JP2017181836A - 表示装置用部材の製造装置及び製造方法 - Google Patents

表示装置用部材の製造装置及び製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017181836A
JP2017181836A JP2016070052A JP2016070052A JP2017181836A JP 2017181836 A JP2017181836 A JP 2017181836A JP 2016070052 A JP2016070052 A JP 2016070052A JP 2016070052 A JP2016070052 A JP 2016070052A JP 2017181836 A JP2017181836 A JP 2017181836A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
workpiece
unit
thickness
application position
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016070052A
Other languages
English (en)
Inventor
昌平 田辺
Shohei Tanabe
昌平 田辺
寿 西垣
Hisashi Nishigaki
寿 西垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shibaura Mechatronics Corp
Original Assignee
Shibaura Mechatronics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shibaura Mechatronics Corp filed Critical Shibaura Mechatronics Corp
Priority to JP2016070052A priority Critical patent/JP2017181836A/ja
Publication of JP2017181836A publication Critical patent/JP2017181836A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

【課題】接着剤のはみ出し又は未充填を防止し、表示装置用部材の品質を保つ。
【解決手段】表示装置用部材の製造装置100は、表示装置を構成する一対のワークW1,W2が接着剤を介して貼り合わされた表示装置用部材を製造するものであって、各ワークW1,W2の、複数の位置における厚さを測定する測定部1と、測定部1において測定された厚さに基づいて、ワークW1に塗布される接着剤の塗布位置を決定する塗布位置決定部62と、塗布位置決定部62で決定されたワークW1の塗布位置に、接着剤を塗布する塗布部2と、接着剤の塗布面を間にして一対のワークW1,W2を押圧して貼り合せる貼合部3と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置用部材の製造装置及び製造方法に関する。
一般的に、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイを代表とする平板状の表示装置、いわゆるフラットパネルディスプレイは、表示パネルとその他のワークが筐体に組み込まれて構成されている。その他のワークとしては、操作用のタッチパネル、表面を保護するカバーパネル、バックライト、バックライトの導光板等がある。
これらのワークは、個別にあるいは予め積層された状態で筐体に組み込まれる。例えば、保護カバーにタッチパネルを積層した複合パネルとして構成されたものを用いることもある。
また、表示パネルには、タッチパネルの機能が組み込まれたものが用いられることもある。このように、ワークとしては様々な形態があるが、以下、表示装置を構成するワークを、複数積層したものを、表示装置用部材と呼ぶ。
このような、表示装置用部材として積層される各ワークの間にギャップが存在すると、外光反射により、ディスプレイの表示面の視認性が低下する。これに対処するため、各ワークを、接着剤を介して貼り合せて積層することによって、各ワークの間のギャップを埋めることが行われている。
特開2014−145058号公報
現在、表示装置においては、全体の大きさを同等に維持しつつ、表示領域のみを拡大させたいという要請が強い。このため、例えば、表示パネルに積層されるカバーパネルにおいて、表示領域を画する印刷枠の幅は、非常に狭くする必要がある。印刷枠は、遮光性の材料により、カバーパネルの外縁を縁取るように形成されている。印刷枠の内縁に囲まれた透光性のある領域が、表示領域を形成する。
この表示領域は、表示パネルよりも若干小さい。カバーパネルは、表示パネルの外縁が表示領域外の印刷枠に重なるように、接着剤を介して表示パネルに積層される。これにより、表示パネルの外縁は、表示領域から視認されることが防止される。
しかし、このような表示領域に、接着剤の未充填の領域が残存すると、充填領域との境界が表示画面の視認性を損なう。このため、表示領域の未充填は避けなければならならない。一方、表示パネルの外縁から接着剤がはみ出すことも、周囲に影響を与えるために避けなければならない。このため、接着剤の縁部は印刷枠の非常に細い幅に収めなければならない。
接着剤を介したワークの貼り合せには、種々の方法がある。一例として、接着剤を点状又は線状に塗布した一方のワークに、他方のワークに重ね合わせる方法がある。重ね合わせた他方のワークに圧力をかけて押し込むことで、接着剤がワークの外縁に向かって広がり、ワークの間に接着層が形成される。このとき、接着剤の広がりをワークの押し込み量で制御することによって、未充填の領域やはみ出しが発生しないようにしている。しかしながら、押し込み量を精密に制御しても、未充填の領域やはみ出しが発生することがある。これは、同じワークであっても面上で厚さに微細な差があることにより、押し込み量が一定であっても実際に受ける圧力が均一にならないためと考えられる。
本発明は、上述したような課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、ワークの面上に厚さのバラつきがあっても、未充填の領域の発生や接着剤のはみ出しを防止し、製品の品質を保つことができる表示装置用部材の製造装置及び製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の表示装置用部材の製造装置は、表示装置を構成する一対のワークが接着剤を介して貼り合わされた表示装置用部材を製造するものであって、各ワークの、複数の位置における厚さを測定する測定部と、前記測定部において測定された厚さに基づいて、前記ワークに塗布される前記接着剤の塗布位置を決定する塗布位置決定部と、前記ワークの、前記塗布位置決定部で決定された塗布位置に、前記接着剤を塗布する塗布部と、前記接着剤の塗布面を間にして前記一対のワークを押圧して貼り合せる貼合部と、を備える。
また、本発明の表示装置用部材の製造方法は、表示装置を構成する一対のワークを、接着剤を介して貼り合わせて表示装置用部材を製造する方法であって、各ワークの、複数の位置における厚さを測定する工程と、測定された前記複数の位置における厚さに基づいて、前記ワークに塗布される前記接着剤の塗布位置を決定する工程と、前記ワークの、決定された前記塗布位置に、前記接着剤を塗布する工程と、前記接着剤の塗布面を間にして前記一対のワークを押圧して貼り合せる工程と、を備える。
本発明によれば、ワークの面上に厚さのバラつきがあっても、未充填の領域の発生や接着剤のはみ出しを防止し、表示装置用部材の品質を保つことができる。
実施形態の表示装置用部材の製造装置の概略構成図である。 測定部の概略構成図である。 測定位置の設定例を示す図である。 塗布部の概略構成図である。 接着剤の塗布態様の一例を示す図である。 貼合部の概略構成図である。 貼合部の反転機構を反転させた状態を示す図である。 硬化装置の概略構成図である。 制御部の機能構成を示すブロック図である。 ワークの厚さにバラつきが無い場合の貼り合わせの状態を示す図である。 ワークの厚さにバラつきがある場合の貼り合わせの状態を示す図であり、(A)は押し込み量が大きくなる部分が生じた状態を示し、図11(B)は押し込み量が小さくなる部分が生じた状態を示す。 (A)は貼合時に接着剤のはみ出しが生じた状態を示す図であり、(B)は貼合時に接着剤の未充填が生じた状態を示す図である。 本実施形態の塗布位置決定処理によって、接着剤が初期塗布位置からずれた位置に塗布された状態を示す図である。
本発明の実施の形態(以下、本実施形態と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明する。
[構成]
本実施形態において、表示装置用部材の製造装置は、表示装置を構成する一対のワークを、接着剤を介して貼り合わせることにより、表示装置用部材を製造する装置である。
[ワーク]
表示装置用部材には、表示パネルとカバーパネルを積層した部材のように表示機能を備えた部材も、カバーパネルとタッチパネルを積層した部材のようにその部材だけでは表示機能を備えていない部材も含まれる。表示装置用部材を構成するワークとしては、表示パネル、タッチパネル、カバーパネル、バックライトやその導光板等の様々なものがあり、いずれを組み合わせてもよい。
[接着剤]
接着剤は、エネルギーの照射により硬化する樹脂である。例えば、紫外線(UV)硬化樹脂や熱硬化樹脂、その他の電磁波、放射線等のエネルギーによって硬化する樹脂等が考えられる。また、UV硬化樹脂と熱硬化樹脂の特性を持った樹脂のように、複数種類のエネルギーによって硬化する樹脂であってもよい。この場合、仮硬化をUV光による照射により行い、熱硬化により本硬化を行うこともできる。本実施形態では、UV硬化樹脂を用いる場合を説明する。
[表示装置用部材の製造装置]
図1に示すように、表示装置用部材の製造装置100は、測定部1、塗布部2、貼合部3、硬化部4及び搬送部5を備えている。表示装置用部材の製造装置100はまた、各装置を制御する制御部6を備えている。以下に、各部の構成を詳述する。
[搬送部]
搬送部5は、表示装置用部材を構成する一対のワークW1,W2を、上述した塗布部2、貼合部3及び硬化部4の各部へ搬送する搬送部5とその駆動機構から構成される。搬送部5としては、たとえば、ターンテーブル、コンベア、レール上に走行可能に設けられたピックアップ手段等が考えられるが、上記の各装置の間で一対のワークW1,W2を搬送可能なものであれば、どのような装置であってもよい。
本実施形態では、搬送部5としてコンベア50を用いる例を説明する。表示装置用部材Lの材料となるワークW1,W2はローダ200によって搬入され、コンベア50の面に載置され、搬送される。塗布部2、貼合部3及び硬化部4はこのコンベア50に沿って配置されている。不図示のピックアップ手段によって、一対のワークW1,W2はコンベア50からピックアップされ、不図示の搬入口を介して各部への搬入及び搬出がなされる。各部での工程を経て最終的に製造された表示装置用部材は、アンローダ300によって表示装置用部材の製造装置100から搬出される。ここで、コンベア50は、一対のワークW1,W2を、搬送方向とは直交する方向に並べて搬送するものでも、搬送方向に沿う方向に並べて搬送するものでもどちらでも良い。
[測定部]
測定部1は、一対のワークW1,W2の、複数の位置における厚さを測定する。測定部1は、ローダ200によって搬入された一対のワークW1,W2が塗布部2に搬入される前に、厚さの測定を行う。図2に示すように、測定部1は光学式の変位センサ11と、変位センサ11に接続された演算装置12とを備えている。変位センサ11は、コンベア50の上方であって、塗布部2の手前に配置されている。
変位センサ11は投光部と受光素子を備え、投光部から照射されたレーザ光が受光素子に受光される位置に基づいて、対象物までの距離を測るものである。ワークW1,W2が変位センサ11の下にある状態で測定を行うことで、変位センサ11からワークW1,W2までの距離が測定される。測定値は演算装置12に送信される。演算装置12には、変位センサ11からコンベア50の面までの距離が予め記憶されている。記憶されている変位センサ11からコンベア50の面までの距離から測定値を差し引くことで、ワークW1,W2の厚さを算出することができる。測定部1の演算装置12は、後述する制御部6と一体として構成しても良い。
なお、ワークW1,W2が透明の材料の場合、投光部から照射されたレーザ光はワークW1,W2の上面を透過して下面まで届くので、変位センサ11のみによってワークW1,W2の上面までの距離と下面までの距離とを測定することができるから、これらの測定値の差を求めることにより上面から下面までの距離、すなわち厚さを測定することができる。
ワークW1,W2の厚さの測定は、面上の厚さのバラつきを把握して、貼合時に接着剤の未充填やはみ出しが無くなるように、接着剤の塗布位置を決定することを目的としている。よって、厚さの測定はワークW1,W2のそれぞれについて、面上の複数の位置において行う。変位センサ11は不図示の駆動機構に接続され、駆動機構が変位センサ11をワークW1,W2の上方で移動しながら、複数の位置での測定を行う。測定位置は特定の位置に限定されないが、それら複数の位置の厚さの差分が、ワークW1,W2における厚さのバラつきの傾向を示し、接着剤を塗布する位置の基準となるものであると良い。
例えば、接着剤の塗布位置は、ワークの接着剤の塗布面における座標によって指定される。例えば、一方のワークW1に接着剤を塗布する場合、図3(A)に示すように、ワークW1の長手方向(X方向)の中心線と、短手方向(Y方向)の中心線を設定して、X方向及びY方向の座標で塗布位置を指定する。X方向中心線とY方向中心線が交差する中心点の座標は、(0,0)となる。中心点を挟んで、図面の右手側をX方向のプラス、左手側をマイナスとする。中心点を挟んで、図面の上側をY方向のプラス、下側をマイナスとする。このような座標を定めた場合、塗布位置は、(0,2)、(−1,3)、(4,−2)といった形で指定する。このように座標を定めた場合、X方向とY方向それぞれにおいて、中心点からプラス側とマイナス側の等距離の位置の厚さを算出し、それらの厚さの差分を算出する。これによって、ワークW1におけるX方向の厚さのバラつきと、Y方向の厚さのバラつきを示す数値が得られる。厚さのバラつきは貼合時にかかる押し込み量に影響を与えるものであるため、接着剤を塗布するワークW1だけでなく貼合する他方のワークW2の厚さも測定すると良い。他方のワークW2は、貼合時にワークW1と重なり合う位置を測定すると良い。
測定位置の具体的な設定例を、図3(A)(B)に示す。図3(A)(B)は、それぞれのワークW1,W2の貼合される面を図示している。一対のワークW1,W2において、貼合時に重なり合い、接着剤が充填される領域、すなわち貼合領域において、長手方向(X方向)の中心線と、短手方向(Y方向)の中心線を設定する。図示の例では、ワークW1の方がワークW2よりも大きいため、ワークW1の破線で示す領域が貼合領域となる。ワークW2は、貼り合わせ面の全体が貼合領域となる。それぞれのワークW1,W2のX方向中心線上において、中心点から等距離にある2点(X,X)(X,X)を測定位置とする。2点(X,X)(X,X)は、ワークW1,W2の中心点と貼合領域の外縁の中間位置としても良い。Y方向中心線上においても、ワークW1,W2の中心点から等距離にある2点(Y,Y)(Y,Y)を測定位置とする。2点(Y,Y)(Y,Y)は、ワークW1,W2の中心点と貼合領域の外縁の中間位置としても良い。なお、貼合時には、ワークW1を、X方向を回転軸としてひっくり返してワークW2と重ね合わせるため、XとX、XとX、YとY、YとYがそれぞれ重なることとなる。
一つの変位センサ11で、一対のワークW1,W2の両方の厚さを測定しても良い。あるいは、二つの変位センサを用いて、ワークW1,W2のそれぞれを同時に測定しても良い。一つの変位センサ11で一対のワークW1,W2の両方を測定する場合には、接着剤を塗布するワークW1の測定を先に行い、測定を終えたワークW1を塗布部2に搬入する間に、もう一方のワークW2の測定を行うようにしても良い。複数の測定位置の測定順序は、特定の順序に限られないが、例えばワークW1については、Y,X,Y,X、ワークW2についてはY,X,Y,Xと、時計回りの順序で測定しても良い。
変位センサ11の測定結果から、演算装置12は8つの測定位置のそれぞれの厚さXW,XW,XW,XW,YW,YW,YW,YWを算出する。算出結果は制御部6に入力される。
[塗布部]
塗布部2は、図4に示すように、ワークW1を移動可能に支持する支持ユニット21と、支持ユニット21の上方に配置された塗布ユニット22を備える。
支持ユニット21は、ステージ21a及び駆動機構21bを有する。ステージ21aは、ワークW1が載置される平板状のテーブルである。駆動機構21bは、ステージ21aをX及びY方向に往復移動させる機構である。なお、X方向は図面の左右方向であり、Y方向は図面の手前から奥の方向である。駆動機構21bは、例えば、ステージ21aをX方向及びY方向にそれぞれ移動させるリニアスライダを組み合わせて構成しても良い。ただし、載置されたワークW1をX及びY方向に往復移動可能なものであれば、どのような機構であってもよい。駆動機構21bにおけるステージ21aの移動の開始、停止及び速度は、制御部6によって制御される。
塗布ユニット22は、接着剤Rを収容するタンク22aと、ディスペンサ22bとを備えている。タンク22aは、接着剤Rの流路である配管及び接着剤Rの供給量を調節するバルブを介してディスペンサ22bに接続される。ディスペンサ22bは、タンク22aに収容された接着剤Rを供給口から滴下する。供給口は、ノズルの先端に形成されたものや、単なる開口を含み、その形状は問わない。なお、本実施形態では、供給口がノズルの先端に形成されたものとして説明する。
支持ユニット21は、X方向及びY方向にワークW1を移動させ、ディスペンサ22bの供給口の下に位置させる。ディスペンサ22bが接着剤Rを滴下することによって、ワークW1に接着剤Rが塗布される。
塗布ユニット22による接着剤Rの供給と、支持ユニット21の移動は、後述する制御部6によって、予め定められた塗布パターンで接着剤Rが塗布されるように制御される。塗布パターンは特定のものに限られないが、例えば、図5に示すように、接着剤Rを魚の骨のような形に線状に塗布する態様が有る。この塗布パターンは、ワークW1の中心点で交差するようにX方向及びY方向それぞれに延びる十字の線を塗布する。さらに、X方向を横断する線の両端から、四つの角部に向けて延びる線を塗布する。塗布パターンには、各線について、ワークW1上における塗布位置と延びる方向及び長さ、厚さ等の情報が含まれている。制御部6は、この塗布パターンに従って、支持ユニット21の移動と停止、塗布ユニット22の接着剤Rの供給タイミングと供給量を制御する。ただし、塗布位置については、塗布パターンに記憶されているのは初期設定値であり、上述した測定部1での厚さの測定結果に応じて、実際の塗布位置が決定される。塗布位置の決定方法については、制御部6について説明する際に詳述する。
[貼合部]
貼合部3は、一対のワークW1,W2を、接着剤Rを介して貼り合わせる装置である。本実施形態においては、貼合部3は、大気中での貼り合せを行う。但し、真空貼り合せ等、減圧下での貼り合せに適用することもできる。
貼合部3は、図6に示すように、基台31、第1の保持部32、第2の保持部33を有する。基台31は、第1の保持部32、第2の保持部33を支持する台である。第1の保持部32は、一方のワークW1を保持する装置である。第1の保持部32は、保持部材321、反転機構322を有する。保持部材321は、一方のワークW1を保持する部材である。保持部材321は、直方体形状の部材であり、ワークW1を保持する平坦面である保持面321aを有する。ワークW1は、接着剤Rが塗布された面とは反対側の面が保持面321aに保持される。保持面321aには、真空源に接続された不図示の吸着穴が形成され、ワークW1を吸着するバキュームチャックが構成されている。
反転機構322は、図7に示すように、保持部材321に保持されたワークW1を反転させて、第2の保持部33に対向させる装置である。このように反転した場合、ワークW1の接着剤Rの塗布面が第2の保持部33に保持されたワークW2に対向する。
反転機構322は、回動部322a、支持部322bを有する。回動部322aは、保持部材321の一側面が接続されており、保持部材321を、図示しない駆動源によってX方向を軸として回動させる装置である。支持部322bは、回動部322aを所定の高さで支持する部材である。この反転機構322によって、保持部材321は、図6に示すように、保持面321aが水平で上方に向かう位置と、図7に示すように、水平で下方に向かう位置との間で変位する。
第2の保持部33は、他方のワークW2を保持し、第1の保持部32に保持されたワークW1に貼り合わせる装置である。第2の保持部33は、載置部331、駆動部332を有する。載置部331は、直方体形状の部材である。載置部331の上面は、ワークW2が載置される水平で平坦な載置面331aである。載置面331aには、真空源に接続された不図示の吸着穴が形成され、ワークW2を吸着するバキュームチャックが構成されている。載置部331は、図7に示すように、その載置面331aが、保持部材321の保持面321aが反転して対向する位置に設けられている。
駆動部332は、載置部331を移動させることにより、ワークW2のワークW1に対する位置決め及び昇降を行う機構である。駆動部332としては、XYθテーブルをZ方向に昇降させる機構を用いることができる。例えば、水平なリニアガイドに沿って移動するリニアスライダを、モータにより回動するボールねじが駆動する構成を、直交する方向に重ねることにより、載置部331をXY方向に変位させる機構とする。また、モータのダイレクトドライブ又はベルトドライブにより回動する軸により、載置部331をθ方向に変位させる機構とする。さらに、垂直方向に進退させるモータにより回動するボールねじによって、載置部331をZ方向に変位させる機構とする。但し、駆動部332は、載置部331をXYZθ方向に移動させる機構であれば、どのような機構であってもよい。
このような駆動部332が、載置部331を上昇させると、保持部材321に保持されたワークW1に対して、載置部331に載置されたワークW2が、接着剤Rを介して押し付けられる。この際の載置部331の上昇量、つまり、ワークW1,W2にかける押し込み量は、実験等により予め測定されて設定されている。この押し込みにより、接着剤Rは押し広げられ、全体に広がる。
[硬化部]
硬化部4は、ワークW1,W2間に充填された接着剤Rを硬化させる装置である。ここで、硬化させるとは、必ずしも接着剤Rを完全に硬化させる必要はなく、製品として必要とされる硬さまで接着剤Rを硬化させるという意味である。硬化部4は、図8(A)及び(B)に示すように、ワークW1,W2が載置される載置台41と、載置台41の上方に配置された照射ユニット43を備える。
照射ユニット43は、硬化エネルギーとしての紫外線を照射する装置から構成される。照射するエネルギーの種類は、ワークW1,W2の貼り合せに使用する接着剤Rの種類によって、紫外線の他にも、赤外線などの電磁波、粒子線からなる放射線等から適宜選択することができる。例えば、照射ユニット43は、紫外線を発することができる1つまたは複数のランプやLED等から構成することができる。照射ユニット43の照射は、接着剤Rを硬化するのに必要な量のエネルギーを照射することができるように調節されている。このエネルギーの量は、照射の強度と時間により調整される。
[制御部]
制御部6は、上記の表示装置用部材の製造装置100の各部の動作の制御を行う装置である。制御部6は、例えば、専用の電子回路若しくは所定のプログラムで動作するコンピュータ等によって構成できる。制御部6には、各部の制御内容がプログラムされており、PLCやCPUなどの処理装置により実行される。
このような制御部6の構成を、仮想的な機能ブロック図である図9を参照して説明する。すなわち表示装置用部材の製造装置、制御部6は、機構制御部61、塗布位置決定部62、記憶部66、入出力制御部67を有する。
機構制御部61は、表示装置用部材の製造装置100の各部の機構を制御する処理部である。制御としては、例えば、各部の処理の開始及び終了のタイミング、貼合部3の反転機構の駆動タイミング、押し込み量の制御、照射ユニットの照射量等を制御する。特に、後述する塗布位置決定部62で決定された塗布位置において、塗布部2の支持ユニット21の移動量を制御する。
記憶部66は、本実施形態の処理に必要な情報を記憶する。このような情報の一つとして、塗布部2がワークW1に塗布する接着剤Rの塗布パターンを含む。図5に示すように線状に塗布する場合に、塗布パターンは、各線についてのワークW1上における塗布位置と延びる方向及び長さ、厚さ等の情報を含む。塗布位置は、塗布開始位置と塗布終了位置の情報を含んでいる。塗布位置は、ワークW1のX方向及びY方向における座標によって示される。機構制御部61は、この塗布パターンに従って、支持ユニット21の移動方向、移動量、停止タイミング等を制御し、塗布ユニット22の接着剤Rの供給タイミングと供給量を制御する。ただし、上述したように、塗布パターンの塗布位置は、初期設定値であり、後述する塗布位置決定部62で、設定値が補正されて実際の塗布位置が決定される。以降、塗布パターンとして記憶される塗布位置の初期設定値を、初期塗布位置という。記憶部66には、また、実際の塗布位置の決定に用いる係数α、βも記憶されている。係数α、βは、一対のワークW1,W2の厚さの差分と初期塗布位置からのずらし量との関係式における係数である。予め試験等により、厚さの差分と貼合部3での押し込み量の関係、さらに押し込み量と接着剤Rの広がりの関係を検証することにより、係数を決定すると良い。
塗布位置決定部62は、測定部1において測定された厚さを取得し、これらの厚さに基づいて、ワークW1に塗布される接着剤Rの塗布位置を決定する。塗布位置決定部62は、測定部1において測定された、複数の測定位置における厚さの差分を算出する差分算出部63と、算出した厚さの差分に基づいて、塗布パターンの初期塗布位置からのずらし量を算出するずらし量算出部64、及び初期塗布位置からずらし量を加えて、実際の塗布位置を算出する塗布位置算出部65を備える。
図3の例に示す8つの測定位置で厚さの測定を行った場合、差分算出部63は、以下の式(1)に示す通り、ワークW1及びW2のそれぞれについて、X方向中心線上の2点(X,X;X,X)で測定した厚さの差分を算出し、算出した2つの差分を加算する。2つの差分を加算することで、貼合時のX方向の厚さの差分が求められる。
ワークW1のX方向の厚さの差分:XW−XW=XW1−2
ワークW2のX方向の厚さの差分:XW−XW=XW3−4
貼合時のX方向の厚さの差分:XW1−2+XW3−4 …式(1)
差分算出部63はさらに、以下の式(2)に示す通り、ワークW1及びW2のそれぞれについて、Y方向中心線上の2点(Y,Y;Y,Y)で測定した厚さの差分を算出し、算出した2つの差分を加算する。2つの差分を加算することで、貼合時のY方向の厚さの差分が求められる。
ワークW1のY方向の厚さの差分:YW−YW=YW1−2
ワークW2のY方向の厚さの差分:YW−YW=YW4−3
貼合時のY方向の厚さの差分:YW1−2+YW4−3 …式(2)
ずらし量算出部64は、ずらし量算出部64は、差分算出部63で算出したX方向の厚さの差分に対して、係数αを乗じて、X方向のずらし量を算出する。ずらし量算出部64は、さらに、差分算出部63で算出したY方向の厚さの差分に対して、係数βを乗じて、Y方向のずらし量を算出する。
算出式は以下の式(3)のとおりである。
X方向のずらし量:α(XW1−2+XW3−4
Y方向のずらし量:β(YW1−2+YW4−3) …式(3)
塗布位置算出部65は、記憶部66に記憶されている塗布パターンの初期塗布位置を取得し、初期塗布位置にずらし量算出部64で算出したずらし量を加えることによって、実際の塗布位置を算出する。算出した塗布位置は、機構制御部61に出力される。
入出力制御部67は、制御対象となる各部との間での信号の変換や入出力を制御するインタフェースである。
さらに、制御部6は、入力装置68、出力装置69を有する。入力装置68は、オペレータが本実施形態の処理に必要な情報や記憶部66に記憶される情報を入力するためのスイッチ、タッチパネル、キーボード、マウス等の装置である。出力装置69は、オペレータが本実施形態の状態を確認するためのディスプレイ、ランプ、メータ等の装置である。
[動作]
以上のような構成を有する表示装置用部材の製造装置100の動作例を、図1〜図9に加え、図10〜図13を参照して説明する。なお、各図における各部やワークW1,W2の位置及び大きさ等は、説明を分かりやすくするための便宜的な表現に過ぎない。
上述したように、表示装置用部材の製造装置100での処理の対象となるワークは、様々なものがある。ここでは、図3に示すように、ワークW1の一例としてカバーパネルS1、ワークW2の一例として表示パネルS2を、接着剤Rを介して互いに積層して、表示装置用部材を構成する場合を説明する。
カバーパネルS1には、様々な種類や形状があるが、本実施形態では、図3(A)及び(C)に示すように、表示パネルS2より大きな、矩形状のカバーパネルS1を用いる。つまり、貼合時には、カバーパネルS1の外縁内に表示パネルS2の外縁が納まる。図3(A)において破線で示した部分が、カバーパネルS1に表示パネルS2が重なる領域、すなわち貼合領域である。一方、表示パネルS2に関しては、貼合面全体が貼合領域となる。カバーパネルS1の一面には、外縁を縁取るように所定幅の遮光性の印刷枠Bが形成されている。印刷枠Bの内縁に囲まれた領域は、表示領域Dを形成している。この表示領域Dは、破線で示した貼合領域よりも若干小さい。
印刷枠Bの内縁と貼合領域の間、すなわち表示パネルS2の外縁との間が、接着剤Rの縁部が納まるべき制御幅d1である。貼り合せ時に外方に広がる接着剤Rの縁部が、制御幅d1よりも内側に止まってしまうと、未充填の領域が発生する。接着剤Rの縁部が、制御幅d1よりも外側に出ると、はみ出しとなる。
なお、図示の例では、表示領域Dは矩形であるが、五角形、六角形等の多角形状、円形状、楕円形状、曲線と直線を組み合わせた形状であっても良い。なお、図3(A)及び(C)では、印刷枠Bを所定の厚さを持って示しているが、実際には、印刷枠Bの厚さは、カバーパネルS1と表示パネルS2との間に介在する接着剤Rの厚さに比べて充分小さいものである。
表示パネルS2は、液晶パネルや有機ELパネル等の様々な種類があり、その形状も様々である。ここでは、図3(B)、(C)に示すように、矩形状の液晶パネルを用いる。また、表示パネルS2には、偏光板Pが積層されている。
本実施形態の表示装置用部材の製造装置100では、測定部1、塗布部2、貼合部3での処理を通して、接着剤Rが、制御幅d1の範囲に入り、はみ出しや未充填が発生しないように、カバーパネルS1と表示パネルS2とを貼り合せる。本動作例では、カバーパネルS1に対して接着剤Rを線状に塗布する例を説明する。
カバーパネルS1及び表示パネルS2は、図1に示すように、ローダ200によって表示装置用部材の製造装置100に搬入され、搬送部5のコンベア50に搬送方向とは直交する方向に並べて載置される。それぞれのパネルは、貼り合せ面となる面が上側になるように搬送される。すなわち、本実施形態では、表示パネルS1は接着剤Rが塗布される面が上側に向くように載置され、カバーパネルS2は印刷枠Bが形成された面が上側に向くようにコンベア50に載置される。
[測定処理]
カバーパネルS1及び表示パネルS2はコンベア50で、測定部1の下に搬送される。測定部1の変位センサ11が、カバーパネルS1及び表示パネルS2の測定位置に移動して、厚さを測定する。まず、カバーパネルS1に対して、Y,X,Y,Xの順序で時計回りに移動して測定を行う。カバーパネルS1の測定が完了すると、表示パネルS2の測定位置に移動すると同時に、カバーパネルS1を塗布部2に搬入する。表示パネルS2については、Y,X,Y,Xの順序で厚さの測定を行う。表示パネルS2は、測定が終了すると、コンベア50で貼合部3まで搬送され、不図示のピックアップ手段によって貼合部3に搬入される。
測定されたカバーパネルS1のX,X,Y,Yの厚さXW,XW,YW,YWと、表示パネルS2のX,X,Y,Yの厚さXW,XW,YW,YWは、制御部6の塗布位置決定部62に入力される。
[塗布位置決定処理]
塗布位置決定部62の差分算出部63は、カバーパネルS1のX方向の厚さXW,XWの差分XW1−2を算出し、表示パネルS2のX方向の厚さXW,XWの差分XW3−4を算出し、それらを加算して貼合時のX方向の厚さの差分XW1−2+XW3−4を求める。差分算出部63は、また、カバーパネルS1のY方向の厚さYW,YWの差分YW1−2を算出し、表示パネルS2のY方向の厚さYW,YWの差分YW4−3を算出し、それらを加算して貼合時のY方向の厚さの差分YW1−2+YW4−3を求める。算出された貼合時のX方向及びY方向の差分は、ずらし量算出部64に入力される。
ずらし量算出部64は、記憶部66からX方向の係数αを取得して、X方向の厚さの差分XW1−2+XW3−4に乗じ、X方向のずらし量α(XW1−2+XW3−4)を算出する。ずらし量算出部64は、また、記憶部66からY方向の係数βを取得して、Y方向の厚さの差分YW1−2+YW4−3に乗じ、Y方向のずらし量β(YW1−2+YW4−3)を算出する。算出されたずらし量は、塗布位置算出部65に入力される。
塗布位置算出部65は、記憶部66に記憶されている塗布パターンの初期塗布位置を取得し、初期塗布位置の座標に対してX方向及びY方向のずらし量α(XW1−2+XW3−4),β(YW1−2+YW4−3)を加えて、実際の塗布位置を算出する。算出された塗布位置は、機構制御部61に入力される。
[塗布処理]
図2に示すように、カバーパネルS1は不図示のピックアップ手段によりピックアップされ、塗布部2の支持ユニット21のステージ21a上に載置される。
機構制御部61は、記憶部66から塗布パターンを取得し、塗布パターンに従って支持ユニット21と塗布ユニット22を制御する。ただし、塗布位置の制御については、塗布パターンの初期塗布位置は取得せず、塗布位置算出部65から出力された塗布位置を用いる。ステージ21aを移動させ、塗布ユニット22のディスペンサ22bの供給口を、カバーパネルS1の塗布開始位置に合わせる。ディスペンサ22bから接着剤Rを滴下することで、接着剤Rを点状に塗布することができる。また、接着剤Rを連続して滴下しながら、ステージ21aを塗布パターンに従って移動させることで、接着剤Rを線状に塗布することができる。このような接着剤Rの供給及び停止とステージ21aの移動を制御することで、カバーパネルS1に所望の塗布パターンで接着剤Rを塗布する。
図5に示すような、魚の骨のような形で塗布する場合、塗布パターンの初期塗布位置に従って塗布を行うと、その中心は貼合領域の中心に位置することになる。すなわち、X方向及びY方向の中心線を挟んで線対称の形状となる。このような線対称の形状に塗布して、貼合時にワークW1,W2にかける押し込み量を精密に制御することによって、図10に示すように、接着剤RはカバーパネルS1の外縁まで均一に広がり、制御幅d1の範囲に収まる。しかしながら、ワークW1,W2の厚さにバラつきがあると、ワークW1,W2が実際に受ける圧力にもバラつきが生じ、例えば図11(A)に示すように、部分的に大きくなったり、図11(B)に示すように、部分的に小さくなったりする。結果として、接着剤Rが均一に広がらず、図12(A)に示すようなはみ出しや、図12(A)(B)に示すような未充填が発生する可能性がある。
なお、図11は押し込み量を精密に制御しても、接着剤のはみ出しや未充填が生じる原理を視覚的にわかりやすいように図示したものである。実際にワークW1,W2に生じる厚さのバラつきは、図11のようなワークに凹凸が生じる状態よりも、長手方向(X方向)、短手方向(Y方向)、或いは対角方向に向かって厚さが漸増または漸減する状態であることが多い。カバーパネルS1や表示パネルS2の元となる透明基板は、マザー基板と呼ばれる大型の基板から切り出して製造される。マザー基板の製造工程によって、マザー基板の中心に近い部分は厚さが均一だが、外周側に向かうにしたがって厚さが薄くなってしまう傾向にある。よって、外周に近い部分から切り出されたカバーパネルS1や表示パネルS2の透明基板は、上述したように、厚さがいずれかの方向に漸増または漸減する傾向を有するものとなる。
本実施形態では、塗布位置決定処理において、初期塗布位置に厚さのバラつきに応じたずらし量を合わせて塗布位置を決定し、その塗布位置に従って塗布処理を行っている。これによって、接着剤が実際に受ける圧力にバラつきがあっても、接着剤RがカバーパネルS1の外縁まで広がって制御幅d1の範囲に収まるため、はみ出しや未充填の発生を防止することができる。図13に本実施形態の処理結果の一例を示している。点線で示した接着剤Rが、塗布パターンの初期塗布位置で塗布されたものであり、実線で示した接着剤Rが、塗布位置決定処理で決定された塗布位置で塗布されたものである。初期塗布位置では、塗布中心の座標が(0,0)であるが、ずらし量として(1,1)が算出された場合、実際の塗布中心は(1,1)の位置になる。なお、図11〜図13では、わかりやすくするために、厚さのバラつきやずらし量を大きく表示しているが、実際の厚さのバラつきは数μm単位であり、ずらし量の制御も数μm単位で行われる。
塗布が完了すると、カバーパネルS1は不図示のピックアップ装置によって塗布部2から搬出され、再び搬送部5のコンベア50上に載置され、貼合部3まで搬送される。
[貼合処理]
貼合部3まで搬送されたカバーパネルS1と表示パネルS2とは、不図示のピックアップ装置によって第1の保持部32、第2の保持部33にセットされる。つまり、図6に示すように、カバーパネルS1は、接着剤Rを塗布された面を上にして、第1の保持部32の保持部材321における保持面321aに載置され、バキュームチャックによって吸着保持される。表示パネルS2は、載置部331の載置面331aに載置され、バキュームチャックによって吸着保持される。
第1の保持部32の反転機構322が、保持部材321を回動させることにより、保持面321aに保持されたカバーパネルS1を反転させる。すると、図7に示すように、カバーパネルS1の接着剤Rの塗布面は、載置部331上の表示パネルS2に対向する。
載置部331は、駆動部332によって、カバーパネルS1と表示パネルS2とのアライメントを行う。このアライメントは、例えば、カバーパネルS1と表示パネルS2の基準位置を、図示しない撮像部により撮像して、互いの基準位置のズレが解消するように、駆動部332が載置部331をXYθ方向に移動させることにより行う。基準位置は、表示パネルS2とカバーパネルS1に付されたマークや、特定の位置である。なお、撮像部及びアライメントについても、一般的な装置及び技術を用いることができる。
駆動部332が載置部331を上昇させる。すると、表示パネルS2がカバーパネルS1側に移動して、接着剤Rに接触する。接着剤Rは、カバーパネルS1と表示パネルS2によって予め設定された押し込み量で押し込まれ、カバーパネルS1の外縁に向かって押し広げられて行く。接着剤Rの縁部が、印刷枠Bの内縁の外側に達して、表示領域のDの全域に接着剤Rが充填される。
さらに、載置部331におけるバキュームチャックを維持した状態で、保持部材321におけるバキュームチャックを停止する。そして、反転機構322が、保持部材321を回動させることにより、カバーパネルS1の上面を解放する。これにより、カバーパネルS1は押圧から解放される。
このように、表示パネルS2とカバーパネルS1を貼り合せることにより、表示装置用部材が構成される。この表示装置用部材を、以下、積層体と呼ぶ。積層体は、バキュームチャックを停止した載置部331から搬出され、再び搬送部5で搬送される。続いて、不図示のピックアップ手段が、積層体を硬化部4へ搬入する。
[硬化処理]
硬化部4においては、図8に示すように、積層体は載置台41に載置され、照射ユニット43によって、接着剤Rが硬化するのに必要な強度の紫外線が照射され、接着剤Rの硬化が完了する。積層体はピックアップ手段によって硬化部4から搬送部5に搬出され、必要に応じてその他の処理が施される。製造された表示装置用部材Lは、アンローダ300によって表示装置用部材の製造装置100から搬出される。
[作用効果]
(1)本実施形態の表示装置用部材の製造装置100は、表示装置を構成する一対のワークW1,W2が接着剤Rを介して貼り合わされた表示装置用部材を製造するものであって、各ワークW1,W2の、複数の位置における厚さを測定する測定部1と、測定部1において測定された厚さに基づいて、ワークW1に塗布される接着剤Rの塗布位置を決定する塗布位置決定部62と、塗布位置決定部62で決定されたワークW1の塗布位置に、接着剤Rを塗布する塗布部2と、接着剤Rの塗布面を間にして一対のワークW1,W2を押圧して貼り合せる貼合部3と、を備える。
また、本実施形態の表示装置用部材の製造方法は、各ワークW1,W2の、複数の位置における厚さを測定する工程と、測定された複数の位置における厚さに基づいて、ワークW1に塗布される接着剤Rの塗布位置を決定する工程と、ワークW1の、決定された塗布位置に、接着剤Rを塗布する工程と、接着剤Rの塗布面を間にして一対のワークW1,W2を押圧して貼り合せる工程と、を備える。
ワークW1,W2の面上に厚さのバラつきがあると、貼合部3によるワークW1,W2の押し込み量を精密に制御しても接着剤が実際に受ける圧力が均一にならず、結果として、接着剤RがワークW1,W2の外縁まで広がらない部分、あるいは外縁からはみ出してしまう部分が生じる可能性がある。本実施形態では、ワークW1,W2の複数の位置において測定した厚さに基づいて接着剤Rの塗布位置を決定することによって、ワークW1,W2の厚さにバラつきがあっても、未充填の領域の発生や接着剤Rのはみ出しを防止し、表示装置用部材の品質を保つことができる。
(2)表示装置用部材の製造装置100は接着剤Rの初期塗布位置を含む塗布パターンを記憶する記憶部66を更に備える。塗布位置決定部62は、測定部1において測定された、複数の位置における厚さの差分を算出する差分算出部63と、厚さの差分に基づいて接着剤Rの塗布位置のずらし量を算出するずらし量算出部64と、塗布パターンの初期塗布位置にずらし量を加えて、接着剤Rの塗布位置を算出する塗布位置算出部65と、を備える。
複数の位置における厚さの差分は、貼合時に接着剤Rの受ける圧力の偏りを示すものであるため、この厚さの差分から、塗布位置のずらし量を算出することができる。これによって、未充填の領域の発生や接着剤Rのはみ出しを防止し、表示装置用部材の品質を保つことができる。
(3)測定部1は、一方のワークW1の2つの測定位置(X,X)における厚さ(XW,XW)と、他方のワークW2において貼り合せ時に一方のワークW1の2つの測定位置(X,X)と重なる2つの測定位置(X,X)における厚さ(X,X)を測定し、差分算出部63は、一方のワークW1の2つの測定位置(X,X)における厚さの差分XW1−2と、他方のワークW2の2つの測定位置(X,X)における厚さの差分XW3−4とを算出して加算し、ずらし量算出部64は、差分算出部63で加算した差分XW1−2,XW3−4に基づいて、ずらし量を算出する。
貼合時に2つのワークW1,W2が重なり合うため、ワークW1,W2間の接着剤Rの受ける圧力には、2つのワークW1,W2の厚さが影響する。よって、双方のワークW1,W2で貼合時に重なる位置で厚さを測定し、各ワークW1,W2の厚さの差分を加算することで、適切なずらし量を算出することができる。
(4)一方のワークW1の2つの測定位置(X,X)は、一方のワークW1の第1の中心線であるX方向中心線上において中心点から等距離に設定しても良い。測定部1は、さらに、X方向中心線と直交する第2の中心線であるY方向中心線上において、中心点から等距離にある2つの測定位置(Y,Y)における厚さ(YW,YW)と、他方のワークW2においてY方向中心線上の2つの測定位置(Y,Y)と重なる2つの測定位置(Y,Y)における厚さ(YW,YW)を測定し、差分算出部63は、一方のワークW1のY方向中心線上の2つの測定位置(Y,Y)における厚さの差分YW1−2と、他方のワークW2の2つの測定位置(Y,Y)における厚さの差分YW4−3とを算出して加算し、ずらし量算出部64は、差分算出部63で加算した差分(XW1−2+XW3−4)(YW1−2+YW4−3)に基づいて、X方向と、Y方向におけるずらし量を算出する。
塗布位置は、X方向及びY方向の座標を示すものであることが多い。そこで、測定位置はX方向及びY方向中心上の、さらに中心線から等距離の位置に設定する。同じ中心線上の厚さの差分を測定することによって、その差分はX方向及びY方向においてワークW1,W2が受ける圧力の偏りを示すことになり、X方向及びY方向へのずらし量を算出することができ、接着剤Rの未充填やはみ出しを防ぐ塗布位置の決定が可能となる。
[その他の実施形態]
上述の実施形態では、各ワークW1,W2においてX方向で2箇所、Y方向で2箇所、全体としては合計8箇所の測定位置の厚さを測定する例を説明したが、測定位置の数はこれに限られない。例えば、測定位置を少なくして処理効率を上げても良く、あるいは測定位置を増やして厚さのバラつきをより正確に把握できるようにしても良い。また、上述の実施形態では、差分を算出する対象となる2つの測定位置が、同じ中心線上の中心点から等距離にある場合を説明したが、これに限られない。測定位置は、差分を算出することで厚さのバラつきの傾向を把握できる位置であれば良く、ワークの形状や材質等に応じて適宜決定することができる。また、上述の実施形態では2箇所の測定位置の厚さの差分を算出することで厚さのバラつきを示す値を得ていたが、これに限られない。例えば、厚さの基準値を予め設けて、各測定位置の厚さと基準値の差分を算出することで、厚さのバラつきを示す値を得ても良い。
上述の実施形態では、測定部1が光学式の変位センサ11を備えた例を説明したが、ワークW1,W2の厚さを測定できる装置であれば良く、これに限られない。例えば、伸縮可能なロッドに取り付けられた測定子が、ワークW1,W2の表面に接触することによって厚さを測定する接触式変位センサを用いても良い。
上述の実施形態では、塗布部2において、支持ユニット21のステージ21aが移動して、ワークW1の塗布位置をディスペンサ22bの供給口の下に移動させる態様を説明したが、これに限られない。例えば、ステージ21aを固定として、塗布ユニット22に駆動機構を備えて、ディスペンサ22bをワークW1の塗布位置まで移動させるようにしても良い。
上述の実施形態では、硬化処理は硬化部4のみで行う例を説明したが、これに限られない。例えば、貼合部でワークW1,W2を貼り合わせた後に、接着剤Rをある程度硬化させる仮硬化処理を行っても良い。その場合は、貼合部に仮硬化を行うための装置を設置すると良い。仮硬化は、硬化部4の硬化処理と同様に、UV光を照射する照射ユニットにより行っても良い。あるいは、接着剤RとしてUV硬化樹脂と熱硬化樹脂の特性を持った樹脂を用いる場合は、仮硬化は加熱装置により行い、硬化部4の硬化処理をUV光で行っても良い。
互いに貼り合わされる一対のワークは、1枚であっても、複数枚の積層体であってもよい。すなわち、表示装置用部材として積層されるワークの積層数は、特定の数には限定されない。一対のワークの大きさは、上記のように異なっていても、同等の大きさであってもよい。つまり、本発明は、ワークの大きさや形状にかかわらず、ワークの縁部からの接着剤Rのはみ出しや未充填を防止するものである。本発明による製造対象となる表示装置用部材としては、スマートフォン用、タブレット端末用、PCのディスプレイ用、テレビ用、車載用や航空機用等の他装置に取り付けられる表示パネル用等、種々のものが考えられる。これらのうち、制御幅が短い傾向にあるスマートフォン用やタブレット端末用の表示装置用部材に適用すると、特に有効である。
上述の実施形態では、一対のワークW1,W2のそれぞれについて厚さを測定する例を説明したが、ワークW1,W2のいずれか一方が、たとえ厚さのバラつきが生じても接着剤Rの広がりに影響を与えないものである場合には、他方のワークについてのみ厚さの測定を行ない、一方のワークの厚さの測定を行なわないようにしても良い。
1 測定部
2 塗布部
3 貼合部
4 硬化部
5 搬送部
6 制御部
11 変位センサ
12 演算装置
21 支持ユニット
21a ステージ
21b 駆動機構
22 塗布ユニット
22a タンク
22b ディスペンサ
31 基台
32 第1の保持部
33 第2の保持部
41 載置台
43 照射ユニット
50 コンベア
61 機構制御部
62 塗布位置決定部
66 記憶部
67 入出力制御部
63 差分算出部
64 ずらし量算出部
65 塗布位置算出部
68 入力装置
69 出力装置
200 ローダ
300 アンローダ
321 保持部材
321a 保持面
321b 吸着穴
322 反転機構
322a 回動部
322b 支持部
331 載置部
331a 載置面
332 駆動部
100 表示装置用部材の製造装置
B 印刷枠
P 偏光板
R 接着剤
S1 カバーパネル
S2 表示パネル
W1、W2 ワーク

Claims (6)

  1. 表示装置を構成する一対のワークが接着剤を介して貼り合わされた表示装置用部材の製造装置であって、
    各ワークの、複数の位置における厚さを測定する測定部と、
    前記測定部において測定された厚さに基づいて、前記ワークに塗布される前記接着剤の塗布位置を決定する塗布位置決定部と、
    前記ワークの、前記塗布位置決定部で決定された塗布位置に、前記接着剤を塗布する塗布部と、
    前記接着剤の塗布面を間にして前記一対のワークを押圧して貼り合せる貼合部と、を備えることを特徴とする表示装置用部材の製造装置。
  2. 前記接着剤の初期塗布位置を含む塗布パターンを記憶する記憶部を更に備え、
    前記塗布位置決定部は、前記測定部において測定された、複数の位置における厚さの差分を算出する差分算出部と、前記厚さの差分に基づいて前記接着剤の塗布位置のずらし量を算出するずらし量算出部と、前記塗布パターンの初期塗布位置に前記ずらし量を加えて、前記接着剤の塗布位置を算出する塗布位置算出部と、を備えることを特徴とする請求項1記載の表示装置用部材の製造装置。
  3. 前記測定部は、一方のワークの2つの位置における厚さと、他方のワークにおいて貼り合せ時に前記一方のワークの2つの位置と重なる2つの位置における厚さを測定し、
    前記差分算出部は、前記一方のワークの2つの位置における厚さの差分と、前記他方のワークの2つの位置における厚さの差分とを算出して加算し、前記ずらし量算出部は、前記差分算出部で加算した差分に基づいて、前記ずらし量を算出することを特徴とする請求項2記載の表示装置用部材の製造装置。
  4. 前記一方のワークの2つの位置は、前記一方のワークの貼合領域の第1の中心線上において、中心点から等距離にあり、
    前記測定部は、前記第1の中心線と直交する前記貼合領域の第2の中心線上において、中心点から等距離にある2つの位置における厚さと、他方のワークにおいて前記第2の中心線上の2つの位置と重なる2つの位置における厚さを測定し、
    前記差分算出部は、前記一方のワークの前記第2の中心線上の2つの位置における厚さの差分と、前記他方のワークの2つの位置における厚さの差分とを算出して加算し、前記ずらし量算出部は、前記差分算出部で加算した差分に基づいて、前記第1の中心線の延びる方向と、前記第2の中心線の延びる方向における前記ずらし量を算出することを特徴とする請求項3記載の表示装置用部材の製造装置。
  5. 表示装置を構成する一対のワークが接着剤を介して貼り合わされた表示装置用部材の製造装置であって、
    少なくとも一方のワークの、複数の位置における厚さを測定する測定部と、
    前記測定部において測定された厚さに基づいて、前記ワークに塗布される前記接着剤の塗布位置を決定する塗布位置決定部と、
    前記ワークの、前記塗布位置決定部で決定された塗布位置に、前記接着剤を塗布する塗布部と、
    前記接着剤の塗布面を間にして前記一対のワークを押圧して貼り合せる貼合部と、を備えることを特徴とする表示装置用部材の製造装置。
  6. 表示装置を構成する一対のワークが接着剤を介して貼り合わされた表示装置用部材の製造方法であって、
    各ワークの、複数の位置における厚さを測定する工程と、
    測定された前記複数の位置における厚さに基づいて、前記ワークに塗布される前記接着剤の塗布位置を決定する工程と、
    前記ワークの、決定された前記塗布位置に、前記接着剤を塗布する工程と、
    前記接着剤の塗布面を間にして前記一対のワークを押圧して貼り合せる工程と、を備えることを特徴とする表示装置用部材の製造方法。
JP2016070052A 2016-03-31 2016-03-31 表示装置用部材の製造装置及び製造方法 Pending JP2017181836A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016070052A JP2017181836A (ja) 2016-03-31 2016-03-31 表示装置用部材の製造装置及び製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016070052A JP2017181836A (ja) 2016-03-31 2016-03-31 表示装置用部材の製造装置及び製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017181836A true JP2017181836A (ja) 2017-10-05

Family

ID=60004495

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016070052A Pending JP2017181836A (ja) 2016-03-31 2016-03-31 表示装置用部材の製造装置及び製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017181836A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114466703A (zh) * 2019-09-05 2022-05-10 陶氏东丽株式会社 涂布图案的形成方法、层叠体的制造方法、形成涂布图案的程序以及树脂涂布装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114466703A (zh) * 2019-09-05 2022-05-10 陶氏东丽株式会社 涂布图案的形成方法、层叠体的制造方法、形成涂布图案的程序以及树脂涂布装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6315630B2 (ja) 表示装置用部材の製造装置及び表示装置用部材の製造方法
TW201540376A (zh) 塗布裝置、黏合劑塗布工件製造方法、顯示裝置用構件製造裝置、顯示裝置用構件製造方法
JP5411905B2 (ja) 接合部材の製造装置及び接合部材の製造方法
KR101797194B1 (ko) 도포 방법, 도포 장치, 제조 방법 및 제조 장치
JP2012134466A (ja) インプリント装置、及びそれを用いた物品の製造方法
JP5346116B1 (ja) ワーク貼合方法及びワーク貼合装置
CN105551930A (zh) 半导体装置的制造方法以及制造装置
TW201323171A (zh) 接合裝置
JP2016008985A (ja) 表示装置用部材の製造装置及び表示装置用部材の製造方法
KR20150061593A (ko) 도포 장치, 도포 방법, 표시 장치용 부재의 제조 장치 및 표시 장치용 부재의 제조 방법
KR20180063421A (ko) 스크라이빙 장치
JP6279450B2 (ja) 塗布装置、塗布方法、表示装置用部材の製造装置及び表示装置用部材の製造方法
JP5991853B2 (ja) 樹脂塗布装置
JP2017181836A (ja) 表示装置用部材の製造装置及び製造方法
JP6100571B2 (ja) 表示装置の製造装置、および表示装置の製造方法
JP2015073977A (ja) 処理システム
TW202113306A (zh) 保持構件、檢查機構、切斷裝置、保持對象物的製造方法及保持構件的製造方法
JP4758326B2 (ja) 塗布装置
CN104961360B (zh) 制造方法及制造装置
JP2008086909A (ja) 塗布装置及び塗布方法
TWI581866B (zh) 黏合劑塗布裝置及方法、顯示裝置用構件製造裝置及方法
JP2018136465A (ja) 貼合装置、表示装置用部材の製造装置及び製造方法
TW201536561A (zh) 顯示裝置用構件的製造裝置及顯示裝置用構件的製造方法
JP6100570B2 (ja) 表示装置の製造装置、および表示装置の製造方法
TW201412413A (zh) 基板貼合裝置、基板貼合方法及塗布裝置