JP2017191372A - 車線逸脱警告装置および車線逸脱警告方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】不必要に車線逸脱の警告を行うことを抑制することができる車線逸脱警告装置および車線逸脱警告方法を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る車線逸脱警告装置は、逸脱検知部と、変動量監視部と、警告部とを備える。逸脱検知部は、自車両の走行車線からの逸脱を検知する。変動量監視部は、逸脱検知部によって逸脱が検知された場合に、走行車線の区画線に対する自車両位置の変動量を監視する。警告部は、変動量監視部によって変動量が第1閾値を超えたと判定される場合、および単位時間あたりの変動量が第2閾値を超えたと判定される場合のうち、少なくともいずれか一方の場合に、警告を行う。
【選択図】図1
【解決手段】実施形態に係る車線逸脱警告装置は、逸脱検知部と、変動量監視部と、警告部とを備える。逸脱検知部は、自車両の走行車線からの逸脱を検知する。変動量監視部は、逸脱検知部によって逸脱が検知された場合に、走行車線の区画線に対する自車両位置の変動量を監視する。警告部は、変動量監視部によって変動量が第1閾値を超えたと判定される場合、および単位時間あたりの変動量が第2閾値を超えたと判定される場合のうち、少なくともいずれか一方の場合に、警告を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、車線逸脱警告装置および車線逸脱警告方法に関する。
従来、自車両に搭載されたカメラで撮像した画像に基づいて、自車両の車線逸脱を検知した場合に、警告を行う装置がある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、自車両が車線を逸脱しても警告が不要な場合がある。例えば、道路脇に存在する障害物を回避するために、運転者が意図的に自車両を車線から逸脱させる場合がある。かかる場合に、警告が行われると、自車両の乗員に不快感を与えるおそれがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、不必要に車線逸脱の警告を行うことを抑制することができる車線逸脱警告装置および車線逸脱警告方法を提供することを目的とする。
実施形態に係る車線逸脱警告装置は、逸脱検知部と、変動量監視部と、警告部とを備える。逸脱検知部は、自車両の走行車線からの逸脱を検知する。変動量監視部は、前記逸脱検知部によって前記逸脱が検知された場合に、走行車線の区画線に対する自車両位置の変動量を監視する。警告部は、前記変動量監視部によって前記変動量が第1閾値を超えたと判定される場合、および単位時間あたりの前記変動量が第2閾値を超えたと判定される場合のうち、少なくともいずれか一方の場合に、警告を行う。
実施形態に係る車線逸脱警告装置および車線逸脱警告方法は、不必要に車線逸脱の警告を行うことを抑制することができる。
以下に添付図面を参照して、実施形態に係る車線逸脱警告装置および車線逸脱警告方法について詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態に係る車線逸脱警告装置が行う車線逸脱警告方法の説明図である。ここでは、図1に示すように、時刻t0で路肩側の区画線L1と、中央線となる対向車線側の区画線L2との間の車線を走行中の自車両Cが、その後、走行車線から逸脱する場合に、車線逸脱警告装置が行う車線逸脱警告方法について説明する。以下では、路肩側の区画線L1を左側区画線L1、対向車線側の区画線L2を右側区画線L2と称する。
図1に示すように、自車両Cの走行車線には、例えば、道路脇での作業等のために、左側区画線L1よりも走行車線内側に、左側区画線L1に沿ってパイロンP等の保安器具が置かれることがある。
かかる場合、運転者は、自車両Cを直進させると、自車両CがパイロンPと接触するおそれがあるため、パイロンPを回避する運転操作を行う。このとき、自車両Cは、時刻t1で右側区画線L2を跨ぎ、走行車線を逸脱することがある。
そこで、車線逸脱警告装置は、時刻t1で自車両Cが右側区画線L2を跨ぐと、自車両Cによる走行車線の逸脱を検知する。ただし、車線逸脱警告装置は、車線の逸脱を検知後、直ちに警告を行うことをせず、以後、右側区画線L2に対する自車両Cの位置の変動量を監視する。
その後、時刻t2から自車両Cが右側区画線L2を跨ぎながらも、パイロンPを回避しながら、右側区画線L2に沿って走行し、時刻t3で自車両Cが右側区画線L2の方へ極短い距離だけ移動する場合がある。
なお、図1の時刻t2における自車両Cに重畳している点線は、時刻t2における自車両Cの中心線(車両の幅方向の中心を通る線)を示している。また、図1の時刻t3における自車両Cに重畳している2本の点線のうち、左側の点線は、時刻t2における自車両Cの中心線を示し、右側の点線は、時刻t3における自車両Cの中心線を示している。
かかる場合、車線逸脱警告装置は、右側区画線L2に対する自車両Cの位置の変動量と、所定の閾値Thとを比較する。なお、閾値Thは、自車両Cが左右方向に移動する以前の自車両Cの中心線から、自車両Cが警告を発令されることなく左右両方向へ移動可能な移動許容範囲である。
このため、車線逸脱警告装置は、例えば、閾値Thが±20cmの場合、自車両Cが走行車線を逸脱後、自車両Cの中心線から右に20cmの移動、左に20cmの移動までは、警告を発令させない。
図1に示す例では、車線逸脱警告装置は、時刻t3での2本の点線の間隔と、閾値Thとを比較する。そして、時刻t3の時点では、2本の点線の間隔は、閾値Th未満である。このため、車線逸脱警告装置は、時刻t2から時刻t3までの期間では、警告を発令させない。
このように、車線逸脱警告装置は、自車両Cが右側区画線L2を跨いだとしても、その後、右側区画線L2に対する自車両Cの位置の変動量が閾値Th未満であれば、警告を行わない。
これにより、車線逸脱警告装置は、例えば、運転者が路肩の障害物を回避するため、意図的に自車両Cを走行車線から逸脱させた後、適切に操舵して自車両Cを対向車線側へ大きくはみ出させずに安定走行させている期間に、不要な警告を発令させることがない。
一方、車線逸脱警告装置は、自車両Cによる走行車線の逸脱を検知した後、右側区画線L2に対する自車両Cの位置の変動量が閾値Th以上になる場合には、警告を発令する。例えば、時刻t4で自車両Cが右側区画線L2の方へ大きく逸脱する場合がある。
なお、図1の時刻t4における自車両Cに重畳している2本の点線のうち、左側の点線は、時刻t2における自車両Cの中心線を示し、右側の点線は、時刻t4における自車両Cの中心線を示している。
このように、時刻t4の時点では、2本の点線の間隔は、閾値Thに達している。このため、車線逸脱警告装置は、時刻t4で自車両Cの右側区画線L2に対する変動量が閾値Thに達すると、警告を発令させる。
このように、車線逸脱警告装置は、自車両Cが右側区画線L2を跨いだ後、右側区画線L2に対する自車両Cの位置の変動量が閾値Th以上になり、大きく走行車線を逸脱する場合には、必要な警告を行うことができる。
かかる車線逸脱装置は、自車両Cが右側区画線L2を跨いだ後、右側区画線L2に対する自車両Cの位置の変動量が第1閾値以上と判定した場合、および単位時間あたりの変動量が第2閾値以上と判定した場合のうち、少なくともいずれか一方の場合に警告を行う。かかる第1閾値、第2閾値については、図4を参照して後述する。
次に、図2を参照し、実施形態に係る車線逸脱警告装置1の構成について説明する。図2は、実施形態に係る車線逸脱警告装置1の構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、車線逸脱警告装置1は、車速度センサ10、カーナビゲーション装置11、撮像装置12、および出力装置13に接続される。
車速度センサ10は、車線逸脱警告装置1が搭載される自車両Cの走行速度を検知するセンサであり、走行速度の検知結果を車線逸脱警告装置1へ出力する。カーナビゲーション装置11は、地図情報を記憶しており、地図情報とGPS(Global Positioning System)を使用して、自車両Cの現在位置から入力される目的地までの経路案内を行う装置である。カーナビゲーション装置11は、自車両Cが走行中の道路に関する情報(以下、「道路情報」と記載する)を車線逸脱警告装置1へ出力する。
撮像装置12は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を備えるカメラであり、自車両Cの前方を撮像する位置、例えば、社室内のルームミラーの前面等に設置される。そして、撮像装置12は、撮像画像を車線逸脱警告装置1へ出力する。
出力装置13は、例えば、運転者が視認可能な位置に設けられる液晶ディスプレイである。出力装置13は、車線逸脱警告装置1から警告を発令する旨の信号が入力される場合に、警告表示を行う。なお、出力装置13は、インストルパネル内に設けられる警告灯であってもよく、警告音や警告音声を出力する出音装置であってもよい。
車線逸脱警告装置1は、制御部2と、記憶部3とを備える。記憶部3は、車線逸脱警告プログラム31および閾値情報32等の情報を記憶する。かかる記憶部3は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスク等の記憶装置である。
制御部2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。
制御部2は、速度取得部21、車線取得部22、対向車検知部23、逸脱検知部24、変動量監視部25、および警告部26を備える。かかる速度取得部21、車線取得部22、対向車検知部23、逸脱検知部24、変動量監視部25、および警告部26の機能は、例えば、上記CPUが記憶部3に記憶されている車線逸脱警告プログラム31を読み出して実行することにより実現される。
なお、速度取得部21、車線取得部22、対向車検知部23、逸脱検知部24、変動量監視部25、および警告部26は、それぞれ一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。以下、これら速度取得部21、車線取得部22、対向車検知部23、逸脱検知部24、変動量監視部25、および警告部26について具体的に説明する。
速度取得部21は、車速度センサ10から自車両Cの現在の走行速度を取得し、取得した走行速度を変動量監視部25へ出力する処理部である。車線取得部22は、道路情報として、走行車線の種別(高速道または一般道)、制限速度、走行車線を含む片側の車線数等を示す情報をカーナビゲーション装置11から取得して、変動量監視部25へ出力する処理部である。
対向車検知部23は、撮像装置12から入力される撮像画像に基づいて、対向車線を走行してくる対向車を検知する処理部である。対向車検知部23は、対向車を検知した場合に、その旨を示す情報を変動量監視部25へ出力する。
逸脱検知部24は、撮像装置12から入力される撮像画像に基づいて、自車両Cによる走行車線の逸脱を検知する処理部である。ここで、図3を参照し、逸脱検知部24の動作について説明する。図3は、実施形態に係る逸脱検知部24の動作説明図である。
図3に示すように、逸脱検知部24は、まず、撮像画像から左側区画線L1および右側区画線L2を抽出し、左側区画線L1および右側区画線L2間の幅(車線幅員)D、および左側区画線L1および右側区画線L2の中心線L3の位置を特定する。
このとき、図3の下部に示すように、自車両Cが走行車線の中央を走行している場合、自車両Cは、車線幅員Dの半分の距離から、自車両の幅dの半分の距離を差し引いた長さ、つまり、長さD/2−d/2までは左右に移動しても走行車線を逸脱しない。
そこで、逸脱検知部24は、撮像装置12から入力される撮像画像に基づいて、走行車線における自車両Cの中心線L4の位置を特定し、左側区画線L1および右側区画線L2の中心線L3と、自車両Cの中心線L4との間隔Xを算出する。続いて、逸脱検知部24は、間隔XがD/2−d/2以上になる場合に、自車両Cによる走行車線の逸脱を検知する。
そして、逸脱検知部24は、自車両Cによる走行車線の逸脱を検知した場合に、その旨を示す情報を変動量監視部25へ出力し、その後、走行車線における自車両Cの中心線L4の位置を示す情報を順次、変動量監視部25へ出力する。
図2へ戻り、変動量監視部25は、逸脱検知部24から自車両Cが走行車線から逸脱したことを示す情報が入力される場合に、以後、逸脱検知部24から入力される走行車線における自車両Cの中心線L4の位置の変動量を監視する処理部である。
かかる変動量監視部25は、走行車線の左側に障害物が存在し、右側に存在しない場合に、自車両Cが走行車線から逸脱すると、記憶部3に記憶されている閾値情報32から第1閾値および第2閾値を読み出す。そして、変動量監視部25は、自車両Cの中心線L4の右側区画線L2に対する変動量と、第1閾値および第2閾値とを比較する。
なお、変動量監視部25は、走行車線の右側に障害物が存在し、左側に障害物が存在しない場合には、自車両Cの中心線L4の左側区画線L1に対する変動量と、第1閾値および第2閾値とを比較する。
変動量監視部25は、右側区画線L2または左側区画線L1に対する中心線L4の変動量と第1閾値とを比較し、中心線L4の変動量が第1閾値以上となる場合に、その旨を示す情報を警告部26へ出力する。
変動量監視部25は、右側区画線L2または左側区画線L1に対する中心線L4の単位時間あたりの変動量と第2閾値とを比較し、中心線L4の変動量が第2閾値以上となる場合に、その旨を示す情報を警告部26へ出力する。かかる変動量監視部25の動作の一例については、図6および図7を参照して後述する。
さらに、変動量監視部25は、速度取得部21から入力される自車両Cの走行速度および車線取得部22から入力される道路情報に基づき、自車両Cの走行する状況に応じて、第1閾値および第2閾値を変更する。なお、第1閾値および第2閾値の一例については、図4を参照して後述する。
また、変動量監視部25は、対向車検知部23から対向車を検知したことを示す情報が入力される場合に、中心線L4の変動量の監視を中止し、その旨を示す情報を警告部26へ出力する。
警告部26は、変動量監視部25から自車両Cの中心線L4の変動量が第1閾値以上となったことを示す情報が入力される場合に、出力装置13によって車線逸脱が発生したことを示す情報を出力させる。
また、警告部26は、変動量監視部25から中心線L4の単位時間あたりの変動量が第2閾値以上となったことを示す情報が入力される場合に、出力装置13によって車線逸脱が発生したことを示す情報を出力させる。
また、警告部26は、変動量監視部25から中心線L4の変動量の監視を中止したことを示す情報が入力される場合に、出力装置13によって車線逸脱が発生したことを示す情報を出力させる。
次に、図4を参照し、実施形態に係る閾値情報32の一例について説明する。図4は、実施形態に係る閾値情報32の一例を示す説明図である。記憶部3には、例えば、図4に示すような閾値情報32が記憶される。具体的には、図4に示すように、閾値情報32は、道路種別、車線数、車線幅員、および走行速度にそれぞれ対応付けられた第1閾値および第2閾値を含む。
例えば、高速道、車線幅員3.50m、走行速度80km/h未満という状況に対して、±50cmという第1閾値、±45cmという第2閾値が対応付けられる。また、高速道、車線幅員3.50m、走行速度80km/h以上という状況に対して、±45cmという第1閾値、±40cmという第2閾値が対応付けられる。
一般道、片側2車線以上、車線幅員3.25m、走行速度50km/h未満という状況に対して、±40cmという第1閾値、±35cmという第2閾値が対応付けられる。また、一般道、片側2車線以上、車線幅員3.25m、走行速度50km/h以上という状況に対して、±35cmという第1閾値、±30cmという第2閾値が対応付けられる。
一般道、片側1車線、車線幅員3.00m、走行速度40km/h未満という状況に対して、±30cmという第1閾値、±25cmという第2閾値が対応付けられる。一般道、片側1車線、車線幅員3.00m、走行速度40km/h以上という状況に対して、±25cmという第1閾値、±20cmという第2閾値が対応付けられる。
一般道、片側1車線、車線幅員2.75m、走行速度30km/h未満という状況に対して、±20cmという第1閾値、±15cmという第2閾値が対応付けられる。一般道、片側1車線、車線幅員2.75m、走行速度40km/h以上という状況に対して、±15cmという第1閾値、±10cmという第2閾値が対応付けられる。
なお、図4に示す例では、道路種別、車線数、車線幅員、および走行速度の各項目を大まかに分類し、各項目に第1閾値および第2閾値が対応付けられているが、各項目の分類はさらに細かく分類されてもよい。
このように、第1閾値および第2閾値は、片側の車線数が多いほど、絶対値が大きな値が設定され、片側の車線数が少ないほど、絶対値が小さな値が設定される。また、第1閾値および第2閾値は、車線幅員が広いほど、絶対値が大きな値が設定され、車線幅員が狭いほど、絶対値が小さな値が設定される。
これにより、車線逸脱警告装置1は、片側の車線数が多く、車線幅員が比較的広く、自車両Cが走行車線をある程度逸脱しても危険度が低い場合に、不必要に車線逸脱の警告を頻発させることを抑制することができる。
これとは逆に、車線逸脱警告装置1は、片側の車線数が少なく、車線幅員が比較的狭く、自車両Cが走行車線をある程度逸脱すると危険度が高くなる場合に、必要性が高い車線逸脱の警告を発令することができる。
また、第1閾値および第2閾値は、走行速度が低いほど絶対値が大きな値が設定され、自車両Cの走行速度が高いほど絶対値が小さな値が設定される。これにより、車線逸脱警告装置1は、自車両Cの走行速度が比較的低く、自車両Cが走行車線をある程度逸脱しても危険度が低い場合に、不必要に車線逸脱の警告を頻発させることを抑制することができる。
これとは逆に、車線逸脱警告装置1は、自車両Cの走行速度が比較的高く、自車両Cが走行車線をある程度逸脱すると危険度が高くなる場合に、必要性が高い車線逸脱の警告を発令することができる。
また、同一の状況下では、第1閾値は、第2閾値よりも絶対値が大きな値が設定される。これにより、車線逸脱警告装置1は、自車両Cの中心線L4が単位時間に第2閾値未満の比較的小さな変動量で変動し続けても、変動量の累計が第1閾値以上となる場合には、必要性が高い車線逸脱の警告を発令することができる。
次に、図5〜図7を参照し、実施形態に係る制御部2の動作の一例について説明する。図5〜図7は、実施形態に係る制御部2の動作の一例を示す説明図である。なお、図5には、変動量監視部25が第1閾値および第2閾値を変更する状況、および中心線L4の変動量の監視を中止する状況の一例を示している。また、図6および図7には、警告部26が車線逸脱の警告を発令する状況の一例を示している。
図5に示すように、変動量監視部25は、例えば、時刻t10で自車両Cが片側2車線で幅員が3.25mの一般道を50km/h以上で走行している場合、第1閾値として±35cmを設定し、第2閾値として±30cmを設定する(図4参照)。
その後、変動量監視部25は、時刻t11で自車両Cが片側一車線で幅員が3.00mの一般道に入り、40km/h以上で走行すると、第1閾値として±25cmを設定し、第2閾値として±20cmを設定する(図4参照)。
このように、変動量監視部25は、走行車線の車線数が減少する場合には、第1閾値および第2閾値の絶対値を小さくする。これにより、車線逸脱警告装置1は、自車両Cが車線を逸脱して対向車線へのはみ出しによる危険性が高くなる場合に、警告発令の感度を高めることができる。
その後、変動量監視部25は、時刻t12で自車両Cの走行速度が40km/h未満になると、第1閾値として±30cmを設定し、第2閾値として±25cmを設定する(図4参照)。このように、変動量監視部25は、車線数に変化がなくても、自車両Cの走行速度が低下する場合には、第1閾値および第2閾値の絶対値を大きくする。
これにより、車線逸脱警告装置1は、走行速度の低下により、自車両Cが車線を逸脱して対向車線へはみ出しても、運転者の操舵により走行車線への復帰が容易になるような場合に、不必要に車線逸脱の警告を発令することを抑制することができる。
その後、変動量監視部25は、時刻t13で自車両Cが片側一車線で幅員が2.75mの一般道に入り、30km/h以上で走行すると、第1閾値として±15cmを設定し、第2閾値として±10cmを設定する(図4参照)。
このように、変動量監視部25は、車線幅員が狭くなる場合には、第1閾値および第2閾値の絶対値をさらに小さくする。これにより、車線逸脱警告装置1は、車線幅員がかなり狭く、自車両Cが車線を逸脱して対向車線へのはみ出しによる危険性がより高くなる場合に、警告発令の感度をさらに高めることができる。
ただし、変動量監視部25は、車線幅員が狭くなっても、その後、自車両Cの走行速度が低くなる場合には、第1閾値および第2閾値の絶対値を大きくする。これにより、車線逸脱警告装置1は、車線幅員が狭くなっても、運転者が注意を払い、自車両Cの走行速度を低下させる場合には、不必要に車線逸脱の警告を発令することを抑制することができる。
その後、変動量監視部25は、時刻t14で対向車Caの存在を検知した場合に、中心線L4の変動量監視を中止する。かかる場合、警告部26(図2参照)は、逸脱検知部24によって車線逸脱が検知されると、即座に警告を発令する。
なお、警告部26は、道路種別、車線数、車線幅員、および走行速度によらず、対向車が検知されている期間に、逸脱検知部24によって車線逸脱が検知されると、即座に警告を発令する。これにより、車線逸脱警告装置1は、自車両Cの車線逸脱による対向車との接触を未然に防止することができる。
次に、図6に示すように、逸脱検知部24は、例えば、時刻t20から自車両Cが走行車線の中心から右方向(図6では、グラフの縦軸+側)へ移動し始め、時刻t21で右側区画線L2(図1参照)を跨ぐと、車線逸脱を検知する。
すると、変動量監視部25は、時刻t21から所定時間(例えば、1sec)毎に、自車両Cの中心線L4の右側区画線L2に対する変動量を取得する。ここで、時刻t21から所定時間が経過した時刻t22までの期間では、自車両Cの中心線L4の変動量は、+側の第2閾値未満である。このため、警告部26は、時刻t22の時点で警告を発令することはない。
その後、時刻t22から所定時間が経過した時刻t23までの期間では、自車両Cの中心線L4の変動量は、+側の第2閾値に達している。このため、警告部26は、時刻t23の時点で警告を発令する。
このように、警告部26は、自車両Cが走行車線を逸脱しても、即座に警告を発令することがなく、その後、自車両Cの中心線L4の単位時間あたりの変動量が第2閾値に達するまでは、警告を発令することがない。したがって、車線逸脱警告装置1は、不必要に車線逸脱の警告を行うことを抑制することができる。
また、図7に示すように、逸脱検知部24は、例えば、時刻t20から自車両Cが走行車線の中心から右方向(図7では、グラフの縦軸+側)へ移動し始め、時刻t21で右側区画線L2(図1参照)を跨ぐと、車線逸脱を検知する。
すると、変動量監視部25は、時刻t21から所定時間毎に、自車両Cの中心線L4の右側区画線L2に対する変動量を取得する。なお、図7に示す時刻t21、時刻t22、時刻t23、時刻t24、および時刻t26の時間間隔は、同一の所定時間である。
ここで、時刻t21〜時刻t22、時刻t22〜時刻t23、時刻t23〜時刻t24、および時刻t24〜時刻t26の各期間で、自車両Cの中心線L4の変動量は、いずれも、+側の第2閾値未満である。
しかし、時刻t25の時点で、自車両Cの中心線L4の変動量は、+側の第1閾値に達する。このため、警告部26は、時刻t25の時点で警告を発令する。このように、警告部26は、中心線L4の単位時間あたりの変動量が第2閾値に達しなくても、中心線L4の総変動量が第1閾値以上となる場合に、警告を発令する。
これにより、車線逸脱警告装置1は、不必要に車線逸脱の警告を行うことを抑制しつつも、自車両Cが危険な状態になりそうな程、車線から逸脱する場合には、適切に警告を発令することができる。
次に、図8を参照し、実施形態に係る制御部2が実行する処理について説明する。図8は、実施形態に係る制御部2が実行する処理を示すフローチャートである。制御部2は、自車両Cの走行中に、図8に示す処理を所定周期(例えば、数msec周期)で繰り返し実行する。
具体的には、図8に示すように、制御部2は、自車両Cが走行を開始すると、撮像装置12から撮像画像を取得する(ステップS101)。続いて、制御部2は、撮像画像に基づいて、自車両Cの車線逸脱を検知したか否かを判定する(ステップS102)。
そして、制御部2は、車線逸脱を検知しないと判定した場合(ステップS102,No)、処理を終了する。一方、制御部2は、車線逸脱を検知したと判定した場合(ステップS102,Yes)、対向車Caが無いか否かを判定する(ステップS103)。
そして、制御部2は、対向車Caが有ると判定した場合(ステップS103,No)、処理をステップS108へ移し、自車両Cが車線を逸脱したことを示す警告を発令して処理を終了する。一方、制御部2は、対向車Caが無いと判定した場合(ステップS103,Yes)、カーナビゲーション装置11から道路情報を取得する(ステップS104)。
続いて、制御部2は、撮像画像に基づいて、自車両Cが走行中の車線幅員を特定し(ステップS105)、車速度センサ10から自車両Cの走行速度を取得する(ステップS106)。その後、制御部2は、自車両Cの中心線L4の単位時間あたりの変動量が第2閾値以上であるか否かの判定を行う(ステップS107)。
そして、制御部2は、中心線L4の単位時間あたりの変動量が第2閾値以上であると判定した場合(ステップS107,Yes)、処理をステップS108へ移し、自車両Cが車線を逸脱したことを示す警告を発令して処理を終了する。
一方、制御部2は、中心線L4の単位時間あたりの変動量が第2閾値未満であると判定した場合(ステップS107,No)、自車両Cの中心線L4の変動量が第1閾値以上であるか否かの判定を行う(ステップS109)。
そして、制御部2は、中心線L4の変動量が第1閾値以上であると判定した場合(ステップS109,Yes)、処理をステップS108へ移し、自車両Cが車線を逸脱したことを示す警告を発令して処理を終了する。一方、制御部2は、中心線L4の変動量が第1閾値未満であると判定した場合(ステップS109,No)、処理を終了する。
上述したように、実施形態に係る車線逸脱警告装置は、逸脱検知部と、変動量監視部と、警告部とを備える。逸脱検知部は、自車両の走行車線からの逸脱を検知する。変動量監視部は、逸脱検知部によって逸脱が検知された場合に、走行車線の区画線に対する自車両位置の変動量を監視する。
警告部は、変動量監視部によって変動量が第1閾値以上と判定される場合、および単位時間あたりの変動量が第2閾値以上と判定される場合のうち、少なくともいずれか一方の場合に、警告を行う。これにより、車線逸脱警告装置は、不必要に車線逸脱の警告を行うことを抑制することができる。
逸脱検知部は、自車両が区画線からはみ出す場合に、逸脱を検知する。これにより、車線逸脱警告装置は、自車両が区画線に近付いただけで警告することがないため、不必要に車線逸脱の警告を行うことを抑制することができる。
逸脱検知部は、走行車線の中心線、自車両の中心線、走行車線の幅、および自車両の幅に基づいて、逸脱を検知する。これにより、車線逸脱警告装置は、比較的簡単な処理によって、自車両の車線逸脱を検知することができる。
変動量監視部は、自車両の走行速度に応じて、第1閾値および第2閾値を変更する。これにより、車線逸脱警告装置は、自車両の走行速度に応じて、自車両の車線逸脱に対する適切な警告を行うことができる。
変動量監視部は、走行車線の幅に応じて、第1閾値および第2閾値を変更する。これにより、車線逸脱警告装置は、走行車線の幅に応じて、自車両の車線逸脱に対する適切な警告を行うことができる。
変動量監視部は、走行車線側の車線数に応じて、第1閾値および第2閾値を変更する。これにより、車線逸脱警告装置は、走行車線側の車線数に応じて、自車両の車線逸脱に対する適切な警告を行うことができる。
警告部は、対向車両が存在する場合、逸脱検知部によって逸脱が検知された場合に、警告を行う。これにより、車線逸脱警告装置は、自車両の車線逸脱による対向車両との接触を未然に防止することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 車線逸脱警告装置
2 制御部
3 記憶部
10 車速度センサ
11 カーナビゲーション装置
12 撮像装置
13 出力装置
21 速度取得部
22 車線取得部
23 対向車検知部
24 逸脱検知部
25 変動量監視部
26 警告部
31 車線逸脱警告プログラム
32 閾値情報
C 自車両
Ca 対向車
D 車線幅員
L1 左側区画線
L2 右側区画線
L3 左側区画線および右側区画線の中心線
L4 自車両の中心線
P パイロン
2 制御部
3 記憶部
10 車速度センサ
11 カーナビゲーション装置
12 撮像装置
13 出力装置
21 速度取得部
22 車線取得部
23 対向車検知部
24 逸脱検知部
25 変動量監視部
26 警告部
31 車線逸脱警告プログラム
32 閾値情報
C 自車両
Ca 対向車
D 車線幅員
L1 左側区画線
L2 右側区画線
L3 左側区画線および右側区画線の中心線
L4 自車両の中心線
P パイロン
Claims (8)
- 自車両の走行車線からの逸脱を検知する逸脱検知部と、
前記逸脱検知部によって前記逸脱が検知された場合に、走行車線の区画線に対する自車両位置の変動量を監視する変動量監視部と、
前記変動量監視部によって前記変動量が第1閾値以上と判定される場合、および単位時間あたりの前記変動量が第2閾値以上と判定される場合のうち、少なくともいずれか一方の場合に、警告を行う警告部と
を備える
ことを特徴とする車線逸脱警告装置。 - 前記逸脱検知部は、
自車両が前記区画線からはみ出す場合に、前記逸脱を検知する
ことを特徴とする請求項1に記載の車線逸脱警告装置。 - 前記逸脱検知部は、
走行車線の中心線、自車両の中心線、走行車線の幅、および自車両の幅に基づいて、前記逸脱を検知する
ことを特徴とする請求項2に記載の車線逸脱警告装置。 - 前記変動量監視部は、
自車両の走行速度に応じて、前記第1閾値および前記第2閾値を変更する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の車線逸脱警告装置。 - 前記変動量監視部は、
走行車線の幅に応じて、前記第1閾値および前記第2閾値を変更する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の車線逸脱警告装置。 - 前記変動量監視部は、
走行車線側の車線数に応じて、前記第1閾値および前記第2閾値を変更する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の車線逸脱警告装置。 - 前記警告部は、
対向車両が存在する場合、前記逸脱検知部によって前記逸脱が検知された場合に、警告を行う
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の車線逸脱警告装置。 - コンピュータが実行する車線逸脱警告方法であって、
自車両の走行車線からの逸脱を検知する逸脱検知工程と、
前記逸脱検知工程によって前記逸脱が検知された場合に、走行車線の区画線に対する自車両位置の変動量を監視する変動量監視工程と、
前記変動量監視工程によって前記変動量が第1閾値以上と判定される場合、および単位時間あたりの前記変動量が第2閾値以上と判定される場合のうち、少なくともいずれか一方の場合に、警告を行う警告工程と
を含むことを特徴とする車線逸脱警告方法。
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