JP2017189906A - 筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸筒に形成するネジの位置とネジの長さとを調整することで、軸筒を螺合により固定してもひび割れが発生しにくい筆記具を提供する。【解決手段】二以上の部材を螺合することで形成される軸筒を備えた筆記具において、前記軸筒は、該軸筒を構成する一の部材に形成された雄ネジと、該軸筒を構成する他の部材に形成された前記雄ネジと螺合可能な雌ネジとを備えており、前記他の部材の口元から前記雌ネジの開始位置までの長さが前記軸筒の内径の20%以上150%以下であることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、二以上の部材を螺合させて形成した軸筒を備えた筆記具に関する。
従来から、筆記具の外部構造である軸筒は、二以上の部材(たとえば、先軸及び後軸)を螺合させて形成するものが知られている。
このような二以上の部材を螺合させて形成した軸筒を備えた筆記具においては、リフィルを交換する場合には、軸筒を分解してリフィルを交換した後、再度二以上の部材を螺合させて組み立てる必要がある。そして、リフィルを複数回交換するなどして、軸筒の分解や、螺合による組み立ての工程を繰り返すことや、必要以上に強く部材を締め付けることや、軸筒表面に手指などの油分が付着すること等により、軸筒を構成する樹脂材料の耐久力が低下して、軸筒を構成する二以上の部材が螺合している箇所にひび割れが発生することがあった。
また、近年では、二以上の部材を螺合させて形成した軸筒を備えたタッチペン付き筆記具が存在している。そして、このタッチペン付き筆記具に用いる軸筒は、静電容量型入力装置に座標情報を入力するために、たとえば、導電性材料を樹脂材料に混練したり、導電性フィルムを樹脂軸の表面に加工したりすることで導電性が付与されている。
このとき、上記の方法で軸筒に導電性を付与した場合には、導電性の付与によって樹脂材料の耐久力が低下して、導電性を有しない軸筒と比べて、軸筒を構成する二以上の部材が螺合している箇所にひび割れが、より発生しやすくなっていた。
このような軸筒のひび割れ対策として、下記の特許文献1には、軸筒を構成する軸本体と先部材のうち、軸本体の内壁に長手方向に形成された山部を有する係合部を設け、先部材の後方から延出する弾性片に、係合部へ係合可能な突出部を設けた技術が開示されている。
実公昭61−19037号公報
しかし、上記の特許文献1の技術では、先部材とは異なる材質の弾性片を先部材の後方に連設しているため、成形が困難となってしまう。また、上記の特許文献1の技術では、先部材から延出する2つの弾性片に設けられた2つの突出部で、先部材と軸本体とを固定しているため、一方の突出部が破損した場合には、軸本体と先部材との固定を維持できなくなる恐れがある。
そこで、本発明は、軸筒に形成するネジの位置とネジの長さとを調整することで、軸筒を螺合により固定してもひび割れが発生しにくい筆記具を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような構成を備える。
(第1の発明)
本発明のうち第1の発明は、二以上の部材を螺合することで形成される軸筒15を備えた筆記具10において、前記軸筒15は、該軸筒15を構成する一の部材30に形成された雄ネジ33と、該軸筒15を構成する他の部材20に形成された前記雄ネジ33と螺合可能な雌ネジ25とを備えており、前記他の部材20の口元26から前記雌ネジ25の開始位置までの長さが前記軸筒15の内径の20%以上150%以下であることを特徴とする。20%未満とするとひび割れが発生しやすくなり、150%より大きくするとひび割れは著しく抑制されるものの螺合しにくくなり、組み立て性に欠ける。
ここで、「他の部材20の口元26」とは、軸筒15を構成する他の部材20の端部に形成された開口のうち、雌ネジ25の形成箇所に近いものを意味する。
また、「雌ネジ25の開始位置」とは、他の部材20の口元26から最も近い位置にある雌ネジ25の端部を意味する。
(第2の発明)
本発明のうち第2の発明は、前記した第1の発明の特徴に加え、前記雌ネジ25の長さが前記軸筒15の内径の80%以上200%以下であることを特徴とする。80%未満とするとひび割れが発生しやすくなり、200%より大きくするとひび割れは著しく抑制されるものの螺合完了までに時間を要してしまい、組み立て性に欠ける。
ここで、「雌ネジ25の長さ」とは、軸筒15と平行に伸びる雌ネジ25の一端から他端までの長さを意味する。
(第3の発明)
本発明のうち第3の発明は、前記した第1又は第2の発明の特徴に加え、前記軸筒15の少なくとも一部は導電性を有しているとともに、導電性を有し、かつ、該軸筒15と導電しているタッチペン部材40を備えたことを特徴とする。
ここで、「タッチペン部材40」とは、導電性を有する素材で形成された部材である。このタッチペン部材40の素材は、導電性を有していれば特に限定されない。また、軸筒15の表面のインピーダンスは、測定周波数が1KHzにおいて、5.0×10Ωを超えて1.5×10Ω以下であることが望ましい。なお、測定周波数は、キーサイト・テクノロジー社製ハンドヘルドLCRメータU1733Cを用い、軸筒15の前端と後端に電極をセットして測定した値である。
本発明に係る筆記具は、他の部材の口元から雌ネジの開始位置までの長さが軸筒の内径の20%以上150%以下で形成されている。そのため、本発明によれば、軸筒を螺合により固定してもひび割れが発生しにくい筆記具を提供することができる。
また、雌ネジの長さが軸筒の内径の80%以上200%以下で形成されていることにより、軸筒を螺合により固定しても、よりひび割れが発生しにくい筆記具を提供することができる。
さらに、本発明に係る筆記具は、上記のように、他の部材の口元から雌ネジの開始位置までの長さと雌ネジの長さとを調整したことで、螺合により固定される軸筒の一部が導電性を有していても、ひび割れが発生しにくい筆記具を提供することができる。
本実施の形態に係る筆記具の没入状態における右側面図(A)及び右側面断面図(B)である。 本実施の形態に係る先軸の右側面図(A)及び右側面断面図(B)である。 本実施の形態に係る後軸の背面図(A)及び右側面断面図(B)である。 本実施の形態に係る筆記具の没入状態における斜視図(A)及び突出状態における斜視図(B)である。 本発明の第1の実施の形態に係るタッチペン部材と後軸との固定状態を示した断面図である。 本実施の形態に係るスライドノック部材の斜視図(A)及び平面図(B)である。 本実施の形態に係る後軸とスライドノック部材との没入状態における断面図(A)及び突出状態における断面図(B)である。 本発明の第2の実施の形態に係るタッチペン部材と後軸との固定状態を示した断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るタッチペン部材と後軸との固定状態を示した断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本実施の形態に係る筆記具10として、軸筒15の後端に導電性を有するタッチペン部材40を備え、軸筒15の先端には筆記先端61を備えたタッチペン付き筆記具10を例に説明する。なお、本実施の形態において、筆記具10及びその構成部品についての「前方」とは筆記先端61を備えた方向を示し、「後方」とはその反対側の方向を示すものとする。
(第1の実施の形態)
(全体構成)
本実施の形態に係る筆記具10は、図1(A)に示すように、先軸30と、先軸30と螺合することにより固定される後軸20とからなる軸筒15を備えている。また、本実施の形態に係る筆記具10は、後軸20の後端に装着された導電性を有するタッチペン部材40と、後軸20の後方に装着されたスライドノック部材50とを備えている。
また、図1(B)に示すように、筆記具10の内部には、ボールペンリフィル60が収容されており、その先端が筆記先端61となっている。なお、本実施の形態に係る筆記先端61はボールペンであるが、これに限らず、シャープペンシル、フェルトペン、マーカーペン、感圧式タッチペン等を「筆記先端61」としてもよい。
ここで、本実施の形態においては、筆記具10から筆記先端61が突出している状態を「突出状態」とし、筆記先端61が筆記具10内に収容されている状態を「没入状態」とする。
(先軸30)
図2(A)及び(B)に示すように、先軸30とは、軸筒15の前方側を構成し、その前方部分が先細り形状を呈した中空の部材である。この先軸30は、その先端面に設けられた開口である先端口34と、前方にかけて外径が縮径された略円錐形状の先軸前部31と、先軸前部31の後方に連設する筒形状の先軸後部32と、先軸後部32の中央付近の外周面に形成された先軸雄ネジ33とを備えている。なお、先軸30が本発明に係る筆記具10の「一の部材」に相当し、先軸雄ネジ33が本発明に係る筆記具10の「雄ネジ」に相当する。
(後軸20)
図3(A)及び(B)に示すように、後軸20とは、先軸30と固定されることで軸筒15の後方側を構成する中空の筒形部材である。この後軸20は、その先端面に設けられた開口である口元26と、後軸20の胴部分を構成する後軸胴部21と、この後軸胴部21の後端に連設し、その後方にかけて外径が縮径された後軸後部22とを備えている。なお、後軸20が本発明に係る筆記具10の「他の部材」に相当する。
また、図3(B)に示すように、後軸胴部21の側面の一部は開口しており、その開口がスリット24として用いられる。このスリット24は、後軸胴部21の側面に2つ形成されており、これら2つのスリット24が軸心を挟んで対向するように配置されている(図1(B)参照)。そして、このスリット24の長さを最大範囲として、スライドノック部材50が前後方向に移動可能となっている。
また、図5に示すように、後軸後部22は、タッチペン部材40を装着するための筒形状のホルダー70と、ホルダー70に装着されたタッチペン部材40を固定すべく、後軸後部22の後端部分を開口して形成された圧入溝72とを備えている。なお、この圧入溝72の幅は、タッチペン部材40の厚みよりもやや狭くなるように形成されている。また、ホルダー70の先端付近には、後述する内方突起44と係合すべく、ホルダー70の全周に渡って係合溝71が形成されている。
また、図3(B)に示すように、口元26のやや後方には、先軸雄ネジ33と螺合可能な後軸雌ネジ25が形成されている。なお、後軸雌ネジ25が本発明に係る筆記具10の「雌ネジ」に相当する。
このとき、本実施の形態では、口元26から後軸雌ネジ25の開始位置までの長さβが後軸20の内径αの85%で形成されている。また、本実施の形態では、後軸雌ネジ25の長さγが後軸20の内径αの137%で形成されている。
ここで、本実施の形態に係る後軸20は、少なくともその後端側の部分、すなわち、タッチペン部材40と接する後軸後部22の表面が導電性を有するように、たとえば、カーボンブラック等が含まれた導電性樹脂又は金属材料等を含む導電性の転写フィルムによって一体的に成形されている。この時の後軸20のインピーダンスは7.18×10Ωである。
そのため、本実施の形態に係る筆記具10を形成する上で、後軸20からタッチペン部材40までの間に介在する部材数を少なくすることができ、静電容量を減衰させずにタッチペン部材40への導電を行うことが可能となっている。
また、本実施の形態では、先軸30と後軸20とは、先軸雄ネジ33と後軸雌ネジ25とを螺合させることにより固定される。なお、上記「雄ネジ」、「雌ネジ」の選択は特に限定されるものではなく、「先軸雌ネジ」と「後軸雄ネジ」として形成して、これらを螺合させることにより先軸30と後軸20とを固定することも可能である。なお、先軸30、後軸20との螺合を30N・cmで締め付けとし、後軸20の表面に市販のオリーブ油を塗布し、常温(25℃)環境下で3日間放置したところ、後軸20の表面にヒビは発生しなかった。
また、本実施の形態に係る軸筒15は、先軸30は非導電性材質で形成し、後軸20のうち少なくとも後軸後部22は導電性材質で形成している。
なお、先軸30を後軸20と同じく導電性材質で形成してもよいが、その場合には、筆記具10の内部機構を含めた部品成形が困難になることや、筆記中にタッチペン部材40が予期せずに静電容量型入力装置に触れたときに、誤作動を起こす懸念が生じる。
したがって、先軸30は、部品成形の容易性や誤作動防止の観点から、非導電性プラスチックなどの非導電性材質から形成されることで、導電性を有しないこととするのが望ましい。
一方、後軸20及び先軸30を非導電性材質で形成し、後軸20の表面に金属製の筒部材を被覆したり、後軸20の表面に金属メッキや導電性フィルムを施したりすることによって、後軸20の表面のみが導電性を有するように形成してもよい。上記のいずれの場合においても、少なくとも、後軸後部22の表面は導電性を有するように形成されている。
(タッチペン部材40)
図5に示すように、タッチペン部材40は、本実施の形態に係る筆記具10において、静電容量型入力装置の操作を行う部分である。
タッチペン部材40は、導電性を有する素材で断面逆U字状に形成された弾性部材41と、この弾性部材41の表面に静電植毛された導電性繊維42とから構成されている。
ここで、弾性部材41は、導電性を有する素材で断面逆U字状に形成された中空の部材である。この弾性部材41の内径は、後軸後部22に形成された圧入溝72に弾性部材41が圧入可能な幅で形成されている。また、弾性部材41の先端の内周面は、内方に向けて突出しており、後軸後部22との固定に用いられる内方突起44が形成されている。
また、本実施の形態に係る弾性部材41は、導電性ゴムを用いて形成されている。なお、弾性部材41の素材は、導電性を有していれば特に限定されない。
たとえば、弾性部材41の素材として、金属材料、表面にメッキ処理を施した材料、炭素材料を使用してもよい。また、弾性部材41の素材として、静電容量型入力装置の液晶画面に接触させる関係上、より軟質なものとして、たとえば、ポリチオフェン又はポリピロールのような導電性の高分子材料を使用してもよい。さらに、弾性部材41は、ポリチオフェン又はポリピロールのような導電性の高分子材料を表面にコーティングして形成してもよい。
また、弾性部材41は断面逆U字状に形成された中空の部材であるため、タッチペン部材40が静電容量型入力装置に強く押しつけられた際には、中空部分の体積だけ弾性変形する。そして、弾性変形した弾性部材41は、後軸後部22に受け止められることとなるため、静電容量型入力装置にタッチペン部材40を強く押しつけても、静電容量型入力装置の液晶画面を破損することがない。
そして、本実施の形態に係るタッチペン部材40は、弾性部材41の表面に導電性繊維42が静電植毛された後、後軸後部22に装着される。この導電性繊維42は、ゴム等の弾性素材を用いたものと比べて、操作時の滑りがよいことを特徴とするため、細かい写真の加工や製図、精密な絵を液晶画面上で描く場合などにも用いることができる。
(スライドノック部材50)
図6に示すように、スライドノック部材50は、スリット24の一方に沿って移動するスライド突起51と、スライド突起51の後方側の側面に連設する板状の平板部55と、平板部55の先端に連設する挿入部54と、平板部55と挿入部54との間に形成されたスプリング受け段差56と、平板部55の後端付近から外方に向けて突出している係止突起53と、平板部55の後方側の側面から突出し、他方のスリット24に沿って移動する解除突起52とから構成されている。なお、スライドノック部材50は全構成部材が一体となっており、スライド突起51の前後への移動に伴って、その他の構成部材も連動して、スライド突起51と同一方向に移動する。
(スライド突起51)
図6(A)及び(B)に示すように、スライド突起51とは、常に一方のスリット24から突出している部材であって(図1及び図4参照。)、使用者がこのスライド突起51を前方に移動させることで、筆記先端61が先端口34から突出する。
また、図1(B)に示すように、スライド突起51は、その先端に、軸方向に向けて突出するクリップ57が設けられている。このクリップ57は、衣服のポケット等をクリップ57と後軸20の外周面との間で挟持することで、衣服に筆記具10を保持することができる。
(平板部55)
図6(A)に示すように、平板部55とは、スライドノック部材50の胴部分を構成するものであり、その全体が後軸20内に収容されている(図1(B)参照)。この平板部55は、スライド突起51の前後への移動に連動して後軸20内を移動する。
(挿入部54)
図6(A)に示すように、挿入部54とは、平板部55の先端に連設し、ボールペンリフィル60の後端に挿入される部材である。この挿入部54は、スライド突起51の前方への移動の際には、この移動に連動して、ボールペンリフィル60を前方に押し出しながら後軸20内を移動する。
(スプリング受け段差56)
図6(A)に示すように、スプリング受け段差56とは、平板部55と挿入部54との間に形成された段差であって、この段差に接触するようにスプリング62が装着される(図1(B)参照。)。スライド突起51が前方へ移動すると、この移動に連動して、スプリング受け段差56と先軸後部32の後端との間でスプリング62が圧縮される。
(係止突起53)
図6(A)及び(B)に示すように、係止突起53とは、その突起が後述するレール部23を乗り越え、かつ、スプリング62の弾性作用により係止突起53がレール部23に押圧されることで、突出状態の維持を図る部材である。なお、係止突起53の作用については後述する。
(解除突起52)
図6(A)及び(B)に示すように、解除突起52とは、筆記具10が没入状態から突出状態へ変化したことを契機に、他方のスリット24から突出し、その突起を押圧することで筆記先端61の没入に関与する部材である。なお、解除突起52の作用については後述する。
(レール部23)
図7(A)及び(B)に示すレール部23は、後軸胴部21の内部に形成されたものであり、その外観が断面逆L字状を呈している。
図7(A)は、没入状態における後軸胴部21とスライドノック部材50との断面図であり、没入状態においては、レール部23と後軸胴部21の内周面との間に係止突起53が位置している。
一方、図7(B)は、突出状態における後軸胴部21とスライドノック部材50との断面図であり、突出状態においては、係止突起53がレール部23を乗り越えてレール部23の直前に位置している。
(没入状態から突出状態への変遷)
以下、本実施の形態に係る筆記具10が没入状態から突出状態へ移動し、再び没入状態に戻るまでの流れを説明する。
(1) 没入状態から突出状態への変化
図4(A)は筆記具10の没入状態を示した斜視図である。この状態からスライド突起51を前方へ移動させると、ボールペンリフィル60の後端に挿入された挿入部54が、スライド突起51の移動に連動して、ボールペンリフィル60を前方に押し出しながら後軸20内を移動する。その結果、先端口34から筆記先端61が突出し、筆記具10が図4(A)に示す「没入状態」から図4(B)に示す「突出状態」へ移動する。
ここで、「没入状態」から「突出状態」へ移動した場合には、図7(B)に示すように、係止突起53がレール部23を乗り越えてレール部23の直前に位置している。そして、この係止突起53は、前方からレール部23に対してスプリング62によって押圧されているため、筆記具10の突出状態が維持されている。
すなわち、突出状態に至るまでスライド突起51を前方へ移動させると、この移動に連動してレール部23上を移動していた係止突起53がレール部23上から軸心方向へ陥落して、係止突起53がレール部23の直前に位置する。
そして、スライド突起51の移動に連動して、スプリング受け段差56と先軸後部32の後端との間でスプリング62が圧縮されるため、このスプリング62の付勢力により係止突起53が前方からレール部23に対して押圧されることで、筆記具10の突出状態が維持されている。
なお、係止突起53がレール部23上から陥落するのと同時に、他方のスリット24から解除突起52が突出する。
(2) 突出状態から没入状態への変化
図4(B)は筆記具10の突出状態を示した斜視図である。この状態から解除突起52を押圧すると、係止突起53がスプリング62によってレール部23に押圧されている状態が解除され、係止突起53がレール部23上に復帰する。その結果、スプリング受け段差56と先軸後部32の後端との間で圧縮されていたスプリング62が開放され、このスプリング62の弾性作用によりスライドノック部材50が後方へ移動して、筆記具10が図4(B)に示す「突出状態」から図4(A)に示す「没入状態」へ移動する。
(タッチペン部材40と後軸20との固定方法)
第1の実施の形態におけるタッチペン部材40と後軸20との固定方法は、タッチペン部材40を直接、後軸20に固定するものである。以下、図5を参照して説明する。
図5は、後軸後部22の拡大断面図であり、タッチペン部材40と後軸20との固定方法を示したものである。
このとき、タッチペン部材40と後軸20との固定方法は、内方突起44が係合溝71に係合するまでタッチペン部材40を直接、後軸後部22内に圧入するものである。すなわち、内方突起44及び係合溝71の抜け止め作用と、圧入溝72による加圧とでタッチペン部材40を後軸20に固定するものである。
(第2の実施の形態)
以下、図8を参照して、本発明の実施の形態に係る第2の実施の形態を説明する。また、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一の構成要素には、第1の実施の形態において用いた符号と同一の符号を用いている。そして、第1の実施の形態と重複する部分は説明を省略し、第2の実施の形態における特徴点を中心に説明する。
(タッチペン部材40と後軸20との固定方法)
第2の実施の形態におけるタッチペン部材40と後軸20との固定方法は、タッチペン部材40を直接、後軸20と固定させずに、タッチペン部材40の後軸20への固定を補助する筒形状の固定部材80を設け、この固定部材80を介してタッチペン部材40を後軸20に固定するものである。以下、図8を参照して説明する。
図8は、後軸後部22の拡大断面図であり、タッチペン部材40と後軸20との固定方法を示したものである。図8に示すように、タッチペン部材40の先端の外周面には、全周に渡って突出した外方突起43が形成されている。また、後軸後部22の中央付近の外周面には、後軸後部雄ネジ27が形成されている。
一方、固定部材80は、タッチペン部材40と係合すべく、固定部材80の後端に形成された内方段部81と、固定部材80の内周に形成され、後軸後部雄ネジ27と螺合可能な固定部材雌ネジ82とを備えている。
本実施の形態では、口元26から後軸雌ネジ25の開始位置までの長さβが後軸20の内径αの109%で形成されている。また、本実施の形態では、後軸雌ネジ25の長さγが後軸20の内径αの94%で形成されている。導電抵抗は1.01×10Ωである。なお、先軸30、後軸20との螺合を30N・cmで締め付けとし、後軸20の表面に市販のオリーブ油を塗布し、常温(25℃)環境下で3日間放置したところ、後軸20の表面にヒビは発生しなかった。
このとき、タッチペン部材40と後軸20との固定方法は、外方突起43と内方段部81とを係合させた後、固定部材雌ネジ82と後軸後部雄ネジ27とを螺合させることにより、固定部材80を介してタッチペン部材40を後軸後部22に固定するものである。なお、上記「雄ネジ」、「雌ネジ」の選択は特に限定されるものではなく、「後軸後部雌ネジ」と「固定部材雄ネジ」として形成して、これらを螺合させることにより後軸後部22と固定部材80とを固定することも可能である。
(第3の実施の形態)
以下、図9を参照して、本発明の実施の形態に係る第3の実施の形態を説明する。また、第3の実施の形態において、第1、第2の実施の形態と同一の構成要素には、第1、第2の実施の形態において用いた符号と同一の符号を用いている。そして、第1、第2の実施の形態と重複する部分は説明を省略し、第3の実施の形態における特徴点を中心に説明する。
本実施の形態では、口元26から後軸雌ネジ25の開始位置までの長さβが後軸20の内径αの140%で形成されている。また、本実施の形態では、後軸雌ネジ25の長さγが後軸20の内径αの175%で形成されている。導電抵抗は1.32×10Ωである。なお、先軸30、後軸20との螺合を30N・cmで締め付けとし、後軸20の表面に市販のオリーブ油を塗布し、常温(25℃)環境下で3日間放置したところ、後軸20の表面にヒビは発生しなかった。
(タッチペン部材40と後軸20との固定方法)
第3の実施の形態におけるタッチペン部材40と後軸20との固定方法は、タッチペン部材40を直接、後軸20と固定させずに、タッチペン部材40の後軸20への固定を補助する筒形状の介在部材90を設け、この介在部材90を介してタッチペン部材40を後軸20に固定するものである。以下、図9を参照して説明する。
図9は、後軸後部22の拡大断面図であり、タッチペン部材40と後軸20との固定方法を示したものである。図9(A)に示すように、タッチペン部材40の先端の内周面には、全周に渡って突出した内方突起44が形成されている。
一方、介在部材90は、図9(A)及び(B)に示すように、介在部材90の中央付近の全周に渡って形成され、内方突起44と係合可能な係合溝71と、介在部材90の先端側の一部から外方に向けて突出した鍵山91とを備えている。なお、後軸後部22の内部には、鍵山91を通過させるべく、鍵山91が通過可能な形状に開口された鍵山挿入孔92と、この鍵山挿入孔92を鍵山91が通過した後、鍵山91と係合すべく、鍵山挿入孔92の周囲の閉塞部分である鍵受け部93とを備えている。
このとき、タッチペン部材40と後軸20との固定方法は、内方突起44を係合溝71に係合させた後、タッチペン部材40と一体になった介在部材90を後軸後部22に挿入して、鍵山挿入孔92を鍵山91が通過した後、介在部材90を回転させて、鍵山挿入孔92から鍵山91を引き離すものである。すなわち、鍵山91と鍵受け部93とを接触させることにより、鍵山91及び鍵受け部93の各々が抜け止めとなるので、タッチペン部材40を引き抜くことができない構造となっている。
比較例として図1のネジ位置のみ異ならせた形状で確認した。
比較例では、口元26から後軸雌ネジ25の開始位置までの長さβが後軸20の内径αの18%で形成されている。また、比較例では、後軸雌ネジ25の長さγが後軸20の内径αの76%で形成されている。導電抵抗は6.45×10Ωである。本比較例においては、先軸30、後軸20との螺合を30N・cmで締め付けとし、後軸20の表面に市販のオリーブ油を塗布し、常温(25℃)環境下で3日間放置したところ、後軸20の表面にヒビが発生した。
(本実施の形態に係る筆記具10の作用効果)
本実施の形態に係る筆記具10は、以上のように構成されているので、以下の作用効果を奏する。
第1、第2及び第3の実施の形態に係る筆記具10は、後軸20を導電性材質で一体的に成形したことにより、後軸20からタッチペン部材40までの間が単一部材となっている。そのため、タッチペン部材40へより多くの静電容量が供給可能となる結果、反応性に富み、スムーズな操作が可能なタッチペン付き筆記具10を提供することができる。
また、第1の実施の形態における筆記具10は、タッチペン部材40が直接、後軸20に固定されるように形成したことで、別の部材を介さずタッチペン部材40を後軸20に固定することができる。そのため、タッチペン部材40へより多くの静電容量が供給可能となる結果、反応性に富み、スムーズな操作が可能なタッチペン付き筆記具10を提供することができる。
さらに、第1の実施の形態における筆記具10は、後軸20からタッチペン部材40までの間を単一部材としたことにより、タッチペン付き筆記具10に用いられる部材数を減少させることができたため、製作面及びコスト面にも優れたものとなる。
また、第2の実施の形態における筆記具10は、タッチペン部材40自体を後軸20に固定させずに、固定部材80を介して後軸20と固定するように形成している。そのため、タッチペン部材40の交換時にタッチペン部材40を容易に後軸20から取り外すことができるので、消耗したタッチペン部材40を容易に交換可能なタッチペン付き筆記具10を提供することができる。
さらに、第3の実施の形態における筆記具10は、タッチペン部材40の一部を覆うことなく一体化した介在部材90を介して、タッチペン部材40が後軸20に固定されるように形成している。そのため、タッチペン部材40の導電経路上に別の部材が存在しないこととなる結果、第2の実施の形態と比べて、タッチペン部材40へより多くの静電容量が供給可能なタッチペン付き筆記具10を提供することができる。
第1、第2及び第3の実施の形態に係る筆記具10は、口元26から後軸雌ネジ25の開始位置までの長さβが後軸20の内径αの20%以上150%以下で形成されている。そのため、第1、第2及び第3の実施の形態によれば、軸筒15を螺合により固定してもひび割れが発生しにくい筆記具10を提供することができる。
また、第1、第2及び第3の実施の形態に係る筆記具10は、口元26から後軸雌ネジ25の開始位置までの長さβが後軸20の内径αの20%以上150%以下、さらに、後軸雌ネジ25の長さγが後軸20の内径αの80%以上200%以下で形成されている。そのため、第1、第2及び第3の実施の形態によれば、軸筒15を螺合により固定しても、よりひび割れが発生しにくい筆記具10を提供することができる。
さらに、第1、第2及び第3の実施の形態に係る筆記具10は、上記のように、口元26から後軸雌ネジ25の開始位置までの長さβと後軸雌ネジ25の長さγとを調整したことで、螺合により固定される軸筒15の一部が導電性を有していても、ひび割れが発生しにくい筆記具10を提供することができる。なお、軸筒15及び後軸雌ネジ25は、タッチペンの機能を必要としなければ導電性を有しなくてもよい。
(その他)
上記の実施の形態の他、本発明には、以下に示すような変形例も可能である。
タッチペン部材40は、導電性のある材質で形成されていればペン芯形状に限定されず、ブラシ状、ハケ状、スポンジ状、球状のゴムなどで形成することもできる。
また、ボールペンリフィル60に収容されるインクを、公知である熱変色性インク又は消しゴム消去性インクとしてもよい。このとき、後端に装着されるタッチペン部材40を、上記のインクに応じて熱可塑性エラストマー又は消しゴムで形成されたゴム弾性を有する材料とすることによって感圧式タッチペンや消せるノック式ボールペン、熱変色性筆記具として形成することとしてもよい。
さらに、上記の実施の形態とは異なり、タッチペンを備えていない筆記具においても本発明を採用することができる。
10 筆記具 15 軸筒
20 他の部材(後軸) 21 後軸胴部
22 後軸後部 23 レール部
24 スリット 25 雌ネジ(後軸雌ネジ)
26 口元 27 後軸後部雄ネジ
30 一の部材(先軸) 31 先軸前部
32 先軸後部 33 雄ネジ(先軸雄ネジ)
34 先端口
40 タッチペン部材 41 弾性部材
42 導電性繊維 43 外方突起
44 内方突起
50 スライドノック部材 51 スライド突起
52 解除突起 53 係止突起
54 挿入部 55 平板部
56 スプリング受け段差 57 クリップ
60 ボールペンリフィル 61 筆記先端
62 スプリング
70 ホルダー 71 係合溝
72 圧入溝
80 固定部材 81 内方段部
82 固定部材雌ネジ
90 介在部材 91 鍵山
92 鍵山挿入孔 93 鍵受け部

Claims (3)

  1. 二以上の部材を螺合することで形成される軸筒を備えた筆記具において、
    前記軸筒は、該軸筒を構成する一の部材に形成された雄ネジと、該軸筒を構成する他の部材に形成された前記雄ネジと螺合可能な雌ネジとを備えており、
    前記他の部材の口元から前記雌ネジの開始位置までの長さが前記軸筒の内径の20%以上150%以下であることを特徴とする筆記具。
  2. 前記雌ネジの長さが前記軸筒の内径の80%以上200%以下であることを特徴とする請求項1記載の筆記具。
  3. 前記軸筒の少なくとも一部は導電性を有しているとともに、導電性を有し、かつ、該軸筒と導電しているタッチペン部材を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の筆記具。
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