JP2017180205A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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【課題】ドライバーに与える飛び出し感を低減する。【解決手段】ドライバーの操作から独立して車両Vの制動を維持するDSC装置と、所定のエンジン停止条件でエンジンを停止させると共にドライバーによるアクセル操作があった場合に当該エンジンを再始動させるアイドリングストップ装置とを備えるエンジンの制御装置であって、車両の制動を維持しているときに所定のアイドリングストップ条件が満たされてエンジンを停止させている場合、DSC装置は、ドライバーによるアクセル操作に応じて車両Vの制動の維持を解除し、アイドリングストップ装置は、ドライバーによるアクセル操作に応じて、エンジンを再始動させるが、エンジンの実トルクがアクセル開度に応じた目標トルク(L1)に達するまではエンジンの実トルクの増加量が所定値以下となるようにエンジンのトルクを制御する。【選択図】図5

Description

本発明は、エンジンの制御装置に関し、特に、オートホールド機能を有するエンジンの制御装置に関する。
従来から、例えば油圧式のフットブレーキを備える車両においてドライバーがブレーキを解除した後、所定の時間ブレーキの油圧を保持して車両の制動を維持することにより車両の飛び出しを防止するオートホールド機能を有するエンジンの制御装置が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2015−101127号公報
特許文献1に記載された制御装置は、例えばドライバーがフットブレーキを作動させて車両が停止し、所定のアイドリングストップ条件を満たした場合には、エンジンを停止させるいわゆるアイドルストップ機能を作動させることとしている。そして、例えばドライバーがアクセルを踏み込んでアイドリングストップ条件が解除された場合には、アイドリングストップ機能を解除してエンジンを再始動させると共に、アイドリングストップからの復帰に適した条件でフットブレーキの油圧を減圧させている。
しかしながら、特許文献1では、アイドリングストップ機能及びオートホールド機能の両方が作動している状態からエンジンを再始動させて発進する場合、ドライバーによるアクセル操作から遅れて車両が加速することとなる。そして特許文献1では、車両を加速させる際のトルク変動について何ら考慮がなされていないため、例えば車両を加速させる際にトルクを抑制していた状態からアクセル開度に応じた目標トルクに向けて急激に加速してしまうため、ドライバーに飛び出し感を与えてしまう場合があった。
そこで本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、オートホールド解除時のエンジントルク増加量を適切に制御することによりドライバーに与える飛び出し感を低減することができるエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、ドライバーの操作から独立して車両の制動を維持する制動維持制御装置と、所定のエンジン停止条件でエンジンを停止させると共にドライバーによるアクセル操作があった場合に当該エンジンを再始動させるエンジン自動停止・再始動制御装置と、を備えるエンジンの制御装置であって、前記制動維持制御装置によって前記車両の制動を維持しているときに前記所定のエンジン停止条件が満たされて前記エンジン自動停止・再始動制御装置によって前記エンジンを停止させている場合に、前記制動維持制御装置は、ドライバーによるアクセル操作に応じて前記車両の制動の維持を解除し、前記エンジン自動停止・再始動制御装置は、前記ドライバーによる前記アクセル操作に応じて、前記エンジンを再始動させ、前記エンジンのトルクがアクセル開度に応じた目標トルクに達するまでは前記エンジンのトルクの増加量が所定値以下となるように当該エンジンのトルクを制御する。
このように構成された本発明によれば、制動維持制御装置によってエンジンの制動を維持しているときにエンジン停止条件が満たされた場合には、エンジン自動停止・再始動制御装置によってエンジンを停止させる。そしてこの状態で制動維持条件が解除された場合には、制動維持制御装置は、車両の制動の維持を解除する。そしてエンジン自動停止・再始動制御装置は、エンジンのトルクがアクセル開度に応じた目標トルクに達するまではエンジンのトルクの増加量が所定値以下となるようにエンジンのトルクを制御する。これにより、エンジンのトルクが急激に増加するのを防止することができる。
また本発明において好ましくは、前記エンジンのトルクの増加量は、前記アクセル開度に応じた目標トルク及び実トルクに応じて決定される。
この場合において前記目標トルクが大きいほど、前記エンジンのトルクの増加量は多くなる。
また、この場合において前記目標トルクと前記実トルクとの偏差が小さいほど前記エンジンの実トルクの増加量が少なくなる。
また本発明において好ましくは、前記エンジン自動停止・再始動制御装置は、前記制動維持の解除が完了するまでは前記エンジンのトルクを増加させない。
このように構成された本発明によれば、制動維持の解除が完了するまでは前記エンジンのトルクを増加させないことにより制動維持中の騒音、振動、及びハーシュネスを抑制することができる。これによりドライバーに与える不快感を抑制することができる。
以上のように本発明によれば、オートホールド解除時のエンジントルク増加量を適切に制御することによりドライバーに与える飛び出し感を低減することができる。
本発明の実施形態によるエンジンの制御装置が適用された車両の概略構成図である。 本発明の実施形態によるブレーキ装置の概略構成図である。 本発明の実施形態によるエンジンの制御装置のシステム構成図である。 本発明の実施形態によるエンジンの制御装置の動作を示すフロー図である。 本発明の実施形態によるエンジンの制御装置の動作を示すタイミングチャートである。 本発明の実施形態によるエンジンの制御装置の動作を示すフロー図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置について説明する。図1は、エンジンの制御装置が適用された車両の概略構成図である。車両Vは、ディーゼル燃料又はガソリン燃料によって駆動するエンジン7と、車両Vを停止させるための停止維持装置1を備えている。そして停止維持装置1は、本発明のエンジン自動停止・再始動装置としてのアイドリングストップ制御装置2と、ドライバーの操作によって車両Vを停止させるフットブレーキ装置3と、本発明の制動維持制御装置としてのDSC(Dynamic Stability Control)装置4と、パーキングブレーキ及び非常用のブレーキコントローラとしてのEPB(Electric Parking Brake)装置5と、ECU(Electric Control Unit)6とを備えている。
エンジン7は、ドライバーのアクセルペダル14操作に応じたECU6による制御のもと、所定のタイミングで所定のトルクをトルクコンバーター(図示せず)に出力する。そしてトルクコンバーターに出力されたトルクは、駆動力として自動変速機8に入力され、シフト装置9のシフトレバー9aの位置に応じて4つのホイール11のうちの駆動輪に伝達される。
フットブレーキ装置3は、ドライバーの足下に配置されたブレーキペダル10と、ブレーキペダル10の制動を増加させるブースター13と、ブレーキペダル10の踏み込みに応じてブレーキ液圧を上昇させるマスターシリンダ12とを備えている。そしてフットブレーキ装置30は、ブレーキペダルの踏み込み量に応じてマスターシリンダ12によってブレーキ液圧を上昇させる。ブレーキ液圧の上昇は、各ホイール11に対応して設けられた液圧ブレーキ機構20に伝達され、これにより各ホイール11に対してブレーキ力を作用させる。
DSC装置4は、ドライバーによる操作とは独立してホイール11を制動可能に構成されている。より具体的には、DSC装置4は、ドライバーによる操作とは独立して、DSC制御及びABS(Antilock Brake System)制御を行い車両Vの走行姿勢を制御するように構成されている。またDSC装置4はDSC制御及びABS制御に加えて、所定のオートホールド条件が成立した場合には、ドライバーによる操作から独立して、オートホールド条件が解除されるまで車両の制動を維持、即ち車両の停止状態を維持するように構成されている。
EPB装置5は、所定の条件が成立したときに車両Vの停止状態を維持するオートパーキング制御を実行するように形成されている。
次に、図2を参照してブレーキ装置3についてより詳細な説明を行う。図2は、ブレーキ装置の概略構成図である。
図2に示すように、ホイール11には、液圧ブレーキ機構20が対応して設けられている。そして液圧ブレーキ機構20は、ホイール11に一体に取付けられたロータディスク21と、ロータディスク21に制動力を付与するキャリパ22とを備えている。ロータディスク21は、ホイール11に一体に取付けられ、ホイール11と一体に回転するように構成されている。また、キャリパ22は、ロータディスク21の車幅方向内側に配設されたキャリパ本体23と、ロータディスク21を挟むようにロータディスク21の両側に配置されたアウタパッド24及びインナパッド25とを備えている。また、インナパッド25の車幅方向内側には、ロータディスク21の軸心方向に移動可能なピストン26が配設されており、このピストン26は、キャリパ本体23に形成されたシリンダ孔23aに摺動可能に嵌挿されている。シリンダ孔23aにはブレーキ液で満たされた管路27が接続されている。そしてドライバーがブレーキペダル10を踏み込むと、その踏み込み量に応じて管路27内のブレーキ液圧が上昇する。そしてブレーキ液圧が上昇するとピストン26が軸心方向外側に向けて前進し、これにより、インナパッド25がロータディスク21の車幅方向内側の面に押しつけられる。また、インナパッド25がロータディスク21に押しつけられた反力によりキャリパ23が車幅方向内側に移動し、これによりアウタパッド24がロータディスク21の車幅方向外側の面に押しつけられる。そしてアウタパッド24及びインナパッド25をロータディスク21に押しつけることにより、ロータディスク21と一体のホイール11の回転を低下させ、車両Vを減速、停止させる。
また、図2に示すように、フットブレーキ装置3のマスターシリンダ12と、ピストン26との間の管路27上には、DSC装置4が接続されている。
DSC装置4は、管路27から分岐する第1分岐路27aに接続された液圧ポンプ31を備えている。液圧ポンプ31は、電動モータを駆動源とした電動式ポンプによって構成されている。そして液圧ポンプ31は、エンジン運転中はオルタネータ(図示せず)から電力が供給され、エンジン停止中はバッテリ(図示せず)から電力が供給されて駆動する。そして液圧ポンプ31が駆動すると、液圧ポンプ31と管路27との間に設けられた加圧用バルブ32を介して管路27内のブレーキ液圧を高めることができる。これにより、ドライバーによるブレーキペダル10の操作とは独立してブレーキ装置3を作動させるように構成されている。また、DSC装置4は、管路27から分岐する第2分岐路27bに接続されたリターン用バルブ33を備えており、DSC装置4によって管路27内のブレーキ液圧を上昇させた後、ブレーキ液圧を低下させる場合にはリターン用バルブ33を開弁させる。
さらに図2に示すように、液圧ブレーキ機構20には、EPB装置5の電動ブレーキ機構40が接続されている。電動ブレーキ機構40は、インナパッド25に作用するピストン41と、ピストン41に連結された円環状部材42と、電動モータ43とを備えている。ピストン41の車幅方向内側部分には雄ネジ部41aが形成されており、一方で円環状部42の内周には雄ネジ部41aと噛み合う雌ネジ部42aが形成されている。また、円環状部42の外周には、電動モータ42の出力ピニオン44と噛み合うギヤ42bが形成されている。そして、電動モータ43を駆動すると出力ピニオン44が回転し、これにより円環状部42が回転する。そして円環状部42が回転することによりピストン41がインナパッド25を車幅方向外側に向けて移動させ、これによりインナパッド25がロータディスク21の車幅方向内側の面に押しつけられる。また、インナパッド25がロータディスク21の車幅方向内側の面に押しつけられることにより、上述したようにアウタパッド24もロータディスク21に押しつけられ、これにより車両を減速、停止させる。
次に、図3を参照してエンジンの制御装置のシステムについて詳述する。図3は、エンジンの制御装置のシステム構成図である。
図3に示すように、ECU6は、エンジン7を制御するためのEng制御部6aと、DSC装置4を制御するためのDSC制御部6bと、EPB装置5を制御するためのEPB制御部6cと、を備えている。そしてECU6は、各種センサからの入力に応じてエンジン7、DSC装置4、及びEPB装置5を制御するように構成されている。より具体的には、ECU6には、ドライバーによるアクセルペダル14の踏み込み量を検出するアクセルペダルセンサ52と、車両Vのヨーレイトを検出するヨーレートセンサ53と、ドライバーによるステアリングホイール(図示せず)の操舵角を検出する舵角センサ54と、車両Vの車幅方向の加速度を検出する横加速度センサ55と、ホイール11の回転速度を検出する車輪速センサ56と、エンジンの回転速度(回転数)を検出するエンジン回転速度センサ57と、車両Vが停車している路面の傾斜角度を検出する勾配センサ58と、管路27内のブレーキ液圧を検出するブレーキ液圧センサ34と、シフトレバー9aに応じたシフトレンジを検出するシフトポジションセンサ61と、からの出力信号を受け取るように構成されている。また、ECU6には、ドライバーによってブレーキペダル10が操作された場合に作動するブレーキランプスイッチ51からの信号、ドライバーによってオートパーキングスイッチ59が押された場合にパーキングスイッチ59からの信号、ドライバーによってオートホールドスイッチ60が押された場合にオートホールドスイッチ60からの信号、及びドライバーによってイグニションスイッチ62が操作された場合にイグニッションスイッチからの信号が入力される。
Eng制御部6aは、アクセルセンサ52及びエンジン回転速度センサ57を含む各種センサからの検出値に基づいてエンジン7を駆動させる。また、Eng制御部6aは、所定のアイドリングストップ条件が成立した場合に駆動中のエンジン7を自動停止させる。また、Eng制御部6aはエンジン7がアイドリングストップ状態にある場合において、ドライバーが所定の動作、即ちアクセルペダル14を踏み込んだときにエンジン7を再始動させる。エンジン7の再始動時には、まずセルモータ(図示せず)を駆動させることによってエンジン7をクランキングにより駆動させこれと共にエンジン7の燃焼室内に少量の燃料を噴射する。そしてエンジン7がクランキングによらず燃料の燃焼のみによって駆動可能な完爆状態に達した後、Eng制御部6aは、セルモータを停止させ燃料の燃焼のみによってエンジン7を駆動させる。そしてエンジン7の出力は自動変速機8等の伝達機構に入力され、シフトポジションセンサ61によって検出されたシフトレバー9aの位置に応じたトルクがホイール11に付与される。
DSC制御部6bは、ヨーレートセンサ53、舵角センサ54、横加速度センサ55、車輪速センサ56、勾配センサ58、及びブレーキ液圧センサ34を含む各種センサからの検出値に基づいてドライバーによる操作とは独立して車両Vの走行姿勢を維持する。また、オートホールドスイッチ60がON状態の場合にDSC制御部6bは、ドライバーがブレーキペダル10を踏み込むことによって車両Vが停止しドライバーがブレーキペダル10を解放した後も、加圧ユニット30を駆動させることで管路27内のブレーキ液圧を保持する制御を行う。これにより、ドライバーがブレーキペダル10を離した後も車両Vの制動を維持するように構成されている。
また、EPB制御部6cは、ブレーキランプスイッチ51及びパーキングスイッチ59からの信号に応じて、パーキングスイッチ59がON状態であり、かつドライバーが所定の操作、例えばブレーキペダル10を所定量以上踏み込んだ場合に電動ブレーキ機構40を駆動させることでホイール11をロックする。
次に、エンジンの制御装置の動作について詳述する。図4は、エンジンの制御装置の動作を示すフロー図である。
図4に示すように、一連の処理が開始するとステップS1においてECU6は、車輪速センサ55の検出結果に基づいて車両Vが停止状態にあるか否かを判断する。次いで、ステップS2においてECU6は、オートホールド条件が成立したか否かを判断する。オートホールド条件とは、基本的にはオートホールドスイッチ60がON状態であり、かつ車両Vが停止している(車輪速センサ56による検出値が0である)ことをいう。なお、オートホールド条件としては、上述したオートホールドスイッチ60の状態及び車輪速センサ56の検出値の他に、アクセルペダル14の開度が所定値以下であること、ヨーレートセンサ53による検出値が所定値以下であること等を含めてもよい。
ステップS2においてオートホールド条件が成立していないと判断された場合には、ステップS3においてアクセルペダル14が操作されたか否かを判断し、オートホール条件が成立するか(ステップS2)、アクセルペダル14が踏まれるまで(ステップS3)ステップS2及びS3の処理を繰り返す。そして、ステップS3においてアクセルペダル14が踏まれた場合には、ステップS4においてアクセルペダル14の踏み込み量に応じたドライバー要求トルクに基づいて車両を発進させる。
また、ステップS2においてオートホールド条件が成立したと判断された場合には、ECU6は、オートホールド制御を行う。オートホールド制御とは、DSC制御部6bによって加圧ユニット30を作動させて管路27内のブレーキ液圧を高め、ドライバーによるブレーキペダル10の操作から独立して車両Vを停止状態で維持することをいう。
そして、ステップS6においてECU6は、アイドリングストップ条件が成立したか否かを判断する。アイドリングストップ条件としては、基本的には車輪速センサ56による検出値が0であり、エンジン7の水温が所定値以上であり、シフトレバー9aがDレンジにあり、勾配センサ58による検出値から車両Vが急勾配に停止していないと判断され、車載バッテリの容量が十分である等がある。また、アイドリングストップ条件としては上記条件の他に、舵角センサ54の検出値や外気温度等の種々の条件を含めてもよい。
そして、ステップS6においてアイドリングストップ条件が成立していないと判断された場合、ECU6はステップS7においてアクセルペダル14が踏み込まれたか否かを判断する。そしてECU6は、アイドリングストップ条件が成立するか(ステップS6)、アクセルペダル14が踏み込まれるまで(ステップS7)、ステップS6及びステップS7の処理を繰り返す。そして、ステップS7においてアクセルペダル14が踏まれた場合には、ECU6はオートホールド制御の解除条件が成立したとして、ステップS4においてアクセルペダル14の踏み込み量に応じたドライバー要求トルクに基づいて車両を発進させる。
また、ステップS6においてアイドリングストップ条件が成立したと判断された場合、ステップS8においてECU6は、エンジン7を自動停止させる。次いで、ステップS9においてECU6は、ドライバーによってアクセルペダル14が踏まれたか否かを判断し、アクセルペダル14が踏まれたと判断した場合には、ステップS10においてエンジン7を再始動させ、アイドリングストップ制御を解除する。
次いで、ステップS11においてECU6は、エンジン7が完爆状態に達したか否かを判断し、ステップS12においてオートホールド制御を解除する処理を行う。
次に、オートホールド解除について詳述する。
図5は、エンジンの制御装置の動作を示すタイミングチャートであり、図6は、エンジンの制御装置の動作、具体的にはステップS12におけるオートホールド解除の処理を示すフロー図である。
図5は、基本的にはオートホールド解除処理時のタイミングチャートを示すものであるが、説明の便宜上、ステップS9においてアクセルペダル14が踏み込まれたと判断され、ステップS10においてエンジンを再始動する処理も含んでいる。
まず、図5を参照してステップS9及びステップS10の処理について説明する。ステップS9においてアクセルペダル14が踏まれたと判断された場合、時刻t1においてアクセル開度が上昇し始める。これと共にエンジン7が駆動してエンジン回転数が徐々に増加し実トルクが増加する。この状態では、ブレーキ液圧が保持されているため車両Vは停止したままである。
また、時刻t1においてアクセル開度が上昇し始めるとエンジン7の実トルクも増加するが、時刻t1から後述する時刻t3までの間、エンジン7の実トルクは所定値Tt以下に制御される。値Ttは、予め決定された車両Vのアイドリングトルクと略同一の値であることが好ましい。そして時刻t2においてエンジンの回転数が完爆回転数Cに達した場合、ECU6は、ステップS12におけるオートホールド解除処理を開始する。
図6に示すように一連の処理が開始すると、ステップS21においてECU6は、オートホールドのステータスをOFFに遷移させる(時刻t2)。そしてステップS22においてECU6は、液圧ポンプ31を制御して管路27内のブレーキ液圧を徐々に低下させる(時刻t2)。
次いで、ステップS23においてECU6は、ブレーキ液圧センサ34の検出値を参照し、ブレーキ圧の解放が終了したか否かを判断する。ブレーキ圧の解放が終了したか否かは、管路27内のブレーキ圧が予め決定された閾値Tbを下回ったか否かに基づいて判断する。そして時刻t3においてブレーキ圧が閾値Tbを下回ると、オートホールド処理が終了し、実トルクが値Ttから増加して車両Vが加速し始める。そして、ステップS24においてECU6は、オートホールドをStand By状態とする。
次いで、ステップS25においてECU6は、実トルクの増加量を制限する。図5の破線L1は、図4及び図6に示す一連の処理を実行していない場合における、アクセル開度に応じたトルクを示す。破線L1は、アクセル開度の増加に伴い時刻t1から徐々に増加し時刻t4付近で一定の値をとる。これに対して、図4及び図6に示す処理を行っている場合には、時刻t1から時刻t3までは実トルクが制限されているため、このまま実トルクを破線L1まで急激に増加させると飛び出し感が強くなってしまう。従って、ECU6は、時刻t3以降、実トルクを増加させる場合に実トルクの増加量が所定値以下となるように制限を設け、これにより飛び出し感を抑制する。実トルクの増加量は、アクセル開度に応じた目標トルク(破線L1によって示す)及びエンジン回転数に応じて決定されており、目標トルクが大きいほど、エンジン7の実トルクの増加量は多くなり、目標トルクと実トルクの偏差が小さいほど、エンジン7の実トルクの増加量が少なくなる。このように、実トルクの増加量を目標トルクの増加に伴い多くすることにより、目標トルクに到達するまでの時間を短縮することができる。また、実トルクの増加量を、目標トルクと実トルクの偏差に応じて少なくすることにより、急激なトルクの変化を抑制することができる。
このように、本実施形態によれば、DSC装置4によってエンジン7の制動を維持しているときにエンジン停止条件が満たされた場合には、アイドリングストップ装置2によってエンジン7を停止させる。そしてこの状態でオートホールドが解除された場合には、DSC装置4は、車両Vの制動の維持を解除する。そしてアイドリングストップ装置2は、エンジン7の実トルクがアクセル開度に応じた目標トルク(破線L1)に達するまではエンジン7の実トルクの増加量が所定値以下となるようにエンジン7の実トルクを制御する。これにより、エンジン7の実トルクが急激に増加するのを防止することができる。
1 停止装置
2 アイドリングストップ装置
3 フットブレーキ装置
4 DSC装置
6 ECU
7 エンジン
14 アクセルペダル

Claims (5)

  1. ドライバーの操作から独立して車両の制動を維持する制動維持制御装置と、所定のエンジン停止条件でエンジンを停止させると共にドライバーによるアクセル操作があった場合に当該エンジンを再始動させるエンジン自動停止・再始動制御装置と、を備えるエンジンの制御装置であって、
    前記制動維持制御装置によって前記車両の制動を維持しているときに前記所定のエンジン停止条件が満たされて前記エンジン自動停止・再始動制御装置によって前記エンジンを停止させている場合に、前記制動維持制御装置は、ドライバーによるアクセル操作に応じて前記車両の制動の維持を解除し、前記エンジン自動停止・再始動制御装置は、前記ドライバーによる前記アクセル操作に応じて、前記エンジンを再始動させ、前記エンジンのトルクがアクセル開度に応じた目標トルクに達するまでは前記エンジンのトルクの増加量が所定値以下となるように当該エンジンのトルクを制御する、エンジンの制御装置。
  2. 前記エンジンのトルクの増加量は、前記アクセル開度に応じた目標トルク及び実トルクに応じて決定される、請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記目標トルクが大きいほど、前記エンジンのトルクの増加量は多くなる、請求項2に記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記目標トルクと前記実トルクとの偏差が小さいほど前記エンジンの実トルクの増加量が少なくなる、請求項2又は3に記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記エンジン自動停止・再始動制御装置は、前記制動維持の解除が完了するまでは前記エンジンのトルクを増加させない、請求項1乃至4の何れか1項に記載のエンジンの制御装置。
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