JP2017198312A - 油圧式クラッチ装置及びトラクター - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチドラムの大型化を回避しつつ、皿バネによる強い操作力で入り状態に操作できる油圧式クラッチ装置を提供する。【解決手段】重なった皿バネ32の総合弾性復元力によって多板摩擦クラッチ部42を入り状態に押圧操作する。油圧が供給された油圧ピストン31によって皿バネ32の押圧操作を解除することで多板摩擦クラッチ部42を切り状態に操作する。皿バネ32及び油圧ピストン31が、クラッチドラム40におけるドラム部40bとボス部40aとを連結するリム部40cに対して多板摩擦クラッチ部42が位置する側と反対側に位置している。リム部40cをスライド可能に挿通し、皿バネ32の弾性復元力を多板摩擦クラッチ部42に伝達する操作力伝達部材48を備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンからの駆動力が入力される入力回転体と駆動対象部に出力する出力回転体との一方に相対回転不能に支持されたクラッチドラムと、前記入力回転体と前記出力回転体との他方に相対回転不能に支持されたクラッチハブと、前記クラッチドラムと前記クラッチハブとに亘って設けられた多板摩擦クラッチ部と、を備える油圧式クラッチ装置、及び油圧式クラッチ装置を備えるトラクターに関する。
上記した油圧式クラッチ装置において、従来、例えば特許文献1に示されるように、皿バネによって多板摩擦クラッチ部(公報では、摩擦板)を密着させて入り状態とし、圧油によって作動板が皿バネに抗して押し操作され、多板摩擦クラッチ部の密着状態が解かれるものがあった。この種の油圧式クラッチ装置は、エンジンの停止時など、油圧を供給できない場合において、皿バネが作用することによって入り状態に操作できるものである。
特開昭59−192619公報
この種の従来の油圧式クラッチ装置の場合、皿バネがクラッチドラム(公報では、クラッチケース)の内部に設けられており、強い入り操作力を現出させるには、皿バネの外径を大きくするとか、皿バネの数を多くする必要があり、クラッチドラムの外径を大きくしたり、クラッチドラムの回転軸芯に沿う方向での長さを長くしたりする必要があり、油圧式クラッチ装置が大型になりがちである。
本発明は、クラッチドラムの大型化を回避しつつ皿バネによる強い入り操作をできる油圧式クラッチ装置を提供する。
本発明による油圧式クラッチ装置は、
エンジンからの駆動力が入力される入力回転体と駆動対象部に出力する出力回転体との一方に相対回転不能に支持されたクラッチドラムと、
前記入力回転体と前記出力回転体との他方に相対回転不能に支持されたクラッチハブと、
前記クラッチドラムと前記クラッチハブとに亘って設けられた多板摩擦クラッチ部と、
前記クラッチドラムの回転軸芯に沿う方向に重なった皿バネ、及び前記回転軸芯に沿う方向にスライド可能な油圧ピストンを有し、前記皿バネの弾性復元力によって前記多板摩擦クラッチ部を入り状態に押圧操作し、油圧が供給された前記油圧ピストンによって前記皿バネの前記押圧操作を解除することで前記多板摩擦クラッチ部を切り状態に操作する操作部と、を備え、
前記クラッチドラムは、前記多板摩擦クラッチ部が係合するドラム部と、前記入力回転体と前記出力回転体との一方に支持されるボス部と、前記ドラム部と前記ボス部とを連結するリム部とを備え、
前記皿バネ及び前記油圧ピストンが、前記リム部に対して前記多板摩擦クラッチ部が位置する側と反対側に位置し、
前記リム部を前記回転軸芯に沿う方向にスライド可能に挿通し、前記皿バネの弾性復元力を前記多板摩擦クラッチ部に伝達する操作力伝達部材を備える。
本構成によると、皿バネがクラッチドラムの外部に位置するので、クラッチドラムの外径を大きくしたり、クラッチドラムの回転軸芯方向での長さを長くしたりせずに、外径が大きい皿バネを採用したり、皿バネの数を多くしたりして、皿バネの強い弾性復元力を得ることができる。
従って、クラッチドラムの大型化を回避しつつ、皿バネの強い弾性復元力によって伝達トルクが高いクラッチ入り状態を得ることができ、エンジン稼働時には高トルクの駆動力を伝達することができ、かつエンジン停止などによって油圧を得られない場合でも入り状態によって制動力を伝達することができるなど有利な油圧式クラッチ装置をコンパクトな状態で得ることができる。
本発明においては、前記皿バネに対して前記多板摩擦クラッチ部が位置する側と反対側に設けられ、前記皿バネの位置調節を行なうストッパー部材を備えると好適である。
本構成によれば、ストッパー部材による皿バネの位置調節を行なうことにより、重なる皿バネの総合弾性復元力の強さを調節できるので、各皿バネが備える弾性復元力の強さが異なる場合でも、重なる皿バネの総合弾性復元力を必要な強さの弾性復元力に調節し易い。
本発明においては、前記皿バネは、前記油圧ピストンに対して前記リム部が位置する側と反対側に位置し、前記リム部と前記油圧ピストンとの間に、前記油圧ピストンに油圧を供給するピストン室が形成されていると好適である。
本構成によれば、リム部をピストン室の壁部材に活用した簡素な構造でピストン室を形成できる。
本発明においては、前記皿バネと前記油圧ピストンとの間に介装され、前記駆動対象部に制動作用する制動部材が前記皿バネの外周部と前記油圧ピストンの外周部との間に入り込む空間を形成するスペーサを備え、前記操作力伝達部材が前記油圧ピストンに支持されていると好適である。
本構成によれば、油圧式クラッチ装置と制動部材とを、皿バネの径方向に寄り合って纏まって位置するコンパクトな状態で配備できる。
本発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の油圧式クラッチ装置を備えるトラクターにおいて、前記駆動対象部が車輪である。
本構成によれば、エンジンの稼働時においても、停止時においても、皿バネの強い弾性復元力によって車輪への伝動系をしっかり入り状態にできる。
本発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の油圧式クラッチ装置を備えるトラクターにおいて、前記エンジンからの駆動力を後車輪に伝達する後輪伝動系から前車輪に駆動力を伝達する前輪伝動系を備え、前記入力回転体及び前記出力回転体は、前記前輪伝動系に設けられている。
本構成によれば、エンジンの稼働時であっても、停止時であっても、皿バネの強い弾性復元力によって前輪伝動系をしっかり入り状態にでき、前車輪に高トルクの駆動力を伝達するとか、後輪伝動系に位置するブレーキを前車輪にしっかり効かせたりすることができる。
トラクターの全体を示す右側面図である。 伝動系を示すブロック図である。 入り状態の油圧式クラッチ装置を示す断面図である。 切り状態の油圧式クラッチ装置を示す断面図である。 操作力伝達部材を示す後面図である。 操作力伝達部材を示す断面図である。 別の実施構造を備える操作力伝達部材を示す断面図である。
以下、図面に基づいて、本発明に係る油圧式クラッチ装置をトラクターに適用した場合について説明する。
図1は、トラクターの全体を示す右側面図である。図1に示すように、トラクターは、エンジン1、エンジン1の後部に連結されたクラッチハウジング2、及びクラッチハウジング2の後部に前部が連結されたミッションケース3によって構成された車体フレーム4を備えている。車体フレーム4の前部に左右一対の前車輪5が駆動可能かつ操向操作可能に装備されている。車体フレーム4の後部に左右一対の後車輪6が駆動可能に装備されている。車体におけるエンジン1の後側の部位に、運転座席7a及びステアリングホィール7bを備えた運転部7が設けられている。車体フレーム4の後部に、ロータリ耕耘装置(図示せず)などの各種の作業装置を昇降操作可能に連結するリンク機構8、及び連結した作業装置にエンジン1からの駆動力を伝達する動力取出し軸9が設けられている。
エンジン1からの駆動力が、図2に示す伝動系によって前車輪5及び後車輪6に伝達されるよう構成してある。具体的には、エンジン1の出力軸1aの駆動力が、主クラッチ11を介してミッションケース3に入力される。ミッションケース3に入力された駆動力がトランスミッション12を有した後輪伝動系13によって後輪差動機構14に伝達される。トランスミッション12には、ミッションケース3に入力された駆動力を前進駆動力と後進駆動力とに変換する前後進切換え部(図示せず)と、前後進切換え部の出力を複数段に変速する主変速部(図示せず)と、主変速部の出力を高速と低速とに変速する副変速部とが備えられている。後輪差動機構14から左の後車輪6への伝動系と、後輪差動機構14から右の後車輪6への伝動系とに、走行用のブレーキ16を設けてある。
図2に示すように、後輪伝動系13の途中から前輪伝動系17によって前輪差動機構18に駆動力が伝達される。具体的には、図3に示すように、後輪伝動系13における副変速部の副変速出力軸20に、前輪伝動系17の動力取出しギア17aを相対回転不能に設けてある。副変速部の出力が前輪伝動系17によって前車輪5に伝達される。
前輪伝動系17に、後輪伝動系13から駆動力を駆動対象部としての前車輪5に伝達する入り状態と、前車輪5への駆動力伝達を絶つ切り状態とに切換え可能な油圧式クラッチ装置30を設けてある。油圧式クラッチ装置30を入り状態に切換えることにより、左右の前車輪5及び左右の後車輪6を駆動する4輪駆動の形態で車体を走行させることができる。油圧式クラッチ装置30を切り状態に切換えることにより、左右の前車輪5を駆動せずに、左右の後車輪6を駆動する2輪駆動の形態で車体を走行させることができる。
油圧式クラッチ装置30は、図3,4に示すように、入力回転体としての入力ギア33、出力回転体としての出力軸34、入力ギア33と出力軸34とにわたって設けられたクラッチ機構35を備えている。クラッチ機構35には、油圧ピストン31及び複数枚の皿バネ32を有した操作部36が装備されている。本実施例では、6枚の皿バネ32が採用されている。
入力ギア33は、図3,4に示すように、ベアリング37を介して出力軸34に相対回転可能に支持された状態で動力取出しギア17aに噛み合っている。入力ギア33は、エンジン1からの駆動力が動力取出しギア17aを介して入力され、入力された駆動力によって出力軸34の軸芯を回転軸芯Xとして回転駆動される。
出力軸34は、ミッションケース3の支持部3aにベアリング38を介して回転可能に支持されている。図2に示すように、出力軸34の一端側が回転軸39を介して前輪差動機構18の入力軸18aに連動連結されている。出力軸34の駆動力が回転軸39及び前輪差動機構18を介して前車輪5に伝達される。
クラッチ機構35は、出力軸34に相対回転不能に支持されたクラッチドラム40と、入力ギア33に相対回転可能に支持されたクラッチハブ41と、クラッチドラム40とクラッチハブ41とにわたって設けられた多板摩擦クラッチ部42と、を備えている。
クラッチドラム40は、出力軸34に外嵌しているボス部40a、多板摩擦クラッチ部42が相対回転不能に係合しているドラム部40b、及びドラム部40bとボス部40aとを連結するリム部40cを備えている。ボス部40aと出力軸34とにわたって装着されたキー43によってボス部40aが出力軸34に相対回転不能に連結されている。クラッチドラム40は、出力軸34の軸芯を回転軸芯Xとして出力軸34と一体に回転する。
クラッチハブ41は、入力ギア33に一体的に形成されている。クラッチハブ41は、出力軸34の軸芯を回転軸芯Xとして入力ギア33と一体に回転する。
操作部36は、リム部40cに対して多板摩擦クラッチ部42が位置する側と反対側に配置された油圧ピストン31及び複数枚の皿バネ32を備えている。
クラッチドラム40の内部に押圧部材44が収容されている。押圧部材44は、ボス部40aにスライド可能に外嵌した環状に形成され、クラッチドラム40の回転軸芯Xに沿う方向にスライド操作可能になっている。
クラッチドラム40の外周部に、ドラム部40bが位置する側と反対側に向けて突出したリング部40eが設けられている。油圧ピストン31は、ボス部40aにスライド可能に外嵌し、かつリング部40eにスライド可能に内嵌した環状に形成され、クラッチドラム40の回転軸芯Xに沿う方向にスライド操作可能になっている。油圧ピストン31のリム部40cから離れる方向への移動は、ストッパー45に当接するまで可能になっている。リム部40cと油圧ピストン31との間に、油圧ピストン31に油圧を供給するピストン室31aが形成されている。ピストン室31aは、ボス部40aの内部と出力軸34の内部とにわたって設けられた操作油路46を介し、ミッションケース3の外部に位置するクラッチ操作弁47に接続されている。
図3,4,5に示すように、リム部40cに、クラッチドラム40の周方向に間隔を空けて並ぶ3つの操作力伝達部材48が設けられている。操作力伝達部材48は、リム部40cをクラッチドラム40の回転軸芯Xに沿う方向にスライド可能に挿通している。本実施例では、3つの操作力伝達部材48を設けているが、3つに限らず、4〜7つなど、何個の操作力伝達部材48を設けてもよい。本実施例では、操作力伝達部材48は、操作力伝達部材48の軸芯に沿う方向視での外周形状が円形である円柱状の部材によって構成されている。操作力伝達部材48としては、円柱状に限らず、外周形状が四角や六角、あるいは楕円など非円形の柱状部材によって構成可能である。操作力伝達部材48は、図3,4,6に示すように、油圧ピストン31と一体に移動するように、油圧ピストン31に連結ボルト49によって連結されている。3つの操作力伝達部材48を、軸芯方向での長さが異なるものに付け替えることにより、油圧ピストン31が基準位置に位置する状態における操作力伝達部材48の多板摩擦クラッチ部42に対する位置を、多板摩擦クラッチ部42に近づく側の位置に変更したり、多板摩擦クラッチ部42から離れる側の位置に変更したりできる。
皿バネ32は、油圧ピストン31に対してリム部40cが位置する側と反対側に設けられている。皿バネ32は、クラッチドラム40の回転軸芯Xに沿う方向に重なる状態で支持筒50に外嵌し、支持筒50にスライド可能に支持されている。支持筒50は、ボス部40aに一体的に形成された状態で出力軸34に外嵌している内支持筒51に外嵌し、内支持筒51にスライド可能に支持されている。皿バネ32の軸芯は、クラッチドラム40の回転軸芯上に位置している。皿バネ32、油圧ピストン31及びクラッチドラム40は、一軸上に並んでいる。
内支持筒51の端部の外周側にネジ部51aが設けられている。ネジ部51aにストッパー部材52が装着されている。ストッパー部材52は、皿バネ32に対して多板摩擦クラッチ部42が位置する側と反対側に位置し、皿バネ32に受け止め作用する。具体的には、ストッパー部材52と皿バネ32との間に、支持筒50の端部に設けられた鍔部50a、支持筒50に外嵌された環状のバネ受け部材53が設けられている。ストッパー部材52は、鍔部50a及びバネ受け部材53を介して皿バネ32に受け止め作用する。
油圧ピストン31と皿バネ32との間に筒形のスペーサ54が介装されている。スペーサ54の皿バネ側の端部は、支持筒50がスペーサ54に対してスライド移動することを許容する状態で支持筒50に外嵌している。また、スペーサ54は、ストッパー45を構成するスナップリングの周囲を覆い、ストッパー45が内支持筒51から外れることを防止する。
皿バネ32は、スペーサ54とストッパー部材52とによる挟持によって弾性変形された状態にあり、複数枚の皿バネ32の総合した弾性復元力がスペーサ54及び油圧ピストン31を介して3つの操作力伝達部材48に作用する。3つの操作力伝達部材48は、皿バネ32の総合弾性復元力を押圧部材44に伝達することによって、多板摩擦クラッチ部42に伝達する。本実施例では、皿バネ32の総合弾性復元力は、約2000Kgに設定されている。ストッパー部材52を回転操作することにより、ストッパー部材52が内支持筒51に対して螺進し、内支持筒51に対するストッパー部材52の取付位置を油圧ピストン31に近づく方向及び油圧ピストン31から離れる方向に変化するよう調節できる。ストッパー部材52の取付位置を調節することにより、ストッパー部材52が支持筒50を油圧ピストン31に近づく側に押圧操作したり、支持筒50が皿バネ32の弾性復元力によって油圧ピストン31から離れる側に移動操作されたりする。ストッパー部材52の取付位置を調節することにより、皿バネ32の位置をクラッチドラム40の回転軸芯Xに沿う方向に調節でき、皿バネ32の総合弾性復元力の強弱調節をできる。
ストッパー部材52は、かしめナットによって構成してある。皿バネ32の位置調節を行なった際、ストッパー部材52のネジ部側と反対側の端部を、加圧して内支持筒51のネジ部51aに係合する状態に変形させることで、適切な強さの総合弾性復元力を備える位置に皿バネ32をセットできる。なお、ストッパー部材52は、かしめナットではなく、ボルトや止めネジを用いる構成としてもよい。
図3は、入り状態の油圧式クラッチ装置30を示す断面図である。図3に示すように、クラッチ操作弁47を入位置に切換え操作することにより、油圧式クラッチ装置30を入り状態に切換え操作できる。
すなわち、クラッチ操作弁47を入位置に切換えることにより、操作油路46が排油路55に接続されてピストン室31aの油圧が排出される。ピストン室31aから油圧が排出されることにより、6つの皿バネ32がこれらの弾性復元力によってスペーサ54を介して油圧ピストン31をリム部40cに向けてスライド操作し、3つの操作力伝達部材48が油圧ピストン31によって多板摩擦クラッチ部42に向けてスライド操作されて押圧部材44を押圧操作する。押圧部材44が押圧作用部44aによって多板摩擦クラッチ部42を押圧操作する。多板摩擦クラッチ部42が皿バネ32の総合弾性復元力によって入り状態に操作され、油圧式クラッチ装置30が入り状態になる。
図4は、切り状態の油圧式クラッチ装置30を示す断面図である。図4に示すように、クラッチ操作弁47を切位置に切り換え操作することにより、油圧式クラッチ装置30を切り状態に切換え操作できる。
すなわち、クラッチ操作弁47を切位置に切り換えることにより、油圧ポンプ56からの油圧が操作油路46を介してピストン室31aに供給され、油圧ピストン31がピストン室31aによって供給される油圧によってリム部40cから離れる側にスライド操作される。油圧ピストン31は、スペーサ54を介して皿バネ32を押圧して皿バネ32を弾性変形させつつ、3つの操作力伝達部材48を多板摩擦クラッチ部42から離れる側に移動操作する。皿バネ32による多板摩擦クラッチ部42の押圧操作が油圧ピストン31によって解除され、多板摩擦クラッチ部42が切り状態になって、油圧式クラッチ装置30が切り状態になる。
図3,4に示すように、ミッションケース3の内部に駐車ブレーキ装置60を設けてある。駐車の際、前車輪5及び後車輪6に駐車ブレーキ装置60によってブレーキを掛けることができる。
駐車ブレーキ装置60は、トランスミッション12を構成する伝動ギア21(図3,4参照)を回転不能にギアロックすることで、入り状態になる。駐車ブレーキ装置60は、伝動ギア21を制動部材として、後輪伝動系13を介して後車輪6にブレーキを掛け、前輪伝動系17を介して前車輪5にブレーキを掛ける。
図3,4に示すように、伝動ギア21は、副変速出力軸20に支持されている。伝動ギア21の外周部が、油圧式クラッチ装置30における油圧ピストン31と皿バネ32との間の空間Sに入り込んでいる。空間Sは、スペーサ54によって形成されている。
〔別実施形態〕
(1)図7は、別の実施構造を備えた操作力伝達部材75を示す断面図である。別の実施構造を備えた操作力伝達部材75は、操作力伝達部材75を挿通する状態で油圧ピストン31と押圧部材44とにわたって装着された連結ボルト76によって支持されている。連結ボルト76のネジ部76aは、押圧部材44のネジ部に係合されている。操作力伝達部材75は、油圧ピストン31及び押圧部材44の両方と一体的に移動する。
(2)上記した実施例では、6枚の皿バネ32を設けた例を示したが、6枚に限らず、必要な荷重に合わせて2枚、4枚、8枚等何枚の皿バネを採用してもよい。
(3)上記した実施例では、油圧式クラッチ装置30において、クラッチドラム40を出力回転体(出力軸34)に支持し、クラッチハブ41を入力回転体(入力ギア33)に支持した例を示したが、クラッチドラム40を入力回転体に支持し、クラッチハブ41を出力回転体に支持して実施してもよい。
(4)上記した実施例では、油圧式クラッチ装置30を前輪伝動系17に設けた例を示したが、後輪伝動系13に設けて実施してもよい。
(5)上記した実施例では、油圧ピストン31の外周部と皿バネ32の外周部との間に空間Sを形成した例を示したが、トランスミッション12の構成等によっては、空間Sを形成せずに実施してもよい。
本発明は、トラクターに装着される油圧式クラッチ装置に限らず、田植機、運搬車、建設機械など各種の車両に装着される油圧式クラッチ装置に適用できる。
1 エンジン
5 駆動対象部(前車輪)
6 後車輪
13 後輪伝動系
17 前輪伝動系
21 制動部材(伝動ギア)
30 油圧式クラッチ装置
31 油圧ピストン
31a ピストン室
33 入力回転体(入力ギア)
34 出力回転体(出力軸)
36 操作部
40 クラッチドラム
40a ボス部
40b ドラム部
40c リム部
41 クラッチハブ
42 多板摩擦クラッチ部
45 ストッパー部材
48 操作力伝達部材
54 スペーサ

Claims (6)

  1. エンジンからの駆動力が入力される入力回転体と駆動対象部に出力する出力回転体との一方に相対回転不能に支持されたクラッチドラムと、
    前記入力回転体と前記出力回転体との他方に相対回転不能に支持されたクラッチハブと、
    前記クラッチドラムと前記クラッチハブとに亘って設けられた多板摩擦クラッチ部と、
    前記クラッチドラムの回転軸芯に沿う方向に重なった皿バネ、及び前記回転軸芯に沿う方向にスライド可能な油圧ピストンを有し、前記皿バネの弾性復元力によって前記多板摩擦クラッチ部を入り状態に押圧操作し、油圧が供給された前記油圧ピストンによって前記皿バネの前記押圧操作を解除することで前記多板摩擦クラッチ部を切り状態に操作する操作部と、を備え、
    前記クラッチドラムは、前記多板摩擦クラッチ部が係合するドラム部と、前記入力回転体と前記出力回転体との一方に支持されるボス部と、前記ドラム部と前記ボス部とを連結するリム部とを備え、
    前記皿バネ及び前記油圧ピストンが、前記リム部に対して前記多板摩擦クラッチ部が位置する側と反対側に位置し、
    前記リム部を前記回転軸芯に沿う方向にスライド可能に挿通し、前記皿バネの弾性復元力を前記多板摩擦クラッチ部に伝達する操作力伝達部材を備える油圧式クラッチ装置。
  2. 前記皿バネに対して前記多板摩擦クラッチ部が位置する側と反対側に設けられ、前記皿バネの位置調節を行なうストッパー部材を備える請求項1に記載の油圧式クラッチ装置。
  3. 前記皿バネは、前記油圧ピストンに対して前記リム部が位置する側と反対側に位置し、
    前記リム部と前記油圧ピストンとの間に、前記油圧ピストンに油圧を供給するピストン室が形成されている請求項1又は2に記載の油圧式クラッチ装置。
  4. 前記皿バネと前記油圧ピストンとの間に介装され、前記駆動対象部に制動作用する制動部材が前記皿バネの外周部と前記油圧ピストンの外周部との間に入り込む空間を形成するスペーサを備え、
    前記操作力伝達部材が前記油圧ピストンに支持されている請求項3に記載の油圧式クラッチ装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の油圧式クラッチ装置を備えるトラクターであって、
    前記駆動対象部が車輪であるトラクター。
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載の油圧式クラッチ装置を備えるトラクターであって、
    前記エンジンからの駆動力を後車輪に伝達する後輪伝動系から前車輪に駆動力を伝達する前輪伝動系を備え、
    前記入力回転体及び前記出力回転体は、前記前輪伝動系に設けられているトラクター。
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