JP2017197662A - 冷凍機油、及び冷凍機用組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】相分離を引き起こすことなく、粘度指数及び体積抵抗率の両方を高くした冷凍機油を提供する。【解決手段】冷凍機油は、脂肪族モノエーテル及び脂肪族ジエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の含酸素基油と、粘度指数向上剤と、溶解助剤とを含む冷凍機油であって、粘度指数(VI)が200以上で、かつ体積抵抗率が1×109Ω・m以上である。【選択図】なし
Description
本発明は、冷凍機油、及び、冷凍機油と冷媒とを含む冷凍機用組成物に関し、例えば圧縮型冷凍機で使用される冷凍機油及び冷凍機用組成物に関する。
一般に冷凍機油は、空調、冷蔵庫、カーエアコン等の圧縮型冷凍機に使用され、潤滑性と共に、冷媒との相溶性が要求されている。従来、これら要求特性を満足するために、冷凍機油には、ポリビニルエーテル類(PVE)、ポリアルキレングリコール類(PAG)、ポリオールエステル(POE)等の含酸素基油が広く使用されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、冷凍機油には、各種の性能を向上させるために、基油に添加剤を配合することがある。例えば、特許文献3では、冷凍機油の潤滑性能を向上させることを目的として、鉱油及び/又は合成油からなる基油に、基油よりも高い動粘度を有するPAG等のポリエーテル系化合物を配合することが開示されている。さらに、粘度指数を向上させるために、粘度指数向上剤を用いることが広く知られている。
冷凍機油は、例えば、圧縮機にモーターが内蔵された、密閉型冷凍機で使用される場合、漏電防止の観点から高い体積抵抗率が求められる。また、近年、省エネルギー化の観点から、冷凍機油では、粘度指数をさらに高くすることが求められている。そのため、出願人は、粘度指数及び体積抵抗率のいずれも向上させるために、含酸素基油に脂肪族モノエーテル又は脂肪族ジエーテルを使用し、かつ含酸素基油に粘度指数向上剤を添加することを検討している。
しかし、このような冷凍機油では、粘度指数向上剤が含酸素基油に十分に溶解せず、例えば低温環境下で粘度指数向上剤と含酸素基油が相分離することがある。相分離が起こると、冷凍サイクル中に高粘度の冷凍機油成分が滞留しやすくなり、冷凍能力の低下を招くおそれがある。
しかし、このような冷凍機油では、粘度指数向上剤が含酸素基油に十分に溶解せず、例えば低温環境下で粘度指数向上剤と含酸素基油が相分離することがある。相分離が起こると、冷凍サイクル中に高粘度の冷凍機油成分が滞留しやすくなり、冷凍能力の低下を招くおそれがある。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、相分離を引き起こすことなく、粘度指数及び体積抵抗率の両方を高くすることが可能な冷凍機油を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、含酸素基油として脂肪族モノエーテル又は脂肪族ジエーテルを使用した冷凍機油に、粘度指数向上剤に加え、溶解助剤を配合することで、相分離を引き起こさずに粘度指数及び体積抵抗率の両方を高くできることを見出し、以下の本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の(1)〜(3)を提供する。
(1)脂肪族モノエーテル及び脂肪族ジエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の含酸素基油と、粘度指数向上剤と、溶解助剤とを含む冷凍機油であって、粘度指数(VI)が200以上で、かつ体積抵抗率が1×109Ω・m以上である、冷凍機油。
(2)上記(1)に記載の冷凍機油と、冷媒とを含む冷凍機用組成物。
(3)脂肪族モノエーテル及び脂肪族ジエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の含酸素基油と、粘度指数向上剤と、溶解助剤とを配合し、粘度指数(VI)が200以上で、かつ体積抵抗率が1×109Ω・m以上である冷凍機油を得る、冷凍機油の製造方法。
(1)脂肪族モノエーテル及び脂肪族ジエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の含酸素基油と、粘度指数向上剤と、溶解助剤とを含む冷凍機油であって、粘度指数(VI)が200以上で、かつ体積抵抗率が1×109Ω・m以上である、冷凍機油。
(2)上記(1)に記載の冷凍機油と、冷媒とを含む冷凍機用組成物。
(3)脂肪族モノエーテル及び脂肪族ジエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の含酸素基油と、粘度指数向上剤と、溶解助剤とを配合し、粘度指数(VI)が200以上で、かつ体積抵抗率が1×109Ω・m以上である冷凍機油を得る、冷凍機油の製造方法。
本発明によれば、相分離を引き起こすことなく、粘度指数及び体積抵抗率の両方が高い冷凍機油を提供できる。
以下、本発明について、実施形態を用いて説明する。
<冷凍機油>
本発明の一実施形態に係る冷凍機油は、脂肪族モノエーテル及び脂肪族ジエーテルから選択される含酸素基油と、粘度指数向上剤と、溶解助剤とを含み、粘度指数(VI)が200以上で、かつ体積抵抗率が1×109Ω・m以上となる冷凍機油である。このような冷凍機油は、粘度指数及び体積抵抗率の両方が高いため、省エネルギー性及び電気絶縁性のいずれもが良好になり、各種の冷凍機で好適に使用できる。
一方で、冷凍機油は、粘度指数(VI)が200未満となると、温度変化に伴い粘度が変わりやすくなる。そのため、高温でも油膜が形成できるようにある程度粘度を高めると、低温環境下において増粘して粘性抵抗に基づく動力損失が発生し、省エネルギー化が実現しにくくなる。また、体積抵抗率が1×109Ω・m未満となると、電気絶縁性が低くなり、冷凍機内部にモーター等が内蔵される場合には、漏電が発生しやすくなる。
<冷凍機油>
本発明の一実施形態に係る冷凍機油は、脂肪族モノエーテル及び脂肪族ジエーテルから選択される含酸素基油と、粘度指数向上剤と、溶解助剤とを含み、粘度指数(VI)が200以上で、かつ体積抵抗率が1×109Ω・m以上となる冷凍機油である。このような冷凍機油は、粘度指数及び体積抵抗率の両方が高いため、省エネルギー性及び電気絶縁性のいずれもが良好になり、各種の冷凍機で好適に使用できる。
一方で、冷凍機油は、粘度指数(VI)が200未満となると、温度変化に伴い粘度が変わりやすくなる。そのため、高温でも油膜が形成できるようにある程度粘度を高めると、低温環境下において増粘して粘性抵抗に基づく動力損失が発生し、省エネルギー化が実現しにくくなる。また、体積抵抗率が1×109Ω・m未満となると、電気絶縁性が低くなり、冷凍機内部にモーター等が内蔵される場合には、漏電が発生しやすくなる。
省エネルギー性と、電気絶縁性の両方をさらに良好にするためには、粘度指数(VI)が240以上であるとともに、体積抵抗率が1×1010Ω・m以上であることが好ましく、粘度指数(VI)が270以上であるとともに、体積抵抗率が2×1010Ω・m以上であることがさらに好ましい。
また、粘度指数(VI)及び体積抵抗率の上限値は特に限定されないが、通常、粘度指数が500以下であるとともに、体積抵抗率が1×1014Ω・m以下となる。
また、粘度指数(VI)及び体積抵抗率の上限値は特に限定されないが、通常、粘度指数が500以下であるとともに、体積抵抗率が1×1014Ω・m以下となる。
また、冷凍機油の100℃動粘度は、2mm2/s以上100mm2/s以下であることが好ましい。100℃動粘度を2mm2/s以上とすると、油膜を確保して潤滑不良の発生を防止する。また、100℃動粘度を100mm2/s以下とすることで、冷凍機油の粘性抵抗が大きくなることを防止し、動力損失が小さくなる。潤滑性の観点から、100℃動粘度は2mm2/s以上50mm2/s以下がより好ましく、5mm2/s以上50mm2/s以下がさらに好ましく、5mm2/s以上25mm2/s以下が特に好ましい。
次に、冷凍機油に含有される含酸素基油、粘度指数向上剤、及び溶解助剤についてより詳細に説明する。
[含酸素基油]
含酸素基油は、脂肪族モノエーテル及び脂肪族ジエーテルから選択される。なお、本明細書において、単に“含酸素基油”と述べた場合には、特に断りのない限り、脂肪族モノエーテル及び脂肪族ジエーテルを総称する用語として使用する。
脂肪族モノエーテル及び脂肪族ジエーテルの炭化水素部分は、直鎖、分岐のいずれでもよいが、分岐を有することが好ましい。含酸素基油としては、脂肪族モノエーテル及び脂肪族ジエーテルから選択される1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、含酸素基油としては、脂肪族モノエーテルを使用することが好ましい。本実施形態では、含酸素基油、特に脂肪族モノエーテルを使用することで、体積抵抗率を向上させやすくなる。
[含酸素基油]
含酸素基油は、脂肪族モノエーテル及び脂肪族ジエーテルから選択される。なお、本明細書において、単に“含酸素基油”と述べた場合には、特に断りのない限り、脂肪族モノエーテル及び脂肪族ジエーテルを総称する用語として使用する。
脂肪族モノエーテル及び脂肪族ジエーテルの炭化水素部分は、直鎖、分岐のいずれでもよいが、分岐を有することが好ましい。含酸素基油としては、脂肪族モノエーテル及び脂肪族ジエーテルから選択される1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、含酸素基油としては、脂肪族モノエーテルを使用することが好ましい。本実施形態では、含酸素基油、特に脂肪族モノエーテルを使用することで、体積抵抗率を向上させやすくなる。
脂肪族モノエーテルとしては、アルキルエーテルが挙げられ、具体的には、下記式(1)で示される化合物が挙げられる。
R1−O−R2 (1)
式(1)において、R1、R2は直鎖又は分岐の炭素数2〜20のアルキル基であり、R1、R2は互いに同じでも異なっていてもよい。
ここで、R1、R2の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12、さらに好ましくは8〜10である。脂肪族モノエーテルにおいて、炭素数をこれら範囲内とすることで、体積抵抗率を高めやすくなり、さらには、潤滑性能等も向上させやすくなる。また、エーテル化合物の分子量が比較的小さくなるため、粘度指数向上剤による粘度指数の向上効果が得られやすくなる。体積抵抗率を向上させる観点から、R1及びR2は、いずれも分岐のアルキル基であることが好ましく、R1及びR2は、いずれも2位に分岐構造を有することがより好ましい。
R1−O−R2 (1)
式(1)において、R1、R2は直鎖又は分岐の炭素数2〜20のアルキル基であり、R1、R2は互いに同じでも異なっていてもよい。
ここで、R1、R2の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12、さらに好ましくは8〜10である。脂肪族モノエーテルにおいて、炭素数をこれら範囲内とすることで、体積抵抗率を高めやすくなり、さらには、潤滑性能等も向上させやすくなる。また、エーテル化合物の分子量が比較的小さくなるため、粘度指数向上剤による粘度指数の向上効果が得られやすくなる。体積抵抗率を向上させる観点から、R1及びR2は、いずれも分岐のアルキル基であることが好ましく、R1及びR2は、いずれも2位に分岐構造を有することがより好ましい。
脂肪族ジエーテルとしては、2価のアルコールのジアルキルエーテルが挙げられ、具体的には、下記式(2)で示される化合物が挙げられる。
R3−O−R4−O−R5 (2)
式(2)において、R3、R5は直鎖又は分岐の炭素数2〜20のアルキル基であり、R3、R5は互いに同じでも異なっていてもよい。R4は、直鎖又は分岐の炭素数2〜20の2価の飽和脂肪族炭化水素基である。
式(2)において、R3、R5の炭素数が4〜18であるとともに、R4の炭素数が2〜10であることが好ましく、R3、R5の炭素数が7〜13であるとともに、R4の炭素数が4〜6であることがより好ましい。炭素数をこれら範囲とすることで、体積抵抗率を高めやすくなり、さらには、潤滑性能等も向上させやすくなる。また、分子量が比較的小さくなり、粘度指数向上剤による粘度指数の向上効果が得られやすくなる。
体積抵抗率を向上させる観点から、R3〜R5の少なくともいずれかひとつは分岐を有することが好ましい。
R3−O−R4−O−R5 (2)
式(2)において、R3、R5は直鎖又は分岐の炭素数2〜20のアルキル基であり、R3、R5は互いに同じでも異なっていてもよい。R4は、直鎖又は分岐の炭素数2〜20の2価の飽和脂肪族炭化水素基である。
式(2)において、R3、R5の炭素数が4〜18であるとともに、R4の炭素数が2〜10であることが好ましく、R3、R5の炭素数が7〜13であるとともに、R4の炭素数が4〜6であることがより好ましい。炭素数をこれら範囲とすることで、体積抵抗率を高めやすくなり、さらには、潤滑性能等も向上させやすくなる。また、分子量が比較的小さくなり、粘度指数向上剤による粘度指数の向上効果が得られやすくなる。
体積抵抗率を向上させる観点から、R3〜R5の少なくともいずれかひとつは分岐を有することが好ましい。
脂肪族モノエーテルの具体例としては、n−ヘキシルエーテル、n−ヘプチルエーテル、n−オクチルエーテル、ビス(2−エチルへキシル)エーテル、n−ノニルエーテル、イソノニルエーテル、ビス(3,5,5−トリメチルへキシル)エーテル、n−デシルエーテル、ビス(2−ブチルオクチル)エーテル、ビス(2−へキシルデシル)エーテル、ビス(2−ヘプチルウンデシル)エーテル、ビス(2−オクチルドデシル)エーテル、ビス(2−ノニルトリデシル)エーテル、ビス(2−デシルテトラデシル)エーテル等が挙げられる。
脂肪族ジエーテルとしては、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,4−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキシレングリコールから選択される2価のアルコールのジアルキルエーテルが挙げられ、具体的な化合物としては、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジ(n−ヘプチル)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジ(n−オクチル)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジ(n−ノニル)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジ(n−デシル)、2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(n−ヘプチル)、2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(n−オクチル)、2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(n−ノニル)、2−メチル−1,3−プロパンジオールジ(n−デシル)、2−メチル−1,4−ブタンジオールジ(n−ヘプチル)、2−メチル−1,4−ブタンジオールジ(n−オクチル)、2−メチル−1,4−ブタンジオールジ(n−ノニル)、2−メチル−1,4−ブタンジオールジ(n−デシル)、1,4−ペンタンジオールジ(n−ヘプチル)、1,4−ペンタンジオールジ(n−オクチル)、1,4−ペンタンジオールジ(n−ノニル)、1,4−ペンタンジオールジ(n−デシル)、2−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(n−ヘプチル)、2−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(n−オクチル)、2−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(n−ノニル)、2−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(n−デシル)、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(n−ヘプチル)、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(n−オクチル)、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(n−ノニル)、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(n−デシル)、1,6−ヘキサンジオールジ(n−オクチル)、1,6−ヘキサンジオールジ(n−ノニル)、1,6−ヘキサンジオールジ(n−デシル)、1,6−ヘキサンジオールジ(2−エチルヘキシル)、1,6−ヘキサンジオールジイソオクチル、1,6−ヘキサンジオールジイソノニル、1,6−ヘキサンジオールジ(3,5,5−トリメチルヘキシル)、1,6−ヘキサンジオールジイソデシル、1,6−ヘキサンジオールジイソウンデシル、1,6−ヘキサンジオールジイソドデシル、1,6−ヘキサンジオールジイソトリデシル、ヘキシレングリコールビス(3,5,5−トリメチルヘキシル)エーテル、ヘキシレングリコールビス(2−エチルヘキシル)エーテル等が挙げられる。
上記の含酸素基油の中でも、分岐を有するものが好ましく、脂肪族モノエーテルとしては、2位に分岐構造を有する脂肪族モノエーテルがより好ましく、具体的には、ビス(2−エチルへキシル)エーテル、ビス(2−ブチルオクチル)エーテル、ビス(2−へキシルデシル)エーテル等が挙げられ、また、脂肪族ジエーテルとしてはヘキシレングリコールビス(3,5,5−トリメチルヘキシル)エーテル、ヘキシレングリコールビス(2−エチルヘキシル)エーテル等が好ましい。これらの中でも、ビス(2−エチルへキシル)エーテルが最も好ましい。
含酸素基油の100℃における動粘度は、好ましくは0.80mm2/s以上8mm2/s以下、より好ましくは0.90mm2/s以上6mm2/s以下、さらに好ましくは0.95mm2/s以上4mm2/s以下である。このように、含酸素基油の動粘度を比較的低くすることで、後述する粘度指数向上剤によって、粘度指数の向上効果を得やすくなる。
また、冷凍機油の体積抵抗率を高めるために、含酸素基油の体積抵抗率を高くすることが望ましい。具体的には、含酸素基油の体積抵抗率は1×108Ω・m以上であることが好ましい。また、粘度指数向上剤に体積抵抗率が比較的低いPAGを使用しても、冷凍機油の体積抵抗率を高くできるように、含酸素基油の体積抵抗率は、1×109Ω・m以上であることがより好ましく、1×1010Ω・m以上であることがさらに好ましい。
また、冷凍機油の体積抵抗率を高めるために、含酸素基油の体積抵抗率を高くすることが望ましい。具体的には、含酸素基油の体積抵抗率は1×108Ω・m以上であることが好ましい。また、粘度指数向上剤に体積抵抗率が比較的低いPAGを使用しても、冷凍機油の体積抵抗率を高くできるように、含酸素基油の体積抵抗率は、1×109Ω・m以上であることがより好ましく、1×1010Ω・m以上であることがさらに好ましい。
また、含酸素基油は、酸素原子数に対する炭素原子数の比(炭素原子数/酸素原子数、以下、“C/O比”ともいう)が、5.0以上40以下であることが好ましく、9.0以上25以下がより好ましく、12以上25以下がさらに好ましい。C/O比がこれら下限値以上とすることで、冷凍機油の体積抵抗率を向上させやすくなる。また、上限値以下とすると、溶解助剤を使用することで粘度指数向上剤が溶解するので、相分離が起こりにくくなる。なお、C/O比は、各成分を構成する化合物の構造式中における炭素原子の数と、酸素原子の数から算出可能である。
また、上記した含酸素基油の中でも、ビス(2−エチルへキシル)エーテル等の2位に分岐構造を有する脂肪族モノエーテルは、高収率で製造できる観点から、以下の下記工程1及び工程2を有する製造方法で製造されることが好ましい。
工程1:2位に分岐構造を有するアルデヒドに、2位に分岐構造を有するアルコールを縮合させるアセタール化反応を行い、含アセタール組成物を得る工程。
工程2:含アセタール組成物を還元して2位に分岐構造を有する脂肪族モノエーテルを得る工程。
なお、本製造方法では、2位に分岐構造を有するアルデヒド、及び2位に分岐構造を有するアルコールとしては、それぞれR1、R2に対応する構造を有するものが使用される。
工程1:2位に分岐構造を有するアルデヒドに、2位に分岐構造を有するアルコールを縮合させるアセタール化反応を行い、含アセタール組成物を得る工程。
工程2:含アセタール組成物を還元して2位に分岐構造を有する脂肪族モノエーテルを得る工程。
なお、本製造方法では、2位に分岐構造を有するアルデヒド、及び2位に分岐構造を有するアルコールとしては、それぞれR1、R2に対応する構造を有するものが使用される。
(工程1)
工程1におけるアルデヒドと、アルコールとの配合比は、アルデヒドが有するホルミル基1当量に対する、アルコールの水酸基換算での配合量が、1.5〜5.0当量であることが好ましく、1.7〜4.0当量であることがより好ましく、2.0〜3.0当量であることがさらに好ましい。
工程1のアセタール化反応の反応温度としては、アセタール化反応が進行する程度に適宜設定されるが、好ましくは50〜200℃、より好ましくは70〜180℃、さらに好ましくは100〜150℃である。反応は、系内を窒素等の不活性ガスで置換して行ってもよい。なお、工程1のアセタール化反応は常圧下で行うことが好ましい。
工程1におけるアルデヒドと、アルコールとの配合比は、アルデヒドが有するホルミル基1当量に対する、アルコールの水酸基換算での配合量が、1.5〜5.0当量であることが好ましく、1.7〜4.0当量であることがより好ましく、2.0〜3.0当量であることがさらに好ましい。
工程1のアセタール化反応の反応温度としては、アセタール化反応が進行する程度に適宜設定されるが、好ましくは50〜200℃、より好ましくは70〜180℃、さらに好ましくは100〜150℃である。反応は、系内を窒素等の不活性ガスで置換して行ってもよい。なお、工程1のアセタール化反応は常圧下で行うことが好ましい。
工程1のアセタール化反応は、酸触媒の存在下で行うことが好ましい。酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸などの鉱酸、リンタングステン酸などのヘテロポリ酸、スルホン酸系化合物等が挙げられる。これらの中でもスルホン酸系化合物が好ましい。
スルホン酸系化合物としては、スルホ基(−SO3H)を有する化合物であればよく、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、10−カンファ−スルホン酸等の非芳香族スルホン酸系化合物、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸系化合物、該芳香族スルホン酸系化合物の水和物等が挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。これらの中でも、芳香族スルホン酸系化合物及びその水和物から選ばれる1種以上が好ましく、副反応抑制の観点から、p−トルエンスルホン酸及びその水和物から選ばれる1種以上がより好ましい。
酸触媒中のスルホン酸系化合物の配合量は、酸触媒の全量(100モル%)に対して、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは80〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%である。
スルホン酸系化合物としては、スルホ基(−SO3H)を有する化合物であればよく、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、10−カンファ−スルホン酸等の非芳香族スルホン酸系化合物、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸系化合物、該芳香族スルホン酸系化合物の水和物等が挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。これらの中でも、芳香族スルホン酸系化合物及びその水和物から選ばれる1種以上が好ましく、副反応抑制の観点から、p−トルエンスルホン酸及びその水和物から選ばれる1種以上がより好ましい。
酸触媒中のスルホン酸系化合物の配合量は、酸触媒の全量(100モル%)に対して、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは80〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%である。
アルデヒド100モル%に対する酸触媒の配合量は、好ましくは4.0モル%以下、より好ましくは2.0モル%以下、さらに好ましくは0.5モル%以下、よりさらに好ましくは0.1モル%以下である。アルデヒド100モル%に対する酸触媒の配合量の下限値は、特に制限は無いが、生産性の観点、並びに得られる脂肪族モノエーテルの性状を良好に維持する観点から、好ましくは0.0001モル%以上、より好ましくは0.001モル%以上、さらに好ましくは0.005モル%以上である。
工程1のアセタール化反応は、さらに、有機溶媒の存在下で行うことが好ましい。有機溶媒は特に限定されないが、沸点100℃以上のものが好ましく、沸点105℃以上150℃以下のものがより好ましい。なお、有機溶媒の沸点とは、1気圧における沸点(標準沸点)を意味する。
アルデヒドとアルコールとのアセタール化反応では、水が生成されるが、反応系内に水が残存すると、逆反応との平衡により、反応の進行が妨げられ、生産性が低下する場合がある。また、反応系内に水が残存すると、副生成物の増加を引き起こし、得られる脂肪族モノエーテルの性状に悪影響を及ぼす可能性がある。有機溶媒の沸点が100℃以上の場合、工程1の温度を100℃以上にして、アセタール化反応で生成した水を除去することができる。
アルデヒドとアルコールとのアセタール化反応では、水が生成されるが、反応系内に水が残存すると、逆反応との平衡により、反応の進行が妨げられ、生産性が低下する場合がある。また、反応系内に水が残存すると、副生成物の増加を引き起こし、得られる脂肪族モノエーテルの性状に悪影響を及ぼす可能性がある。有機溶媒の沸点が100℃以上の場合、工程1の温度を100℃以上にして、アセタール化反応で生成した水を除去することができる。
有機溶媒としては、芳香族炭化水素系溶媒、飽和炭化水素系溶媒等の炭化水素系溶媒が挙げられる。沸点が100℃以上の有機溶媒としては、トルエン(110.6℃)、o−キシレン(144.4℃)、m−キシレン(139℃)、p−キシレン(128℃)等の芳香族炭化水素系溶媒、n−オクタン(125.6℃)等の飽和炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらの中でもトルエンが好ましい。
有機溶媒は、2種以上の有機溶媒からなる混合溶媒を用いてもよい。混合溶媒を用いる場合、それぞれの溶媒の沸点が100℃以上であることが好ましい。また、混合溶媒が共沸混合物を形成する場合には、共沸混合物の沸点が100℃以上であることが好ましい。
有機溶媒は、2種以上の有機溶媒からなる混合溶媒を用いてもよい。混合溶媒を用いる場合、それぞれの溶媒の沸点が100℃以上であることが好ましい。また、混合溶媒が共沸混合物を形成する場合には、共沸混合物の沸点が100℃以上であることが好ましい。
工程1では、アセタール化反応が終了した後に、反応に用いた酸触媒を失活させる処理を行うことが好ましい。また、酸触媒を失活させた後は、反応液を油水分離して、アセタールを含む有機相を洗浄し、さらに無水硫酸マグネシウム等で有機相中の水分を除去して、含アセタール組成物を得ることが好ましい。
(工程2)
工程2は、含アセタール組成物に含まれるアセタールを還元して、2位に分岐構造を有する脂肪族モノエーテルを得る工程である。工程2で用いる含アセタール組成物は、工程1で得られた含アセタール組成物をそのまま用いてもよいし、後述する工程1’で得られた含アセタール組成物xを用いてもよい。また、工程2で用いる含アセタール組成物は、含アセタール組成物に含まれる溶媒を、留去したものとすることが好ましい。
工程2は、含アセタール組成物に含まれるアセタールを還元して、2位に分岐構造を有する脂肪族モノエーテルを得る工程である。工程2で用いる含アセタール組成物は、工程1で得られた含アセタール組成物をそのまま用いてもよいし、後述する工程1’で得られた含アセタール組成物xを用いてもよい。また、工程2で用いる含アセタール組成物は、含アセタール組成物に含まれる溶媒を、留去したものとすることが好ましい。
アセタールの還元方法としては、特に制限は無く、例えば、還元剤を用いる方法や、触媒を用いる接触水素還元方法等が挙げられる。
還元剤を用いる方法で使用する還元剤としては、例えば、水素化リチウムアルミニウム(LiAlH4)及び水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)等のアルミニウムの水素化物;水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、ジボラン(B2H6)、ボラン・アンモニア錯体(BH3・NH3)、ボラン・t−ブチルアミン錯体(BH3・(CH3)3CNH2)、及びボラン・テトラヒドロフラン錯体(BH3・THF)等のホウ素の水素化物;等が挙げられる。
還元剤を用いる方法で使用する還元剤としては、例えば、水素化リチウムアルミニウム(LiAlH4)及び水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)等のアルミニウムの水素化物;水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、ジボラン(B2H6)、ボラン・アンモニア錯体(BH3・NH3)、ボラン・t−ブチルアミン錯体(BH3・(CH3)3CNH2)、及びボラン・テトラヒドロフラン錯体(BH3・THF)等のホウ素の水素化物;等が挙げられる。
接触水素還元方法で用いる触媒としては、通常担体に金属成分を担持したもの用いることができる。具体的にはケイソウ土、アルミナ、シリカアルミナ、活性炭等の無機物担体に、ニッケル、ルテニウム、パラジウム、白金、ロジウム及びイリジウム等の周期律表の第8〜10族の金属を担持した水素化触媒が挙げられる。これらの中でも、生成物の選択性の点から、ニッケル/ケイソウ土,ニッケル/シリカアルミナ等のニッケル系触媒が好ましい。また、必要により水素化反応の助触媒としてゼオライト、シリカアルミナ及び活性白土等の固体酸を使用してもよい。
接触水素還元方法における系内の水素圧としては、好ましくは1.2〜5.0MPa、より好ましくは2.0〜4.5MPa、さらに好ましくは3.0〜4.0MPaである。
なお、接触水素還元方法においては、アセタールの還元反応前に、触媒の予備活性化の処理や、系内の水分を取り除く脱水処理を行ってもよい。
本工程の還元工程での反応温度は、好ましくは−50〜200℃、より好ましくは0〜180℃、さらに好ましくは20℃〜150℃である。還元工程の時間は、好ましくは0.5〜10時間、より好ましくは1〜8時間、さらに好ましくは2〜6時間である。
なお、接触水素還元方法においては、アセタールの還元反応前に、触媒の予備活性化の処理や、系内の水分を取り除く脱水処理を行ってもよい。
本工程の還元工程での反応温度は、好ましくは−50〜200℃、より好ましくは0〜180℃、さらに好ましくは20℃〜150℃である。還元工程の時間は、好ましくは0.5〜10時間、より好ましくは1〜8時間、さらに好ましくは2〜6時間である。
工程2は有機溶媒の存在下で行うことが好ましい。工程2の有機溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、メタノールやエタノール等のアルコール類;n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、シクロペンタン及びシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン及びキシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル類;等が挙げられる。当該有機溶媒は、単独溶媒であってもよく、2種以上を混合してなる混合溶媒であってもよい。
工程2の還元反応終了後は、反応液をろ過して、ろ液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー、蒸留及び再結晶等の通常の精製方法により、2位に分岐構造を有する脂肪族モノエーテルを得ることができる。
工程2の還元反応終了後は、反応液をろ過して、ろ液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー、蒸留及び再結晶等の通常の精製方法により、2位に分岐構造を有する脂肪族モノエーテルを得ることができる。
(工程1’)
本製造方法では、工程1と工程2との間に下記の工程1’を行い、工程2で用いる含アセタール組成物として、工程1’で得られた含アセタール組成物xを用いることが好ましい。
工程1’:前記工程1で得られた含アセタール組成物をアルカリ処理した後、アセタールを含む有機相と、水相とを分離し、有機相から含アセタール組成物xを得る工程。
本製造方法では、工程1と工程2との間に下記の工程1’を行い、工程2で用いる含アセタール組成物として、工程1’で得られた含アセタール組成物xを用いることが好ましい。
工程1’:前記工程1で得られた含アセタール組成物をアルカリ処理した後、アセタールを含む有機相と、水相とを分離し、有機相から含アセタール組成物xを得る工程。
工程1’を行うことにより、工程1’で得られた含アセタール組成物xに含まれるエステルを低減することができ、脂肪族モノエーテルに含まれるエステルを低減することが可能になる。
工程1’では、工程1で得られた含アセタール組成物をアルカリ処理している。これにより、含アセタール組成物に含まれるエステルがアルカリにより加水分解される。
エステルは加水分解によって、カルボン酸イオン及びアルコールとなる。カルボン酸イオンはナトリウム等のアルカリ金属と結合し、カルボン酸ナトリウム等を形成し、アルコールとともに水相に移動する。一方、アセタールは有機相に残存する。このため、工程1’で得られた含アセタール組成物xは、エステルの含有量を低減することができる。
工程1’では、工程1で得られた含アセタール組成物をアルカリ処理している。これにより、含アセタール組成物に含まれるエステルがアルカリにより加水分解される。
エステルは加水分解によって、カルボン酸イオン及びアルコールとなる。カルボン酸イオンはナトリウム等のアルカリ金属と結合し、カルボン酸ナトリウム等を形成し、アルコールとともに水相に移動する。一方、アセタールは有機相に残存する。このため、工程1’で得られた含アセタール組成物xは、エステルの含有量を低減することができる。
アルカリは、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物が挙げられ、アルカリ金属の水酸化物が好適である。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウム等が挙げられる。アルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム及び水酸化バリウム等が挙げられる。
アルカリの使用量は系内がアルカリ性であればよいが、工程1’の系内に存在する水100質量部に対して、1〜250質量部であることが好ましく、10〜200質量部であることがより好ましく、20〜150質量部であることがさらに好ましい。
アルカリの使用量は系内がアルカリ性であればよいが、工程1’の系内に存在する水100質量部に対して、1〜250質量部であることが好ましく、10〜200質量部であることがより好ましく、20〜150質量部であることがさらに好ましい。
工程1で得られた含アセタール組成物は、アルカリと混合することにより、アルカリ処理できる。この際、アルカリをアルカリ水溶液の形態として、工程1で得られた含アセタール組成物とを混合することが好ましい。また、工程1で得られた含アセタール組成物と、アルカリとを混合した後は、加水分解促進のため、撹拌することが好ましい。
工程1’の系内の水の量は特に限定されないが、工程1で得られた含アセタール組成物100質量部に対して、1〜200質量部であることが好ましく、10〜150質量部であることがより好ましく、20〜120質量部であることがさらに好ましい。
工程1’の加水分解の温度は、20〜100℃が好ましく、40〜90℃がより好ましく、60〜85℃がさらに好ましい。加水分解の時間は、0.5〜12時間とすることが好ましく、1〜8時間とすることがより好ましい。
工程1’の系内の水の量は特に限定されないが、工程1で得られた含アセタール組成物100質量部に対して、1〜200質量部であることが好ましく、10〜150質量部であることがより好ましく、20〜120質量部であることがさらに好ましい。
工程1’の加水分解の温度は、20〜100℃が好ましく、40〜90℃がより好ましく、60〜85℃がさらに好ましい。加水分解の時間は、0.5〜12時間とすることが好ましく、1〜8時間とすることがより好ましい。
工程1’の系内には、工程1で用いる有機溶媒と、水との中間的性質を有する溶媒を添加することが好ましい。該溶媒を添加することにより、攪拌時に有機相と水相とが混ざりやすくなり、加水分解を促進することができる。
該溶媒としては、メタノール、エタノール、トリエチレングリコール及びジプロピレングリコール等が挙げられる。該溶媒は、工程1’の系内の水100質量部に対して、1〜500質量部であることが好ましく、10〜300質量部であることがより好ましく、20〜250質量部であることがさらに好ましい。
該溶媒としては、メタノール、エタノール、トリエチレングリコール及びジプロピレングリコール等が挙げられる。該溶媒は、工程1’の系内の水100質量部に対して、1〜500質量部であることが好ましく、10〜300質量部であることがより好ましく、20〜250質量部であることがさらに好ましい。
[粘度指数向上剤]
粘度指数向上剤は、冷凍機油に含有されることで冷凍機油の粘度指数を向上させる化合物である。本実施形態では、粘度指数向上剤を使用することで冷凍機油の粘度指数を200以上とすることが可能になる。
粘度指数向上剤は、高分子量体からなるものであり、その重量平均分子量は、5,000以上10,000,000以下であることが好ましい。粘度指数向上剤の重量平均分子量を5,000以上とすることで、適度な添加量で十分な粘度指数向上効果が得られ、粘度指数向上剤を添加したことによる体積抵抗率の低下も抑制されるやすくなる。また10,000,000以下とすることで、粘度指数向上剤を含酸素基油に溶解させやすくなる。
添加量と粘度指数向上効果との関係から、上記重量平均分子量は、7,000以上5,000,000以下がより好ましく、10,000以上1,000,000以下がさらに好ましい。また、少ない添加量で粘度指数の向上効果を十分に発揮させるために、上記重量平均分子量は、80,000以上600,000以下がよりさらに好ましく、200,000以上600,000以下が特に好ましい。
また、粘度指数向上剤は、酸素原子を有し、かつ酸素原子数に対する炭素原子数の比(C/O比)が含酸素基油のC/O比よりも低くなることが好ましい。粘度指数向上剤のC/O比は、具体的には、2.0以上6.0以下であることが好ましく2.5以上5.0以下がより好ましく、3.0以上4.0以下がさらに好ましい。粘度指数向上剤はこれら下限値以上とすることで、冷凍機油の体積抵抗率を高い値に調製しやすくなる。また、上限値以下とすることで、粘度指数を向上させる効果が得られやすくなる。
粘度指数向上剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
粘度指数向上剤は、冷凍機油に含有されることで冷凍機油の粘度指数を向上させる化合物である。本実施形態では、粘度指数向上剤を使用することで冷凍機油の粘度指数を200以上とすることが可能になる。
粘度指数向上剤は、高分子量体からなるものであり、その重量平均分子量は、5,000以上10,000,000以下であることが好ましい。粘度指数向上剤の重量平均分子量を5,000以上とすることで、適度な添加量で十分な粘度指数向上効果が得られ、粘度指数向上剤を添加したことによる体積抵抗率の低下も抑制されるやすくなる。また10,000,000以下とすることで、粘度指数向上剤を含酸素基油に溶解させやすくなる。
添加量と粘度指数向上効果との関係から、上記重量平均分子量は、7,000以上5,000,000以下がより好ましく、10,000以上1,000,000以下がさらに好ましい。また、少ない添加量で粘度指数の向上効果を十分に発揮させるために、上記重量平均分子量は、80,000以上600,000以下がよりさらに好ましく、200,000以上600,000以下が特に好ましい。
また、粘度指数向上剤は、酸素原子を有し、かつ酸素原子数に対する炭素原子数の比(C/O比)が含酸素基油のC/O比よりも低くなることが好ましい。粘度指数向上剤のC/O比は、具体的には、2.0以上6.0以下であることが好ましく2.5以上5.0以下がより好ましく、3.0以上4.0以下がさらに好ましい。粘度指数向上剤はこれら下限値以上とすることで、冷凍機油の体積抵抗率を高い値に調製しやすくなる。また、上限値以下とすることで、粘度指数を向上させる効果が得られやすくなる。
粘度指数向上剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記重量平均分子量を有する粘度指数向上剤としては、好ましくはポリアルキレングリコール類(PAG)が挙げられる。粘度指数向上剤としてPAGを使用すると、冷凍機油の粘度指数をより高くすることが可能である。
粘度指数向上剤として使用されるPAGは、具体的には、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
R6[−(OR7)v−OR8]w (3)
式中、R6は水素原子、炭素数1〜10の1価の炭化水素基、炭素数2〜10のアシル基、結合部2〜6個を有する炭素数1〜10の炭化水素基、結合部2〜6個を有する炭素数1〜10の酸素含有炭化水素基、又は炭素数2〜4の1価のハロゲン含有炭化水素基である。R7は炭素数2〜4のアルキレン基である。R8は水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数1〜10の酸素含有炭化水素基である。wは1〜6の整数、vは1以上の数であり、重量平均分子量が上記範囲となるような数である。
粘度指数向上剤として使用されるPAGは、具体的には、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
R6[−(OR7)v−OR8]w (3)
式中、R6は水素原子、炭素数1〜10の1価の炭化水素基、炭素数2〜10のアシル基、結合部2〜6個を有する炭素数1〜10の炭化水素基、結合部2〜6個を有する炭素数1〜10の酸素含有炭化水素基、又は炭素数2〜4の1価のハロゲン含有炭化水素基である。R7は炭素数2〜4のアルキレン基である。R8は水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数1〜10の酸素含有炭化水素基である。wは1〜6の整数、vは1以上の数であり、重量平均分子量が上記範囲となるような数である。
上記式(3)において、R6及びR8の各々における炭素数1〜10の1価の炭化水素基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。該炭化水素基はアルキル基が好ましく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、直鎖又は分岐のブチル基、直鎖又は分岐のペンチル基、直鎖又は分岐のヘキシル基、直鎖又は分岐のヘプチル基、直鎖又は分岐のオクチル基、直鎖又は分岐のノニル基、直鎖又は分岐のデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができる。上記1価の炭化水素基は、炭素数を10以下とすることで冷媒との相溶性が良好となる。そのような観点から、1価の炭化水素基の炭素数は、より好ましくは1〜4である。
また、R6及びR8の各々における炭素数2〜10のアシル基が有する炭化水素基部分は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。該アシル基の炭化水素基部分は、アルキル基が好ましく、その具体例としては、上述のR6及びR8として選択し得るアルキル基のうち炭素数1〜9のものが挙げられる。該アシル基の炭素数が10以下とすることで冷媒との相溶性が良好となる。好ましいアシル基の炭素数は2〜4である。
R6及びR8が、いずれも炭化水素基又はアシル基である場合には、R6及びR8は同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
また、R6及びR8の各々における炭素数2〜10のアシル基が有する炭化水素基部分は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。該アシル基の炭化水素基部分は、アルキル基が好ましく、その具体例としては、上述のR6及びR8として選択し得るアルキル基のうち炭素数1〜9のものが挙げられる。該アシル基の炭素数が10以下とすることで冷媒との相溶性が良好となる。好ましいアシル基の炭素数は2〜4である。
R6及びR8が、いずれも炭化水素基又はアシル基である場合には、R6及びR8は同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
R6が結合部位2〜6個を有する炭素数1〜10の炭化水素基である場合、この炭化水素基は鎖状のものであってもよいし、環状のものであってもよい。結合部位2個を有する炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基が好ましく、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基などが挙げられる。その他の炭化水素基としては、ビフェノール、ビスフェノールF、ビスフェノールAなどのビスフェノール類から水酸基を除いた残基を挙げることができる。また、結合部位3〜6個を有する炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基が好ましく、例えばトリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,3−トリヒドロキシシクロヘキサン、1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサンなどの多価アルコールから水酸基を除いた残基を挙げることができる。
この脂肪族炭化水素基の炭素数が10以下とすることで冷媒との相溶性が良好となる。この脂肪族炭化水素基の好ましい炭素数は2〜6である。
この脂肪族炭化水素基の炭素数が10以下とすることで冷媒との相溶性が良好となる。この脂肪族炭化水素基の好ましい炭素数は2〜6である。
R6及びR8の各々における炭素数1〜10の酸素含有炭化水素基としては、エーテル結合を有する鎖状の脂肪族基や環状の脂肪族基(例えば、テトラヒドロフルフリル基)などを挙げることができる。
R6におけるハロゲン含有炭化水素基のハロゲンは、例えば、PAGを製造する際に使用されるハロゲン含有オニウム塩由来のものである。ハロゲンとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、塩素原子、臭素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
ハロゲン含有炭化水素基としては、炭素数2〜4のハロゲン含有アルキル基が挙げられ、炭素数2〜4のクロロアルキル基が好ましく、具体的には、2−クロロエチル基、2−クロロ−1−メチルエチル基、2−クロロ−1−エチルエチル基等が挙げられる。
R6におけるハロゲン含有炭化水素基のハロゲンは、例えば、PAGを製造する際に使用されるハロゲン含有オニウム塩由来のものである。ハロゲンとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、塩素原子、臭素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
ハロゲン含有炭化水素基としては、炭素数2〜4のハロゲン含有アルキル基が挙げられ、炭素数2〜4のクロロアルキル基が好ましく、具体的には、2−クロロエチル基、2−クロロ−1−メチルエチル基、2−クロロ−1−エチルエチル基等が挙げられる。
前記式(3)中のR7は炭素数2〜4のアルキレン基であり、繰り返し単位のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が挙げられる。1分子中のオキシアルキレン基は同一であってもよいし、2種以上のオキシアルキレン基が含まれていてもよいが、1分子中に少なくともオキシプロピレン単位を含むものが好ましく、オキシアルキレン単位中に70モル%以上のオキシプロピレン単位を含むものがより好ましく、90モル%以上のオキシプロピレン単位を含むものがより好ましい。
前記式(3)中のwは1〜6の整数で、R6の結合部位の数に応じて定められる。例えばR6がアルキル基やアシル基の場合、wは1である。また、例えば、R6が結合部位2,3,4,5及び6個を有する脂肪族炭化水素基である場合、wはそれぞれ2,3,4,5及び6となる。
また、wは、好ましくは1〜3の整数であり、より好ましくは1〜2の整数、最も好ましくは1である。また、wが1である場合、R6、R8の少なくとも一方がアルキル基であることが好ましい。なお、wが2以上の場合には、1分子中の複数のR8は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記式(3)中のwは1〜6の整数で、R6の結合部位の数に応じて定められる。例えばR6がアルキル基やアシル基の場合、wは1である。また、例えば、R6が結合部位2,3,4,5及び6個を有する脂肪族炭化水素基である場合、wはそれぞれ2,3,4,5及び6となる。
また、wは、好ましくは1〜3の整数であり、より好ましくは1〜2の整数、最も好ましくは1である。また、wが1である場合、R6、R8の少なくとも一方がアルキル基であることが好ましい。なお、wが2以上の場合には、1分子中の複数のR8は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
PAGは、例えば、アルキレンオキシド(オキシラン単量体)を重合又は共重合して得ることができる。また、PAGは、トリアルキルアルミニウムとオニウム塩存在下でオキシラン単量体を重合させて得ることで、上記で述べた分子量範囲のうち、比較的高い分子量のものも製造可能である。以下、その製造方法について詳述する。
(オニウム塩)
オニウム塩としては、アンモニウム塩が挙げられ、その好適例としては、以下の式(4)で表されるハロゲン非含有オニウム塩、式(5)で表されるハロゲン含有オニウム塩が挙げられる。
R9(−O−)n(NR10 4 +)n (4)
X−NR10 4 + (5)
式(4)、(5)においてR9は、結合部を1〜4個有する直鎖又は分岐の炭素数1〜6の飽和炭化水素基、R10はそれぞれ独立に直鎖又は分岐の炭素数4〜8のアルキル基、nは1〜4の整数、Xはハロゲン原子である。
ここで、式(4)で表される化合物としては、nが1〜2の整数であるとともに、R9が結合部を1〜2個有することが好ましく、nが1であるとともに、R9が直鎖又は分岐の炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましい。また、R9の炭素数としては、1〜5が好ましく、1〜4がより好ましい。
式(4)、(5)において、R10の炭素数としては、4〜6が好ましく、4がより好ましい。また、式(5)において、Xで表されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子が挙げられ、好ましくは塩素原子又は臭素原子、より好ましくは塩素原子である。
オニウム塩としては、アンモニウム塩が挙げられ、その好適例としては、以下の式(4)で表されるハロゲン非含有オニウム塩、式(5)で表されるハロゲン含有オニウム塩が挙げられる。
R9(−O−)n(NR10 4 +)n (4)
X−NR10 4 + (5)
式(4)、(5)においてR9は、結合部を1〜4個有する直鎖又は分岐の炭素数1〜6の飽和炭化水素基、R10はそれぞれ独立に直鎖又は分岐の炭素数4〜8のアルキル基、nは1〜4の整数、Xはハロゲン原子である。
ここで、式(4)で表される化合物としては、nが1〜2の整数であるとともに、R9が結合部を1〜2個有することが好ましく、nが1であるとともに、R9が直鎖又は分岐の炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましい。また、R9の炭素数としては、1〜5が好ましく、1〜4がより好ましい。
式(4)、(5)において、R10の炭素数としては、4〜6が好ましく、4がより好ましい。また、式(5)において、Xで表されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種のハロゲン原子が挙げられ、好ましくは塩素原子又は臭素原子、より好ましくは塩素原子である。
R9の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の直鎖又は分岐のアルキル基;エチレン基、プロピレン基、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールから水酸基を除いた残基で例示される、結合部を2〜4個有する直鎖又は分岐の飽和炭化水素基が挙げられる。また、R10の具体例としては、直鎖又は分岐のブチル基、直鎖又は分岐のオクチル基等が挙げられる。
オニウム塩としては、上記式(4)で表されるハロゲン非含有オニウム塩を使用することが好ましい。また、オニウム塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合してもよい。
オニウム塩としては、上記式(4)で表されるハロゲン非含有オニウム塩を使用することが好ましい。また、オニウム塩は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合してもよい。
オニウム塩は、所望する分子量に応じて使用量を変更すればよいが、反応系内の全単量体に対して、好ましくは0.005モル%以上1.5モル%以下、より好ましくは0.01モル%以上0.1モル%以下、さらに好ましくは0.01モル%以上0.06モル%以下、特に好ましくは0.01モル%以上0.03モル%以下である。オニウム塩の使用量を、これら下限値以上とすることで、オニウム塩を開始剤として適切に重合反応を進行させることが可能になる。また、これら上限値以下とすることで、得られるPAGの分子量が十分に高くなる。
ハロゲン非含有オニウム塩は、例えば、アルカリ金属アルコキシドと第4級アンモニウム塩を反応させて合成する。アルカリ金属アルコキシドは、アルコールをアルカリ金属の水素化物でアルコキシ化することにより得られる。
ここで、使用するアルコールのアルキル基は、R9の炭素数に応じて変更されるものであり、炭素数1〜6のものが使用される。アルキル基は、直鎖でも分岐構造でもよい。アルコールとしては、1〜4価のアルコールが使用され、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
ハロゲン非含有オニウム塩の合成に使用する第4級アンモニウム塩としては、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムクロリド、テトラオクチルアンモニウムブロミドなどが挙げられる。
ここで、使用するアルコールのアルキル基は、R9の炭素数に応じて変更されるものであり、炭素数1〜6のものが使用される。アルキル基は、直鎖でも分岐構造でもよい。アルコールとしては、1〜4価のアルコールが使用され、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
ハロゲン非含有オニウム塩の合成に使用する第4級アンモニウム塩としては、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムクロリド、テトラオクチルアンモニウムブロミドなどが挙げられる。
一方、式(5)で表されるハロゲン含有オニウム塩の具体例としては、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムクロリド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリドなどが挙げられ、好ましくはテトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、より好ましくはテトラブチルアンモニウムクロリドである。
(トリアルキルアルミニウム)
トリアルキルアルミニウムとしては、具体的には、アルキル基の炭素数が1〜18のトリアルキルアルミニウムが挙げられ、これらの中では、アルキル基の炭素数が1〜8のトリアルキルアルミニウムが好ましく、アルキル基の炭素数が2〜6のトリアルキルアルミニウムがより好ましい。
トリアルキルアルミニウムに含有されるアルキル基は、分岐であってもよいし、直鎖であってもよい。また、1分子中に含まれるアルキル基は同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
トリアルキルアルミニウムの具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどが挙げられ、これらの中ではトリイソブチルアルミニウムが好ましい。
トリアルキルアルミニウムは、1種単独で使用してもよいし、2種を併用してもよい。
また、トリアルキルアルミニウムは、ヘキサン、トルエンなどの溶剤で希釈されているものを使用してもよい。
トリアルキルアルミニウムとしては、具体的には、アルキル基の炭素数が1〜18のトリアルキルアルミニウムが挙げられ、これらの中では、アルキル基の炭素数が1〜8のトリアルキルアルミニウムが好ましく、アルキル基の炭素数が2〜6のトリアルキルアルミニウムがより好ましい。
トリアルキルアルミニウムに含有されるアルキル基は、分岐であってもよいし、直鎖であってもよい。また、1分子中に含まれるアルキル基は同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
トリアルキルアルミニウムの具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどが挙げられ、これらの中ではトリイソブチルアルミニウムが好ましい。
トリアルキルアルミニウムは、1種単独で使用してもよいし、2種を併用してもよい。
また、トリアルキルアルミニウムは、ヘキサン、トルエンなどの溶剤で希釈されているものを使用してもよい。
PAGの製造において、トリアルキルアルミニウムは、オニウム塩に対して、モル比で1以上100以下であることが好ましく、5以上50以下であることがより好ましく、11以上40以下であることがさらに好ましい。本製造方法においては、トリアルキルアルミニウムをこれら範囲とすることで、高分子量のPAGを製造することが可能になる。
(オキシラン単量体)
オキシラン単量体としては、炭素2原子、酸素1原子からなる複素三員環を有する化合物であるが、具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても良い。
オキシラン単量体としては、炭素2原子、酸素1原子からなる複素三員環を有する化合物であるが、具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても良い。
PAGの合成は、トリアルキルアルミニウム、及び、オニウム塩存在下、オキシラン単量体を開環重合することで行う。重合反応は、通常、これら原料を反応系内で混合することで行う。原料の混合は、例えば、反応系内に先に仕込んだオニウム塩に、オキシラン単量体を添加し、その後、さらにトリアルキルアルミニウムを添加して行う。或いは、反応系内に先に仕込んだトリアルキルアルミニウム、及びオニウム塩の混合物に、オキシラン単量体を添加して行ってもよい。また、反応系内に先に仕込んだトリアルキルアルミニウムとオキシラン単量体に、オキシラン単量体に溶解させたオニウム塩を添加して行ってもよい。
重合反応は、特に限定されないが、溶媒存在下で行うことが好ましい。溶媒存在下で行うことで、重合を制御しやすくなり、高分子量のPAGが製造しやすくなる。
溶媒としては、原料に対して不活性なものであれば特に限定されないが、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、イソオクタン、トルエンなどの炭化水素系溶媒、モノエーテル、ジエーテル、トリエーテル、テトラエーテル、ポリビニルエーテル類、ポリアルキレングリコール類などのエーテル系溶媒が挙げられる。
ここで、モノエーテルとしては、アルキル基の炭素数が1〜12であるジアルキルエーテル等が例示される。また、ジエーテルとしては、アルキル基の炭素数が1〜12であるジアルキルジエーテルが用いられ、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルカンジオールのジアルキルエーテルが挙げられる。トリエーテル及びテトラエーテルとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価又は4価アルコールのアルキルエーテルが挙げられる。
これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
溶媒としては、原料に対して不活性なものであれば特に限定されないが、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、イソオクタン、トルエンなどの炭化水素系溶媒、モノエーテル、ジエーテル、トリエーテル、テトラエーテル、ポリビニルエーテル類、ポリアルキレングリコール類などのエーテル系溶媒が挙げられる。
ここで、モノエーテルとしては、アルキル基の炭素数が1〜12であるジアルキルエーテル等が例示される。また、ジエーテルとしては、アルキル基の炭素数が1〜12であるジアルキルジエーテルが用いられ、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのアルカンジオールのジアルキルエーテルが挙げられる。トリエーテル及びテトラエーテルとしては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3価又は4価アルコールのアルキルエーテルが挙げられる。
これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
溶媒は、全単量体の濃度(溶媒1Lに対する単量体のモル量)が、通常、0.1モル/L以上10モル/L以下、好ましくは1モル/L以上8モル/L以下、さらに好ましくは1モル/L以上4モル/L以下となるように反応系に添加される。単量体の濃度がこれらの上限値以下とすることで、高分子量のPAGを製造しやすくなる。また、下限値以上とすることで、反応容器のサイズが必要以上に大きくなることが防止される。
重合反応を行う条件は特に限定されず、用いる原料の種類、目的とする分子量などに応じて適宜設定すればよい。重合反応時の圧力は、通常、大気圧下である。また、重合時の温度は、通常、−30〜30℃、好ましくは−20〜10℃、より好ましくは−15〜0℃である。また、重合時間は、通常、0.5〜24時間、好ましくは1〜15時間、より好ましくは2〜10時間である。
重合反応は、例えば、水、アルコール、酸性物質、又はこれらの混合物等を添加し、触媒を失活させて停止してもよい。また、重合反応終了後、ろ過、減圧留去等の常法により、不純物、揮発成分を除去して重合体を回収すればよい。
さらに、得られる重合体の末端は、水酸基となるものであるが、その末端水酸基は変性剤により官能基を導入してもよい。具体的には、重合体の末端は、水酸基をエステル化、又はエーテル化等することで、炭素数1〜10の炭化水素基又は炭素数1〜10の酸素含有炭化水素基、炭素数2〜10のアシル基等を導入してもよい。
なお、溶媒は、重合反応後に除去すればよいが、含酸素基油、溶解助剤として使用可能なものは、除去せずにPAGとともにそのまま冷凍基油に配合してもよい。
さらに、得られる重合体の末端は、水酸基となるものであるが、その末端水酸基は変性剤により官能基を導入してもよい。具体的には、重合体の末端は、水酸基をエステル化、又はエーテル化等することで、炭素数1〜10の炭化水素基又は炭素数1〜10の酸素含有炭化水素基、炭素数2〜10のアシル基等を導入してもよい。
なお、溶媒は、重合反応後に除去すればよいが、含酸素基油、溶解助剤として使用可能なものは、除去せずにPAGとともにそのまま冷凍基油に配合してもよい。
[溶解助剤]
本実施形態で使用される溶解助剤は、冷凍機油における粘度指数向上剤の溶解性を向上させる化合物である。溶解助剤の100℃動粘度は、1mm2/s以上20mm2/s以下であることが好ましい。100℃動粘度を1mm2/s以上とすることで、溶解助剤の極性が含酸素基油よりも高くなるため、溶解助剤が粘度指数向上剤に溶解しやすくなる。また、100℃動粘度が20mm2/s以下であると、溶解助剤が高分子量体となることを防止し、含酸素基油に溶解しやすくなる。冷凍機油は、粘度指数向上剤及び含酸素基油の両方に溶解しやすい溶解助剤を含有することで、相分離が起こりにくくなる。
含酸素基油及び粘度指数向上剤との溶解性の観点から、溶解助剤の100℃動粘度は、2mm2/s以上10mm2/s以下がより好ましく、2mm2/s以上5mm2/s以下がさらに好ましい。
本実施形態で使用される溶解助剤は、冷凍機油における粘度指数向上剤の溶解性を向上させる化合物である。溶解助剤の100℃動粘度は、1mm2/s以上20mm2/s以下であることが好ましい。100℃動粘度を1mm2/s以上とすることで、溶解助剤の極性が含酸素基油よりも高くなるため、溶解助剤が粘度指数向上剤に溶解しやすくなる。また、100℃動粘度が20mm2/s以下であると、溶解助剤が高分子量体となることを防止し、含酸素基油に溶解しやすくなる。冷凍機油は、粘度指数向上剤及び含酸素基油の両方に溶解しやすい溶解助剤を含有することで、相分離が起こりにくくなる。
含酸素基油及び粘度指数向上剤との溶解性の観点から、溶解助剤の100℃動粘度は、2mm2/s以上10mm2/s以下がより好ましく、2mm2/s以上5mm2/s以下がさらに好ましい。
溶解助剤は、含酸素基油及び粘度指数向上剤との溶解性の観点から、通常、酸素原子を
有する。そして、溶解助剤の酸素原子数に対する炭素原子数の比(C/O比)は、含酸素基油のC/O比と、粘度指数向上剤のC/O比の間の値であることが好ましい。具体的には、溶解助剤のC/O比は、2.0以上11.0以下であることが好ましく、3.0以上8.0以下であることがより好ましく、3.0以上5.0以下であることがさらに好ましい。
また、溶解助剤としては、冷凍機油の体積抵抗率を高くできる化合物であることが好ましい。そのため、溶解助剤は、ポリマーである場合には、後述するPVEのように、酸素原子が側鎖に存在することが好ましい。また、後述するエーテル化合物、エステル化合物では、分岐構造やヒンダード構造を有することが好ましい。
溶解助剤の体積抵抗率は、具体的には1×1010Ω・m以上であることが好ましい。1×1010Ω・m以上とすることで、冷凍機油の体積抵抗率を1×109Ω・m以上としやすくなる。また、冷凍機油の体積抵抗率を向上させるために、溶解助剤の体積抵抗率は、1×1011Ω・m以上であることがより好ましく、5×1011Ω・m以上であることがさらに好ましい。
有する。そして、溶解助剤の酸素原子数に対する炭素原子数の比(C/O比)は、含酸素基油のC/O比と、粘度指数向上剤のC/O比の間の値であることが好ましい。具体的には、溶解助剤のC/O比は、2.0以上11.0以下であることが好ましく、3.0以上8.0以下であることがより好ましく、3.0以上5.0以下であることがさらに好ましい。
また、溶解助剤としては、冷凍機油の体積抵抗率を高くできる化合物であることが好ましい。そのため、溶解助剤は、ポリマーである場合には、後述するPVEのように、酸素原子が側鎖に存在することが好ましい。また、後述するエーテル化合物、エステル化合物では、分岐構造やヒンダード構造を有することが好ましい。
溶解助剤の体積抵抗率は、具体的には1×1010Ω・m以上であることが好ましい。1×1010Ω・m以上とすることで、冷凍機油の体積抵抗率を1×109Ω・m以上としやすくなる。また、冷凍機油の体積抵抗率を向上させるために、溶解助剤の体積抵抗率は、1×1011Ω・m以上であることがより好ましく、5×1011Ω・m以上であることがさらに好ましい。
溶解助剤として使用される化合物としては、ポリビニルエーテル類(PVE)、エステル化合物、エーテル結合を3つ以上有するエーテル化合物、具体的には、脂肪族トリエーテル、脂肪族テトラエーテル等が挙げられる。溶解助剤は、これらを1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用としてもよい。溶解助剤としては、これらの中では、体積抵抗率を高めやすいため、ポリビニルエーテル類(PVE)が好ましい。
(ポリビニルエーテル類(PVE))
溶解助剤として使用されるポリビニルエーテル類(PVE)は、ビニルエーテル由来の構成単位を有する重合体であり、具体的には、下記式(A−1)で表される構成単位を有するポリビニル系化合物が挙げられる。
溶解助剤として使用されるポリビニルエーテル類(PVE)は、ビニルエーテル由来の構成単位を有する重合体であり、具体的には、下記式(A−1)で表される構成単位を有するポリビニル系化合物が挙げられる。
上記式(A−1)におけるR1a、R2a及びR3aはそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。ここで炭化水素基としては、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、各種メチルシクロヘキシル基、各種エチルシクロヘキシル基、各種ジメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、各種メチルフェニル基、各種エチルフェニル基、各種ジメチルフェニル基などのアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、各種メチルベンジル基などのアリールアルキル基が挙げられるが、アルキル基が好ましい。また、R1a、R2a及びR3aは水素原子あるいは炭素数3以下のアルキル基がより好ましいが、R1a、R2a及びR3aは全て水素原子であることがさらに好ましい。また、式(A−1)におけるtは、0又は1であるが、好ましくは0である。
R4aは、炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示すが、ここで炭素数2〜10の二価の炭化水素基としては、具体的にはエチレン基、フェニルエチレン基、1,2−プロピレン基、2−フェニル−1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、各種ブチレン基、各種ペンチレン基、各種ヘキシレン基、各種ヘプチレン基、各種オクチレン基、各種ノニレン基、各種デシレン基などの二価の脂肪族炭化水素基;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、プロピルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素に2個の結合部位を有する脂環式炭化水素基;各種フェニレン基、各種メチルフェニレン基、各種エチルフェニレン基、各種ジメチルフェニレン基、各種ナフチレンなどの二価の芳香族炭化水素基;トルエン、エチルベンゼンなどのアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分と芳香族部分にそれぞれ一価の結合部位を有するアルキル芳香族炭化水素基;キシレン、ジエチルベンゼンなどのポリアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分に結合部位を有するアルキル芳香族炭化水素基などがある。これらの中で炭素数2〜4の脂肪族炭化水素基がより好ましく、炭素数2〜4の飽和脂肪族炭化水素基がさらに好ましい。
さらに、式(A−1)におけるR5aは炭素数1〜10の炭化水素基を示すが、この炭化水素基とは、具体的にはメチル基,エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、各種メチルシクロヘキシル基、各種エチルシクロヘキシル基、各種プロピルシクロヘキシル基、各種ジメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、各種メチルフェニル基、各種エチルフェニル基、各種ジメチルフェニル基、各種プロピルフェニル基、各種トリメチルフェニル基、各種ブチルフェニル基、各種ナフチル基などのアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、各種メチルベンジル基、各種フェニルプロピル基,各種フェニルブチル基などのアリールアルキル基を示す。この中で炭素数1〜8の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。なお、アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
ポリビニル系化合物は、上記式(A−1)で表される構成単位を有するポリマーであるが、その繰り返し数は、100℃動粘度の範囲が上記した動粘度の範囲になるように調製すればよく、通常3〜80である。また、上記ポリビニル系化合物は、対応するビニルエーテル系モノマーの重合により製造することができる。ここで用いることのできるビニルエーテル系モノマーは、以下の式(A−2)で示されるものである。
(式中、R1a,R2a,R3a,R4a及びR5a及びtは前記と同じである。)
このビニルエーテル系モノマーとしては、上記ポリビニル系化合物に対応する各種のものがあるが、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニル−n−プロピルエーテル、ビニルイソプロピルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニル−sec−ブチルエーテル、ビニル−tert−ブチルエーテル、ビニル−n−ペンチルエーテル、ビニル−n−ヘキシルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル、ビニル−2−エトキシエチルエーテル、ビニル−2−メトキシ−1−メチルエチルエーテル、ビニル−2−メトキシ−プロピルエーテル、ビニル−3,6−ジオキサヘプチルエーテル、ビニル−3,6,9−トリオキサデシルエーテル、ビニル−1,4−ジメチル−3,6−ジオキサヘプチルエーテル、ビニル−1,4,7−トリメチル−3,6,9−トリオキサデシルエーテル、ビニル−2,6−ジオキサ−4−ヘプチルエーテル、ビニル−2,6,9−トリオキサ−4−デシルエーテル、1−メトキシプロペン、1−エトキシプロペン、1−n−プロポキシプロペン、1−イソプロポキシプロペン、1−n−ブトキシプロペン、1−イソブトキシプロペン、1−sec−ブトキシプロペン、1−tert−ブトキシプロペン、2−メトキシプロペン、2−エトキシプロペン、2−n−プロポキシプロペン、2−イソプロポキシプロペン、2−n−ブトキシプロペン、2−イソブトキシプロペン、2−sec−ブトキシプロペン、2−tert−ブトキシプロペン、1−メトキシ−1−ブテン、1−エトキシ−1−ブテン、1−n−プロポキシ−1−ブテン、1−イソプロポキシ−1−ブテン、1−n−ブトキシ−1−ブテン、1−イソブトキシ−1−ブテン、1−sec−ブトキシ−1−ブテン、1−tert−ブトキシ−1−ブテン、2−メトキシ−1−ブテン、2−エトキシ−1−ブテン、2−n−プロポキシ−1−ブテン、2−イソプロポキシ−1−ブテン、2−n−ブトキシ−1−ブテン、2−イソブトキシ−1−ブテン、2−sec−ブトキシ−1−ブテン、2−tert−ブトキシ−1−ブテン、2−メトキシ−2−ブテン、2−エトキシ−2−ブテン、2−n−プロポキシ−2−ブテン、2−イソプロポキシ−2−ブテン、2−n−ブトキシ−2−ブテン、2−イソブトキシ−2−ブテン、2−sec−ブトキシ−2−ブテン、2−tert−ブトキシ−2−ブテン等が挙げられる。これらのビニルエーテル系モノマーは公知の方法により製造することができる。
式(A−1)で示される重合体の末端部分には、公知の方法により、飽和の炭化水素、エーテル、アルコール、ケトン、アミド、ニトリル等に由来の一価の基を導入してもよい。中でも、ポリビニル系化合物としては、次の(1)〜(4)の末端構造を有するものが好適である。
(1)その1つの末端が下記式(A−1−i)で表され、残りの末端が下記式(A−1−ii)で表されるもの
(式中、R6a,R7a及びR8aは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。R9aは炭素数2〜10の二価の炭化水素基、R10aは炭素数1〜10の炭化水素基、t1は0又は1の数を示す。)
(1)その1つの末端が下記式(A−1−i)で表され、残りの末端が下記式(A−1−ii)で表されるもの
(式中、R6a,R7a及びR8aは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。R9aは炭素数2〜10の二価の炭化水素基、R10aは炭素数1〜10の炭化水素基、t1は0又は1の数を示す。)
(式中、R11a,R12a及びR13aは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよく、R14aは炭素数2〜10の二価の炭化水素基、R15aは炭素数1〜10の炭化水素基、t2は0又は1の数を示す。)
(2)その一つの末端が上記式(A−1-i)で表され、かつ残りの末端が式(A−1-iii)で表されるもの
(式中、R16a、R17a及びR18aは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。R19a及びR21aはそれぞれ独立に炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよく、R20a及びR22aはそれぞれ独立に炭素数1〜10の炭化水素基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよく、t3及びt4は0又は1の数を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
(式中、R16a、R17a及びR18aは、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。R19a及びR21aはそれぞれ独立に炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよく、R20a及びR22aはそれぞれ独立に炭素数1〜10の炭化水素基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよく、t3及びt4は0又は1の数を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
(3)その一つの末端が上記式(A−1-i)で表され、かつ残りの末端がオレフィン性不飽和結合を有するもの
(4)その一つの末端が上記式(A−1-i)で表され、かつ残りの末端が式(A−1-iv)で表されるもの
(式中、R23a,R24a及びR25aは、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一であっても異なっていてもよい。)
(4)その一つの末端が上記式(A−1-i)で表され、かつ残りの末端が式(A−1-iv)で表されるもの
(式中、R23a,R24a及びR25aは、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一であっても異なっていてもよい。)
ポリビニルエーテル類は、前記(1)〜(4)の末端構造を有するものの中から選ばれた二種以上の混合物であってもよい。このような混合物としては、例えば前記(1)のものと(4)のものとの混合物、及び前記(2)のものと(3)のものとの混合物を好ましく挙げることができる。
ポリビニル系化合物は、上記した粘度範囲となるように、重合度、末端構造等を選定すればよい。また、ポリビニル系化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
末端構造としては、上記式(A−1)で表される構成単位を有するポリビニル系化合物では、1つの末端が上記式(A−1−i)で表され、残りの末端が上記式(A−1−ii)で表されるものが好ましい。
なお、末端構造におけるR6a〜R8a、R11a〜R13a、R16a〜R18a、R23a〜R25aに使用される炭素数1〜8の炭化水素基としては、上記したR1a〜R3aとして選択され得るものから適宜選択されて使用可能である。また、R9a、R14a、R19a、R21aに使用される炭素数2〜10の二価の炭化水素基としては、上記したR4aとして選択され得るものから適宜選択されて使用可能である。さらに、R10a、R15a、R20a、R22aに使用される炭素数1〜10の炭化水素基は、上記R5aとして選択され得るものから適宜選択されて使用可能である。なお、これらは好適な官能基についても上記と同様である。
ポリビニル系化合物は、上記した粘度範囲となるように、重合度、末端構造等を選定すればよい。また、ポリビニル系化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
末端構造としては、上記式(A−1)で表される構成単位を有するポリビニル系化合物では、1つの末端が上記式(A−1−i)で表され、残りの末端が上記式(A−1−ii)で表されるものが好ましい。
なお、末端構造におけるR6a〜R8a、R11a〜R13a、R16a〜R18a、R23a〜R25aに使用される炭素数1〜8の炭化水素基としては、上記したR1a〜R3aとして選択され得るものから適宜選択されて使用可能である。また、R9a、R14a、R19a、R21aに使用される炭素数2〜10の二価の炭化水素基としては、上記したR4aとして選択され得るものから適宜選択されて使用可能である。さらに、R10a、R15a、R20a、R22aに使用される炭素数1〜10の炭化水素基は、上記R5aとして選択され得るものから適宜選択されて使用可能である。なお、これらは好適な官能基についても上記と同様である。
ポリビニルエーテル類において、上記式(A−1)で表される構成単位は、R1a,R2a及びR3aがいずれも水素原子、R5aが炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、そのような構成単位の割合は、構成単位全量に対して50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましい。また、tは0であることがより好ましい。tが0であるとき、その構成単位におけるR5aのアルキル基としてはそれぞれ、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられるが、エチル基、イソブチル基がより好ましく、エチル基が最も好ましい。また、tが1である構成単位においては、R5aのアルキル基はメチル基であるとともに、R4aの飽和脂肪族炭化水素基がエチレン基であることがより好ましい。
この場合、末端構造は、1つの末端が上記式(A−1−i)で表され、残りの末端が上記式(A−1−ii)で表され、式(A−1−i)及び式(A−1−ii)において、R6a,R7a、R8a、R11a,R12a及びR13aが水素原子であるとともに、R10a,R15aが炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。また、t1、t2は0であることがより好ましい。なお、通常、R10a、R15aのアルキル基は、式(A−1)で表される構成単位のR5aと同様であるとともに、tが1であるときのR9a、R14aは、式(A−1)で表される構成単位のR4aと同様である。
(脂肪族トリエーテル)
溶解助剤として使用される脂肪族トリエーテルとしては、3価のアルコールのトリアルキルエーテルが挙げられ、具体的には、下記式(B−1)で表される化合物が挙げられる。
式(B−1)において、Rb1は直鎖又は分岐の炭素数2〜20の3価の飽和炭化水素基を表す。Rb2〜Rb4は、直鎖又は分岐の炭素数2〜20のアルキル基であり、Rb2、Rb3、Rb4は互いに同じでもよいし、異なっていてもよい。
式(B−1)において、Rb1の炭素数が4〜8であるとともに、Rb2〜Rb4の炭素数が3〜10であることが好ましく、Rb1の炭素数が5〜7であるとともに、Rb2〜Rb4の炭素数が4〜9であることがより好ましく、Rb2〜Rb4の炭素数が4〜6であることがさらに好ましい。
また、体積抵抗率を比較的大きくするために、少なくともRb1が分岐であることが好ましく、Rb1はヒンダードアルコールから水酸基を除いた基であることがより好ましく、トリメチロールプロパンから水酸基を除いた基であることがさらに好ましい。なお、ヒンダードアルコールとは、4つの炭素原子に結合する4級炭素原子を有するアルコールをいう。
溶解助剤として使用される脂肪族トリエーテルとしては、3価のアルコールのトリアルキルエーテルが挙げられ、具体的には、下記式(B−1)で表される化合物が挙げられる。
式(B−1)において、Rb1は直鎖又は分岐の炭素数2〜20の3価の飽和炭化水素基を表す。Rb2〜Rb4は、直鎖又は分岐の炭素数2〜20のアルキル基であり、Rb2、Rb3、Rb4は互いに同じでもよいし、異なっていてもよい。
式(B−1)において、Rb1の炭素数が4〜8であるとともに、Rb2〜Rb4の炭素数が3〜10であることが好ましく、Rb1の炭素数が5〜7であるとともに、Rb2〜Rb4の炭素数が4〜9であることがより好ましく、Rb2〜Rb4の炭素数が4〜6であることがさらに好ましい。
また、体積抵抗率を比較的大きくするために、少なくともRb1が分岐であることが好ましく、Rb1はヒンダードアルコールから水酸基を除いた基であることがより好ましく、トリメチロールプロパンから水酸基を除いた基であることがさらに好ましい。なお、ヒンダードアルコールとは、4つの炭素原子に結合する4級炭素原子を有するアルコールをいう。
(脂肪族テトラエーテル)
溶解助剤として使用される脂肪族テトラエーテルとしては、4価のアルコールのテトラアルキルエーテルが挙げられる。具体的には、下記式(B−2)で表される化合物が挙げられる。
式(B−2)において、Rb5は、直鎖又は分岐の炭素数2〜20の4価の飽和脂肪族炭化水素基である。Rb6〜Rb9は直鎖又は分岐の炭素数2〜20のアルキル基であり、Rb6、Rb7、Rb8、Rb9は互いに同じであっても異なっていてもよい。
また、式(B−2)において、Rb5の炭素数が4〜8で、かつRb6〜Rb9の炭素数が2〜10であることが好ましく、Rb5の炭素数が4〜6であり、かつRb6〜Rb9の炭素数が4〜9であることがより好ましく、Rb6〜Rb9の炭素数が4〜6であることがさらに好ましい。
さらに、体積抵抗率を向上させる観点から、少なくともRb5が分岐を有することが好ましく、Rb5は、ヒンダードアルコールから水酸基を除いた基であることがより好ましく、ペンタエリスリトールから水酸基を除いた基がさらに好ましい。
溶解助剤として使用される脂肪族テトラエーテルとしては、4価のアルコールのテトラアルキルエーテルが挙げられる。具体的には、下記式(B−2)で表される化合物が挙げられる。
式(B−2)において、Rb5は、直鎖又は分岐の炭素数2〜20の4価の飽和脂肪族炭化水素基である。Rb6〜Rb9は直鎖又は分岐の炭素数2〜20のアルキル基であり、Rb6、Rb7、Rb8、Rb9は互いに同じであっても異なっていてもよい。
また、式(B−2)において、Rb5の炭素数が4〜8で、かつRb6〜Rb9の炭素数が2〜10であることが好ましく、Rb5の炭素数が4〜6であり、かつRb6〜Rb9の炭素数が4〜9であることがより好ましく、Rb6〜Rb9の炭素数が4〜6であることがさらに好ましい。
さらに、体積抵抗率を向上させる観点から、少なくともRb5が分岐を有することが好ましく、Rb5は、ヒンダードアルコールから水酸基を除いた基であることがより好ましく、ペンタエリスリトールから水酸基を除いた基がさらに好ましい。
(エステル化合物)
溶解助剤として使用されるエステル化合物としては、ポリオールエステル化合物が挙げられ、具体的には、脂肪族トリエステル、4価以上のアルコールのエステル等が挙げられる。
脂肪族トリエステルとしては、3価のポリオールと、飽和脂肪族モノカルボン酸のエステルであるトリオールエステルが挙げられる。3価のポリオールとしては、体積抵抗率を良好にするために、分岐を有することが好ましく、より好ましくはヒンダードアルコール、さらに好ましくはトリメチロールプロパンである。飽和脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数4〜9の飽和脂肪族モノカルボン酸のエステルが挙げられる。
4価以上のアルコールのエステルとしては、4〜6価以上のアルコールと、飽和脂肪族モノカルボン酸とのエステルが挙げられる。4〜6価のアルコールは、分岐を有することが好ましく、ヒンダードアルコールがより好ましく、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールがさらに好ましい。飽和脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数4〜9の飽和脂肪族モノカルボン酸が好ましい。
溶解助剤として使用されるエステル化合物としては、ポリオールエステル化合物が挙げられ、具体的には、脂肪族トリエステル、4価以上のアルコールのエステル等が挙げられる。
脂肪族トリエステルとしては、3価のポリオールと、飽和脂肪族モノカルボン酸のエステルであるトリオールエステルが挙げられる。3価のポリオールとしては、体積抵抗率を良好にするために、分岐を有することが好ましく、より好ましくはヒンダードアルコール、さらに好ましくはトリメチロールプロパンである。飽和脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数4〜9の飽和脂肪族モノカルボン酸のエステルが挙げられる。
4価以上のアルコールのエステルとしては、4〜6価以上のアルコールと、飽和脂肪族モノカルボン酸とのエステルが挙げられる。4〜6価のアルコールは、分岐を有することが好ましく、ヒンダードアルコールがより好ましく、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールがさらに好ましい。飽和脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数4〜9の飽和脂肪族モノカルボン酸が好ましい。
(各成分の含有量)
本実施形態において、冷凍機油全量に対して、含酸素基油の含有量が14質量%以上80質量%以下、粘度指数向上剤の含有量が1質量%以上30質量%以下、溶解助剤の含有量が10質量%以上85質量%以下であることが好ましい。このような含有量の範囲とすることで、冷凍機油は、相分離を引き起こすことなく、粘度指数(VI)及び体積抵抗率を高くすることが可能になる。
これら観点から上記含有量のより好ましい範囲は、含酸素基油が23質量%以上75質量%以下、粘度指数向上剤が2質量%以上25質量%以下、溶解助剤が15質量%以上75質量%以下である。また、上記含有量のさらに好ましい範囲は、含酸素基油が30質量%以上70質量%以下、粘度指数向上剤が3質量%以上20質量%以下、溶解助剤が20質量%以上65質量%以下である。
本実施形態において、冷凍機油全量に対して、含酸素基油の含有量が14質量%以上80質量%以下、粘度指数向上剤の含有量が1質量%以上30質量%以下、溶解助剤の含有量が10質量%以上85質量%以下であることが好ましい。このような含有量の範囲とすることで、冷凍機油は、相分離を引き起こすことなく、粘度指数(VI)及び体積抵抗率を高くすることが可能になる。
これら観点から上記含有量のより好ましい範囲は、含酸素基油が23質量%以上75質量%以下、粘度指数向上剤が2質量%以上25質量%以下、溶解助剤が15質量%以上75質量%以下である。また、上記含有量のさらに好ましい範囲は、含酸素基油が30質量%以上70質量%以下、粘度指数向上剤が3質量%以上20質量%以下、溶解助剤が20質量%以上65質量%以下である。
さらに粘度指数向上剤は、重量平均分子量が高いほうがその含有量を少なくすることが可能であり、例えば重量平均分子量が、80,000以上600,000以下であれば、上記含有量を3質量%以上15質量%以下に抑制しても粘度指数を十分に向上させることが可能である。また、例えば重量平均分子量が、200,000以上600,000以下であれば、上記含有量を3質量%以上10質量%以下に抑制しても粘度指数を十分に向上させることが可能である。このように、粘度指数向上剤の分子量を高くしてその含有量を抑制すると、粘度指数に加えて、体積抵抗率も向上させやすくなる。
粘度指数向上剤の含有量を上記のように抑制する場合、含酸素基油及び溶解助剤の好適な範囲は上記とおりであり、例えば、含酸素基油が30質量%以上70質量%以下、溶解助剤が20質量%以上65質量%以下であることがさらに好ましい。
粘度指数向上剤の含有量を上記のように抑制する場合、含酸素基油及び溶解助剤の好適な範囲は上記とおりであり、例えば、含酸素基油が30質量%以上70質量%以下、溶解助剤が20質量%以上65質量%以下であることがさらに好ましい。
[その他の成分]
本実施形態に係る冷凍機油は、上記含酸素基油、粘度指数向上剤、及び溶解助剤以外の成分を含んでいてもよい。例えば、冷凍機油に相分離を生じさせず、かつ粘度指数(VI)及び体積抵抗率が所定の範囲内となるような量であれば、上記含酸素基油(脂肪族モノエーテル、脂肪族ジエーテル)、溶解助剤以外のその他基油成分を含有してもよい。そのような基油成分としては、鉱油、合成油のいずれでもよい。なお、鉱油としては、例えばパラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、中間基系鉱油などが挙げられ、合成油としては、例えば、ポリ−α−オレフィン、α−オレフィンコポリマー、ポリブテン、アルキルベンゼン、GTL副生ワックス異性化油などが挙げられる。
その他基油成分の含有量は、冷凍機油全量に対して、好ましくは20質量%以下、より好ましくは0質量%以上10質量%以下である。なお、0質量%とは、冷凍機油に、その成分が含有されないことを意味する。
本実施形態に係る冷凍機油は、上記含酸素基油、粘度指数向上剤、及び溶解助剤以外の成分を含んでいてもよい。例えば、冷凍機油に相分離を生じさせず、かつ粘度指数(VI)及び体積抵抗率が所定の範囲内となるような量であれば、上記含酸素基油(脂肪族モノエーテル、脂肪族ジエーテル)、溶解助剤以外のその他基油成分を含有してもよい。そのような基油成分としては、鉱油、合成油のいずれでもよい。なお、鉱油としては、例えばパラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、中間基系鉱油などが挙げられ、合成油としては、例えば、ポリ−α−オレフィン、α−オレフィンコポリマー、ポリブテン、アルキルベンゼン、GTL副生ワックス異性化油などが挙げられる。
その他基油成分の含有量は、冷凍機油全量に対して、好ましくは20質量%以下、より好ましくは0質量%以上10質量%以下である。なお、0質量%とは、冷凍機油に、その成分が含有されないことを意味する。
さらに、冷凍機油は、酸化防止剤、酸捕捉剤、酸素捕捉剤、極圧剤、油性剤、銅不活性化剤、防錆剤、消泡剤等のその他の添加剤のいずれか1種又は2種以上を含有してもよい。添加剤の含有量は、冷凍機油全量に対して、好ましくは20質量%以下、より好ましくは0質量%以上10質量%以下である。
<冷凍機油の製造方法>
冷凍機油は、上記含酸素基油、粘度指数向上剤、及び溶解助剤を配合することで製造する。また、これら3成分以外にも、上記したその他の成分を適宜配合してもよい。得られる冷凍機油、及び各成分の詳細な説明は上記したとおりであるからその説明は省略する。
冷凍機油は、上記含酸素基油、粘度指数向上剤、及び溶解助剤を配合することで製造する。また、これら3成分以外にも、上記したその他の成分を適宜配合してもよい。得られる冷凍機油、及び各成分の詳細な説明は上記したとおりであるからその説明は省略する。
<冷媒>
冷凍機油は、冷媒環境下で使用されるものであり、具体的には冷媒と混合されて冷凍機内部で使用されるものである。すなわち、冷凍機では、冷凍機油と冷媒とを含む冷凍機用組成物が使用される。冷凍機における冷媒と冷凍機油の使用量については、通常、冷媒/冷凍機油の質量比で99/1〜10/90であるが、95/5〜30/70の範囲にあることが好ましい。この質量比を上記範囲内とすると、冷凍機における冷凍能力、及び潤滑性を適切にできる。
冷媒としては、下記の分子式(A)で示されるフッ化炭化水素化合物、飽和フッ化炭化水素化合物(HFC)、及び自然系冷媒から選択される少なくとも1種が挙げられる。
冷凍機油は、冷媒環境下で使用されるものであり、具体的には冷媒と混合されて冷凍機内部で使用されるものである。すなわち、冷凍機では、冷凍機油と冷媒とを含む冷凍機用組成物が使用される。冷凍機における冷媒と冷凍機油の使用量については、通常、冷媒/冷凍機油の質量比で99/1〜10/90であるが、95/5〜30/70の範囲にあることが好ましい。この質量比を上記範囲内とすると、冷凍機における冷凍能力、及び潤滑性を適切にできる。
冷媒としては、下記の分子式(A)で示されるフッ化炭化水素化合物、飽和フッ化炭化水素化合物(HFC)、及び自然系冷媒から選択される少なくとも1種が挙げられる。
CpOqFrRs (A)
式(A)中、Rは、Cl、Br、IまたはHを示し、pは1〜6、qは0〜2、rは1〜14、sは0〜13の整数である。但し、qが0の場合は、pは2〜6であり、分子中に炭素−炭素不飽和結合を1以上有する。
式(A)中、Rは、Cl、Br、IまたはHを示し、pは1〜6、qは0〜2、rは1〜14、sは0〜13の整数である。但し、qが0の場合は、pは2〜6であり、分子中に炭素−炭素不飽和結合を1以上有する。
以下、分子式(A)で示される冷媒について詳細に説明する。
分子式(A)は、分子中の元素の種類と数を表すものであり、式(A)は、炭素原子Cの数pが1〜6の含フッ素有機化合物を表している。該分子式(A)において、Cpで表されるp個の炭素原子の結合形態は、炭素−炭素単結合、炭素−炭素二重結合等の不飽和結合、炭素−酸素二重結合などが含まれる。炭素−炭素の不飽和結合は、安定性の点から、炭素−炭素二重結合であることが好ましく、その数は1以上であるが、1であるものが好ましい。
また、分子式(A)において、Oqで表されるq個の酸素原子の結合形態は、エーテル基、水酸基またはカルボニル基に由来する酸素であることが好ましい。この酸素原子の数qは、2であってもよく、2個のエーテル基や水酸基等を有する場合も含まれる。
また、Oqにおけるqが0であり分子中に酸素原子を含まない場合は、pは2〜6であって、分子中に炭素−炭素二重結合等の不飽和結合を1以上有する。すなわち、Cpで表されるp個の炭素原子の結合形態の少なくとも1つは、炭素−炭素不飽和結合であることが必要である。
また、分子式(A)において、Rは、Cl、Br、IまたはHを表し、これらのいずれであってもよいが、オゾン層を破壊する恐れが小さいことから、Rは、Hであることが好ましい。
分子式(A)で表される含フッ素有機化合物としては、不飽和フッ化炭化水素化合物、フッ化エーテル化合物、フッ化アルコール化合物及びフッ化ケトン化合物などが好適なものとして挙げられる。
分子式(A)は、分子中の元素の種類と数を表すものであり、式(A)は、炭素原子Cの数pが1〜6の含フッ素有機化合物を表している。該分子式(A)において、Cpで表されるp個の炭素原子の結合形態は、炭素−炭素単結合、炭素−炭素二重結合等の不飽和結合、炭素−酸素二重結合などが含まれる。炭素−炭素の不飽和結合は、安定性の点から、炭素−炭素二重結合であることが好ましく、その数は1以上であるが、1であるものが好ましい。
また、分子式(A)において、Oqで表されるq個の酸素原子の結合形態は、エーテル基、水酸基またはカルボニル基に由来する酸素であることが好ましい。この酸素原子の数qは、2であってもよく、2個のエーテル基や水酸基等を有する場合も含まれる。
また、Oqにおけるqが0であり分子中に酸素原子を含まない場合は、pは2〜6であって、分子中に炭素−炭素二重結合等の不飽和結合を1以上有する。すなわち、Cpで表されるp個の炭素原子の結合形態の少なくとも1つは、炭素−炭素不飽和結合であることが必要である。
また、分子式(A)において、Rは、Cl、Br、IまたはHを表し、これらのいずれであってもよいが、オゾン層を破壊する恐れが小さいことから、Rは、Hであることが好ましい。
分子式(A)で表される含フッ素有機化合物としては、不飽和フッ化炭化水素化合物、フッ化エーテル化合物、フッ化アルコール化合物及びフッ化ケトン化合物などが好適なものとして挙げられる。
[不飽和フッ化炭化水素化合物]
不飽和フッ化炭化水素化合物としては、例えば、分子式(A)において、RがHであり、pが2〜6、qが0、rが1〜11、sが1〜11である不飽和フッ化炭化水素化合物が挙げられる。
このような不飽和フッ化炭化水素化合物として好ましくは、例えば、直鎖状または分岐状の炭素数2〜6の鎖状オレフィンや炭素数4〜6の環状オレフィンのフッ化物を挙げることができる。
具体的には、1〜3個のフッ素原子が導入されたエチレン、1〜5個のフッ素原子が導入されたプロペン、1〜7個のフッ素原子が導入されたブテン類、1〜9個のフッ素原子が導入されたペンテン類、1〜11個のフッ素原子が導入されたヘキセン類、1〜5個のフッ素原子が導入されたシクロブテン、1〜7個のフッ素原子が導入されたシクロペンテン、1〜9個のフッ素原子が導入されたシクロヘキセンなどが挙げられる。
不飽和フッ化炭化水素化合物としては、例えば、分子式(A)において、RがHであり、pが2〜6、qが0、rが1〜11、sが1〜11である不飽和フッ化炭化水素化合物が挙げられる。
このような不飽和フッ化炭化水素化合物として好ましくは、例えば、直鎖状または分岐状の炭素数2〜6の鎖状オレフィンや炭素数4〜6の環状オレフィンのフッ化物を挙げることができる。
具体的には、1〜3個のフッ素原子が導入されたエチレン、1〜5個のフッ素原子が導入されたプロペン、1〜7個のフッ素原子が導入されたブテン類、1〜9個のフッ素原子が導入されたペンテン類、1〜11個のフッ素原子が導入されたヘキセン類、1〜5個のフッ素原子が導入されたシクロブテン、1〜7個のフッ素原子が導入されたシクロペンテン、1〜9個のフッ素原子が導入されたシクロヘキセンなどが挙げられる。
これらの不飽和フッ化炭化水素化合物の中では、炭素数2〜3の不飽和フッ化炭化水素化合物が好ましく、トリフルオロエチレンなどのエチレンのフッ化物及び各種プロペンのフッ化物が挙げられるが、プロペンのフッ化物がより好ましい。
プロペンのフッ化物としては、例えば、3,3,3−トリフルオロプロペン、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO1225ye)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234ze)及び2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234yf)などを挙げることができる。
不飽和フッ化炭化水素化合物は、1種を単独で用いてよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
プロペンのフッ化物としては、例えば、3,3,3−トリフルオロプロペン、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO1225ye)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234ze)及び2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234yf)などを挙げることができる。
不飽和フッ化炭化水素化合物は、1種を単独で用いてよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
[フッ化エーテル化合物]
フッ化エーテル化合物としては、例えば、分子式(A)において、RがHであり、pが2〜6、qが1〜2、rが1〜14、sは0〜13であるフッ化エーテル化合物が挙げられる。
このようなフッ化エーテル化合物として好ましくは、例えば、炭素数が2〜6で、1〜2個のエーテル結合を有し、アルキル基が直鎖状または分岐状の鎖状脂肪族エーテルのフッ化物や、炭素数が3〜6で、1〜2個のエーテル結合を有する環状脂肪族エーテルのフッ化物を挙げることができる。
具体的には、1〜6個のフッ素原子が導入されたフッ化ジメチルエーテル、1〜8個のフッ素原子が導入されたフッ化メチルエチルエーテル、1〜8個のフッ素原子が導入されたフッ化ジメトキシメタン、1〜10個のフッ素原子が導入されたフッ化メチルプロピルエーテル類、1〜12個のフッ素原子が導入されたフッ化メチルブチルエーテル類、1〜12個のフッ素原子が導入されたフッ化エチルプロピルエーテル類、1〜6個のフッ素原子が導入されたフッ化オキセタン、1〜6個のフッ素原子が導入されたフッ化1,3−ジオキソラン、1〜8個のフッ素原子が導入されたフッ化テトラヒドロフランなどを挙げることができる。
フッ化エーテル化合物としては、例えば、分子式(A)において、RがHであり、pが2〜6、qが1〜2、rが1〜14、sは0〜13であるフッ化エーテル化合物が挙げられる。
このようなフッ化エーテル化合物として好ましくは、例えば、炭素数が2〜6で、1〜2個のエーテル結合を有し、アルキル基が直鎖状または分岐状の鎖状脂肪族エーテルのフッ化物や、炭素数が3〜6で、1〜2個のエーテル結合を有する環状脂肪族エーテルのフッ化物を挙げることができる。
具体的には、1〜6個のフッ素原子が導入されたフッ化ジメチルエーテル、1〜8個のフッ素原子が導入されたフッ化メチルエチルエーテル、1〜8個のフッ素原子が導入されたフッ化ジメトキシメタン、1〜10個のフッ素原子が導入されたフッ化メチルプロピルエーテル類、1〜12個のフッ素原子が導入されたフッ化メチルブチルエーテル類、1〜12個のフッ素原子が導入されたフッ化エチルプロピルエーテル類、1〜6個のフッ素原子が導入されたフッ化オキセタン、1〜6個のフッ素原子が導入されたフッ化1,3−ジオキソラン、1〜8個のフッ素原子が導入されたフッ化テトラヒドロフランなどを挙げることができる。
[フッ化アルコール化合物]
フッ化アルコール化合物としては、例えば、分子式(A)において、RがHであり、pが1〜6、qが1〜2、rが1〜13、sは1〜13であるフッ化アルコール化合物が挙げられる。
このようなフッ化アルコール化合物として好ましくは、例えば、炭素数が1〜6で、1〜2個の水酸基を有する直鎖状または分岐状の脂肪族アルコールのフッ化物を挙げることができる。
具体的には、1〜3個のフッ素原子が導入されたフッ化メチルアルコール、1〜5個のフッ素原子が導入されたフッ化エチルアルコール、1〜7個のフッ素原子が導入されたフッ化プロピルアルコール類、1〜9個のフッ素原子が導入されたフッ化ブチルアルコール類、1〜11個のフッ素原子が導入されたフッ化ペンチルアルコール類、1〜4個のフッ素原子が導入されたフッ化エチレングリコール、1〜6個のフッ素原子が導入されたフッ化プロピレングリコールなどを挙げることができる。
フッ化アルコール化合物としては、例えば、分子式(A)において、RがHであり、pが1〜6、qが1〜2、rが1〜13、sは1〜13であるフッ化アルコール化合物が挙げられる。
このようなフッ化アルコール化合物として好ましくは、例えば、炭素数が1〜6で、1〜2個の水酸基を有する直鎖状または分岐状の脂肪族アルコールのフッ化物を挙げることができる。
具体的には、1〜3個のフッ素原子が導入されたフッ化メチルアルコール、1〜5個のフッ素原子が導入されたフッ化エチルアルコール、1〜7個のフッ素原子が導入されたフッ化プロピルアルコール類、1〜9個のフッ素原子が導入されたフッ化ブチルアルコール類、1〜11個のフッ素原子が導入されたフッ化ペンチルアルコール類、1〜4個のフッ素原子が導入されたフッ化エチレングリコール、1〜6個のフッ素原子が導入されたフッ化プロピレングリコールなどを挙げることができる。
[フッ化ケトン化合物]
フッ化ケトン化合物としては、例えば、分子式(A)において、RがHであり、pが2〜6、qが1〜2、rが1〜12、sは0〜11であるフッ化ケトン化合物が挙げられる。
このようなフッ化ケトン化合物として好ましくは、例えば、炭素数が3〜6で、アルキル基が直鎖状または分岐状の脂肪族ケトンのフッ化物を挙げることができる。
具体的には、1〜6個のフッ素原子が導入されたフッ化アセトン、1〜8個のフッ素原子が導入されたフッ化メチルエチルケトン、1〜10個のフッ素原子が導入されたフッ化ジエチルケトン、1〜10個のフッ素原子が導入されたフッ化メチルプロピルケトン類などが挙げられる。
フッ化ケトン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フッ化ケトン化合物としては、例えば、分子式(A)において、RがHであり、pが2〜6、qが1〜2、rが1〜12、sは0〜11であるフッ化ケトン化合物が挙げられる。
このようなフッ化ケトン化合物として好ましくは、例えば、炭素数が3〜6で、アルキル基が直鎖状または分岐状の脂肪族ケトンのフッ化物を挙げることができる。
具体的には、1〜6個のフッ素原子が導入されたフッ化アセトン、1〜8個のフッ素原子が導入されたフッ化メチルエチルケトン、1〜10個のフッ素原子が導入されたフッ化ジエチルケトン、1〜10個のフッ素原子が導入されたフッ化メチルプロピルケトン類などが挙げられる。
フッ化ケトン化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[飽和フッ化炭化水素化合物]
飽和フッ化炭化水素化合物としては、通常、炭素数1〜4のアルカンのフッ化物であり、炭素数1〜3のアルカンのフッ化物が好ましく、炭素数1〜2のアルカン(メタン又はエタン)のフッ化物がより好ましい。具体的なメタン又はエタンのフッ化物としては、トリフルオロメタン(R23)、ジフルオロメタン(R32)、1,1−ジフルオロエタン(R152a)、1,1,1−トリフルオロエタン(R143a)、1,1,2−トリフルオロエタン(R143)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R134)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(R125)が挙げられる。
また、飽和フッ化炭化水素化合物としては、上記アルカンのフッ化物を、さらにフッ素以外のハロゲン原子でハロゲン化したものであっても良く、例えば、トリフルオロヨードメタン(CF3I)などが例示できる。
これらの飽和フッ化炭化水素化合物は、1種を単独で用いてよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。ここで、2種以上組み合わせて用いる場合の例として、炭素数1〜3の飽和フッ化炭化水素化合物を2種以上混合した混合冷媒や、炭素数1〜2の飽和フッ化炭化水素化合物を2種以上混合した混合冷媒が挙げられる。具体的には、ジフルオロメタン(R32)と1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(R125)の混合冷媒であるR410A、ジフルオロメタン(R32)と1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(R125)と1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)の混合冷媒であるR407C等が挙げられる。
飽和フッ化炭化水素化合物としては、通常、炭素数1〜4のアルカンのフッ化物であり、炭素数1〜3のアルカンのフッ化物が好ましく、炭素数1〜2のアルカン(メタン又はエタン)のフッ化物がより好ましい。具体的なメタン又はエタンのフッ化物としては、トリフルオロメタン(R23)、ジフルオロメタン(R32)、1,1−ジフルオロエタン(R152a)、1,1,1−トリフルオロエタン(R143a)、1,1,2−トリフルオロエタン(R143)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(R134)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(R125)が挙げられる。
また、飽和フッ化炭化水素化合物としては、上記アルカンのフッ化物を、さらにフッ素以外のハロゲン原子でハロゲン化したものであっても良く、例えば、トリフルオロヨードメタン(CF3I)などが例示できる。
これらの飽和フッ化炭化水素化合物は、1種を単独で用いてよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。ここで、2種以上組み合わせて用いる場合の例として、炭素数1〜3の飽和フッ化炭化水素化合物を2種以上混合した混合冷媒や、炭素数1〜2の飽和フッ化炭化水素化合物を2種以上混合した混合冷媒が挙げられる。具体的には、ジフルオロメタン(R32)と1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(R125)の混合冷媒であるR410A、ジフルオロメタン(R32)と1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(R125)と1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R134a)の混合冷媒であるR407C等が挙げられる。
[自然系冷媒]
自然系冷媒としては、二酸化炭素(炭酸ガス)、アンモニア(NH3)や、n−プロパン、n−ブタン、イソブタン、2−メチルブタン、n−ペンタン、シクロペンタンイソブタン、ノルマルブタン等の炭化水素が挙げられ、これらは1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよいし、自然系冷媒以外の冷媒と組み合わせてもよい。
自然系冷媒としては、二酸化炭素(炭酸ガス)、アンモニア(NH3)や、n−プロパン、n−ブタン、イソブタン、2−メチルブタン、n−ペンタン、シクロペンタンイソブタン、ノルマルブタン等の炭化水素が挙げられ、これらは1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよいし、自然系冷媒以外の冷媒と組み合わせてもよい。
また、冷媒としては、上記の中では、不飽和フッ化炭化水素化合物、飽和フッ化炭化水素化合物、及び自然冷媒から選択される少なくとも1種が好ましく使用され、中でも、R134a、R410A、R407C、HFO1234yf、HFO1234ze、R32、二酸化炭素、アンモニア、n−プロパン、n−ブタン、及びイソブタンがより好ましくその中でもR32、R134a及びHFO1234yfがさらに好ましい。特に、R32単独の冷媒、及びHFO1234yf単独の冷媒が好ましい。
<圧縮型冷凍機>
上記冷凍機油は、通常、圧縮型冷凍機に使用されるものである。圧縮型冷凍機は、少なくとも圧縮機を備える。また、圧縮型冷凍機は、圧縮機内部にモーターが内蔵されている密閉型冷凍機が好ましい。
圧縮型冷凍機は、その内部に冷凍機油を含有するものであり、冷凍機油により圧縮機等に設けられる摺動部分を潤滑させる。また、圧縮型冷凍機は、その内部に冷凍機油に加え冷媒(すなわち、冷凍機用組成物)を含有しており、冷凍機の冷凍サイクルに冷凍機用組成物を循環させている。なお、冷凍機は、圧縮機、凝縮器、膨張機構(膨張弁など)及び蒸発器、あるいは圧縮機、凝縮器、膨張機構、乾燥器及び蒸発器を必須とする構成からなる冷凍サイクルを有する。
上記冷凍機油は、粘度指数及び体積抵抗率のいずれもが高いものであるため、密閉型冷凍機に使用される場合でも、漏電等を防止しつつ、省エネルギー化を達成できる。また、上記冷凍機油は、溶解助剤を含有することで粘度指数向上剤の溶解性が良好である。したがって、冷凍機の冷凍サイクル中に、相分離等に起因して高粘度の冷凍機油成分が滞留しないので、冷凍能力の低下が防止される。
上記冷凍機油は、通常、圧縮型冷凍機に使用されるものである。圧縮型冷凍機は、少なくとも圧縮機を備える。また、圧縮型冷凍機は、圧縮機内部にモーターが内蔵されている密閉型冷凍機が好ましい。
圧縮型冷凍機は、その内部に冷凍機油を含有するものであり、冷凍機油により圧縮機等に設けられる摺動部分を潤滑させる。また、圧縮型冷凍機は、その内部に冷凍機油に加え冷媒(すなわち、冷凍機用組成物)を含有しており、冷凍機の冷凍サイクルに冷凍機用組成物を循環させている。なお、冷凍機は、圧縮機、凝縮器、膨張機構(膨張弁など)及び蒸発器、あるいは圧縮機、凝縮器、膨張機構、乾燥器及び蒸発器を必須とする構成からなる冷凍サイクルを有する。
上記冷凍機油は、粘度指数及び体積抵抗率のいずれもが高いものであるため、密閉型冷凍機に使用される場合でも、漏電等を防止しつつ、省エネルギー化を達成できる。また、上記冷凍機油は、溶解助剤を含有することで粘度指数向上剤の溶解性が良好である。したがって、冷凍機の冷凍サイクル中に、相分離等に起因して高粘度の冷凍機油成分が滞留しないので、冷凍能力の低下が防止される。
冷凍機油は、例えば開放型カーエアコン、電動カーエアコン等の各種カーエアコン、ガスヒートポンプ(GHP)、空調、冷蔵庫、自動販売機、ショーケース、給湯機、床暖房などの各種冷凍機システム、給湯システム、及び暖房システムにおける冷凍機に用いることができるが、これらの中ではカーエアコン、特に、圧縮機内部にモーターが内蔵された電動カーエアコンに使用することが好ましい。なお、カーエアコンでは、膨張弁が使用され、冷凍機油が細径のキャピラリーを通る必要がないので、高分子量体である粘度指数向上剤によって詰まりが発生したりすることがない。
以下に、本発明を、実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各種測定方法は、以下に示すとおりである。
(1)動粘度(100℃)
JIS K2283:2000に準拠して、各温度でガラス製毛管式粘度計を用いて測定した。
(2)粘度指数(VI)
JIS K2283:2000に準拠して測定した。
(3)重量平均分子量(Mw)
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した。GPCは、カラムとして東ソー株式会社製TSKgel SuperMultiporeHZ−M2本を用い、テトラヒドロフランを溶離液として、検出器に屈折率検出器を用いて測定を行い、ポリスチレンを標準試料として重量平均分子量(Mw)を求めた。
(4)体積抵抗率
JIS C2101の24(体積抵抗率試験)に準拠し,室温25℃で測定した。
(5)貯蔵安定性
各実施例、比較例で得られた冷凍機油10gを20mlの容器に入れて、−5℃の環境下で5日間放置した後の外観を観察した。
(1)動粘度(100℃)
JIS K2283:2000に準拠して、各温度でガラス製毛管式粘度計を用いて測定した。
(2)粘度指数(VI)
JIS K2283:2000に準拠して測定した。
(3)重量平均分子量(Mw)
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した。GPCは、カラムとして東ソー株式会社製TSKgel SuperMultiporeHZ−M2本を用い、テトラヒドロフランを溶離液として、検出器に屈折率検出器を用いて測定を行い、ポリスチレンを標準試料として重量平均分子量(Mw)を求めた。
(4)体積抵抗率
JIS C2101の24(体積抵抗率試験)に準拠し,室温25℃で測定した。
(5)貯蔵安定性
各実施例、比較例で得られた冷凍機油10gを20mlの容器に入れて、−5℃の環境下で5日間放置した後の外観を観察した。
[製造例1]
<ビス(2−エチルヘキシル)エーテルの合成>
(工程1:アセタール化反応)
2Lの四口フラスコに、滴下ロート、ディーンスターク、ジムロート、及びメカニカルスターラーを取り付け、系内を窒素で置換した。次に、窒素で置換した系内に、2位に分岐構造を有するアルコールとして、2−エチル−1−ヘキサノール415g(3.2mol,500ml,2.2当量/対アルデヒド1当量)を、酸触媒として、p−トルエンスルホン酸一水和物5.2g(30mmol、0.02当量/対アルデヒド1当量)を、並びに、有機溶媒として、トルエン173gを仕込み、原料混合物を調整した。次いで、原料混合物を撹拌しながら、系内の温度が110℃に達するまで加熱した。
系内の温度が110℃に到達後、2位に分岐構造を有するアルデヒドとして、2−エチルヘキサナール186g(1.4mol、227mL)を滴下ロートを用いて1時間かけて、系内の原料混合物に滴下した。滴下終了後、常圧下で120℃まで昇温した後、同温度で5時間撹拌し、アセタール反応を進行させた。
その後、ガスクロマトグラフィーにてアセタール化の反応転化率、選択率を確認した後、室温(25℃)まで冷却し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液0.2Lを加えて、酸触媒を失活させた。そして、反応液を分液ロートに移送して、油水分離し、有機相を水0.5Lで3回洗浄後、無水硫酸マグネシウムを加えて、有機相の水分を除去した。その上で、有機相の液体をろ過し、含アセタール組成物を得た。
<ビス(2−エチルヘキシル)エーテルの合成>
(工程1:アセタール化反応)
2Lの四口フラスコに、滴下ロート、ディーンスターク、ジムロート、及びメカニカルスターラーを取り付け、系内を窒素で置換した。次に、窒素で置換した系内に、2位に分岐構造を有するアルコールとして、2−エチル−1−ヘキサノール415g(3.2mol,500ml,2.2当量/対アルデヒド1当量)を、酸触媒として、p−トルエンスルホン酸一水和物5.2g(30mmol、0.02当量/対アルデヒド1当量)を、並びに、有機溶媒として、トルエン173gを仕込み、原料混合物を調整した。次いで、原料混合物を撹拌しながら、系内の温度が110℃に達するまで加熱した。
系内の温度が110℃に到達後、2位に分岐構造を有するアルデヒドとして、2−エチルヘキサナール186g(1.4mol、227mL)を滴下ロートを用いて1時間かけて、系内の原料混合物に滴下した。滴下終了後、常圧下で120℃まで昇温した後、同温度で5時間撹拌し、アセタール反応を進行させた。
その後、ガスクロマトグラフィーにてアセタール化の反応転化率、選択率を確認した後、室温(25℃)まで冷却し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液0.2Lを加えて、酸触媒を失活させた。そして、反応液を分液ロートに移送して、油水分離し、有機相を水0.5Lで3回洗浄後、無水硫酸マグネシウムを加えて、有機相の水分を除去した。その上で、有機相の液体をろ過し、含アセタール組成物を得た。
(工程1’:アルカリ処理)
2Lの4口フラスコに、ジムロート及びメカニカルスターラーを取り付け、系内を窒素で置換した。次に、工程1で得られた含アセタール組成物を480g、50質量%NaOH水溶液を480g、メタノール480gを仕込み、80℃で5時間撹拌した。
その後、反応液を分液ロートに移送して油水分離し、有機相を水0.5Lで5回洗浄後、無水硫酸マグネシウムを加えて、有機相の水分を除去した。その上で、有機相の液体をろ過し、ろ液をロータリーエバポレータにて濃縮して溶媒を留去して、含アセタール組成物xを得た。
2Lの4口フラスコに、ジムロート及びメカニカルスターラーを取り付け、系内を窒素で置換した。次に、工程1で得られた含アセタール組成物を480g、50質量%NaOH水溶液を480g、メタノール480gを仕込み、80℃で5時間撹拌した。
その後、反応液を分液ロートに移送して油水分離し、有機相を水0.5Lで5回洗浄後、無水硫酸マグネシウムを加えて、有機相の水分を除去した。その上で、有機相の液体をろ過し、ろ液をロータリーエバポレータにて濃縮して溶媒を留去して、含アセタール組成物xを得た。
(工程2:還元)
1Lのオートクレーブに、触媒として、ニッケル珪藻土(日揮触媒化成社製、商品名:N−113)を10.0g、及び、溶媒として、イソオクタン300gを加え、系内を水素で置換した後、内部温度200℃、水素圧3.5MPaで0.5時間予備活性化を行った。
室温(25℃)に降温し、系内を窒素で置換した後、アセトアルデヒドジエチルアセタール10.0gを加えて、水素で置換した後、内部温度140℃、水素圧3.5MPaで0.5時間脱水した。
室温(25℃)に降温し、系内を窒素で置換した後、系内の上澄みを取り除き、工程1’で得られた含アセタール組成物xを仕込んで水素で置換し、内部温度120℃、水素圧3.5MPaで、5時間水素化反応を進行させた。
水素化反応終了後、室温(25℃)に降温し、系内の反応液を取り出した。ガスクロマトグラフィーによりエーテル系基油の反応転化率及び選択率を確認した後、ガラスフィルターにて触媒を分離し、ろ液をロータリーエバポレータにて濃縮し、濃縮物を得た。そして、濃縮物を、ビグリュー分留管及びリービッヒ冷却器を取り付けた蒸留装置を用いて、128℃、0.34torrで減圧蒸留し、ビス(2−エチルヘキシル)エーテルを得た。
1Lのオートクレーブに、触媒として、ニッケル珪藻土(日揮触媒化成社製、商品名:N−113)を10.0g、及び、溶媒として、イソオクタン300gを加え、系内を水素で置換した後、内部温度200℃、水素圧3.5MPaで0.5時間予備活性化を行った。
室温(25℃)に降温し、系内を窒素で置換した後、アセトアルデヒドジエチルアセタール10.0gを加えて、水素で置換した後、内部温度140℃、水素圧3.5MPaで0.5時間脱水した。
室温(25℃)に降温し、系内を窒素で置換した後、系内の上澄みを取り除き、工程1’で得られた含アセタール組成物xを仕込んで水素で置換し、内部温度120℃、水素圧3.5MPaで、5時間水素化反応を進行させた。
水素化反応終了後、室温(25℃)に降温し、系内の反応液を取り出した。ガスクロマトグラフィーによりエーテル系基油の反応転化率及び選択率を確認した後、ガラスフィルターにて触媒を分離し、ろ液をロータリーエバポレータにて濃縮し、濃縮物を得た。そして、濃縮物を、ビグリュー分留管及びリービッヒ冷却器を取り付けた蒸留装置を用いて、128℃、0.34torrで減圧蒸留し、ビス(2−エチルヘキシル)エーテルを得た。
[製造例2]
(ハロゲン非含有オニウム塩の合成)
50mlのナスフラスコに、水素化ナトリウム1.8gとシクロヘキサン20mlを仕込んだ。そこにメタノール6mlを滴下し、室温で撹拌した。その後、溶媒をエバポレーターで留去し、ナトリウムメトキシドを合成した。100mlの3口フラスコに、得られたナトリウムメトキシド2gとジクロロメタン20mlとテトラブチルアンモニウムクロリド6gを加え、4時間撹拌した。沈殿物をろ過した後、溶媒をエバポレーターで留去し、以下の化学式で表されるテトラブチルアンモニウムメトキシドを得た。
(ハロゲン非含有オニウム塩の合成)
50mlのナスフラスコに、水素化ナトリウム1.8gとシクロヘキサン20mlを仕込んだ。そこにメタノール6mlを滴下し、室温で撹拌した。その後、溶媒をエバポレーターで留去し、ナトリウムメトキシドを合成した。100mlの3口フラスコに、得られたナトリウムメトキシド2gとジクロロメタン20mlとテトラブチルアンモニウムクロリド6gを加え、4時間撹拌した。沈殿物をろ過した後、溶媒をエバポレーターで留去し、以下の化学式で表されるテトラブチルアンモニウムメトキシドを得た。
(PAG2の合成)
1Lセパラブルフラスコに、溶媒としてn−ヘプタンを500mL、重合触媒としてトリイソブチルアルミニウム1.0Mトルエン溶液を8.3mL、モノマーとしてプロピレンオキシドを90mL仕込んだ。反応系内を、−15℃に冷却した後、滴下ロートにプロピレンオキシドを10mL及び重合開始剤として上記で得たテトラブチルアンモニウムメトキシドの20質量%メタノール溶液を0.28mL仕込み、滴下した。滴下終了後、4時間攪拌した後、エタノールを20mL及び5%炭酸水素ナトリウム水溶液を2mL添加して重合反応を終了させた。
得られた粗生成物にセライトを20g加え、加圧ろ過した後、減圧下、120℃で揮発成分を留去し、目的物60gを得た。
1Lセパラブルフラスコに、溶媒としてn−ヘプタンを500mL、重合触媒としてトリイソブチルアルミニウム1.0Mトルエン溶液を8.3mL、モノマーとしてプロピレンオキシドを90mL仕込んだ。反応系内を、−15℃に冷却した後、滴下ロートにプロピレンオキシドを10mL及び重合開始剤として上記で得たテトラブチルアンモニウムメトキシドの20質量%メタノール溶液を0.28mL仕込み、滴下した。滴下終了後、4時間攪拌した後、エタノールを20mL及び5%炭酸水素ナトリウム水溶液を2mL添加して重合反応を終了させた。
得られた粗生成物にセライトを20g加え、加圧ろ過した後、減圧下、120℃で揮発成分を留去し、目的物60gを得た。
[製造例3]
(PAG3の合成)
テトラブチルアンモニウムメトキシドの20質量%メタノール溶液0.28mLを、テトラブチルアンモニウムメトキシド75.6mgに変更した以外は、PAG2と同様に合成し、目的物80g得た。
(PAG3の合成)
テトラブチルアンモニウムメトキシドの20質量%メタノール溶液0.28mLを、テトラブチルアンモニウムメトキシド75.6mgに変更した以外は、PAG2と同様に合成し、目的物80g得た。
[実施例1〜5、比較例1,2]
各実施例、比較例において、含酸素基油、粘度指数向上剤、及び溶解助剤を用いて以下の配合の冷凍機油を調製し、貯蔵安定性について評価した。また、各実施例においては冷凍機油の100℃動粘度、粘度指数、体積抵抗率も測定した。
各実施例、比較例において、含酸素基油、粘度指数向上剤、及び溶解助剤を用いて以下の配合の冷凍機油を調製し、貯蔵安定性について評価した。また、各実施例においては冷凍機油の100℃動粘度、粘度指数、体積抵抗率も測定した。
※表1において、質量%は、冷凍機油全量に対する割合を示す。
表1における各成分は以下のとおりである。
(含酸素基油)
脂肪族モノエーテル:上記製造例1で得たビス(2−エチルヘキシル)エーテル、100℃動粘度:0.97mm2/s、体積抵抗率:1.3×1013Ω・m、酸素原子数に対する炭素原子数の比(C/O比):16
脂肪族ジエーテル:ヘキシレングリコールビス(3,5,5−トリメチルヘキシル)エーテル、100℃動粘度:2.2mm2/s、体積抵抗率:4.8×1010Ω・m、酸素原子数に対する炭素原子数の比(C/O比):12
(粘度指数向上剤)
PAG1:旭硝子社製、製品名:PREMINOL S 4318F(式(3)において、R6が水素原子、R7がプロピレン基、R8が水素原子、wが1、vが重量平均分子量に対応した数となる化合物)、重量平均分子量(Mw):2.3万、酸素原子数に対する炭素原子数の比(C/O比):3.0
PAG2:上記製造例2で得たポリオキシプロピレングリコール(式(3)において、R6がメチル基、R7がプロピレン基、R8が水素原子、wが1、vが重量平均分子量に対応した数となる化合物)、重量平均分子量(Mw):12.5万、酸素原子数に対する炭素原子数の比(C/O比):3.0
PAG3:上記製造例3で得たポリオキシプロピレングリコール(式(3)において、R6がメチル基、R7がプロピレン基、R8が水素原子、wが1、vが重量平均分子量に対応した数となる化合物)、重量平均分子量(Mw):40万、炭素原子数に対する酸素原子数の比(C/O比):3.0
(溶解助剤)
PVE1:ポリエチルビニルエーテル(両末端はそれぞれ式(A−1−i)及び式(A−1−ii)に示すものであり、R6a〜R8a、R11a〜R13aが水素原子となるとともに、t1及びt2のいずれもが0であり、R10a及びR15aはエチル基である)、100℃動粘度:2.23mm2/s、体積抵抗率:6.7×1011Ω・m、酸素原子数に対する炭素原子数の比(C/O比):4.0
PVE2:ポリイソブチルビニルエーテル(両末端はそれぞれ式(A−1−i)及び式(A−1−ii)に示すものであり、R6a〜R8a、R11a〜R13aが水素原子となるとともに、t1及びt2のいずれもが0であり、R10a及びR15aはイソブチル基である)、100℃動粘度:2.25mm2/s、体積抵抗率:8.6×1010Ω・m、酸素原子数に対する炭素原子数の比(C/O比):6.0
(含酸素基油)
脂肪族モノエーテル:上記製造例1で得たビス(2−エチルヘキシル)エーテル、100℃動粘度:0.97mm2/s、体積抵抗率:1.3×1013Ω・m、酸素原子数に対する炭素原子数の比(C/O比):16
脂肪族ジエーテル:ヘキシレングリコールビス(3,5,5−トリメチルヘキシル)エーテル、100℃動粘度:2.2mm2/s、体積抵抗率:4.8×1010Ω・m、酸素原子数に対する炭素原子数の比(C/O比):12
(粘度指数向上剤)
PAG1:旭硝子社製、製品名:PREMINOL S 4318F(式(3)において、R6が水素原子、R7がプロピレン基、R8が水素原子、wが1、vが重量平均分子量に対応した数となる化合物)、重量平均分子量(Mw):2.3万、酸素原子数に対する炭素原子数の比(C/O比):3.0
PAG2:上記製造例2で得たポリオキシプロピレングリコール(式(3)において、R6がメチル基、R7がプロピレン基、R8が水素原子、wが1、vが重量平均分子量に対応した数となる化合物)、重量平均分子量(Mw):12.5万、酸素原子数に対する炭素原子数の比(C/O比):3.0
PAG3:上記製造例3で得たポリオキシプロピレングリコール(式(3)において、R6がメチル基、R7がプロピレン基、R8が水素原子、wが1、vが重量平均分子量に対応した数となる化合物)、重量平均分子量(Mw):40万、炭素原子数に対する酸素原子数の比(C/O比):3.0
(溶解助剤)
PVE1:ポリエチルビニルエーテル(両末端はそれぞれ式(A−1−i)及び式(A−1−ii)に示すものであり、R6a〜R8a、R11a〜R13aが水素原子となるとともに、t1及びt2のいずれもが0であり、R10a及びR15aはエチル基である)、100℃動粘度:2.23mm2/s、体積抵抗率:6.7×1011Ω・m、酸素原子数に対する炭素原子数の比(C/O比):4.0
PVE2:ポリイソブチルビニルエーテル(両末端はそれぞれ式(A−1−i)及び式(A−1−ii)に示すものであり、R6a〜R8a、R11a〜R13aが水素原子となるとともに、t1及びt2のいずれもが0であり、R10a及びR15aはイソブチル基である)、100℃動粘度:2.25mm2/s、体積抵抗率:8.6×1010Ω・m、酸素原子数に対する炭素原子数の比(C/O比):6.0
表1に示すように、各実施例の冷凍機油では、含酸素基油及び粘度指数向上剤に加え、所定の溶解助剤を含有させることで、低温環境下で相分離を発生させることなく、粘度指数及び体積抵抗率の両方を高くすることができた。一方で、比較例1、2の冷凍機油では、溶解助剤を含有させなかったため、低温環境下で相分離が発生した。
Claims (13)
- 脂肪族モノエーテル及び脂肪族ジエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の含酸素基油と、粘度指数向上剤と、溶解助剤とを含む冷凍機油であって、粘度指数(VI)が200以上で、かつ体積抵抗率が1×109Ω・m以上である、冷凍機油。
- 前記粘度指数向上剤が、重量平均分子量が5,000以上10,000,000以下のポリアルキレングリコール類である、請求項1に記載の冷凍機油。
- 前記溶解助剤の100℃動粘度が、1mm2/s以上20mm2/s以下である請求項1又は2に記載の冷凍機油。
- 前記溶解助剤は、体積抵抗率が1×1010Ω・m以上、酸素原子数に対する炭素原子数の比が2.0以上11.0以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷凍機油。
- 前記溶解助剤が、ポリビニルエーテル類である請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷凍機油。
- 前記含酸素基油が、下記式(1)で示される脂肪族モノエーテル、及び下記式(2)で示される脂肪族ジエーテルからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の冷凍機油。
R1−O−R2 (1)
(式(1)において、R1、R2は直鎖又は分岐の炭素数2〜20のアルキル基であり、R1、R2は互いに同じでも異なっていてもよい。)
R3−O−R4−O−R5 (2)
(式(2)において、R3、R5は直鎖又は分岐の炭素数2〜20のアルキル基であり、R3、R5は互いに同じでも異なっていてもよい。R4は、直鎖又は分岐の炭素数2〜20の2価の飽和脂肪族炭化水素基である。) - 前記含酸素基油が、ビス(2−エチルへキシル)エーテルである請求項1〜6のいずれか1項に記載の冷凍機油。
- 100℃動粘度が2mm2/s以上100mm2/s以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の冷凍機油。
- 冷凍機油全量基準で、前記含酸素基油が14質量%以上80質量%以下、粘度指数向上剤が1質量%以上30質量%以下、溶解助剤が10質量%以上85質量%以下含有される請求項1〜8のいずれか1項に記載の冷凍機油。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の冷凍機油と、冷媒とを含む冷凍機用組成物。
- 前記冷媒が、下記の分子式(A)で示されるフッ化炭化水素化合物、飽和フッ化炭化水素化合物(HFC)、及び自然系冷媒からなる群から選択される少なくとも1種である請求項10に記載の冷凍機用組成物。
CpOqFrRs ・・・(A)
(式中、Rは、Cl、Br、IまたはHを示し、pは1〜6、qは0〜2、rは1〜14、sは0〜13の整数である。但し、qが0の場合は、pは2〜6であり、分子中に炭素−炭素不飽和結合を1以上有する。) - 前記冷媒が、R134a、R410A、R407C、HFO1234yf、HFO1234ze、R32、二酸化炭素、アンモニア、n−プロパン、n−ブタン、及びイソブタンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項10又は11に記載の冷凍機用組成物。
- 脂肪族モノエーテル及び脂肪族ジエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の含酸素基油と、粘度指数向上剤と、溶解助剤とを配合し、粘度指数(VI)が200以上で、かつ体積抵抗率が1×109Ω・m以上である冷凍機油を得る、冷凍機油の製造方法。
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