JP2007265101A - 車両用覚醒度推定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】走行中の車両の蛇行率を、車両の長さやステアリングギヤ比、道路のカーブ形状、車速、車線幅を適切に考慮して算出する蛇行状態検出装置を提供する。
【解決手段】車両41に取り付けられたカメラ43により撮影された車両前方画像データ21を元に、走行車線を形成する右および左の白線(45、47)の中点LCを車両の相対位置として算出し、この相対位置の所定時間内の標準偏差を蛇行率として算出する。この蛇行率を、車線幅、カーブ形状(操舵角絶対値平均)、車速、ホイールベース長、ステアリングギヤ比を考慮して補正することにより、ホイールベース長、ステアリングギヤ比によらない補正蛇行率を算出する。この補正蛇行率により、運転者の覚醒度を推定し、覚醒度が低下したと評価された場合には運転者に警告を発する。
【選択図】図2
【解決手段】車両41に取り付けられたカメラ43により撮影された車両前方画像データ21を元に、走行車線を形成する右および左の白線(45、47)の中点LCを車両の相対位置として算出し、この相対位置の所定時間内の標準偏差を蛇行率として算出する。この蛇行率を、車線幅、カーブ形状(操舵角絶対値平均)、車速、ホイールベース長、ステアリングギヤ比を考慮して補正することにより、ホイールベース長、ステアリングギヤ比によらない補正蛇行率を算出する。この補正蛇行率により、運転者の覚醒度を推定し、覚醒度が低下したと評価された場合には運転者に警告を発する。
【選択図】図2
Description
本発明は、走行中の車両の蛇行状態を算出し、この蛇行状態に基づいて車両の運転者の覚醒度を推定する車両用覚醒度推定装置に関する。
走行中の車両の運転者の覚醒度を、蛇行率や、排気ブレーキ操作、ギヤシフト操作等の運転操作状況に基づいて推定し、覚醒度の低下時には運転者に警告を発する装置が開示されている(特許文献1)。また、車幅やステアリング操舵角に基づいて求めた蛇行率を補正する技術が開示されている(特許文献2)。
特開平9−267660号公報
特開平9−117733号公報
上記の装置は、車両の蛇行率(車両のふらつきの量)と、ウィンカ、排気ブレーキ、ギヤシフト等の車両操作頻度から求められる単調度(操作機器の操作が少なくなると、運転が単調になり単調度が増す)、ステアリングの修正操舵の積算値から求められる操舵量を元に、ファジィ推論を用いて覚醒度を算出し、その覚醒度を運転者に対して表示したり、覚醒度が低下した場合には警告を発するものである。
上記装置においては、覚醒度の算出の基となる蛇行率、単調度、操舵量の値が適切に求められていることが前提となる。
しかしながら、従来の装置においては、蛇行率(車両のふらつき)の算出において、車両の長さ、ステアリングギヤ比が異なると、蛇行率の算出値が大きく異なってしまい、車両諸元が変わると、蛇行率算出のための計算式を見直さなければならなかった。
また、同じ車両であっても、トラクタ・トレーラのように、車両の長さが変化する車両にあっては、このような変化によって蛇行率算出値が異なってしまうという問題があった。
しかしながら、従来の装置においては、蛇行率(車両のふらつき)の算出において、車両の長さ、ステアリングギヤ比が異なると、蛇行率の算出値が大きく異なってしまい、車両諸元が変わると、蛇行率算出のための計算式を見直さなければならなかった。
また、同じ車両であっても、トラクタ・トレーラのように、車両の長さが変化する車両にあっては、このような変化によって蛇行率算出値が異なってしまうという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、車両の長さやステアリングギヤ比が変わっても走行中の車両の蛇行率を適切に算出して、運転車の覚醒度を推定する車両用覚醒度推定装置を提供することである。
前述した課題を解決するための本発明は、車載カメラが撮像した車両前方画像に基づいて車線に対する前記車両の相対位置を算出する車両位置検出手段と、前記車両のステアリング操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記車両位置検出手段によって算出された走行時の前記車両の車線に対する相対位置の所定時間にわたる変化量に基づいて前記車両の蛇行状態を算出する蛇行状態算出手段と、前記操舵角検出手段によって検出されたステアリング操舵角が大きいほど前記蛇行状態算出手段によって算出された蛇行状態を小さくするように補正する補正手段と、前記補正手段によって補正された蛇行状態に基づいて前記車両の運転者の覚醒度を推定する覚醒度推定手段と、を備えた車両用覚醒度推定装置であって、前記補正手段は、更に前記車両のホイールベース長が短いほど、前記蛇行状態を小さくするように補正することを特徴とする車両用覚醒度推定装置である。
本装置によれば、前記車両のホイールベース長が短いほど、前記蛇行状態を小さくするように補正し、補正された蛇行状態に基づいて車両運転者の覚醒度を推定する。
また、前記補正手段は、更に、前記車両のステアリングギヤ比が小さいほど、前記蛇行状態を大きくするように補正し、補正された蛇行状態に基づいて車両運転者の覚醒度を推定することが望ましい。
また、前記補正手段は、更に、前記車両のステアリングギヤ比が小さいほど、前記蛇行状態を大きくするように補正し、補正された蛇行状態に基づいて車両運転者の覚醒度を推定することが望ましい。
本発明によれば、車両の長さやステアリングギヤ比が変わっても走行中の車両の蛇行率を適切に考慮して算出することが可能になるので、運転者の覚醒度をより適切に推定することができる。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る車両用覚醒度推定装置のシステム構成図である。
本実施の形態の車両用覚醒度推定装置は、電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)1と、情報表示制御回路3、表示装置5、音声警報制御回路7、および、スピーカ9からなる。
電子制御ユニット(ECU)1は、例えば操舵パルス11、操舵中立パルス13、ウィンカ信号15、排気ブレーキ信号17、クラッチ信号19、車両前方画像データ21等の情報を入力とし、蛇行状態等の運転者の車両運転状態、覚醒度に関するデータを算出する。
電子制御ユニット(ECU)1は、例えば操舵パルス11、操舵中立パルス13、ウィンカ信号15、排気ブレーキ信号17、クラッチ信号19、車両前方画像データ21等の情報を入力とし、蛇行状態等の運転者の車両運転状態、覚醒度に関するデータを算出する。
電子制御ユニット(ECU)1は、プログラムの実行を行うCPU(central processing unit)109、プログラム命令あるいはデータ等を格納するためのROM(read only
memory)105、RAM(random access memory)107等のメモリ、上記の各入力等を電子制御ユニット(ECU)1に取り入れるための入力インタフェース101、ECU1内で算出された蛇行状態等の情報を出力するための出力インタフェース103、タイマ111等より成る。
memory)105、RAM(random access memory)107等のメモリ、上記の各入力等を電子制御ユニット(ECU)1に取り入れるための入力インタフェース101、ECU1内で算出された蛇行状態等の情報を出力するための出力インタフェース103、タイマ111等より成る。
そしてECU1は、例えば蛇行状態を示すデータが所定の値よりも低い場合には覚醒度が低いと判断して、情報表示制御回路3を介して表示装置5に表示することにより運転者に注意を促し、また、音声警報等を、音声警報制御回路7を駆動してスピーカ9から出力する。
表示装置5は、例えば、車両の運転席の前部に設置されているインスツルメント・パネルに組み込まれたカラー液晶ディスプレイである。さらに、スピーカ9は、例えば、運転席の天井に組み込まれている。
表示装置5は、例えば、車両の運転席の前部に設置されているインスツルメント・パネルに組み込まれたカラー液晶ディスプレイである。さらに、スピーカ9は、例えば、運転席の天井に組み込まれている。
また、ECU1に入力される各種信号(11、13、15、17、19、21)は、車両に組み込まれた各種信号用センサで検出され、ECU1に送られる。
例えば、ウィンカ信号15、排気ブレーキ信号17、クラッチ信号19は、それぞれ、車両の操縦操作手段であるウィンカ、排気ブレーキ、クラッチペダルに組み込まれたスイッチ等によりその操作が検出され、それぞれの信号が検出される。また、操舵パルス11および操舵中立パルス13はステアリング操作の情報であり、ステアリングハンドル機構に組み込まれた操舵角センサにより検出される。
例えば、ウィンカ信号15、排気ブレーキ信号17、クラッチ信号19は、それぞれ、車両の操縦操作手段であるウィンカ、排気ブレーキ、クラッチペダルに組み込まれたスイッチ等によりその操作が検出され、それぞれの信号が検出される。また、操舵パルス11および操舵中立パルス13はステアリング操作の情報であり、ステアリングハンドル機構に組み込まれた操舵角センサにより検出される。
さらに、車両前方画像データ21は、例えばフロントガラス中央上部に取り付けられたカメラにより撮像された車両前方の画像データである。ECU1は、この画像データから道路の白線を識別し、車両の車線内の位置を検出し、車両のふらつきである蛇行状態に関する情報を算出する。これについては後で詳述する。
図2は、蛇行状態算出概念を説明する図である。
同図(a)に示すように、車両41の例えばフロントガラス中央上部にカメラ43が取り付けられており、このカメラ43により走行時の車両前方の車線が撮影される。今、車両41は右線45および左線47(どちらも一般に白線)に挟まれた右の車線を走行しているものとする。
同図(a)に示すように、車両41の例えばフロントガラス中央上部にカメラ43が取り付けられており、このカメラ43により走行時の車両前方の車線が撮影される。今、車両41は右線45および左線47(どちらも一般に白線)に挟まれた右の車線を走行しているものとする。
同図(b)は、カメラ43で撮影したある1時点の画像データを説明する図である。
例えば、横方向(x方向)が256画素、縦方向(y方向)が256画素の方形のグレースケール画像データが車両前方画像データ21として得られ、ECU1に入力される。
ECU1は、この画像データから右線45と左線47を識別し、縦方向(y方向)の特定の位置(例えばyS)での右線45と左線47のx座標(それぞれXRとXL)を抽出する。y方向の特定の位置ySを規定するのは、常に車両から等距離の位置での白線の座標を得るためである。
そして、車線の中心位置として点LC(55)のx座標XC=(XL+XR)/2を求める。
例えば、横方向(x方向)が256画素、縦方向(y方向)が256画素の方形のグレースケール画像データが車両前方画像データ21として得られ、ECU1に入力される。
ECU1は、この画像データから右線45と左線47を識別し、縦方向(y方向)の特定の位置(例えばyS)での右線45と左線47のx座標(それぞれXRとXL)を抽出する。y方向の特定の位置ySを規定するのは、常に車両から等距離の位置での白線の座標を得るためである。
そして、車線の中心位置として点LC(55)のx座標XC=(XL+XR)/2を求める。
走行中、車両が車線内を道路幅方向にふらつくと、車線に対する車両の相対位置が変化して画像データ21内における車線の中心位置とした点LC55も左右にふらつく。このふらつきの度合いを元に、車両の蛇行状態を算出することができる。
すなわち、点LC55の座標XCの所定時間内での標準偏差を、蛇行状態を表すデータ、すなわち蛇行率SDCとする。
蛇行率SDCが大きいほど、走行中の車両がふらついていることを示しており、運転者の注意力あるいは覚醒度が低下していることを示す。
すなわち、点LC55の座標XCの所定時間内での標準偏差を、蛇行状態を表すデータ、すなわち蛇行率SDCとする。
蛇行率SDCが大きいほど、走行中の車両がふらついていることを示しており、運転者の注意力あるいは覚醒度が低下していることを示す。
同図(c)は、車両が右カーブにさしかかった場合を説明する図である。
車両が走行している右車線を形成する右線45および左線47はどちらも前方で右にカーブしているが、カメラ43は現在の走行位置から前方を撮影しており、画像データは同図(d)に示すようなものになる。
すなわち、画像データのy方向の特定の位置ySにおける右線51と左線47は右カーブにより右へ移動しており、よって、画像データ21内における車両前方の車線中央位置を示す点LC55の座標XC'も同図(b)の点LC55の座標XCよりも右に移動する。
すなわち、車線に沿って車両を運転していても、上述のように車両前方画像の画像内における車線中心位置の変化から車両のふらつきを検出しようとすると、単に車両がカーブを走行するだけで車線中心位置が変動し、車両のふらつきとして検出されてしまう。したがって、車両がカーブを走行している場合には、車線中心位置XCの変化を車両のふらつきとして検出しないようにする必要がある。
本実施の形態においては、後述するように、ステアリングの操舵角から車両がカーブを走行していることを検知し、ステアリング操舵角が大きいほど車両が走行しているカーブが急であり、カーブによる車線中心位置の変動量が大きくなることを考慮して、このときの操舵角に応じて車両の蛇行率(蛇行状態)が小さくなるように補正している。すなわち、ステアリング操舵角の大きさから、カーブの緩急を推定し、蛇行率の補正量を決めている。ところが、このように操舵角に応じて蛇行率を補正しても、車両のホイールベースが変化すると補正しきれない場合がある。これについて図3を用いて説明する。
車両が走行している右車線を形成する右線45および左線47はどちらも前方で右にカーブしているが、カメラ43は現在の走行位置から前方を撮影しており、画像データは同図(d)に示すようなものになる。
すなわち、画像データのy方向の特定の位置ySにおける右線51と左線47は右カーブにより右へ移動しており、よって、画像データ21内における車両前方の車線中央位置を示す点LC55の座標XC'も同図(b)の点LC55の座標XCよりも右に移動する。
すなわち、車線に沿って車両を運転していても、上述のように車両前方画像の画像内における車線中心位置の変化から車両のふらつきを検出しようとすると、単に車両がカーブを走行するだけで車線中心位置が変動し、車両のふらつきとして検出されてしまう。したがって、車両がカーブを走行している場合には、車線中心位置XCの変化を車両のふらつきとして検出しないようにする必要がある。
本実施の形態においては、後述するように、ステアリングの操舵角から車両がカーブを走行していることを検知し、ステアリング操舵角が大きいほど車両が走行しているカーブが急であり、カーブによる車線中心位置の変動量が大きくなることを考慮して、このときの操舵角に応じて車両の蛇行率(蛇行状態)が小さくなるように補正している。すなわち、ステアリング操舵角の大きさから、カーブの緩急を推定し、蛇行率の補正量を決めている。ところが、このように操舵角に応じて蛇行率を補正しても、車両のホイールベースが変化すると補正しきれない場合がある。これについて図3を用いて説明する。
図3(a)は、車速90km/hで走行中の車両の直線およびカーブにおける蛇行率(点LCの標準偏差)の測定値であり、補正は行っていない。同図は、車両長の長い長尺車(ホイールベース長7m)と、車両長の短い短尺車(ホイールベース長3m)についてのデータを示している。
長尺車、短尺車共に、直線よりカーブの方が蛇行率が大きく算出されることが分かる。これは前述したとおり、カーブにより、車両前方画像の画像内における車両中心位置が変動することに起因する。一方、図3(b)は、ステアリングの操舵角に応じて蛇行率を補正した場合を示す。詳細は後述するが、操舵角により車両がカーブを走行していることを検知し、補正を行うことで、蛇行率をカーブ・直線路を問わず適切に算出することができる。
長尺車、短尺車共に、直線よりカーブの方が蛇行率が大きく算出されることが分かる。これは前述したとおり、カーブにより、車両前方画像の画像内における車両中心位置が変動することに起因する。一方、図3(b)は、ステアリングの操舵角に応じて蛇行率を補正した場合を示す。詳細は後述するが、操舵角により車両がカーブを走行していることを検知し、補正を行うことで、蛇行率をカーブ・直線路を問わず適切に算出することができる。
図4は、覚醒度推定処理の流れを示すフローチャートである。この処理の流れはプログラムとしてECU1内のROM105に格納されており、CPU109がそれを処理することにより、蛇行率が算出され、蛇行率に基づいて運転者の覚醒度が推定される。また、算出の過程で使用される係数値は、予めROM105やRAM107に格納される。さらに、算出過程のデータは、RAM107に一時的に格納される。
まず、車線中心点LC55の座標XC(n)を式(1)により算出する(ステップ101)。ここで、nはデータ番号(n=1〜N)であり、N個の中心点LCの座標XC(n)を元に蛇行率SDCを求めるものとする。例えば、1秒ごとのXC(n)データ1分間分(N=60)から蛇行率SDCを求める。
次に、ステップ102〜104においては、蛇行率SDCを求めても覚醒度(注意力)の推定判断基準として意味を持たない場合には蛇行率の算出は行わず、処理を終了する。すなわち、車速が所定の車速(例えば20km/h)未満の場合(ステップ102のyes)、操舵角が30度以上の場合(ステップ103のyes)、車線変更中の場合(ステップ104のyes)には、蛇行率SDCの算出処理を終了する。
車線変更中であることは、元の前方車線画像データの1本または複数の白線の位置の変化によって判別できる。
車線変更中であることは、元の前方車線画像データの1本または複数の白線の位置の変化によって判別できる。
車速が所定の値以上(ステップ102のno)で、かつ、操舵角が30度未満(ステップ103のno)で、かつ車線変更中でない(ステップ104のno)の場合に、以降の覚醒度推定処理を行う。
まず、ECU1は、車線中心点LCの座標XC(n)の所定時間(例えば1分間)内の標準偏差SDCを式(2)により求め、蛇行率とする(ステップ105)。ここで、XcAVは所定時間(例えば1分間)の車線中心点の座標XC(n)の平均値であり、式(3)で表される。
まず、ECU1は、車線中心点LCの座標XC(n)の所定時間(例えば1分間)内の標準偏差SDCを式(2)により求め、蛇行率とする(ステップ105)。ここで、XcAVは所定時間(例えば1分間)の車線中心点の座標XC(n)の平均値であり、式(3)で表される。
以下、以上で算出された蛇行率SDCに、車線幅やカーブの大きさ、速度、ホイールベース長、ステアリングギヤ比による補正を加える。
まず、蛇行率SDCに対して、車線幅を考慮した補正を施し、車線幅補正蛇行率SDWDを算出する(ステップ106)。すなわち、所定の時間(例えば1分間)における車線幅WDの平均値WDAVにより蛇行率SDCを補正する(式(4))。ここで、車線幅WDは右線45および左線47のx座標(XR、XL)の差(式(6))、車線幅平均WDAVは所定時間の車線幅WD(n)の平均値(式(5))である。
まず、蛇行率SDCに対して、車線幅を考慮した補正を施し、車線幅補正蛇行率SDWDを算出する(ステップ106)。すなわち、所定の時間(例えば1分間)における車線幅WDの平均値WDAVにより蛇行率SDCを補正する(式(4))。ここで、車線幅WDは右線45および左線47のx座標(XR、XL)の差(式(6))、車線幅平均WDAVは所定時間の車線幅WD(n)の平均値(式(5))である。
さらに、カーブの大きさ、車速、ホイールベース長、ステアリングギヤ比を考慮した補正を次に実行する(ステップ107)。
図3(a)に示したように、カーブでは蛇行率の値が大きくなってしまうため、カーブが大きいほど蛇行率が低くなるよう補正する。ここで、カーブの大きさは、操舵角の絶対値平均SAAVで表し、それに係数kaを乗じた補正値α(式(7))により蛇行率を補正する。
操舵角絶対値平均SAAVは、所定時間における操舵角SA(n)の絶対値|SA(n)|の平均値である(式(8))。係数kaは、予め走行試験により、操舵角絶対値と蛇行率との関係から設定される値である。
図3(a)に示したように、カーブでは蛇行率の値が大きくなってしまうため、カーブが大きいほど蛇行率が低くなるよう補正する。ここで、カーブの大きさは、操舵角の絶対値平均SAAVで表し、それに係数kaを乗じた補正値α(式(7))により蛇行率を補正する。
操舵角絶対値平均SAAVは、所定時間における操舵角SA(n)の絶対値|SA(n)|の平均値である(式(8))。係数kaは、予め走行試験により、操舵角絶対値と蛇行率との関係から設定される値である。
さらに、車速による補正を補正値αに加える。同じカーブを低速で走行する場合、高速で走行する場合よりもハンドルを大きくきる必要がある。これを考慮して、低速ほど操舵角絶対値平均SAAVによる補正値αを大きくする補正を、式(9)により行う。式中のVAVは所定時間(例えば1分間)における平均車速であり、式(10)により求める。また、式(9)中の90は、補正対象の基準速度であり、90km/hよりも低速の場合に、補正値βは補正値αよりも大きくなる。また係数kbは、予め走行試験により、車速と操舵角の関係から設定される値である。
図3(b)は、補正値βにより車線幅補正蛇行率SDWDを補正した補正蛇行率MR1(式13)の走行試験結果である。同図(a)と比較し、カーブにおいて、長尺車の補正蛇行率MR1(≒1.95)が適切に補正されている。一方、短尺車の場合、補正蛇行率MR1(≒2)であり、直線における蛇行率(≒1.75)に対して適切な補正が行われていないことが分かる。
上述の方法では、操舵角からカーブの径をいわば推定し、蛇行率を補正していたが、車両のホイールベース長によって、同じ操舵角でも車両の旋回半径は異なるから、操舵角のみによっては正確にカーブ径を推定することができないことに起因すると考えられる。
上述の方法では、操舵角からカーブの径をいわば推定し、蛇行率を補正していたが、車両のホイールベース長によって、同じ操舵角でも車両の旋回半径は異なるから、操舵角のみによっては正確にカーブ径を推定することができないことに起因すると考えられる。
このことは図3(c)からも説明できる。図3(c)は、3種類の車速(60km/h、80km/h、90km/h)の場合の操舵角絶対値平均の値を示す図である。
同図から、短尺車では、同じステアリング比GRである場合に、カーブ走行における操舵角絶対値平均の値が小さいことが分かる。これは、同じカーブを走行する場合に、短尺車の方が長尺車よりもハンドルを切る量が少なくても曲がれること表している。
同図から、短尺車では、同じステアリング比GRである場合に、カーブ走行における操舵角絶対値平均の値が小さいことが分かる。これは、同じカーブを走行する場合に、短尺車の方が長尺車よりもハンドルを切る量が少なくても曲がれること表している。
車両の走行する道路のカーブ径を推定するという観点から更に詳細に蛇行率の補正手法について検討すると、旋回幾何学的に旋回半径は次式で表すことができ、
旋回半径R=ステアリングギヤ比GR×ホイールベース長WB÷操舵角θ
・・・式(16)
ステアリングギヤ比GRと操舵角θが同一ならば、旋回半径Rはホイールベース長WBに応じて変わる。
よって、図4に示すように、補正値βにさらにホイールベース長WBを考慮した補正を加え、補正値γを得る(式(11))。
ここで、式(11)は、ホイールベース長WBが短いほど、同じ操舵角SAAVであっても旋回半径、すなわちカーブ径が小さいと推定して補正の効果を大きくする(すなわち、蛇行率がより小さくなるように補正する)。ここで、kcは予め定めた補正の基準となる定数値である。
旋回半径R=ステアリングギヤ比GR×ホイールベース長WB÷操舵角θ
・・・式(16)
ステアリングギヤ比GRと操舵角θが同一ならば、旋回半径Rはホイールベース長WBに応じて変わる。
よって、図4に示すように、補正値βにさらにホイールベース長WBを考慮した補正を加え、補正値γを得る(式(11))。
ここで、式(11)は、ホイールベース長WBが短いほど、同じ操舵角SAAVであっても旋回半径、すなわちカーブ径が小さいと推定して補正の効果を大きくする(すなわち、蛇行率がより小さくなるように補正する)。ここで、kcは予め定めた補正の基準となる定数値である。
図3(d)は、ホイールベース長WBを考慮した補正値γによる補正蛇行率MR2(式(14))の実験結果である。
同図に示すように、長尺車、短尺車の両者とも、カーブ走行時の蛇行率が直線の場合の蛇行率とほぼ同等となるように補正されたことが分かる。
以上のように、ホイールベース長WBを考慮した式(11)および式(14)による蛇行率の補正により、運転者の注意力の指標となる蛇行率の補正が適切に行うことが可能になった。
尚、式(16)においては、車両の動的な特性は考慮されていないが、補正の対象となる車両のふらつきが所定時間(本実施の形態においては1分間)にわたるものなので、動的特性を考慮しなくても適切に蛇行率を推定できる。
同図に示すように、長尺車、短尺車の両者とも、カーブ走行時の蛇行率が直線の場合の蛇行率とほぼ同等となるように補正されたことが分かる。
以上のように、ホイールベース長WBを考慮した式(11)および式(14)による蛇行率の補正により、運転者の注意力の指標となる蛇行率の補正が適切に行うことが可能になった。
尚、式(16)においては、車両の動的な特性は考慮されていないが、補正の対象となる車両のふらつきが所定時間(本実施の形態においては1分間)にわたるものなので、動的特性を考慮しなくても適切に蛇行率を推定できる。
さらに、前述の式(16)によれば、ホイールベース長WBと操舵角θが同一であってもステアリングギヤ比GRが異なれば旋回半径Rは変わってくる。すなわち、ステアリングギヤ比GRが小さいほど、同じ操舵角でも急なカーブを回れることを表す。
よって、図4に示すように、補正値γにさらにステアリングギヤ比GRを考慮した補正を加え、補正値λを得る(式(12))。この補正値λを使用した補正蛇行率MR3は式(15)で表される。
よって、図4に示すように、補正値γにさらにステアリングギヤ比GRを考慮した補正を加え、補正値λを得る(式(12))。この補正値λを使用した補正蛇行率MR3は式(15)で表される。
ステアリングギヤ比GRは、大型車では例えば25、あるいは20程度であり、車種によって異なることは周知である。係数kdは予め定めた補正の基準となる定数値である。
最後に、ステップ107において補正された蛇行率MRに基づいて、運転者の覚醒度を推定する(ステップ108)。ここで、覚醒度推定の方法については種々の技術が公開されているが、ここでは説明を省略する。蛇行率に限らず、他の情報も加味して運転者の覚醒度を推定してもよい。
最後に、ステップ107において補正された蛇行率MRに基づいて、運転者の覚醒度を推定する(ステップ108)。ここで、覚醒度推定の方法については種々の技術が公開されているが、ここでは説明を省略する。蛇行率に限らず、他の情報も加味して運転者の覚醒度を推定してもよい。
以上のように、覚醒度推定のため所定時間にわたる車線中心点LCの座標の標準偏差SDCを元とした蛇行率を、車線幅、カーブ形状、車速、および、ホイールベース長やステアリングギヤ比で表される車両の種類によって補正し、適切な蛇行率を算出することが可能になる。
また、所定時間にわたる適切な蛇行率が算出されることにより、運転者の覚醒度の状態を適切にとらえることが可能になり、注意力低下時の警告を適切に発することが可能になる。
また、所定時間にわたる適切な蛇行率が算出されることにより、運転者の覚醒度の状態を適切にとらえることが可能になり、注意力低下時の警告を適切に発することが可能になる。
尚、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の改変が可能であり、それらも、本発明の技術範囲に含まれる。例えば、本実施の形態の説明では、蛇行率を1分間の所定時間の各種のデータの平均値から求めたが、この所定時間はこれに限るものではない。また、平均値の算出に1秒ごとの60個の各種データを用いたが、この個数もこれに限るものではない。
1………ECU(電子制御ユニット)
5………表示装置
9………スピーカ
21………車両前方画像データ
41………車両
43………カメラ
45………右線
47………左線
5………表示装置
9………スピーカ
21………車両前方画像データ
41………車両
43………カメラ
45………右線
47………左線
Claims (2)
- 車載カメラが撮像した車両前方画像に基づいて車線に対する前記車両の相対位置を算出する車両位置検出手段と、
前記車両のステアリング操舵角を検出する操舵角検出手段と、
前記車両位置検出手段によって算出された走行時の前記車両の車線に対する相対位置の所定時間にわたる変化量に基づいて前記車両の蛇行状態を算出する蛇行状態算出手段と、
前記操舵角検出手段によって検出されたステアリング操舵角が大きいほど前記蛇行状態算出手段によって算出された蛇行状態を小さくするように補正する補正手段と、
前記補正手段によって補正された蛇行状態に基づいて前記車両の運転者の覚醒度を推定する覚醒度推定手段と、
を備えた車両用覚醒度推定装置であって、
前記補正手段は、更に前記車両のホイールベース長が短いほど、前記蛇行状態を小さくするように補正することを特徴とする車両用覚醒度推定装置。 - 前記補正手段は、前記車両のステアリングギヤ比が小さいほど、前記蛇行状態を大きくするように補正することを特徴とする請求項1記載の車両用覚醒度推定装置。
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---|---|---|---|
JP2006090208A JP2007265101A (ja) | 2006-03-29 | 2006-03-29 | 車両用覚醒度推定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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- 2006-03-29 JP JP2006090208A patent/JP2007265101A/ja active Pending
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