JP2017184489A - モータ駆動装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】Hブリッジ回路に接続した電流検出素子を用いてモータの駆動電流を検出するモータ駆動装置において、Hブリッジ回路に供給するPWM信号のパルス幅に起因した駆動電流の検出誤差を低減するための技術を提供する。
【解決手段】モータ制御部200は、FET Q1〜Q4で構成されたHブリッジ回路に対して供給するPWM信号(PWM+及びPWM−)を制御することで、駆動対象のモータのコイルL1に流れる駆動電流を制御する。符号制御部204は、電流検出抵抗R1に生じる電圧に対応する電圧値Vsnsに対して、PWM+のレベルに応じて符号の反転処理を行うことで、駆動電流Iの検出値Isnsを生成する。符号制御部204は、PWM+のデューティ比DRが、閾値DR_Hより大きいか、または閾値DR_Lより小さい場合、PWM+のレベルによらず、生成する検出値Isnsの符号として、直前に生成した検出値の符号を使用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ駆動装置及び画像形成装置に関するものである。
複写機、プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置では、画像が形成される用紙等の記録材を搬送する搬送系の駆動源として、ステッピングモータ等のモータが用いられる。このようなモータの駆動に、複数のスイッチング素子(FET)で構成されたHブリッジ回路を用いる場合、PWM信号によって各FETを制御してモータに駆動電流を供給することで、モータを駆動する。この場合、モータの巻線に流れる駆動電流を検出し、その検出結果に基づくフィードバック制御によりPWM信号を生成することで、モータに供給する駆動電流の値を目標値に制御できる。
Hブリッジ回路を用いる上述の構成において、駆動電流の検出は、例えばHブリッジ回路のグラウンド側に電流検出抵抗を配置し、当該抵抗を流れる電流を検出することで実現できる。この場合、モータの巻線に流れる駆動電流の方向が一定であっても、Hブリッジ回路に供給されるPWM信号がHレベルである場合とLレベルである場合とで、電流検出抵抗に流れる電流の方向が反転する現象が生じる。
このような現象に対処するために、特許文献1では、Hブリッジ回路のグラウンド側に配置した抵抗を用いてモータの駆動電流を検出する構成において、電流検出抵抗の両端間の電圧の正負の極性(符号)をPWM信号に同期して反転させている。これにより、電流検出抵抗を用いて検出される電流の方向を、モータに実際に流れる駆動電流の方向と一致させ、電流の検出結果に基づく駆動電流のフィードバック制御を実現している。
特開平8−99645号公報
しかし、上述のようなHブリッジ回路では、スイッチング素子(FET)の駆動用のPWM信号のパルス幅(HレベルまたはLレベルの継続時間)が極端に短い場合、FETのスイッチングがPWM信号に追従できなくなる。この場合、PWM信号のレベルが変化した際に、電流検出抵抗に流れる電流の方向が反転していないにもかかわらず、PWM信号に同期して当該電流の検出値の符号の反転が行われ、駆動電流の検出結果に誤差が生じうる。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。本発明は、Hブリッジ回路に接続した電流検出素子を用いてモータの駆動電流を検出するモータ駆動装置において、Hブリッジ回路に供給するPWM信号のパルス幅に起因した駆動電流の検出誤差を低減するための技術を提供することを目的とする。
本発明は、例えば、モータ駆動装置として実現できる。本発明の一態様に係るモータ駆動装置は、駆動対象のモータの巻線に接続されるスイッチング素子を含み、前記スイッチング素子のスイッチングに応じた駆動電流を前記巻線へ供給することで、前記モータを駆動するHブリッジ回路と、前記Hブリッジ回路とグラウンドとの間に接続された電流検出素子と、前記スイッチング素子をスイッチングさせるための、ハイレベルとローレベルとの間で変化するPWM信号を生成し、前記Hブリッジ回路へ供給する生成手段と、前記生成手段によって生成された前記PWM信号のレベルに応じて、前記電流検出素子に生じる電圧に対応する電圧値の極性を反転する処理を行い、反転処理された信号及び反転処理されない信号に基づいて前記巻線に流れる前記駆動電流の検出値を生成する検出手段と、前記検出手段によって生成された検出値に基づいて、前記生成手段による前記PWM信号の生成を制御する制御手段と、を備え、前記検出手段は、前記PWM信号の前記ハイレベルまたは前記ローレベルの継続時間が所定の時間よりも短い期間では、前記PWM信号のレベルによらず、当該期間の前記電圧値の極性を当該期間の直前の期間の前記電圧値の極性と同じにすることを特徴とする。
本発明によれば、Hブリッジ回路に接続した電流検出素子を用いてモータの駆動電流を検出するモータ駆動装置において、Hブリッジ回路に供給するPWM信号のパルス幅に起因した駆動電流の検出誤差を低減することが可能である。
モータ駆動装置の概略的な構成例を示す図。 モータ駆動回路250の構成から電流検出抵抗R1を除外した構成を示す図。 モータ駆動回路250に流れる電流の経路を示す図。 PWM信号、駆動電流I、電圧値Vsns、及び駆動電流Iの検出値Isnsの関係を示すタイムチャート。 検出値Isnsに誤差が生じる場合の、PWM信号、駆動電流I、電圧値Vsns、及び駆動電流Iの検出値Isnsの関係を示すタイムチャート。 モータ制御部200によるモータ駆動制御の手順を示すフローチャート。 モータ制御部200によるスイープ動作時の、PWM信号、駆動電流I、電圧値Vsns、及び駆動電流Iの検出値Isnsの関係を示すタイムチャート。 閾値DR_Hの決定処理の手順を示すフローチャート。 閾値DR_Lの決定処理の手順を示すフローチャート。 閾値DR_Hの決定処理の再実行を要するケースを示す、PWM信号、駆動電流I、電圧値Vsns、及び駆動電流Iの検出値Isnsの関係を示すタイムチャート。 ベクトル制御を適用したモータ制御部400の構成例を示す図。 モータと回転座標系のdq軸との関係を示す図。 PWMインバータ506及び電流検出部507,508の構成例を示す図。 画像形成装置100の構成例を示す断面図。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<画像形成装置100>
まず、図14を参照して、以下の実施例1〜4で説明するモータ駆動装置が実装される画像形成装置の構成例について説明する。図14は、画像形成装置100の概略的な構成例を示す断面図である。画像形成装置100は、単色画像を形成する画像形成装置であってもよいが、ここでは、複数色のトナー(現像剤)を用いて多色画像を形成する画像形成装置を想定する。画像形成装置100は、例えば、印刷装置、プリンタ、複写機、複合機(MFP)、及びファクシミリ装置のいずれであってもよい。画像形成装置100は、イエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、及びブラック(K)色の4色のトナーを用いてトナー画像を形成する4つの画像形成ステーションを備えている。図14では、Y色のステーションの構成部品にのみ参照番号を付与しているが、4つのステーションはいずれも同一の構成を採用可能である。なお、各ステーションは、感光ドラム111や中間転写ベルト116等の像担持体にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段の一例である。
一次帯電部112は、回転する感光ドラム111を一様に帯電させる。露光部113は、画像信号に基づいて変調したレーザ光(光ビーム)を出力し、感光ドラム111の表面をレーザ光で走査する。これにより、感光ドラム111上に静電潜像が形成される。現像部114は、トナーを用いて静電潜像を現像し、感光ドラム111上にトナー画像を形成する。一次転写ローラ117は、感光ドラム111上のトナー画像を中間転写ベルト116に一次転写する。中間転写ベルト116は、矢印Bの方向に回転している。中間転写ベルト116上のトナー画像は、中間転写ベルト116と二次転写ローラ123とによって形成された二次転写部へ搬送される。その間、各ステーションの感光ドラム111上に形成された各色のトナー画像が順に中間転写ベルト116上に重ね合わせて一次転写されることで、多色のトナー画像が中間転写ベルト116上に形成される。
給紙カセット(給紙部)120内のシートPは、給紙ローラ(ピックアップローラ)121によってシート搬送路へ給紙される。シートPは、記録紙、記録材、記録媒体、用紙、転写材、転写紙等と称されてもよい。シート搬送路へ給紙されたシートPは、搬送ローラ122によって二次転写部へ搬送される。二次転写部において、中間転写ベルト116によって搬送されてきたトナー画像がシートPに二次転写される。定着部125は、トナー画像に熱及び圧力を加えて、シートP上に定着させる。その後、トナー画像が定着したシートPは排紙ローラ126によって排紙トレイ(排紙部)へ排紙される。なお、感光ドラム111及び中間転写ベルト116の表面に残留したトナーは、ドラムクリーナ115及びベルトクリーナ118によってそれぞれ除去(回収)される。
このように、画像形成装置100は、画像が形成される用紙等の記録材の搬送用のローラとして、給紙ローラ121、搬送ローラ122、排紙ローラ126等のローラを備えている。これらのローラを駆動する駆動源に相当するモータは、画像形成装置100内の上位の制御回路からの指示により、以下の実施例で説明するモータ駆動装置によって駆動される。なお、画像形成装置100は、記録材の搬送用の各ローラに対応するモータごとに、以下で説明するモータ駆動装置を備えている。また、以下で説明するモータ駆動装置は、画像形成装置100が、画像読取装置に原稿を搬送する自動原稿搬送装置(ADF)を備える複合機(MFP)等である場合には、ADFが備える原稿搬送用のローラを駆動するモータに対して用いられてもよい。
[実施例1]
まず、図1乃至図6を参照して、実施例1について説明する。図1は、本実施例に係るモータ駆動装置の概略的な構成例を示す図である。モータ駆動装置は、モータ駆動回路250及びモータ制御部200によって構成されている。モータ駆動回路250は、駆動対象のモータの巻線(コイル)L1に駆動電流(相電流)Iを流すことで当該モータを駆動する。モータ制御部200は、モータ駆動回路250へ供給するPWM信号を制御することで、モータの駆動制御を行う。モータ制御部200は、例えば、CPU等のプロセッサの内部に設けられる。この場合、モータ制御部200は、CPUがROM等の記憶デバイスに格納されたプログラムを読み出して実行する処理によって実現される。あるいは、モータ制御部200は、図1に示す各ブロックの機能を実現する1つ以上の回路(例えばASIC)によって実現されてもよい。
本実施例では、モータ駆動装置の駆動対象のモータが、2相のステッピングモータである場合について説明する。この場合、図1に示すモータ駆動装置は、ステッピングモータのA相及びB相(第1相及び第2相)の巻線(コイルL1及びL2)に対してそれぞれ設けられる。なお、本実施例は、ステッピングモータ以外のタイプのモータが駆動対象である場合、及び2相以外の相数のモータが駆動対象である場合にも、同様に適用できる。
<モータ駆動回路250>
図1に示すように、モータ駆動回路250は、FET(スイッチング素子)Q1〜Q4と、駆動対象のモータのコイルL1と、電流検出抵抗(電流検出素子)R1とで構成される。FET Q1〜Q4は、駆動対象のモータを駆動するHブリッジ回路を構成している。即ち、Hブリッジ回路は、駆動対象のモータの巻線(コイルL1)と接続されるFET Q1〜Q4を含み、FETのスイッチング(ゲートのオン・オフ動作)に応じた駆動電流Iを当該巻線に供給することで、モータを駆動する。電流検出抵抗R1は、Hブリッジ回路とグラウンド(GND)との間に接続されている。
Hブリッジ回路は、モータ駆動電源(例えば24V)と電流検出抵抗R1との間に直列に接続されたFET Q1及びFET Q3を含む。Hブリッジ回路は、更に、モータ駆動電源と電流検出抵抗R1との間に直列に接続され、かつ、FET Q1及びFET Q3とは並列に接続されたFET Q2及びFET Q4とを含む。駆動対象のモータのコイルL1は、FET Q1とFET Q3との接続点と、FET Q2とFET Q4との接続点とをブリッジ(橋絡)するように、これら2つの接続点の間に接続されている。本実施例では、FET Q1〜Q4としてNチャネルFETを使用する。FET Q1,Q2のドレイン端子(PチャネルFETの場合はソース端子)は、モータ駆動電源と接続されている。また、FET Q3,Q4のソース端子(PチャネルFETの場合はドレイン端子)は、電流検出抵抗R1を介してグラウンドと接続されている。
モータ駆動回路250では、モータ制御部200から供給されるPWM信号(PWM+及びPWM−)によってFET Q1〜Q4のそれぞれのスイッチングが行われる。FET Q1〜Q4は、ゲートに与えられる駆動用のPWM信号がハイレベル(Hレベル)である場合にはオン状態となり、PWM信号がローレベル(Lレベル)である場合にはオフ状態となる。FET Q1,Q4は、PWM信号(PWM+)によって駆動される。一方、FET Q2,Q3は、PWM+と逆位相の関係にあるPWM信号(PWM−)によって駆動される。このため、FET Q1,Q4がオン状態の場合にFET Q2,Q3はオフ状態となり、FET Q1,Q4がオフ状態の場合にFET Q2,Q3はオン状態となる。なお、PWM−信号のHレベルとLレベルはPWM+信号のHレベルとLレベルとは反対の関係になっている。
後述するように、FET Q1〜Q4についてのオン状態とオフ状態との間のスイッチングに依存して、モータのコイルL1に流れる駆動電流Iが変化する。モータ制御部200は、モータ駆動回路250へ供給するPWM信号(PWM+及びPWM−)を制御することで、モータのコイルL1に流れる駆動電流Iを制御する。なお、モータのコイルL2に流れる駆動電流Iについても同様に制御される。モータの各相のコイルL1及びL2に流れる駆動電流Iがそれぞれ制御されることで、当該モータの駆動制御が行われる。
ここで、図2乃至図4を参照して、モータ駆動回路250の動作について説明する。図2は、図1に示すモータ駆動回路250の構成から電流検出抵抗R1を除外した構成を示しており、FET Q3,Q4のソース端子はGNDと接続されている。図3は、モータ駆動回路250に流れる電流の経路を示す図である。図3(A)では、モータのコイルL1に流れる駆動電流Iが正の期間にモータ駆動回路250に流れる電流の経路を、実線及び破線の矢印によって示している。図3(B)では、モータのコイルL1に流れる駆動電流Iが負の期間にモータ駆動回路250に流れる電流の経路を、実線及び破線の矢印によって示している。
また、図4は、モータ駆動回路250へ供給されるPWM信号(PWM+及びPWM−)、駆動電流I、電流検出抵抗R1(図1)に生じる電圧に対応する電圧値Vsns、及び駆動電流Iの検出値Isnsの関係を示すタイムチャートである。なお、図4において、期間T1は、駆動電流Iが正(I>0)の値になる期間であり、期間T2は、駆動電流Iが負(I<0)の値になる期間である。図4に示すように、PWM信号(PWM+及びPWM−)は、Hレベル(オン状態)とLレベル(オフ状態)との間で変化し、PWM信号の変化に応じて駆動電流Iが変化している。
期間T1(駆動電流Iが正の期間)において、PWM+がHレベルである(PWM−がLレベルである)場合には、モータ駆動回路250内では、図3(A)において実線で示す経路(電源→Q1→L1→Q4→GND)を電流(力行電流)が流れる。このとき、駆動電流Iは、図4において実線で示すように変化する。
その後、PWM+がLレベルに変化すると(PWM−がHレベルに変化すると)、モータのコイルL1には、駆動電流Iの急激な変化を阻止する方向に誘導起電力(逆起電力)が生じる。この誘導起電力は、モータを駆動する電源(24V)より優位となり、その結果、モータ駆動回路250内では、図3(A)において破線で示す経路(GND→Q3→L1→Q2→電源)を電流(回生電流)が流れる。このとき、駆動電流Iは、図4において破線で示すように変化する。
一方、期間T2(駆動電流Iが負の期間)においては、PWM+がLレベルである(PWM−がHレベルである)場合、モータ駆動回路250内では、図3(B)において実線で示す経路(電源→Q2→L1→Q3→GND)を電流が流れる。このとき、駆動電流Iは、図4において実線で示すように変化する。
その後、PWM+がHレベルに変化すると(PWM−がLレベルに変化すると)、モータのコイルL1には、駆動電流Iの急激な変化を阻止する方向に誘導起電力が生じる。この誘導起電力は、モータを駆動する電源(24V)より優位となり、その結果、モータ駆動回路250内では、図3(B)において破線で示す経路(GND→Q4→L1→Q1→電源)を電流(回生電流)が流れる。このとき、駆動電流Iは、図4において破線で示すように変化する。
モータの駆動制御は、上述のように、コイルL1(及びL2)に流れる駆動電流Iを制御することによって行われる。モータ制御部200は、FET Q1〜Q4の駆動用のPWM信号(PWM+及びPWM−)を制御することで、駆動電流Iを所望の値に制御する。このような制御を実現するためには、モータ駆動回路250においてコイルL1に実際に流れる駆動電流Iを検出し、その検出結果に基づいて、駆動電流Iが所望の値に制御するためのPWM信号を生成する必要がある。
駆動電流Iの検出は、例えば、図2に示すA点、B点またはC点に電流検出用の素子を配置することによって行うことが可能である。A点またはB点で駆動電流Iの検出を行う場合には、電源の電圧(24V)に対応した(即ち、高電圧に対応した)素子、またはホール素子等の非接触式の素子が必要となる。これに対して、C点で駆動電流Iの検出を行う場合には、検出点における電圧が低く、比較的安価な素子(例えば、電流検出抵抗、及びその両端間の電圧を増幅する差動増幅器等)を用いた電流検出が可能である。
このため、本実施例では、図1に示すように、FET Q3,Q4のソース端子の接続点とGNDとの間の経路上のC点に電流検出抵抗R1を配置することで、C点で駆動電流Iの検出を行う。C点に電流検出抵抗R1を配置した場合、電流検出抵抗R1に生じる電圧(即ち、電流検出抵抗R1の両端間の電圧)は、オームの法則により、電流検出抵抗R1に流れる電流に比例する(電流と相似な波形となる)。モータ制御部200は、電流検出抵抗R1の両端間の電圧(両端電圧)を差動増幅部230で増幅して得られる電圧値Vsnsに基づいて、駆動電流Iの検出値Isnsを生成する。
図4には、C点に配置した電流検出抵抗R1の両端電圧に対応する電圧値Vsnsを示している。図4に示すように、PWM信号のレベルの切り替えに応じて、電圧値Vsnsの極性が変化している。これは、C点に配置した電流検出抵抗R1に流れる電流の方向が、PWM信号のレベルの切り替えに応じて反転するためである。このため、モータ駆動回路250内で、C点(電流検出抵抗R1)に流れる電流は、駆動電流Iとは一致しない。
具体的には、図3(A)に示すように、駆動電流Iの極性が正の期間T1には、PWM+がHレベル(PWM−がLレベル)の場合、GND方向に向かって電流が流れるため、電流検出抵抗R1に流れる電流の極性は正となる。一方、PWM+がLレベル(PWM−がHレベル)の場合、電源方向に向かって電流が流れるため、電流検出抵抗R1に流れる電流の極性は負となる。また、図3(B)に示すように、駆動電流Iの極性が負の期間T2には、PWM+がLレベル(PWM−がHレベル)の場合、GND方向に向かって電流が流れるため、電流検出抵抗R1に流れる電流の極性は正となる。一方、PWM+がHレベル(PWM−がLレベル)の場合、電源方向に向かって電流が流れるため、電流検出抵抗R1に流れる電流の極性は負となる。
このように、PWM信号がHレベルとLレベルとの間で変化すると、C点に配置した電流検出抵抗R1に流れる電流の極性(電流が流れる方向)が反転し、図4に示すように、電圧値Vsnsの極性も反転する。また、電流検出抵抗R1に流れる電流は、PWM+がHレベル(PWM−がLレベル)の場合には、駆動電流Iと極性が一致する一方で、PWM+がLレベル(PWM−がHレベル)の場合には、駆動電流Iと極性が逆になり、電圧値Vsnsも同様に変化する。
したがって、C点に配置した電流検出抵抗R1の両端電圧に基づいて駆動電流Iを検出するためには、上述の特許文献1のように、電圧値Vsnsの極性を、駆動電流Iの極性と一致するよう、必要に応じて切り替える(反転させる)処理が必要となる。本実施例では、モータ制御部200では、符号制御部204が、電流検出抵抗R1に生じる電圧に対応する電圧値Vsnsに対して、PWM生成部203によって生成されたPWM信号のレベルに応じて正負の極性(符号)の反転処理を行う。これにより、符号制御部204は、電圧値Vsnsから、コイルL1に流れる駆動電流Iの検出値Isnsを生成する。
図4では、電圧値Vsns及び検出値Isnsについて、電圧値Vsnsの極性(符号)の反転処理の対象となる箇所を破線で示している。モータ制御部200は、図4に示すように、PWM+がHレベル(PWM−がLレベル)の場合には、電圧値Vsnsの符号を反転させず、PWM+がLレベル(PWM−がHレベル)の場合には、電圧値Vsnsの符号の反転させる処理を行う。このように、PWM+またはPWM−に応じた、電流値Vsnsの符号の反転処理により、電圧値Vsnsから、実際の駆動電流Iと同様の波形を示す検出値Isnsを取得できる。
<モータ制御部200>
モータ制御部200は、電流波形生成部201、PID制御部202、PWM生成部203、及び符号制御部204を備えている。モータ制御部200は、モータのコイルL1に流れる駆動電流Iの検出結果に基づいて、モータ駆動回路250へ供給するPWM信号を制御することで、モータの駆動制御を行う。駆動電流Iの検出には、上述のように、FET Q3,Q4のソース端子とGNDとの間(Hブリッジ回路とGNDとの間)に接続された電流検出抵抗R1が用いられる。
電流検出抵抗R1に電流が流れた場合に電流検出抵抗R1に生じる電圧(両端電圧)は、差動増幅部230へ入力される。差動増幅部230の出力はA/D変換部220を介してモータ制御部200へ入力される。差動増幅部230は、オペアンプ等によって構成されており、電流検出抵抗R1の両端電圧を増幅してA/D(アナログ/デジタル)変換部220へ出力する。A/D変換部220は、差動増幅部230から出力された電圧のA/D変換を行うことで、デジタル形式の電圧値Vsnsを生成してモータ制御部200へ出力する。モータ制御部200内の符号制御部204は、電圧値Vsnsを、電流検出抵抗R1に流れる電流の値として取得する。なお、図1では、差動増幅部230及びA/D変換部220は、モータ制御部200及びモータ駆動回路250とは独立したブロック(回路)として設けられているが、モータ制御部200またはモータ駆動回路250に組み込まれていてもよい。
電流波形生成部201は、不図示の上位の制御回路からモータ制御部200への指示に基づいて駆動対象のモータのコイルL1に流れる駆動電流Iの目標値Itgtを生成して出力する。例えば、2相のステッピングモータを、1000ppsのパルスレート、1Aの巻線電流による2相励磁モードで駆動する場合には、電流波形生成部201は、周波数が250Hz、振幅が1Aの矩形波を、駆動電流Iの目標値Itgtとして生成する。
モータ制御部200では、電流波形生成部201から出力される、駆動電流Iの目標値Itgtと、符号制御部204から出力される、駆動電流Iの検出値Isnsとの差分が算出され、得られた差分値がPID制御部202に入力される。PID制御部202は、入力された差分値に基づいてPID演算を行うことで、モータ駆動回路250へ出力されるPWM信号のデューティ比を決定(算出)し、決定したデューティ比をPWM生成部203へ出力する。このように、PID制御部202は、符号制御部204によって生成された検出値Isnsに基づいて、PWM生成部203によるPWM信号の生成を制御する。
PWM生成部203は、PID制御部202から出力されたデューティ比に基づいてPWM信号を生成し、生成したPWM信号をモータ駆動回路250へ出力する。具体的には、PWM生成部203は、PWM信号の1周期ごとに、PID制御部202によって決定されたデューティ比のPWM信号(PWM+)と、当該PWM信号(PWM+)と逆位相の関係にあるPWM信号(PWM−)とを生成する。上述のように、PWM+は、FET Q1,Q4を駆動するために用いられ、PWM−は、FET Q2,Q3を駆動するために用いられる。
符号制御部204は、A/D変換部220を介して入力された、電流検出抵抗R1の両端電圧に対応する電圧値Vsnsに対して、上述のように、極性(符号)の反転処理を行う。符号制御部204は、PWM生成部203によって生成されたPWM信号(PWM+)の論理値(HまたはL)に基づいて、電圧値Vsnsの符号(極性)が実際の駆動電流Iの極性と一致するよう、電圧値Vsnsの符号の反転処理を行う。これにより、符号制御部204は、電圧値Vsnsから駆動電流Iの検出値Isnsを生成する。
<駆動電流Iの検出誤差>
次に、図5を参照して、電流検出抵抗R1を用いた駆動電流Iの検出において生じうる検出誤差について説明する。図1に示すようにFET Q3,Q4のソース端子とGNDとの間(Hブリッジ回路とGNDとの間)に配置した電流検出抵抗R1を用いると、駆動電流Iの検出結果として、理想的には図4に示すような検出値Isnsが得られる。しかし、実際には、モータ制御部200からモータ駆動回路250へ供給されるPWM信号のデューティ比に依存して、検出値Isnsに誤差が生じうる。具体的には、モータ駆動回路250に供給されるPWM信号のHレベルまたはLレベルの継続時間が極端に短い(即ち、PWM信号のデューティ比が極端に大きいまたは極端に小さい)場合に、そのような誤差が生じうる。
ここで、図5は、図4とは異なるPWM信号がモータ駆動回路250へ供給される場合のタイムチャートを示している。なお、図5において、期間Ts1は、PWM+のLレベルの継続時間(PWM−のHレベルの継続時間)が短い期間に相当し、期間Ts2は、PWM+のHレベルの継続時間(PWM−のLレベルの継続時間)が短い期間に相当する。
図5に示す期間Ts1では、PWM+がHレベルからLレベルに切り替わることで、理想的には、FET Q1,Q4がオン状態からオフ状態に切り替わるはずである。しかし、実際には、期間Ts1が短すぎると、FET Q1,Q4のゲート電荷が十分に放電されず、ゲート‐ソース間電圧が閾値電圧を下回らない。その結果、FET Q1,Q4は、オン状態からオフ状態に切り替わらず、オン状態を継続することになる。なお、PWM−によって駆動されるFET Q2,Q3については、FET Q1,Q4とは逆に、オフ状態からオン状態に切り替わらず、オフ状態を継続することになる。即ち、期間Ts1では、FET Q1〜Q4のスイッチングがPWM信号に追従できない。
この場合、モータ駆動回路250内では、PWM+のHレベルからLレベルへの切り替えが生じても、電流検出抵抗R1に流れる電流の極性の反転が生じず、図5に示すように、当該電流に比例する電圧値Vsnsの極性の反転も生じない。したがって、符号制御部204が、PWM+のHレベルからLレベルへの切り替えに応じて電圧値Vsnsの極性を反転させると、電圧値Vsnsから得られる検出値Isnsと実際の駆動電流Iとの間に誤差が生じる結果となる。
また、図5に示す期間Ts2にも、期間Ts1と同様の現象が生じる。期間Ts2では、PWM+がLレベルからHレベルに切り替わることで、理想的には、FET Q1,Q4がオフ状態からオン状態に切り替わるはずである。しかし、実際には、期間Ts2が短すぎると、FET Q1,Q4のゲート電荷が十分に充電されず、ゲート‐ソース間電圧が閾値電圧以上とならない。その結果、FET Q1,Q4は、オフ状態からオン状態に切り替わらず、オフ状態を継続することになる。なお、PWM−によって駆動されるFET Q2,Q3については、FET Q1,Q4とは逆に、オン状態からオフ状態に切り替わらず、オン状態を継続することになる。即ち、期間Ts2では、FET Q1〜Q4のスイッチングがPWM信号に追従できない。
この場合、モータ駆動回路250内では、PWM+のLレベルからHレベルへの切り替えが生じても、電流検出抵抗R1に流れる電流の極性の反転が生じず、図5に示すように、当該電流に比例する電圧値Vsnsの極性の反転も生じない。したがって、符号制御部204が、PWM+のLレベルからHレベルへの切り替えに応じて電圧値Vsnsの極性の反転状態を解除すると、電圧値Vsnsから得られる検出値Isnsと実際の駆動電流Iとの間に誤差が生じる結果となる。
このように、FET Q1〜Q4のスイッチングがPWM信号に追従できなくなると、PWM信号の論理値に基づく電圧値Vsnsの符号反転処理に誤りが生じる。その結果、電流検出抵抗R1を用いた駆動電流Iの検出結果に誤差が生じる。
<モータ制御部の符号反転処理>
本実施例では、モータ制御部200は、電流検出抵抗R1を用いて駆動電流Iを検出する際に、上述のようなメカニズムで生じる検出誤差を低減するように、電圧値Vsnsの符号反転処理を制御する。具体的には、モータ駆動回路250へ出力するPWM信号のHレベルまたはLレベルの継続時間が所定の時間よりも短い期間では、PWM信号のレベルによらず、生成する検出値Isnsの符号として、当該期間の直前に生成した検出値の符号を使用する。この所定の時間は、PWM信号のHレベルまたはLレベルの継続時間(パルス幅)がそれより短い場合に、PWM信号のレベルの変化にFETのスイッチングが追従できないパルス幅として予め定められ、記憶デバイスに格納されている。図5に示す例では、期間Ts1及びTs2は、所定の時間よりも短い期間に相当する。
PWM信号のパルス幅が短く、FETのスイッチングがPWM信号に追従できない期間では、上述のように、電流検出抵抗R1に流れる電流の方向に変化が生じない。本実施例では、このような場合に、モータ制御部200(符号制御部204)で生成する駆動電流の検出値Isnsの符号として、PWM信号のレベルによらずに、直前の検出値Iの符号を継続して使用する。これにより、電流検出抵抗R1に流れる電流の方向が反転していないにもかかわらずPWM信号に同期して当該電流の検出値Isnsの符号の反転が行われ、駆動電流Iの検出結果に誤差が生じることを防止できる。即ち、Hブリッジ回路に供給するPWM信号のパルス幅に起因した駆動電流Iの検出誤差を低減することが可能である。
図5に示す例では、符号制御部204は、PWM+を用いた符号反転処理として、PWM+がHレベルである場合には電圧値Vsnsの符号を反転させず、PWM+がLレベルである場合には電圧値Vsnsの符号を反転させる処理を行っている。この場合、符号制御部204は、PWM信号のHレベルの継続時間が所定の時間よりも短い期間Ts2では、直前のLレベルにおける処理に引き続き、電圧値Vsnsの符号を反転させる処理を継続する。一方、符号制御部204は、PWM信号のLレベルの継続時間が所定の時間よりも短い期間Ts1では、直前のHレベルにおける処理に引き続き、電圧値Vsnsの符号を反転させない処理を継続する。
符号制御部204は、PWM−を用いた符号反転処理(PWM−がLレベルである場合には電圧値Vsnsの符号を反転させず、PWM−がHレベルである場合には電圧値Vsnsの符号を反転させる処理)を行っている場合には、以下の処理を行えばよい。即ち、符号制御部204は、PWM信号のHレベルの継続時間が所定の時間よりも短い期間Ts2では、直前のLレベルにおける処理に引き続き、電圧値Vsnsの符号を反転させない処理を継続する。一方、符号制御部204は、PWM信号のLレベルの継続時間が所定の時間よりも短い期間Ts1では、直前のHレベルにおける処理に引き続き、電圧値Vsnsの符号を反転させる処理を継続する。
ここで、PWM信号のHレベルまたはLレベルの継続時間(パルス幅)は、PWM信号の1周期内のHレベルの継続時間の割合を示すデューティ比DRから特定できる。ここで、デューティ比とは、PWM信号の1周期におけるHレベルの期間の占める割合である。本実施例のモータ制御部200では、符号制御部204は、PID制御部202によって決定されたデューティ比DRに基づいて、PWM生成部203によって生成されたPWM信号のHレベルまたはLレベルの継続時間が所定の時間よりも短い期間を特定する。
具体的には、符号制御部204は、PID制御部202によって決定されたデューティ比DRと、所定の閾値DR_L及びDR_H(DR_L<DR_H)とを比較することで、そのような期間を特定する。これらの閾値DR_L及びDR_Hは、それぞれ、PWM信号に追従してFET Q1〜Q4をスイッチングさせることが可能なデューティ比の下限値及び上限値を示す。図5に示す例では、期間Ts2は、PWM+のデューティ比DRが閾値DR_Lを下回る期間(PWM−のデューティ比DRが閾値DR_Hを上回る期間)に対応する。また、期間Ts1は、PWM+のデューティ比DRが閾値DR_Hを上回る期間(PWM−のデューティ比DRが閾値DR_Lを下回る期間)に対応する。
なお、閾値DR_L及びDR_Hは、モータ駆動装置の出荷前に測定または検討によって求められた値であってもよいし、出荷後に、後述する実施例2で説明する手順で求められた値であってもよい。閾値DR_L及びDR_Hは、記憶デバイスに格納されている。
<モータ駆動制御の手順>
次に、図6を参照して、本実施例に係るモータ制御部200によるモータ駆動制御の手順の例について説明する。図6では、符号制御部204がPWM+を用いて電圧値Vsnsの符号反転処理を行う(即ち、PWM+がLレベルである場合に電圧値Vsnsの符号を反転させる)例を示している。なお、図6に示す各ステップの処理は、CPU(図示せず)が記憶デバイスに格納されたプログラムを読み出して実行する処理によって実現されてもよいし、図1に示す各ブロックの機能を実現する1つ以上の回路によって実現されてもよい。
S101で、モータ制御部200は、モータ駆動回路250へ出力するPWM信号(PWM+及びPWM−)に基づいて、駆動対象のモータの駆動を開始する。これにより、符号制御部204は、A/D変換部220から出力される電圧値Vsnsからサンプルの取得を開始する。
次にS102で、符号制御部204は、電圧値Vsnsのサンプルを取得するとともに、当該サンプルの取得時の、PWM信号のデューティ比DR及びPWM+を、PWM生成部203から取得する。更に、符号制御部204は、S103で、デューティ比DRが閾値DR_Lを下回る(DR<DR_L)か否かを判定し、DRがDR_Lを下回る場合にはS107へ処理を進め、それ以外の場合にはS104へ処理を進める。また、符号制御部204は、S104で、デューティ比DRが閾値DHを上回る(DR>DR_H)か否かを判定し、DRがDR_Hを上回る場合にはS107へ処理を進め、それ以外の場合にはS105へ処理を進める。
S105へ処理を進めた場合、符号制御部204は、S105で、PWM+がLレベルであるか否かを判定することで、PWM信号のレベルに応じた通常の符号反転処理を行う。即ち、符号制御部204は、PWM+がHレベルである場合には、S106において、電圧値Vsnsの符号を反転させずに検出値Isnsを生成する(Isns=Vsns)。一方、符号制御部204は、PWM+がLレベルである場合には、S107において、電圧値Vsnsの符号を反転させることで検出値Isnsを生成する(Isns=−Vsns)。
S103からS107へ、またはS104からS106へ処理を進めた場合、符号制御部204は、PWM信号のレベルによらずに検出値Isnsの符号を決定することで、検出値Isnsを生成する。具体的には、符号制御部204は、S106では電圧値Vsnsの符号を反転させずに検出値Isnsを生成し(Isns=Vsns)、S107では電圧値Vsnsの符号を反転させることで検出値Isnsを生成する(Isns=−Vsns)。
S106またはS107の後、S108で、モータ制御部200は、モータの駆動を終了するか否かを判定し、モータの駆動を終了しないと判定と、処理をS102に戻し、上述の処理を繰り返し実行する。
以上説明したように、本実施例の符号制御部204は、PWM信号のパルス幅(HレベルまたはLレベルの継続時間)が、FETのスイッチングが追従できない長さである場合、PWM信号のレベルによらずに、電圧値Vsnsの符号を制御する。具体的には、符号制御部204は、電圧値Vsnsから生成する、駆動電流Iの検出値Isnsの符号として、直前に生成した検出値Isnsの符号を継続して使用する。これにより、FETのスイッチングがPWM信号に追従できない場合に、実際の駆動電流Iに対する、電流検出抵抗R1を用いた検出結果の誤差を低減できる。即ち、Hブリッジ回路に供給するPWM信号のパルス幅に起因した駆動電流Iの検出誤差を低減できる。
[実施例2]
実施例2では、実施例1で説明した閾値DR_L及びDR_Hを、図1に示すモータ駆動装置を使用して取得する例について説明する。本実施例の符号制御部204は、駆動電流Iの検出結果に基づくPID制御部202によるフィードバック制御が行われていない期間において、閾値DR_L及びDR_Hを決定する決定処理を実行する。決定処理は、PWM生成部203によって生成されるPWM信号のデューティ比を徐々に変化させ、デューティ比を変化させている間に電圧値Vsnsから生成した検出値Isnsの符号の変化に基づいて実行される。なお、以下では実施例1との相違点を中心として本実施例について説明する。
図7は、モータ制御部200によるデューティ比のスイープ動作時における、PWM信号、駆動電流I、電圧値Vsns、及び駆動電流Iの検出値Isnsの関係を示すタイムチャートであり、閾値DR_Hを決定する決定処理の例を示している。モータ制御部200(符号制御部204)は、生成するPWM信号(PWM+)のデューティ比DRを100%に向かって徐々に増加させるスイープ動作を行いながら、電圧値Vsnsから生成した検出値Isnsをモニタリングする。更に、符号制御部204は、PWM信号にFET Q1〜Q4のスイッチングが追従できなくなり、図5の期間Ts1のように検出値Isnsが不連続になる(即ち、Isnsの符号が反転する)デューティ比を特定する。
図7の例では、上述のデューティ比として95%が特定される。この結果は、デューティ比が95%以上である場合に、検出値Isnsに誤差が生じることを示している。そこで、符号制御部204は、例えば1%単位で閾値DR_Hを決定する場合には、PWM信号に追従してFETをスイッチングさせることが可能な上限値に相当する閾値DR_Hを、94%に決定できる。なお、符号制御部204は、PWM信号に追従してFETをスイッチングさせることが可能な下限値に相当する閾値DR_Lについても、生成するPWM信号のデューティ比DRを0%に向かって徐々に減少させるスイープ動作を行うことで決定できる。
<閾値DR_Hの決定処理>
次に、図8を参照して、符号制御部204による閾値DR_Hの決定処理の手順の例について説明する。なお、図6に示す各ステップの処理は、CPU(図示せず)が記憶デバイスに格納されたプログラムを読み出して実行する処理によって実現されてもよいし、専用の回路によって実現されてもよい。図8では、符号制御部204は、モータ駆動回路250へ出力するPWM信号(PWM+)のデューティ比DRを、PWMの1周期ごとに1%ずつ増加させる。この場合、コイルL1に実際に流れる駆動電流Iは、正の値を維持するとともに、徐々に大きくなっていく。符号制御部204は、PWM+がLレベルである期間に検出値Isnsの符号が正から負に反転するデューティ比を特定することで、閾値DR_Hを決定できる。
まずS201で、符号制御部204は、デューティ比のスイープ動作における初期値を、PWM生成部203に対して与えるデューティ比DRとして設定し、処理をS202へ進める。初期値は、例えば50%であってもよいし、測定または検討によって定めた、50%よりも大きい値(例えば80%または90%)であってもよい。
S202及びS203で、符号制御部204は、電流検出抵抗R1の両端電圧に対応する電圧値Vsnsを取得するとともに、PWM生成部203によって生成されたPWM+がLレベルであると、処理をS204へ進める。符号制御部204は、S204で、PWM+のレベル(Lレベル)に応じて、電圧値Vsnsの符号を反転させて検出値Isnsを生成し、S205で、生成した検出値Isnsが負である(Isns<0)か否かを判定する。符号制御部204は、生成した検出値Isnsが負ではない場合には、S206で、PWM生成部203に対して与えるデューティ比DRを1%増加させる。更に、符号制御部204は、S207で、デューティ比DRが100%に達したか否かを判定し、DRが100%に達していない場合には処理をS202に戻し、DRが100%に達している場合には処理をS208へ進める。
一方、S205で、符号制御部204は、生成した検出値Isnsが負である場合には、PWM+がLレベルである期間に検出値Isnsの符号が正から負に反転したと判定し、処理をS208へ進める。S208では、符号制御部204は、その時点のデューティ比DRより1%小さい値(DR−1)を、閾値DR_Hに設定し、処理を終了する。
<閾値DR_Lの決定処理>
次に、図9を参照して、符号制御部204による閾値DR_Lの決定処理の手順の例について説明する。なお、図6に示す各ステップの処理は、CPU(図示せず)が記憶デバイスに格納されたプログラムを読み出して実行する処理によって実現されてもよいし、専用の回路によって実現されてもよい。図8では、符号制御部204は、モータ駆動回路250へ出力するPWM信号(PWM+)のデューティ比DRを、PWMの1周期ごとに1%ずつ減少させる。この場合、コイルL1に実際に流れる駆動電流Iは、負の値を維持するとともに、徐々に小さくなっていく。符号制御部204は、PWM+がHレベルである期間に検出値Isnsの符号が負から正に反転するデューティ比を特定することで、閾値DR_Lを決定できる。
まずS211で、符号制御部204は、デューティ比のスイープ動作における初期値を、PWM生成部203に対して与えるデューティ比DRとして設定し、処理をS212へ進める。初期値は、例えば50%であってもよいし、測定または検討によって定めた、50%よりも小さい値(例えば20%または10%)であってもよい。
S212及びS213で、符号制御部204は、電流検出抵抗R1の両端電圧に対応する電圧値Vsnsを取得するとともに、PWM生成部203によって生成されたPWM+がHレベルであると、処理をS214へ進める。符号制御部204は、S214で、PWM+のレベル(Hレベル)に応じて、電圧値Vsnsの符号を反転させず検出値Isnsを生成し、S215で、生成した検出値Isnsが正である(Isns>0)か否かを判定する。符号制御部204は、生成した検出値Isnsが正ではない場合には、S216で、PWM生成部203に対して与えるデューティ比DRを1%減少させる。更に、符号制御部204は、S217で、デューティ比DRが0%に達したか否かを判定し、DRが0%に達していない場合には処理をS212に戻し、DRが0%に達している場合には処理をS218へ進める。
一方、S215で、符号制御部204は、生成した検出値Isnsが正である場合には、PWM+がHレベルである期間に検出値Isnsの符号が負から正に反転したと判定し、処理をS218へ進める。S2018では、符号制御部204は、その時点のデューティ比DRより1%大きい値(DR+1)を、閾値DR_Lに設定し、処理を終了する。
本実施例によれば、Hブリッジ回路に使用されるFET等のスイッチング素子の性能に適合するように閾値DR_L及びDR_Hを設定し、使用することが可能である。これにより、モータ駆動装置間に性能のばらつきがあったとしても、適切な閾値DR_L及びDR_Hを使用して駆動電流Iの検出を行うことが可能になり、検出誤差を低減することが可能になる。
[実施例3]
実施例3では、Hブリッジ回路に使用されるFET等のスイッチング素子の特性の変化に合わせて、閾値DR_L及びDR_Hを再決定する例について説明する。駆動装置Iの検出誤差を低減するのに適した閾値DR_L及びDR_Hは、FETの温度特性や性能の経時変化に依存して変化しうる。本実施例では、PID制御部202によるフィードバック制御が行われている期間に生成された検出値Isnsに、直前に生成された検出値から所定の変化幅ΔIよりも大きな変化が生じた場合に、閾値DR_L及びDR_Hの決定処理(実施例2)を再実行する。これにより、閾値DR_L及びDR_Hを適切な値に更新できるようにする。なお、以下では実施例1及び2との相違点を中心として本実施例について説明する。
図10は、PWM信号、駆動電流I、及び電圧値Vsnsと、閾値DR_Hが95%及び96%である場合の駆動電流Iの検出値Isnsの関係とを示すタイムチャートである。図10では、PWM+のデューティ比DRが96%以上である場合、電圧値Vsnsの極性がPWM+のレベルの変化に応じて反転しておらず、FETがPWM信号に追従できていないことがわかる。しかし、DR_H=95%である場合には、DRが96%以上であっても実際の駆動電流Iと検出値Isnsとの間に誤差が生じていない。一方で、DR_H=96%である場合には、DR=96%において実際の駆動電流Iと検出値Isnsとの間に誤差が生じている。このため、図10の例では、閾値DR_Hが96%に設定されている場合には、適切な値(即ち、95%)に変更する必要がある。
本実施例では、図1に示すように、モータ制御部200は、駆動電流Iの検出値Isnsの誤差を検出する誤差検出部205を更に備えている。誤差検出部205は、符号制御部204によって生成された(符号反転処理後の)検出値Isnsを、所定のサンプリング周期でサンプリングしてモニタリングする。更に、誤差検出部205は、生成された最新の検出値Isnsに、直前と生成された検出値から所定の変化幅ΔIより大きな変化が生じているか否かを判定する。所定の変化幅ΔIは、例えば、モータ駆動装置の出荷前に測定または検討によって、サンプリング周期における、取りうる検出値Isnsの変化幅の最大値として定められうる。
誤差検出部205は、上述の判定処理により、最新の検出値Isnsとその直前の検出値との間の誤差を検出する。モータ制御部200(符号制御部204)は、誤差検出部205によってそのような誤差が検出されると、PID制御部202によるフィードバック制御が行われていない期間に、図8及び図9に示す手順で、閾値DR_H及びDR_Lの決定処理を再び実行する。その結果、閾値DR_H及びDR_Lは、駆動電流Iの検出結果の誤差を低減できるように更新可能である。
本実施例によれば、FETの温度特性や性能の経時変化に依存して、閾値DR_L及びDR_Hとして適した値が変化した場合にも、DR_L及びDR_Hを適切に更新することが可能になる。それにより、駆動電流Iの検出誤差を低減することが可能になる。
[実施例4]
実施例4では、上述の実施例1〜3で説明した符号制御部204によって生成される、駆動電流Iの検出値Isnsのフィードバックに基づくフィードバック制御を、ベクトル制御により実行する例について説明する。なお、以下では実施例1〜3との相違点を中心として本実施例について説明する。
<モータ制御部400>
図11は、本実施例に係るモータ駆動装置に相当するモータ制御部400の構成例を示す図である。モータ制御部400は、駆動対象のステッピングモータ509の各相の巻線(図13のコイルL1,L2)に駆動電流(相電流)を流すことで、ステッピングモータ509を駆動する。図11に示すCPU410は、モータ制御部400の外部のコントローラ(画像形成装置100内の上位の制御回路)に相当する。CPU410は、ステッピングモータ509の回転子の位置(回転位置)の指令値(θ_ref)を生成し、モータ制御部400へ出力する。例えば、位置指令値θ_refは、パルス状の矩形波信号であり、1パルスがステッピングモータの回転角度の最小変化量を規定する。なお、モータの回転速度の指令値(速度指令値ω_ref)は、θ_refに対応する周波数として求められる。CPU410は、モータの駆動シーケンスを開始すると、生成した位置指令値θ_refを、所定の時間周期(制御周期)でモータ制御部400へ出力する。モータ制御部400は、CPU410から与えられる位置指令値に従って、ステッピングモータ509の位置制御及び速度制御を実行する。
(ベクトル制御)
本実施例のモータ制御部400は、ステッピングモータ509の駆動制御をベクトル制御によって実現する。ここでは、図11及び図12を参照して、モータ制御部400によって実行される、ステッピングモータ509のベクトル制御の概要について説明する。図11に示すモータ制御部400の基本的な構成は、ブラシレスDCモータ、ACサーボモータ等のモータで利用されている、静止座標系から回転座標系への座標変換を用いたインバータ制御に対応した構成である。なお、ステッピングモータ509は、少なくとも2相から成るモータであり、本実施例では実施例1〜3と同様、A相及びB相(第1相及び第2相)から成る2相のモータである。
モータ制御部400では、ベクトル制御部515から出力される、ステッピングモータ509の駆動電圧Vα,Vβに応じて、PWMインバータ506がステッピングモータ509へ駆動電流を供給することによって、ステッピングモータ509を駆動する。なお、図11に示すように、ベクトル制御部515は、速度制御器502、電流制御器503,504、及び座標変換器505,511によって構成されている。
ここで、図12は、A相及びB相から成る2相のモータと回転座標系のd軸及びq軸との関係を示す図である。同図では、静止座標系における、A相及びB相の巻線に対応した軸をそれぞれα軸及びβ軸と定義している。また、静止座標系におけるα軸と、回転子(ロータ)として用いられる永久磁石の磁極によって作られる磁束の方向(d軸)との成す角度をθと定義している。この場合、ステッピングモータ509の出力軸の位置(回転位置)は、角度θによって表される。ベクトル制御では、図12に示すように、回転子の磁束方向に沿ったd軸と、d軸から90度進んだ方向に沿った(d軸と直交する)q軸とで表される、ステッピングモータ509の位置θを基準とした回転座標系が用いられる。
モータ制御部400は、ステッピングモータ509へ供給する駆動電流を、ステッピングモータ509の位置θを基準とした回転座標系の電流値によって制御するベクトル制御を行う。ベクトル制御では、ステッピングモータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流に対応する電流ベクトルが、α軸及びβ軸で表される静止座標系から、d軸及びq軸で表される回転座標系に変換される。このような座標変換の結果、ステッピングモータ509に供給される駆動電流は、回転座標系において、直流のd軸成分(d軸電流)及びq軸成分(q軸電流)によって表される。この場合、q軸電流は、ステッピングモータ509にトルクを発生させるトルク電流成分に相当し、回転子の回転に寄与する電流である。d軸電流は、ステッピングモータ509の回転子の磁束強度に影響する励磁電流成分に相当する。モータ制御部400は、回転座標系におけるq軸電流及びd軸電流を独立して制御することで、ステッピングモータ509のベクトル制御を実現する。
具体的には、モータ制御部400は、ステッピングモータ509の回転子の位置(ロータ位置)及び回転速度を推定(決定)し、その推定結果に基づいてベクトル制御を行う。モータ制御部400は、図11に示すように、位置制御器501、速度制御器502、及び電流制御器503,504へのそれぞれのフィードバックに基づく3つの制御ループを含み、これらの制御ループによってベクトル制御を実現する。なお、図11に示すモータ制御部400において、ステッピングモータ509の位置θの推定は、誘起電圧演算部512及び位置演算部513によって行われる。また、ステッピングモータ509の回転速度ωの推定は、位置θの推定値に基づいて、速度演算部514によって行われる。
位置制御器501を含む、最も外側の制御ループでは、ステッピングモータ509の位置θの推定値のフィードバックに基づいて、ステッピングモータ509の位置制御を行う。モータ制御部400には、システムコントローラ151のCPU410から、ステッピングモータ509の位置指令値θ_refが与えられる。位置制御器501は、位置演算部513からフィードバックされる、ステッピングモータ509の位置θの推定値の、位置指令値θ_ref(目標値)に対する偏差が0に近づくように、速度指令値ω_refを生成して出力する。このようにして、位置制御器501によるステッピングモータ509の位置制御が行われる。
速度制御器502を含む制御ループでは、ステッピングモータ509の回転速度ωの推定値のフィードバックに基づいて、ステッピングモータ509の速度制御を行う。速度制御器502は、速度演算部514からフィードバックされる、ステッピングモータ509の回転速度ωの推定値の、速度指令値ω_ref(目標値)に対する偏差が0に近づくように、電流指令値iq_ref,id_refを生成して出力する。なお、電流指令値iq_ref,id_refは、静止座標系(αβ軸)から回転座標系(dq軸)への座標変換後の、回転座標系における電流指令値である。
電流制御器503,504を含む制御ループでは、ステッピングモータ509の各相の巻線に流れる駆動電流の検出値のフィードバックに基づいて、ステッピングモータ509の各相の巻線に供給する駆動電流を制御する。ここで、ステッピングモータ509のA相及びB相の巻線にそれぞれ流れる電流(交流電流)の電流値iα,iβは、静止座標系において、ステッピングモータ509の位置θを用いて次式によって表すことができる。
iα=I*cosθ
iβ=I*sinθ (1)
この場合、回転座標系におけるd軸電流及びq軸電流(直流電流)の電流値id,iqは、次式に示す座標変換(クラーク変換)によって表される。
id= cosθ*iα+sinθ*iβ
iq=−sinθ*iα+cosθ*iβ (2)
このような座標変換によって、静止座標系における、A相及びB相の巻線にそれぞれ流れる交流電流値iα,iβは、回転座標系における直流電流値iq,idに変換される。なお、q軸電流は、ステッピングモータ509にトルクを発生させるトルク電流成分(第1の電流成分)である。d軸電流は、ステッピングモータ509の回転子の磁束強度に影響する励磁電流成分(第2の電流成分)であり、ステッピングモータ509のトルクの発生には寄与しない。
ステッピングモータ509のA相及びB相の巻線に流れる駆動電流は、電流検出部507,508によってそれぞれ検出される。電流検出部507,508は、PWMインバータ506からステッピングモータ509のA相及びB相の巻線にそれぞれ供給される駆動電流が流れる経路に接続されている。電流検出部507,508は、ステッピングモータ509の各相の巻線に流れる駆動電流を検出して電流検出値を出力する。電流検出部507,508から出力される、静止座標系における電流値(電流検出値)iα,iβは、座標変換器511及び誘起電圧演算部512へ入力される。
座標変換器511は、式(2)によって、静止座標系(αβ軸)における電流値iα,iβを回転座標系(dq軸)における電流値iq,idへ変換して出力する。電流制御器503,504には、座標変換器511から出力される、回転座標系における検出された電流値iq,idと、速度制御器502から出力される、回転座標系における電流指令値iq_ref,id_refとの差分値が入力される。電流制御器503,504は、入力された差分値(即ち、検出された電流値iq,idの、目標値である電流指令値iq_ref,id_refに対する偏差)が0に近づくように、回転座標系における電流値iq',id'を生成及び出力する。なお、位置制御器501、速度制御器502、及び電流制御器503,504はそれぞれ、例えば、比例補償器及び積分補償器で構成され、PI制御によりフィードバック制御を実現する。
座標変換器505は、電流制御器503,504から出力される、回転座標系における電流値iq',id'を、次式によって、静止座標系における電流値iα',iβ'へ逆変換する。
iα'=cosθ*id'−sinθ*iq'
iβ'=sinθ*id'+cosθ*iq' (3)
座標変換器505は、静止座標系への座標変換後の電流値iα',iβ'に応じた駆動電圧Vα,Vβを、フルブリッジ回路で構成されたPWMインバータ506、及び誘起電圧演算部512へ出力する。
このようにして、ベクトル制御部515は、ステッピングモータ509の位置θを基準とした回転座標系(dq軸)の電流値によって、ステッピングモータ509の各相の巻線に供給する駆動電流を制御するベクトル制御を行う。本実施例では、ステッピングモータ509の位置θは、後述するように、当該モータの各相の巻線に流れる駆動電流の検出結果に基づく推定演算によって決定される。ベクトル制御部515は、ステッピングモータ509の位置θの推定値のフィードバックに基づくベクトル制御の結果として、ステッピングモータ509へ供給する駆動電流に対応する駆動電圧Vα,Vβを出力する。なお、ベクトル制御では、通常、ステッピングモータ509のトルクの発生には寄与しない電流成分であるd軸電流は、値が0となるように制御される。即ち、ベクトル制御部515では、電流指令値id_refが0に設定される。
PWMインバータ506では、座標変換器505から入力された駆動電圧Vα,Vβによってモータ駆動回路250(図13)が駆動される。その結果、PWMインバータ506は、駆動電圧Vα,Vβに応じてステッピングモータ509の各相の巻線(図13のコイルL1,L2)に駆動電流を供給することによって、ステッピングモータ509を駆動する。
(センサレス制御)
上述のように、ベクトル制御では、モータの位置制御及び速度制御を行うために、モータの位置及び回転速度を示す情報のフィードバックが必要である。具体的には、図11に示す構成では、ステッピングモータ509の回転子の位置θを示す位置情報、及びステッピングモータ509の回転速度ωを示す速度情報を、位置制御器501及び速度制御器502にそれぞれフィードバックする必要がある。
通常、モータの位置及び回転速度を検出(推定)するためには、モータの回転軸にロータリエンコーダを取り付け、エンコーダの出力パルス数に基づいて位置を検出し、エンコーダの出力パルス周期に基づいて回転速度を検出する。しかし、本来ステッピングモータの駆動に不要であるエンコーダを追加することによって、上述のように、コストアップ及び配置スペースの確保が問題となる。そこで、エンコーダ等の位置検知のためのセンサを用いることなくモータの位置及び回転速度を推定し、その推定結果に基づいてベクトル制御を行うセンサレス制御が提案されている。以下では、再び図11を参照して、ステッピングモータ509のセンサレス制御について説明する。
まず、誘起電圧演算部512は、ステッピングモータ509(の回転子)の回転に従って、A相(第1相)及びB相(第2相)の巻線にそれぞれ誘起される誘起電圧(A相及びB相の逆起電圧)を演算する。具体的には、電流検出部507,508から出力された電流値iα,iβと、ベクトル制御部515から出力された、ステッピングモータ509の駆動電圧Vα,Vβとが、誘起電圧演算部512に入力される。誘起電圧演算部512は、A相及びB相のそれぞれについて、駆動電圧Vα,Vβと電流値iα,iβとから、以下の電圧方程式によって、ステッピングモータ509の誘起電圧Eα,Eβを演算する。
Eα=Vα−R*iα−L*diα/dt
Eβ=Vβ−R*iβ−L*diβ/dt (4)
ここで、Rは巻線レジスタンス、Lは巻線インダクタンスである。R及びLの値は、使用されているステッピングモータ509に固有の値であり、例えばモータ制御部400内に設けられたメモリ(図示せず)に予め格納されている。
誘起電圧演算部512によって演算された、A相及びB相の誘起電圧Eα,Eβは、位置演算部513へ入力される。位置演算部513は、A相の誘起電圧EαとB相の誘起電圧Eβとの比から、次式によってステッピングモータ509の位置θの推定値を演算する。
θ=tan-1 (−Eβ/Eα) (5)
位置演算部513は、このような推定演算により得られた位置θの推定値を、位置制御器501及び速度演算部514に出力(フィードバック)する。なお、位置θの推定値は、位置演算部513から速度制御器502、座標変換器505,511にもフィードバックされることで、座標変換等に利用される。
なお、ステッピングモータ509の実際の回転位置(機械角)と、推定された回転位置(電気角)とが1対1に対応しない場合には、電気角から機械角への変換を行う変換器を、位置演算部513と位置制御器501との間に設けてもよい。この場合、ステッピングモータ509の位置θの推定値は、このような変換器によって実際の回転位置(機械角)に変換された後に、位置制御器501へフィードバックされる。
速度演算部514は、入力された位置θから、次式によってステッピングモータ509の回転速度ωの推定値を演算する。
ω=dθ/dt (6)
式(6)のように、回転速度ωは、位置θの推定値の時間変化に基づいて演算される。速度演算部514は、得られた回転速度ωを速度制御器502に出力(フィードバック)する。
<PWMインバータ506及び電流検出部507,508>
図13は、図11に示すPWMインバータ506及び電流検出部507の構成例を示す図である。本実施例では、PWM生成部203は、PWMインバータ506内に設けられており、符号制御部204、A/D変換部220及び差動増幅部230は、電流検出部507,508のそれぞれに設けられている。なお、電流検出部507と電流検出部508は、同様の構成を有している。
PWMインバータ506は、ステッピングモータ509のA相に対応するPWM生成部203及びモータ駆動回路250と、ステッピングモータ509のB相に対応するPWM生成部203及びモータ駆動回路250とを備えている。なお、図13には、ステッピングモータ509のA相に対応するPWM生成部203及びモータ駆動回路250のみを示しているが、実際にはB相に対応するPWM生成部203及びモータ駆動回路250も備えている。A相に対応するモータ駆動回路250内のHブリッジ回路は、ステッピングモータのA相の巻線であるコイルL1に接続されている。B相に対応するモータ駆動回路250内のHブリッジ回路は、ステッピングモータのB相の巻線であるコイルL2に接続されている。
以下では、A相に対応するPWM生成部203及びモータ駆動回路250、並びに電流検出部507について主に説明するが、B相に対応するPWM生成部203及びモータ駆動回路250、並びに電流検出部508も同様である。ベクトル制御部515から出力される駆動電圧Vαは、A相に対応するPWM生成部203に入力される。なお、ベクトル制御部515から出力される駆動電圧Vβは、B相に対応するPWM生成部203に入力される。PWM生成部203は、駆動電圧Vα,Vβに対応するデューティ比のPWM信号を生成し、生成したPWM信号をモータ駆動回路250へ出力する。具体的には、PWM生成部203は、PWM信号の1周期ごとに、駆動電圧Vα,Vβに対応するデューティ比のPWM信号(PWM+)と、当該PWM信号(PWM+)と逆位相の関係にあるPWM信号(PWM−)とを生成する。上述のように、PWM+は、FET Q1,Q4を駆動するために用いられ、PWM−は、FET Q2,Q3を駆動するために用いられる。
電流検出部507は、A相に対応するモータ駆動回路250内の電流検出抵抗R1を用いて、コイルL1に流れる駆動電流を検出し、当該駆動電流の検出値iαを出力する。電流検出部508は、B相に対応するモータ駆動回路250内の電流検出抵抗R1を用いて、コイルL2に流れる駆動電流を検出し、当該駆動電流の検出値iβを出力する。具体的には、電流検出部507,508内の差動増幅部230、A/D変換部220及び符号制御部204は、実施例1〜3と同様に動作する。電流検出部507,508内に誤差検出部205が設けられている場合には、誤差検出部205は実施例3と同様に動作する。なお、実施例1〜3で(図6、図8、図9等を参照して)説明した、モータ制御部200によって実行される処理は、本実施例ではモータ制御部400によって実行される。
その結果、電流検出部507,508は、それぞれ、符号制御部204によって生成された検出値Isnsを、電流検出値iα,iβとして出力する。電流検出部507,508から出力された電流検出値iα,iβは、上述のように、座標変換器511及び誘起電圧演算部512へ入力される。モータ制御部400では、電流検出部507,508から出力される電流検出値iα,iβに基づく上述の演算によって、ベクトル制御に用いられるステッピングモータの位置θ(回転子の回転位置)が推定(決定)される。位置θは、誘起電圧演算部512及び位置演算部513によって決定され、ベクトル制御部515へフィードバックされる。ベクトル制御部515は、位置θのフィードバックに基づく上述のベクトル制御の結果として、ステッピングモータ509へ供給する駆動電流に対応する駆動電圧Vα,Vβを出力する。このようにして、ベクトル制御によるステッピングモータ509の駆動制御を実現できる。
本実施例によれば、実施例1〜3においてモータ制御部200によって実行される処理をモータ制御部400に適用しながら、駆動対象のステッピングモータ509のベクトル制御を実現することが可能である。したがって、本実施例のモータ制御部400では、ステッピングモータ509のベクトル制御を実現しながら、実施例1〜3と同様の効果を達成することが可能である。
100:画像形成装置、250:モータ駆動装置、Q1〜Q4:FET、200,400:モータ制御部、201:電流波形生成部、202:PID制御部、203:PWM生成部、204:符号制御部、205:誤差検出部、220:A/D変換部、230:差動増幅部

Claims (17)

  1. 駆動対象のモータの巻線に接続されるスイッチング素子を含み、前記スイッチング素子のスイッチングに応じた駆動電流を前記巻線へ供給することで、前記モータを駆動するHブリッジ回路と、
    前記Hブリッジ回路とグラウンドとの間に接続された電流検出素子と、
    前記スイッチング素子をスイッチングさせるための、ハイレベルとローレベルとの間で変化するPWM信号を生成し、前記Hブリッジ回路へ供給する生成手段と、
    前記生成手段によって生成された前記PWM信号のレベルに応じて、前記電流検出素子に生じる電圧に対応する電圧値の極性を反転する処理を行い、反転処理された信号及び反転処理されない信号に基づいて前記巻線に流れる前記駆動電流の検出値を生成する検出手段と、
    前記検出手段によって生成された検出値に基づいて、前記生成手段による前記PWM信号の生成を制御する制御手段と、を備え、
    前記検出手段は、前記PWM信号の前記ハイレベルまたは前記ローレベルの継続時間が所定の時間よりも短い期間では、前記PWM信号のレベルによらず、当該期間の前記電圧値の極性を当該期間の直前の期間の前記電圧値の極性と同じにする
    ことを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記制御手段は、前記検出値と前記駆動電流の目標値との差分に基づいて、前記生成手段によって生成される前記PWM信号のデューティ比を決定し、
    前記検出手段は、前記制御手段によって決定された前記デューティ比に基づいて、前記生成手段によって生成された前記PWM信号の前記ハイレベルまたは前記ローレベルの継続時間が前記所定の時間よりも短い期間を特定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記反転処理は、前記PWM信号が前記ハイレベルである場合には前記電圧値の極性を反転させず、前記PWM信号が前記ローレベルである場合には前記電圧値の極性を反転させる処理であり、
    前記検出手段は、前記PWM信号のデューティ比が第1閾値を下回る期間では、前記電圧値の極性を反転させる処理を継続し、前記PWM信号の前記デューティ比が前記第1閾値よりも大きい第2閾値を上回る期間では、前記電圧値の極性を反転させない処理を継続する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記反転処理は、前記PWM信号が前記ローレベルである場合には前記電圧値の極性を反転させず、前記PWM信号が前記ハイレベルである場合には前記電圧値の極性を反転させる処理であり、
    前記検出手段は、前記PWM信号のデューティ比が第1閾値を下回る期間では、前記電圧値の極性を反転させない処理を継続し、前記PWM信号の前記デューティ比が前記第1閾値よりも大きい第2閾値を上回る期間では、前記電圧値の極性を反転させる処理を継続する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記第1閾値及び前記第2閾値は、それぞれ、前記PWM信号に追従して前記スイッチング素子をスイッチングさせることが可能な前記デューティ比の下限値及び上限値を示す
    ことを特徴とする請求項3または4に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記検出手段は、更に、前記制御手段による制御が行われていない期間において、前記生成手段によって生成される前記PWM信号の前記デューティ比を徐々に変化させ、前記デューティ比を変化させている間に前記電圧値から生成した前記検出値の極性の変化に基づいて、前記第1閾値及び前記第2閾値を決定する決定処理を実行する
    ことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  7. 前記決定処理では、前記デューティ比を所定の初期値から徐々に減少させている間に前記検出値の極性が反転する前記デューティ比を特定することで、前記第1閾値を決定する
    ことを特徴とする請求項6に記載のモータ駆動装置。
  8. 前記決定処理では、前記デューティ比を所定の初期値から徐々に増加させている間に前記検出値の極性が反転する前記デューティ比を特定することで、前記第2閾値を決定する
    ことを特徴とする請求項6または7に記載のモータ駆動装置。
  9. 前記検出手段は、前記制御手段による制御が行われている期間に生成した前記検出値に、直前に生成した前記検出値から所定の変化幅より大きな変化が生じると、前記決定処理を再び実行する
    ことを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  10. 前記Hブリッジ回路は、電源と前記電流検出素子との間に直列に接続された第1スイッチング素子及び第3スイッチング素子と、前記電源と前記電流検出素子との間に直列に接続され、かつ、前記第1スイッチング素子及び前記第3スイッチング素子とは並列に接続された第2スイッチング素子及び第4スイッチング素子とを含み、前記第1スイッチング素子及び前記第3スイッチング素子の接続点と、前記第2スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子の接続点との間に、前記巻線が接続されるように構成されており、
    前記生成手段は、第1PWM信号を前記第1スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子へ供給し、前記第1PWM信号と逆位相の関係にある第2PWM信号を前記第2スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子へ供給する
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  11. 前記電流検出素子の両端間の電圧を増幅して前記電圧値を出力する増幅手段を更に備え、
    前記検出手段は、前記増幅手段から出力される前記電圧値を、前記電流検出素子に流れる電流の値として取得する
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  12. 前記制御手段は、前記モータへ供給する駆動電流を、前記検出値から決定される前記モータの回転子の回転位置を基準とした回転座標系の電流値によって制御するベクトル制御を行い、前記駆動電流に対応する駆動電圧を前記生成手段へ出力し、
    前記生成手段は、前記制御手段から出力された駆動電圧に基づいて、前記PWM信号を生成する
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  13. 前記Hブリッジ回路、前記電流検出素子、前記生成手段及び前記検出手段は、前記モータの第1相及び第2相のそれぞれに対して設けられており、
    前記第1相に対応する前記検出手段から出力される電流検出値と前記第2相に対応する前記検出手段から出力される電流検出値とに基づく演算によって、前記ベクトル制御に用いられる前記回転位置を決定する決定手段、を更に備える
    ことを特徴とする請求項12に記載のモータ駆動装置。
  14. 前記決定手段は、
    前記モータの第1相及び第2相のそれぞれについて、前記制御手段から出力された駆動電圧と、前記検出手段から出力された電流検出値とから、前記モータの回転子の回転に従って巻線に誘起される誘起電圧を演算する電圧演算手段と、
    前記電圧演算手段によって演算された前記第1相の誘起電圧と前記第2相の誘起電圧との比から、前記回転位置の推定値を演算する位置演算手段と、
    を備えることを特徴とする請求項13に記載のモータ駆動装置。
  15. 前記制御手段は、前記決定手段における演算によって得られる前記回転位置の推定値のフィードバックに基づいて、当該推定値と、外部のコントローラから与えられる前記回転位置の指令値との差が0に近づくように、前記ベクトル制御を行う、
    ことを特徴とする請求項13または14に記載のモータ駆動装置。
  16. 前記駆動電流は、前記回転位置を基準とした回転座標系において、前記モータにトルクを発生させる第1の電流成分と、前記モータの回転子の磁束強度に影響する第2の電流成分とによって表され、
    前記制御手段は、前記第2の電流成分の電流値が0になるように当該第2の電流成分を制御しながら、前記第1の電流成分を制御することによって、前記駆動電流を制御する、
    ことを特徴とする請求項12から15のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  17. 記録材に画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段によって画像が形成される記録材の搬送用のローラを駆動するモータと、
    前記モータを駆動する、請求項1から16のいずれか1項に記載のモータ駆動装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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