JP2017185732A - 液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの駆動方法 - Google Patents

液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体噴射ヘッドの駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】装置の構成を複雑にすることなく、吐出部の温度と吐出直前の液体の温度との間の乖離を抑制し、記録品質を向上させる液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】本発明の液体噴射ヘッド1は、液滴を吐出する吐出部2と、吐出部2の第一温度を検出する第一温度検出素子3と、吐出部2に液体を流出する貯留部4と、貯留部4から吐出部2に流出する液体を加熱する加熱部5と、加熱部5の近傍又は加熱部5よりも下流側であり吐出部2よりも上流側の流路7の第二温度T2を検出する第二温度検出素子6と、第一温度T1及び第二温度T2に基づいて加熱部5及び吐出部2の駆動を制御する駆動部22と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、被記録媒体に液滴を吐出して記録する液体噴射ヘッド、これを用いる液体噴射装置液及び液体噴射ヘッドの駆動方法に関する。
近年、記録紙等にインク滴を吐出して文字や図形を記録する、或いは素子基板の表面に液体材料を吐出して機能性薄膜を形成するインクジェット方式の液体噴射ヘッドが利用されている。この方式は、インクや液体材料などの液体を液体タンクから供給管を介して液体噴射ヘッドのチャンネルに供給し、チャンネルの液体に圧力を印加してチャンネルに連通するノズルから液滴として吐出する。液滴の吐出の際には、液体噴射ヘッドや被記録媒体を移動させて文字や図形を記録する、或いは所定形状の機能性薄膜や三次元構造を形成する。
液体噴射ヘッドに使用される液体は温度変化に応じて粘性が変化する。例えば、液体の温度が上昇すると液体の粘性は低下し、液体噴射ヘッドから吐出する液滴の吐出速度が速くなる。液滴の吐出速度が変化すると、被記録媒体に着弾する液滴の位置が変化し、記録品質が低下する。液体噴射ヘッドは、連続駆動によりヘッド部の温度が上昇するのに伴ってヘッド部内の液体の温度も上昇し、液体の粘性が低下して吐出速度が速くなる。この問題を解決するために、液体の温度変化に応じて駆動電圧を変化させる動的制御を行って液滴の吐出速度を一定に維持する。即ち、温度変化に応じて駆動電圧を補正する補正テーブルを用意しておき、ヘッド部に設置する温度検出素子が検出する温度から補正テーブルを参照して駆動電圧を補正する。この補正された駆動電圧によりヘッド部を駆動して、液体の温度が変化しても液滴の吐出速度を一定に維持する。
また、特許文献1には、高粘度インクを使用する液体噴射ヘッドが記載される。高粘度インクは常温では固体状態であり、例えば温度100℃以上に加熱し液体状態にして液体噴射ヘッドに供給する。この場合は、インクタンク及びヘッド部に発熱体を設けて加熱し、液体状態のインクを吐出する。インクタンク内のインクに下方から上方にかけて温度勾配を設けるために、インクタンクの外周の下方では発熱体の設置密度を高く、上方では発熱体の設置密度を低くしている。そして、ヘッド部及びインクタンクに温度センサを設け、ヘッド部が予め設定される温度となるように、インクタンク及びヘッド部を加熱する。
また、特許文献2には、常温では高粘度であり温度80℃以上では低粘度となり、温度を上昇させるときと温度を下降させるときでインク粘度にヒステリシスを有するインクを使用する液体噴射ヘッドが記載される。使用量が変化する場合でも一定温度のインクを吐出させるために、ヘッド部、インク貯留部、インク貯留部とヘッド部との間の流路、ヘッド部が取り付けられる基部のそれぞれに加熱部及び温度検知部を設ける。そして、制御部によって、各温度検知部が検知する温度に基づいて各加熱部を加熱し、インクが低粘度状態でありヘッド部が過熱状態とならない一定の温度範囲に維持する。
また、特許文献3には、液体の圧力変動を緩和させるエアーダンパを備える液体噴射ヘッドが記載される。エアーダンパは、外部から流入する液体を貯留部に貯留しヘッド部に供給する。貯留部は一部が可撓性フィルムにより構成され、液体に圧力変動が発生するときに可撓性フィルムが変位して液体の圧力変動を緩衝し、圧力変動の少ない液体をヘッド部に供給する。エアーダンパは、更に、貯留部内の液体を加熱するための加熱手段と貯留部内の液体の温度を検出する温度検出センサを備える。加熱手段は、貯留部内から貯留部外に延在する熱伝導部材と、貯留部外の熱伝導部材に設置される加熱部を備える。温度検出センサにより貯留部内の液体の温度を検出し、その結果に基づいて加熱部を加熱して貯留部内の液体の温度を一定に維持する。
特開平9−141896号公報 特開平10−244677号公報 特開2002−361864号公報
補正テーブルを用いる動的制御では、ヘッド部を一定の割合で間欠的に駆動する場合にはヘッド部の温度とヘッド部内の液体の温度とが一致し、吐出速度は安定する。しかし実際は、吐出頻度が少ないときと連続して吐出するときが混在することにより、ヘッド部の温度とヘッド部内の液体の温度との間に乖離が生ずる。例えば、ヘッド部を連続駆動すると、ヘッド部の温度は次第に上昇しその後安定する。制御部は、ヘッド部のこの温度変化に基づいて補正テーブルを参照し、電圧を次第に低下させ、その後低電圧を維持する。一方、ヘッド部に連続的に供給される液体はヘッド部よりも温度が低く、ヘッド部の温度に達する前に吐出される。制御部は適正電圧よりも低い電圧をヘッド部に供給することになり、その結果、液滴の吐出速度が低下し、記録品質が低下する。
また、特許文献1及び特許文献2の液体噴射ヘッドはいずれも常温では高粘度又は固体状態のインクを使用する。低粘度の吐出可能な液体に戻すために、インクタンクやヘッド部、インクタンクとヘッド部の間の流路等の各部に加熱部と温度検知部を設ける。そのために装置構成がきわめて複雑となる。また、ヘッド部は駆動することによって発熱する。しかし、ヘッド部の温度とヘッド部内の吐出直前の液体温度とが必ずしも一致せず、この不一致によって生ずる吐出速度のばらつきをどのように解消するかについては記載されていない。
特許文献3では、エアーダンパの貯留部内に設ける温度検出センサと、エアーダンパの貯留部の内部から外部に延在する熱伝導部材に設ける加熱部により、貯留部内の液体の温度を調整する。しかし、ヘッド部から吐出する液体の温度管理をどのように行うかについては、明らかではない。また、温度検出センサは液体に直接接触すると故障する場合がある。
本発明の液体噴射ヘッドは、液滴を吐出する吐出部と、前記吐出部の第一温度を検出する第一温度検出素子と、前記吐出部に液体を流出する貯留部と、前記貯留部から前記吐出部に流出する液体を加熱する加熱部と、前記加熱部の近傍又は前記加熱部よりも下流側であり前記吐出部よりも上流側の流路の第二温度を検出する第二温度検出素子と、前記第一温度及び前記第二温度に基づいて前記加熱部及び前記吐出部の駆動を制御する駆動部と、を備えることとした。
また、前記駆動部は、前記第一温度と前記第二温度を比較して、前記第一温度が前記第二温度よりも低いときは前記第二温度に基づいて前記吐出部を駆動する駆動信号を生成し、前記第一温度が前記第二温度よりも高いときは前記第一温度に基づいて前記吐出部を駆動する駆動信号を生成することとした。
また、前記駆動部は、前記第一温度と前記第二温度を比較して、前記第一温度が前記第二温度よりも低いときは前記加熱部の駆動を停止し、前記第一温度が前記第二温度よりも高いときは前記加熱部を駆動して液体を加熱することとした。
また、前記貯留部を含み、前記吐出部に流出する液体の圧力変動を緩和させる液体ダンパーを備えることとした。
また、前記液体ダンパーは、前記貯留部を構成する貯留凹部と前記貯留凹部に連通し前記流路を構成する流路凹部とを有するダンパー本体と、前記貯留凹部と前記流路凹部を覆い前記ダンパー本体の上端面に位置する可撓性フィルムと、前記貯留凹部に対向する窪みを有し前記可撓性フィルムの上に位置するダンパーカバーと、前記第二温度検出素子と、を備え、前記第二温度検出素子は前記流路凹部の近傍に位置することとした。
また、前記ダンパー本体は前記流路凹部の近傍に収容部を備え、前記第二温度検出素子は前記収容部に位置することとした。
また、前記第二温度検出素子は前記可撓性フィルムの上に位置し前記ダンパーカバーから離間することとした。
また、前記流路凹部は分岐点において複数の分岐路凹部に分岐し、前記第二温度検出素子は前記分岐点の近傍又は前記分岐点よりも上流側に位置することとした。
また、前記液体ダンパーは前記加熱部を備え、前記加熱部は前記ダンパーカバーに位置することとした。
本発明の液体噴射ヘッドは、液滴を吐出する吐出部と、前記吐出部に流出する液体の圧力変動を緩和させる液体ダンパーと、を備え、前記液体ダンパーは、液体を貯留する貯留凹部と前記貯留凹部に連通する流路を構成する流路凹部とを有するダンパー本体と、前記貯留凹部と前記流路凹部を覆い前記ダンパー本体の上端面に位置する可撓性フィルムと、前記貯留凹部に対向する位置に窪みを有し前記可撓性フィルムの上に位置するダンパーカバーと、前記可撓性フィルム又は前記ダンパーカバーに位置する加熱部と、前記ダンパー本体又は前記可撓性フィルムに位置する温度検出部と、を備えることとした。
本発明の液体噴射装置は、上記の液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドと被記録媒体とを相対的に移動させる移動機構と、前記液体噴射ヘッドに液体を供給する液体供給管と、前記液体供給管に前記液体を供給する液体タンクと、を備えることとした。
本発明の液体噴射ヘッドの駆動方法は、液滴を吐出する吐出部の第一温度を検出する第一温度検出素子と、液体を貯留する貯留部の又は前記貯留部よりも下流側であり前記吐出部よりも上流側の流路の第二温度を検出する第二温度検出素子と、前記第一温度及び前記第二温度に基づいて前記吐出部を駆動する駆動信号を制御する駆動部とを備え、前記駆動部が、前記第一温度検出素子から前記第一温度を取得し前記第二温度検出素子から前記第二温度を取得する第1ステップと、前記第一温度と前記第二温度を比較する第2ステップと、前記第一温度が前記第二温度よりも低いと判定するときは、前記第二温度に基づいて前記駆動信号を生成して前記吐出部に供給する第3ステップと、前記第一温度が前記第二温度よりも高いと判定するときは、前記第一温度に基づいて前記駆動信号を生成し前記吐出部に供給する第4ステップと、を備えることとした。
また、前記貯留部から前記吐出部に流出する液体を加熱する加熱部を更に備え、前記駆動部は、前記第一温度が前記第二温度よりも低いと判定するときは前記加熱部の駆動を停止する第5ステップと、前記第一温度が前記第二温度よりも高いと判定するときは前記加熱部を駆動して液体を加熱する第6ステップと、を備えることとした。
本発明の液体噴射ヘッドは、液滴を吐出する吐出部と、吐出部の第一温度を検出する第一温度検出素子と、吐出部に液体を流出する貯留部と、貯留部から吐出部に流出する液体を加熱する加熱部と、加熱部の近傍又は加熱部よりも下流側であり吐出部よりも上流側の流路の第二温度を検出する第二温度検出素子と、第一温度及び第二温度に基づいて加熱部及び吐出部の駆動を制御する駆動部と、を備える。これにより、装置の構成を複雑にすることなく、吐出部の温度と吐出直前の液体の温度との間の乖離を抑制し、記録品質を向上させる。
本発明の第一実施形態に係る液体噴射ヘッドの模式的な構成図である。 本発明の第一実施形態に係る液体噴射ヘッドの機能ブロック図である。 本発明の第一実施形態に係る液体噴射ヘッドの駆動方法を表すフロー図である。 本発明の液体噴射ヘッド及びその駆動方法における作用を説明するための図である。 本発明の第二実施形態に係る液体噴射ヘッドの正面模式図である。 本発明の第二実施形態に係る液体噴射ヘッドに使用する液体ダンパーの模式的な分解斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る液体噴射ヘッドに使用する吐出部の模式的な分解斜視図である。 本発明の第三実施形態に係る液体噴射ヘッドに使用する液体ダンパーの模式的な分解斜視図である。 本発明の第四実施形態に係る液体噴射ヘッドに使用する液体ダンパーの模式的な分解斜視図である。 本発明の第五実施形態に係る液体噴射装置の模式的な斜視図である。
(第一実施形態)
<液体噴射ヘッド1>
図1は本発明の第一実施形態に係る液体噴射ヘッド1の模式的な構成図である。図2は本発明の第一実施形態に係る液体噴射ヘッド1の機能ブロック図である。図3は本発明の第一実施形態に係る液体噴射ヘッド1の駆動方法を表すフロー図である。なお、図1において、z方向が上下方向であり、x方向が左右方向であり、y方向が前後方向(紙面に対して垂直方向)である。
図1に示すように、液体噴射ヘッド1は、液滴を吐出する吐出部2と、吐出部2の第一温度T1を検出する第一温度検出素子3と、吐出部2に液体を流出する貯留部4と、液体を加熱する加熱部5と、貯留部4と吐出部2の間に位置する流路7の第二温度T2を検出する第二温度検出素子6と、駆動部22とを備える。流路7は貯留部4から流出する液体を吐出部2に導く。加熱部5は貯留部4又は貯留部4から吐出部2に流出する液体を加熱し、貯留部4の近傍又は流路7の近傍に位置する。第二温度検出素子6は、加熱部5の近傍又は加熱部5よりも下流側であり吐出部2よりも上流側の流路7の第二温度T2を検出する。駆動部22は制御部17と駆動信号生成部17cを含む。制御部17は、第一温度T1及び第二温度T2に基づいて加熱部5及び吐出部2の駆動を制御する。ベース基板20は、吐出部2、貯留部4及び駆動部22を固定する。
吐出部2は、圧電体のピエゾ効果を利用して溝に充填される液体を吐出させる方式を利用することができる。例えば、圧電体基板に複数の溝を形成し、溝と溝の間の側壁の壁面に駆動電極を形成する。そして、溝に液体、例えばインクを充填し、駆動電極に駆動信号を与えて側壁を変形させる。これにより、溝に充填される液体に圧力波が誘起され、この圧力波が溝に連通するノズルに到達し液滴として吐出される。圧電体、つまり吐出部2は駆動することにより発熱して昇温する。一方、貯留部4は吐出部2から離間するので吐出部2が昇温しても貯留部4に貯留される液体は昇温しない。
第一温度検出素子3及び第二温度検出素子6は、例えばサーミスタを使用することができる。第一温度検出素子3は、吐出部2、例えば吐出部2を構成する圧電体基板、或いは、圧電体基板を装着する熱伝導性の部材に接触する。従って、第一温度検出素子3は吐出部2の溝に充填される液体とは直接接触しない。そのため、吐出部2に液体が比較的長い時間留まる場合、つまり吐出部2が液体を吐出して消費する速度が遅い場合は、吐出部2内の液体の温度は第一温度検出素子3が検出する吐出部2の第一温度T1に近づく。一方、吐出部2が連続的に駆動して液体を消費する速度が速い場合は、吐出部2内の液体の温度は第二温度検出素子6が検出する流路7の液体の第二温度T2に近づく。
駆動部22は、温度変化に対して駆動信号を補正する補正テーブル又は補正式を備える。例えば検出温度が高いときは駆動信号の電圧を低く設定し、検出温度が低いときは駆動信号の電圧を高く設定する。これにより、液体の温度変化により吐出速度がばらついて記録品質が低下するのを防止する。
しかし、吐出部2から吐出する吐出直前の液体の温度を直接測ることが困難である。そこで、駆動部22は、第一温度検出素子3が検出する第一温度T1と第二温度検出素子6が検出する第二温度T2を比較して、第一温度T1が第二温度T2よりも低いときは第二温度T2に基づいて吐出部2を駆動する駆動信号を生成する。つまり、補正テーブル又は補正式に第二温度T2を適用して駆動信号を生成する。また、第一温度T1が第二温度T2よりも高いときは第一温度T1に基づいて吐出部2を駆動する駆動信号を生成する。つまり、補正テーブル又は補正式に第一温度T1を適用して駆動信号を生成する。これにより、装置の構成を複雑にすることなく、第一温度検出素子3が検出する吐出部2の温度と吐出部2の吐出直前の液体の温度との間の乖離を抑制し、記録品質を向上させる。
更に、駆動部22は、第一温度T1と第二温度T2を比較して、第一温度T1が第二温度T2よりも低いときは加熱部5の駆動を停止し、第一温度T1が第二温度T2よりも高いときは加熱部5を駆動して吐出部2に流入する液体を加熱する。つまり、吐出部2の温度が吐出部2に流入する液体の温度よりも高いときは吐出部2に流入する液体の温度を上昇させて吐出部2の温度に近づける。これにより、第一温度検出素子3が検出する吐出部2の温度と吐出部2の溝に充填される吐出直前の液体の温度との間の乖離を短時間で解消することができる。
<液体噴射ヘッドの駆動方法>
図2及び図3を用いて液体噴射ヘッド1の駆動方法を具体的に説明する。駆動部22は制御部17と駆動信号生成部17cを含む。制御部17は、演算処理を行うCPU、補正テーブルや補正式、駆動波形等のデータを記憶するROM、第一及び第二温度検出素子3、6から取得する温度情報を処理する温度検出部17a、加熱部5の駆動を制御する加熱制御部17b、吐出部2を駆動する駆動信号の電圧を生成する電圧生成部17dを含む。駆動信号生成部17cは、外部から取得する画像データを電圧生成部17dが生成する電圧の駆動信号に変換して吐出部2に供給する。駆動部22は例えば図示しないヘッド駆動基板を備え、ヘッド駆動基板は制御部17及び駆動信号生成部17cを搭載する。
なお、CPU、ROM、温度検出部17a、加熱制御部17b等が液体噴射ヘッド1の外部、例えば液体噴射ヘッド1が設置される液体噴射装置の本体や、液体噴射装置を制御するPC等の外部に設置される場合には、第一及び第二温度検出素子3、6や加熱部5に接続する配線、これら配線を搭載するヘッド駆動基板、或いは、これらの配線と接続するコネクタやインターフェースを駆動部22とする。液体噴射ヘッド1はこれらの配線や配線を搭載するヘッド駆動基板、或いはインターフェースを介して制御信号や駆動信号が伝達されるからである。
インターフェース19は、外部から取得する画像データや、液体噴射ヘッド1を駆動するための指示情報を駆動部22に伝達する。制御部17の電圧生成部17dは吐出部2を駆動する電圧を生成する。駆動信号生成部17cは画像データに基づいて生成される駆動波形と電圧生成部17dが生成する電圧に基づいて駆動信号を生成する。吐出部2は、駆動部22の駆動信号生成部17cから駆動信号を取得してインク滴などの液滴を吐出する。第一温度検出素子3は吐出部2の第一温度T1を検出し制御部17の温度検出部17aに送信する。加熱部5は制御部17の加熱制御部17bによって駆動される。第二温度検出素子6は吐出部2よりも上流側の流路7の第二温度T2を検出し制御部17の温度検出部17aに送信する。第一温度T1及び第二温度T2は実際の温度である必要はなく、温度情報を含むデータや信号であればよい。
図3に示すように、第1ステップS1において、駆動部22の温度検出部17aは、第一温度検出素子3から第一温度T1を取得し、第二温度検出素子6から第二温度T2を取得する。第2ステップS2において、駆動部22のCPUは、第一温度T1と第二温度T2を比較する。
第2ステップS2において駆動部22のCPUが、第一温度T1が第二温度T2よりも低いと判定するときは(第2ステップS2のYes)、第3ステップS3において、駆動部22の電圧生成部17dは第二温度T2に基づいて電圧を生成する。電圧生成部17dは、例えば第二温度T2に応じて大きさを補正した電圧を生成する。駆動信号生成部17cは補正された電圧を用いて駆動信号を生成し吐出部2に供給する。具体的には、制御部17のCPUは、ROMに格納される補正テーブル又は補正式を参照し、電圧生成部17dを制御して第二温度T2に対応する電圧を生成する。駆動信号生成部17cは外部から取得する画像データを電圧生成部17dが生成する電圧の駆動信号に変換する。
第2ステップS2において駆動部22のCPUが、第一温度T1が第二温度T2よりも高いと判定するときは(第2ステップS2のNo)、第4ステップS4において、駆動部22の電圧生成部17dは第一温度T1に基づいて電圧を生成する。電圧生成部17dは、例えば第一温度T1に応じて大きさを補正した電圧を生成する。駆動信号生成部17cは補正された電圧を用いて駆動信号を生成し吐出部2に供給する。具体的には、制御部17のCPUは、ROMに格納される補正テーブル又は補正式を参照し、電圧生成部17dを制御して第一温度T1に対応する電圧を生成する。駆動信号生成部17cは外部から取得する画像データを電圧生成部17dが生成する電圧の駆動信号に変換する。これにより、装置の構成を複雑にすることなく、第一温度検出素子3が検出する吐出部2の温度と吐出部2の吐出直前の液体の温度との間の乖離を抑制し、記録品質を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、第一温度T1又は第二温度T2に応じて電圧生成部17dが補正された電圧を生成する構成であるが、本発明はこの構成に限定されない。電圧生成部17dに代えて、又は電圧生成部17dに加えて駆動波形生成部を設け、第一温度T1又は第二温度T2に応じて駆動波形生成部が補正された駆動波形を生成する構成とすることができる。駆動部22のCPUは、駆動波形生成部を制御して第一温度T1又は第二温度T2に対応する駆動波形を生成する。この際に、第一温度T1又は第二温度T2に基づいて駆動波形に含まれるパルスのパルス数やパルス幅、或いは複数のパルスのパルス間隔を変化させるようにしてもよい。
更に、第2ステップS2において駆動部22のCPUが、第一温度T1が第二温度T2よりも低いと判定するときは(第2ステップS2のYes)、第5ステップS5において、加熱制御部17bは加熱部5の駆動を停止する。これにより、吐出部2の温度と吐出部2の吐出直前の液体の温度との間の乖離が増大するのを防止することができる。
更に、第2ステップS2において駆動部22のCPUが、第一温度T1が第二温度T2よりも高いと判定するときは(第2ステップS2のNo)、第6ステップS6において、加熱制御部17bは加熱部5を駆動して流路7の液体を加熱する。これにより、第一温度検出素子3が検出する吐出部2の温度と吐出部2の吐出直前の液体の温度との間の乖離を短時間で解消することができる。
第7ステップS7において、駆動部22の駆動信号生成部17cが吐出部2に駆動信号を与えて吐出部2から液滴を吐出する。第8ステップS8において、インターフェース19に入力される信号に基づいて駆動部22のCPUが液体噴射ヘッド1の駆動を終了すると判定するときは(第8ステップS8のYes)、液体噴射ヘッド1の駆動を終了する。駆動部22のCPUが液体噴射ヘッド1の駆動を停止しないと判定するときは(第8ステップS8のNo)、第1ステップS1に戻って続行する。
なお、制御部17は液体噴射ヘッド1の外部、例えば液体噴射装置の側に配置してもよい。また、制御部17の一部、例えば補正テーブルを格納するROMを液体噴射ヘッド1の外部の液体噴射装置の側に配置してもよい。また、本実施形態においては駆動電圧の制御や第一温度T1と第二温度T2の温度比較等をCPUが行っているが、これに代えてA/Dコンバーターやコンパレーター等のデバイスを組み合わせて構成してもよい。
図4は、本発明の液体噴射ヘッド1及びその駆動方法における作用を説明するための図である。図4(a)は、吐出部2を連続駆動するときの吐出部2(第一温度検出素子3)の温度変化を表すグラフである。横軸が吐出時間であり縦軸が吐出部2の温度を表す。図から、吐出時間が経過するにしたがって吐出部2の温度は上昇する。図4(b)は、吐出部2を連続駆動するときの、吐出部2の温度変化に基づいて補正する駆動信号の電圧変化を表すグラフである。横軸が吐出時間であり縦軸が駆動信号の電圧を表す。図から、駆動信号の電圧は吐出開始時が最も高く吐出時間が経過するにつれて次第に低くなる。
図4(c)は、第一温度T1が第二温度T2よりも高い場合において吐出部2を連続駆動し、駆動部22が加熱部5を駆動して貯留部4又は流路7を加熱するときの、加熱部5よりも下流の流路7(第二温度検出素子6)の温度変化を表すグラフである。横軸が吐出時間であり縦軸が流路7の温度を表す。図から、吐出時間が経過するにしたがって流路7の温度は上昇する。流路7の温度変化は吐出部2の温度変化とほぼ同じである。図4(d)は、吐出部2を連続駆動するときの吐出部2から吐出される液滴の吐出速度の変化を表すグラフである。横軸が吐出時間であり縦軸が吐出部2から吐出する液滴の吐出速度を表す。図から、吐出部2から吐出される液滴の吐出速度は吐出時間が経過しても一定となる。これは、吐出部2の温度と吐出部2の吐出直前の液体の温度との間の乖離が無くなり、吐出時間が経過しても記録品質が劣化しないことを表している。
(第二実施形態)
図5は、本発明の第二実施形態に係る液体噴射ヘッド1の正面模式図である。図6は、本発明の第二実施形態に係る液体噴射ヘッド1に使用する液体ダンパー8の模式的な分解斜視図である。図7は、本発明の第二実施形態に係る液体噴射ヘッド1に使用する吐出部2の模式的な分解斜視図である。同一の部分または同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
図5に示すように、液体噴射ヘッド1は、液滴を吐出する吐出部2と、吐出部2に流出する液体の圧力変動を緩和させる液体ダンパー8と、液体ダンパー8及び吐出部2を固定するベース基板20と、ベース基板20に設置される駆動部22とを備える。液体噴射ヘッド1の下方(−z方向)に位置する吐出部2は下方(−z方向)に液滴を吐出する。液体噴射ヘッド1は上下方向(z方向)及び左右方向(x方向)の幅が前後方向(y方向)の幅よりも大きい。つまり、液体噴射ヘッド1は上下左右方向に広い扁平形状を有する。
液体ダンパー8は液体を貯留する貯留部4と、貯留部4に連通し吐出部2に液体を流出させる流路7と、貯留部4から吐出部2に流出する液体を加熱する加熱部5と、加熱部5よりも下流側の流路7の温度、つまり第二温度T2を検出する第二温度検出素子6とを備える。液体ダンパー8は、液体を流入する接続部21aが上方に位置し、液体を吐出部2に流出する接続部21bが下方に位置する。
図6を参照して液体ダンパー8を具体的に説明する。液体ダンパー8は、ダンパー本体11と、ダンパー本体11の上端面USに位置する可撓性フィルム12と、可撓性フィルム12の上に位置するダンパーカバー13とを備える。ダンパー本体11は、接続部21aから流入する液体を貯留する貯留凹部9と、貯留凹部9に連通し、貯留凹部9から流出する液体を接続部21bに導く流路凹部10を備える。ダンパー本体11は、金属材料や合成樹脂材料を使用し、成型法により形成することができる。可撓性フィルム12はダンパー本体11の上端面USに接着される。例えば、ダンパー本体11をPE(ポリエチレン樹脂)で形成し、可撓性フィルム12としてPEフィルムを使用し、可撓性フィルム12をダンパー本体11の上端面USに熱溶着して水密に接着することができる。つまり、貯留凹部9の上部開口を可撓性フィルム12により閉塞して貯留部4を構成し、流路凹部10の上部開口を可撓性フィルム12により閉塞して流路7を構成する。
流路7を構成する可撓性フィルム12の上に第二温度検出素子6が位置する。第二温度検出素子6は、例えばサーミスタを使用することができる。従って、第二温度検出素子6は流路凹部10近傍の可撓性フィルム12の温度を検出する。可撓性フィルム12の上にはダンパーカバー13が位置する。ダンパーカバー13は、貯留凹部9に対応する位置に貯留凹部9とは反対側に窪む窪みDを有し、第二温度検出素子6に対応する位置に貫通穴15を備える。ダンパーカバー13に窪みDを設けることにより、窪みDに対応する領域の可撓性フィルム12が上端面USの法線方向(y方向)に変位可能となり、貯留凹部9に貯留される液体の圧力変動が緩衝される。
第二温度検出素子6は、ダンパーカバー13を可撓性フィルム12に設置したときに貫通穴15の側面から離間し、ダンパーカバー13に接触することなく貫通穴15に収納される。ダンパーカバー13は、窪みD及び貫通穴15以外の領域では可撓性フィルム12の上面に密着する。ダンパーカバー13の窪みDの外表面には加熱部5が設置される。加熱部5は、例えば平面に抵抗体のパターンを有する面ヒーターを使用することができる。
加熱部5を駆動して加熱するとダンパーカバー13が昇温する。ダンパーカバー13の窪みDは可撓性フィルム12から離間するが、第二温度検出素子6の位置よりも上流側(貯留凹部9側)の流路凹部10を覆う可撓性フィルム12はダンパーカバー13と密着する。ダンパーカバー13として、金属板、例えばステンレス板やアルミニウム板を使用すれば、加熱部5によりダンパーカバー13全体を加熱することができ、特に第二温度検出素子6と貯留凹部9の間の流路凹部10に位置する液体を速やかに加熱することができる。なお、加熱部5はダンパーカバー13の窪みDの可撓性フィルム12側の内表面に設置してもよい。
液体ダンパー8は接続部21aから流入する液体の圧力変動を緩和させる。貯留凹部9は、浅底であり可撓性フィルム12側に開口する開口面積が広い扁平形状を有する。接続部21aから流入する液体に圧力変動があると貯留凹部9を覆う可撓性フィルム12が変位して、液体内の圧力変動を緩衝する。その結果、接続部21bから流出する液体に圧力変動が伝達されない。
次に、図7を参照して吐出部2を具体的に説明する。吐出部2は、基板面Sに吐出溝2cと非吐出溝2dが交互に配列する圧電体基板2aと、圧電体基板2aの基板面Sに接着されるカバープレート2gと、カバープレート2gの上に接着される流路部材2qと、カバープレート2g及び圧電体基板2aをベース基板20に固定する固定枠2pと、圧電体基板2a、カバープレート2g及び固定枠2pの前方端面Fpに接着されるノズルプレート2eと、固定枠2pに固定される第一温度検出素子3と、を備える。
圧電体基板2aは、例えばPZTセラミックスを使用することができる。圧電体基板2aは、例えば基板面Sの法線方向に分極されている。吐出溝2cは圧電体基板2aの前方端面Fpから後方端面Bpの手前まで形成される。非吐出溝2dは、圧電体基板2aの前方端面Fpから後方端面Bpまでストレートに形成される。吐出溝2cと非吐出溝2dの間に側壁2kが位置し、側壁2kは吐出溝2cと非吐出溝2dを分離する。吐出溝2c及び非吐出溝2dの内表面(側壁2kの側面)にはそれぞれ図示しない駆動電極が設置される。非吐出溝2dの一方の側面の駆動電極と他方の側面の駆動電極とは電気的に分離する。圧電体基板2aは基板面Sの後方端面Bp側に個別端子2n、個別端子2nより前方に共通端子2mを備える。個別端子2nは、吐出溝2cを挟んで隣接する2つの非吐出溝2dの吐出溝2c側の側面の駆動電極を電気的に接続する。共通端子2mは吐出溝2cの側面の駆動電極を電気的に接続する。
カバープレート2gは、前方端面Fpが圧電体基板2aの前方端面Fpと面一となるように、また、共通端子2m及び個別端子2nが露出するように圧電体基板2aの基板面Sに接着される。カバープレート2gは圧電体基板2aと同程度の熱膨張係数を有する材料、例えばPZTセラミックスを使用することができる。カバープレート2gは後方側に液体供給室2hを備え、液体供給室2hは、その底面から圧電体基板2aの側に貫通するスリット2iを備える。スリット2iは液体供給室2hと吐出溝2cの後方端とを連通し、液体供給室2hから吐出溝2cに液体を供給する。流路部材2qは液体ダンパー8の接続部21bから液体を流入する接続部21dと、接続部21dとカバープレート2gの液体供給室2hとを連通する連通路2sを備える。固定枠2pは貫通孔2tを備え、この貫通孔2tに圧電体基板2aとカバープレート2gの前方端部を装着する。そして、圧電体基板2a、カバープレート2g及び固定枠2pは前方端面Fpを面一にして互いに固定される。
第一温度検出素子3は、圧電体基板2aに接して、又は、圧電体基板2aの近傍の固定枠2pに接続する。第一温度検出素子3はサーミスタを使用することができる。固定枠部材は熱伝導性の高い金属、例えばアルミニウムやステンレスを使用することができる。ノズルプレート2eは、圧電体基板2a、カバープレート2g及び固定枠2pの前方端面Fpに接着される。ノズルプレート2eはノズル2fを備え、ノズル2fは吐出溝2cに連通する。ノズルプレート2eとして、例えばポリイミドフィルムを使用する。
吐出部2は、ノズルプレート2eを下方(−z方向)に共通端子2m及び個別端子2nを上方(+z方向)に向け、固定枠2pがベース基板20に固定される。圧電体基板2aの共通端子2m及び個別端子2nは、図示しないフレキシブル回路基板を介して駆動部22と電気的に接続される。
液体噴射ヘッド1は次にように動作する。図示しない液体タンクから液体ダンパー8の接続部21aに液体が供給される。液体は貯留凹部9に貯留され、液体を伝達する圧力波が貯留凹部9において緩衝される。圧力波が緩衝される液体は、流路凹部10及び接続部21bを流れて吐出部2の接続部21dに流出する。接続部21dから流入する液体は、流路部材2qの連通路2s、カバープレート2gの液体供給室2h及びスリット2iを介して吐出溝2cに供給され、充填される。
駆動部22が共通端子2mと個別端子2nの間に駆動信号を与えると、吐出溝2cを挟む両側壁2kが厚み滑り変形する。具体的には、吐出溝2cの容積が拡大する方向に両側壁2kが変形して液体供給室2hから吐出溝2cに液体を引き込み、次に、吐出溝2cの容積が縮小する方向に両側壁2kが変形してノズル2fから液滴が吐出される。更に、第一実施形態における説明と同様に、駆動部22は第一温度検出素子3が検出する第一温度T1及び第二温度検出素子6が検出する第二温度T2に基づいて加熱部5及び吐出部2の駆動を制御する。
なお、図7に示す吐出部2は一例である。例えば、図7に示す圧電体基板2a、カバープレート2g及び流路部材2qの積層構造を2組用意し、互いに背中合わせに貼り合せて平行な2列のノズル列を有する吐出部2とすることができる。この場合はノズル数が2倍となって高密度記録が可能となる。
(第三実施形態)
図8は、本発明の第三実施形態に係る液体噴射ヘッド1に使用する液体ダンパー8の模式的な分解斜視図である。第二実施形態の液体ダンパー8と異なる点は、第二温度検出素子6がダンパー本体11に位置し、加熱部5が流路凹部10に対応するダンパーカバー13の上に位置する点であり、その他の構成は第二実施形態と同様である。従って、以下、主に第二実施形態と異なる点について説明する。同一の部分または同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
図8に示すように、ダンパー本体11は、接続部21aから流入する液体を貯留する貯留凹部9と、貯留凹部9に連通し貯留凹部9から流出する液体を接続部21bに導く流路凹部10と、流路凹部10の近傍に位置する収容部14とを備える。第二温度検出素子6は収容部14に位置し、収容部14に収容される。収容部14は、流路凹部10と接続部21bの近傍に位置することが好ましい。従って、第二温度検出素子6は流路凹部10近傍の可撓性フィルム12の温度、又は、流路凹部10近傍のダンパー本体11の温度を検出する。収容部14は、ダンパー本体11に貯留凹部9や流路凹部10を形成する際の成型法により同時に形成することができる。
可撓性フィルム12はダンパー本体11の上端面USに第二実施形態と同様の方法で接着される。可撓性フィルム12の上にはダンパーカバー13が位置する。ダンパーカバー13は、貯留凹部9に対応する位置に貯留凹部9側とは反対側に窪む窪みDを有する。ダンパーカバー13は、窪みD以外の領域では可撓性フィルム12の上面に密着する。加熱部5は、ダンパーカバー13の外表面であり、収容部14近傍の流路凹部10よりも上流側に位置する。つまり、加熱部5は、収容部14近傍の流路凹部10よりも上流側の流路凹部10を覆うように設置される。なお、加熱部5は、収容部14近傍の流路凹部10よりも上流側の流路凹部10と貯留凹部9を覆うようにして、ダンパーカバー13の外表面に設置してもよい。このように、加熱部5は、収容部14近傍の流路凹部10よりも上流側の流路凹部10の真上に位置するので、流路凹部10を流れる液体を迅速に加熱することができる。
(第四実施形態)
図9は、本発明の第四実施形態に係る液体噴射ヘッド1に使用する液体ダンパー8の模式的な分解斜視図である。第二実施形態の液体ダンパー8と異なる点は、流路凹部10が分岐路凹部16を有する点であり、その他の構成は第二実施形態と同様である。従って、以下、主に第二実施形態と異なる点について説明する。同一の部分又は同一の機能を有する部分には同一の符号を付している。
図9に示すように、ダンパー本体11は、接続部21aから流入する液体を貯留する貯留凹部9と、貯留凹部9に連通し貯留凹部9から流出する液体を導く流路凹部10と、分岐点Pにおいて流路凹部10が2つの分岐路凹部16a、16bに分岐し、分岐路凹部16aが流路凹部10から分岐する液体を接続部21bに導き、分岐路凹部16bが流路凹部10から分岐する液体を接続部21cに導く。2つの分岐路凹部16a、16bは、ダンパー本体11に貯留凹部9や流路凹部10を形成する際の成型法により同時に形成することができる。2つの接続部21b、21cは、例えば図7に示す吐出部2において、圧電体基板2a、カバープレート2g及び流路部材2qの積層構造を2組用意し、互いに背中合わせに貼り合せて2列のノズル列を構成する場合の2つの流路部材2qのそれぞれの接続部21dに接続する。
第二温度検出素子6は、分岐点Pの近傍又は分岐点Pよりも上流側に位置する。本実施形態では、第二温度検出素子6は分岐点Pに対応する可撓性フィルム12の上に位置する。従って、第二温度検出素子6は分岐点Pの可撓性フィルム12の温度を検出することになる。つまり、分岐する直前の液体の近傍の温度を検出する。
ダンパーカバー13は、貯留凹部9に対応する位置に貯留凹部9とは反対側に窪む窪みDを有し、第二温度検出素子6に対応する位置に貫通穴15を備える。第二実施形態と同様に、ダンパーカバー13を可撓性フィルム12に設置すると、第二温度検出素子6は貫通穴15の側面から離間し、ダンパーカバー13に接触することなく貫通穴15に収納される。加熱部5はダンパーカバー13の窪みDの外表面に設置される。なお、第三実施形態と同様に、ダンパー本体11の分岐点Pの近傍、又は、分岐点Pよりも上流側の流路凹部10の近傍に収容部を設け、この収容部に第二温度検出素子6を収容してもよい。また、加熱部5を第二温度検出素子6よりも上流の流路凹部10に対応するダンパーカバー13の外表面に設置してもよい。
(第五実施形態)
図10は、本発明の第五実施形態に係る液体噴射装置50の模式的な斜視図である。本液体噴射装置50は、上記第一〜第四実施形態のいずれかの液体噴射ヘッド1を使用する。液体噴射装置50は、液体噴射ヘッド1、1’を往復移動させる移動機構63と、液体噴射ヘッド1、1’に液体を供給する液体供給管53、53’と、液体供給管53、53’に液体を供給する液体タンク51、51’とを備えている。
具体的に説明する。液体噴射装置50は、紙等の被記録媒体54を主走査方向に搬送する一対の搬送手段61、62と、被記録媒体54に液体を吐出する液体噴射ヘッド1、1’と、液体タンク51、51’に貯留した液体を液体供給管53、53’に押圧して供給するポンプ52、52’と、液体噴射ヘッド1、1’を主走査方向と直交する副走査方向に走査する移動機構63等を備えている。
一対の搬送手段61、62は副走査方向に延び、ローラ面を接触しながら回転するグリッドローラとピンチローラを備えている。図示しないモータによりグリッドローラとピンチローラを軸周りに移転させてローラ間に挟み込んだ被記録媒体54を主走査方向に搬送する。移動機構63は、副走査方向に延びた一対のガイドレール56、57と、一対のガイドレール56、57に沿って摺動可能なキャリッジユニット58と、キャリッジユニット58を連結し副走査方向に移動させる無端ベルト59と、この無端ベルト59を図示しないプーリを介して周回させるモータ60とを備えている。
キャリッジユニット58は、複数の液体噴射ヘッド1、1’を載置し、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4種類の液滴を吐出する。液体タンク51、51’は対応する色の液体を貯留し、ポンプ52、52’、液体供給管53、53’を介して液体噴射ヘッド1、1’に供給する。各液体噴射ヘッド1、1’は駆動信号に応じて各色の液滴を吐出する。液体噴射ヘッド1、1’から液体を吐出させるタイミング、キャリッジユニット58を駆動するモータ60の回転及び被記録媒体54の搬送速度を制御することにより、被記録媒体54上に任意のパターンを記録することできる。
なお、本実施形態は、移動機構63がキャリッジユニット58と被記録媒体54を移動させて記録する液体噴射装置50であるが、これに代えて、キャリッジユニットを固定し、移動機構が被記録媒体を二次元的に移動させて記録する液体噴射装置であってもよい。つまり、移動機構は液体噴射ヘッドと被記録媒体とを相対的に移動させるものであればよい。
1 液体噴射ヘッド
2 吐出部、2a 圧電体基板、2c 吐出溝、2d 非吐出溝、2e ノズルプレート、2f ノズル、2g カバープレート、2h 液体供給室、2i スリット、2k 側壁、2m 共通端子、2n 個別端子、2p 固定枠、2q 流路部材、2s 連通路、2t 貫通孔
3 第一温度検出素子
4 貯留部
5 加熱部
6 第二温度検出素子
7 流路
8 液体ダンパー
9 貯留凹部
10 流路凹部
11 ダンパー本体
12 可撓性フィルム
13 ダンパーカバー
14 収容部
15 貫通穴
16、16a、16b 分岐路凹部
17 制御部、17a 温度検出部、17b 加熱制御部、17c 駆動信号生成部、17d 電圧生成部
19 インターフェース
20 ベース基板
21a〜21d 接続部
22 駆動部
50 液体噴射装置
T1 第一温度、T2 第二温度、P 分岐点、D 窪み、US 上端面、S 基板面
Fp 前方端面、Bp 後方端面

Claims (13)

  1. 液滴を吐出する吐出部と、
    前記吐出部の第一温度を検出する第一温度検出素子と、
    前記吐出部に液体を流出する貯留部と、
    前記貯留部から前記吐出部に流出する液体を加熱する加熱部と、
    前記加熱部の近傍又は前記加熱部よりも下流側であり前記吐出部よりも上流側の流路の第二温度を検出する第二温度検出素子と、
    前記第一温度及び前記第二温度に基づいて前記加熱部及び前記吐出部の駆動を制御する駆動部と、を備える液体噴射ヘッド。
  2. 前記駆動部は、前記第一温度と前記第二温度を比較して、前記第一温度が前記第二温度よりも低いときは前記第二温度に基づいて前記吐出部を駆動する駆動信号を生成し、前記第一温度が前記第二温度よりも高いときは前記第一温度に基づいて前記吐出部を駆動する駆動信号を生成する請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記駆動部は、前記第一温度と前記第二温度を比較して、前記第一温度が前記第二温度よりも低いときは前記加熱部の駆動を停止し、前記第一温度が前記第二温度よりも高いときは前記加熱部を駆動して液体を加熱する請求項1又は2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記貯留部を含み、前記吐出部に流出する液体の圧力変動を緩和させる液体ダンパーを備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記液体ダンパーは、前記貯留部を構成する貯留凹部と前記貯留凹部に連通し前記流路を構成する流路凹部とを有するダンパー本体と、前記貯留凹部と前記流路凹部を覆い前記ダンパー本体の上端面に位置する可撓性フィルムと、前記貯留凹部に対向する窪みを有し前記可撓性フィルムの上に位置するダンパーカバーと、前記第二温度検出素子と、を備え、
    前記第二温度検出素子は前記流路凹部の近傍に位置する請求項4に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 前記ダンパー本体は前記流路凹部の近傍に収容部を備え、前記第二温度検出素子は前記収容部に位置する請求項5に記載の液体噴射ヘッド。
  7. 前記第二温度検出素子は前記可撓性フィルムの上に位置し前記ダンパーカバーから離間する請求項5に記載の液体噴射ヘッド。
  8. 前記流路凹部は分岐点において複数の分岐路凹部に分岐し、前記第二温度検出素子は前記分岐点の近傍又は前記分岐点よりも上流側に位置する請求項5〜7のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  9. 前記液体ダンパーは前記加熱部を備え、前記加熱部は前記ダンパーカバーに位置する請求項5〜8のいずれか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  10. 液滴を吐出する吐出部と、前記吐出部に流出する液体の圧力変動を緩和させる液体ダンパーと、を備え、
    前記液体ダンパーは、液体を貯留する貯留凹部と前記貯留凹部に連通する流路を構成する流路凹部とを有するダンパー本体と、前記貯留凹部と前記流路凹部を覆い前記ダンパー本体の上端面に位置する可撓性フィルムと、前記貯留凹部に対向する位置に窪みを有し前記可撓性フィルムの上に位置するダンパーカバーと、前記可撓性フィルム又は前記ダンパーカバーに位置する加熱部と、前記ダンパー本体又は前記可撓性フィルムに位置する温度検出部と、を備える液体噴射ヘッド。
  11. 請求項1に記載の液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドと被記録媒体とを相対的に移動させる移動機構と、
    前記液体噴射ヘッドに液体を供給する液体供給管と、
    前記液体供給管に前記液体を供給する液体タンクと、を備える液体噴射装置。
  12. 液滴を吐出する吐出部の第一温度を検出する第一温度検出素子と、液体を貯留する貯留部の又は前記貯留部よりも下流側であり前記吐出部よりも上流側の流路の第二温度を検出する第二温度検出素子と、前記第一温度及び前記第二温度に基づいて前記吐出部を駆動する駆動信号を制御する駆動部とを備え、
    前記駆動部が、
    前記第一温度検出素子から前記第一温度を取得し前記第二温度検出素子から前記第二温度を取得する第1ステップと、
    前記第一温度と前記第二温度を比較する第2ステップと、
    前記第一温度が前記第二温度よりも低いと判定するときは、前記第二温度に基づいて前記駆動信号を生成して前記吐出部に供給する第3ステップと、
    前記第一温度が前記第二温度よりも高いと判定するときは、前記第一温度に基づいて前記駆動信号を生成し前記吐出部に供給する第4ステップと、を備える液体噴射ヘッドの駆動方法。
  13. 前記貯留部から前記吐出部に流出する液体を加熱する加熱部を更に備え、
    前記駆動部は、
    前記第一温度が前記第二温度よりも低いと判定するときは前記加熱部の駆動を停止する第5ステップと、
    前記第一温度が前記第二温度よりも高いと判定するときは前記加熱部を駆動して液体を加熱する第6ステップと、を備える請求項12に記載の液体噴射ヘッドの駆動方法。
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