し、その塗布物を乾燥させて、下塗り層を形成した。下塗り層の厚みは、1.0μmであり、算術平均表面粗さRaは、0.5μmであった。
(ゴム系粘着剤層の形成)
先ず、ゴム系粘着剤層に利用するMMAグラフト天然ゴムI(MMA−g−NR−I)を以下の通り、作製した。
MMAグラフト天然ゴムI(MMA−g−NR−I)85質量部、クロロプレン系ゴム(CR、クロロプレン・メタクリル酸共重合物、商品名「スカイプレン570」、東ソー株式会社製)15質量部、テルペンフェノール樹脂(凝集改質剤、商品名「スミライトレジンPR−12603」、住友ベークライト株式会社製、酸価:65)5質量部、イソシアネート系架橋剤(芳香族ポリイソシアネート、商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業株式会社製)2質量部、紫外線吸収剤(ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、「SONGNOX1010PW」、堺化学工業株式会社製)3質量部、DOTP(可塑剤、テレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、株式会社ジェイ・プラス製)40質量部を、所定量のトルエンに添加して粘着剤溶液Aを得た。
上記粘着剤溶液Aを、下塗り層に積層する形で、上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に塗布し、その塗布物を130℃で90秒間加熱することで乾燥させて、厚み10μmのゴム系粘着剤層を形成した。このようにして、実施例1の粘着テープを得た。
〔実施例2〕
実施例1と同様の軟質ポリ塩化ビニルフィルムを用意し、その片面に、実施例1と同様の下塗り層(厚み:1.0μm、算術平均表面粗さRa:0.5μm)を形成した。
凝集改質剤として、テルペンフェノール樹脂(商品名「タマノル901」、荒川化学工業株式会社製、酸価:90)3質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤溶液Bを作製した。
上記粘着剤溶液Bを、下塗り層に積層する形で、上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に塗布し、その塗布物を130℃で90秒間加熱することで乾燥させて、厚み10μmのゴム系粘着剤層を形成した。このようにして、実施例2の粘着テープを得た。
〔実施例3〕
実施例1と同様の軟質ポリ塩化ビニルフィルムを用意し、その片面に、実施例1と同様の下塗り層(厚み:1.0μm、算術平均表面粗さRa:0.5μm)を形成した。
凝集改質剤の配合量を、30質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤溶液Cを作製した。
上記粘着剤溶液Cを、下塗り層に積層する形で、上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に塗布し、その塗布物を130℃で90秒間加熱することで乾燥させて、厚み10μmのゴム系粘着剤層を形成した。このようにして、実施例3の粘着テープを得た。
〔実施例4〕
実施例1と同様の軟質ポリ塩化ビニルフィルムを用意した。なお、実施例4では、実施例1のような下塗り層は形成しない。
実施例1と同様の粘着剤溶液Aを用意し、その粘着溶液Aを、軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に塗布し、その塗布物を130℃で90秒間加熱することで乾燥させて、厚み10μmのゴム系粘着剤層を形成した。このようにして、実施例4の粘着テープを得た。
〔実施例5〕
実施例1と同様の軟質ポリ塩化ビニルフィルムを用意した。
メタクリル酸メチルの配合量を、48質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、天然ゴムにメタクリル酸をグラフト重合させて、MMAグラフト天然ゴム(MMA−g−NR)(アクリル成分含有率:35質量%)を含むポリマー水溶液(2)を得た。
ポリマー水溶液(2)を、上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に塗布し、その塗布物を乾燥させて、下塗り層を形成した。下塗り層の厚みは、1.0μmであり、算術平均表面粗さRaは、0.5μmであった。
実施例1と同様の粘着剤溶液Aを用意し、その粘着溶液Aを、下塗り層に積層する形で、上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に塗布し、その塗布物を130℃で90秒間加熱することで乾燥させて、厚み10μmのゴム系粘着剤層を形成した。このようにして、実施例5の粘着テープを得た。
〔実施例6〕
実施例1と同様の軟質ポリ塩化ビニルフィルムを用意した。
可塑剤(DOTP)の配合量を、20質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤溶液Dを得た。
上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に、実施例1と同様の下塗り層(厚み:1.0μm、算術平均表面粗さRa:0.5μm)を形成した。
粘着剤溶液Dを、下塗り層に積層する形で、上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に塗布し、その塗布物を130℃で90秒間加熱することで乾燥させて、厚み10μmのゴム系粘着剤層を形成した。このようにして、実施例6の粘着テープを得た。
〔実施例7〕
実施例1と同様の軟質ポリ塩化ビニルフィルムを用意し、その片面に、実施例1と同様の下塗り層(厚み:1.0μm、算術平均表面粗さRa:0.5μm)を形成した。
クロロプレン系ゴム(CR、クロロプレン・メタクリル酸共重合物、商品名「スカイプレン570」、東ソー株式会社製)100質量部、テルペンフェノール樹脂(凝集改質剤、商品名「スミライトレジンPR−12603」、住友ベークライト株式会社製、酸価:65)5質量部、イソシアネート系架橋剤(芳香族ポリイソシアネート、商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業株式会社製)2質量部、紫外線吸収剤(ペンタエリスリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、「SONGNOX1010PW」、堺化学工業株式会社製)3質量部、DOTP(可塑剤、テレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)、株式会社ジェイ・プラス製)40質量部を、所定量のトルエンに添加して粘着剤溶液Eを得た。
上記粘着剤溶液Eを、下塗り層に積層する形で、上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に塗布し、その塗布物を130℃で90秒間加熱することで乾燥させて、厚み10μmのゴム系粘着剤層を形成した。このようにして、実施例7の粘着テープを得た。
〔実施例8〕
可塑剤として、DINP(フタル酸ジイソノニル)30質量部を用い、かつ厚みを90μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、軟質ポリ塩化ビニルフィルム(ポリ塩化ビニル系基材)を得た。得られた軟質ポリ塩化ビニルフィルムのJIS−K−7127に従って測定される弾性率(MD:Machine Direction)は、250MPaであり、JIS−K−7127に従って測定される最大伸び(MD)は、400%であった。また、製造直後の軟質ポリ塩化ビニルフィルムの表面粗さ(算術平均表面粗さRa)は、0.1μmであった。
上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に、実施例1と同様の下塗り層(厚み:1.0μm、算術平均表面粗さRa:0.5μm)を形成した。
実施例1と同様の粘着剤溶液Aを用意し、その粘着溶液Aを、下塗り層に積層する形で、上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に塗布し、その塗布物を130℃で90秒間加熱することで乾燥させて、厚み10μmのゴム系粘着剤層を形成した。このようにして、実施例8の粘着テープを得た。
〔実施例9〕
実施例1と同様の軟質ポリ塩化ビニルフィルムを用意した。
メタクリル酸メチルの配合量を、21質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、天然ゴムにメタクリル酸をグラフト重合させて、MMAグラフト天然ゴム(MMA−g−NR)(アクリル成分含有率:15質量%)を含むポリマー水溶液(3)を得た。
ポリマー水溶液(3)を、上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に塗布し、その塗布物を乾燥させて、下塗り層を形成した。下塗り層の厚みは、1.0μmであり、算術平均表面粗さRaは、0.5μmであった。
実施例1と同様の粘着剤溶液Aを用意し、その粘着溶液Aを、下塗り層に積層する形で、上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に塗布し、その塗布物を130℃で90秒間加熱することで乾燥させて、厚み10μmのゴム系粘着剤層を形成した。このようにして、実施例9の粘着テープを得た。
〔実施例10〕
実施例1と同様の軟質ポリ塩化ビニルフィルムを用意し、その片面に、実施例1と同様の下塗り層(厚み:1.0μm、算術平均表面粗さRa:0.5μm)を形成した。
凝集改質剤として、ロジン変性フェノール(商品名「タマノル135」、荒川化学工業株式会社製、酸価:18)5質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤溶液Fを作製した。
上記粘着剤溶液Fを、下塗り層に積層する形で、上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に塗布し、その塗布物を130℃で90秒間加熱することで乾燥させて、厚み10μmのゴム系粘着剤層を形成した。このようにして、実施例10の粘着テープを得た。
〔実施例11〕
可塑剤(DOTP)の配合量を20質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、軟質ポリ塩化ビニルフィルム(ポリ塩化ビニル系基材)を得た。得られた軟質ポリ塩化ビニルフィルムの厚みは、110μmであり、JIS−K−7127に従って測定される弾性率(MD:Machine Direction)は、350MPaであり、JIS−K−7127に従って測定される最大伸び(MD)は、300%であった。また、製造直後の軟質ポリ塩化ビニルフィルムの表面粗さ(算術平均表面粗さRa)は、0.1μmであった。
上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に、実施例1と同様の下塗り層(厚み:1.0μm、算術平均表面粗さRa:0.5μm)を形成し、更にその下塗り層に積層する形で、実施例1と同様のゴム系粘着剤層(厚み:10μm)を形成して、実施例11の粘着テープを得た。
〔実施例12〕
可塑剤(DOTP)の配合量を40質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、軟質ポリ塩化ビニルフィルム(ポリ塩化ビニル系基材)を得た。得られた軟質ポリ塩化ビニルフィルムの厚みは、110μmであり、JIS−K−7127に従って測定される弾性率(MD:Machine Direction)は、150MPaであり、JIS−K−7127に従って測定される最大伸び(MD)は、500%であった。また、製造直後の軟質ポリ塩化ビニルフィルムの表面粗さ(算術平均表面粗さRa)は、0.1μmであった。
上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に、実施例1と同様の下塗り層(厚み:1.0μm、算術平均表面粗さRa:0.5μm)を形成し、更にその下塗り層に積層する形で、実施例1と同様のゴム系粘着剤層(厚み:10μm)を形成して、実施例12の粘着テープを得た。
〔比較例1〕
実施例1と同様の軟質ポリ塩化ビニルフィルムを用意し、その片面に、実施例1と同様の下塗り層(厚み:1.0μm、算術平均表面粗さRa:0.5μm)を形成した。
凝集改質剤に代えて、テルペン重合体(フェノール残基不含有)(商品名「YSレジンPX1150」、ヤスハラケミカル株式会社製、酸価:1)20質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤溶液Gを作製した。
上記粘着剤溶液Gを、下塗り層に積層する形で、上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に塗布し、その塗布物を130℃で90秒間加熱することで乾燥させて、厚み10μmのゴム系粘着剤層を形成した。このようにして、比較例1の粘着テープを得た。
〔比較例2〕
実施例1と同様の軟質ポリ塩化ビニルフィルムを用意し、その片面に、実施例1と同様の下塗り層(厚み:1.0μm、算術平均表面粗さRa:0.5μm)を形成した。
凝集改質剤に代えて、脂肪族炭化水素樹脂(フェノール残基不含有)(商品名「アルコンP−100」、荒川化学工業株式会社製、酸価:0)5質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤溶液Hを作製した。
上記粘着剤溶液Hを、下塗り層に積層する形で、上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に塗布し、その塗布物を130℃で90秒間加熱することで乾燥させて、厚み10μmのゴム系粘着剤層を形成した。このようにして、比較例2の粘着テープを得た。
〔比較例3〕
実施例1と同様の軟質ポリ塩化ビニルフィルムを用意し、その片面に、実施例1と同様の下塗り層(厚み:1.0μm、算術平均表面粗さRa:0.5μm)を形成した。
凝集改質剤に代えて、ロジン重合体(フェノール残基不含有)(商品名「パインクリスタルKE−100」、荒川化学工業株式会社製、酸価:10)5質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤溶液Iを作製した。
上記粘着剤溶液Iを、下塗り層に積層する形で、上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に塗布し、その塗布物を130℃で90秒間加熱することで乾燥させて、厚み10μmのゴム系粘着剤層を形成した。このようにして、比較例3の粘着テープを得た。
〔比較例4〕
可塑剤として、DINP(フタル酸ジイソノニル)30質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、軟質ポリ塩化ビニルフィルム(ポリ塩化ビニル系基材)を得た。得られた軟質ポリ塩化ビニルフィルムのJIS−K−7127に従って測定される弾性率(MD:Machine Direction)は、250MPaであり、JIS−K−7127に従って測定される最大伸び(MD)は、400%であった。また、製造直後の軟質ポリ塩化ビニルフィルムの表面粗さ(算術平均表面粗さRa)は、0.1μmであった。
上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に、実施例1と同様の下塗り層(厚み:1.0μm、算術平均表面粗さRa:0.5μm)を形成した。
凝集改質剤に代えて、テルペン重合体(フェノール残基不含有)(商品名「YSレジンPX1150」、ヤスハラケミカル株式会社製、酸価:1)20質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤溶液Jを作製した。
上記粘着剤溶液Jを、下塗り層に積層する形で、上記軟質ポリ塩化ビニルフィルムの片面に塗布し、その塗布物を130℃で90秒間加熱することで乾燥させて、厚み10μmのゴム系粘着剤層を形成した。このようにして、比較例4の粘着テープを得た。
〔可塑剤含有率〕
各実施例及び各比較例の粘着テープについて、以下に示される計算式(I)を用いて、粘着テープ中の可塑剤含有率X(質量%)を求めた。
(計算式(I))
X={(W1×L1×T1×A1)×(B1/(B1+C))}+{(W2×L2×T2×A2)×(B2/E)}/{(W1×L1×T1×A1)+(W2×L2×T2×A2)}
上記計算式(I)の各パラメータは、以下の通りである。なお、ここでの「基材」とは、軟質ポリ塩化ビニルフィルム(ポリ塩化ビニル系基材)であり、粘着剤が塗布される前の状態のものである。また、ここでの「粘着剤」とは、基材に塗布する前の状態のものである。
W1:基材幅(cm)、L1:基材長さ、T1:基材厚さ(cm)、B1:基材中の可塑剤部数(質量部)、C:基材中のPVC部数(質量部)、A1:基材の比重(g/cm
W2:粘着剤塗布幅(cm)、L2:粘着剤塗布長さ(cm)、T2:粘着剤塗塗布厚さ(cm)、A2:粘着剤の比重(g/cm)、B2:粘着剤中の可塑剤部数(質量部)、D:粘着剤中の凝集改質剤部数(質量部)、E:粘着剤の配合部数(質量部)
なお、各実施例及び各比較例の粘着テープでは、W1=W2、及びL1=L2となるため、上記計算式(I)は、以下のようにまとめられる。
X={(T1×A1)×(B1/(B1+C)+(T2×A2)×(B2/E)}/{(T1×A1)+(T2×A2)}
また、A1=1.25g/cm、A2=0.93g/cmとした。各実施例及び各比較例の可塑剤含有率X(質量%)は、表1及び表2に示した。
〔凝集改質剤含有率〕
各実施例及び各比較例の粘着テープについて、以下に示される計算式(2)を用いて、粘着テープ中の凝集改質剤含有率Y(質量%)を求めた。
(計算式(II))
Y={(W2×L2×T2×A2)×(D/E)}/{(W1×L1×T1×A1)+(W2×L2×T2×A2)}
上記計算式(II)の各パラメータは、上記計算式(I)で用いたものと同じである。
なお、各実施例及び各比較例の粘着テープでは、W1=W2、及びL1=L2となるため、上記計算式(II)は、以下のようにまとめられる。
Y=(A2×D/E)/(A1+A2)
各実施例及び各比較例の凝集改質剤含有率Y(質量%)は、表1及び表2に示した。
〔凝集改質剤/可塑剤〕
各実施例及び各比較例の粘着テープについて、以下に示される計算式(3)を用いて、粘着テープ中に含まれるベンゼンジカルボン酸エステル(可塑剤)に対するアルキルフェノール類(凝集改質剤)の割合(凝集改質剤/可塑剤)Zを求めた。
(計算式(III))
Z={(W2×L2×T2×A2)×(D/E)}/{(W1×L1×T1×A1)×(B1/(B1+C))}+{(W2×L2×T2×A2)×(B2/E)}
上記計算式(III)の各パラメータは、上記計算式(I)で用いたものと同じである。
なお、各実施例及び各比較例の粘着テープでは、W1=W2、及びL1=L2となるため、上記計算式(III)は、以下のようにまとめられる。
Z={A2×(D/E)}/{A1×(B1/(B1+C))}+{A2×(B2/E)}
各実施例及び各比較例の割合(凝集改質剤/可塑剤)Zは、表1及び表2に示した。
〔評価1:粘着テープの最大伸び(%)の測定)
各実施例及び各比較例の粘着テープについて、JIS−K−7127に従って、MD方向の最大伸び(MD)を測定した。測定結果は、表1及び表2に示した。
〔評価2:180°引き剥がし粘着力の測定(1)〕
各実施例及び各比較例で得られた粘着テープから、幅20mm×長さ100mmの試験サンプルを切り出した。試験サンプルの粘着面を、SUS板(SUS304板)に対して、23℃、50%RHの条件下で、重さ2.0kg、幅30mmのローラーを1往復させて貼り合せた。23℃、50%RHの条件下で、30分間放置した後、引張試験機を用いて、JIS Z 0237に準拠して、引張速度0.3m/分で、180°剥離試験を行い、引き剥がし粘着力(N/20mm)を測定した。測定結果は、表1及び表2に示した。
〔評価3:180°引き剥がし粘着力の測定(2)〕
引張速度を、30m/分に変更したこと以外は、評価2の測定方法と同様にして、各実施例及び各比較例で得られた粘着テープ(試験サンプル)の引き剥がし粘着力(N/20mm)を測定した。測定結果は、表1及び表2に示した。
〔評価4:180°引き剥がし粘着力の測定(3)〕
温度条件を、0℃に変更したこと以外は、評価2の測定方法と同様にして、各実施例及び各比較例で得られた粘着テープ(試験サンプル)の引き剥がし粘着力(N/20mm)を測定した。測定結果は、表1及び表2に示した。
〔評価5:汚染防止性〕
各実施例及び各比較例で得られた粘着テープを所定サイズに切り出して、試験サンプルを得た。また、トルエンを用いて超音波洗浄を行ったSUS板(SUS430BA板)を用意した。試験サンプルを、SUS板に、線圧78.5N/cm、速度0.3m/分で貼り付け、そして、試験サンプルが貼り付けられたSUS板を、温度40℃、湿度92%RHの環境下で6日間保存した。その後、試験サンプルを、温度23℃、湿度50%RHの環境下で、剥離角度180°、剥離速度30m/分の条件下でSUS板から剥離した。その後、試験サンプルが貼り付けられていた部分におけるSUS板の表面のグロス値を、マイクロトリグロス計(BYKガードナー社製)を用いてグロス値(測定角度20度)を測定した。そして、グロス値が800以上の場合、汚染防止性があると判定し、グロス値が800未満の場合、汚染防止性が無いと判定した。結果は、表1及び表2に示した。なお、表1及び表2において、汚染防止性がある場合を「○」で示し、汚染防止性が無い場合を「×」で示した。
Figure 2017200978
Figure 2017200978
表1に示されるように、ゴム系粘着剤層に凝集改質剤(アルキルフェノール類)が配合されている実施例1〜12の粘着テープは、汚染防止性を備えていることが確かめられた。
これに対し、フェノール残基を含まない各種物質がゴム系粘着剤層に配合されている比較例1〜4の粘着テープは、表2に示されるように、汚染防止性を備えておらず、粘着テープを剥離した後のSUS板の表面に、目視で確認できる程度の汚れが付着していることが確かめられた。
各粘着テープにおいて、ポリ塩化ビニル系基材中に配合されているDOTP等の可塑剤は、分子拡散により、ゴム系粘着剤層へ移行すると推測される。ゴム系粘着剤層は、ポリ塩化ビニルとは異なり、DOTP等の可塑剤に対する親和性が低いため、移行した可塑剤は、ゴム系粘着剤層中で凝集し易くなると推測される。また、DOTPは、従来使用されていたDOPと比べて、結晶化し易い物質でもある。
したがって、各比較例の粘着テープでは、ゴム系粘着剤層において、可塑剤の凝集や、可塑剤に起因して固化等することにより特性が不均質となった部分が発生しているものと推測される。そして、このような粘着テープでは、凝集した可塑剤そのものや、不均質な粘着特性に起因する剥離応力の集中等によってゴム系粘着剤層が部分的にちぎれた部分が、被着体(SUS板)表面の汚染の原因になっていると推測される。
これに対し、各実施例の粘着テープでは、ゴム系粘着剤層中に、凝集改質剤(アルキルフェノール類)が配合されていると、可塑剤の凝集や、ゴム系粘着剤層の特性の不均質化等が抑制され、その結果、上記のように、被着体(SUS板)表面の汚染が抑制されると推測される。
各実施例の凝集改質剤は、疎水性であるアルキル基と、親水性であるフェノール水酸基とを併せ持った構造を備えている。そのため、アルキル基がゴム系粘着剤に対して適度な親和性を示すと共に、フェノール水酸基がDOTP等の可塑剤に対して適度な親和性を示すことで、凝集改質剤は、ゴム系粘着剤層中で、DOTP等の可塑剤が凝集することを抑制できるものと推測される。
ここで、実施例1、実施例11及び実施例12の粘着テープ同士を比較する。実施例11の粘着テープは、実施例1と比べて、基材中の可塑剤の配合量が少ない場合であり、実施例12の粘着テープは、実施例1と比べて、基材中の可塑剤の配合量が多い場合である。実施例11及び実施例12の各粘着テープは、基材中の可塑剤の配合量以外の条件は、実施例1と同じである。これらのうち、最もグロス値の高く汚染防止性に優れるものは、基材中の可塑剤の配合量が最も少ない実施例11の粘着テープ(グロス値:912)である。これに対し、最もグロス値の低く汚染防止性に劣るものは、基材中の可塑剤の配合量が最も多い実施例12の粘着テープ(グロス値:809)である。このように、粘着テープの基材は、被着体に対して直に接触する部分ではないものの、その基材中に配合された可塑剤の量によって、被着体表面の汚染の程度が変化すること(つまり、基材中の可塑剤量が増加すると被着体表面の汚染が増加すると共に、基材中の可塑剤量が減少すると、被着体表面の汚染が減少すること)が確認された。
次いで、実施例1、及び実施例6の粘着テープ同士を比較する。実施例6の粘着テープは、実施例1と比べて、粘着剤層中の可塑剤の配合量が少なくなっている。実施例6の粘着テープは、それ以外の条件は、実施例1と同じである。実施例6の粘着テープは、実施例1と比べてグロス値が低くなっている。粘着テープの粘着剤層は、被着体に直に接触する部分である。そのような粘着剤層中の可塑剤の配合量が多い方(実施例1)が、汚染防止性に優れること(グロス値が高いこと)が確かめられた。
10,10A…粘着テープ、11…ポリ塩化ビニル系基材、12…ゴム系粘着剤層、13…下塗り層

Claims (10)

  1. ポリ塩化ビニル系基材と、
    前記ポリ塩化ビニル系基材の少なくとも一面に形成されるゴム系粘着剤層とを備え、
    前記ポリ塩化ビニル系基材及び前記ゴム系粘着剤層は、可塑剤として下記一般式(1)で表されるベンゼンジカルボン酸エステルを含有し、
    前記ゴム系粘着剤層は、アルキルフェノール類からなる凝集改質剤を含有する粘着テープ。
    Figure 2017200978
    (式中、ベンゼン核の2つの置換基(−CO、−CO)がオルト位の場合、R及びRは炭素数が9以上でありかつ少なくとも1つの第三級炭素原子を含む分岐アルキル基からなり、ベンゼン核の2つの置換基(−CO、−CO)がメタ位又はパラ位の場合、炭素数が8以上でありかつ少なくとも1つの第三級炭素原子を含む分岐アルキル基からなる。なお、2つの置換基(−CO、−CO)は、同一又は互いに異なってもよい。)
  2. 前記アルキルフェノール類の酸価が、11〜150である請求項1に記載の粘着テープ。
  3. 前記ベンゼンジカルボン酸エステルは、粘着テープ中に、10質量%以上50質量%以下含まれている請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  4. 粘着テープ中に含まれる前記ベンゼンジカルボン酸エステルに対するアルキルフェノール類の割合(質量比)が、0.0005以上0.1以下である請求項1〜3の何れか一項に記載の粘着テープ。
  5. 前記ゴム系粘着剤層の厚みtbに対する前記ポリ塩化系ビニル基材の厚みtaの割合(ta/tb)が5以上15以下である請求項1〜4の何れか一項に記載の粘着テープ。
  6. 前記ポリ塩化系ビニル基材の厚みtaが、90μm以上110μm以下である請求項1〜5の何れか一項に記載の粘着テープ。
  7. 前記ポリ塩化系ビニル基材のJIS−K−7127に従って測定される最大伸びが100%以上である請求項1〜6の何れか一項に記載の粘着テープ。
  8. 前記アルキルフェノール類が有するアルキル部位は、イソプレン、イソプレン水素添加物、イソプレン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる請求項1〜7の何れか一項に記載の粘着テープ。
  9. 前記イソプレン誘導体が、テルペン、ロジン酸、テルペン誘導体、ロジン酸誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる請求項8に記載の粘着テープ。
  10. 金属板加工用である請求項1〜9の何れか一項に記載の粘着テープ。
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