JP2017184625A - 酵母エキス含有ペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】酵母エキスを水分含量の低い固形食品に添加する場合、酵母エキス粉末を均一に分散混合することができないという問題を解決する酵母製剤の提供。【解決手段】酵母エキス粉末と液状油脂と固形脂からなることを特徴とする酵母エキス含有ペースト。【選択図】なし

Description

本発明は、酵母エキスの製剤化技術、詳しくは、酵母エキス粉末と液状油脂と固形脂からなることを特徴とする酵母エキスを含有するペーストに関する。
本発明の酵母エキス含有ペーストは、食品、特に従来、酵母エキス粉末の均一な分散混合が難しかった、低水分量(含まれる水分量が8質量%未満)の食品類、例えば、チョコレート(水分3%以下)、キャラメル(水分量5.4%)、飴(水分量2.5%)などにコク味を付与するためにごく少量からでも使用することができる。低水分量の食品類とは、水分活性(食品中の自由水の割合を表す数値)が0.6以下のものをいう。
酵母エキスは、ビール酵母やパン酵母などの各種酵母を自己消化や酵素添加により分解してエキス化したもので、ビタミン、ミネラル、アミノ酸などの栄養素を含み、独特のコク味、風味を有するので、調味料として飲食品分野で広く使用されている。
酵母エキスを飲食品に適用するに当たり、酵母自体が独特の臭気を有すること、および酵母エキス粉末の吸湿性が高く取扱性が悪いため、十分に活用することができなかった。そのため、これまで種々の製剤化が検討されている。
例えば、酵母自体の独特の臭気をマスキングしながらチョコレート等のコク味向上のため使用する技術として、酵母エキスと2−フランメタノールおよび/又は5−メチル−2−フランメタノールを有効成分とするチョコレート製品の食味増強剤が提案されている(特許文献1)。また、遊離アミノ酸含有量が3重量%未満である酵母エキスを用いた飲食物の奥行きおよびまろみを強める方法(特許文献2)、乾燥した焼酎粕をチョコレート原料として使用するチョコレート(特許文献3)が提案されている。
また、酵母エキス粉末は、吸湿性が高く、長時間保存しておくと吸湿して固結するため、吸湿性の高いエキスを粉末状態で保持できなかったことから、 酵母エキスと生澱粉分解酵素および酸化剤で処理された澱粉または澱粉誘導体を混合し押し出し造粒する方法(特許文献4)が提案されている。また、室温でもゲル化することなく流動性を有する、5’−GMPを多量に含有したペースト状の酵母エキスの製造方法(特許文献5)、さらに、バター風味を有するオイル成分と酵母エキスを混合し粉末状、顆粒状、又はペースト状にするバター風味調味料組成物(特許文献6)が提案されている。
特開2012−175963号公報 特開2014−18098号公報 特開2008−173057号公報 特開2003−219813号公報 特開2003−38123号公報 特開2010−124819号公報
食品の中には、チョコレート菓子のように製造時に過剰の水分の添加ができない固形食品が存在する。このような食品の製造において、コク味付与のために酵母エキスを使用する場合は、酵母エキス(水分含有量35%)から水分を除去した酵母エキス粉末(水分含有量5.4%)が使用されている。
しかし、酵母エキス粉末は、吸湿性が高く、短時間空気に触れただけでも空気中の水分を吸収して塊り(ダマ)になってしまうため、粉末の状態を維持したまま、他の食品原料と均一に分散混合することが困難であった。
酵母エキス粉末を食品中に均一に分散混合するためには、酵母エキス粉末を粉末状態のまま、もしくは溶液状態で他の食品原料と混合する必要がある。
しかし、酵母エキス粉末は、非常に吸湿性が高く、空気中の水分を容易に吸収するために粉末状態での混合は難しい。
そこで、酵母エキスと空気中の水分との接触を避けるために、酵母エキス粉末と液状油脂を混合した酵母エキスの分散液を調製することを検討した。
しかし、単に、分散液を調製しただけでは、酵母エキス粉末が経時的に沈殿、もしくは固結するため、使用時に攪拌などの新たな操作が必要となり好ましくない。
そこで、分散媒である液状油脂に固形脂を混合し、分散媒自体に粘性を持たせることで酵母エキス粉末の沈殿を防止することを試みた。
しかし、固形脂の含有比が高すぎると、粘性が上がって流動性がなくなり、25〜30℃(食品製造工場での一般的な室温)では固化してしまうなど、取り扱いが困難になってしまうことがわかった。
そこで、酵母エキス粉末、固形脂、液状油脂の比率を調整することで、取扱性に優れた酵母エキス粉末含有ペーストを得ることができた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕酵母エキス粉末0.04〜70質量%、液状油脂10〜80質量%及び固形脂10〜45質量%からなることを特徴とする酵母エキス含有ペースト。
〔2〕さらに、トコフェロール及びレシチンを配合した上記の酵母エキス含有ペースト。〔3〕振動式粘度計による25〜30℃における粘度が、50〜1000mPa・sであることを特徴とする上記の酵母エキス含有ペースト。
〔4〕水分含有量が8質量%未満の低水分量食品の風味増強剤である上記の酵母エキス含有ペースト。
〔5〕さらに、上記の酵母エキス含有ペーストに香料を配合することで酵母エキス臭がマスキングされた酵母エキス含有ペースト香味料。
〔6〕上記の酵母エキス含有ペースト又は酵母エキス含有ペースト香味料を、水分含有量が8質量%未満の低水分量食品における含有量が0.01〜5質量%となるように配合することを特徴とする、低水分量食品の風味増強方法。
〔7〕水分含有量が8質量%未満の低水分量食品の風味増強剤である上記の酵母エキス含有ペースト香味料。
〔8〕上記の酵母エキス含有ペースト香味料を、チョコレートにおける含有量が0.01〜5質量%となるように配合することを特徴とする、チョコレートの風味増強方法。
〔9〕酵母エキス粉末0.04〜70質量%、液状油脂10〜80質量%及び固形脂10〜45質量%からなる混合物を、攪拌機を用いて、温度40〜60℃、攪拌速度100〜5000rpmで0.5〜10分間撹拌して酵母エキス粉末が分散した混合物を調製し、次いで、混合物を撹拌しながら5〜20℃まで冷却してペースト状にする、ことを特徴とする酵母エキス含有ペーストの製造方法。
本発明の酵母エキス含有ペーストは、酵母エキス粉末をあらかじめ油性分散媒でペースト化することで、油性で親油性の性状である。そのため、水分を嫌う食品に使用でき、か
つ酵母エキス粉末の分散性維持に優れた酵母エキス製剤を提供することができる。
また、食品に配合する際の使用時のハンドリングを考慮して、チョコレートなどの菓子の製造・成型現場の一般的なテンパリング作業温度帯(25〜30℃)でも、良好な流動性を有し、固化しない物性を持つことを特徴とするペースト製剤として提供できる。
従って、食品の特性上これまで配合が困難とされていた食品に酵母エキスの配合が可能となり、そうした食品にコク味を付与して風味の増強を図ることができ消費者ニーズに応じて適切に対応することができる。
〔1〕原材料
(1)酵母エキス粉末
酵母エキスは、ビール酵母、パン酵母、ワイン酵母などの各種酵母を自己消化や酵素添加により分解してエキス化したもので、アミノ酸、ペプチド、核酸関連物質、各種塩類などの多様な成分を含んでいる。独特のコク味、風味を生かして、各種スープ、ソース類やカレールウ、各種加工食品の味のベースとして使用されている。
酵母自己消化物は、酵母の細胞を集めて破砕し、酵母自身に含まれる消化酵素の作用によって自己消化させたものである。これにより、酵母を構成するタンパク質が、うま味を持つアミノ酸や低分子のペプチドに分解される。自己消化後、酵母菌体を遠心分離などにより除去し、濃縮、濾過して酵母エキスが製造されている。
酵母エキス粉末は、酵母エキスをスプレードライなどの乾燥によって製造される。酵母エキス含有ペーストで使用する酵母エキス粉末の粒度は、28〜35メッシュ、特に32メッシュ(目開き0.504mm)程度のものが好ましい。
本発明に使用する酵母エキス粉末は、酵母源や製法に関係なく、適当な市販品を購入して使用することができる。
(2)液状油脂、固形脂
本発明に使用する液状油脂は、常温(25〜30℃)で液体の油脂で、上昇融点が30℃未満のものをいう。例えば、大豆油、サフラワー油、菜種油、綿実油、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、中鎖脂肪酸トリグリセライド(MCT)などが挙げられる。
本発明に使用する固形脂は、上昇融点が30℃以上の油脂をいう。例えば、カカオバター、牛脂、パーム核油、菜種硬化油、大豆硬化油、パーム硬化油、ノンテンパリングタイプのハードバター(例えば、「メラノ H−1000S」(商品名)、不二製油株式会社製)などが挙げられる。
(3)香料
酵母エキスは、「酵母臭」と呼ばれる特有の臭みを有するため、食品の種類によっては食品の香味を損なう恐れがある。その場合は、酵母エキス臭をマスキングするために香料を添加して対処することが好ましい。
マスキング効果の高い香料として、バニラ香料、メープル香料、黒糖香料、アーモンド香料、ナッツ香料、チーズ香料、チョコレート香料、バター香料、ミルク香料のような香料を例示することができる。
(4)レシチン
レシチンは、卵黄レシチン、大豆レシチンのいずれでもよい。レシチンは単独では酸価防止作用をもたないが、他の酸化防止剤と併用することで相乗的に酸化防止効果を発揮する。
(5)トコフェロール
トコフェロールは、使用する油成分の酸化防止のために使用する。酸化防止剤なら種類
は問わないが、油溶性でかつ飲食品での使用例が豊富なトコフェロールが望ましい。
〔2〕酵母エキス含有ペースト
本発明の酵母エキス含有ペーストは、好ましくは、酵母エキス粉末20〜60質量%、液状油脂20〜40質量%及び固形脂20〜40質量%、特に好ましくは、酵母エキス粉末35〜45質量%、液状油脂20〜25質量%及び固形脂35〜40質量%を含む。
酵母エキス臭をマスキングするために、酵母エキス含有ペーストにさらに香料を配合する場合は、酵母エキス粉末100質量部に対して0.1〜200質量部、特に2〜100質量部の範囲で添加することが好ましい。
また、必要に応じてレシチン又はトコフェロールを配合する場合の配合量は、酵母エキス含有ペースト100質量部に対して、前者が0.01〜1質量部、後者が0.01〜1質量部が好ましい。
本発明の酵母エキス含有ペーストは、原材料である酵母エキス粉末、液状油脂及び固形脂を攪拌装置に投入し、好ましくは温度40〜60℃、撹拌速度100〜5000rpm、撹拌時間0.5〜10分間で、特に好ましくは3000rpm、5分間撹拌して酵母エキス粉末が均一に分散した混合物を得る。香料を配合する場合は、温度40〜50℃で香料を投入し同様の条件で撹拌する。
次いで、得られた混合物を攪拌しながら5〜20℃まで冷却することで酵母エキスが均一に分散した状態の酵母エキス含有ペーストを製造することができる。
製造された酵母エキス含有ペースト及び酵母エキス含有ペースト香味料は、ペースト中の酵母エキス粉末が沈降しない程度の粘性と食品配合時の流動性を確保する必要があることから、振動式粘度計による25〜30℃における粘度が、50〜1000mPa・s、特に150〜600mPa・sであることが好ましい。
本発明においては、測定用の粘度計として振動式粘度計を使用する。振動式粘度計は、流体中で振動する物体が受ける粘性抵抗を測定するものであり、中でも音叉振動式粘度計は、流体中で、振動子を共振させ、振動子を一定振幅で動かすのに必要となる加振力(トルク)から粘度を求める方式である。かかる音叉振動式粘度計として、株式会社エー・アンド・デイの「音叉型振動式粘度計SV−10」(商品名)を挙げることができる。
〔3〕食品への適用
本発明の酵母エキス含有ペースト又は酵母エキス含有ペースト香味料を適用する食品としては、水分含有量が8質量%未満の水分の少ない食品が適している。特に、低水分量の菓子類、例えば、チョコレート(水分3%以下)、キャラメル(水分量5.4%)、飴(水分量2.5%)の風味増強剤として好適である。
酵母エキス含有ペースト又は酵母エキス含有ペースト香味料を、食品における含有量が0.01〜5質量%となるように配合することによって、食品にコク味を与え風味の増強を図ることができる。
以下に実施例、比較例、試験例、配合例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔原材料〕
実施例1〜14、比較例1〜4、配合例1〜3の酵母エキス含有ペーストに使用した原材料や装置は、以下の通りである。
(1)酵母エキス粉末
三井物産株式会社製の酵母エキスのパウダー「ハイパーミーストHG−Pd D20」(商品名)、粒度は32メッシュパス
(2)固形脂
不二製油株式会社製のノンテンパリングタイプのハードバター「メラノ H−1000S」(商品名)、上昇融点が33.5〜35.5℃
(3)液状油脂
中央化成株式会社製の中鎖脂肪酸トリグリセリド「MMEster−E700」(商品名)、上昇融点が24〜30℃未満
(4)レシチン
株式会社土屋商店製、「レシチンCL」(商品名)
(5)トコフェロール
理研ビタミン株式会社製、「理研Eオイル600N」(商品名)
〔撹拌装置〕
プライミックス社製、「T.K.ホモディスパー2.5型」(商品名)
〔試験例1〕
酵母エキス粉末、固形脂及び液状油脂を表1に記載の配合量で撹拌して実施例1〜5、比較例1〜2の酵母エキス含有ペーストを調製した。撹拌時の温度は50℃、撹拌速度は3000rpm、撹拌時間は5分間である。
そして、酵母エキス含有ペーストの流動性を撹拌装置による撹拌時の性状を目視で判断した。
なお、比較例1は酵母エキス粉末を配合していない。
試験例1では、固形脂の含有量を一定にし、酵母エキス粉末の配合量の上下限を設定することを目的とした。
試験例1の結果並びに評価基準を表1に示す。
その結果、酵母エキス粉末の添加量は、酵母エキス含有ペースト中、0.04〜68質量%が適していることがわかった。好ましくは、0.04〜60質量%、さらに好ましくは0.04〜40質量%であった。
Figure 2017184625
〔試験例2〕
酵母エキス粉末、固形脂及び液状油脂を表2に記載の配合量で撹拌して実施例6〜9、比較例3の酵母エキス含有ペーストを調製した。撹拌時の温度は50℃、撹拌速度は3000rpm、撹拌時間は5分間である。
本試験例では、酵母エキス粉末を酵母エキス含有ペースト中40質量%になるように添加し、流動性が維持されている範囲で、酵母エキス含有ペーストの粘度測定を下記の方法で行った。
比較例3のように固形脂のない系では、液状油脂中で酵母エキス粉末が沈殿するため粘度の測定は行わなかった。
実施例6の固形脂が10質量%の酵母エキス含有ペーストでは、酵母エキス粉末が均一に分散しており粘度を測定することができたが、固形脂の配合量がこれ以下になると酵母エキス粉末が沈殿し始めた。
結果を表2に示す。
〔測定方法〕
エー・アンド・デイ社製の音叉振動式粘度計(SV−10型)を用いて分析を行った。SV型粘度計は、固有振動数を30Hz、測定温度を25℃に保ち、測定開始後30分経過時点の測定値を粘度とした。
Figure 2017184625
〔試験例3〕
酵母エキス粉末、固形脂及び液状油脂を表3に記載の配合量で撹拌して実施例10〜14、比較例4の酵母エキス含有ペーストを調製した。撹拌時の温度は50℃、撹拌速度は3000rpm、撹拌時間は5分間である。
一般にチョコレートをテンパリングする場合には、製造工場の室温が30℃付近であることが望ましいことから試料温度を30℃にし、試験例2と同様に粘度を測定した。
試料温度が5℃上がることで、固形脂自体の粘性も低下し、固形脂を40質量%まで添加しても、粘度を測定することができた。
結果を表3に示す。
Figure 2017184625
本試験の結果、試料温度が30℃では、固形脂の添加濃度が20〜40質量%が適していることがわかった。好ましくは、25〜40質量%、さらに好ましくは35〜40質量%であった。また、液状油脂の添加量は、20〜40質量%が適しており、好ましくは20〜35質量%、さらに好ましくは20〜25質量%であった。
〔配合例1〜4〕
以下の通り、本発明の酵母エキス含有ペースト又は酵母エキス含有ペースト香味料を配合した菓子類(ミルクチョコレート、ミルクキャラメル、キャンデー、ソフトビスケット)を調製した。
〔配合例1〕
(1)ミルクチョコレート用酵母エキス含有ペースト香味料の調製
表4に記載の配合量で、固形脂、液状油脂、レシチン及びトコフェロールを配合し、60℃まで加温して撹拌して均一化した。そこに、酵母エキス粉末を攪拌しながら添加し、品温が40〜50℃に低下した時点で、ミルク香料を加えて均一に撹拌した。撹拌時の撹拌速度は3000rpm、撹拌時間は5分間である。
その後、撹拌しながら品温が10℃になるまで冷却してペースト状にし、ミルクチョコレート用酵母エキス含有ペースト香味料を調製した。
Figure 2017184625
(2)ミルクチョコレート処方
市販の板状ミルクチョコレートを湯煎で溶解し、それにミルクチョコレート用酵母エキス含有ペースト香味料を0.1質量%になるように添加し、テンパリング後、板状のチョコレートに成形した。
酵母エキス含有ペーストは均一に分散し、板状のチョコレートのどの部位でも均一に濃厚さが向上していることがわかった。
〔配合例2〕
(1)ミルクキャラメル用酵母エキス含有ペースト香味料の調製
表5に記載の配合量で、固形脂、液状油脂、レシチン及びトコフェロールを配合し、60℃まで加温して撹拌して均一化した。そこに、酵母エキス粉末を攪拌しながら添加し、品温が40〜50℃に低下した時点で、バター香料を加えて均一に撹拌した。撹拌時の撹拌速度は3000rpm、撹拌時間は5分間である。
その後、撹拌しながら品温を10℃まで冷却してペースト状にし、ミルクキャラメル用酵母エキス含有ペースト香味料を調製した。
Figure 2017184625
表6に記載の配合量で、キャラメル成分を混合し405gになるまで煮詰めた。110℃まで冷却したのち、フォンダン35gとミルクキャラメル用酵母エキス含有ペースト香味料0.44gを添加して、ミルクキャラメルを成形した。
官能評価を行ったところ、無添加のものに比べて、濃厚感が著しく向上したことが判明した。
Figure 2017184625
〔配合例3〕
(1)キャンデー用酵母エキス含有ペースト香味料の調製
表7に記載の配合量で、固形脂、液状油脂、レシチン及びトコフェロールを配合し、60℃まで加温して撹拌し、均一化した。そこに、酵母エキス粉末を攪拌しながら添加し、品温が40〜50℃に達した時点で、バター香料を加えて均一に撹拌した。撹拌時の撹拌速度は3000rpm、撹拌時間は5分間である。
その後、撹拌しながら品温を10℃まで冷却してペースト状にし、キャンデー用酵母エキス含有ペースト香味料を調製した。
Figure 2017184625
表8に記載の組成で、還元糖麦芽水飴だけを180℃まで煮詰め、110℃まで冷却したところで、生クリーム、クリームパウダー、加糖練乳を混合し、均一に撹拌したところで、キャンデー用酵母エキス含有ペースト香味料を0.4g添加し、キャンデーを成形した。
官能評価を行ったところ、無添加のものに比べて、濃厚感が著しく向上したことが判明した。
Figure 2017184625
〔配合例4〕
(1)ソフトビスケット用酵母エキス含有ペースト香味料の調製
表9に記載の配合量で、固形脂、液状油脂、レシチン及びトコフェロールを配合し、60℃まで加温して撹拌し、均一化した。そこに、酵母エキス粉末を攪拌しながら添加し、品温が40〜50℃に低下した時点で、バター香料を加えて均一に撹拌した。撹拌時の撹拌速度は3000rpm、撹拌時間は5分間である。
その後、撹拌しながら品温を10℃まで冷却してペースト状にし、ソフトビスケット用酵母エキス含有ペースト香味料を調製した。
Figure 2017184625
表10に記載の配合量で、ソフトビスケットを成形し、210℃で焼成した。
官能評価を行ったところ、無添加のものに比べて、濃厚感が著しく向上したことが判明した。
Figure 2017184625
本発明の酵母エキス含有ペースト又は酵母エキス含有ペースト香味料は、特にチョコレートへの使用適性が高い。チョコレート製品は、水分があると、製造時に著しく粘度が増大し製品表面に糖の結晶が析出するからである。
キャラメルやキャンデーなど製造工程に煮詰める工程がある固形食品は、多少の水分ならこの工程で除去することができるが、素材自体の香味を保つためには、できるだけ煮詰める時間が短い方が良い。したがって、最初から水分が添加されないようにするなどの工夫が重要である。

Claims (9)

  1. 酵母エキス粉末0.04〜70質量%、液状油脂10〜80質量%及び固形脂10〜45質量%からなることを特徴とする酵母エキス含有ペースト。
  2. さらに、トコフェロール及びレシチンを配合した請求項1に記載の酵母エキス含有ペースト。
  3. 振動式粘度計による25〜30℃における粘度が、50〜1000mPa・sであることを特徴とする請求項1又は2に記載の酵母エキス含有ペースト。
  4. 水分含有量が8質量%未満の低水分量食品の風味増強剤である請求項1〜3のいずれか1項に記載の酵母エキス含有ペースト。
  5. さらに、請求項1〜4のいずれか1項に記載の酵母エキス含有ペーストに香料を配合することで酵母エキス臭がマスキングされた酵母エキス含有ペースト香味料。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の酵母エキス含有ペースト又は請求項5に記載の酵母エキス含有ペースト香味料を、水分含有量が8質量%未満の低水分量食品における含有量が0.01〜5質量%となるように配合することを特徴とする、低水分量食品の風味増強方法。
  7. 水分含有量が8質量%未満の低水分量食品の風味増強剤である請求項5に記載の酵母エキス含有ペースト香味料。
  8. 請求項7に記載の酵母エキス含有ペースト香味料を、チョコレートにおける含有量が0.01〜5質量%となるように配合することを特徴とする、チョコレートの風味増強方法。
  9. 酵母エキス粉末0.04〜70質量%、液状油脂10〜80質量%及び固形脂10〜45質量%からなる混合物を、攪拌機を用いて、温度40〜60℃、攪拌速度100〜5000rpmで0.5〜10分間撹拌して酵母エキス粉末が分散した混合物を調製し、
    次いで、混合物を撹拌しながら5〜20℃まで冷却してペースト状にする、
    ことを特徴とする酵母エキス含有ペーストの製造方法。
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