以下に、換気装置の結露凍結防止装置、換気装置、換気装置の結露凍結防止方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる換気装置の結露凍結防止装置1の構成を示す図である。図1では換気装置の結露凍結防止装置1が換気装置である熱交換換気装置100に接続されて使用される場合を例に示している。なお、図1においては、結露凍結防止装置1および熱交換換気装置100の一面を透過して見た場合に見える構造を示している。また、以下では、換気装置の結露凍結防止装置1を単に結露凍結防止装置1と呼ぶ。
まず、熱交換換気装置100について説明する。熱交換換気装置100は、天井裏の空間に取り付けられ、図示しない接続されたダクトを通じて給排気によって室内を換気する装置である。熱交換換気装置100は、図示しない電源から駆動電力が供給される。図1に示すように、熱交換換気装置100の外郭を形成する筐体101は、第1面101aおよび第1面101aと対向する第2面101b、第3面103、第4面104を備える。第1面101aには、室外空気である外気を吸い込む室外側吸込口111が設けられ、第2面101bには、室外側吸込口111から吸い込んだ室外空気を室内へ供給する室内側吹出口110が、設けられている。また、第2面101bには、室内の空気を吸い込む室内側吸込口112が設けられ、第1面101aには、室内側吸込口112から吸い込んだ室内空気を室外へ排出する室外側排気口109が設けられている。
筐体101には、室外側吸込口111と室内側吹出口110とを連通する給気風路と、室内側吸込口112と室外側排気口109とを連通する排気通路とが形成され、給気風路および排気風路は互いに独立した風路になっている。また、筐体101には、熱交換器102が給気風路の途中および排気風路の途中に位置するように配置されている。熱交換器102の一部は、給気風路および排気風路のそれぞれの一部を構成し、給気風路を通る給気流と排気風路を通る排気流との間で全熱交換させている。また、給気風路の途中には、給気送風機121が配置され、給気流を生成している。排気風路の途中には、排気送風機122が配置され、排気流を生成している。なお、図1においては、給気流を破線矢印Aで示しており、排気流を実線矢印Bで示している。
また、筐体101には、熱交換換気装置100の動作を制御する制御部131が配置されている。給気送風機121および排気送風機122と通信可能とされており、給気送風機121および排気送風機122の動作を制御する。
また、制御部131は、例えば、図2に示したハードウェア構成の処理回路として実現される。図2は、本発明の実施の形態1にかかる処理回路のハードウェア構成の一例を示す図である。制御部131は、例えば、図2に示すプロセッサ151がメモリ152に記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実現してもよい。また、制御部131の機能のうちの一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサ151およびメモリ152を用いて実現するようにしてもよい。
熱交換器102は四角柱状の直方体の形状を有し、正面視において、筐体101の概ね中央に配置されている。そして、正面視において、正方形の4つの稜角部における2本の対角線が鉛直方向および水平方向になるように配置されている。換言すると、熱交換器102の4つの稜角部が、上下左右方向に位置している。熱交換器102は、給気流が通る熱交換器給気通路102aと、排気流が通る熱交換器排気通路102bとを有し、互いに独立した風路のまま、正面視では交差している。すなわち、熱交換器102は、給気風路と排気風路とを交差させて、給気流と排気流との間で熱交換を行わせる。
熱交換器102は、正面視において熱交換器102の1つ稜角部が筐体101を形成する第3面103、給気風路と排気風路とを仕切る仕切壁105、仕切壁106および仕切壁107に接するように組み込まれている。これにより、筐体101の内部は、外気室111a、還気室112a、給気室110aおよび排気室109aに区分されている。
つぎに、結露凍結防止装置1について説明する。結露凍結防止装置1は、天井裏の空間において熱交換換気装置100の周囲に取り付けられ、図示しない接続されたダクトを通じて室内空気と室外空気とを混合することにより、熱交換換気装置100の熱交換器102および熱交換換気装置100の結露および凍結を防止する装置である。結露凍結防止装置1は、図示しない電源から駆動電力が供給される。図1に示すように、結露凍結防止装置1の外郭を形成する筐体2は、第1面2aおよび第1面2aと対向する第2面2bと、第3面3と、第4面4とを備える。
第1面2aには、室外に連通した図示しないダクトから室外空気である外気を筐体2に導入する室外空気導入口5が設けられている。
第2面2bには、筐体2に導入された空気を熱交換換気装置100の室外側の吸込口である室外側吸込口111に導出する導出口6が設けられている。
第3面3には、室内に連通した図示しないダクトから室内空気を筐体2に導入する室内空気導入口7が設けられている。また、第3面3には、室内空気導入口7から筐体2に導入する室内空気の量を調整するために、室内空気導入口7を封鎖および開放可能な室内空気導入量調整用の開閉部であって筐体2における第1開閉部である第1開閉部8が設けられている。第1開閉部8は、室内空気導入口7を封鎖することにより室内空気導入口7から筐体2への室内空気の導入を停止でき、また、第1開閉部8を任意の角度で開いて室内空気導入口7を開放することにより室内空気導入口7から筐体2へ任意の流量で室内空気の導入可能とする。すなわち、室内空気導入口7は、室外空気導入口5と導出口6とを結ぶ給気風路に連通して設けられている。なお、通常時は、第1開閉部8は閉じており、室内空気導入口7は閉塞状態とされている。
第1開閉部8を開いた場合には、室内空気導入口7から筐体2へ室内空気が導入されることにより、筐体2の内部では、室外空気導入口5から筐体2に導入された室外空気と、室内空気導入口7から筐体2に導入された室内空気とが混合されて混合空気が生成される。室内の温度が室外の温度よりも高い場合には、混合空気の温度は、室外空気の温度より高く、室内空気の温度よりも低く、筐体2への室内空気の導入量により調整可能である。本実施の形態では、第1開閉部8は、電動機の自動制御により開閉可能なダンパにより構成されている。
結露凍結防止装置1の導出口6と熱交換換気装置100の室外側吸込口111とは、ダクトを介して接続されている。そして、室外空気導入口5と筐体2と導出口6とは、連通している。これにより、給気送風機121が生成する給気流の流れにより、室外に連通した図示しないダクトから室外空気導入口5を介して筐体2へ室外空気が導入される。なお、室外空気導入口5へ室外空気を導入するための専用の給気送風機を設けてもよい。
また、第1開閉部8を開いている場合には、室内空気導入口7と筐体2と導出口6とは、連通している。これにより、給気送風機121が生成する給気流の流れにより、室内に連通した図示しないダクトから室内空気導入口7を介して筐体2へ室内空気が導入される。なお、室内空気導入口7へ室内空気を導入するための専用の給気送風機を設けてもよい。
筐体2の内部で室内空気と室外空気とが混合されていない場合には、すなわち、第1開閉部8が閉鎖されており室内空気導入口7から室内空気が筐体2に導入されていない場合には、室外空気導入口5から筐体2に導入された室外空気が、そのまま結露凍結防止装置1の導出口6から熱交換換気装置100の室外側吸込口111に導出される。
また、筐体2の内部で室内空気と室外空気とが混合されている場合には、すなわち、第1開閉部8が開かれており室内空気導入口7から室内空気が筐体2に導入されている場合には、室内空気と室外空気とが混合された混合空気が結露凍結防止装置1の導出口6から熱交換換気装置100の室外側吸込口111に導出される。
また、結露凍結防止装置1は、室外空気の吸込温度を検出する温度検出部9と、温度検出部9の検出した室外温度に基づいて第1開閉部8の開度を制御する制御部10とを備えている。
温度検出部9は、導出口6の内側に配置されている。温度検出部9は、例えばサーミスタ等の温度センサを有し、導出口6から導出される空気の温度を既定の周期で測定する。温度検出部9は、温度センサにより検出した空気の温度の情報を温度信号として出力する。温度検出部9が出力した温度信号は、制御部10に入力される。なお、温度検出部9は、導出口6から導出される空気の温度を既定の周期で測定するのではなく、制御部10の制御により任意のタイミングで検出してもよい。
制御部10は、第1開閉部8および温度検出部9と通信可能とされており、温度検出部9の検出した室外温度を取得でき、また、電動機の自動制御により開閉するダンパの開閉を制御する。制御部10は、温度検出部9が出力した温度信号に基づいて、導出口6から導出される導出空気11cの温度が、熱交換換気装置100内の熱交換器102が凍結しない温度を基準値として、基準値未満であるか否かを判定する。そして、制御部10は、導出空気11cの温度が基準値未満であることを検出した場合に、室内空気導入量調整用の第1開閉部8の開閉および開度を調整する制御を行って、室内空気導入口7から筐体2への室内空気11bの導入および導入量を制御する。制御部10は、導出空気11cの温度が熱交換換気装置100の熱交換器102が凍結しない温度になるように、室内空気導入口7から筐体2へ導入して、室外空気導入口5から筐体2へ導入される室外空気11aと混合させる室内空気11bの量および割合を調整する。具体的には、制御部10は、熱交換換気装置100の熱交換器102が凍結しない温度としてあらかじめ設定されている既定の基準値である目標温度Tt以上になる開度に第1開閉部8の開閉量を調整する制御を行う。目標温度Ttは、あらかじめ制御部10に記憶されている。目標温度Ttは、熱交換換気装置100の熱交換器102が凍結しない下限温度とすることができるが、これに限定されない。目標温度Ttを該下限温度よりも高い温度とすることにより、後述する熱交換換気装置100および熱交換器102の結露および凍結を防止する効果が大きくなる。
すなわち、制御部10は、室内空気導入口7から筐体2へ導入される室内空気11bの量および割合を調整することにより、室外空気導入口5から筐体2に導入された室外空気11aと、室内空気導入口7から筐体2に導入された室内空気11bと、が筐体2内で合流して混合された混合空気の温度を、熱交換換気装置100の熱交換器102が凍結しない温度まで上昇させる制御を行う。具体的には、制御部10は、熱交換換気装置100の熱交換器102が凍結しない温度としてあらかじめ設定されている既定の基準値である目標温度Tt以上になる開度に第1開閉部8の開閉量を調整する制御を行う。
また、制御部10は、熱交換換気装置100の制御部131と同様に、例えば、プロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。また、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実現してもよい。また、制御部10の機能のうちの一部を電子回路として実装し、他の部分をプロセッサおよびメモリを用いて実現するようにしてもよい。
つぎに、結露凍結防止装置1の動作について説明する。図3は、本発明の実施の形態1にかかる結露凍結防止装置1の制御処理を説明するフローチャートである。
まず、ステップS10において熱交換換気装置100の換気運転の起動に合わせて結露凍結防止装置1の電源が投入される。電源投入時においては、ステップS20において、図4に示すように第1開閉部8のダンパはOFF状態、すなわち閉じており、室内空気導入口7は閉塞されている。図4は、本発明の実施の形態にかかる結露凍結防止装置1の第1開閉部8が閉じた状態を示す図である。
つぎに、ステップS30において制御部10は、電源投入後の安定時間t1(秒)が経過したか否かを判定する。初期安定時間t1は、電源投入後または第1開閉部8の動作後に結露凍結防止装置1が安定して正常動作できるようになるまでの待機時間である。安定時間t1(秒)が経過していないと判定された場合は、すなわちステップS30においてNoの場合は、制御部10は、ステップS30に戻る。
初期安定時間t1が経過していると判定された場合は、すなわちステップS30においてYesの場合は、ステップS40において制御部10は、導出口6から導出される室外空気の温度を温度検出部9に検出させる制御を行う。温度検出部9は、検出した空気の温度の情報を温度信号として制御部10に出力する。
なお、温度検出部9は、導出口6から導出される空気の温度を既定の周期で測定し、検出した空気の温度の情報を温度信号として制御部10に出力してもよい。電源投入の直後の状態では室内空気導入口7は閉塞されているため、温度検出部9は、室外空気導入口5から筐体2に導入された室外空気11aの温度を検出している。
そして、ステップS50において制御部10は、温度検出部9が検出した検出温度Taと目標温度Ttとを比較し、検出温度Taが目標温度Tt以上であるか否かを判定する。
検出温度Taが目標温度Tt以上である場合は、すなわちステップS50においてYesの場合は、熱交換器102は凍結しないため、制御部10はステップS20に戻る。すなわち、この場合は、室外空気11aの温度は、熱交換器102が凍結しない温度であるため、室外空気11aが熱交換器102に導入されることにより熱交換器102が凍ることがない。そして、制御部10は、第1開閉部8のダンパがOFF状態でステップS20からステップS50を繰り返す。
一方、検出温度Taが目標温度Tt未満である場合は、すなわちステップS50においてNoの場合は、熱交換器102が凍結する可能性があるため、ステップS60において制御部10は、第1開閉部8を制御して第1開閉部8のダンパの開度を30度の角度で開く。これにより、筐体2の内部では、室外空気導入口5から筐体2に導入された冷たい室外空気11aに、室内空気導入口7から筐体2に導入された暖かい室内空気11bが混合されて、混合空気が生成される。筐体2で生成される混合空気の温度は、室外空気導入口5から筐体2に導入された室外空気11aの温度よりも高く、室内空気導入口7から筐体2に導入された室内空気11bの温度よりも低くなる。そして、混合空気が導出空気11cとして導出口6から導出される。
そして、安定した混合空気の温度を検出するために、ステップS70において制御部10は、安定時間t2(秒)が経過したか否かを判定する。安定時間t2(秒)は、筐体2で室外空気11aと室内空気11bとの混合を開始した後に、混合空気の温度が安定するまでの時間である。安定時間t2(秒)が経過していないと判定された場合は、すなわちステップS70においてNoの場合は、制御部10は、ステップS70に戻る。
安定時間t2(秒)が経過したと判定された場合は、すなわちステップS70においてYesの場合は、ステップS80において制御部10は、温度検出部9が出力した温度情報から導出空気11cである混合空気の温度を再度、検出する。そして、ステップS90において制御部10は、温度検出部9が検出した導出空気11cの検出温度Tmと目標温度Ttとを比較し、検出温度Tmが目標温度Tt以上であるか否かを判定する。
検出温度Tmが目標温度Tt以上である場合は、すなわちステップS90においてYesの場合は、熱交換器102は凍結しないため、制御部10はステップS20に戻る。すなわち、この場合は、混合空気の温度は、熱交換器102が凍結しない温度まで上昇しているため、導出空気11cである混合空気が熱交換器102に導入されることにより熱交換器102が凍ることがない。
ここで、通常、室外空気11aは直ぐには変動しない。したがって、ステップS90においてYesの場合でも、ステップS20において直ぐに第1開閉部8のダンパをOFF状態、すなわち閉じてしまい、室内空気導入口7を閉塞してしまうと、導出口6から導出される導出空気11cは室外空気11aに戻ってしまう。このため、検出温度Taが目標温度Tt未満となってしまい、ステップS20からステップS90が短い時間で頻繁に繰り返されることになる。
したがって、制御部10はステップS90の後にステップS20を行う場合は、ステップS90の判定後、分単位から時間単位であらかじめ設定された長めの待機時間の経過後にステップS20を行うことが好ましい。
一方、検出温度Tmが目標温度Tt未満である場合は、すなわちステップS90においてNoの場合は、熱交換器102が凍結する可能性があるため、導出空気11cとして導出口6から導出される混合空気の温度を上昇させる必要がある。そこで、ステップS100において制御部10は、第1開閉部8を制御して第1開閉部8のダンパの開度を大きくして60度の角度で開く。
これにより、筐体2の内部では、室外空気導入口5から筐体2に導入された冷たい室外空気11aへの、室内空気導入口7から筐体2に導入された暖かい室内空気11bの混合量が増加し、さらに温度が上昇した混合空気が生成される。筐体2で生成される混合空気の温度は、ステップS60において生成されて導出空気11cとして導出口6から導出された混合空気の温度よりも高く、室内空気導入口7から筐体2に導入された室内空気11bの温度よりも低くなる。そして、さらに温度が上昇した混合空気が導出空気11cとして導出口6から導出される。
そして、安定した混合空気の温度を検出するために、ステップS110において制御部10は、安定時間t3(秒)が経過したか否かを判定する。安定時間t3(秒)は、筐体2において室外空気11aと室内空気11bとの混合を開始した後に、混合空気の温度が安定するまでの時間である。安定時間t3(秒)が経過していないと判定された場合は、すなわちステップS110においてNoの場合は、制御部10は、ステップS110に戻る。
一方、安定時間t3(秒)が経過したと判定された場合は、すなわちステップS110においてYesの場合は、制御部10は、ステップS80に戻る。なお、ここでのフローでは、第1開閉部8のダンパの開度を60度の角度で開くことにより、検出温度Tmが目標温度Tt以上となる場合を前提として示している。
以上の処理を行うことにより、結露凍結防止装置1は、温度を熱交換換気装置100の熱交換器102が凍結しない温度である目標温度Tt以上に高く上昇させた混合空気を熱交換換気装置100の室外側の吸込口である室外側吸込口111に導出することができる。これにより、結露凍結防止装置1は、冬季において室外温度が著しく低下した場合でも、熱交換器102において排気流の室内空気が給気流の室外空気によって冷却されて室内空気の含有水蒸気が熱交換器102内で結露することを防止することができる。
また、特に熱交換器102内が氷点下となることを抑制して、熱交換器102における結露を防止できるため、熱交換器102において結露した水滴が凍結して排気風路が目詰まりを起こすことに起因した、排気風量の低下を防止できる。そして、結露凍結防止装置1は、熱交換器102における結露した水滴の凍結に起因した熱交換器102の凍結を防止できる。
また、結露凍結防止装置1は、温度を高く上昇させた混合空気を熱交換換気装置100に供給することができるため、熱交換換気装置100の筐体101の温度を上昇させることができ、熱交換換気装置100の外表面での結露を防止できる。したがって、寒冷地での使用および外気温度が低いときの使用においても、使用条件の制限を緩和することができる。
また、結露凍結防止装置1は、熱交換器102または熱交換換気装置100が凍結した後に結氷を融解するのではなく、熱交換器102および熱交換換気装置100の凍結を防止するため、天井裏など熱交換換気装置100の配置場所に結露水が滴下することがない。また、結露凍結防止装置1は、ヒータ等の大きな部材を使用しないため安全であり、装置が大型化することがなく、ヒータを使用するための電力が不要であり、ランニングコストが安価である。
また、結露凍結防止装置1は、温度を上昇させた混合空気を給気送風機121に供給するため、給気送風機121自体の結露防止および冬季における冷たい室外空気を直接室内へ取り入れることを防止することが可能となる。
なお、上記においては、第1開閉部8にダンパを使用する場合について説明したが、第1開閉部8はこれに限定されない。第1開閉部8は、室内空気導入口7から筐体2への室内空気11bの導入量を調整できればよく、シャッター等の他の部品を用いてもよい。
また、上記においては、第1開閉部8の開度を30度および60度としたが、第1開閉部8の開度はこれに限定されない。第1開閉部8の開度は、室外空気11aの温度、使用される地域および使用する月など諸条件により適宜設定されればよい。また、第1開閉部8の開度は、2段階に限定されず、温度検出部9での混合空気の検出温度が目標温度Tt以上に高くなるまで第1開閉部8の開度を大きくできるように、3段階以上の任意の段階に設定できるようにしてもよい。さらに、混合空気の温度を安定させる為の安定時間t1,t2,t3は、同じ時間であってもよく、それぞれ異なる時間であってもよい。
上述したように、本実施の形態1にかかる結露凍結防止装置1は、室外空気11aの温度に応じて制御部10が第1開閉部8のダンパの開閉を制御することにより室外空気11aに室内空気11bを混合させ、また、混合空気の温度に応じて第1開閉部8のダンパの開度を制御することにより、室外空気11aと混合させる室内空気11bの割合を調整して、熱交換換気装置100の熱交換器102が凍結しない温度である目標温度Tt以上に高く上昇させた混合空気を生成する。そして、結露凍結防止装置1は、生成した混合空気を熱交換換気装置100の室外側の吸込口である室外側吸込口111に導出する。これにより、結露凍結防止装置1は、熱交換換気装置100および熱交換器102の結露および凍結を防止することができる。すなわち、本実施の形態1においては、結露凍結防止装置1において、室外から導入した室外空気11aの温度を検出する第1工程と、室外空気11aの温度が既定の基準値未満である場合に、室内から室内空気11bを導入して室外空気11aと混合させて混合空気を生成する第2工程と、混合空気を換気装置100に導入する第3工程とが実施されることにより、熱交換換気装置100および熱交換器102の結露および凍結を防止することができる。
したがって、本実施の形態1にかかる結露凍結防止装置1は、室外温度が低下した場合でもヒータを使用することなく熱交換換気装置100の凍結および結露を防止しつつ換気運転を行うことを可能とする。
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2にかかる換気装置である熱交換換気装置200を示す図である。図5においては、熱交換換気装置200の一面を透過して見た場合に見える構造を示している。実施の形態2にかかる熱交換換気装置200は、実施の形態1にかかる熱交換換気装置100に対して、実施の形態1にかかる結露凍結防止装置1の機能を内蔵させたものである。すなわち、熱交換換気装置200は、結露凍結防止装置1と同じ結露凍結防止機能を有する。熱交換換気装置200が、熱交換換気装置100と異なる点は、室内空気導入口21、筐体101の外気室111aにおける第1開閉部であって室内空気導入量調整用の開閉部である第2開閉部22、温度検出部23および制御部24を備える点である。
室内空気導入口21は、結露凍結防止装置1における室内空気導入口7に対応し、室内空気導入量調整用の第2開閉部22は、結露凍結防止装置1における第1開閉部8に対応し、温度検出部23は、結露凍結防止装置1における温度検出部9に対応し、制御部24は、結露凍結防止装置1における制御部10に対応している。
すなわち、室内空気導入口21、室内空気導入量調整用の第2開閉部22、温度検出部23および制御部24は、基本的にそれぞれ室内空気導入口7、室内空気導入量調整用の第1開閉部8、温度検出部9および制御部10と同じ機能を有する。なお、結露凍結防止装置1における室外空気導入口5の機能は、室外側吸込口111が兼ねている。また、制御部24は、熱交換換気装置100における制御部131の機能を兼ねている。そして、制御部24は、熱交換換気装置100の熱交換器102が凍結しない温度としてあらかじめ設定されている既定の基準値である目標温度Tt以上になる開度に第2開閉部22の開閉量を調整する制御を行う。
室内空気導入口21は、第3面103に設けられ、室内に連通した図示しないダクトから室内空気を外気室111aに導入する。第2開閉部22は、第3面103に設けられ、室内空気導入口21から外気室111aに導入する室内空気11bの量を調整するために、制御部24の制御により室内空気導入口21を封鎖および開放する。
温度検出部23は、外気室111aにおける給気風路上であって室外側吸込口111から導入された室外空気11aと室内空気導入口21から導入された室内空気11bとの合流位置または合流位置よりも下流に配置され、外気室111aから熱交換器102に流入する空気の温度を検出する。制御部24は、温度検出部23の検出した空気の温度に基づいて第2開閉部22の開度を制御する。
つぎに、熱交換換気装置200が換気運転を実施している際の結露凍結防止機能の動作について説明する。図6は、本発明の実施の形態2にかかる熱交換換気装置200の結露凍結防止機能の制御処理を説明するフローチャートである。
まず、ステップS210において熱交換換気装置200の電源が投入されて換気運転が開始される。電源投入時においては、ステップS220において、第2開閉部22のダンパはOFF状態、すなわち閉じており、室内空気導入口21は閉塞されている。
つぎに、ステップS230において制御部24は、電源投入後の安定時間t11(秒)が経過したか否かを判定する。初期安定時間t11は、電源投入後または第2開閉部22の動作後に熱交換換気装置200が安定して正常動作できるようになるまでの待機時間である。安定時間t11(秒)が経過していないと判定された場合は、すなわちステップS230においてNoの場合は、制御部24は、ステップS230に戻る。
ここで、温度検出部23は、外気室111aから熱交換器102に流入する空気の温度を既定の周期で測定し、検出した空気の温度の情報を温度信号として制御部24に出力している。この状態では室内空気導入口21は閉塞されているため、温度検出部23は、室外側吸込口111から筐体101に導入された室外空気11aの吸込温度を検出している。
初期安定時間t11が経過していると判定された場合は、すなわちステップS230においてYesの場合は、ステップS240において制御部24は、室外側吸込口111から筐体101の外気室111aに導入された室外空気11aの吸込温度を温度検出部23に検出させる制御を行う。温度検出部23は、検出した空気の温度の情報を温度信号として制御部24に出力する。そして、ステップS250において制御部24は、温度信号に基づいて、温度検出部23が検出した検出温度Taと目標温度Ttとを比較し、検出温度Taが目標温度Tt以上であるか否かを判定する。目標温度Ttは、あらかじめ制御部24に記憶されている。
検出温度Taが目標温度Tt以上である場合は、すなわちステップS250においてYesの場合は、熱交換器102は凍結しないため、制御部24はステップS220に戻る。すなわち、この場合は、室外空気11aの温度は、熱交換器102が凍結しない温度であるため、室外空気11aが熱交換器102に導入されることにより熱交換器102が凍ることがない。そして、制御部24は、第2開閉部22のダンパがOFF状態でステップS220からステップS250を繰り返す。
一方、検出温度Taが目標温度Tt未満である場合は、すなわちステップS250においてNoの場合は、熱交換器102が凍結する可能性があるため、ステップS260において制御部24は、第2開閉部22を制御して第2開閉部22のダンパの開度を30度の角度で開く。これにより、筐体101の外気室111aの内部では、室外側吸込口111から筐体101の外気室111aに導入された冷たい室外空気11aに、室内空気導入口21から筐体101の外気室111aに導入された暖かい室内空気11bが混合されて、混合空気が生成される。筐体101の外気室111aで生成される混合空気の温度は、室外側吸込口111から筐体101の外気室111aに導入された室外空気11aの温度よりも高く、室内空気導入口21から筐体101の外気室111aに導入された室内空気11bの温度よりも低くなる。そして、混合空気が給気流として熱交換器102に導入される。
そして、安定した混合空気の温度を検出するために、ステップS270において制御部24は、安定時間t12(秒)が経過したか否かを判定する。安定時間t2(秒)は、筐体101の外気室111aで室外空気11aと室内空気11bとの混合を開始した後に、混合空気の温度が安定するまでの時間である。安定時間t12(秒)が経過していないと判定された場合は、すなわちステップS270においてNoの場合は、制御部24は、ステップS270に戻る。
安定時間t12(秒)が経過したと判定された場合は、すなわちステップS270においてYesの場合は、ステップS280において制御部24は、温度検出部23が出力した温度情報から混合空気の温度を再度、検出する。そして、ステップS290において制御部24は、温度検出部23が検出した混合空気の検出温度Tmと、熱交換換気装置200の熱交換器102が凍結しない温度としてあらかじめ設定されている目標温度Ttとを比較し、検出温度Tmが目標温度Tt以上であるか否かを判定する。
検出温度Tmが目標温度Tt以上である場合は、すなわちステップS290においてYesの場合は、熱交換器102は凍結しないため、制御部24はステップS220に戻る。すなわち、この場合は、混合空気の温度は、熱交換器102が凍結しない温度まで上昇しているため、混合空気が熱交換器102に導入されることにより熱交換器102が凍ることがない。
ここで、通常、室外空気11aは直ぐには変動しない。したがって、ステップS290においてYesの場合でも、ステップS220において直ぐに第2開閉部22のダンパをOFF状態、すなわち閉じてしまい、室内空気導入口21を閉塞してしまうと、給気流として熱交換器102に導入される空気は、室外空気11aに戻ってしまう。このため、検出温度Taが目標温度Tt未満となってしまい、ステップS220からステップS290が短い時間で頻繁に繰り返されることになる。
したがって、制御部24はステップS290の後にステップS220を行う場合は、ステップS290の判定後、分単位から時間単位であらかじめ設定された長めの待機時間の経過後にステップS220を行うことが好ましい。
一方、検出温度Tmが目標温度Tt未満である場合は、すなわちステップS290においてNoの場合は、熱交換器102が凍結する可能性があるため、混合空気の温度を上昇させる必要がある。そこで、ステップS300において制御部24は、第2開閉部22を制御して第2開閉部22のダンパの開度を大きくして60度の角度で開く。
これにより、筐体101の外気室111aの内部では、室外側吸込口111から筐体101の外気室111aに導入された冷たい室外空気11aへの、室内空気導入口21から筐体101の外気室111aに導入された暖かい室内空気11bの混合量が増加し、さらに温度が上昇した混合空気が生成される。筐体101の外気室111aで生成される混合空気の温度は、ステップS260において外気室111aで生成された混合空気の温度よりも高く、室内空気導入口21から筐体101の外気室111aに導入された室内空気11bの温度よりも低くなる。そして、さらに温度が上昇した混合空気が給気流として熱交換器102に導入される。
そして、安定した混合空気の温度を検出するために、ステップS310において制御部24は、安定時間t13(秒)が経過したか否かを判定する。安定時間t13(秒)は、筐体101の外気室111aにおいて室外空気11aと室内空気11bとの混合を開始した後に、混合空気の温度が安定するまでの時間である。安定時間t13(秒)が経過していないと判定された場合は、すなわちステップS310においてNoの場合は、制御部24は、ステップS310に戻る。
一方、安定時間t13(秒)が経過したと判定された場合は、すなわちステップS310においてYesの場合は、制御部24は、ステップS280に戻る。なお、ここでのフローでは、第2開閉部22のダンパの開度を60度の角度で開くことにより、検出温度Tmが目標温度Tt以上となる場合を前提として示している。
上述したように、本実施の形態2にかかる熱交換換気装置200では、結露凍結防止装置1と同様の効果を有する。すなわち、熱交換換気装置200は、室外空気11aの温度に応じて制御部24が第2開閉部22のダンパの開閉および開度を制御することにより、室外空気11aに室内空気11bを混合させ、また室外空気11aと混合させる室内空気11bの割合を調整して、熱交換器102が凍結しない温度である目標温度Tt以上に高く上昇させた混合空気を生成する。そして、熱交換換気装置200は、生成した混合空気を熱交換器102に導入する。これにより、熱交換換気装置200は、結露凍結防止装置1と同様に、熱交換換気装置200および熱交換器102の結露および凍結を防止することができる。
したがって、本実施の形態2にかかる熱交換換気装置200は、室外温度が低下した場合でもヒータを使用することなく熱交換換気装置200の凍結および結露を防止しつつ換気運転を行うことが可能である。
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3にかかる換気装置の結露凍結防止装置31の構成を示す図である。図7では換気装置の結露凍結防止装置31が換気装置である熱交換換気装置100に接続されて使用される場合を例に示している。なお、図7においては、結露凍結防止装置31および熱交換換気装置100の一面を透過して見た場合に見える構造を示している。また、以下では、換気装置の結露凍結防止装置31を単に結露凍結防止装置31と呼ぶ。
結露凍結防止装置31は、上述した実施の形態1にかかる結露凍結防止装置1に対して筐体2における第2開閉部である室外空気量調整用の第3開閉部32を追加することにより、筐体2に導入する室外空気11aの量を調整できる室外空気導入量調整機能が追加されている。すなわち、結露凍結防止装置31は、基本的に結露凍結防止装置1の効果を有する。そして、第3開閉部32は、室外空気導入口5から筐体2に導入する室外空気11aの量を調整するために、筐体2の第1面2aに設けられている。
第3開閉部32は、開度を調整することにより、室外空気導入口5から筐体2へ導入する室外空気11aの量を任意の流量で調整可能である。なお、通常時は、第3開閉部32は全開の状態とされており、室外空気導入口5は開放状態とされている。本実施の形態では、第3開閉部32は、電動機の自動制御により開閉可能なダンパにより構成されている。
結露凍結防止装置31は、室外空気導入量調整機能を有することにより、混合空気を生成する際の室外空気11aと室内空気11bとの混合割合のパターンを増やすこができる。さらに、筐体2に導入する量が一定とされた室内空気11bに室内空気11bを混合するだけでは熱交換換気装置100および熱交換器102の結露および凍結の防止効果が得られないおそれのある、著しく低い温度の室外空気11aにも対応することができる。
つぎに、結露凍結防止装置31の動作について説明する。図8は、本発明の実施の形態3にかかる結露凍結防止装置31の制御処理を説明するフローチャートである。なお、結露凍結防止装置31の基本的な動作は、実施の形態1にかかる結露凍結防止装置1と同じであるため、結露凍結防止装置31の詳細な制御フローの説明は説明を省略し、ここでは第3開閉部32に関連する処理についてのみ説明する。図8においては、図3に示したフローチャートと同じ処理については、同じステップ番号を付している。
例えば、上述した図8に示したステップS102において、制御部10は、第1開閉部8を制御して第1開閉部8のダンパの開度を60度にすることで、筐体2への暖かい室外空気11aの導入量を増やすとともに、第3開閉部32のダンパの開度を全開の状態から開度30度の状態に変更することで筐体2への冷たい室外空気11aの導入量を減らす。これにより、筐体2で生成される混合空気の温度をより高くすることができ、より確実に熱交換換気装置100および熱交換器102の結露および凍結を防止することができる。なお、ここでのフローでは、第1開閉部8のダンパを60度の角度で開き、第3開閉部32のダンパを30度の角度で開くことにより、検出温度Tmが目標温度Tt以上となる場合を前提として示している。
なお、上記においては、第3開閉部32にダンパを使用する場合について説明したが、第3開閉部32はこれに限定されない。第3開閉部32は、室外空気導入口5から筐体2への室外空気11aの導入量を調整可能であればよく、シャッター等の他の部品を用いてもよい。
また、上記においては、第3開閉部32の開度を30度としたが、第3開閉部32の開度はこれに限定されない。第3開閉部32の開度は、室外空気11aの温度、使用される地域および使用する月など諸条件により適宜設定されればよい。また、第3開閉部32の開度は、任意の複数段階に設定できるようにしてもよい。
したがって、本実施の形態3にかかる結露凍結防止装置31は、実施の形態1にかかる結露凍結防止装置1と同様に、室外温度が低下した場合でもヒータを使用することなく熱交換換気装置100の凍結および結露を防止しつつ換気運転を行うことを可能とする。
そして、本実施の形態3にかかる結露凍結防止装置31は、第3開閉部32を備えることにより、混合空気を生成する際の室外空気11aと室内空気11bとの混合割合のパターンを増やすことができる。これにより、混合空気の温度の制御の自由度が大きくなり、また混合空気の温度をより上昇させることができるため、特に冬季において室外温度11aが著しく低下した場合でも熱交換換気装置100および熱交換器102の結露および凍結の防止効果が得られる。
実施の形態4.
図9は、本発明の実施の形態4にかかる換気装置である熱交換換気装置300を示す図である。図9においては、熱交換換気装置300の一面を透過して見た場合に見える構造を示している。実施の形態4にかかる熱交換換気装置300は、上述した実施の形態2にかかる熱交換換気装置200に対して、実施の形態3にかかる結露凍結防止装置31の室外空気導入量調整機能を内蔵させたものである。
熱交換換気装置300は、実施の形態2にかかる熱交換換気装置200に対して筐体101の外気室111aにおける第2開閉部である室外空気量調整用の第4開閉部41を追加することにより、筐体101の外気室111aに導入する室外空気11aの量を調整できる室外空気導入量調整機能が追加されている。すなわち、熱交換換気装置300は、基本的に実施の形態2にかかる熱交換換気装置200と同じ結露凍結防止機能を有する。そして、第4開閉部41は、室外側吸込口111から筐体101の外気室111aに導入する室外空気11aの量を調整するために、筐体101の第1面101aに設けられている。
第4開閉部41は、開度を調整することにより、室外側吸込口111から筐体101の外気室111aに導入する室外空気11aの量を任意の流量で調整可能である。なお、通常時は、第4開閉部41は全開の状態とされており、室外側吸込口111は開放状態とされている。本実施の形態では、第4開閉部41は、電動機の自動制御により開閉可能なダンパにより構成されている。
熱交換換気装置300は、室外空気導入量調整機能を有することにより、混合空気を生成する際の室外空気11aと室内空気11bとの混合割合のパターンを増やすことができる。さらに、筐体2に導入する量が一定とされた室内空気11bに室内空気11bを混合するだけでは熱交換換気装置300および熱交換器102の結露および凍結の防止効果が得られないおそれのある、著しく低い温度の室外空気11aにも対応することができる。
つぎに、熱交換換気装置300の動作について説明する。図10は、本発明の実施の形態4にかかる熱交換換気装置300の制御処理を説明するフローチャートである。なお、熱交換換気装置300の基本的な動作は、実施の形態2にかかる熱交換換気装置200と同じであるため、熱交換換気装置300の詳細な制御フローの説明は説明を省略し、ここでは第4開閉部41に関連する処理についてのみ説明する。図10においては、図6に示したフローチャートと同じ処理については、同じステップ番号を付している。
例えば、上述した図10に示したステップS302において、制御部24は、第2開閉部22を制御して第2開閉部22のダンパの開度を60度にすることで、筐体101の外気室111aへの暖かい室内空気11bの導入量を増やすとともに、第4開閉部41のダンパの開度を全開の状態から開度30度の状態に変更することで筐体101の外気室111aへの冷たい室外空気11aの導入量を減らす。これにより、筐体101の外気室111aで生成される混合空気の温度をより高くすることができ、より確実に熱交換換気装置300および熱交換器102の結露および凍結を防止することができる。なお、ここでのフローでは、第2開閉部22のダンパを60度の角度で開き、第4開閉部41のダンパを30度の角度で開くことにより、検出温度Tmが目標温度Tt以上となる場合を前提として示している。
なお、上記においては、第4開閉部41にダンパを使用する場合について説明したが、第4開閉部41はこれに限定されない。第4開閉部41は、室外側吸込口111から筐体101の外気室111aへの室外空気11aの導入量を調整可能であればよく、シャッター等の他の部品を用いてもよい。
また、上記においては、第4開閉部41の開度を30度としたが、第4開閉部41の開度はこれに限定されない。第4開閉部41の開度は、室外空気11aの温度、使用される地域および使用する月など諸条件により適宜設定されればよい。また、第4開閉部41の開度は、任意の複数段階に設定できるようにしてもよい。
したがって、本実施の形態4にかかる熱交換換気装置300は、実施の形態2にかかる熱交換換気装置200と同様に、室外温度が低下した場合でもヒータを使用することなく熱交換換気装置300の凍結および結露を防止しつつ換気運転を行うことが可能である。
そして、本実施の形態4にかかる熱交換換気装置300は、第4開閉部41を備えることにより、混合空気を生成する際の室外空気11aと室内空気11bとの混合割合のパターンを増やすことができる。これにより、混合空気の温度の制御の自由度が大きくなり、また混合空気の温度をより上昇させることができるため、特に冬季において室外温度11aが著しく低下した場合でも熱交換換気装置300および熱交換器102の結露および凍結の防止効果が得られる。
実施の形態5.
図11は、本発明の実施の形態5にかかる換気装置の結露凍結防止装置51の構成を示す図である。図11では換気装置の結露凍結防止装置51が換気装置である熱交換換気装置100に接続されて使用される場合を例に示している。なお、図11においては、結露凍結防止装置51および熱交換換気装置100の一面を透過して見た場合に見える構造を示している。また、以下では、換気装置の結露凍結防止装置51を単に結露凍結防止装置51とよぶ。
結露凍結防止装置51は、上述した実施の形態1にかかる結露凍結防止装置1に対して、熱交換換気装置100内の熱交換器102に入る前に霜を取る霜取り用フィルタ52と、霜取り用フィルタ52で捕集された結露水を溜めておくためのドレンパン53とを追加することにより、霜取り機能が追加されている。すなわち、結露凍結防止装置51は、基本的に結露凍結防止装置1の効果を有する。そして、霜取り用フィルタ52は、導出口6の開口先端部に設けられている。また、ドレンパン53は、霜取り用フィルタ52の下部に設けられている。
霜取り機能を追加することで、万一、熱交換換気装置100内の熱交換器102を凍結させるような極低温の室外空気11aが結露凍結防止装置51に入ってきた場合でも、熱交換換気装置100内の熱交換器102に入る前に、室外空気11aまたは混合空気による霜を霜取り用フィルタ52で取ることができるため、熱交換器102の凍結を防止できる。また、室内空気を混合させたことにより混合空気に生じた霜が霜取り用フィルタ52に付いて解けた場合でも、ドレンパン53に結露水をためることができるため、結露水の天井裏などの設置場所への滴下することも防止できる。
なお、上記においてはドレンパン53を用いる場合について説明したが、霜取り用フィルタ52から室外まで延びるドレンパイプを設けて、ドレンパイプを介して結露水を室外へ排出するような構成にしてもよい。また、霜取り用フィルタ52およびドレンパン53は、実施の形態2にかかる熱交換換気装置200、実施の形態3にかかる結露凍結防止装置31、および実施の形態4にかかる熱交換換気装置300のいずれにも追加することが可能であり、上述した効果が得られる。
熱交換換気装置200および熱交換換気装置300に霜取り用フィルタ52およびドレンパン53を設ける場合は、筐体101の外気室111aにおける熱交換器102の上流側の位置、すなわち、熱交換換気装置100内の給気風路上の位置であって室外側吸込口111よりも下流側、且つ熱交換器102の上流側の位置に設けられる。
したがって、本実施の形態5にかかる結露凍結防止装置51は、実施の形態1にかかる結露凍結防止装置1と同様に、室外温度が低下した場合でもヒータを使用することなく熱交換換気装置100の凍結および結露を防止しつつ換気運転を行うことを可能とする。
そして、本実施の形態5にかかる結露凍結防止装置51は、霜取り用フィルタ52およびドレンパン53を備えることにより、室外空気11aが極低温の場合でも、熱交換器102の凍結を確実に防止でき、また、結露水の天井裏などの設置場所への滴下することを防止できる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。