JP2017179280A - 熱硬化性樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、プリント配線基板および半導体装置 - Google Patents
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Abstract
Description
プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、
熱硬化性樹脂と、
硬化剤と、
無機充填材と、
(メタ)アクリル系ブロック共重合体と、を含み、
下記の条件の三点曲げ試験により測定した当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物における、曲げ強度の最大値が70MPa以上1000MPa以下である、熱硬化性樹脂組成物が提供される。
(三点曲げ試験)
当該熱硬化性樹脂組成物を、100℃で1時間加熱後、200℃で2時間加熱することにより、当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物を得る。この硬化物を、縦50mm×横10mmの試験片に切り出す。得られた試験片を一定距離に配置された2支点上に置き、支点間の中央の1点に荷重を加える評価を行う。このとき、2支点間距離L:5mm、試験片の厚さ:0.1mm、測定温度:25℃、試験速度:1mm/分の条件を使用する。
キャリア基材と、
前記キャリア基材上に設けられている、上記熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂膜と、を備える、キャリア付樹脂膜が提供される。
上記熱硬化性樹脂組成物の硬化物で構成された絶縁層を備える、プリント配線基板が提供される。
上記プリント配線基板と、
前記プリント配線基板の回路層上に搭載された、または前記プリント配線基板に内蔵された半導体素子と、を備える、半導体装置が提供される。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、マレイミド化合物、ベンゾオキサジン化合物等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。本実施形態において、熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂を含有してもよい。
また、式(V)中のArは、下記式(VI)中の(Ar1)〜(Ar4)で表される構造であってもよい。
また、ベンゼン環に比べナフタレン環のπ−πスタッキング効果が高いため、特に、ナフタレン型エポキシ樹脂は低熱膨張性、低熱収縮性に優れる。さらに、多環構造のため剛直効果が高く、ガラス転移温度が特に高いため、リフロー前後の熱収縮変化が小さい。ナフトール型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(VII−1)、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂としては下記式(VII−2)、2官能ないし4官能ナフタレン型エポキシ樹脂としては下記式(VII−3)(VII−4)(VII−5)、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、下記一般式(VII−6)で示すことができる。
なお、熱硬化性樹脂組成物の全固形分とは、熱硬化性樹脂組成物中に含まれる溶剤を除く成分全体を指す。以下、本明細書において同様である。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は(メタ)アクリル系ブロック共重合体を含むことができる。本実施形態によれば、(メタ)アクリル系ブロック共重合体を十分に分散することにより、得られる絶縁層の強靱性を高めたり、回路層等の他の部材との密着性をより向上させたりすることができる。
上記(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等の脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステル;メタクリル酸ベンジル等の芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル;メタクリル酸2−トリフルオロエチル等の(メタ)アクリル酸の(フルオロ)アルキルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の分子中にカルボキシル基を有するカルボキシル基含有アクリル単量体;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリセリンのモノ(メタ)アクリル酸エステル等の分子中に水酸基を有する水酸基含有アクリル単量体;メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチルグリシジル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート等の分子中にエポキシ基を有するアクリル単量体;アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル等の分子中にアリル基を有するアリル基含有アクリル単量体;γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等の分子中に加水分解性シリル基を有するシラン基含有アクリル単量体;2−(2′−ヒドロキシ−5′−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収性基を有する紫外線吸収性アクリル単量体等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記重合体ブロック(S)を構成するモノマー成分としては特に限定されないが、例えば、ホモポリマーのTgが30℃未満であるモノマーが挙げられる。このようなモノマーとしてはアクリル酸ブチルやアクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸C2−10アルキルエステル、ブタジエン(1,4−ブタジエン)等が挙げられる。
上記PMMA−b−PBA−b−PMMAやPMMA−b−PBAは、耐熱性、耐光性、及び耐クラック性向上の点で好ましい。なお、上記PMMA−b−PBA−b−PMMAやPMMA−b−PBAは、必要に応じて、熱硬化性樹脂等に対する相溶性向上を目的として、親水性基(例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基等)を有するモノマー、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸等を、PMMAブロック及び/又はPBAブロックに共重合させたものであってもよい。
また、(メタ)アクリル系ブロック共重合体としては、例えば、商品名「ナノストレングス M52N」、「ナノストレングス M22N」、「ナノストレングス M51」、「ナノストレングス M52」、「ナノストレングス M52N」、「ナノストレングス M53」、「ナノストレングス M22」(アルケマ社製、PMMA−b−PBA−b−PMMA)、商品名「ナノストレングスD51N」(アルケマ社製、PMMA−b−PBA)、商品名「ナノストレングス E21」、「ナノストレングス E41」(アルケマ社製、PSt(ポリスチレン)−b−PBA−b−PMMA)等の市販品を使用することもできる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、硬化剤を含むことができる。
本実施形態に係る硬化剤としては、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体とのハンセン溶解度パラメータの距離(HSP距離)が16MPa1/2以下である第1硬化剤を1種以上含むことが好ましい。これにより、より、熱硬化性樹脂組成物の硬化物における強靱性を向上させることができる。
メカニズムは不明だが、熱硬化性樹脂組成物中における(メタ)アクリル系ブロック共重合体の分散性を高めることにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化物における破断エネルギーの吸収領域が均等な状態で存在することができ、当該硬化物の強靱性が向上すると考えられる。
本実施形態において、HSP距離は、例えば、(メタ)アクリル系ブロック共重合体のHSPを(d1,p1,h1)とし、第1硬化剤のHSPを(d2,p2,h2)としたとき、下記の式(1)により算出することができる。
また、第1硬化剤としては、ヒドロキシル基を有する硬化剤を用いてもよい。上記ヒドロキシル基を有する硬化剤としては、例えば、フェノール系硬化剤を用いてもよく、具体的にはノボラック骨格を有するフェノール系硬化剤を用いてもよい。これにより、耐薬品性を向上させることができる。
また、本実施形態において、第1硬化剤であるヒドロキシル基を有する硬化剤の、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体とのハンセン溶解度パラメータの距離(HSP距離)の上限値は、例えば、16MPa1/2以下としてもよく、14MPa1/2以下としてもよく、12MPa1/2以下としてもよく、10MPa1/2以下としてもよい。これにより、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の分散性を向上させることができる。
また、例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−キシレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4'−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジエチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン、3,3'−ジエチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジドなどを含むポリアミン化合物;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)などの芳香族酸無水物などを含む酸無水物;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテルなどのポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂などの有機酸類などの重付加型の硬化剤;2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオンなどのフェノール系化合物も用いることができる。
さらに、第2硬化剤としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などのフェノール樹脂系硬化剤;メチロール基含有尿素樹脂のような尿素樹脂;メチロール基含有メラミン樹脂のようなメラミン樹脂などの縮合型の硬化剤も用いてもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量4×102〜1.8×103としてもよく、好ましくは5×102〜1.5×103としてもよい。重量平均分子量を上記下限値以上とすることでプリプレグにタック性が生じるなどの問題がおこりにくくなり、上記上限値以下とすることで、プリプレグ作製時、繊維基材への含浸性が向上し、より均一な製品が得ることができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、無機充填材を含むことができる。
上記無機充填材としては、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、溶融シリカ等の酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。
これらの中でも、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましく、シリカが特に好ましい。無機充填材としては、これらの中の1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本実施形態において、無機充填材の平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒子径とすることができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、シアネート樹脂をさらに含むことができる。
シアネート樹脂は、分子内にシアネート基(−O−CN)を有する樹脂であり、シアネート基を分子内に2個以上を有する樹脂を用いることができる。このようなシアネート樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン化シアン化合物とフェノール類やナフトール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。また、このようにして調製された市販品を用いることもできる。
シアネート樹脂を用いることにより、樹脂膜の硬化物の線膨張係数を小さくすることができる。さらに、樹脂膜の硬化物の電気特性(低誘電率、低誘電正接)、機械強度等を高めることができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、例えば、硬化促進剤を含んでもよい。これにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。硬化促進剤としては、熱硬化性樹脂の硬化反応を促進させるものを用いることができ、その種類は特に限定されない。本実施形態においては、硬化促進剤として、例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール等のイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール等のフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸、およびオニウム塩化合物から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、硬化性をより効果的に向上させる観点からは、オニウム塩化合物を含むことがより好ましい。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、カップリング剤を含んでもよい。カップリング剤は熱硬化性樹脂組成物の調製時に直接添加してもよいし、無機充填材にあらかじめ添加しておいてもよい。カップリング剤の使用により無機充填材と各樹脂との界面の濡れ性を向上させることができる。したがって、カップリング剤を使用することは好ましく、樹脂膜の硬化物の耐熱性を改良することができる。また、カップリング剤を用いることにより、銅箔との密着性を向上させることができる。さらに、吸湿耐性を向上できるので、湿度環境下後においても、銅箔との密着性を維持することができる。
これにより、無機充填材と各樹脂との界面の濡れ性を高くすることができ、樹脂膜の硬化物の耐熱性をより向上させることができる。
なお、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、緑、赤、青、黄、および黒等の染料、黒色顔料な等の顔料、色素からなる群から選択される一種以上を含む着色剤、低応力剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤等の上記成分(熱硬化性樹脂、硬化剤、無機充填材、硬化促進剤、カップリング剤)以外の添加剤を含んでもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記溶剤としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN−メチルピロリドン等の有機溶剤が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
次いで、本実施形態のキャリア付樹脂膜について説明する。
図1は、本実施形態におけるキャリア付樹脂膜100の構成の一例を示す断面図である。
本実施形態のキャリア付樹脂膜100は、図1に示すように、キャリア基材12と、キャリア基材12上に設けられている、上記熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂膜10と、を備えることができる。これにより、樹脂膜10のハンドリング性を向上させることができる。
本実施形態において、上記樹脂膜の硬化物において、熱硬化性樹脂が硬化してなるマトリックス相に、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の重合体ブロック相が分散してなるミクロ相分離構造が形成されていることが好ましい。これにより、樹脂膜の硬化物における強靱性を向上させることができる。
本実施形態において、上記曲げ強度および上記曲げ伸び率を高められるため、強靱性に優れた樹脂膜の硬化物が得られる。
伸び率:(式)600×(試験片が破断するまでのたわみ量(変位))×(試験片厚さ)/(支点間距離)2
本実施形態のる90°ピール強度の測定手順は次の通りである。
まず、0.2mmtのコア全面エッチング品に、上記熱硬化性樹脂組成物のワニスを、アプリケーターを用いて7milsで塗工し、120℃、5minの条件で乾燥を行い、樹脂膜付きコア材を得る。
このあと、YSNAP−3B(日本電解(株)製、キャリア銅箔付き3μm厚極薄銅箔)を、作製した樹脂膜付きコア材の樹脂面にセットし、下記条件にて真空・加圧プレスを実施することにより、基板を得た。(温度条件:3℃/minの昇温速度で昇温し、100℃で1時間加熱した後、3℃/minの昇温速度で昇温し、200℃で1.5時間加熱する。圧力条件:0.4MPa)。
この後、得られた基板の外層キャリア銅箔を剥がし、3μm厚極薄銅箔上に銅総厚20μmとなるように電解メッキ被膜を形成し、めっき済み基板を得る。
得られためっき済み基板を、150℃、30分の条件で熱処理する。
この後、上記めっき済み基板に対して、10mm幅の電解めっき銅被膜を残すようにエッチング処理を実施しピール強度測定サンプルを得る。
以上により得られたピール強度測定サンプルに対して、JIS C−6481:1996に準拠してピール強度測定を行うことができる。
ここで、保管前のJIS C−6481:1996に準拠して測定される、硬化物と金属箔との間のピール強度をP1とし、保管後のJIS C−6481:1996に準拠して測定される、硬化物と金属箔との間のピール強度をP2とする。
上記ガラス転移温度は、動的粘弾性分析装置(DMA)を用いて測定することができる。また、上記ガラス転移温度は、昇温速度5℃/min、周波数1Hzの条件での動的粘弾性測定により得られる曲線おいて、損失正接tanδが最大値を示す温度である。
本実施形態のプリント配線基板は、上記の樹脂膜の硬化物(熱硬化性樹脂組成物の硬化物)で構成された絶縁層を備えるものである。
本実施形態において、樹脂膜の硬化物は、例えば、通常のプリント配線基板のコア層やビルドアップ層やソルダーレジスト層、コア層を有しないプリント配線基板におけるビルドアップ層やソルダーレジスト層、PLPに用いられるコアレス基板の層間絶縁層やソルダーレジスト層、MIS基板の層間絶縁層やソルダーレジスト層等に用いることができる。このような絶縁層は、複数の半導体パッケージを一括して作成するために利用させる大面積のプリント配線基板において、当該プリント配線基板を構成する層間絶縁層やソルダーレジスト層にも好適に用いることができる。
本実施形態のプリント配線基板300は、上述の樹脂膜10の硬化物で構成された絶縁層を備えるものである。上記プリント配線基板300は、図2(a)に示すように、絶縁層301(コア層)と絶縁層401(ソルダーレジスト層)とを備える構造を有していてもよい。また、上記プリント配線基板300は、図2(b)に示すように、絶縁層301(コア層)、絶縁層305(ビルドアップ層)および絶縁層401(ソルダーレジスト層)を備える構造を有していてもよい。これらのコア層、ビルドアップ層、ソルダーレジスト層のそれぞれは、例えば、本実施形態の樹脂膜の硬化物で構成することができる。このコア層は、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸させてなるプリプレグを硬化させた硬化体で構成されていてもよい。
金属層303は、例えば、薬液処理またはプラズマ処理された金属箔105または、本実施形態の樹脂膜の硬化物からなる絶縁層(例えば、絶縁層301や絶縁層305)の面上に、SAP(セミアディティブプロセス)法により形成される。例えば、金属箔105または絶縁層301,305上に無電解金属めっき膜308を施した後、めっきレジストにより非回路形成部を保護し、電解めっきにより電解金属めっき層309付けを行い、めっきレジストの除去とフラッシュエッチングによる電解金属めっき膜309をパターニングすることにより、金属層303を形成する。
次に、本実施形態の半導体装置400について説明する。図3(a)(b)は、半導体装置400の構成の一例を示す断面図である。
本実施形態の半導体装置400は、プリント配線基板300と、プリント配線基板300の回路層上に搭載された、またはプリント配線基板300に内蔵された半導体素子と、を備えることができる。
本実施形態のプリント配線基板500は、繊維基材を有するコア層を備えないものであり、例えば、ビルドアップ層やソルダーレジスト層で構成されているコアレス樹脂基板とすることができる。これらのビルドアップ層やソルダーレジスト層は、本実施形態の樹脂膜の硬化物からなる絶縁層で構成されていることが好ましい。例えば、図4(c)に示すプリント配線基板500は、2層のビルドアップ層(絶縁層540,550)とソルダーレジスト層(絶縁層560)を備えるものである。なお、プリント配線基板500のビルドアップ層は、単層でもよく、2以上の複数層を有していてもよい。
その後、図4(b)に示すように支持基板510を剥離する。そして、金属箔530をエッチング等により除去する。
以上により、図4(c)に示すプリント配線基板500が得られる。
図5に示すプリント配線基板600は、PLP(パネルレベルパッケージ)プロセスに用いられるコアレス樹脂基板610で構成されていてもよい。PLPプロセスは、例えば、配線板プロセスを利用して、ウエハ以上の大面積を有するパネルサイズパッケージを得ることができる。PLPプロセスを使用することにより、ウエハレベルプロセスよりも半導体パッケージの生産性を効率的に向上させることができる。
以上により、プリント配線基板600を得ることができる。
図6に示すプリント配線基板700は、ポスト付き基板(MIS基板)で構成することができる。例えば、ポスト付き基板は、絶縁層712(層間絶縁層)内に、ビア配線716と金属層718(ポスト)が埋設された構造を有するコアレス樹脂基板710で構成することができる。ポスト付き基板は、個片化された後の基板であっても、個片化前の大面積を有する基板(例えば、ウエハの様な支持体)であってもよい。
本実施形態のプリント配線基板700を用いることにより、ウエハレベルプロセスと同程度以上に、半導体パッケージの生産性を効率的に向上させることができる。
以上により、プリント配線基板700を得ることができる。
実施例および比較例について、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物を調整した。
まず、表1に示す固形分割合で各成分を溶解または分散させ、メチルエチルケトンで不揮発分70重量%となるように調整し、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニスを調製した。
なお、表1における各成分の配合割合を示す数値は、熱硬化性樹脂組成物の固形分全体に対する各成分の配合割合(重量%)を示している。
表1における各成分の原料の詳細は下記のとおりである。
実施例および比較例では、以下の原料を用いた。
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON、840S)
熱硬化性樹脂2:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC(株)製、EPICLON、830S)
熱硬化性樹脂3:ナフタレン骨格変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC(株)製、HP−5000)
(硬化剤)
第1硬化剤1:MDEA(4,4'−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、Lonza社製、ロンザキュア M−DEA kr)
第1硬化剤2:SB−AA(4,4'−メチレンビス(2−エチルアニリン)、日本化薬株式会社製、SB−AA)
硬化剤1:DDS(4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、三井化学ファイン株式会社製、4,4'−DAS)
硬化剤2:ジシアンジアミド(三菱化学社製、DIZY7)
第1硬化剤3:フェノール系硬化剤(日本化薬社製、GPH103)
第1硬化剤4:フェノール系硬化剤(フェノールノボラック樹脂、住友ベークライト社製、PR−HF−3))
(無機充填材)
無機充填材1:シリカ粒子(アドマテックス社製、SC4050、平均粒径1.1μm)
((メタ)アクリル系ブロック共重合体)
(メタ)アクリル系ブロック共重合体1:(アクリルモノマーのブロック共重合体(PMMA−b−PBA−b−PMMA;b=ブロック)、数平均分子量:約15,000、アルケマ社製、ナノストレングスM52)
(メタ)アクリル系ブロック共重合体2:(アクリルモノマーのブロック共重合体(PMMA−b−PBA−b−PMMA;b=ブロック)、数平均分子量:約15,000、アルケマ社製、ナノストレングスM52N)
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:2−フェニルイミダゾール(四国化成社製、2PZ−PW)
(カップリング剤)
カップリング剤1:シランカップリング剤(N−フェニルγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学(株)製、KBM−573)
実施例および比較例において、得られた樹脂ワニスをキャリア基材であるPETフィルム上に塗布した後、120℃、5分間の条件で溶剤を除去して、厚さ25μmの樹脂膜を形成した。これにより、キャリア付樹脂膜を得た。
1.プリント配線基板の製造
極薄銅箔(三井金属鉱業社製、マイクロシンEx、2.0μm)を使用した両面銅張積層板(住友ベークライト(株)製、LAZ−4785TH−G、絶縁層厚み0.2mm)の表面の極薄銅箔層に約1μmの粗化処理を施した後、炭酸ガスレーザーで、層間接続用のφ80μmのスルーホールを形成した。次いで、60℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に5分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレート コンパクト CP)に2分間浸漬後、中和してスルーホール内のデスミア処理を行った。次に、無電解銅メッキを厚さ0.5μmで行い、電解銅メッキ用レジスト層を厚さ18μm形成し、パターン銅メッキし、150℃、30分加熱してポストキュアした。次いでメッキレジストを剥離し全面をフラッシュエッチングして、L/S=15/15μmの両面に回路パターンを形成した。
回路パターンを形成した後の回路基板に対し、樹脂膜が回路パターンと対向するように、(層間絶縁膜として)上記で得られたキャリア付樹脂膜を両面に積層した後、2ステージ真空加圧式ラミネーター装置(名機製作所社製、MVLP−500)を用いて、30秒間減圧して10hPa以下で、1ステージ条件として温度120℃、圧力0.8MPa、30秒、2ステージ条件としてSUS鏡板で温度120℃、圧力1.0MPa、60秒にて真空加熱加圧成形した。次いで、キャリア付樹脂膜からキャリア基材を剥離した後、回路パターン上の樹脂膜を、200℃、2時間の条件で硬化した。次いで、セミアディティブ法で回路加工し、(ソルダーレジスト層として)上記で得られたキャリア付き樹脂膜を同様に両面に積層し、レーザー開口してプリント配線基板を得た。
得られたプリント配線基板の上に、10mm×10mm×100μm厚みの半田バンプ付半導体素子を実装し、アンダーフィル(住友ベークライト社製、CRP−4160G)で封止し、150℃で2時間硬化させた。最後に、15mm×15mmにダイシングし半導体装置を得た。
得られたキャリア付樹脂膜からキャリア基材であるPETフィルムを剥離したものを4枚積層して、厚さ100μmの樹脂シートを作製した。次いで、当該樹脂シートを、200℃で2時間熱処理し、熱硬化性樹脂組成物の硬化物を得た。
得られた硬化物の薄膜化をミクロトームにより実施し、その後染色を行ったサンプルの透過型電子顕微鏡による画像解析によりドメイン径を算出した。
また、実施例1〜7の硬化物の表面にブリードは見られなかった。一方、比較例1、2の硬化物の表面にブリードが見られた。
得られた樹脂ワニスを、100℃で1時間加熱後、200℃で2時間加熱することにより、表1に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物を得た。当該硬化物を、縦50mm×横10mmの試験片に切り出した。
三点曲げ試験は、試験片を一定距離に配置された2支点上に置き、支点間の中央の1点に荷重を加える評価を行った。このとき、精密万能試験機(島津製作所社製、オートグラフAG−IS)を用い、2支点間距離L:5mm、試験片の厚さ:0.1mm、測定温度:25℃、試験速度:1mm/分の条件を使用した。
上記三点曲げ試験において、曲げ強度の最大値は、上記条件で曲げ荷重が最大となったときの応力の値とし、貯蔵弾性率E'は、試験力が0.5Nから1.0Nの範囲における曲げ荷重の変化量により求め、曲げ伸び率は、次式で求められる値とした。伸び率(%):(式)600×(試験片が破断するまでのたわみ量(変位))×(試験片厚さ)/(支点間距離)2
得られた硬化物から4mm×40mmのテストピースを切り出し、そのテストピースに対し、熱機械分析装置TMA(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて、温度範囲30〜260℃、昇温速度10℃/min、荷重10g、引張モードの条件で熱機械分析(TMA)を2サイクル測定した。30℃から240℃の範囲における平面方向(XY方向)の線膨張係数の平均値を算出した。なお、線膨脹係数は、2サイクル目の値を採用した。
まず、0.2mmtのコア全面エッチング品に、得られた樹脂ワニスを、アプリケーターを用いて7milsで塗工し、120℃、5minの条件で乾燥を行い、樹脂膜付きコア材を得た。
このあと、YSNAP−3B(日本電解(株)製、キャリア銅箔付き3μm厚極薄銅箔)を、作製した樹脂膜付きコア材の樹脂面にセットし、下記条件にて真空・加圧プレスを実施することにより、基板を得た。(温度条件:3℃/minの昇温速度で昇温し、100℃で1時間加熱した後、3℃/minの昇温速度で昇温し、200℃で1.5時間加熱した。圧力条件:0.4MPa)。
この後、得られた基板の外層キャリア銅箔を剥がし、3μm厚極薄銅箔上に銅総厚20μmとなるように電解メッキ被膜を形成し、めっき済み基板を得た。
得られためっき済み基板を、150℃、30分の条件で熱処理した。
この後、上記めっき済み基板に対して、10mm幅の電解めっき銅被膜を残すようにエッチング処理を実施しピール強度測定サンプルを得た。
以上により得られたピール強度測定サンプルに対して、JIS C−6481:1996に準拠してピール強度測定を行った。
得られた上記ピール強度測定サンプルを130℃、湿度85%RHの環境下に100時間保管した。次いで、100×(P1−P2)/P1で示されるピール強度変化率を算出した。
ここで、保管前のJIS C−6481:1996に準拠して測定される、硬化物と金属箔との間のピール強度をP1とし、保管後のJIS C−6481:1996に準拠して測定される、硬化物と金属箔との間のピール強度をP2とした。
得られた硬化物から8mm×40mmのテストピースを切り出し、そのテストピースに対し、昇温速度5℃/min、周波数1Hzで動的粘弾性測定をおこなった。ガラス転移温度の測定は、動的粘弾性測定(DMA装置、TAインスツルメント社製、Q800))で行った。ここで、ガラス転移温度は、100℃以上の領域において損失正接tanδが最大値を示す温度とした。
縦250mm×横250mm角SUSの支持基板上に、12μm銅箔を配置し、実施例、比較例で得られたキャリア膜付樹脂膜を、2ステージ真空加圧式ラミネーター装置(名機製作所社製、MVLP−500)を用いて、30秒間減圧して10hPa以下で、1ステージ条件として温度120℃、圧力0.8MPa、30秒、2ステージ条件としてSUS鏡板で温度120℃、圧力1.0MPa、60秒にて真空加熱加圧成形した。次いで、キャリア付樹脂膜からキャリア基材を剥離した後、180℃、2時間の条件で硬化した。これを3回繰返し、三層ビルドアップ層を形成し、SUS剥離した時のパネル反りを評価した。
板端の反りを測定した
◎:15mm未満
○:15mm以上50mm未満(実質上問題なし)
×:50mm以上
SUS剥離後、さらに12μm銅箔をエッチング。その後の、パネルのクラックの有無を評価した。
○:クラックなし
×:クラックあり
まず、両面銅張積層板(住友ベークライト(株)製、LAZ−4785TH−G、絶縁層厚み0.2mm)の表面の12μm厚銅箔に粗化処理(CZ処理、1μm)を実施した。
その後、得られた樹脂ワニスを、アプリケーターを用いて5milsで塗工し、120℃、5minの条件で乾燥を行い、樹脂膜付きコア材を得た。
このあと、12μm厚銅箔を、作製した樹脂膜付きコア材の樹脂面にセットし、下記条件にて真空・加圧プレスを実施することにより、基板を得た。(温度条件:3℃/minの昇温速度で昇温し、100℃で1時間加熱した後、3℃/minの昇温速度で昇温し、200℃で1.5時間加熱した。圧力条件:0.4MPa)。
その後、12μm厚の銅箔を10mmΦの銅を残す形でエッチング処理を施し、試験サンプルを得た。
この試験サンプルを用いて、温度130℃、湿度85%、印加電圧3.3Vの条件で連続湿中絶縁抵抗を評価した。なお、抵抗値106Ω以下を故障とした。評価基準は以下の通りである。
〇:500時間以上故障なし
△:200時間以上500時間未満で故障あり
×:200時間未満で故障あり
12 キャリア基材
100 キャリア付樹脂膜
105 金属箔
300 プリント配線基板
301 絶縁層
303 金属層
305 絶縁層
307 ビアホール
308 無電解金属めっき膜
309 電解金属めっき層
400 半導体装置
401 絶縁層
407 半導体素子
410 半田バンプ
413 封止材層
500 プリント配線基板
510 支持基板
520 キャリア箔
530 金属箔
540 絶縁層
542 金属層
550 絶縁層
552 金属層
560 絶縁層
562 金属層
600 プリント配線基板
610 コアレス樹脂基板
612 絶縁層
614 金属層
616 ビア配線
618 金属層
620 半導体素子
630 絶縁層
632 絶縁層
640 金属層
650 金属層
652 第1金属層
654 第2金属層
700 プリント配線基板
710 コアレス樹脂基板
712 絶縁層
714 金属層
716 ビア配線
718 金属層
720 半導体素子
730 絶縁層
732 絶縁層
740 金属層
Claims (18)
- プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、
熱硬化性樹脂と、
硬化剤と、
無機充填材と、
(メタ)アクリル系ブロック共重合体と、を含み、
下記の条件の三点曲げ試験により測定した当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物における、曲げ強度の最大値が70MPa以上1000MPa以下である、熱硬化性樹脂組成物。
(三点曲げ試験)
当該熱硬化性樹脂組成物を、100℃で1時間加熱後、200℃で2時間加熱することにより、当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物を得る。この硬化物を、縦50mm×横10mmの試験片に切り出す。得られた試験片を一定距離に配置された2支点上に置き、支点間の中央の1点に荷重を加える評価を行う。このとき、2支点間距離L:5mm、試験片の厚さ:0.1mm、測定温度:25℃、試験速度:1mm/分の条件を使用する。 - 請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
上記三点曲げ試験により測定した当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物の、25℃での貯蔵弾性率E'25が、1GPa以上20GPa以下である、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
上記三点曲げ試験により測定した当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物の、25℃での曲げ伸び率が、0.5%以上15%以下である、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物において、前記熱硬化性樹脂が硬化してなるマトリックス相に、前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体の重合体ブロック相が分散してなるミクロ相分離構造が形成されている、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項4に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記重合体ブロック相のドメイン径が、200nm以下である、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体は、重合体ブロック(S)と前記重合体ブロック(S)よりも高いガラス転移温度(Tg)を有する重合体ブロック(H)とが並んだ構造のジブロック共重合体、前記重合体ブロック(S)と前記重合体ブロック(H)とが交互に並んだ共重合体、前記重合体ブロック(S)を中間に有し、その両端に前記重合体ブロック(H)を有するトリブロック共重合体から選択される一種または二種以上を含む、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)が3,000以上500,000以下である、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記無機充填材の含有量が、当該熱硬化性樹脂組成物全体に対して50重量%以上90重量%以下である、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1から8のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記無機充填材がシリカを含む、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1から9のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含む、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1から10のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
カップリング剤をさらに含む、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1から11のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物の、30℃から240℃の範囲において算出した平均線膨張係数が、1ppm/℃以上60ppm/℃以下である、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1から12のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物の、銅箔に対する90°ピール強度が、0.5kN/m以上である、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1から13のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が、110℃以上である、熱硬化性樹脂組成物。 - 請求項1から14のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
前記プリント配線基板はガラス繊維を含まない、熱硬化性樹脂組成物。 - キャリア基材と、
前記キャリア基材上に設けられている、請求項1から15のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂膜と、を備える、キャリア付樹脂膜。 - 請求項1から15のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物で構成された絶縁層を備える、プリント配線基板。
- 請求項17に記載のプリント配線基板と、
前記プリント配線基板の回路層上に搭載された、または前記プリント配線基板に内蔵された半導体素子と、を備える、半導体装置。
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