JP2017191705A - 二次電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】集電端子部材と集電箔部とをレーザー溶接する工程において、スパッタの発生を抑制することができる二次電池の製造方法を提供する。【解決手段】レーザー溶接工程は、集電箔積層部130d1,130d2(120d1,120d2)を構成する集電箔部130c1(120c1)に対し、レーザー光LBを直接に照射することなく、集電端子部材170(190)の挟持部173,174(193,194)に対し、レーザー光LBを直接に照射して、集電端子部材170(190)の挟持部173,174(193,194)と集電箔積層部130d1,130d2(120d1,120d2)を構成する集電箔部130c1(120c1)とを溶接する。【選択図】図10

Description

本発明は、二次電池の製造方法に関する。
特許文献1には、集電箔及び電極合材層を有する電極シートを含む電極体と、電極体に接合された集電端子部材とを備える二次電池の製造方法が開示されている。具体的には、特許文献1には、電極体として、1枚の正極シートと1枚の負極シートとが、正極シートと負極シートとの間にセパレータが介在するようにして扁平形状に捲回された扁平捲回型電極体が開示されている。この電極体は、電極シートの幅方向一方端部に位置し、電極シートのうち集電箔の表面に電極合材層が塗工されていない集電箔部が積層方向(電極体の厚み方向)に積層された集電箔積層部を有する。
また、集電端子部材は、集電箔積層部を構成する集電箔部を積層方向に挟んで保持する挟持部を有する。この挟持部には、当該挟持部によって挟んで保持した集電箔部の先端側が突出する窓部(開口)が形成されている。この集電端子部材は、集電箔積層部に接合されている。
特許文献1では、以下のようにして、集電端子部材と集電箔積層部とを接合している。具体的には、まず、挟持工程において、集電端子部材の挟持部により、集電箔積層部を構成する集電箔部を積層方向に挟んで保持する。その後、レーザー溶接工程において、集電端子部材の挟持部により集電箔積層部を構成する集電箔部が挟持された状態で、集電端子部材の挟持部と集電箔積層部を構成する集電箔部とをレーザー溶接により接合する。具体的には、集電箔部のうち挟持部の窓部(開口)から突出する部位(先端部)と挟持部のうち窓部の周縁部とに対し、レーザー光を直接に照射して、これらを溶接する。
特開2000−133241号公報
ところが、特許文献1に開示されている溶接方法では、溶接時にスパッタが発生することがあった。具体的には、集電箔部のうち挟持部の窓部(開口)から突出する部位(先端部)は、熱容量が小さいため、レーザー光を直接に照射すると、溶融金属がスパッタとなって周囲に飛散することがあった。このスパッタが電極体の内部に入り込んでしまうと、このスパッタを通じて内部短絡が発生する虞があった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、集電端子部材と集電箔部とをレーザー溶接する工程において、スパッタの発生を抑制することができる二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、集電箔及び電極合材層を有する電極シートを含む電極体と、前記電極体に接合された集電端子部材と、を備え、前記電極体は、前記電極シートの幅方向一方端部に位置し、前記電極シートのうち前記集電箔の表面に前記電極合材層が塗工されていない集電箔部が積層方向に積層された集電箔積層部、を有し、前記集電端子部材は、前記集電箔積層部に接合されている二次電池の製造方法であって、前記集電端子部材は、前記集電箔積層部を構成する前記集電箔部を前記積層方向に挟んで保持する挟持部を有し、前記製造方法は、前記集電端子部材の前記挟持部により、前記集電箔積層部を構成する前記集電箔部を前記積層方向に挟んで保持する挟持工程と、前記集電端子部材の前記挟持部により前記集電箔積層部を構成する前記集電箔部が挟持された状態で、前記集電端子部材の前記挟持部と前記集電箔積層部を構成する前記集電箔部とをレーザー溶接により接合するレーザー溶接工程と、を備え、前記レーザー溶接工程は、前記集電箔積層部を構成する前記集電箔部に対し、レーザー光を直接に照射することなく、前記集電端子部材の前記挟持部に対し、レーザー光を直接に照射して、前記集電端子部材の前記挟持部と前記集電箔積層部を構成する前記集電箔部とを溶接する二次電池の製造方法である。
上述の製造方法は、集電端子部材の挟持部により、集電箔積層部を構成する集電箔部を積層方向に挟んで保持する挟持工程を備える。集電端子部材の挟持部により挟まれた複数の集電箔部は、それぞれ、積層方向に隣り合う集電箔部と積層方向に隙間無く接触する。さらに、上述の製造方法は、上述のように、集電端子部材の挟持部により集電箔積層部を構成する集電箔部が挟持された状態で、集電端子部材の挟持部と集電箔積層部を構成する集電箔部とをレーザー溶接により接合するレーザー溶接工程を備える。
特に、上述の製造方法では、レーザー溶接工程において、集電箔積層部を構成する集電箔部に対し、レーザー光を直接に照射することなく、集電端子部材の挟持部に対し、レーザー光を直接に照射して、集電端子部材の挟持部と集電箔積層部を構成する集電箔部とを溶接する。このようにすることで、レーザー光が、熱容量の小さい集電箔の端部に照射されるのを防止することができるので、レーザー溶接時にスパッタが発生するのを抑制することができる。
なお、上述のレーザー溶接工程では、集電端子部材の挟持部によって挟持されている集電箔部は、レーザー光の照射により溶融した挟持部の熱によって溶融する、あるいは、溶融した挟持部を通過(透過)したレーザー光の照射により溶融することで、集電端子部材の挟持部に接合する。これに対し、前述のように、挟持部によって挟持されている複数の集電箔部は、それぞれ、積層方向に隣り合う集電箔部と積層方向に隙間無く接触している。このため、挟持部によって挟持されている複数の集電箔部は、実質的に一体となることで、熱容量が大きくなっている。従って、挟持部によって挟持されている複数の集電箔部が溶融するときでも、スパッタの発生を抑制することができる。
また、集電箔積層部としては、複数枚の集電箔のそれぞれの一部分が積層方向に積層されたものが挙げられる。具体的には、例えば、電極体として、複数枚の電極シート(正極シートまたは負極シート)が積層方向に積層された積層型電極体を有し、それぞれの電極シートの一方端部である集電箔部が、複数、積層方向に積層されたものが挙げられる。
なお、積層型電極体とは、複数枚の正極シートと複数枚の負極シートとが、正極シートと負極シートとの間にセパレータが介在するようにして、積層方向に積層された電極体をいう。
また、集電箔積層部は、1枚の集電箔の一部(集電箔部)が、複数、積層方向に積層されたものであっても良い。具体的には、例えば、電極体として扁平捲回型電極体を有し、扁平捲回型電極体を構成する電極シートの集電箔(正極集電箔または負極集電箔)の一方端部(集電箔の表面に電極合材層が塗工されていない部位)のうち、積層方向(電極体の厚み方向)に並ぶ部位(これが集電箔部に相当する)が、複数、積層方向に積層されたものが挙げられる。なお、扁平捲回型電極体とは、1枚の正極シートと1枚の負極シートとが、正極シートと負極シートとの間にセパレータが介在するようにして扁平形状に捲回された電極体をいう。
また、集電端子部材は、挟持部を、1つのみならず、複数有していても良い。例えば、集電端子部材として、集電箔積層部の積層方向について一方端側に位置する第1集電部及び他方端側に位置する第2集電部と、これらの間に位置する中間集電部と、を有する集電端子部材を用い、第1集電部と中間集電部との間に、集電箔積層部を構成する複数の集電箔部のうち一方端側に位置する複数の集電箔部(からなる第1集電箔積層部)を挟み、第2集電部と中間集電部との間に、集電箔積層部を構成する複数の集電箔部のうち他方端側に位置する複数の集電箔部(からなる第2集電箔積層部)を挟むようにすると良い。
この場合、第1集電部のうち第1集電箔積層部に対し積層方向について隣接する部位と、中間集電部のうち第1集電箔積層部に対し積層方向について隣接する部位とにより、第1挟持部が構成される。さらに、第2集電部のうち第2集電箔積層部に対し積層方向について隣接する部位と、中間集電部のうち第2集電箔積層部に対し積層方向について隣接する部位とにより、第2挟持部が構成される。従って、この場合、集電端子部材は、2つの挟持部(第1挟持部と第2挟持部)を有する。
実施例にかかる二次電池の断面図である。 扁平捲回型電極体の斜視図である。 扁平捲回型電極体を構成する負極シートの斜視図である。 扁平捲回型電極体を構成する正極シートの斜視図である。 扁平捲回型電極体の側面図(端面図)である。 実施例にかかる二次電池の他の断面図である。 図6のE−E断面図である。 集電端子付き電極体の斜視図である。 実施例にかかる挟持工程を説明する図である。 実施例にかかるレーザー溶接工程を説明する図である。 図10のF部及びG部の拡大図である。 比較例1にかかる溶接工程を説明する図である。 比較例2にかかる溶接工程を説明する図である。 比較例3にかかる溶接工程を説明する図である。
(実施例)
次に、本発明の実施例について、図面を参照しつつ説明する。図1は、実施例にかかる二次電池100の断面図(正面視)である。図2は、扁平捲回型電極体110の斜視図である。図3は、扁平捲回型電極体110を構成する負極シート120の斜視図である。図4は、扁平捲回型電極体110を構成する正極シート130の斜視図である。図5は、扁平捲回型電極体110の側面図(端面図)である。図6は、二次電池100の他の断面図(側面視)であり、図1のC−Cの位置またはD−Dの位置で二次電池100を切断した断面図に相当する。図7は、図6のE−E断面図である。図8は、扁平捲回型電極体110に正極集電端子部材170及び負極集電端子部材190を溶接した、集電端子付き電極体140の斜視図である。
実施例にかかる二次電池100は、図1に示すように、扁平捲回型電極体110と、これを収容する電池ケース180とを備える、リチウムイオン二次電池である。扁平捲回型電極体110は、正極シート130、負極シート120、及びセパレータ150を捲回した電極体である。
電池ケース180は、アルミニウムからなり、直方体形状をなしている。この電池ケース180は、電池ケース本体181と封口蓋182を有する。このうち、電池ケース本体181は、有底矩形箱形状をなしている。なお、電池ケース本体181と扁平捲回型電極体110との間には、絶縁フィルム(図示しない)を介在させている。また、封口蓋182は、矩形板状であり、電池ケース本体181の開口を閉塞して、この電池ケース本体181に溶接されている。この封口蓋182には、注液孔(図示なし)が設けられている。
扁平捲回型電極体110は、帯状をなす1枚の正極シート130と帯状をなす1枚の負極シート120とが、正極シート130と負極シート120との間に帯状をなすセパレータ150が介在するようにして、扁平形状に捲回された電極体である(図2参照)。詳細には、長手方向DAに延びる帯状の正極シート130、負極シート120、及びセパレータ150を、長手方向DAに捲回して、扁平捲回型電極体110を形成している(図2〜図4参照)。
正極シート130は、図4に示すように、長手方向DAに延びる帯状で、アルミニウム箔からなる正極集電箔138と、この正極集電箔138の両面に、それぞれ長手方向DAに延びる帯状に配置された2つの正極合材層131,131とを有している。正極合材層131は、正極活物質137と導電材とバインダーとを含んでいる。
正極シート130のうち、正極合材層131が塗工されている部位を、正極合材層塗工部130bという。一方、正極合材層131を有することなく、正極集電箔138のみからなる部位を、正極合材層未塗工部130cという。正極合材層未塗工部130cは、正極シート130の一方長辺に沿って、正極シート130の長手方向DAに帯状に延びている。
正極合材層未塗工部130cは、扁平捲回型電極体110の幅方向DBの一方端部(図1及び図2において左端部)において、扁平形状に捲回されている。この正極合材層未塗工部130cは、矩形状をなす複数の正極集電箔部130c1と、弧状をなす複数の上側弧状部130c2と、弧状をなす複数の下側弧状部130c3とにより構成されている(図2、図5参照)。矩形状をなす複数の正極集電箔部130c1は、扁平捲回型電極体110の厚み方向(積層方向DC)に並んで、正極集電箔積層部130dを構成している。
従って、扁平捲回型電極体110は、正極シート130の幅方向DBの一方端部(扁平捲回型電極体110の幅方向DBの一方端部に一致、図1及び図2において左端部)に、正極集電箔138の一部である矩形状をなす正極集電箔部130c1(正極シート130のうち正極合材層131が塗工されていない部位)が、複数、積層方向DC(扁平捲回型電極体110の厚み方向に一致)に積層された正極集電箔積層部130dを有している。
また、負極シート120は、図3に示すように、長手方向DAに延びる帯状で、銅箔からなる負極集電箔128と、この負極集電箔128の両面に、それぞれ長手方向DAに延びる帯状に配置された2つの負極合材層121,121とを有している。負極合材層121は、負極活物質127とバインダーとを含んでいる。
負極シート120のうち、負極合材層121が塗工されている部位を、負極合材層塗工部120bという。一方、負極合材層121を有することなく、負極集電箔128のみからなる部位を、負極合材層未塗工部120cという。負極合材層未塗工部120cは、負極シート120の一方長辺に沿って、負極シート120の長手方向DAに帯状に延びている。
負極合材層未塗工部120cは、扁平捲回型電極体110の幅方向DBの他方端部(図1及び図2において右端部)において、扁平形状に捲回されている。この負極合材層未塗工部120cは、矩形状をなす複数の負極集電箔部120c1と、弧状をなす複数の上側弧状部120c2と、弧状をなす複数の下側弧状部120c3とにより構成されている(図2、図5参照)。矩形状をなす複数の負極集電箔部120c1は、扁平捲回型電極体110の厚み方向(積層方向DC)に並んで、負極集電箔積層部120dを構成している。
従って、扁平捲回型電極体110は、負極シート120の幅方向DBの他方端部(扁平捲回型電極体110の幅方向DBの他方端部に一致、図1及び図2において右端部)に、負極集電箔128の一部である矩形状をなす負極集電箔部120c1(負極シート120のうち負極合材層121が塗工されていない部位)が、複数、積層方向DC(扁平捲回型電極体110の厚み方向に一致)に積層された負極集電箔積層部120dを有している。
また、扁平捲回型電極体110の正極シート130(具体的には、正極集電箔積層部130d)には、正極集電端子部材170が溶接されている(図1参照)。正極集電端子部材170は、図6〜図8に示すように、略U字平板形状をなす集電接続部171と、この集電接続部171の一端部(図6及び図8において上端部)を折り曲げた矩形平板形状の外部端子接続部177と、を有する集電本体部170Aを備える。集電接続部171は、積層方向DCについて正極集電箔積層部130dの一方端側(図6及び図7において左端側)に位置する(正極集電箔積層部130dの一方端側の外面に接触する)第1集電部171b及び他方端側(図6及び図7において右端側)に位置する(正極集電箔積層部130dの他方端側の外面に接触する)第2集電部171cとを有する。正極集電端子部材170は、さらに、集電接続部171の第1集電部171bと第2集電部171cとの間に、略平板形状の中間集電部172を有する。
この正極集電端子部材170は、正極集電箔積層部130dを構成する正極集電箔部130c1を積層方向DCに挟んで保持する2つの挟持部(第1挟持部173と第2挟持部174)を有する。具体的には、図9に示すように、正極集電箔積層部130dは、積層方向DCについて中心位置(扁平捲回型電極体110の中心軸AX)よりも一方側(図9において左側)に位置する第1正極集電箔積層部130d1と、積層方向DCについて中心位置よりも他方側(図9において右側)に位置する第2正極集電箔積層部130d2とに区分(二分割)される。なお、図9は、図7(図6のE−E断面図)に示す部箇所と同じ箇所について、レーザー溶接を行う前(溶接部Wが形成される前)の状態を示す図である。
第1正極集電箔積層部130d1は、第1挟持部173によって積層方向DCに挟まれて保持される。また、第2正極集電箔積層部130d2は、第2挟持部174によって積層方向DCに挟まれて保持される。図9に示すように、第1挟持部173は、第1集電部171bのうち第1正極集電箔積層部130d1に対し積層方向DCの一方側(図9において左側)に隣接する部位(第1隣接部171b1)と、中間集電部172のうち第1正極集電箔積層部130d1に対し積層方向DCの他方側(図9において右側)に隣接する部位(第1中間隣接部172b)とにより構成される。
さらに、第2挟持部174は、第2集電部171cのうち第2正極集電箔積層部130d2に対し積層方向DCの他方側(図9において右側)に隣接する部位(第2隣接部171c2)と、中間集電部172のうち第1正極集電箔積層部130d1に対し積層方向DCの一方側(図9において左側)に隣接する部位(第2中間隣接部172c)とにより構成される。
図7に示すように、正極集電端子部材170の第1挟持部173と第1正極集電箔積層部130d1とは、溶接部Wを形成して接合している。具体的には、正極集電端子部材170の第1挟持部173と第1正極集電箔積層部130d1とは、レーザー溶接により接合されている。また、正極集電端子部材170の第2挟持部174と第2正極集電箔積層部130d2とは、溶接部Wを形成して接合している。具体的には、正極集電端子部材170の第2挟持部174と第2正極集電箔積層部130d2とは、レーザー溶接により接合されている。
さらに、正極集電端子部材170の外部端子接続部177の上面には、正極外部端子175が溶接されている(図1参照)。正極外部端子175は、封口蓋182を貫通して外部に突出している。なお、正極外部端子175と封口蓋182との間には、電気絶縁性の樹脂からなる絶縁部材141を介在させている。
また、扁平捲回型電極体110の負極シート120(具体的には、負極集電箔積層部120d)には、負極集電端子部材190が溶接されている(図1参照)。負極集電端子部材190は、図6〜図8に示すように、略U字平板形状をなす集電接続部191と、この集電接続部191の一端部(図6及び図8において上端部)を折り曲げた矩形平板形状の外部端子接続部197と、を有する集電本体部190Aを備える。集電接続部191は、積層方向DCについて負極集電箔積層部120dの一方端側(図6において左端側)に位置する(負極集電箔積層部120dの一方端側の外面に接触する)第1集電部191b及び他方端側(図6において右端側)に位置する(負極集電箔積層部120dの他方端側の外面に接触する)第2集電部191cとを有する。負極集電端子部材190は、さらに、集電接続部191の第1集電部191bと第2集電部191cとの間に、略平板形状の中間集電部192を有する。
この負極集電端子部材190は、負極集電箔積層部120dを構成する負極集電箔部120c1を積層方向DCに挟んで保持する2つの挟持部(第1挟持部193と第2挟持部194)を有する。具体的には、図9に示すように、負極集電箔積層部120dは、積層方向DCについて中心位置(扁平捲回型電極体110の中心軸AX)よりも一方側(図9において左側)に位置する第1負極集電箔積層部120d1と、積層方向DCについて中心位置よりも他方側(図9において右側)に位置する第2負極集電箔積層部120d2とに区分(二分割)される。
第1負極集電箔積層部120d1は、第1挟持部193によって積層方向DCに挟まれて保持される。また、第2負極集電箔積層部120d2は、第2挟持部194によって積層方向DCに挟まれて保持される。図9に示すように、第1挟持部193は、第1集電部191bのうち第1負極集電箔積層部120d1に対し積層方向DCの一方側(図9において左側)に隣接する部位(第1隣接部191b1)と、中間集電部192のうち第1負極集電箔積層部120d1に対し積層方向DCの他方側(図9において右側)に隣接する部位(第1中間隣接部192b)とにより構成される。
さらに、第2挟持部194は、第2集電部191cのうち第2負極集電箔積層部120d2に対し積層方向DCの他方側(図9において右側)に隣接する部位(第2隣接部191c2)と、中間集電部192のうち第1負極集電箔積層部120d1に対し積層方向DCの一方側(図9において左側)に隣接する部位(第2中間隣接部192c)とにより構成される。
図7に示すように、負極集電端子部材190の第1挟持部193と第1負極集電箔積層部120d1とは、溶接部Wを形成して接合している。具体的には、負極集電端子部材190の第1挟持部193と第1負極集電箔積層部120d1とは、レーザー溶接により接合されている。また、負極集電端子部材190の第2挟持部194と第2負極集電箔積層部120d2とは、溶接部Wを形成して接合している。具体的には、負極集電端子部材190の第2挟持部194と第2負極集電箔積層部120d2とは、レーザー溶接により接合されている。
さらに、負極集電端子部材190の外部端子接続部197の上面には、負極外部端子195が溶接されている(図1参照)。負極外部端子195は、封口蓋182を貫通して外部に突出している。なお、負極外部端子195と封口蓋182との間には、電気絶縁性の樹脂からなる絶縁部材141を介在させている。
次に、実施例にかかる二次電池100の製造方法について説明する。
まず、電極体形成工程において、正極シート130、負極シート120、及びセパレータ150を捲回して、扁平捲回型電極体110を形成する(図2参照)。
次いで、第1挟持工程において、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173と第2挟持部174)によって、正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2)を構成する正極集電箔部130c1を、積層方向DCに挟んで保持する。
具体的には、まず、正極集電端子部材170を構成する集電本体部170Aと中間集電部172とを用意する。次いで、図9に示すように、扁平捲回型電極体110の正極集電箔積層部130dについて、積層方向DCについて中心位置(扁平捲回型電極体110の中心軸AX)よりも一方側(図9において左側)に位置する第1正極集電箔積層部130d1を、その積層方向DCの中心側に集めて重ね合わせる(集箔する)。さらに、正極集電箔積層部130dのうち、積層方向DCについて中心位置よりも他方側(図9において右側)に位置する第2正極集電箔積層部130d2を、その積層方向DCの中心側に集めて重ね合わせる(集箔する)。
次いで、集箔した第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2との間に、中間集電部172を配置する。さらに、集電本体部170Aの集電接続部171によって、集箔した第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2、及び、これらの間に配置した中間集電部172を挟むようにして、集電本体部170Aを配置する。具体的には、集電接続部171の第1集電部171bが、積層方向DCについて第1正極集電箔積層部130d1の一方端側(図9において左端側)に位置し(正極集電箔積層部130dの一方端側の外面に接触し)、且つ、第2集電部171cが、積層方向DCについて第2正極集電箔積層部130d2の他方端側(図9において右端側)に位置する(正極集電箔積層部130dの他方端側の外面に接触する)ように、集電本体部170Aを配置する。
この状態で、集電接続部171の第1集電部171bを積層方向DCの他方側(図9において右側)に押圧すると共に、第2集電部171cを積層方向DCの一方側(図9において左側)に押圧することで、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173と第2挟持部174)によって、正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2)を挟持する。
これにより、第1正極集電箔積層部130d1は、第1挟持部173によって積層方向DCに挟まれて保持される。このとき、第1正極集電箔積層部130d1を構成する複数の正極集電箔部130c1(第1挟持部173によって挟持された部位)は、それぞれ、積層方向DCに隣り合う正極集電箔部130c1と積層方向DCに隙間無く接触する。また、第2正極集電箔積層部130d2は、第2挟持部174によって積層方向DCに挟まれて保持される。このとき、第2正極集電箔積層部130d2を構成する複数の正極集電箔部130c1(第2挟持部174によって挟持された部位)は、それぞれ、積層方向DCに隣り合う正極集電箔部130c1と積層方向DCに隙間無く接触する。
なお、本実施例では、上述のように、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173と第2挟持部174)によって、正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2)を挟持したとき、第1正極集電箔積層部130d1を構成する複数の正極集電箔部130c1のうち一部の正極集電箔部130c1(積層方向DCについて外側に位置する正極集電箔部130c1)について、その先端部が第1挟持部173から外部(レーザー光LBが照射される側、図9〜図11において上方)に突出しない状態(第1挟持部173の厚み方向全体にわたって存在しない状態)となる。
同様に、第2正極集電箔積層部130d2を構成する複数の正極集電箔部130c1のうち一部の正極集電箔部130c1(積層方向DCについて外側に位置する正極集電箔部130c1)についても、その先端部が第2挟持部174から外部(レーザー光LBが照射される側、図9〜図11において上方)に突出しない状態(第2挟持部174の厚み方向全体にわたって存在しない状態)となる。
その理由は、本実施例では、正極シート130の正極合材層未塗工部130c(正極集電箔積層部130d)の幅寸法(幅方向DBにかかる寸法)を短くして、正極合材層塗工部130bの幅寸法を大きくしているからである。より具体的には、前述のように正極集電箔積層部130dを集箔すると、集箔中心から積層方向DCについて外側に離れて位置する正極集電箔部130c1ほど、集箔されて重なり合う部分の長さは短くなるが、本実施例では、集箔中心から積層方向DCについて外側に離れて位置する正極集電箔部130c1の長さを、挟持部(第1挟持部173と第2挟持部174)によって挟持するのに必要最小限の長さとして、当該正極集電箔部130c1の先端部が挟持部(第1挟持部173または第2挟持部174)から外部(図9、図11において上方)に突出しないのを許容しているからである。本実施例では、正極合材層未塗工部130cの幅寸法を小さくした分、正極合材層塗工部130bの幅寸法を大きくして、電池容量を大きくしている。
次に、第1レーザー溶接工程に進み、上述のように、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173と第2挟持部174)によって、正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2)を挟持した状態のままで、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173と第2挟持部174)と正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2)を構成する正極集電箔部130c1とを、レーザー溶接により接合する。
具体的には、本実施例の第1レーザー溶接工程では、図10及び図11に示すように、レーザー光LBを、積層方向DCに直交する方向(垂直方向)に照射することなく、積層方向DCについて第1正極集電箔積層部130d1の両外側から、第1挟持部173に対し、斜め方向に照射する。さらに、レーザー光LBを、積層方向DCに直交する方向(垂直方向)に照射することなく、積層方向DCについて第2正極集電箔積層部130d2の両外側から、第2挟持部174に対し、斜め方向に照射する。
これにより、本実施例の第1レーザー溶接工程では、正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2)を構成する正極集電箔部130c1に対し、レーザー光LBを直接に照射することなく、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173と第2挟持部174)に対し、レーザー光LBを直接に照射して、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173と第2挟持部174)と正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2)を構成する正極集電箔部130c1とを溶接する。このようにすることで、レーザー光LBが、熱容量の小さい正極集電箔138の端部に対し直接に照射されるのを防止することができるので、レーザー溶接時にスパッタが発生するのを抑制することができる。
なお、本実施例の第1レーザー溶接工程では、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173または第2挟持部174)によって挟持されている正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1または第2正極集電箔積層部130d2)は、レーザー光LBの照射により溶融した挟持部(第1挟持部173または第2挟持部174)の熱によって溶融する、あるいは、溶融した挟持部(第1挟持部173または第2挟持部174)を通過(透過)したレーザー光LBの照射により溶融することで、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173または第2挟持部174)に接合する。
これに対し、第1レーザー溶接工程では、前述のように、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173または第2挟持部174)によって挟持されている複数の正極集電箔部130c1は、それぞれ、積層方向DCに隣り合う正極集電箔部130c1と積層方向DCに隙間無く接触している。このため、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173または第2挟持部174)によって挟持されている複数の正極集電箔部130c1は、実質的に一体となることで、熱容量が大きくなっている。従って、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173または第2挟持部174)によって挟持されている複数の正極集電箔部130c1が溶融するときでも、スパッタの発生を抑制することができる。
本実施例の第1レーザー溶接工程を行うことで、図7に示すように、正極集電端子部材170の第1挟持部173と第1正極集電箔積層部130d1とが、溶接部Wを形成して接合される。また、正極集電端子部材170の第2挟持部174と第2正極集電箔積層部130d2とが、溶接部Wを形成して接合される。
なお、前述のように、本実施例では、第1正極集電箔積層部130d1を構成する複数の正極集電箔部130c1のうち一部の正極集電箔部130c1(積層方向DCについて外側に位置する正極集電箔部130c1)について、その先端部が第1挟持部173から外部(レーザー光LBが照射される側、図9〜図11において上方)に突出していない状態で、第1挟持部173と第1正極集電箔積層部130d1とをレーザー溶接している。さらに、第2正極集電箔積層部130d2を構成する複数の正極集電箔部130c1のうち一部の正極集電箔部130c1(積層方向DCについて外側に位置する正極集電箔部130c1)について、その先端部が第2挟持部174から外部(レーザー光LBが照射される側、図9〜図11において上方)に突出していない状態で、正極集電端子部材170の第2挟持部174と第2正極集電箔積層部130d2とをレーザー溶接している。
しかしながら、本実施例では、前述のように、正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2)を構成する正極集電箔部130c1に対し、レーザー光LBを直接に照射することなく、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173と第2挟持部174)に対し、レーザー光LBを直接に照射して、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173と第2挟持部174)と正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2)を構成する正極集電箔部130c1とを溶接する方法としているので、正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2)を構成する全ての正極集電箔部130c1を、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173と第2挟持部174)に接合することができる。
すなわち、本実施例の第1レーザー溶接工程によれば、正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1または第2正極集電箔積層部130d2)を構成する複数の正極集電箔部130c1のうちの一部の正極集電箔部130c1の先端部が、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173または第2挟持部174)から外部(レーザー光LBが照射される)に突出しないように、正極シート130の正極合材層未塗工部130c(正極集電箔積層部130d)の幅寸法(幅方向DBにかかる寸法)を短くしても、正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2)を構成する正極集電箔部130c1と正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173と第2挟持部174)とを適切に接合することができる。このことは、後述する第2レーザー溶接工程においても同様である。
次に、第2挟持工程に進み、負極集電端子部材190の挟持部(第1挟持部193と第2挟持部194)によって、負極集電箔積層部120d(第1負極集電箔積層部120d1と第2負極集電箔積層部120d2)を構成する負極集電箔部120c1を、積層方向DCに挟んで保持する(図9参照)。具体的な工程内容は、前述した第1挟持工程と同様であるため、説明を省略する。
次に、第2レーザー溶接工程に進み、負極集電端子部材190の挟持部(第1挟持部193と第2挟持部194)によって、負極集電箔積層部120d(第1負極集電箔積層部120d1と第2負極集電箔積層部120d2)を挟持した状態のままで、負極集電端子部材190の挟持部(第1挟持部193と第2挟持部194)と負極集電箔積層部120d(第1負極集電箔積層部120d1と第2負極集電箔積層部120d2)を構成する負極集電箔部120c1とを、レーザー溶接により接合する(図10及び図11)。具体的な工程内容は、前述した第1レーザー溶接工程と同様であるため、説明を省略する。
なお、第2レーザー溶接工程でも、図10及び図11に示すように、負極集電箔積層部120d(第1負極集電箔積層部120d1と第2負極集電箔積層部120d2)を構成する負極集電箔部120c1に対し、レーザー光LBを直接に照射することなく、負極集電端子部材190の挟持部(第1挟持部193と第2挟持部194)に対し、レーザー光LBを直接に照射して、負極集電端子部材190の挟持部(第1挟持部193と第2挟持部194)と負極集電箔積層部120d(第1負極集電箔積層部120d1と第2負極集電箔積層部120d2)を構成する負極集電箔部120c1とを溶接する。このようにすることで、レーザー光LBが、熱容量の小さい負極集電箔128の端部に対し直接に照射されるのを防止することができるので、レーザー溶接時にスパッタが発生するのを抑制することができる。
また、第2レーザー溶接工程でも、負極集電端子部材190の挟持部(第1挟持部193と第2挟持部194)によって挟持されている負極集電箔積層部120d(第1負極集電箔積層部120d1と第2負極集電箔積層部120d2)は、レーザー光LBの照射により溶融した挟持部(第1挟持部193または第2挟持部194)の熱によって溶融する、あるいは、溶融した挟持部(第1挟持部193または第2挟持部194)を通過(透過)したレーザー光LBの照射により溶融することで、負極集電端子部材190の挟持部(第1挟持部193と第2挟持部194)に接合する。
これに対し、第2レーザー溶接工程でも、負極集電端子部材190の挟持部(第1挟持部193と第2挟持部194)によって挟持されている負極集電箔部120c1は、それぞれ、積層方向DCに隣り合う負極集電箔部120c1と積層方向DCに隙間無く接触している。このため、負極集電端子部材190の挟持部(第1挟持部193と第2挟持部194)によって挟持されている複数の負極集電箔部120c1は、実質的に一体となることで、熱容量が大きくなっている。従って、負極集電端子部材190の挟持部(第1挟持部193と第2挟持部194)によって挟持されている複数の負極集電箔部120c1が溶融するときでも、スパッタの発生を抑制することができる。
また、本実施例の製造方法では、正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2)を構成する正極集電箔部130c1と正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173と第2挟持部174)とが適切に溶接されたか否かを、容易に確認することができる。具体的には、正極集電端子部材170の第1挟持部173と第1正極集電箔積層部130d1との溶接部W、及び、正極集電端子部材170の第2挟持部174と第2正極集電箔積層部130d2との溶接部Wは、正極集電端子部材170を溶接した扁平捲回型電極体110の外側(図7において上方)から目視で確認することができる。このことは、負極側においても同様である。
以上のようにして、扁平捲回型電極体110に正極集電端子部材170及び負極集電端子部材190が溶接された、集電端子付き電極体140が完成する(図8参照)。
その後、正極集電端子部材170の外部端子接続部177の上面に、正極外部端子175を溶接する。さらに、負極集電端子部材190の外部端子接続部197の上面に、負極外部端子195を溶接する。
次いで、正極外部端子175と封口蓋182の貫通孔との間に絶縁部材141を介在させると共に、負極外部端子195と封口蓋182の貫通孔との間に絶縁部材141を介在させるようにして、集電端子付き電極体140に封口蓋182を組み付ける。
その後、集電端子付き電極体140を電池ケース本体181内に挿入すると共に、封口蓋182で電池ケース本体181の開口を閉塞する。その後、封口蓋182で電池ケース本体181の開口を閉塞した状態で、封口蓋182と電池ケース本体181とを溶接する。次いで、図示しない注液孔を通じて、電池ケース本体181内に非水電解液を注入し、その後、所定の処理を行うことで、本実施例の二次電池100が完成する。
(比較例1)
比較例1では、従来の製造方法(特開2000−133241号公報に開示されている方法)によって、二次電池を製造した。具体的には、図12に示すような態様で、レーザー溶接工程を行い、扁平捲回型電極体110の正極集電箔積層部130dに正極集電端子部材370を溶接し、負極集電箔積層部120dに負極集電端子部材390を溶接した。なお、本比較例1では、電極体として、実施例と同等の扁平捲回型電極体110を用いている。
一方、本比較例1では、実施例とは異なる正極集電端子部材370及び負極集電端子部材390を用いている。正極集電端子部材370は、図12に示すように、側面視U字形状をなす2つの集電部と、両者の間に位置する中間集電部とを有する。この正極集電端子部材370は、扁平捲回型電極体110の第1正極集電箔積層部130d1を挟んで保持する第1挟持部373と、第2正極集電箔積層部130d2を挟んで保持する第2挟持部374とを有する。なお、第1挟持部373及び第2挟持部374には、挟んで保持した第1正極集電箔積層部130d1及び第2正極集電箔積層部130d2を構成する正極集電箔部130c1の先端側が突出(露出)する窓部373b及び374b(開口)が形成されている。
比較例1では、まず、挟持工程において、正極集電端子部材370の第1挟持部373の間隙に第1正極集電箔積層部130d1を挿入すると共に、第2挟持部374の間隙に第2正極集電箔積層部130d2を挿入する。そして、第1挟持部373及び第2挟持部374に対し積層方向DCに圧縮力を加えることで、第1挟持部373によって第1正極集電箔積層部130d1を挟持すると共に、第2挟持部374によって第2正極集電箔積層部130d2を挟持する。
次いで、レーザー溶接工程に進み、正極集電端子部材370の挟持部(第1挟持部373と第2挟持部374)によって、正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2)を挟持した状態のままで、正極集電端子部材370の挟持部(第1挟持部373と第2挟持部374)と正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2)を構成する正極集電箔部130c1とを、レーザー溶接により接合する。具体的には、正極集電箔積層部130dのうち第1挟持部373及び第2挟持部374の窓部373b及び374bから突出する部位(先端部)と、第1挟持部373及び第2挟持部374部のうち窓部373b及び374bの周縁部とに対し、レーザー光LBを直接に照射して、これらを溶接した(図12参照)。
ところが、この比較例1では、上述のようにしてレーザー溶接を行ったとき、スパッタSPが発生した。具体的には、正極集電箔部130c1のうち第1挟持部373及び第2挟持部374の窓部373b及び374bから突出する部位(先端部)は、熱容量が小さいため、レーザー光LBを直接に照射したことで、当該部位の溶融金属がスパッタSPとなって周囲に飛散した。また、負極側の溶接についても、上述した正極側の溶接方法と同様に行ったところ、正極側と同様にスパッタSPが発生した。
(比較例2)
比較例2では、他の従来の製造方法(特開2007−149353号公報に開示されている製造方法)によって、二次電池を製造した。具体的には、図13に示すような態様で、レーザー溶接工程を行い、扁平捲回型電極体110の正極集電箔積層部130dに正極集電端子部材470を溶接し、負極集電箔積層部120dに負極集電端子部材490を溶接した。なお、比較例2でも、電極体として、実施例と同等の扁平捲回型電極体110を用いている。
一方、比較例2では、実施例とは異なる正極集電端子部材470及び負極集電端子部材490を用いている。正極集電端子部材470は、図13に示すように、側面視U字形状をなす2つの集電部と、両者の間に位置する中間集電部とを有する。この正極集電端子部材470は、扁平捲回型電極体110の第1正極集電箔積層部130d1を挟んで保持する第1挟持部473と、第2正極集電箔積層部130d2を挟んで保持する第2挟持部474とを有する。なお、第1挟持部473及び第2挟持部474には、挟んで保持した第1正極集電箔積層部130d1及び第2正極集電箔積層部130d2を構成する正極集電箔部130c1の先端部の側面が露出する(外部から視認できる)スリットSLが形成されている。
比較例2では、まず、正極集電端子部材470の第1挟持部473の間隙に第1正極集電箔積層部130d1を挿入すると共に、第2挟持部474の間隙に第2正極集電箔積層部130d2を挿入する。次いで、レーザー溶接工程に進み、正極集電端子部材470の挟持部(第1挟持部473と第2挟持部474)と正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2)を構成する正極集電箔部130c1とを、レーザー溶接により接合する。
具体的には、図13に示すように、第1挟持部473のスリットSLを通じて、第1挟持部473の外側から第1正極集電箔積層部130d1に対し、積層方向DCの他方側(図13において右方向)にレーザー光LBを照射して、第1正極集電箔積層部130d1と第1挟持部473とを溶接した。さらに、第2挟持部474のスリットSLを通じて、第2挟持部474の外側から第2正極集電箔積層部130d2に対し、積層方向DCの一方側(図13において左方向)にレーザー光LBを照射して、第2正極集電箔積層部130d2と第2挟持部474とを溶接した。
ところが、比較例2でも、上述のようにしてレーザー溶接を行ったとき、スパッタが発生した。具体的には、正極集電箔部130c1のうち第1挟持部473及び第2挟持部474のスリットSLから露出する部位(先端部)は、熱容量が小さいため、レーザー光LBを直接に照射したことで、当該部位の溶融金属がスパッタとなって周囲に飛散した。また、負極側の溶接についても、上述した正極側の溶接方法と同様に行ったところ、正極側と同様にスパッタが発生した。また、負極側の溶接についても、上述した正極側の溶接方法と同様に行ったところ、正極側と同様にスパッタが発生した。
しかも、比較例2では、正極集電箔積層部130dを構成する複数の正極集電箔部130c1のうちの一部の正極集電箔部130c1を、正極集電端子部材470の挟持部(第1挟持部473または第2挟持部474)に溶接することができなかった。具体的には、第1正極集電箔積層部130d1を構成する複数の正極集電箔部130c1のうち、積層方向DCについて外側(図13において左右端)に位置する正極集電箔部130c1には、レーザー光LBを照射することができないため、当該正極集電箔部130c1を第1挟持部473に溶接することができなかった。また、第2正極集電箔積層部130d2を構成する複数の正極集電箔部130c1のうち、積層方向DCについて外側(図13において左右端)に位置する正極集電箔部130c1にも、レーザー光LBを照射することができないため、当該正極集電箔部130c1を第2挟持部474に溶接することができなかった。この溶接不良は、負極側においても同様に発生した。
このような溶接不良が生じた理由は、扁平捲回型電極体110における正極合材層未塗工部130c(正極集電箔積層部130d)の幅寸法(幅方向DBにかかる寸法)が短いためである。このために、第1正極集電箔積層部130d1を構成する複数の正極集電箔部130c1のうち、積層方向DCについて外側(図13において左右端)に位置する正極集電箔部130c1は、レーザー光LBが通過するスリットSLから露出させることができず(スリットSLまで届かず)、レーザー光LBを照射することができなかった。第2正極集電箔積層部130d2を構成する複数の正極集電箔部130c1のうち、積層方向DCについて外側(図13において左右端)に位置する正極集電箔部130c1についても同様であった。このことは、負極側においても同様である。
なお、この比較例2において、このような溶接不良を解消すべく、正極集電箔積層部130dを構成する複数の正極集電箔部130c1の全てを、正極集電端子部材470の挟持部(第1挟持部473または第2挟持部474)に溶接するためには、扁平捲回型電極体における正極合材層未塗工部(正極集電箔積層部)の幅寸法を、実施例の幅寸法の1.3倍にする必要があった。すなわち、比較例2では、正極集電箔積層部130dを構成する複数の正極集電箔部130c1の全てを、正極集電端子部材470の挟持部(第1挟持部473または第2挟持部474)に溶接するためには、実施例の扁平捲回型電極体110に比べて、正極合材層塗工部の幅寸法を小さくして、正極合材層未塗工部(正極集電箔積層部)の幅寸法を大きくする必要があった。このことは、負極側においても同様である。従って、比較例2において溶接不良を解消するためには、実施例の二次電池よりも電池容量を低減する必要があった。
(比較例3)
比較例3では、他の従来の製造方法(特開2012−69268号公報に開示されている製造方法)によって、二次電池を製造した。具体的には、図14に示すような態様で、超音波溶接工程を行い、扁平捲回型電極体110の正極集電箔積層部130dに正極集電端子部材570を溶接し、負極集電箔積層部120dに負極集電端子部材590を溶接した。なお、比較例3でも、電極体として、実施例と同等の扁平捲回型電極体110を用いている。
一方、比較例3では、実施例とは異なる正極集電端子部材570及び負極集電端子部材590を用いている。正極集電端子部材570は、図14に示すように、断面U字形状をなす第1クリップ集電部572bと、これに接続する第1集電接続部571bと、断面U字形状をなす第2クリップ集電部572cと、これに接続する第2集電接続部571cとを有する。この正極集電端子部材570では、第1クリップ集電部572bが、第1正極集電箔積層部130d1を挟んで保持する第1挟持部に相当し、第2クリップ集電部572cが、第2正極集電箔積層部130d2を挟んで保持する第2挟持部に相当する。
比較例3では、まず、正極集電端子部材570の第1クリップ集電部572bの間隙に第1正極集電箔積層部130d1を挿入すると共に、第2クリップ集電部572cの間隙に第2正極集電箔積層部130d2を挿入する。次いで、超音波溶接工程に進み、第1集電接続部571bと第1クリップ集電部572bと第1クリップ集電部572bの間隙に配置されている第1正極集電箔積層部130d1とを、超音波接合した。さらに、第2集電接続部571cと第2クリップ集電部572cと第2クリップ集電部572cの間隙に配置されている第2正極集電箔積層部130d2とを、超音波接合した。
具体的には、図14に示すように、第1集電接続部571bを第1クリップ集電部572bの側面に接触させた状態で、超音波ホーン10と超音波アンビル20とにより、第1集電接続部571bと第1クリップ集電部572bと第1クリップ集電部572bの間隙に配置されている第1正極集電箔積層部130d1に対し、積層方向DCに圧縮力を加える。この状態で、超音波ホーン10を超音波振動させることで、第1集電接続部571bと第1クリップ集電部572bと第1クリップ集電部572bの間隙に配置されている第1正極集電箔積層部130d1とを接合した。第2集電接続部571cと第2クリップ集電部572cと第2クリップ集電部572cの間隙に配置されている第2正極集電箔積層部130d2とについても、同様にして接合した。
ところが、比較例3では、正極集電箔積層部130dを構成する複数の正極集電箔部130c1のうちの一部の正極集電箔部130c1を、正極集電端子部材570に接合することができなかった。この接合不良は、負極側においても同様に発生した。このような接合不良が生じた理由は、実施例の扁平捲回型電極体110における正極合材層未塗工部130c(正極集電箔積層部130d)の幅寸法(幅方向DBにかかる寸法)が短いためである。このことは、負極側においても同様である。
なお、この比較例3において、このような接合不良を解消すべく、正極集電箔積層部130dを構成する複数の正極集電箔部130c1の全てを、正極集電端子部材570に溶接するためには、扁平捲回型電極体における正極合材層未塗工部(正極集電箔積層部)の幅寸法を、実施例の幅寸法の1.5倍にする必要があった。すなわち、比較例3では、正極集電箔積層部130dを構成する複数の正極集電箔部130c1の全てを、正極集電端子部材570に接合するためには、実施例の扁平捲回型電極体に比べて、正極合材層未塗工部(正極集電箔積層部)の幅寸法を大きくする必要があった。このことは、負極側においても同様である。従って、比較例3において接合不良を解消するためには、実施例の二次電池よりも電池容量を低減する必要があった。
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例では、電極体として、扁平捲回型電極体110を用いたが、積層型電極体を用いても良い。なお、積層型電極体とは、複数枚の正極シートと複数枚の負極シートとが、正極シートと負極シートとの間にセパレータが介在するようにして、積層方向に積層された電極体をいう。
また、実施例では、レーザー光LBを、積層方向DCに直交する方向(垂直方向)に照射することなく、積層方向DCについて第1正極集電箔積層部130d1の両外側から、第1挟持部173に対し、斜め方向に照射するようにした。さらに、レーザー光LBを、積層方向DCに直交する方向(垂直方向)に照射することなく、積層方向DCについて第2正極集電箔積層部130d2の両外側から、第2挟持部174に対し、斜め方向に照射するようにした。
しかしながら、レーザー光LBの照射態様は、上述のような態様に限定されない。本発明は、正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2)を構成する正極集電箔部130c1に対し、レーザー光LBを直接に照射することなく、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173と第2挟持部174)に対し、レーザー光LBを直接に照射して、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173と第2挟持部174)と正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2)を構成する正極集電箔部130c1とを溶接する方法であれば、いずれの態様であっても良い。
例えば、レーザー光LBを、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173と第2挟持部174)に対し、積層方向DCに直交する方向(垂直方向)に照射するようにしても良い。詳細には、正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1と第2正極集電箔積層部130d2)を構成する正極集電箔部130c1に対し、レーザー光LBを照射することなく、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173と第2挟持部174)のみにレーザー光LBを照射する。正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173または第2挟持部174)によって挟持されている正極集電箔積層部130d(第1正極集電箔積層部130d1または第2正極集電箔積層部130d2)は、レーザー光LBの照射により溶融した挟持部(第1挟持部173または第2挟持部174)の熱によって溶融させる。このようにして、正極集電端子部材170の挟持部(第1挟持部173または第2挟持部174)に正極集電箔積層部130dを接合するようにしても良い。
100 二次電池
110 扁平捲回型電極体
120 負極シート(電極シート)
120c 負極合材層未塗工部
120c1 負極集電箔部
120d 負極集電箔積層部
120d1 第1負極集電箔積層部
120d2 第2負極集電箔積層部
121 負極合材層(電極合材層)
128 負極集電箔
130 正極シート(電極シート)
130c 正極合材層未塗工部
130c1 正極集電箔部
130d 正極集電箔積層部
130d1 第1正極集電箔積層部
130d2 第2正極集電箔積層部
131 正極合材層(電極合材層)
138 正極集電箔
140 集電端子付き電極体
150 セパレータ
170 正極集電端子部材
170A,190A 集電本体部
171,191 集電接続部
171b,191b 第1集電部
171c,191c 第2集電部
177,197 外部端子接続部
172,192 中間集電部
173,193 第1挟持部
174,194 第2挟持部
180 電池ケース
190 負極集電端子部材
DB 幅方向
DC 積層方向
LB レーザー光
W 溶接部

Claims (1)

  1. 集電箔及び電極合材層を有する電極シートを含む電極体と、
    前記電極体に接合された集電端子部材と、を備え、
    前記電極体は、前記電極シートの幅方向一方端部に位置し、前記電極シートのうち前記集電箔の表面に前記電極合材層が塗工されていない集電箔部が積層方向に積層された集電箔積層部、を有し、
    前記集電端子部材は、前記集電箔積層部に接合されている
    二次電池の製造方法であって、
    前記集電端子部材は、前記集電箔積層部を構成する前記集電箔部を前記積層方向に挟んで保持する挟持部を有し、
    前記製造方法は、
    前記集電端子部材の前記挟持部により、前記集電箔積層部を構成する前記集電箔部を前記積層方向に挟んで保持する挟持工程と、
    前記集電端子部材の前記挟持部により前記集電箔積層部を構成する前記集電箔部が挟持された状態で、前記集電端子部材の前記挟持部と前記集電箔積層部を構成する前記集電箔部とをレーザー溶接により接合するレーザー溶接工程と、を備え、
    前記レーザー溶接工程は、
    前記集電箔積層部を構成する前記集電箔部に対し、レーザー光を直接に照射することなく、前記集電端子部材の前記挟持部に対し、レーザー光を直接に照射して、前記集電端子部材の前記挟持部と前記集電箔積層部を構成する前記集電箔部とを溶接する
    二次電池の製造方法。
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