JP5405070B2 - 超音波診断システム及び超音波診断装置設置用架台 - Google Patents

Description

本発明は、携帯型超音波診断装置を設置するための架台、及び当該超音波診断装置設置用架台と携帯型超音波診断装置とからなる超音波診断システムに関する。

超音波診断は、超音波プローブを体表から当てるだけの簡単な操作で心臓の拍動や胎児の動きの様子がリアルタイム表示で得られ、かつ安全性が高いため繰り返して検査を行うことができる。この他、システムの規模がＸ線、ＣＴ、ＭＲＩなど他の診断機器に比べて小さく、超音波診断はＸ線などのように被曝の影響がなく、ベッドサイドへ移動していっての検査も容易に行えるなど簡便な診断手法であると言える。この超音波診断において用いられる超音波診断装置は、それが具備する機能の種類によって様々に異なるが、小型なものは片手で持ち運べる程度のものが開発されており、産科や在宅医療等においても使用することができる。

また、近年ベッドサイドでの使用及び持ち運びを可能とする使用を両立させたものとして、例えば、持ち運び可能な小型（携帯型）超音波装置を、専用台車や拡張ユニット等の架台に接続する超音波診断システムが開発されている。

なお、本願に関連する公知文献としては、例えば次のようなものがある。
米国特許６，４４７，４５１Ｂ１明細書

しかしながら、従来の超音波診断システムにおいては、次のような問題がある。すなわち、近年、携帯型超音波診断装置は、重量が重くなる傾向にある。これは、装置サイズ並びに重量を多少犠牲にしても大型のＬＣＤの搭載、高機能、高画質化が要求されるためである。重量が重くなると、超音波診断装置と架台との脱着に多大な負担がかかるという問題がある。この問題は、特に、非力な者がこの脱着作業を行う場合に特に顕著である。さらに、超音波診断装置や架台の外観デザインによっては、架台の台座が装置より小さくなることがある。この様な場合、搭載すべき場所が超音波診断装置の死角となり、装置と台座との間に指を挟む等の怪我をする虞がある。

本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、外観デザインに左右されず、非力な者であっても、安全、確実、迅速に超音波診断装置を架台の台座に設置することができる超音波診断システム及び超音波診断装置用架台を提供することを目的としている。

本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。

一実施形態の超音波診断システムは、超音波画像データを収集する超音波診断装置と当該超音波診断装置を設置するための台座を有する架台とからなる超音波診断システムであって、前記台座は、前記超音波診断装置を当該台座上においてスライド方向に沿って移動させ所定の位置に設置するためのガイド部であって、前記超音波診断装置の幅方向の脚部の間隔よりも狭い幅を有しつつ当該幅が前記スライド方向に沿って大きくなるように形成され、少なくとも一部が当該台座に搭載された前記超音波診断装置を前記スライド方向に沿って移動させる場合に、前記超音波診断装置の脚部の間の領域と当接しながら向きの変化を制限し前記超音波診断装置を前記台座上の所定の位置にガイドする前記ガイド部と、前記ガイド部によって前記所定の位置にガイドされた前記超音波診断装置の脚部と嵌合し、前記超音波診断装置を前記台座上に固定する嵌合部と、を具備するものである。
一実施形態に係る超音波診断診断装置設置用架台は、超音波画像データを収集する当該超音波診断装置を設置するための台座と、前記超音波診断装置を当該台座上においてスライド方向に沿って移動させ所定の位置に設置するためのガイド部であって、前記超音波診断装置の幅方向の脚部の間隔よりも狭い幅を有しつつ当該幅が前記スライド方向に沿って大きくなるように形成され、少なくとも一部が当該台座に搭載された前記超音波診断装置を前記スライド方向に沿って移動させる場合に、前記超音波診断装置の脚部の間の領域と当接しながら向きの変化を制限し前記超音波診断装置を前記台座上の所定の位置にガイドする前記ガイド部と、前記ガイド部によって前記所定の位置にガイドされた前記超音波診断装置の脚部と嵌合し、前記超音波診断装置を前記台座上に固定する嵌合部と、を具備するものである。

以上本発明によれば、外観デザインに左右されず、非力な者であっても、安全、確実、迅速に超音波診断装置を架台の台座に設置することができる超音波診断システム及び超音波診断装置用架台を実現することができる。

以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。

本実施形態に係る超音波診断システムは、携帯型超音波診断装置と、当該超音波診断装置を設置するための架台とからなる。

図１、図２は、携帯型超音波診断装置１の外観図を示した図である。同図に示すように、超音波診断装置１は、例えばノート型コンピュータやタブレット型コンピュータの様な外観を持ち、装置本体１１、脱着自在な超音波プローブ１２、開閉自在なカバー部１５を有する。カバー部１５を、図１の様に閉じた状態から図２の様に開いた状態にすることで、モニター１４、入力装置１３を使用可能な状態にすることができる。

図３は、携帯型超音波診断装置１を底面側（すなわち、架台への設置側）から見た図である。同図に示すように、超音波診断装置１の底面には、前側脚部１６と後側脚部１７とが設けられている。

図４は、携帯型超音波診断装置１のブロック構成図を示している。同図に示すように、本超音波診断装置１は、超音波プローブ１２、入力装置１３、モニター１４、超音波送信ユニット２１、超音波受信ユニット２２、Ｂモード処理ユニット２３、ドプラ処理ユニット２４、画像生成ユニット２５、画像メモリ２６、画像合成部２７、制御プロセッサ（ＣＰＵ）２８、内部記憶部２９、インターフェース部３０を具備している。

超音波プローブ１２は、超音波送受信ユニット２１からの駆動信号に基づき超音波を発生し、被検体からの反射波を電気信号に変換する複数の圧電振動子、当該圧電振動子に設けられる整合層、当該圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有している。

入力装置１３は、オペレータからの各種指示、条件、関心領域（ＲＯＩ）の設定指示、種々の画質条件設定指示等を装置本体１１にとりこむための各種スイッチ、ボタン、トラックボール、マウス、キーボード等を有している。

モニター１４は、スキャンコンバータ２５からのビデオ信号に基づいて、生体内の形態学的情報（Ｂモード画像）、血流情報（平均速度画像、分散画像、パワー画像等）、これらの組み合わせを画像として表示する。

超音波送信ユニット２１は、図示しないトリガ発生回路、遅延回路およびパルサ回路等を有している。パルサ回路では、所定のレート周波数ｆｒ Ｈｚ（周期；１／ｆｒ秒）で、送信超音波を形成するためのレートパルスが繰り返し発生される。また、遅延回路では、チャンネル毎に超音波をビーム状に集束し且つ送信指向性を決定するのに必要な遅延時間が、各レートパルスに与えられる。トリガ発生回路は、このレートパルスに基づくタイミングで、プローブ１２に駆動パルスを印加する。

超音波受信ユニット２２は、図示していないアンプ回路、Ａ／Ｄ変換器、加算器等を有している。アンプ回路では、プローブ１２を介して取り込まれたエコー信号をチャンネル毎に増幅する。Ａ／Ｄ変換器では、増幅されたエコー信号に対し受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与え、その後加算器において加算処理を行う。

Ｂモード処理ユニット２３は、送受信ユニット２１からエコー信号を受け取り、対数増幅、包絡線検波処理などを施し、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータを生成する。

ドプラ処理ユニット２４は、送受信ユニット２１から受け取ったエコー信号から速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワー等の血流情報を多点について求める。

画像生成ユニット２５は、一般的には、超音波スキャンの走査線信号列を、テレビなどに代表される一般的なビデオフォーマットの走査線信号列に変換し、表示画像としての超音波診断画像を生成する。

画像合成部２７は、画像生成ユニット２５又から受け取った画像を種々のパラメータの文字情報や目盛等と共に合成し、ビデオ信号としてモニター１４に出力する。

制御プロセッサ２８は、情報処理装置（計算機）としての機能を持ち、本超音波診断装置本体の動作を制御する。

内部記憶部２９は、所定のスキャンシーケンス、画像生成、表示処理を実行するための制御プログラム、診断情報（患者ＩＤ、医師の所見等）、診断プロトコル、送受信条件等のデータ群が保管されている。

インターフェース部３０は、入力装置１３、ネットワーク、新たな外部記憶装置（図示せず）に関するインターフェースである。当該装置によって得られた超音波画像等のデータや解析結果等は、インターフェース部３０よって、ネットワークを介して他の装置に転送可能である。

図５は、携帯型超音波診断装置１を設置するための架台５０の外観を示した図である。同図に示すように、架台５０は、超音波診断装置１を設置するための台座５１、台座５１の高さや角度を調整する調節機構を有し当該台座５１を支持する支柱５２、当該超音波診断システムを移動させるための車輪５３、車輪５３が設けられ支柱５２を支えるための脚部５４を有している。なお、超音波診断装置１の設置時や使用時においては、入力装置１３等を使用し易くするために、台座５１に設置された超音波診断装置１が後側から前側にかけて下がるように、台座５１の角度が調整される。

図６は、架台５０の台座５１の斜視図であり、図７は、台座５１の上面図である。各図に示すように、台座５１は、超音波診断装置１の底面の大きさに対応する矩形状の板（図６、図７において点線によって示された矩形部分）に凹部５０１を設けた形状となっている。凹部５０１は、台座５１手前から中央付近にかけて大きくなっており、後側に向かうに従って先細りの形状となっている。従って、台座５１は、操作者側（前側）から見た場合、手前から中央付近がくびれており、後側に向かうに従って幅が広くなる。また、凹部５１０は、当該凹部５１０の後側の終端位置における台座幅Ｗが携帯型超音波診断装置１の後側脚部１７の内寸と一致するように形成される。凹部５０１がこの様に形成されているのは、台座５１上をスライドさせながら超音波診断装置１を設置する際に、台座５１のスライド方向に沿った縁の形状によって、超音波診断装置１を所定の位置に案内（ガイド）するためである。

また、台座５１は、嵌合部５０２、ストッパ５０３を有している。嵌合部５０２は、超音波診断装置１を設置する場合に前側脚部１６と嵌合し、超音波診断装置１を台座５１上に固定する。ストッパ５０３は、凹部５１０の後側の終端位置に形成されている。従って、台座５１上をスライドさせながら超音波診断装置１を設置する場合には、後側脚部１７がストッパ５０３に当接することで、スライド移動が止まり、超音波診断装置１が所定位置に配置される。

（携帯型超音波診断装置の設置／取り外し）
次に、本超音波診断システムにおける携帯型超音波診断装置１の架台５０への設置、及び携帯型超音波診断装置１の架台５０からの取り外しについて説明する。

図８、図９、図１０は、携帯型超音波診断装置１の架台５０への設置（搭載）手法を説明するための図である。なお、図９、図１０は、図８に示した携帯型超音波診断装置１及び架台を矢印の方向から見た様子を示している。図８に示すように、携帯型超音波診断装置１の一部を一旦架台５０の台座５１に置く。このとき、前側脚部１６の一方は凹部５０１の一方に、前側脚部１６の他方は凹部５０１の他方に配置し、左右の前側脚部１６が台座５１のくびれた部分を跨ぐようにして配置する。

なお、この様に、左右の前側脚部１６が台座５１のくびれた部分を跨ぐように携帯型超音診断装置１を設置する際、携帯型超音診断装置１の両端を把持するようにすれば、設置者の手や指は、凹部５０１の台座５１手前から中央付近の領域（すなわち、凹部５０１の最も広い領域）に位置することになる。従って、携帯型超音波診断装置１を架台５０へ設置する際に、装置１と台座５１との間に設置者の手や指が挟まれるのを防止することができる。

次に、図９に示すように、携帯型超音波診断装置１をスライド方向（架台５０の前側（操作者側）から後側に向けての方向）に、携帯型超音波診断装置１の一部を台座５１に当接させながらスライドさせる。すると、図１０に示すように、携帯型超音波診断装置１の後側脚部１７は、台座５１のスライド方向に沿った縁の形状に沿って案内されながら移動することになる。そして、携帯型超音波診断装置１の後側脚部１７が台座５１のストッパ５０３に突き当たった後、携帯型超音波診断装置１の前側を台座５１の上に下ろすと、前側脚部１６が嵌合部１６に嵌め込まれ、携帯型超音波診断装置１が台座５１上の正確な位置に配置されることになる。

一方、携帯型超音波診断装置１を架台５０から取り外す場合には、超音波診断装置１の両端を把持して持ち上げ手前に引けばよい（すなわち、設置と逆の操作をすればよい）。このとき、超音波診断装置１を把持する指を凹部５０１に配置させることで、台座５１と超音波診断装置１との間に設置者の指が挟まれるのを防止することができる。

（効果）
以上述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。

本超音波診断システムによれば、超音波診断装置を一旦架台の台座に乗せることで重量負担をなくした後、超音波診断装置を台座５１のスライド方向に沿った縁の形状に沿って案内しながらスライドさせ、所定位置に配置する。また、台座上をスライドさせ、後側脚部が台座のストッパに突き当たった後に、携帯型超音波診断装置の前側を台座の上に下ろすことで、前側脚部が嵌合部に嵌め込まれ、携帯型超音波診断装置が台座上の正確な位置に配置されることになる。従って、携帯型超音波診断装置を自力で把持する時間を極力短縮することができ、また、単調な操作で携帯型超音波診断装置が台座上の正確な位置に配置することができる。さらに、携帯型超音波診断装置を台座上に下ろす際、或いは携帯型超音波診断装置を台座から持ち上げる際に、超音波診断装置を把持する手や指を台座の凹部に配置させることで、台座と超音波診断装置との間に設置者の指が挟まれるのを防止することができる。その結果、非力な者であっても、外観デザインに左右されず、安全、確実、迅速に超音波診断装置を架台の台座に設置することができる超音波診断システム及び超音波診断装置用架台を実現することができる。

なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。具体的な変形例としては、例えば次のようなものがある。

また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。

以上本発明によれば、外観デザインに左右されず、非力な者であっても、安全、確実、迅速に超音波診断装置を架台の台座に設置することができる超音波診断システム等を実現することができる。

図１は、携帯型超音波診断装置１の外観図を示した図である。 図２は、携帯型超音波診断装置１の外観図を示した図である。 図３は、携帯型超音波診断装置１を底面側（すなわち、架台への設置側）から見た図である。 図４は、携帯型超音波診断装置１のブロック構成図を示している。 図５は、携帯型超音波診断装置１を設置するための架台５０の外観を示した図である。 図６は、架台５０の台座５１の斜視図である。 図７は、台座５１の上面図である。 図８は、携帯型超音波診断装置１の架台５０への装着（設置）手法を説明するための図である。 図９は、携帯型超音波診断装置１の架台５０への装着（設置）手法を説明するための図である。 図１０は、携帯型超音波診断装置１の架台５０への装着（設置）手法を説明するための図である。

符号の説明

１０…超音波診断装置、１２…超音波プローブ、１３…入力装置、１４…モニター、２１…超音波送信ユニット、２２…超音波受信ユニット、２３…Ｂモード処理ユニット、２４…ドプラ処理ユニット、２５…スキャンコンバータ、２６…シネメモリ、２７…画像合成部、２８…制御プロセッサ、２９…内部記憶部、３０…インタフェース部

Claims (3)

1. 超音波画像データを収集する超音波診断装置と当該超音波診断装置を設置するための台座を有する架台とからなる超音波診断システムであって、
   前記台座は、
   前記超音波診断装置を当該台座上においてスライド方向に沿って移動させ所定の位置に設置するためのガイド部であって、前記超音波診断装置の幅方向の脚部の間隔よりも狭い幅を有しつつ当該幅が前記スライド方向に沿って広くなるように形成され、少なくとも一部が当該台座に搭載された前記超音波診断装置を前記スライド方向に沿って移動させる場合に、前記超音波診断装置の脚部の間の領域と当接しながら向きの変化を制限し前記超音波診断装置を前記台座上の所定の位置にガイドする前記ガイド部と、
   前記ガイド部によって前記所定の位置にガイドされた前記超音波診断装置の脚部と嵌合し、前記超音波診断装置を前記台座上に固定する嵌合部と、
   を具備することを特徴とする超音波診断システム。
2. 前記ガイド部の相対的に幅の狭い領域は、前記超音波診断装置の少なくとも一部を前記台座に設置する場合に、当該超音波診断装置を把持する設置者の手を回避させる機能を有することを特徴とする請求項１記載の超音波診断システム。
3. 超音波画像データを収集する当該超音波診断装置を設置するための台座と、
   前記超音波診断装置を当該台座上においてスライド方向に沿って移動させ所定の位置に設置するためのガイド部であって、前記超音波診断装置の幅方向の脚部の間隔よりも狭い幅を有しつつ当該幅が前記スライド方向に沿って広くなるように形成され、少なくとも一部が当該台座に搭載された前記超音波診断装置を前記スライド方向に沿って移動させる場合に、前記超音波診断装置の脚部の間の領域と当接しながら向きの変化を制限し前記超音波診断装置を前記台座上の所定の位置にガイドする前記ガイド部と、
   前記ガイド部によって前記所定の位置にガイドされた前記超音波診断装置の脚部と嵌合し、前記超音波診断装置を前記台座上に固定する嵌合部と、
   を具備することを特徴とする超音波診断診断装置設置用架台。

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