以下、一実施形態に係る超音波診断装置及び超音波診断装置用台車などについて図面を用いて説明する。一実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブのコネクタが一辺に装着される超音波診断装置本体と、超音波診断装置本体が設置される台座を有する台車とを備えている。ここで、超音波診断装置本体は、図示しないロック機構等により、台座に着脱可能に保持される。但し、超音波診断装置としては、これに限らず、診断装置本体と台車とを一体化した構成としてもよい。
図1は、一実施形態に係る超音波診断装置に適用された携帯型診断装置の外観を示す模式図である。携帯型診断装置1は、例えばノート型コンピュータやタブレット型コンピュータの様な外観を持ち、装置本体11、着脱自在な超音波プローブ12、入力装置13、モニター14、複数のコネクタポート15、及び開閉自在なカバー部16を有する。カバー部16を、閉じた状態から開いた状態にすることで、モニター14、入力装置13を使用可能な状態にすることができる。また、超音波プローブ12は、ヘッド12a、コネクタ12b、ヘッド12aとコネクタ12bとを電気的に接続するコード12cを有し、コネクタ12bが、装置本体11の右側面に設けられたコネクタポート15に装着される。なお、装置本体11は、図2に示すように、複数の超音波プローブ12のコネクタ12bがコネクタポート15に装着される場合がある。また、図示しないが、コネクタポート15は、装置本体11に向かって左側面に設けられていてもよい。また、必要に応じて、左右両側面に設けるようにしてもよい。あるいは、コネクタポート15は、装置本体11に向かって正面又は裏面に設けられていてもよい。また、必要に応じて、コネクタポート15は、装置本体11に向かって任意の複数の側面に設けるようにしてもよい。補足すると、患者のベッドサイドに超音波診断装置を移動させ、超音波画像診断を行う場合がある。この場合、超音波診断装置に向かって右側に患者のベッドが配置される場合には、コネクタポート15は、より患者側に近い位置となるように、装置本体11に向かって右側面に設けられることが好ましい。同じく、超音波診断装置に向かって左側に患者のベッドが配置される場合には、コネクタポート15は、装置本体11正面に向かって左側面に設けられることが好ましい。
図3は、携帯型診断装置1のブロック構成図を示している。同図に示すように、この携帯型診断装置1は、超音波プローブ12、入力装置13、モニター14、超音波送信ユニット21、超音波受信ユニット22、Bモード処理ユニット23、ドプラ処理ユニット24、画像生成ユニット25、画像メモリ26、画像合成部27、制御プロセッサ(CPU)28、内部記憶部29、インターフェース部30を具備している。
超音波プローブ12のヘッド12aは、超音波送信ユニット21からの駆動信号に基づき超音波を発生し、被検体からの反射波を電気信号に変換する複数の圧電振動子、当該圧電振動子に設けられる整合層、当該圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有している。超音波プローブ12のコネクタ12bは、装置本体11に設けられたコネクタポート15と電気的に接続される。この状態で、コネクタ12bは、超音波送信ユニット21からコネクタポート15を介して受けた駆動信号をコード12cに送出し、コード12cから受けた電気信号をコネクタポート15を介して超音波受信ユニット22に送出する。
なお、超音波プローブ12には、例えば診断対象部位、診断目的等に応じた種々の種類が存在する。例えば図2には、腹部診断用の短いヘッド12aをもつ超音波プローブ12と、経直腸診断用の長いヘッド12aをもつ超音波プローブ(経直腸プローブ)12とを示している。コネクタポート15にコネクタ12bが接続された超音波プローブ12のうち、現在の撮像に用いる超音波プローブ12のヘッド12aは、ユーザによって把持され、装置本体11からの駆動信号に従って、当該超音波プローブ12がアクティブとされる。一方、現在の撮像に用いない超音波プローブ12のヘッド12aは、図示しない台車に設けられたホルダユニットに保持される。
入力装置13は、オペレータからの各種指示、条件、関心領域(ROI)の設定指示、種々の画質条件設定指示等を装置本体11にとりこむための各種スイッチ、ボタン、トラックボール、マウス、キーボード等を有している。
モニター14は、画像生成ユニット25からのビデオ信号に基づいて、生体内の形態学的情報(Bモード画像)、血流情報(平均速度画像、分散画像、パワー画像等)、これらの組み合わせを画像として表示する回路である。「モニター」の用語は、「ディスプレイ」と読み替えてもよい。
超音波送信ユニット21は、図示しないトリガ発生回路、遅延回路およびパルサ回路等を有している。パルサ回路では、所定のレート周波数fr Hz(周期;1/fr秒)で、送信超音波を形成するためのレートパルスが繰り返し発生される。また、遅延回路では、チャンネル毎に超音波をビーム状に集束し且つ送信指向性を決定するのに必要な遅延時間が、各レートパルスに与えられる。トリガ発生回路は、このレートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ12に駆動パルスを印加する。「超音波送信ユニット」の用語は、「超音波送信回路」と読み替えてもよい。
超音波受信ユニット22は、図示していないアンプ回路、A/D変換器、加算器等を有している。アンプ回路では、超音波プローブ12を介して取り込まれたエコー信号をチャンネル毎に増幅する。A/D変換器では、増幅されたエコー信号に対し受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与え、その後加算器において加算処理を行う。「超音波受信ユニット」の用語は、「超音波受信回路」と読み替えてもよい。
Bモード処理ユニット23は、超音波受信ユニット22からエコー信号を受け取り、対数増幅、包絡線検波処理などを施し、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータを生成する回路である。
ドプラ処理ユニット24は、超音波受信ユニット22から受け取ったエコー信号から速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワー等の血流情報を多点について求める回路である。
画像生成ユニット25は、一般的には、超音波スキャンの走査線信号列を、テレビなどに代表される一般的なビデオフォーマットの走査線信号列に変換し、表示画像としての超音波診断画像を生成する回路である。
画像合成部27は、画像生成ユニット25又から受け取った画像を種々のパラメータの文字情報や目盛等と共に合成し、ビデオ信号としてモニター14に出力する回路である。
制御プロセッサ28は、情報処理装置(計算機)としての機能を持ち、装置本体11の動作を制御する。
内部記憶部29は、所定のスキャンシーケンス、画像生成、表示処理を実行するための制御プログラム、診断情報(患者ID、医師の所見等)、診断プロトコル、送受信条件等のデータ群が保管されている記憶回路である。
インターフェース部30は、入力装置13、ネットワーク、新たな外部記憶装置(図示せず)に関するインターフェース回路である。装置本体11によって得られた超音波画像等のデータや解析結果等は、インターフェース部30によって、ネットワークを介して他の装置に転送可能である。
図4は、携帯型診断装置1を台車50に装着してなる超音波診断装置の外観を示す模式図であり、図5は、斜め前方からの台車の外観を示す模式図であって、図6は、斜め後方からの台車の外観を示す模式図である。この台車50は、略方形の板状の支持台51と、支持台51の対角線を延長する方向に沿って支持台51の四隅に設けられ、支持台51と略同一の厚さを有する略長方形の板状の4つの脚部52と、脚部52の先端の一方の面に取り付けられた車輪53と、支持台51の当該車輪53とは反対側の面に立設された支柱54と、支柱54の頂部に設けられ、携帯型診断装置1が着脱自在に設置される台座55とを備えている。なお、支持台51の形状、脚部52の個数や設置方向、車輪53の個数等は、単なる例示であり、これに限定されない。また、支柱54は、台座55の高さを調整する調整機構を有している。
一方、台座55の当該設置面とは反対側の底面における、右側の辺(携帯型診断装置1のコネクタポートに対応する辺)及び裏側の辺(カバー部16の基端に対応する辺)には、支柱54に略平行な長手方向(略鉛直方向)に沿って複数の支持部材60,60’が設けられている。複数の支持部材60,60’の先端には、支柱54に直交する方向(略水平方向)に長手方向を有するレール70が取り付けられている。なお、この支持部材60,60’は、レール70を支持する部材であればよいので、例えば、支柱54から台座55に略平行な長手方向(略水平方向)に沿って設けられた支持部材といった如き、他の構造を用いてもよい。いずれにしても、レール70は、装置本体11が設置される面とは反対側の台座55の近傍に支持され、装置本体11の最も近い辺に略平行な長手方向を有する。近傍とは、入力装置13を操作するユーザからホルダユニット80に手がとどく範囲であり、例えば、台座55の底面から装置本体11の一辺の長さの範囲内であり、また例えば、台座55の底面から経直腸プローブのヘッド12aの長さの範囲内である。なお、近傍の範囲を越えて下方にレール70を位置させると、器具の出入り時にコネクタ12bとの衝突を回避し易い反面、ユーザの操作がしにくくなる可能性があるので、レール70は、台座55の底面から近傍に支持されることが好ましい。レール70には、超音波診断のための器具を保持する複数のホルダユニット80が当該レール70に沿って摺動可能(スライド可能)に取り付けられている。但し、スライド操作以外のときには、各々のホルダユニット80は摩擦力でレール70上に固定される。ホルダユニット80の個数は任意である。また、各々のホルダユニット80には、超音波プローブ12のヘッド12aを保持するためのアダプタ90が取り付けられている。
アダプタ90は、図7に一例を示すように、ゴム製で超音波プローブ12毎に応じた寸法で設計されており、ホルダユニット80の内径より短い直径の底面91と、底面91からホルダユニット80の内径より長い直径の開口部92を有する斜め筒状の側面部93とを備えている。なお、アダプタ90がホルダユニット80から抜け落ちない構造であれば、開口部92の直径はホルダユニット80の内径より長くなくてもよく、側面部93は斜め筒状でなくてもよい。底面91及び側面部93は、超音波プローブ12のコード12cを通すための切欠け部91a,93aが形成されている。また、アダプタ90は、超音波プローブ12のヘッド12aに限らず、例えば減菌されたソノゼリー(水溶性で音速が生体組織に近いゼリー)のような音響カップリング剤を収容するボトル容器を保持してもよい。ボトル容器を保持する場合、例えば、切欠け部91a,93aのないアダプタがホルダユニット80に取り付けられる。
なお、図面を簡潔にして理解を容易にする観点から、以後の図面は、アダプタ90の図示を省略する。
図8は、支持部材60、レール70及びホルダユニット80の斜め前方からの外観を示す模式図であり、図9は、支持部材60、レール70及びホルダユニット80の斜め上方からの外観を示す模式図である。図10は、図9のA−A’線矢視断面図である。
複数の支持部材60は、それぞれ固定板61に直交するように、基端60aが固定板61に設けられている。固定板61は、長手方向が台座55の一辺に略平行となるように、台座55の一辺の底面に固定されている。支持部材60は、他端60bが台座55及び支柱54から離れる方向(斜め外方向)に曲がった形状を有し、当該他端60bの先端に、略小判状の断面形状を有するレール70の側面が固定されている。支持部材60は、基端60aと他端60bとの間に略L字形のコード掛け62を有してもよい。
ホルダユニット80は、コード12cを通すための切欠け部81を有して略C字形となる略円筒形状を有し、切欠け部81の一端にはコード12cを掛けるためのフック82が形成されている。ホルダユニット80における切欠け部81に対向する部分には、レール70を上下方向から挟持する複数の爪部83が形成されている。なお、本明細書中、「複数の爪部」及び「爪部」の用語は、それぞれ「クリップ機構」と呼んでもよい。爪部83の先端同士は、支持部材60の他端60bが通過可能な間隔を有する。これにより、ホルダユニット80は、レール70の長手方向に沿って摺動可能となっている。このとき、爪部83側のホルダユニット80の内側面84の上端84aから支持部材60に略平行にコネクタ12b側に向かう鉛直線L1と、鉛直線L1に同一平面上で当該内側面84を延長した直線L2とのなす角度をθとする。この角度θは、ホルダユニット80が保持する超音波プローブ12におけるヘッド12aの長手方向の傾き角度に相当する。言い換えると、この角度θは、レール70の長手方向に沿った中心軸を中心にホルダユニット80が回動する角度に相当する。この角度θは、例えば0°以上40°以下の範囲で大きくなるに従い、ホルダユニット80から出し入れするヘッド12aと、ホルダユニット80の上方に位置するコネクタ12bとの衝突を避け易くする性質がある。なお、本明細書中、角度θの数値範囲は、例示であり、これに限定されない。
図11は、レール70の構成を模式的に示す上面図である。レール70は、例えば、角度θが10°以上40°以下の範囲にある外向き部分71と、角度θが0°を超えて10°に満たない移行部分72と、角度θが0°である上向き部分73とを備えている。
このように、ねじれたレール70によれば、レール70に沿ってホルダユニット80が移動可能であり、レール70上のホルダユニット80の位置に応じて角度θを変更可能となっている。詳しくは、レール70は、少なくともコネクタ12bが装着される辺に対向する外向き部分71では、長手方向に略直交する鉛直線L1に対してホルダユニット80の角度θを変更可能とするように形成されている。ここで、角度θを変更可能とするレール70の形成方法としては、例えば、レール70の断面形状が変形する方式と、レール70の断面形状が変形しない方式とがある。レール70の断面形状が変形する方式は、例えば、円形でない断面形状のレール70をねじる方式(本実施形態)、円形でない断面形状のレール70の一部を回動させる方式(後述する第3の変形例)などがある。レールの断面形状が変形しない方式は、例えば、円形の断面形状を用いる方式(後述する第5の変形例)などがある。
また、角度θの基準となる鉛直線L1に代えて水平線L1’を用い、直線L2に代えて、上向き部分73で水平線L1’に一致するようにホルダユニット80の一部と関連付けた直線L2’を用いても実質的に同一である。このように、ホルダユニット80の角度θを、L1−L2間の角度から、L1’−L2’間の角度に代えたとしても、角度θの値は同じになるからである。しかしながら、水平線L1’を基準とした角度θでは、外向き部分71の角度θ(=0°〜40°)において、出し入れ時に器具がコネクタ12bに衝突しないという意味が分かりにくいので、鉛直線L1を基準としている。
図11に示すように、外向き部分71は、上方から見てコネクタ12bに対応する辺に位置し、直線L2がコネクタ12bに交わらない部分である。言い換えると、外向き部分71は、ホルダユニット80を角度θで傾かせるため、略小判状の断面形状の長手方向が角度θと略平行となるように形成されている。すなわち、レール70の外向き部分71は、器具をコネクタ12bから遠ざけて斜め外向きに保持するようにホルダユニット80が取り付けられる断面形状を有する。ホルダユニット80が外向き部分71に位置するとき、壁等の障害物との衝突を避ける観点から、短いヘッド12aの超音波プローブ12をホルダユニット80に保持させることが好ましい。
移行部分72は、一端が外向き部分71に接続され、他端が上向き部分73に接続されている。移行部分72は、外向き部分71がもつ角度θを連続的に0°に移行させた後、装置本体11の裏側の辺(カバー部16の基端に対応する辺)に長手方向を向けるようにレール70を曲げた部分である。移行部分72のうち、角度θを連続的に移行させる部分(ねじれ部分)は、例えば、形状記憶材料を用いることにより、温度毎に、角度θを調整してもよい。
上向き部分73は、上方から見て装置本体11の裏側の辺に位置し、直線L2が鉛直線L1に一致する部分である。言い換えると、レール70は、コネクタ12bが装着されない辺に対向する上向き部分73では、器具を鉛直線L1に沿って保持するようにホルダユニット80が取り付けられる断面形状を有する。上向き部分73では、ホルダユニット80上方にコネクタ12bがなく、移動中には台車50とユーザとの間に位置して壁等の障害物に衝突する心配もないので、長いヘッド12aの超音波プローブ12をホルダユニット80に保持させることが好ましい。
次に、以上のように構成された超音波診断装置における超音波プローブ12の出し入れ時及び移動時の作用について説明する。
いま、あるホルダユニット80がレール70の外向き部分71に位置し、超音波プローブ12の短いヘッド12aを保持しているとする。また、他のホルダユニット80がレールの上向き部分73に位置し、超音波プローブ12の長いヘッド12aを保持しているとする。
このとき、レール70の外向き部分71に位置するホルダユニット80では、短いヘッド12aを支柱54から離れる方向に角度θだけ傾けており、ヘッド12aの長手方向に沿ってヘッド12aから延長した直線が上方のコネクタ12bを避けている。この直線は、図10に示した直線L2に略平行な線である。このため、外向き部分71に位置するホルダユニット80に対して、ユーザがヘッド12aを出し入れする際に、コネクタ12b、装置本体11及び台座55等との衝突を避けることができる。また、短いヘッド12aは、斜めに外向きであるが、短いためにフットプリント(装置の車輪と床との各接触部を結んだ床面領域)からはみ出さないので、移動時に、壁等の障害物との衝突を避けることができる。
一方、レール70の上向き部分73に位置するホルダユニット80では、長いヘッド12aを支柱54に略平行に保持しており、ヘッド12aの先端が超音波診断装置のフットプリントからはみ出さない。このため、運搬時に、長いヘッド12aと壁等の障害物との衝突を避けることができる。また、長いヘッド12aは、上向きであるが、上方に何もないので、ホルダユニット80に対して出し入れする際に、装置本体11等との衝突を避けることができる。
上述したように本実施形態によれば、レールは、少なくともコネクタが装着される辺に対向する第1部分(外向き部分71)では、長手方向に略直交する鉛直線に対してホルダユニットの角度を変更可能とするように形成されている。従って、レールによってホルダユニットの角度を変更することにより、ホルダユニットに保持される器具とコネクタ等との衝突を回避することができる。
例えば、レールの外向き部分71では、器具をコネクタから遠ざけて斜め外向きに保持するようにホルダユニットが取り付けられるので、ユーザが器具をホルダユニットから出し入れする際に、器具とコネクタ等との衝突を回避できる。本実施形態では、レールの第1部分(外向き部分71)としては、例えば、器具をコネクタから遠ざけて斜め外向きに保持するようにホルダユニットが取り付けられる断面形状を有する構成として実装している。
また例えば、レールの上向き部分71では、器具を鉛直線に沿って保持するようにホルダユニットが取り付けられるので、超音波診断装置の運搬時に、例えば、長い器具をホルダユニットに保持している場合でも、長い器具と壁等の障害物との衝突を回避できる。この場合、レールとしては、コネクタが装着されない辺に対向する第2部分(上向き部分73)では、器具を鉛直線に沿って保持するようにホルダユニットが取り付けられる断面形状を有する構成として実装してもよい。
なお、本実施形態は、以下の第1乃至第5の変形例のように変形してもよい。各変形例は、可能な限り互いに組み合わせてもよく、それぞれ本実施形態の効果に加え、変形例特有の作用効果を有する。
始めに、第1の変形例について述べる。第1の変形例は、暗がりの検査室において、装置の一部が発光する構成である。具体的には、第1の変形例は、ホルダユニット80の少なくとも一部に蛍光塗料を塗布した構成である。ここで、ホルダユニット80は、例えば図9に示すように、略C字形の上面に蛍光塗料を塗布してもよく、フック82のみ蛍光塗料を塗布してもよい。
以上のような第1の変形例によれば、ホルダユニット80に蛍光塗料を塗布した構成により、暗がりの検査室において、ホルダユニット80が発光するので、コネクタ12bとの衝突を避けつつ、ヘッド12aをホルダユニット80に装着することができる。
次に、第2の変形例について述べる。第2の変形例は、レール70が伸縮する構成である。具体的には、第2の変形例は、図12(a)及び図12(b)に示すように、レール70の外向き部分71及び上向き部分73をそれぞれ伸縮構造として設けている。
ここで、外向き部分71は、例えば、略小判状の中空の断面形状を有する筒状部材71aと、この筒状部材71aに挿脱自在に設けられ、筒状部材71aの内側面よりも小さい略小判状の断面形状を有するレール部材71bとを備えている。
上向き部分73は、同様に、例えば、略小判状の中空の断面形状を有する筒状部材73aと、この筒状部材73aに挿脱自在に設けられ、筒状部材73aの内側面よりも小さい略小判状の断面形状を有するレール部材73bとを備えている。
筒状部材71a,73aは、前述した移行部分72を介して互いに接続されている。
以上のような第2の変形例によれば、レール70の外向き部分71及び上向き部分73をそれぞれ伸縮構造とした構成により、ユーザのニーズに応じて、外向き部分71と上向き部分73の割合を調整することができる。
なお、第2の変形例は、理解を容易にするため、2段階の伸縮構造を示したが、これに限らず、3段階以上の多段階の伸縮構造としてもよい。また、第2の変形例は、レール70の断面形状が円形の場合にも適用できる。この場合、図13に示すように、レール70は、複数の円筒状部材70a,70b及び円柱状部材70cを一部重複して入れ子状に配置し、各部材70a,70b,70c間の重複部分の長さを変化させることにより、伸縮する構造としてもよい。図13に示す他の例の場合、ユーザのニーズに応じてレールの長さを伸縮できることに加え、断面形状が円形のため、ホルダユニット80を取り付ける角度を連続的に調整することができる。このことは、第5の変形例でも述べる。
あるいは、レール70は、複数の伸縮構造を屈曲部材により屈曲可能な構造としてもよい。例えば図14に示すように、レール70は、各部材70a,70b,70cからなる前述した伸縮構造を、屈曲部材70dを介して、複数の円筒状部材70e,70f及び円柱状部材70gからなる前述同様の伸縮構造に接続してもよい。ここで、屈曲部材70dは、円柱状部材70cの先端に接続された第1接続部材70d1が、各伸縮部材の長手方向に直交する鉛直軸70d2を介して第2接続部材70d3に接続されている。第2接続部材70d3は、鉛直軸70d2と円筒状部材70eの基端との間に介在して設けられている。なお、各接続部材70d1,70d3は、図示しない円筒状のカバーで覆われており、ホルダユニット80が摺動可能となっている。これにより、各部材70e,70f,70gからなる伸縮構造が鉛直軸70d2を中心に回動するので、レール70は、複数の伸縮構造が屈曲部材70dにより屈曲する。
図14に示す他の例の場合、伸縮構造をもつレール70を曲げることができるので、例えば、一方の伸縮構造を装置本体11の前面の辺に対向する位置に配置し、当該前面の辺に対向する位置において、ホルダユニット80に所望の器具を保持させることができる。
次に、第3の変形例について述べる。第3の変形例は、レール70が回動してホルダユニット80の角度θを変える構成である。具体的には、第3の変形例は、図15及び図16に示すように、レール70の外向き部分71を、長手方向に沿った中心軸71Rを中心に回動可能な構造として設けている。
ここで、支持部材60は、前述した他端60bに代えて、支柱54から離れる方向に配置された他端60cが、例えば、先端に略C字形の断面形状を有する挟持部材60dを有している。挟持部材60dは、レール70の中心軸71Rに沿った棒状部材74を挟持するように、棒状部材74の外径と略同一の内径を有する略円筒部材の一部に切欠け部を形成したものである。また、回動するレール70を支持可能な関節機構であれば、挟持部材60d及び棒状部材74に代えて設けてもよい。また、レール70の回動し易さをネジ等で調整してもよく、回動後にレール70を固定してもよい。いずれにしても、支持部材60は、レール70の外向き部分71を、長手方向に沿った中心軸71Rを中心に回動可能に支持することができる。
以上のような第3の変形例によれば、レール70の外向き部分71を、長手方向に沿った中心軸71Rを中心に回動可能な構造としたことにより、レール70の外向き部分71の向きを調整することができる。
また、第3の変形例は、レール70の外向き部分71に加え、レール70の上向き部分73にも適用することができる。あるいは、レール70の外向き部分71に代えて、レール70の上向き部分73に適用することができる。いずれにしても、レール70の上向き部分73を、長手方向に沿った中心軸を中心に回動可能な構造として設けることができる。この場合、レールの上向き部分73の向きを調整することができる。
次に、第4の変形例について述べる。第4の変形例は、レール70の両端側において、ホルダユニット80の脱落を防止する構成である。具体的には、第4の変形例は、図17(a)及び図17(b)に示すように、レール70の外向き部分71及び上向き部分73の先端部にそれぞれ突起部(ポッチ)71p,73pを設けている。
ここで、突起部71p,73pは、ホルダユニット80の意図しない脱落を防止する部材であり、例えば、ホルダユニット80の爪部83の厚さの半分程度の高さを有し、摺動されたホルダユニット80の爪部83を係止可能となっている。また、突起部71p,73pは、ホルダユニット80が強い力で摺動された際に、爪部83が乗り越え可能なように、略半球状の形状を有している。
以上のような第4の変形例によれば、レール70の外向き部分71及び上向き部分73の先端部にそれぞれ突起部71p,73pを設けた構成により、ホルダユニット80の意図しない脱落を防止することができる。
また、第4の変形例は、突起部71p,73pに代えて、ホルダユニット80の爪部83が嵌まる穴部(図示せず)を設けてもよい。穴部としては、例えば、ホルダユニット80の爪部83の厚さの半分程度の深さを有し、摺動されたホルダユニット80の爪部83を係止可能となっている。また、穴部は、ホルダユニット80が強い力で摺動された際に、爪部83が脱出可能なように、傾斜面を有していることが好ましい。このように、穴部を設けた場合も前述同様に、ホルダユニット80の意図しない脱落を防止することができる。
あるいは、レール70は、図18(a)及び図18(b)に示すように、外向き部分71の先端71uを上方に曲げて形成すると共に、上向き部分73の先端73uを上方に曲げて形成してもよい。このように、レールの先端71u,73uを上方に曲げた構成により、前述同様に、ホルダユニット80の意図しない脱落を防止することができる。
最後に、第5の変形例について述べる。第5の変形例は、レール側が斜めになってホルダユニット80の角度θを変えるのではなく、ホルダユニット80側が斜めになって角度θを変える構成である。具体的には、第5の変形例は、略小判状の断面形状をもつレール70に代えて、図9のA−A’線矢視断面図として図19に示すように、円形の断面形状をもつレール70’を設けている。これに伴い、ホルダユニット80は、前述した爪部83に代えて、このレール70’を上下方向から挟持する複数の爪部83’を備えている。なお、爪部83’による挟持の程度(クリップ機構の締め付け具合)は、調節可能としてもよい。このような調節が可能なことは、例えば、第3の変形例に示した他の例のように、円形の断面形状の直径が変化する場合に好ましい。また、爪部83’の先端同士は、支持部材60の他端60bが通過可能な間隔を有する。これにより、ホルダユニット80は、レール70’の長手方向に沿って摺動可能となっている。また、ホルダユニット80は、円形の断面形状をもつレール70’を保持するため、レール70’の中心軸を中心に回転可能となっている。
以上のような第5の変形例によれば、円形の断面形状をもつレール70’を設けた構成により、鉛直線L1に対してホルダユニット80の角度θを連続的に調整することができる。
一実施形態におけるヘッド12a及びボトル容器の各々は、特許請求の範囲における器具の一例である。一実施形態における外向き部分71は、特許請求の範囲における第1部分の一例である。一実施形態における角度θは、特許請求の範囲におけるホルダユニットの角度の一例である。一実施形態における上向き部分73は、特許請求の範囲における第2部分の一例である。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。