JP2017186589A - 粗硫酸ニッケル溶液の製造方法 - Google Patents

粗硫酸ニッケル溶液の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ニッケルマットを原料として加圧浸出することで粗硫酸ニッケル溶液を製造するプロセスにおいて、オートクレーブ内の攪拌翼への澱物の堆積を防いで、生産能力の低下を抑制することができる方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る粗硫酸ニッケル溶液の製造方法は、ニッケルマットと硫黄とを含有するスラリー20をオートクレーブ1に装入し、空気雰囲気下で、攪拌翼11で攪拌しながら加圧浸出して製造する方法であって、攪拌翼11の位置に対して上方部及び下方部のそれぞれに高圧空気を吹き込む配管12A,12Bを独立して設けることによって、各配管12A,12Bからの吹き込み量をそれぞれ独立に制御しながら高圧空気をオートクレーブ1内に吹き込む。
【選択図】図2

Description

本発明は、粗硫酸ニッケル溶液の製造方法に関するものであり、ニッケルマットを含むスラリーをオートクレーブ内で攪拌しながら加圧浸出して粗硫酸ニッケル溶液を製造する方法、その方法に用いるオートクレーブ、並びに攪拌翼への澱物堆積防止方法に関する。
ニッケル塩類は、一般の電解めっき、ハードディスク用の無電解めっき等のめっき原料として使用されている。また、ニッケル塩類は、電池材料の原料としても使用されており、近年ではハイブリットカーの普及によりその電池材料向けの需要が増加している。
硫酸ニッケルは、ニッケルマットを硫黄と共にスラリー状にし、オートクレーブ内で加圧浸出した液、及び、ニッケル、コバルトの水酸化物の溶解液から、鉄やコバルトといった不純物を酸化中和や溶媒抽出等の方法を用いて除去することによって製造することができる(例えば、特許文献1)。
この中で、具体的に、ニッケルマットと硫黄とを、オートクレーブを用いて加圧浸出させて粗硫酸ニッケル溶液を得る加圧浸出工程においては、ニッケルマットと硫黄とを混合した濃度150g/L〜250g/Lのスラリーを、加圧反応容器であるオートクレーブに送液し、1.0MPa〜1.6MPa、130℃〜160℃の高圧空気雰囲気下で反応させることで、粗硫酸ニッケル溶液が得られる。加圧浸出工程では、例えば、内部が隔壁により3室以上に分かれているオートクレーブにて、以下の反応式に示す反応が生じる。
Ni+S+2O→NiSO
Ni+S+6O→3NiSO
ところが、近年の需要増大に基づいて、原料であるニッケルマットの装入量を増加させた場合、オートクレーブの第1の区画室(第1室)において未反応のニッケルマットを主とする澱物が攪拌翼に堆積することがある。攪拌翼に澱物が堆積すると、攪拌装置に振動が生じてしまうため、一旦反応を停止してオートクレーブ攪拌翼へ堆積した澱物を除去する作業が必要となる。しかしながら、加圧浸出反応を停止して攪拌翼に堆積した澱物を除去する作業は、2日間以上の日数を要することから、稼働率、つまり生産能力が著しく低下してしまうことが問題となっている。
特開2011−32149号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、ニッケルマットを原料として加圧浸出することで粗硫酸ニッケル溶液を製造するプロセスにおいて、オートクレーブ内の攪拌翼への澱物の堆積を防いで、生産能力の低下を抑制することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、攪拌翼の位置に対して上方部及び下方部のそれぞれに高圧空気を吹き込む配管を独立して設け、各配管からの吹き込み量をそれぞれ独立に制御しながら高圧空気を吹き込むことによって、上述した課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明の第1の発明は、ニッケルマットと硫黄とを含有するスラリーをオートクレーブに装入し、空気雰囲気下で、攪拌翼で攪拌しながら加圧浸出して粗硫酸ニッケル溶液を製造する方法において、前記攪拌翼の位置に対して上方部及び下方部のそれぞれに高圧空気を吹き込む配管を独立して設けることによって、各配管からの吹き込み量をそれぞれ独立に制御しながら高圧空気を前記オートクレーブ内に吹き込む、粗硫酸ニッケル溶液の製造方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記攪拌翼の上方部に高圧空気を吹き込む配管を介した空気吹き込み量を、全量に対して10%〜30%の割合とし、該攪拌翼の下方部に高圧空気を吹き込む配管を介した空気吹き込み量を、全量に対して70%〜90%の割合とする、粗硫酸ニッケル溶液の製造方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、1.0MPa〜1.6MPa、130℃〜160℃の空気雰囲気下で加圧浸出する、粗硫酸ニッケル溶液の製造方法である。
(4)本発明の第4の発明は、ニッケルマットと硫黄とを含有するスラリーを装入し、空気雰囲気下で、加圧浸出して粗硫酸ニッケル溶液を製造するためのオートクレーブであって、内部が隔壁により複数の区画室に区画されている反応容器本体と、各区画室内に配置され、前記スラリーを攪拌する攪拌翼と、各区画室内に高圧空気を吹き込む空気吹き込み配管と、を備え、少なくとも最も上流に位置する第1の区画室においては、前記空気吹き込み配管が、前記攪拌翼の位置に対して上方部及び下方部のそれぞれに高圧空気を吹き込むことが可能なように独立して2本設けられている、オートクレーブである。
(5)本発明の第5の発明は、ニッケルマットと硫黄とを含有するスラリーをオートクレーブに装入し、空気雰囲気下で、攪拌翼で攪拌しながら加圧浸出して粗硫酸ニッケル溶液を製造する方法における、該攪拌翼への澱物堆積防止方法であって、前記攪拌翼の位置に対して上方部及び下方部のそれぞれに高圧空気を吹き込む配管を独立して設けることによって、各配管からの吹き込み量をそれぞれ独立に制御しながら高圧空気を前記オートクレーブ内に吹き込む、攪拌翼への澱物堆積防止方法である。
本発明によれば、オートクレーブ内の攪拌翼への澱物の堆積を効果的に防ぐことができ、生産能力の低下を抑制することができる。
オートクレーブの構成の一具体例を示す断面図である。 攪拌翼と空気吹き込み配管との位置関係を説明するための図である。 比較例にて使用した、従来のオートクレーブの空気吹き込み配管の構造を説明するための図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
本実施の形態に係る粗硫酸ニッケル溶液の製造方法は、電池材料向けの水酸化ニッケルの原料となる硫酸ニッケルを製造するプロセスにおける、粗硫酸ニッケル溶液を製造する方法である。具体的に、この粗硫酸ニッケル溶液の製造方法では、原料であるニッケルマットと硫黄とを含有するスラリーを加圧反応容器であるオートクレーブに装入し、所定の温度及び圧力の条件の空気雰囲気下で、スラリーを攪拌翼により攪拌しながら加圧浸出することによって、粗硫酸ニッケル溶液を得る。
粗硫酸ニッケル溶液の製造において、オートクレーブ内では、スラリー中のニッケルマットのニッケル全量が粗硫酸ニッケル溶液にはならず、一部は塩基性硫酸ニッケルのスラリーとして、オートクレーブから排出された後に硫酸を添加し溶解させることが必要である。また、未溶解物については、フィルタープレス等の固液分離装置により分離され、最終的に約120g−Ni/Lの粗硫酸ニッケル溶液が得られる。
図1は、オートクレーブの構成の一具体例を示す断面図である。図1に示すように、オートクレーブ1は、内部が隔壁により複数の区画室に区画されている反応容器本体10と、各区画室内に配置され、ニッケルマットと硫黄とを含有するスラリー20を攪拌する攪拌翼11とを備えている。
(反応容器本体)
反応容器本体10は、ニッケルマットと硫黄とを含有するスラリーが装入され、そのスラリーに対して加圧浸出処理を施す反応場となる。反応容器本体10は、隔壁によって例えば3室以上の複数の区画室に区画されており、各区画室内にスラリー20が順次に移送され処理される。
反応容器本体10では、高圧空気が吹き込まれて、例えば1.0MPa〜1.6MPa程度、好ましくは1.5MPa程度の空気雰囲気を保持している。また、温度(反応温度)は、反応熱による発熱及び冷却水の添加により、130℃〜160℃程度、好ましくは150℃程度となるように制御している。
具体的に、反応容器本体10では、最も上流に位置する第1の区画室(第1室)にスラリー20が供給されると、以降、各区画室内にスラリー20が順に移送される。各区画室では、高圧空気雰囲気下において、スラリー20が攪拌されながら浸出処理が施され、ニッケルマットに含まれているニッケルを浸出させる。
(攪拌翼)
攪拌翼11は、反応容器本体10の各区画室の略中央部に設けられ、各区画室内のスラリーを攪拌する。攪拌翼11は、駆動装置11Rに接続された攪拌軸11aが回転することによって旋回し、そのスラリーを攪拌する。
(空気吹き込み配管)
また、オートクレーブ1は、各区画室内に高圧空気(圧縮空気)を吹き込む空気吹き込み配管12を備えている。空気吹き込み配管12は、図示しない高圧空気の供給源に接続されており、その供給源からの高圧空気を反応容器本体10内に吹き込む。
オートクレーブ1の各区画室に吹き込む高圧空気は、それぞれ独立に制御されており、各区画室内において、吹き込む高圧空気の量(吹き込み量)を任意に調整することができる。具体的に、オートクレーブ1の最も上流に位置する第1の区画室(第1室)への高圧空気の吹き込み量としては、例えば1000Nm/Hr〜1500Nm/Hrとすることができる。また、第2の区画室(第2室)へは、第1室とは別に、例えば800Nm/Hr〜1100Nm/Hrの吹き込み量で高圧空気を吹き込むことができる。
そして、このオートクレーブ1では、少なくとも、最も上流に位置する第1の区画室において、その空気吹き込み配管12が、攪拌翼11の位置に対して上方部(図1中のU部)及び下方部(図1中にD部)のそれぞれに高圧空気を吹き込むことが可能なように独立して2本(12A,12B)設けられている。
図2は、攪拌翼11と空気吹き込み配管12A,12Bとの位置関係を説明するための図である。図2に示すように、オートクレーブ1においては、攪拌翼11の位置に対して上方部及び下方部のそれぞれの方向に向かって高圧空気を吹き込むことが可能な、2本の独立した空気吹き込み配管12A,12Bが設けられている。ここで、「独立した」とは、例えば1本の配管が途中で分岐して構成された分岐配管(例えば図3を参照)等ではなく、図2に示すように、高圧空気の供給源から別々の2本の配管で構成されていることを意味する。
したがって、オートクレーブ1においては、攪拌翼11の上方部及び下方部のそれぞれの空間に向かって、それぞれの空気吹き込み配管12A,12Bを介し、吹き込み量をそれぞれ独立に制御しながら高圧空気をオートクレーブ1に吹き込むことができる。
なお、空気吹き込み配管12A,12Bは、その高圧空気を吐出する吐出口が、各区画室内に配置された攪拌翼11の上方部(図1中にU部)及び下方部(図1中のD部)の近傍に、それぞれ1ヶ所ずつ設けられている。
このような空気吹き込み配管12A,12Bを備えたオートクレーブ1によれば、攪拌翼11の上方部及び下方部のそれぞれに対して、高圧空気の吹き込み量を独立して適切に制御することができるため、高いニッケル浸出率を維持しながら、攪拌翼11への未反応ニッケルマットを主とする澱物の堆積をより効果的に防止することができる。これにより、澱物を除去する作業のために操業が停止されることを防ぎ、生産能力の低下を抑えることができる。しかも、設備増強等を伴うことなく、簡易な作業で行うことができる。
ここで、第1の区画室においては、スラリー中のニッケルマットの大部分を反応させることが、高いニッケル浸出率を維持するうえで重要となる。このことから、第1の区画室に吹き込む高圧空気の吹き込み量は、オートクレーブ1(反応容器本体10)に吹き込む高圧空気の全量のうちの50%以上の割合とすることが好ましい。
攪拌翼11の上方部への空気吹き込み配管12Aを介した高圧空気の吹き込み量と、攪拌翼11の下方部への空気吹き込み配管12Bを介した高圧空気の吹き込み量との比率としては、特に限定されない。例えば、空気吹き込み配管12Aを介した高圧空気の吹き込み量を、第1の区画室に吹き込む高圧空気の吹き込み全量のうちの10%〜30%の割合とし、空気吹き込み配管12Bを介した高圧空気の吹き込み量を、第1の区画室に吹き込む高圧空気の吹き込み全量のうちの70%〜90%の割合とすることが好ましい。
特に、「第1の区画室」においては、攪拌翼11の上方部への空気吹き込み配管12Aを介した高圧空気の吹き込み量と、攪拌翼11の下方部への空気吹き込み配管12Bを介した高圧空気の吹き込み量とを、上述のような比率とすることによって、高いニッケル浸出率を維持しながら、攪拌翼11への未反応ニッケルマットを主とする澱物の堆積をより効果的に防止することができる。
また、空気吹き込み配管12A,12Bにおいては、吹き込み量をそれぞれ独立に制御して高圧空気を吹き込むことができることから、高圧空気の吹き込み量(流量)を測定することができる流量計を設けることができ、これにより、攪拌翼11の上方部及び下方部への高圧空気の吹き込み量を的確に把握することができる。また、高圧空気の流量を制御することができるコントロールバルブを設けるようにしてもよい。
以下、本発明の実施例を示してより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
ニッケルマットと硫黄とをスラリー化し、そのスラリーをオートクレーブ内に装入して加圧浸出処理を行った。具体的に、オートクレーブは、隔壁によって複数の区画室に区画されたものを用いた。また、そのオートクレーブの第1の区画室(第1室)には、図2の模式図に示すように、攪拌翼11の上方部及び下方部に向かって、それぞれに高圧空気を吹き込むことが可能なように独立した2本の空気吹き込み配管12A,12Bを設けた。
そして、攪拌翼11の上方部への配管12Aを介した空気吹き込み比率を第1室への空気吹き込み全量の20%の割合とし、攪拌翼11の下方部への配管12Bを介した空気吹き込み比率を第1室への空気吹き込み全量の80%の割合とした。なお、第1室への高圧空気の吹き込み量は、1000Nm/Hr〜1100Nm/Hrとした。
高圧空気の吹き込みによってオートクレーブ内の圧力を1.50MPa〜1.57MPaとし、温度は150℃〜156℃の条件とした。
[比較例1〜8]
比較例では、従来のオートクレーブを用いて加圧浸出処理を行った。具体的には、図3の模式図に示すように、高圧空気の空気吹き込み配管として、高圧空気の供給源に接続された1本の配管52を、オートクレーブ内の分岐点Pで分岐させ、分岐して形成された分岐配管52a,52bをそれぞれ、攪拌翼51(符号51aが攪拌軸である)の上方部及び下方部に向かうようにして設けたオートクレーブを用いた。
なお、実施例1と同様に、第1室への高圧空気の吹き込み量を1000Nm/Hr〜1100Nm/Hrとし、オートクレーブ内の圧力を1.50MPa〜1.57MPaとし、温度も150℃〜156℃とする条件で処理を行った。
下記表1に、実施例、比較例における、マット原料の処理量、稼働率、及び得られた粗硫酸ニッケル溶液量(製造量)をまとめて示す。
Figure 2017186589
表1に示すように、実施例1では、マット処理量が平均で409g/Hr(9.8t/日)、連続操業日数が155日間、稼働率は97.5%となった。また、粗硫酸ニッケル溶液の製造量は、1日あたり64.0mとなった。
これに対して、比較例1〜8では、マット処理量が平均398kg/Hr(9.5t/日)であったものの、連続操業日数は平均で21日間と非常に短く、稼働率は91.1%となった。また、1日あたりの粗硫酸ニッケル溶液の製造量は59.6mとなった。
このことは、実施例1では、第1室の攪拌翼の上方部及び下方部のそれぞれに向かって、独立した2本の配管12A,12Bを介して、それぞれ流量を独立して制御しながら高圧空気を吹き込んでいったことから、最適な吹き込み制御のもと、攪拌翼11の上部表面への未反応のニッケルマットを主とする澱物の堆積を効果的に防止することができ、操業の停止を抑制できたためと考えられる。また、攪拌翼11の下方部へは、常時に900Nm/Hr以上の高圧空気を吹き込み続けることができたため、高いニッケル浸出率を維持することができた。
一方で、比較例1〜8では、攪拌翼51上部への未反応のニッケルマットを主とする澱物の堆積を防止することができなかった。このことは、高圧空気の吹き込み配管52(52a,52b)が、攪拌翼51の上方部への高圧空気の吹き込み量を制御することができない構造であったためと推測され、これにより、澱物を除去するために操業停止を余儀なくされ、その結果として、連続操業日数が減少し、稼働率が著しく低下した。
1 オートクレーブ
11 攪拌翼
12,12A,12B 空気吹き込み配管
20 スラリー

Claims (5)

  1. ニッケルマットと硫黄とを含有するスラリーをオートクレーブに装入し、空気雰囲気下で、攪拌翼で攪拌しながら加圧浸出して粗硫酸ニッケル溶液を製造する方法において、
    前記攪拌翼の位置に対して上方部及び下方部のそれぞれに高圧空気を吹き込む配管を独立して設けることによって、各配管からの吹き込み量をそれぞれ独立に制御しながら高圧空気を前記オートクレーブ内に吹き込む
    粗硫酸ニッケル溶液の製造方法。
  2. 前記攪拌翼の上方部に高圧空気を吹き込む配管を介した空気吹き込み量を、全量に対して10%〜30%の割合とし、該攪拌翼の下方部に高圧空気を吹き込む配管を介した空気吹き込み量を、全量に対して70%〜90%の割合とする
    請求項1に記載の粗硫酸ニッケル溶液の製造方法。
  3. 1.0MPa〜1.6MPa、130℃〜160℃の空気雰囲気下で加圧浸出する
    請求項1又は2に記載の粗硫酸ニッケル溶液の製造方法。
  4. ニッケルマットと硫黄とを含有するスラリーを装入し、空気雰囲気下で、加圧浸出して粗硫酸ニッケル溶液を製造するためのオートクレーブであって、
    内部が隔壁により複数の区画室に区画されている反応容器本体と、
    各区画室内に配置され、前記スラリーを攪拌する攪拌翼と、
    各区画室内に高圧空気を吹き込む空気吹き込み配管と、を備え、
    少なくとも最も上流に位置する第1の区画室においては、
    前記空気吹き込み配管が、前記攪拌翼の位置に対して上方部及び下方部のそれぞれに高圧空気を吹き込むことが可能なように独立して2本設けられている
    オートクレーブ。
  5. ニッケルマットと硫黄とを含有するスラリーをオートクレーブに装入し、空気雰囲気下で、攪拌翼で攪拌しながら加圧浸出して粗硫酸ニッケル溶液を製造する方法における、該攪拌翼への澱物堆積防止方法であって、
    前記攪拌翼の位置に対して上方部及び下方部のそれぞれに高圧空気を吹き込む配管を独立して設けることによって、各配管からの吹き込み量をそれぞれ独立に制御しながら高圧空気を前記オートクレーブ内に吹き込む
    攪拌翼への澱物堆積防止方法。
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