JP2017182914A - 電池パック - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の衝突時などにおいて、電池パックに格納された電池パック及び電池セルの損傷を防止する。【解決手段】幾つかの実施形態に係る電池パックは、複数の電池セルで構成されると共に配列されホルダによって保持される電池モジュールと、前記電池モジュールを格納する格納部を有するトレイと、前記トレイの上部開口を覆うための上蓋と、を備え、車両に搭載される電池パックにおいて、前記格納部の底面に設けられ、前記格納部に格納された前記電池モジュールの長手方向中央域で前記ホルダに係合し、前記格納部の底面に沿う前記電池モジュールの移動を阻止するための固定部を備える。【選択図】図4

Description

本開示は、電気自動車やハイブリッド車等に搭載される電池パックに関する。
電気自動車やハイブリッド車に搭載されるバッテリは、例えば、車体の床面に固定された電池パックに格納される。電池パックには、トレイの内部に形成された格納部に電池モジュールが格納される。電池モジュールは複数個の電池セルがホルダによって集合して形成される。
電池モジュールがトレイの底面に固定されない場合、車両の衝突時などにおいて、電池モジュールの慣性で電池モジュールの位置ズレが発生し、特に、電池モジュールの長手方向両端で電池モジュールがトレイ内壁などに衝突し、電池セルが損傷するおそれがある。
特許文献1には、電池パック内における電池モジュールの固定手段として、トレイの底面に対して電池モジュールを上方からベルトで押え固定する手段が開示されている。即ち、複数の格納部間に設けられた仕切り用フレームにワッシャを設け、このワッシャにベルトを接続し、格納部に格納された電池モジュールを上方から押えるようにしている。
特開平07−25247号公報
特許文献1に開示された電池モジュールの固定手段は、特許文献1に記載のように、電池モジュールをベルトで固定するため、固定作業及び取り外し作業が容易になる利点がある。しかし、車両の衝突時などにおいては、重量がある電池モジュールの慣性力が大きくなるため、ベルトのみの固定手段では、電池モジュールを固定しきれず、電池モジュールの位置ズレが発生するおそれがある。そのため、電池モジュールがトレイ内壁などに衝突し、電池セル及び電池パックが損傷するおそれがある。
これら技術的課題に鑑み、本発明の幾つかの実施形態は、車両の衝突時などにおいて、電池パックに収納された電池セル及び電池パックの損傷を防止することを目的とする。
(1)幾つかの実施形態に係る電池パックは、複数の電池セルで構成されるとともに配列され、ホルダによって保持される電池モジュールと、前記電池モジュールを格納する格納部を有するトレイと、前記トレイの上部開口を覆うための上蓋と、を備え、車両に搭載される電池パックにおいて、前記格納部の底面に設けられ、前記格納部に格納された前記電池モジュールの長手方向中央域で前記ホルダに係合し、前記格納部の底面に沿う前記電池モジュールの移動を阻止するための固定部を備える。
上記(1)の構成によれば、電池モジュールの長手方向中央域に上記固定部を備えることで、車両の衝突時などにおいて、車幅方向及び車体前後方向から加わる衝突荷重に対して、トレイの底面上での電池モジュールの位置ズレを抑制できる。これによって、電池モジュールに過大な衝撃が加わるのを抑制でき、電池セルの損傷を抑制できると共に、電池モジュールの位置ズレによる衝突で電池パックが損傷するのを抑制できる。
また、上記固定部によって電池モジュールが長手方向中央域で固定されるため、長手方向中央域を基点とした長手方向両端までの電池モジュールの製造及び組立て公差は、長手方向中央域を固定しない電池モジュールの長手方向全長に亘る製造及び組立て公差と比べて小さく設定できる。そのため、電池モジュールの長手方向両端とトレイの内壁等との隙間設定の精度を高めることができると共に、長手方向両端側の隙間を均等化でき、この隙間の存在により、車両の衝突時などにおいて、衝突方向にかかわらず電池セルに加わる衝撃を緩和できる。これによって、電池セル及び電池パックの損傷を抑制できる。
なお、ここで、前記「電池モジュールの長手方向中央域」とは、電池モジュールの長手方向中央の1点のみに限定される領域ではなく、電池モジュールの長手方向である程度の幅をもたせた領域とすることができる。即ち、電池モジュールの長手方向中央に基点を設定したとき、該基点から長手方向両端までの電池モジュールの製造及び組立て公差がほぼ同等となる場合の基点位置をすべて含む領域を言う。
また、幾つかの実施形態では、上記固定部以外に、特許文献1に開示されたベルトのように、電池モジュールをトレイの所定位置に固定するための他の固定手段を併用することを妨げない。
(2)幾つかの実施形態では、前記(1)の構成において、前記固定部は、前記電池モジュールの前記長手方向中央域において、前記電池モジュールの短手方向両側位置に配置される。
上記(2)の構成によれば、電池モジュールの長手方向中央域において、電池モジュールを短手方向両側位置で固定することで、トレイ底面上で電池モジュールを回動させるように働くモーメント力に対して高い位置保持力を発揮できる。
(3)幾つかの実施形態では、前記(1)又は(2)の構成において、前記固定部は、前記格納部の底面から上方へ突出するピンと、前記ホルダに形成され前記ピンが嵌合するための嵌合部と、で構成される。
上記(3)の構成によれば、上記固定部の構成をコンパクト化かつ低コスト化できる。上記嵌合部は例えば孔又は凹部で構成される。
(4)幾つかの実施形態では、前記(3)の構成において、前記固定部は、前記ホルダに一体又は別体に設けられ、平面視で前記電池モジュールの両側面から外側へ突出する少なくとも2個のフランジを備え、前記嵌合部は前記フランジの各々に形成される。
上記(4)の構成によれば、上記フランジを固定点として電池モジュールを固定することで、両固定点間の間隔を広げることができる。これによって、上記モーメント力に対する電池モジュールの位置保持力を高めることができると共に、上記嵌合部を上記フランジに形成することで、上記固定部と電池モジュールを構成する電池セルとの干渉をなくすことができる。
また、ホルダにフランジを一体に設ける場合、フランジの形成が容易になり、他方、フランジをホルダと別体とすることで、ホルダへのフランジの取付け位置が電池モジュールの長手方向で調整可能になり、電池モジュールの構成に応じて固定点を最適な位置に設定できる。
(5)幾つかの実施形態では、前記(3)又は(4)の構成において、前記電池モジュールの短手方向両側の一方における前記ホルダ又は前記フランジに形成される前記嵌合部は、前記ピンが密嵌する第1の嵌合部であり、他方は、前記電池モジュールの短手方向に沿って前記ピンが遊嵌する第2の嵌合部である。
上記(5)の構成によれば、一方のピンを第1の孔又は凹部に密嵌することで、格納部に対する電池モジュールの取付け強度を高めることができ、他方のピンを第2の孔又は凹部に遊嵌することで、電池モジュールの短手方向の製造及び組立て公差を許容しながら電池モジュールを格納部に固定できる。
上記第2の嵌合部は、例えば、電池モジュールの短手方向に沿って長辺を有し、上記ピンがこの長辺に沿って移動可能なように遊嵌される孔又は凹部で構成される。
(6)幾つかの実施形態では、前記(4)又は(5)の構成において、前記トレイは、前記電池モジュールの長手辺が隣接するように並列に配置された複数の前記格納部を有し、前記格納部の各々に前記電池モジュールが格納され、前記格納部に格納された前記電池モジュール間で、前記ホルダの各々が有する前記フランジが重ねて配置される重畳部を有し、前記ピンが前記重畳部に嵌合するように構成される。
上記(6)の構成によれば、隣接する2個の電池モジュールの固定部を1個のピンで兼用できるため、隣接する2個の電池モジュールに対する固定部の構成をコンパクト化かつ低コスト化できると共に、格納部間のスペースを縮小でき、電池パックをコンパクト化できる。
(7)幾つかの実施形態では、前記(6)の構成において、前記重畳部は、前記フランジの一方には前記第1の嵌合部が形成され、前記フランジの他方には前記第2の嵌合部が形成される。
前記フランジの一方に形成された前記孔は前記第1の孔であり、前記フランジの他方に形成された前記孔は前記第2の孔である。
上記(7)の構成によれば、第1の嵌合部ではピンが密嵌されるため、格納部に対する電池モジュールの取付け強度を高めることができ、第2の嵌合部ではピンが遊嵌されるため、電池モジュールの短手方向の製造及び組立て公差を許容しながら電池モジュールを格納部に固定できる。
本発明の幾つかの実施形態によれば、車両の衝突時などにおいて、電池モジュールの位置ズレを抑制し、電池セル及び電池パックの損傷を抑制できる。
一実施形態に係る電池パックの平面図である。 一実施形態に係る電池モジュールの斜視図である。 一実施形態に係る電池モジュールを模式的に示す平面図である。 図1中のA−A線に沿う模式的断面図である。 一実施形態に係る電池モジュールを模式的に示す平面図である。 一実施形態に係る電池モジュールの斜視図である。 一実施形態に係る電池モジュールを模式的に示す側面図である。 図7中のB−B線に沿う模式的断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、これらの実施形態に記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状及びその相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は一実施形態に係る電池パック10の上面図であり、図2は、電池パック10に格納される一実施形態に係る電池モジュール18を拡大して示す斜視図である。図1では、トレイ12の上部開口を覆う上蓋14(図4参照)の図示が省略されている。
電池パック10は、電気自動車やハイブリッド車等の例えば車体床面の下方に固定され、トレイの内部に複数の電池モジュールが格納される格納部を有する。電池パック10は、図1及び図4に示すように、トレイ12とトレイ12の上部開口を覆う上蓋14(図4参照)とを備える。トレイ12は電池モジュール18を格納する格納部16を有する。電池モジュール18は、図2に示すように、複数の電池セル20で構成され、複数の電池セル20はホルダ22の内部に収納され配列されている。図1及び図2において、矢印Xは車体前方を示し、矢印Yは車両の車幅方向を示し、矢印Zは車体上方を示す。
また、図3及び図4に示すように、格納部16に格納された電池モジュール18の長手方向中央域で、格納部16に固定部24を備える。固定部24はホルダ22に係合し、トレイ12の底面に沿う電池モジュール18の移動を阻止する。
電池モジュール18が大きな重量を有するため、車両の衝突時などにおいて、大きな慣性力が発生する。幾つかの実施形態では、固定部24を備えることで、トレイ12の底面上での電池モジュール18の移動を抑制でき、これによって、電池モジュール18がトレイ内壁や格納部16の仕切り用フレーム等に衝突し、電池セル20及び電池パック10のトレイ内壁や格納部16の仕切り用フレーム等が損傷するのを抑制できる。
図3及び図4に示すように、固定部24によって電池モジュール18が長手方向中央域で固定されるため、固定部24を基点とした長手方向両端までの電池モジュール18の製造及び組立て公差bは、電池モジュール18の長手方向全長に亘る製造及び組立て公差aと比べて少なく設定できる。そのため、電池モジュール18の長手方向両端とトレイ12の内壁又は格納部16の仕切り等との隙間c1及びc2の設定の精度を高めることができると共に、隙間c1と隙間c2を均等化でき、これら隙間の存在により、車両の衝突時などにおいて、衝突方向にかかわらず電池セル20に加わる衝撃を均等に緩和できる。
図示した実施形態では、図1に示すように、トレイ12には複数の格納部16が並列に形成され、格納部16の長手方向は車両の車幅方向に沿うように配置されている。複数の格納部16に夫々電池モジュール18が格納され、各格納部16の間に仕切り用フレーム21が設けられている。
図2に示すように、ホルダ22は、電池セル20の上部を覆う上部ホルダ26と、電池モジュール18の下部を覆う下部ホルダ28とで構成され、固定部24は下部ホルダ28に係合する。上部ホルダ26と下部ホルダ28とは長手方向両端で結合具(例えばボルト)30によって結合されている。
図1に示すように、複数の電池モジュール18の上部ホルダ26を上から押えるように補強板32、34及び36が配置され、これら補強板の下端は下部ホルダ28又は仕切り用フレーム21に結合されている。
図3及び図4に示すように、図示した実施形態では、トレイ内壁38及び40と電池モジュール18の長手方向両端との間に隙間c1及びc2が形成され、上部ホルダ26の下端部に形成されたフランジ26a、26bが結合具(例えばボルト)42、42によって仕切り壁38及び40の上面に結合される。
固定部24は電池モジュール18の長手方向両端から等距離にある中心点Pcに位置する格納部16に設けられる。これによって、中心点Pcと電池モジュール18の長手方向両端との間の製造及び組立て公差bを実質的に同一とすることができ、隙間c1及びc2の設定が容易になる。これら隙間の存在により、車両の衝突時などにおいて、衝突方向にかかわらず電池モジュール18に加わる衝撃を均等に緩和できる。
図3中、矢印f1は車体前後からの衝突方向を示す。固定部24によって電池モジュール18の長手方向中央域を固定することで、矢印f1方向の電池モジュール18の位置ズレを抑制できる。
図4中、矢印f2は、車両側面からの衝突方向を示す。車両側面からの衝突に対して、実質的に同一の隙間c1及びc2を有することで、電池モジュール18が受ける衝撃を緩和し、電池セル20及び電池パック10のトレイ内壁や格納部16の仕切り用フレーム等の損傷を抑制できる。
なお、前述のように、電池モジュール18の長手方向における固定部24の位置は、長手方向中心点Pcのみに限られず、固定部24の設置位置から電池モジュール18の長手方向両端までの製造及び組立て公差bを長手方向両側でほぼ同等にできる領域であればよい。
幾つかの実施形態では、図3に示すように、固定部24は、電池モジュール18の長手方向中央域において、ホルダ22の短手方向両側領域に設けられた少なくとも2個の固定部24(24a、24b)で構成される。
このように、電池モジュール18を2個の固定部24(24a、24b)で固定することで、トレイ12の底面上で電池モジュール18を長手方向中央域を中心として回動させるようにモーメント力が働くとき、このモーメント力に対して高い位置保持力を発揮できる。
図示した実施形態では、2個の固定部24(24a、24b)は、下部ホルダ28に係合する。
幾つかの実施形態では、図3及び図4に示すように、固定部24は、格納部16の底面から上方へ突出するピン44と、ホルダ22に形成されピン44が嵌合する嵌合部46(46a、46b)と、で構成される。嵌合部46は例えば、ホルダ22に形成される孔又は凹部で構成される。これによって、固定部24の構成をコンパクト化及び低コスト化できる。
図示した実施形態では、嵌合部46は下部ホルダ28に形成された孔又は凹部で構成され、ピン44は例えば格納部16の底面に例えば溶接により固定される。
幾つかの実施形態では、図5に示すように、固定部24は、少なくとも2個のフランジ48(48a、48b)を備え、2個のフランジ48はホルダ22に一体又は別体に設けられ、平面視で電池モジュール18の両側面から外側へ突出するように配置される。嵌合部46(46a、46b)は2個のフランジ48の各々に形成される。
かかる構成によれば、2個のフランジ48を固定点として電池モジュール18を固定することで、両固定点間の間隔を広げることができる。これによって、上記モーメント力に対する電池モジュール18の位置保持力を高めることができると共に、嵌合部46をフランジ48に形成することで、固定部24と電池モジュール18を構成する電池セル20との干渉をなくすことができる。
図示した実施形態では、嵌合部46はピン44が夫々嵌合するための孔又は凹部で構成される。これによって、嵌合部46を簡素化できる。また、フランジ48は下部ホルダ28に一体に形成される。フランジ48を下部ホルダ28に一体に形成することで、フランジ48の形成が容易になる。
幾つかの実施形態では、図3及び図5に示すように、電池モジュール18の短手方向両側の一方におけるホルダ22又はフランジ48に形成される嵌合部46(46a)は、ピン44が密嵌する第1の嵌合部であり、他方に形成される嵌合部46(46b)は、ピン44が遊嵌する第2の嵌合部46(46b)である。
上記構成によれば、ピン44が第1の嵌合部46(46a)に密嵌することで、基準となる嵌合部とすることができ、格納部16に対する電池モジュール18の取付け強度を高めることができる。また、ピン44が第2の嵌合部46(46b)に遊嵌することで、電池モジュール18の短手方向の製造及び組立て公差cを許容しながら電池モジュール18を格納部16に固定できる。
図示した実施形態では、第1の嵌合部46(46a)はピン44に密嵌する孔又は凹部で構成され、第2の嵌合部46(46b)は、長辺が電池モジュール18の短手方向に沿って配置された長尺形状の孔又は凹部で構成され、ピン44は上記長辺に沿って移動可能に遊嵌する。
このように、第1の嵌合部46(46a)及び第2の嵌合部46(46b)を孔又は凹部で構成することで、簡素化できる。
図示した実施形態では、図3に示すように、第1の嵌合部46(46a)を構成する孔又は凹部及びピン44は円形を有しており、端部には嵌合し易さを考慮し傾斜を設けている。
例示的な実施形態では、図6に示すように、フランジ48(48a、48b)がホルダ22に対して別体に設けられる。フランジ48は、平面視で電池モジュール18の両側面から外側へ突出する。フランジ48はピン44が夫々嵌合するための嵌合部46(46a、46b)を有する。なお、図6では、トレイ12の上部開口を覆う上蓋14(図4参照)の図示が省略されている。
上記構成によって、ホルダ22へのフランジ48の取付け位置が電池モジュール18の長手方向で調整可能になり、電池モジュール18の構成に応じてフランジ48を最適な位置に設けることができる。
図示した実施形態では、両端にフランジ48(48a、48b)を一体に形成したフランジ形成体50を下部ホルダ28の下面に、例えばボルトなどの結合具を用いて着脱可能に装着する。
これによって、電池モジュール18の長手方向におけるフランジ形成体50の位置を自在に変更でき、かつ下部ホルダ28に対するフランジ形成体50の着脱が容易になる。
一実施形態では、図7及び図8に示すように、トレイ12は、電池モジュール18の長手辺が隣接するように並列に配置された2個以上の格納部16を有し、電池モジュール18は各格納部16に格納される。格納部16に格納された電池モジュール18間で、電池モジュール18の各々のホルダ22が有するフランジ48(48a、48b)が重ねて配置される重畳部52を有し、ピン44が重畳部52に嵌合するように構成される。
こうして、各電池モジュール18の間に固定部24(24a、24b、24c)が設けられる。
上記構成によれば、隣接する電池モジュール18のフランジ48(48a、48b)が重ね合わされた固定部24(24c)を1個のピン44で兼用できる。これによって、隣接する2個の電池モジュール18に対する固定部24(24c)の構成をコンパクト化かつ低コスト化できると共に、格納部間のスペースを縮小でき、電池パック10をコンパクト化できる。
図示した実施形態では、重畳部52において、各電池モジュール18の下部ホルダ28に夫々離間する向き(離間方向)に延びて形成された2個のフランジ48(48a、48b)がピン44の軸方向で重ねて(ラップして)配置される。これらフランジの各々に形成された孔46(46a、46b)に1個のピン44が嵌合する。
一実施形態では、図7及び図8に示すように、重畳部52は、フランジ48の一方には第1の嵌合部46(46a)が形成され、フランジ48の他方には第2の嵌合部46(46b)が形成される。
上記構成によれば、第1の嵌合部46(46a)ではピン44が密嵌されるため、格納部16に対する電池モジュール18の取付け強度を高めることができる。第2の嵌合部46(46b)ではピン44が遊嵌されるため、電池モジュール18の短手方向の製造及び組立て公差cを許容しながら電池モジュール18を格納部16に固定できる。
図示した実施形態では、第1の嵌合部46(46a)は、フランジ48(48a)に形成されピン44が密嵌する孔で構成され、第2の嵌合部46(46b)は、フランジ48(48b)に形成されピン44が長辺に沿って移動可能に遊嵌する孔で構成される。これによって、第1の嵌合部46(46a)及び第2の嵌合部46(46b)をコンパクト化できる。
例示的な実施形態では、図1に示すように、トレイ12は、電池モジュール18の長手辺が隣接するように並列に配置された複数の格納部16を有し、複数の格納部16は、格納部16の長手方向が車両の車幅方向に沿うように配置される。
このように、複数の格納部16の長手方向を車幅方向に沿うように配置することで、格納部16に車幅方向に沿って格納される電池モジュール18の両端でトレイ12の内壁又は格納部16の仕切り等との隙間設定精度を高めることができると共に、隙間c1と隙間c2を均等化でき、特に、矢印f2方向からの車両の側面衝突に対して電池セル20及び電池パック10の損傷を効果的に抑制できる。
例示的な実施形態では、トレイ12は、電池モジュール18の長手辺が隣接するように並列に配置された複数の格納部16を有し、複数の格納部16は、格納部16の長手方向が車両の車体前後方向に沿うように配置される。
このように、複数の格納部16の長手方向を車体前後方向に沿うように配置することで、格納部に車体前後方向に沿って格納される電池モジュール18の両端でトレイ12の内壁又は格納部の仕切り等との隙間設定精度を高めることができると共に、隙間c1と隙間c2を均等化でき、特に、車両の前後面衝突に対して電池セル20及び電池パック10の損傷を効果的に抑制できる。
幾つかの実施形態によれば、車両に搭載された電池パックにおいて、車両の衝突時などにおいて、電池モジュールの位置ズレを抑制でき、電池セル及び電池パックの損傷を抑制できる。
10 電池パック
12 トレイ
14 上蓋
16 格納部
18 電池モジュール
20 電池セル
21 仕切り用フレーム
22 ホルダ
24(24a、24b、24c) 固定部
26 上部ホルダ
28 下部ホルダ
30、42 結合具
32、34、36 補強板
38、40 仕切り壁
44 ピン
46 嵌合部
46a 第1の嵌合部
46b 第2の嵌合部
48(48a、48b) フランジ
50 フランジ形成体
52 重畳部
a、b、c 製造及び組立て公差
c1、c2 隙間

Claims (7)

  1. 複数の電池セルで構成されるとともに配列され、ホルダによって保持される電池モジュールと、前記電池モジュールを格納する格納部を有するトレイと、前記トレイの上部開口を覆うための上蓋と、を備え、車両に搭載される電池パックにおいて、
    前記格納部の底面に設けられ、前記格納部に格納された前記電池モジュールの長手方向中央域で前記ホルダに係合し、前記格納部の底面に沿う前記電池モジュールの移動を阻止するための固定部を備えることを特徴とする電池パック。
  2. 前記固定部は、
    前記電池モジュールの長手方向中央域で、前記電池モジュールの短手方向両側位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
  3. 前記固定部は、
    前記格納部の底面から上方へ突出するピンと、
    前記ホルダに形成され前記ピンが嵌合するための嵌合部と、
    で構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池パック。
  4. 前記固定部は、
    前記ホルダに一体又は別体に設けられ、平面視で前記電池モジュールの両側面から外側へ突出する少なくとも2個のフランジを備え、
    前記嵌合部は前記フランジの各々に形成されることを特徴とする請求項3に記載の電池パック。
  5. 前記電池モジュールの短手方向両側の一方における前記ホルダ又は前記フランジに形成される前記嵌合部は、前記ピンが密嵌する第1の嵌合部であり、他方は、前記電池モジュールの短手方向に沿って前記ピンが遊嵌する第2の嵌合部であることを特徴とする請求項3又は4に記載の電池パック。
  6. 前記トレイは、
    前記電池モジュールの長手辺が隣接するように並列に配置された複数の前記格納部を有し、
    前記格納部の各々に前記電池モジュールが格納され、
    前記格納部に格納された前記電池モジュール間で、前記ホルダの各々が有する前記フランジが重ねて配置される重畳部を有し、
    前記ピンが前記重畳部に嵌合するように構成されることを特徴とする請求項4又は5に記載の電池パック。
  7. 前記重畳部は、
    前記フランジの一方には前記第1の嵌合部が形成され、
    前記フランジの他方には前記第2の嵌合部が形成されることを特徴とする請求項6に記載の電池パック。
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