JP6234354B2 - 多板式摩擦係合装置 - Google Patents
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Description
従って、インナー摩擦板の回転力は、当接するプレッシャー受動板に作用するものの、プレッシャー受動板は、前述のようにアウタードラムにスプライン嵌合させてあるから、軸芯周りの回転が阻止され、供回りは生じない。
そして、プレッシャー受動板から抜け止めCリングへの押圧力は、両者の接触面を通して伝わる。
従って、プレッシャー受動板と抜け止めCリングとの接触面積が、周方向でのどの位置においてもほぼ同じになることから、プレッシャー受動板から抜け止めCリングに作用する押圧力の分布にバラツキが少なくなり、抜け止めCリングの局部に応力集中が生じるのを防止できる。
更には、プレッシャー受動板の形状を、簡単なものにすることが可能となり、製作手間の軽減によってコストダウンを図ることができる。
即ち、プレッシャー受動板の突起部近傍には、応力集中が生じる虞があり、その部分でせん断破壊や、疲労破壊を起こすことが懸念される。
従って、従来のように回転阻止力がプレッシャー受動板の局部に集中的に作用することを回避できる。
その結果、従来のように無理な回転阻止によって、プレッシャー受動板がせん断破壊や疲労破壊を起こすことを、未然に防止できる。
また、前記隣接させる摩擦板は、抜け止めCリングを係合させてある方の部材(アウタードラム又はインナーハブに相当し、便宜上、取付対象部材という)にスプライン嵌合させてあるから、押圧機構による押圧力が積層摩擦板群に作用した状態においては、前記隣接させる摩擦板、プレッシャー受動板、抜け止めCリングは、軸芯方向に押し当たり、前記取付対象部材に対して軸芯周りに相対回転することが無い状態となる。
尚、図1に示すミッションケース10は、コンバインの前方から後方に向かって見た状態を示すもので、当該実施形態で説明する右、左の表示は、紙面上での方向の表示を意味し、コンバインの運転席から前方を見た時の右、左とは一致しない。
図に示すように、ミッションケース10の上部において、無段変速装置11からの入力軸22が支持され、入力軸22に伝動ギヤ23,24がスプライン構造により固定されている。
これら、伝動ギヤ23及び高速ギヤ25、伝動ギヤ24及び低速ギヤ26、シフト部材28により副変速装置が構成されており、シフト部材28を高速又は低速ギヤ25,26に咬合させることにより、入力軸22の動力が高低2段(高速及び低速位置)に変速されて、伝動軸27に伝達される。通常は、シフト部材28が高速ギヤ25に咬合する位置にスライド操作されて、高速位置が設定されている。
右の出力ギヤ32R及び右の咬合部33Rの間で右のサイドクラッチ34が構成され、左の出力ギヤ32L及び左の咬合部33Lの間で左のサイドクラッチ34が構成されている。
図2に示すように、伝動軸29の右及び左側部の外面にスプライン部29aが形成されて、右及び左の咬合部33R,33Lが伝動軸29のスプライン部29aに一体回転及びスライド自在に外嵌され、受け部材40が伝動軸29のスプライン部29aに一体回転自在に外嵌されている。
図1に示すように、ミッションケース10(右及び左側部分10R,10L)に亘り伝動軸44が支持され、伝動軸44の左側部(ミッションケース10の左側部分10Lの壁部の内面近傍)に相対回転自在に外嵌された伝動ギヤ45が、左の咬合部33Lの外周部のギヤ部に咬合しており、伝動軸44と伝動ギヤ45との間に緩旋回クラッチ46が備えられている。緩旋回クラッチ46は摩擦多板式に構成されており、作動油が供給されることで伝動状態に操作され、作動油が排出されることで遮断状態に操作される。
右及び左の旋回クラッチ49は摩擦多板式に構成されており、作動油が供給されることで複数の摩擦板mどうしが当接して伝動状態に操作され、作動油が排出されることで当接状態が緩和されて遮断状態となる。
スプライン切欠き47dは、筒周方向に等間隔をあけて形成してあり、アウター摩擦板moのスプライン凸部motを係合させることで、アウター摩擦板moを外筒部47Aにスプライン嵌合させることができる。即ち、スプライン嵌合することで、アウター摩擦板moは、外筒部47Aに対して、軸芯X方向に沿った相対移動は許容され、且つ、軸芯X周りの相対回転は拘束される。
また、外筒部47Aの端部側の内周面には、前記抜け止めCリング62を係合自在な周溝47bが、筒周方向に沿って形成されている。
また、周方向の複数個所には、伝動軸29に内在させてある油路29bと、油圧室63とを連通させる連通孔64が形成してある。
このスライド移動によって、積層摩擦板群Mを押圧することができる。
油圧室63から排油すると、積層摩擦板群Mからの反力を受けて、摩擦用ピストン60は押し戻される。
出力ギヤ32Rの旋回クラッチケース47側の外周部には、軸芯X方向に沿った複数のスプライン溝32aが、周方向に隣接させて形成してある(図3、図4参照)。
このスプライン溝32aに、インナー摩擦板miのスプライン凸部mitを係合させることで、インナー摩擦板miを出力ギヤ32Rにスプライン嵌合させることができる。即ち、スプライン嵌合することで、インナー摩擦板miは、出力ギヤ32Rに対して、軸芯X方向に沿った相対移動は許容され、且つ、軸芯X周りの相対回転は拘束される。
尚、インナー摩擦板miとアウター摩擦板moとを軸芯X方向に交互に配列してある積層摩擦板群Mは、軸芯X方向での両端部については、アウター摩擦板moとなるように構成してある。
また、軸芯X方向視での形状は、表裏面とも同形状で、アウター摩擦板moからスプライン凸部motを除去したのと同じ円環状に設定してある。具体的には、内周も外周も同心円であり、径方向に沿ったリング幅寸法は、全周にわたって同じ寸法に設定してある。
また、設置状態においては、外筒部47Aと出力ギヤ32Rとの間に納まって、それぞれと軸芯X周りに相対回転できるように設けられている。
抜け止めCリング62の外周部の一個所には、外筒部47Aに形成した複数のスプライン切欠き47dの内の一つに係合自在な凸部62aが設けてある。また、抜け止めCリング62の両端部は、内周側に幅広に形成してあり、それら幅広部62bには、周溝47bへの着脱時に、縮径操作を行う治具(不図示)を係合させるための係合穴62cが形成してある。
油路29bを通して油圧室63へ圧油の供給を行うに伴って、摩擦用ピストン60が積層摩擦板群Mを押圧し、プレッシャープレート61、及び、抜け止めCリング62によって支持された積層摩擦板群Mは、隣接する摩擦板mどうしが強く当接する。当接面に生じる摩擦力によって、隣接する摩擦板mどうしは軸芯X周りに相対回転できなくなり、アウター摩擦板moがスプライン係合している旋回クラッチケース47と、インナー摩擦板miがスプライン係合している出力ギヤ32R,32Lとの間で回転力が伝わる伝動状態となる。
更には、プレッシャープレート61の形状を、簡単なものにすることが可能となり、製作手間の軽減によってコストダウンを図ることができる。
従って、従来のように回転阻止力がプレッシャー受動板の局部に集中的に作用することを回避できる。
その結果、従来のように無理な回転阻止によって、プレッシャー受動板がせん断破壊や疲労破壊を起こすことを、未然に防止できる。
また、前記隣接させる摩擦板は、抜け止めCリングを係合させてある方の部材(アウタードラム又はインナーハブに相当し、便宜上、取付対象部材という)にスプライン嵌合させてあるから、押圧機構による押圧力が積層摩擦板群に作用した状態においては、前記隣接させる摩擦板、プレッシャー受動板、抜け止めCリングは、軸芯方向に押し当たり、前記取付対象部材に対して軸芯周りに相対回転することが無い状態となる。
以下に他の実施の形態を説明する。
また、抜け止めCリング62を、アウタードラム47の内周部に形成されている周溝47bに係合させる構造の多板式摩擦係合装置の他、インナーハブ32R,32Lの外周部に形成する周溝に係合させる構造の多板式摩擦係合装置であってもよい。
また、右と左の多板式摩擦係合装置を一体に備えたものに限らず、単体の多板式摩擦係合装置で構成するものであってもよい。
また、各構成部材の形状や、数量等の変更も可能である。
この実施形態の場合、前記凸部61cは、抜け止めCリング62側に位置する面61dを、プレッシャー受動板61のうち、前記抜け止めCリング62に対向する面61bより積層摩擦板群M側に引退させて設けられている。従って、凸部61cと抜け止めCリング62とは接触することがなく、先の実施形態で説明したとおり、抜け止めCリング62に対する押圧力の分布を均等な状態にすることが可能である。
32L 出力ギヤ(インナーハブの一例)
47b 周溝
60 摩擦用ピストン(押圧機構の一例)
61 プレッシャープレート(プレッシャー受動板に相当)
61b 抜け止めCリングに対向する面
62 抜け止めCリング
M 積層摩擦板群
m 摩擦板
mo アウター摩擦板
mi インナー摩擦板
X 軸芯
Claims (3)
- 同一軸芯上で径方向の内外に配置されたアウタードラムと、インナーハブと、
前記アウタードラムの内側にスプライン嵌合される略円環状の複数のアウター摩擦板と、
前記アウター摩擦板と交互に積層されると共に、前記インナーハブの外側にスプライン嵌合される略円環状の複数のインナー摩擦板と、
前記アウター摩擦板と前記インナー摩擦板とが交互に積層された状態の積層摩擦板群に対して、その積層方向の一方側から押圧力を付加することで前記アウター摩擦板と前記インナー摩擦板とを摩擦係合状態にするとともに、前記押圧力を緩めることで前記アウター摩擦板と前記インナー摩擦板との摩擦係合状態を解除する押圧機構と、
前記積層摩擦板群の前記積層方向の他方側で、前記積層摩擦板群を受ける略円環状のプレッシャー受動板と、
前記アウタードラムと前記インナーハブとの何れか一方に形成された周溝に係合自在で、前記周溝に係合させた状態で前記プレッシャー受動板を前記積層方向の他方側で支持する略円環状の抜け止めCリングと、を備えて構成してあり、
前記プレッシャー受動板のうち、前記抜け止めCリングに対向する面の内径及び外径は、全周にわたって同じ寸法に設定してある多板式摩擦係合装置。 - 前記プレッシャー受動板は、前記アウタードラムと前記インナーハブとの何れとも、前記軸芯周りに相対回転自在な形状に形成してある請求項1に記載の多板式摩擦係合装置。
- 前記アウター摩擦板と前記インナー摩擦板とのうち、前記プレッシャー受動板における前記抜け止めCリングとは反対側に隣接させる摩擦板は、前記アウタードラムと前記インナーハブとのうち、前記抜け止めCリングを係合させてある方の部材にスプライン嵌合させてある摩擦板である請求項2に記載の多板式摩擦係合装置。
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