JP2017179280A - 熱硬化性樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、プリント配線基板および半導体装置 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、プリント配線基板および半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】製造安定性に優れた絶縁層が得られる熱硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、熱硬化性樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、(メタ)アクリル系ブロック共重合体と、を含み、三点曲げ試験により測定した当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物における、曲げ強度の最大値が70MPa以上1000MPa以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、キャリア付樹脂膜、プリント配線基板および半導体装置に関する。
これまでのエポキシ樹脂組成物においては、機械物性の観点から様々な開発が行われてきた。この種の技術として、たとえば特許文献1に記載のエポキシ樹脂組成物が挙げられる。同文献によれば、エポキシ樹脂組成物の硬化物の破壊靱性の観点から、ポリ(メチルメタクリレート)/ポリ(ブチルアクリレート)/ポリ(メチルメタクリレート)のトリブロック共重合体が使用されている(特許文献1の段落0021)。
特開2015−178630号公報
しかしながら、近年の半導体パッケージの製造プロセスにおいては大面積化する傾向にある。こうした開発環境を踏まえ、本発明者が検討したところ、上記文献に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物は、上記の製造プロセスに用いた場合、製造安定性の点で改善の余地を有していることが判明した。
本発明者は、大面積のパネルサイズパッケージを製造するパネルレベルプロセス中において、パネル基板の反りや、搬送や実装時において、パネル基板にクラックが生じることを見出した。この点に着眼しさらに検討した結果、パネル基板に用いられる絶縁層の3点曲げ試験により測定した曲げ強度を指標とすることにより、パネル基板の反りやクラックの抑制の度合いを評価できる事が判明した。
このような知見に基づいて鋭意検討した結果、上記指標をさらに鋭意研究したところ、曲げ強度を所定値以上とすることにより、上述のパネルレベルプロセス中におけるパネル基板の反りやクラックを防止でき、製造安定性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、
熱硬化性樹脂と、
硬化剤と、
無機充填材と、
(メタ)アクリル系ブロック共重合体と、を含み、
下記の条件の三点曲げ試験により測定した当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物における、曲げ強度の最大値が70MPa以上1000MPa以下である、熱硬化性樹脂組成物が提供される。
(三点曲げ試験)
当該熱硬化性樹脂組成物を、100℃で1時間加熱後、200℃で2時間加熱することにより、当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物を得る。この硬化物を、縦50mm×横10mmの試験片に切り出す。得られた試験片を一定距離に配置された2支点上に置き、支点間の中央の1点に荷重を加える評価を行う。このとき、2支点間距離L:5mm、試験片の厚さ:0.1mm、測定温度:25℃、試験速度:1mm/分の条件を使用する。
また本発明によれば、
キャリア基材と、
前記キャリア基材上に設けられている、上記熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂膜と、を備える、キャリア付樹脂膜が提供される。
また本発明によれば、
上記熱硬化性樹脂組成物の硬化物で構成された絶縁層を備える、プリント配線基板が提供される。
また本発明によれば、
上記プリント配線基板と、
前記プリント配線基板の回路層上に搭載された、または前記プリント配線基板に内蔵された半導体素子と、を備える、半導体装置が提供される。
本発明によれば、製造安定性に優れた絶縁層が得られる熱硬化性樹脂組成物、それを用いたキャリア付樹脂膜、プリント配線基板および半導体装置が提供される。
本実施形態におけるキャリア付樹脂膜の構成の一例を示す断面図である。 本実施形態におけるプリント配線基板の構成の一例を示す断面図である。 本実施形態における半導体装置の構成の一例を示す断面図である。 本実施形態におけるプリント配線基板の製造プロセスの一例を示す工程断面図である。 本実施形態におけるプリント配線基板の構成の一例を示す断面図である。 本実施形態におけるプリント配線基板の構成の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、(メタ)アクリル系ブロック共重合体と、を含み、三点曲げ試験により測定した当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物における、曲げ強度の最大値が70MPa以上1000MPa以下とすることができる。このような熱硬化性樹脂組成物は、プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられるものである。
本発明者は、大面積のパネルサイズパッケージを製造するパネルレベルプロセス中において、プリント配線基板(以下、パネル基板と呼称してもよい)について検討した結果、パネル基板の反りや、搬送や実装時において、パネル基板にクラックが生じることに着眼した。
このような着眼点に基づいて、パネル基板における絶縁層の形成に用いる熱硬化性樹脂組成物に関してさらに検討したところ、絶縁層の強度を高めることにより、パネル基板の反りやクラックを抑制できることを見出した。この知見に基づいて検討したところ、パネル基板に用いられる絶縁層の3点曲げ試験により測定した曲げ強度を指標とすることにより、パネル基板の反りやクラックの抑制を評価できる事が判明した。
上記指標をさらに鋭意研究したところ、曲げ強度の最大値を100MPa以上とすることにより、上述のパネルレベルプロセス中におけるパネル基板の反りやクラックを防止でき、製造安定性を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本実施形態において、プリント配線基板における絶縁層は、コア層、ビルドアップ層(層間絶縁層)、ソルダーレジスト層等のプリント配線基板を構成する絶縁性部材に用いることができる。上記プリント配線基板としては、コア層、ビルドアップ層(層間絶縁層)、ソルダーレジスト層を有するプリント配線基板、コア層を有しないプリント配線基板、パネルパッケージプロセス(PLP)に用いられるコアレス基板、MIS(Molded Interconnect Substrate)基板等が挙げられる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂膜の硬化物は、上記絶縁層に用いられるものであり、例えば、コア層を有しないプリント配線基板におけるビルドアップ層やソルダーレジスト層、PLPに用いられるコアレス基板の層間絶縁層やソルダーレジスト層、MIS基板の層間絶縁層やソルダーレジスト層、等に用いることもできる。このように、本実施形態の樹脂膜の硬化物は、複数の半導体パッケージを一括して作成するために利用させる大面積のプリント配線基板において、当該プリント配線基板を構成する層間絶縁層やソルダーレジスト層にも好適に用いることができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂膜の硬化物を絶縁層に利用することにより、強靱性に優れるため、大面積のパネルサイズパッケージを製造するパネルレベルプロセス中において、パネルの反りや、搬送時や実装時における基板クラックを抑制することができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の各成分について説明する。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、例えば、熱硬化性樹脂と、硬化剤と、無機充填材と、を含むものである。
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、マレイミド化合物、ベンゾオキサジン化合物等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。本実施形態において、熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂を含有してもよい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4'−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4'−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4'−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂等のナフタレン型エポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂として、これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上とそれらのプレポリマーとを併用してもよい。
エポキシ樹脂の中でも、得られるプリント配線基板の耐熱性および絶縁信頼性をより一層向上できる観点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上が好ましく、アラルキル型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂およびナフタレン型エポキシ樹脂からなる群から選択される一種または二種以上がより好ましい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、三菱化学社製の「エピコート828EL」および「YL980」等を用いることができる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、三菱化学社製の「jER806H」および「YL983U」、DIC社製の「EPICLON 830S」等を用いることができる。2官能ナフタレン型エポキシ樹脂としては、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」および「HP4032SS」等を用いることができる。4官能ナフタレン型エポキシ樹脂としては、DIC社製の「HP4700」および「HP4710」等を用いることができる。ナフトール型エポキシ樹脂としては、新日鐵化学社製の「ESN−475V」、日本化薬社製の「NC7000L」等を用いることができる。アラルキル型エポキシ樹脂としては、日本化薬社製の「NC3000」、「NC3000H」、「NC3000L」、「NC3000S」、「NC3000S−H」、「NC3100」、新日鐵化学社製の「ESN−170」、および「ESN−480」等を用いることができる。ビフェニル型エポキシ樹脂としては、三菱化学社製の「YX4000」、「YX4000H」、「YX4000HK」および「YL6121」等を用いることができる。アントラセン型エポキシ樹脂としては、三菱化学社製の「YX8800」等を用いることができる。ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂としては、DIC社製の「HP6000」、「EXA−7310」、「EXA−7311」、「EXA−7311L」および「EXA7311−G3」等を用いることができる。
これらエポキシ樹脂の中でも特にアラルキル型エポキシ樹脂が好ましい。これにより、樹脂膜の硬化物の吸湿半田耐熱性および難燃性をさらに向上させることができる。
アラルキル型エポキシ樹脂は、例えば、下記一般式(1)で表される。
Figure 2017179280
(上記一般式(1)中、AおよびBは、ベンゼン環、ビフェニル構造等の芳香族環を表す。またAおよびBの芳香族環の水素が置換されていてもよい。置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基等が挙げられる。nは繰返し単位を表し、例えば、1〜10の整数である。)
アラルキル型エポキシ樹脂の具体例としては、以下の式(1a)および式(1b)が挙げられる。
Figure 2017179280
(式(1a)中、nは、1〜5の整数を示す。)
Figure 2017179280
(式(1b)中、nは、1〜5の整数を示す。)
上記以外のエポキシ樹脂としては縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。これにより、耐熱性、低熱膨張性をさらに向上させることができる。
縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂は、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、クリセン、ピレン、トリフェニレン、テトラフェン、またはその他の縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂である。縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂は、複数の芳香環が規則的に配列することができるため低熱膨張性に優れる。また、ガラス転移温度も高いため耐熱性に優れる。さらに、繰返し構造の分子量が大きいため従来のノボラック型エポキシ樹脂に比べ難燃性に優れる。
縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂は、フェノール類化合物、アルデヒド類化合物、および縮合環芳香族炭化水素化合物から合成された、ノボラック型フェノール樹脂をエポキシ化したものである。
フェノール類化合物は、特に限定されないが、例えば、フェノール;o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類;2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール類;2,3,5トリメチルフェノール等のトリメチルフェノール類;o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール等のエチルフェノール類;イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、t−ブチルフェノール等のアルキルフェノール類;o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール等のフェニルフェノール類;1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン等のナフタレンジオール類;レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、ピロガロール、フルオログルシン等の多価フェノール類;アルキルレゾルシン、アルキルカテコール、アルキルハイドロキノン等のアルキル多価フェノール類が挙げられる。これらのうち、コスト面および分解反応に与える効果から、フェノールが好ましい。
アルデヒド類化合物は、特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ポリオキシメチレン、クロラール、ヘキサメチレンテトラミン、フルフラール、グリオキザール、n−ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、アクロレイン、テトラオキシメチレン、フェニルアセトアルデヒド、o−トルアルデヒド、サリチルアルデヒド、ジヒドロキシベンズアルデヒド、トリヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシ−3−メトキシアルデヒドパラホルムアルデヒド等が挙げられる。
縮合環芳香族炭化水素化合物は、特に限定されないが、例えば、メトキシナフタレン、ブトキシナフタレン等のナフタレン誘導体;メトキシアントラセン等のアントラセン誘導体;メトキシフェナントレン等のフェナントレン誘導体;その他テトラセン誘導体;クリセン誘導体;ピレン誘導体;トリフェニレン誘導体;テトラフェン誘導体等が挙げられる。
縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂は、特に限定されないが、例えば、メトキシナフタレン変性オルトクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ブトキシナフタレン変性メタ(パラ)クレゾールノボラックエポキシ樹脂、およびメトキシナフタレン変性ノボラックエポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも、下記一般式(V)で表される縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
Figure 2017179280
(上記一般式(V)中、Arは縮合環芳香族炭化水素基であり、Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子;炭素数1以上10以下の炭化水素基;ハロゲン元素;フェニル基、ベンジル基等のアリール基;およびグリシジルエーテルを含む有機基から選ばれる基で、n、p、およびqは1以上の整数であり、またp、qの値は、繰り返し単位毎に同一でも、異なっていてもよい。)
また、式(V)中のArは、下記式(VI)中の(Ar1)〜(Ar4)で表される構造であってもよい。
Figure 2017179280
(上記式(VI)中のRは、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子;炭素数1以上10以下の炭化水素基;ハロゲン元素;フェニル基、ベンジル基等のアリール基;およびグリシジルエーテルを含む有機基から選ばれる基である。)
さらに上記以外のエポキシ樹脂としてはナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂等のナフタレン型エポキシ樹脂が好ましい。これにより、得られるプリント配線基板の耐熱性、低熱膨張性をさらに向上させることができる。ここで、ナフタレン型エポキシ樹脂とは、ナフタレン環骨格を有し、かつ、グリシジル基を2つ以上有するものを呼ぶ。
また、ベンゼン環に比べナフタレン環のπ−πスタッキング効果が高いため、特に、ナフタレン型エポキシ樹脂は低熱膨張性、低熱収縮性に優れる。さらに、多環構造のため剛直効果が高く、ガラス転移温度が特に高いため、リフロー前後の熱収縮変化が小さい。ナフトール型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(VII−1)、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂としては下記式(VII−2)、2官能ないし4官能ナフタレン型エポキシ樹脂としては下記式(VII−3)(VII−4)(VII−5)、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂としては、例えば、下記一般式(VII−6)で示すことができる。
Figure 2017179280
(nは平均1以上6以下の数を示し、Rはグリシジル基または炭素数1以上10以下の炭化水素基を示す。)
Figure 2017179280
Figure 2017179280
Figure 2017179280
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rはそれぞれ独立的に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、アラルキル基、ナフタレン基、またはグリシジルエーテル基含有ナフタレン基を表し、oおよびmはそれぞれ0〜2の整数であって、かつoまたはmの何れか一方は1以上である。)
エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)の下限値は、特に限定されないが、Mw300以上としてもよく、好ましくはMw800以上としてもよい。Mwが上記下限値以上であると、樹脂膜の硬化物にタック性が生じるのを抑制することができる。Mwの上限値は、特に限定されないが、Mw20,000以下としてもよく、好ましくはMw15,000以下としてもよい。Mwが上記上限値以下であると、ハンドリング性が向上し、樹脂膜を形成するのが容易となる。エポキシ樹脂のMwは、例えばGPCで測定することができる。
エポキシ樹脂の含有量の下限値は、熱硬化性樹脂組成物全体(溶媒を除く全固形分)100重量%に対して、3重量%以上が好ましく、4重量%以上がより好ましく、5重量%以上がさらに好ましい。エポキシ樹脂の含有量が上記下限値以上であると、ハンドリング性が向上し、樹脂膜を形成するのが容易となる。一方、エポキシ樹脂の含有量の上限値は、熱硬化性樹脂組成物全体(溶媒を除く全固形分)に対して、特に限定されないが、例えば、60重量%以下が好ましく、45重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましい。エポキシ樹脂の含有量が上記上限値以下であると、得られるプリント配線基板の強度や難燃性が向上したり、プリント配線基板の線膨張係数が低下し、反りの低減効果が向上したりする場合がある。
なお、熱硬化性樹脂組成物の全固形分とは、熱硬化性樹脂組成物中に含まれる溶剤を除く成分全体を指す。以下、本明細書において同様である。
((メタ)アクリル系ブロック共重合体)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は(メタ)アクリル系ブロック共重合体を含むことができる。本実施形態によれば、(メタ)アクリル系ブロック共重合体を十分に分散することにより、得られる絶縁層の強靱性を高めたり、回路層等の他の部材との密着性をより向上させたりすることができる。
上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体は、例えば、(メタ)アクリル系モノマーを必須のモノマー成分として含有するブロック共重合体である。
上記(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等の脂環構造を有する(メタ)アクリル酸エステル;メタクリル酸ベンジル等の芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル;メタクリル酸2−トリフルオロエチル等の(メタ)アクリル酸の(フルオロ)アルキルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の分子中にカルボキシル基を有するカルボキシル基含有アクリル単量体;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリセリンのモノ(メタ)アクリル酸エステル等の分子中に水酸基を有する水酸基含有アクリル単量体;メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチルグリシジル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート等の分子中にエポキシ基を有するアクリル単量体;アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル等の分子中にアリル基を有するアリル基含有アクリル単量体;γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等の分子中に加水分解性シリル基を有するシラン基含有アクリル単量体;2−(2′−ヒドロキシ−5′−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収性基を有する紫外線吸収性アクリル単量体等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体には、上記(メタ)アクリル系モノマー以外のモノマーがモノマー成分として用いられていてもよい。上記(メタ)アクリル系モノマー以外のモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン、エチレン、プロピレン、イソブテン等のオレフィン等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体としては、特に限定されないが、例えば、2つの重合体ブロックからなるジブロック共重合体や、3つの重合体ブロックからなるトリブロック共重合体、4つ以上の重合体ブロックより構成されるマルチブロック共重合体等が挙げられる。
これらの中でも、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体としては、耐熱性、耐光性、及び耐クラック性向上の観点で、ガラス転移温度(Tg)が低い重合体ブロック(S)(ソフトブロック)と、重合体ブロック(S)よりも高いTgを有する重合体ブロック(H)(ハードブロック)とが並んだH−S構造のジブロック共重合体、重合体ブロック(S)と重合体ブロック(H)とが交互に並んだ共重合体、重合体ブロック(S)を中間に有し、その両端に重合体ブロック(H)を有するH−S−H構造のトリブロック共重合体等が好ましい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の重合体ブロック(S)を構成するポリマーのTgは、特に限定されないが、30℃未満が好ましい。また、重合体ブロック(H)を構成するポリマーのTgは、特に限定されないが、30℃以上が好ましい。(メタ)アクリル系ブロック共重合体が複数の重合体ブロック(H)を有する場合には、それぞれの重合体ブロック(H)が同じ組成を有していてもよいし、異なっていてもよい。同様に、(メタ)アクリル系ブロック共重合体が複数の重合体ブロック(S)を有する場合も、それぞれの重合体ブロック(S)が同じ組成を有していてもよいし、異なっていてもよい。
上記重合体ブロック(H)を構成するモノマー成分としては特に限定されないが、例えば、ホモポリマーのTgが30℃以上であるモノマーが挙げられる。このようなモノマーとしてはメタクリル酸メチル、スチレン、アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
上記重合体ブロック(S)を構成するモノマー成分としては特に限定されないが、例えば、ホモポリマーのTgが30℃未満であるモノマーが挙げられる。このようなモノマーとしてはアクリル酸ブチルやアクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸C2−10アルキルエステル、ブタジエン(1,4−ブタジエン)等が挙げられる。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体の好ましい具体例としては、例えば、上記重合体ブロック(S)がブチルアクリレート(BA)を主たるモノマーとして構成された重合体であり、上記重合体ブロック(H)がメチルメタクリレート(MMA)を主たるモノマーとして構成された重合体である、ポリメチルメタクリレート−block−ポリブチルアクリレート−block−ポリメチルメタクリレートターポリマー(PMMA−b−PBA−b−PMMA)、PMMA−b−PBA等が挙げられる。
上記PMMA−b−PBA−b−PMMAやPMMA−b−PBAは、耐熱性、耐光性、及び耐クラック性向上の点で好ましい。なお、上記PMMA−b−PBA−b−PMMAやPMMA−b−PBAは、必要に応じて、熱硬化性樹脂等に対する相溶性向上を目的として、親水性基(例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基等)を有するモノマー、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸等を、PMMAブロック及び/又はPBAブロックに共重合させたものであってもよい。
上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、3,000以上500,000以下が好ましく、5,000以上100,000以下がより好ましい。数平均分子量(Mn)が上記下限値以上であると、得られる硬化物の強靭性をより良好なもとすることができ、その結果、耐クラック性をより向上させることができる。一方、数平均分子量(Mn)が上記上限値以下であると、熱硬化性樹脂との相溶性を向上させることができる。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体は、公知乃至慣用のブロック共重合体の製造方法により製造することができる。
また、(メタ)アクリル系ブロック共重合体としては、例えば、商品名「ナノストレングス M52N」、「ナノストレングス M22N」、「ナノストレングス M51」、「ナノストレングス M52」、「ナノストレングス M52N」、「ナノストレングス M53」、「ナノストレングス M22」(アルケマ社製、PMMA−b−PBA−b−PMMA)、商品名「ナノストレングスD51N」(アルケマ社製、PMMA−b−PBA)、商品名「ナノストレングス E21」、「ナノストレングス E41」(アルケマ社製、PSt(ポリスチレン)−b−PBA−b−PMMA)等の市販品を使用することもできる。
本実施形態において、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体の含有量の下限値は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂組成物の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100重量%としたとき、0.1重量%以上としてもよく、1.0重量%以上としてもよい。これにより、得られる絶縁層の強靱性を高めたり、回路層等の他の部材との密着性をより一層向上させたりすることができる。また、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体の含有量の上限値は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂組成物の全固形分(すなわち、溶媒を除く成分)を100重量%としたとき、25.0重量%以下としてもよく、15.0重量%以下としてもよい。これにより、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の分散性と樹脂膜の硬化物の機械物性とのバランスを向上させることができる
(硬化剤)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、硬化剤を含むことができる。
本実施形態に係る硬化剤としては、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体とのハンセン溶解度パラメータの距離(HSP距離)が16MPa1/2以下である第1硬化剤を1種以上含むことが好ましい。これにより、より、熱硬化性樹脂組成物の硬化物における強靱性を向上させることができる。
メカニズムは不明だが、熱硬化性樹脂組成物中における(メタ)アクリル系ブロック共重合体の分散性を高めることにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化物における破断エネルギーの吸収領域が均等な状態で存在することができ、当該硬化物の強靱性が向上すると考えられる。
ハンセンの溶解度パラメータ(HSP)は、ある物質が他のある物質にどのくらい溶けるのかという溶解性を表す指標である。HSPは、溶解性を3次元のベクトルで表す。この3次元ベクトルは、代表的には、分散項(δ)、極性項(δ)、水素結合項(δ)で表すことができる。そしてベクトルが似ているもの同士は、溶解性が高いと判断できる。ベクトルの類似度をハンセン溶解度パラメータの距離(HSP距離)で判断することが可能である。
ここで、ハンセンとアボットが開発したコンピューターソフトウエアHSPiPには、HSP距離を計算する機能と様々な樹脂と溶媒もしくは非溶媒のハンセンパラメーターを記載したデータベースが含まれている。そして、本明細書で用いている、ハンセン溶解度パラメーター(HSP値)は、HSPiP(Hansen Solubility Parameters in Practice)というソフトを用いて算出することができる。例えば、HSPiP 3rd versionに含まれるSolvent listとPolymer listに記載されている値を25℃に補正したものを参照してもよい。ここで、Solvent listに記載されていない樹脂と溶媒もしくは非溶媒については、Y−MBと呼ばれるニューラルネットワーク法を用いた推算方法により算出できる。分子構造をHSPiPに付属のY−MB計算ソフトに入力することで、自動的に原子団に分解し、HSP値と分子体積が計算される。
上記HSP距離は、下記式(1)に示すRで表されるものである。
本実施形態において、HSP距離は、例えば、(メタ)アクリル系ブロック共重合体のHSPを(d1,p1,h1)とし、第1硬化剤のHSPを(d2,p2,h2)としたとき、下記の式(1)により算出することができる。
Figure 2017179280
本実施形態において、上記HSP距離の上限値は、例えば、16MPa1/2以下であり、好ましくは12MPa1/2以下であり、より好ましくは10MPa1/2以下である。これにより、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の分散性を向上させることができる。一方、上記HSP距離の下限値は、特に限定されないが、例えば、1MPa1/2以上としてもよい。
本実施形態の第1硬化剤において、HSPの極性項(P)の上限値は、特に限定されないが、例えば、10MPa1/2以下であり、好ましくは8MPa1/2以下であり、より好ましくは5MPa1/2以下である。第1硬化剤と(メタ)アクリル系ブロック共重合体との極性項(P)の距離を小さくすることにより、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の重合体ブロック相のドメイン径を小さくすることができる。また、無機充填材が高充填された熱硬化性樹脂組成物中においても、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の分散性を高めることができる。一方、HSPの極性項(P)の下限値は、特に限定されないが、例えば、1MPa1/2以上としてもよい。
本実施形態の第1硬化剤において、HSPの水素項(H)の上限値は、特に限定されないが、例えば、11MPa1/2以下であり、好ましくは10MPa1/2以下であり、より好ましくは8MPa1/2以下である。これにより、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の分散状態を安定化させることができる。また、HSPの水素項(H)の下限値は、特に限定されないが、例えば、1MPa1/2以上としてもよい。
また、本実施形態の第1硬化剤において、HSPの極性項(P)の上限値が10MPa1/2以下であり、かつ、HSPの水素項(H)の上限値が11MPa1/2以下であることが好ましい。これにより、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の分散性を十分に向上させることができる。メカニズムは不明だが、第1硬化剤と(メタ)アクリル系ブロック共重合体との接触により自由エネルギーが低下し、分散状態のほうが安定化するためと考えられる。
なお、本実施形態の第1硬化剤において、HSPの分散項(D)の上限値は、特に限定されないが、例えば、22MPa1/2以下としてもよく、21MPa1/2以下としてもよく、20MPa1/2以下としてもよい。また、HSPの分散項(D)の下限値は、特に限定されないが、例えば、1MPa1/2以上としてもよい。
また、第1硬化剤としては、アミノ基を有するアミン硬化剤を用いても良い。上記アミン硬化剤としては、例えば、ジフェニルメタン骨格を有するアミン硬化剤を用いてもよい。
また、第1硬化剤としては、ヒドロキシル基を有する硬化剤を用いてもよい。上記ヒドロキシル基を有する硬化剤としては、例えば、フェノール系硬化剤を用いてもよく、具体的にはノボラック骨格を有するフェノール系硬化剤を用いてもよい。これにより、耐薬品性を向上させることができる。
本実施形態において、第1硬化剤であるアミン硬化剤の、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体とのハンセン溶解度パラメータの距離(HSP距離)の上限値は、例えば、15MPa1/2以下としてもよく、12MPa1/2以下としてもよく、10MPa1/2以下としてもよく、8MPa1/2以下としてもよい。
また、本実施形態において、第1硬化剤であるヒドロキシル基を有する硬化剤の、上記(メタ)アクリル系ブロック共重合体とのハンセン溶解度パラメータの距離(HSP距離)の上限値は、例えば、16MPa1/2以下としてもよく、14MPa1/2以下としてもよく、12MPa1/2以下としてもよく、10MPa1/2以下としてもよい。これにより、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の分散性を向上させることができる。
また、本実施形態の硬化剤として、上記第1硬化剤に加えて、上記HSP距離が特に限定されない他の第2硬化剤を併用してもよい。第2硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンジルジメチルアミン(BDMA)、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール(DMP−30)などの3級アミン化合物;2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI24)、2−フェニル−4−メチルイミダゾール(2P4MZ)、2−フェニルイミダゾール(2PZ)、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール(2P4MHZ)、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(1B2PZ)などのイミダゾール化合物;BF錯体などのルイス酸などの触媒型の硬化剤が挙げられる。
また、例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)などの脂肪族ポリアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、o−キシレンジアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4'−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジアニリン、2,2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジエチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン、3,3'−ジエチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族ポリアミンのほか、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジドなどを含むポリアミン化合物;ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)などの脂環族酸無水物、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)などの芳香族酸無水物などを含む酸無水物;ポリサルファイド、チオエステル、チオエーテルなどのポリメルカプタン化合物;イソシアネートプレポリマー、ブロック化イソシアネートなどのイソシアネート化合物;カルボン酸含有ポリエステル樹脂などの有機酸類などの重付加型の硬化剤;2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)トリオンなどのフェノール系化合物も用いることができる。
さらに、第2硬化剤としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などのフェノール樹脂系硬化剤;メチロール基含有尿素樹脂のような尿素樹脂;メチロール基含有メラミン樹脂のようなメラミン樹脂などの縮合型の硬化剤も用いてもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記フェノール樹脂系硬化剤は、一分子内にフェノール性水酸基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造を特に限定するものではないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂;トリフェノールメタン型フェノール樹脂などの多官能型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂などの変性フェノール樹脂;フェニレン骨格および/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂などのアラルキル型樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール化合物等が挙げられる。これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。これらのうち、硬化性の点から水酸基当量は90g/eq以上、250g/eq以下のものを使用してもよい。
フェノール樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、重量平均分子量4×10〜1.8×10としてもよく、好ましくは5×10〜1.5×10としてもよい。重量平均分子量を上記下限値以上とすることでプリプレグにタック性が生じるなどの問題がおこりにくくなり、上記上限値以下とすることで、プリプレグ作製時、繊維基材への含浸性が向上し、より均一な製品が得ることができる。
硬化剤の含有量の下限値は、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、特に限定されないが、例えば、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、0.2重量%以上がさらに好ましい。硬化剤の含有量を上記下限値以上とすることにより、硬化を促進する効果を十分に発揮することができる。一方、硬化剤の含有量の上限値は、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、特に限定されないが、例えば、25重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましく、15重量%以下がさらに好ましい。硬化剤の含有量が上記上限値以下であるとプリプレグの保存性をより向上できる。
上記第1硬化剤の含有量の下限値は、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、特に限定されないが、例えば、0.01重量%以上が好ましく、0.05重量%以上がより好ましく、0.2重量%以上がさらに好ましい。これにより、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の分散性を十分に向上させることができる。一方、第1硬化剤の含有量の上限値は、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、特に限定されないが、例えば、25重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましく、15重量%以下がさらに好ましい。これにより、他の第2硬化剤とのバランスを向上させることができる。
(無機充填材)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、無機充填材を含むことができる。
上記無機充填材としては、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、溶融シリカ等の酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。
これらの中でも、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましく、シリカが特に好ましい。無機充填材としては、これらの中の1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記無機充填材の平均粒子径の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.01μm以上としてもよく、0.05μm以上としてもよい。これにより、上記熱硬化性樹脂のワニスの粘度が高くなるのを抑制でき、絶縁層作製時の作業性を向上させることができる。また、無機充填材の平均粒子径の上限値は、特に限定されないが、例えば、5.0μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.0μm以下がさらに好ましい。これにより、上記熱硬化性樹脂のワニス中における無機充填材の沈降等の現象を抑制でき、より均一な樹脂膜を得ることができる。また、プリント配線基板の回路寸法L/Sが20μm/20μmを下回る際には、配線間の絶縁性に影響を与えるのを抑制することができる。
本実施形態において、無機充填材の平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA−500)により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒子径とすることができる。
また、無機充填材は、特に限定されないが、平均粒子径が単分散の無機充填材を用いてもよいし、平均粒子径が多分散の無機充填材を用いてもよい。さらに平均粒子径が単分散および/または多分散の無機充填材を1種類または2種類以上で併用してもよい。
上記無機充填材はシリカ粒子を含むことが好ましい。上記シリカ粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、5.0μm以下としてもよく、0.1μm以上4.0μm以下としてもよく、0.2μm以上2.0μm以下としてもよい。これにより、無機充填材の充填性をさらに向上させることができる。
無機充填材の含有量の下限値は、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、特に限定されないが、例えば、50重量%以上が好ましく、55重量%以上がより好ましく、60重量%以上がさらに好ましい。これにより、樹脂膜の硬化物を特に低熱膨張、低吸水とすることができる。また、半導体パッケージの反りを抑制することができる。一方で、無機充填材の含有量の上限値は、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、特に限定されないが、例えば、90重量%以下としてもよく、85重量%以下としてもよく、80重量%以下としてもよい。これにより、樹脂膜の硬化物の加工性を向上させることができる。
(シアネート樹脂)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、シアネート樹脂をさらに含むことができる。
シアネート樹脂は、分子内にシアネート基(−O−CN)を有する樹脂であり、シアネート基を分子内に2個以上を有する樹脂を用いることができる。このようなシアネート樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ハロゲン化シアン化合物とフェノール類やナフトール類とを反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプレポリマー化することにより得ることができる。また、このようにして調製された市販品を用いることもできる。
シアネート樹脂を用いることにより、樹脂膜の硬化物の線膨張係数を小さくすることができる。さらに、樹脂膜の硬化物の電気特性(低誘電率、低誘電正接)、機械強度等を高めることができる。
シアネート樹脂は、例えば、ノボラック型シアネート樹脂;ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂;ナフトールアラルキル型フェノール樹脂と、ハロゲン化シアンとの反応で得られるナフトールアラルキル型シアネート樹脂;ジシクロペンタジエン型シアネート樹脂;ビフェニルアルキル型シアネート樹脂等を挙げることができる。これらの中でもノボラック型シアネート樹脂、ナフトールアラルキル型シアネート樹脂が好ましく、ノボラック型シアネート樹脂がより好ましい。ノボラック型シアネート樹脂を用いることにより、樹脂膜の硬化物の架橋密度が増加し、耐熱性が向上する。
この理由としては、ノボラック型シアネート樹脂は、硬化反応後にトリアジン環を形成することが挙げられる。さらに、ノボラック型シアネート樹脂は、その構造上ベンゼン環の割合が高く、炭化しやすいためと考えられる。また、ノボラック型シアネート樹脂を含む樹脂膜の硬化物は優れた剛性を有する。よって、樹脂膜の硬化物の耐熱性をより一層向上できる。
ノボラック型シアネート樹脂としては、例えば、下記一般式(I)で示されるものを使用することができる。
Figure 2017179280
一般式(I)で示されるノボラック型シアネート樹脂の平均繰り返し単位nは任意の整数である。平均繰り返し単位nは、特に限定されないが、1以上が好ましく、2以上がより好ましい。平均繰り返し単位nが上記下限値以上であると、ノボラック型シアネート樹脂の耐熱性が向上し、加熱時に低量体が脱離、揮発することを抑制できる。また、平均繰り返し単位nは、特に限定されないが、10以下が好ましく、7以下がより好ましい。nが上記上限値以下であると、溶融粘度が高くなるのを抑制でき、樹脂膜の成形性を向上させることができる。
また、シアネート樹脂としては、下記一般式(II)で表わされるナフトールアラルキル型シアネート樹脂も好適に用いられる。下記一般式(II)で表わされるナフトールアラルキル型シアネート樹脂は、例えば、α−ナフトールあるいはβ−ナフトール等のナフトール類とp−キシリレングリコール、α,α'−ジメトキシ−p−キシレン、1,4−ジ(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン等との反応により得られるナフトールアラルキル型フェノール樹脂とハロゲン化シアンとを縮合させて得られるものである。一般式(II)の繰り返し単位nは10以下の整数であることが好ましい。繰り返し単位nが10以下であると、より均一な樹脂膜を得ることができる。また、合成時に分子内重合が起こりにくく、水洗時の分液性が向上し、収量の低下を防止できる傾向がある。
Figure 2017179280
(式中、Rはそれぞれ独立に水素原子またはメチル基を示し、nは1以上10以下の整数を示す。)
また、シアネート樹脂は1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーとを併用してもよい。
シアネート樹脂の含有量の下限値は、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、たとえば、1重量%以上が好ましく、2重量%以上がより好ましく、3重量%以上がさらに好ましい。樹脂膜の硬化物の低線膨張化、高弾性率化を図ることができる。一方、シアネート樹脂の含有量の上限値は、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、特に限定されないが、例えば、30重量%以下が好ましく、25重量%以下がより好ましく、20重量%以下がさらに好ましい。耐熱性や耐湿性を向上させることができる。また、シアネート樹脂の含有量が上記範囲内であると、樹脂膜の硬化物の貯蔵弾性率E'をより一層向上させることができる。
(硬化促進剤)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、例えば、硬化促進剤を含んでもよい。これにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。硬化促進剤としては、熱硬化性樹脂の硬化反応を促進させるものを用いることができ、その種類は特に限定されない。本実施形態においては、硬化促進剤として、例えば、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)等の有機金属塩、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシイミダゾール等のイミダゾール類、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール等のフェノール化合物、酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸、およびオニウム塩化合物から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、硬化性をより効果的に向上させる観点からは、オニウム塩化合物を含むことがより好ましい。
硬化促進剤として用いられるオニウム塩化合物は、特に限定されないが、例えば、下記一般式(2)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2017179280
(上記一般式(2)中、Pはリン原子、R、R、RおよびRは、それぞれ、置換もしくは無置換の芳香環または複素環を有する有機基、あるいは置換もしくは無置換の脂肪族基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。Aは分子外に放出しうるプロトンを少なくとも1個以上分子内に有するn(n≧1)価のプロトン供与体のアニオン、またはその錯アニオンを示す)
硬化促進剤の含有量の下限値は、例えば、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、たとえば、0.01重量%以上としてもよく、好ましくは0.05重量%以上としてもよい。硬化促進剤の含有量を上記下限値以上とすることにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化性をより効果的に向上させることができる。一方、硬化促進剤の含有量の上限値は、例えば、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、2.5重量%以下としてもよく、好ましくは1重量%以下としてもよい。硬化促進剤の含有量を上記上限値以下とすることにより、熱硬化性樹脂組成物の保存性を向上させることができる。
(カップリング剤)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、カップリング剤を含んでもよい。カップリング剤は熱硬化性樹脂組成物の調製時に直接添加してもよいし、無機充填材にあらかじめ添加しておいてもよい。カップリング剤の使用により無機充填材と各樹脂との界面の濡れ性を向上させることができる。したがって、カップリング剤を使用することは好ましく、樹脂膜の硬化物の耐熱性を改良することができる。また、カップリング剤を用いることにより、銅箔との密着性を向上させることができる。さらに、吸湿耐性を向上できるので、湿度環境下後においても、銅箔との密着性を維持することができる。
カップリング剤としては、例えば、エポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤等が挙げられる。カップリング剤は一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。本実施形態において、カップリング剤はシランカップリング剤を含有してもよい。
これにより、無機充填材と各樹脂との界面の濡れ性を高くすることができ、樹脂膜の硬化物の耐熱性をより向上させることができる。
シランカップリング剤としては、各種のものを用いることができるが、例えば、エポキシシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン等が挙げられる。
具体的な化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−6−(アミノヘキシル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−(トリメトキシシリルプロピル)−1,3−ベンゼンジメタナン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらのうちの一種または二種以上を組み合せて用いることができる。これらのうちエポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシランが好ましく、アミノシランとしては、1級アミノシラン又はアニリノシランがより好ましい。
カップリング剤の含有量は、無機充填材の比表面積に対して適切に調整することができる。このようなカップリング剤の含有量の下限値は、例えば、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、0.01重量%以上としてもよく、好ましくは0.05重量%以上としてもよい。カップリング剤の含有量が上記下限値以上であると、無機充填材を十分に被覆することができ、樹脂膜の硬化物の耐熱性を向上させることができる。一方、カップリング剤の含有量の上限値は、例えば、熱硬化性樹脂組成物の全固形分100重量%に対して、3重量%以下としてもよく、好ましくは1.5重量%以下としてもよい。カップリング剤の含有量が上記上限値以下であると、反応に影響を与えるのを抑制でき、樹脂膜の硬化物の曲げ強度等の低下を抑制することができる。
(添加剤)
なお、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、緑、赤、青、黄、および黒等の染料、黒色顔料な等の顔料、色素からなる群から選択される一種以上を含む着色剤、低応力剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤等の上記成分(熱硬化性樹脂、硬化剤、無機充填材、硬化促進剤、カップリング剤)以外の添加剤を含んでもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
顔料としては、カオリン、合成酸化鉄赤、カドミウム黄、ニッケルチタン黄、ストロンチウム黄、含水酸化クロム、酸化クロム、アルミ酸コバルト、合成ウルトラマリン青等の無機顔料、フタロシアニン等の多環顔料、アゾ顔料等が挙げられる。
染料としては、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、キサンテン、ジケトピロロピロール、ペリレン、ペリノン、アントラキノン、インジゴイド、オキサジン、キナクリドン、ベンツイミダゾロン、ビオランスロン、フタロシアニン、アゾメチン等が挙げられる。
本実施形態において、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物は、溶剤を含むことができる。
上記溶剤としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN−メチルピロリドン等の有機溶剤が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
熱硬化性樹脂組成物がワニス状である場合において、熱硬化性樹脂組成物の固形分含有量は、たとえば30重量%以上80重量%以下としてもよく、より好ましくは40重量%以上70重量%以下としてもよい。これにより、作業性や成膜性に非常に優れた熱硬化性樹脂組成物が得られる。
ワニス状の熱硬化性樹脂組成物は、上述の各成分を、たとえば、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶剤中に溶解、混合、撹拌することにより調製することができる。
次いで、本実施形態の樹脂膜について説明する。
本実施形態の樹脂膜は、ワニス状である上記熱硬化性樹脂組成物をフィルム化することにより得ることができる。例えば、本実施形態の樹脂膜は、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物を塗布して得られた塗布膜に対して、溶剤を除去することにより得ることができる。このような樹脂膜においては、溶剤含有率が樹脂膜全体に対して5重量%以下とすることができる。本実施形態において、たとえば100℃〜150℃、1分〜5分の条件で溶剤を除去する工程を実施してもよい。これにより、熱硬化性樹脂を含む樹脂膜の硬化が進行することを抑制しつつ、十分に溶剤を除去することが可能となる。
(キャリア付き樹脂膜)
次いで、本実施形態のキャリア付樹脂膜について説明する。
図1は、本実施形態におけるキャリア付樹脂膜100の構成の一例を示す断面図である。
本実施形態のキャリア付樹脂膜100は、図1に示すように、キャリア基材12と、キャリア基材12上に設けられている、上記熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂膜10と、を備えることができる。これにより、樹脂膜10のハンドリング性を向上させることができる。
キャリア付樹脂膜100は、巻き取り可能なロール形状でも、矩形形状などの枚葉形状であってもよい。
本実施形態において、キャリア基材12としては、例えば、高分子フィルムや金属箔などを用いることができる。当該高分子フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、シリコーンシート等の離型紙、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などの耐熱性を有した熱可塑性樹脂シート等が挙げられる。当該金属箔としては、特に限定されないが、例えば、銅および\または銅系合金、アルミおよび\またはアルミ系合金、鉄および\または鉄系合金、銀および\または銀系合金、金および金系合金、亜鉛および亜鉛系合金、ニッケルおよびニッケル系合金、錫および錫系合金などが挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートで構成されるシートが安価および剥離強度の調節が簡便なため最も好ましい。これにより、上記キャリア付樹脂膜100から、適度な強度で剥離することが容易となる。
樹脂膜10の厚みの下限値は、特に限定されないが、例えば、1μm以上でもよく、3μm以上でもよく、5μm以上でもよい。これにより、樹脂膜10の機械強度を高めることができる。一方、樹脂膜10の厚みの上限値は、特に限定されないが、例えば、500μm以下としてもよく、300μm以下としてもよく、100μm以下としてもよい。これにより、半導体装置の薄層化を図ることができる。
キャリア基材12の厚みは、特に限定されないが、例えば、10〜100μmとしてもよく、10〜70μmとしてもよい。これにより、キャリア付樹脂膜100を製造する際の取り扱い性が良好であり好ましい。
本実施形態のキャリア付樹脂膜100は、単層でも多層でもよく、1種または2種以上の樹脂膜10を含むことができる。当該樹脂シートが多層の場合、同種で構成されてもよく、異種で構成されてもよい。また、キャリア付樹脂膜100は、樹脂膜10上の最外層側に、保護膜を有していてもよい。
本実施形態において、キャリア付樹脂膜100を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物をキャリア基材12上に、各種コーター装置を用いて塗布することにより塗布膜を形成した後、当該塗布膜を適切に乾燥させることにより溶剤を除去する方法を用いることができる。
本実施形態の樹脂膜の特性について説明する。
本実施形態の樹脂膜は、前述の通り、上記熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂膜である。
本実施形態において、上記樹脂膜の硬化物において、熱硬化性樹脂が硬化してなるマトリックス相に、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の重合体ブロック相が分散してなるミクロ相分離構造が形成されていることが好ましい。これにより、樹脂膜の硬化物における強靱性を向上させることができる。
本実施形態において、上記ミクロ相分離構造中における重合体ブロック相の形状は、例えば、球状であることが好ましい。これにより、無機充填材を含む樹脂膜の硬化物中における(メタ)アクリル系ブロック共重合体の分散性を向上させることができる。
この場合、上記重合体ブロック相のドメイン径の上限値は、特に限定されないが、例えば、200nm以下であり、好ましくは150nm以下であり、より好ましくは100nm以下である。これにより、樹脂膜の形成から硬化プロセスまで、均一な分散状態を維持できるため、樹脂膜の硬化物表面に(メタ)アクリル系ブロック共重合体がブリードすることを抑制できる。また、樹脂膜の硬化物の強靱性を十分に高めることができる。一方、ドメイン径の下限値は、特に限定されないが、例えば、10nm以上としてもよい。
また、本実施形態によれば、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の分散性を向上させることにより、熱硬化性樹脂の硬化物の表面に(メタ)アクリル系ブロック共重合体がブリードすることを抑制できる。このため、樹脂膜の硬化物の密着性を向上させることができる。例えば、銅などの金属密着性を向上させることができる。これにより、セミアディティブプロセス特性(SAP特性)に優れた絶縁層を実現することができる。
また、本実施形態の樹脂膜の硬化物中における(メタ)アクリル系ブロック共重合体の分散状態は、無機充填材の充填量を高くしたときでも良好とすることができる。これにより、上記樹脂膜の硬化物の線膨張係数を低くすることができるので、得られる半導体パッケージの反りを十分に抑制することができる。
本実施形態において、三点曲げ試験により測定した樹脂膜の硬化物(熱硬化性樹脂組成物の硬化物)における、曲げ強度の最大値の下限値は、例えば、70MPa以上であり、好ましくは100MPa以上であり、より好ましくは120MPa以上である。これにより、樹脂膜の硬化物の破壊強度を高めることができる。また、上記曲げ強度の最大値の上限値は、特に限定されないが、例えば、1000MPa以下としてもよく、900MPa以下としてもよく、800MPa以下としてもよい。
本実施形態において、三点曲げ試験により測定した樹脂膜の硬化物(熱硬化性樹脂組成物の硬化物)の、25℃での貯蔵弾性率E'25の上限値は、特に限定されないが、例えば、20GPa以下であり、好ましくは18GPa以下であり、より好ましくは16GPa以下である。これにより、低弾性に優れた樹脂膜の硬化物を実現できる。また、上記貯蔵弾性率E'25の下限値は、特に限定されないが、例えば、1GPa以上としてもよい。
本実施形態において、三点曲げ試験により測定した樹脂膜の硬化物(熱硬化性樹脂組成物の硬化物)の、25℃での曲げ伸び率の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.5%以上であり、好ましくは1%以上であり、より好ましくは2%以上である。これにより、伸び性に優れた樹脂膜の硬化物を提供することができる。また、上記曲げ伸び率の上限値は、特に限定されないが、例えば、15%以下としてもよい。
本実施形態において、上記曲げ強度および上記曲げ伸び率を高められるため、強靱性に優れた樹脂膜の硬化物が得られる。
本実施形態の三点曲げ試験は、試験片を一定距離に配置された2支点上に置き、支点間の中央の1点に荷重を加える評価により行うことができる。一例としては、上記熱硬化性樹脂組成物のワニスを、100℃で1時間加熱後、200℃で2時間加熱することにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化物を得る。当該硬化物を、縦50mm×横10mmの試験片に切り出す。そして、上記三点曲げ試験は、例えば、精密万能試験機(島津製作所社製、オートグラフAG−IS)を用い、2支点間距離L:5mm、試験片の厚さ:0.1mm、測定温度:25℃、試験速度:1mm/分の条件を使用する。ここで、上記三点曲げ試験において、曲げ強度の最大値は、上記条件で曲げ荷重が最大となったときの応力の値とし、貯蔵弾性率E'は、試験力が0.5Nから1.0Nの範囲における曲げ荷重の変化量により求め、曲げ伸び率は、次式で求められる値とする。
伸び率:(式)600×(試験片が破断するまでのたわみ量(変位))×(試験片厚さ)/(支点間距離)
また、本実施形態において、樹脂膜の硬化物(熱硬化性樹脂組成物の硬化物)の、銅箔に対する90°ピール強度の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.5kN/m以上であり、好ましくは0.6kN/m以上であり、より好ましくは0.7kN/m以上である。これにより、樹脂膜の硬化物の銅密着性を向上させ、得られる絶縁層のSAP特性を高めることができる。また、銅箔に対する90°ピール強度の上限値は、特に限定されないが、例えば、3kN/m以下としてもよい。
本実施形態のる90°ピール強度の測定手順は次の通りである。
まず、0.2mmtのコア全面エッチング品に、上記熱硬化性樹脂組成物のワニスを、アプリケーターを用いて7milsで塗工し、120℃、5minの条件で乾燥を行い、樹脂膜付きコア材を得る。
このあと、YSNAP−3B(日本電解(株)製、キャリア銅箔付き3μm厚極薄銅箔)を、作製した樹脂膜付きコア材の樹脂面にセットし、下記条件にて真空・加圧プレスを実施することにより、基板を得た。(温度条件:3℃/minの昇温速度で昇温し、100℃で1時間加熱した後、3℃/minの昇温速度で昇温し、200℃で1.5時間加熱する。圧力条件:0.4MPa)。
この後、得られた基板の外層キャリア銅箔を剥がし、3μm厚極薄銅箔上に銅総厚20μmとなるように電解メッキ被膜を形成し、めっき済み基板を得る。
得られためっき済み基板を、150℃、30分の条件で熱処理する。
この後、上記めっき済み基板に対して、10mm幅の電解めっき銅被膜を残すようにエッチング処理を実施しピール強度測定サンプルを得る。
以上により得られたピール強度測定サンプルに対して、JIS C−6481:1996に準拠してピール強度測定を行うことができる。
本実施形態において、樹脂膜の硬化物(熱硬化性樹脂組成物の硬化物)の、下記の条件で算出されるピール強度変化率の上限値は、例えば、40%以下であり、好ましくは30%以下であり、より好ましくは20%以下である。これにより、湿度雰囲気条件下においても、樹脂膜の硬化物の銅密着性を維持することができるため、得られる絶縁層のSAP特性をさらに高めることができる。なお、上記ピール強度変化率の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.1%以上としてもよい。
本実施形態において、上記ピール強度変化率は、例えば、次の手順により測定することができる。上述の90°ピール強度測定で得られた上記ピール強度測定サンプルを130℃、湿度85%RHの環境下に100時間保管した。次いで、100×(P−P)/Pで示されるピール強度変化率を算出する。
ここで、保管前のJIS C−6481:1996に準拠して測定される、硬化物と金属箔との間のピール強度をPとし、保管後のJIS C−6481:1996に準拠して測定される、硬化物と金属箔との間のピール強度をPとする。
本実施形態に係る樹脂膜の硬化物の、30℃から240℃の範囲において算出した平面方向(XY方向)の平均線膨張係数の上限値は、例えば、60ppm/℃以下であり、好ましくは55ppm/℃以下であり、より好ましくは50ppm/℃以下である。これにより、半導体パッケージの反りを低減させることができる。一方、上記平均線膨張係数(α1)の下限値は、特に限定されないが、例えば、1ppm/℃以上であってもよい。
本実施形態において、樹脂膜の硬化物(熱硬化性樹脂組成物の硬化物)のガラス転移温度の下限値は、特に限定されないが、例えば、110℃以上としてもよく、150℃以上としてもよく、特に好ましくは200℃以上としてもよい。これにより、耐熱性に優れた樹脂膜の硬化物が得られる。また、樹脂膜の硬化物のガラス転移温度の上限値は、特に限定されないが、例えば、400℃以下としてもよい。
上記ガラス転移温度は、動的粘弾性分析装置(DMA)を用いて測定することができる。また、上記ガラス転移温度は、昇温速度5℃/min、周波数1Hzの条件での動的粘弾性測定により得られる曲線おいて、損失正接tanδが最大値を示す温度である。
本実施形態において、ガラス転移温度は、200℃、2時間で熱処理して得られる樹脂膜の硬化物に対して、たとえば動的粘弾性測定装置を用いて周波数1Hz、昇温速度5℃/分の条件で動的粘弾性試験を行うことにより得られる測定結果から、ガラス転移温度を算出することができる。動的粘弾性測定装置としては、とくに限定されないが、たとえばDMA装置(TAインスツルメント社製、Q800)を用いることができる。
本実施形態においては、たとえば熱硬化性樹脂組成物を構成する成分の種類や配合割合をそれぞれ適切に選択すること等により、熱硬化性樹脂組成物の上記曲げ強度の最大値,上記貯蔵弾性率E'25、上記曲げ伸び率、上記平均線膨張係数を所望の範囲内とすることができる。これらの中でも、たとえば、(メタ)アクリル系ブロック共重合体の分散性を向上させること、重合体ブロック相のドメイン径を小さくすること等が、上記曲げ強度の最大値,上記貯蔵弾性率E'25、上記曲げ伸び率、上記平均線膨張係数を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる
(プリント配線基板)
本実施形態のプリント配線基板は、上記の樹脂膜の硬化物(熱硬化性樹脂組成物の硬化物)で構成された絶縁層を備えるものである。
本実施形態において、樹脂膜の硬化物は、例えば、通常のプリント配線基板のコア層やビルドアップ層やソルダーレジスト層、コア層を有しないプリント配線基板におけるビルドアップ層やソルダーレジスト層、PLPに用いられるコアレス基板の層間絶縁層やソルダーレジスト層、MIS基板の層間絶縁層やソルダーレジスト層等に用いることができる。このような絶縁層は、複数の半導体パッケージを一括して作成するために利用させる大面積のプリント配線基板において、当該プリント配線基板を構成する層間絶縁層やソルダーレジスト層にも好適に用いることができる。
次に、本実施形態のプリント配線基板300の一例を、図2(a)(b)を用いて説明する。
本実施形態のプリント配線基板300は、上述の樹脂膜10の硬化物で構成された絶縁層を備えるものである。上記プリント配線基板300は、図2(a)に示すように、絶縁層301(コア層)と絶縁層401(ソルダーレジスト層)とを備える構造を有していてもよい。また、上記プリント配線基板300は、図2(b)に示すように、絶縁層301(コア層)、絶縁層305(ビルドアップ層)および絶縁層401(ソルダーレジスト層)を備える構造を有していてもよい。これらのコア層、ビルドアップ層、ソルダーレジスト層のそれぞれは、例えば、本実施形態の樹脂膜の硬化物で構成することができる。このコア層は、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸させてなるプリプレグを硬化させた硬化体で構成されていてもよい。
本実施形態の樹脂膜からなる硬化物は、ガラスクロスや紙基材等の繊維基材を含まないものとすることができる。これにより、ビルドアップ層(層間絶縁層)やソルダーレジスト層を形成するためにとくに適した構成とすることができる。
また、本実施形態に係るプリント配線基板300は、片面プリント配線基板であってもよいし、両面プリント配線基板または多層プリント配線基板であってもよい。両面プリント配線基板とは、絶縁層301の両面に金属層303を積層したプリント配線基板である。また、多層プリント配線基板とは、メッキスルーホール法やビルドアップ法等により、コア層である絶縁層301に、ビルドアップ層(例えば、絶縁層305)を2層以上積層したプリント配線基板である。
なお、本実施形態において、ビアホール307は、層間を電気的に接続するための孔であればよく、貫通孔および非貫通孔いずれでもよい。ビアホール307は金属を埋設して形成されてもよい。この埋設した金属は、無電解金属めっき膜308で覆われた構造を有していてもよい。
また、本実施形態において、上記金属層303は、例えば、回路パターンであってもよいし、電極パットであってもよい。この金属層303は、例えば、金属箔105および電解金属めっき層309の金属積層構造を有していてもよい。
金属層303は、例えば、薬液処理またはプラズマ処理された金属箔105または、本実施形態の樹脂膜の硬化物からなる絶縁層(例えば、絶縁層301や絶縁層305)の面上に、SAP(セミアディティブプロセス)法により形成される。例えば、金属箔105または絶縁層301,305上に無電解金属めっき膜308を施した後、めっきレジストにより非回路形成部を保護し、電解めっきにより電解金属めっき層309付けを行い、めっきレジストの除去とフラッシュエッチングによる電解金属めっき膜309をパターニングすることにより、金属層303を形成する。
また、本実施形態のプリント配線基板300は、ガラス繊維を含まない樹脂基板とすることができる。例えば、コア層である絶縁層301は、ガラス繊維を含有しない構成であってもよい。このような樹脂基板を用いた半導体パッケージにおいても、樹脂膜の硬化物の線膨張係数を低くすることができるので、パッケージ反りを十分に抑制することができる。
(半導体パッケージ)
次に、本実施形態の半導体装置400について説明する。図3(a)(b)は、半導体装置400の構成の一例を示す断面図である。
本実施形態の半導体装置400は、プリント配線基板300と、プリント配線基板300の回路層上に搭載された、またはプリント配線基板300に内蔵された半導体素子と、を備えることができる。
例えば、図3(a)に示される半導体装置400は、図3(a)に示されるプリント配線基板300の回路層(金属層303)の上に、半導体素子407が搭載された構造を有する。一方、図3(b)に示される半導体装置400は、図3(b)に示されるプリント配線基板300の回路層(金属層303)の上に、半導体素子407が搭載された構造を有する。半導体素子407は、封止材層413に覆われている。このような半導体パッケージは、半田バンプ410および金属層303を介して、半導体素子407が、プリント配線基板300と電気的に接続するフリップチップ構造であってもよい。
本実施形態において、半導体パッケージの構造としては、上記フリップチップ接続構造に限定されずに、各種の構造を有してもよいが、例えば、ファンアウト構造を用いることができる。本実施形態の樹脂膜の硬化物からなる絶縁層は、ファンアウト構造を有する半導体パッケージの製造プロセスにおいて、基板反りや基板クラックを抑制することができる。
次に、本実施形態のプリント配線基板の変形例を説明する。図4は、プリント配線基板500の製造プロセス一例の工程断面図である。図4(c)は、コア層を有しないプリント配線基板500を示す。
本実施形態のプリント配線基板500は、繊維基材を有するコア層を備えないものであり、例えば、ビルドアップ層やソルダーレジスト層で構成されているコアレス樹脂基板とすることができる。これらのビルドアップ層やソルダーレジスト層は、本実施形態の樹脂膜の硬化物からなる絶縁層で構成されていることが好ましい。例えば、図4(c)に示すプリント配線基板500は、2層のビルドアップ層(絶縁層540,550)とソルダーレジスト層(絶縁層560)を備えるものである。なお、プリント配線基板500のビルドアップ層は、単層でもよく、2以上の複数層を有していてもよい。
本実施形態の樹脂膜の硬化物からなる絶縁層は強靱性に優れるので、プリント配線基板500の反りや搬送時におけるクラックを抑制することができる。
図4(c)に示される金属層542,552,562は、回路パターンであってもよいし、電極パットであってもよく、前述のように、SAP法で形成されていてもよい。これらの金属層542,552,562は、単層でも複数の金属層であってもよい。
プリント配線基板500は、平面上に複数の半導体素子を搭載することができる大面積を有していてもよい。これにより、プリント配線基板500に搭載された複数の半導体素子を一括封止した後、これらを個片化することにより、複数の半導体パッケージを得ることができる。なお、プリント配線基板500は、略円形形状や矩形形状等のパネル基板とすることができる。
上記プリント配線基板500の製造方法は、特に限定されないが、例えば、支持基板510上に、ビルドアップ層、ソルダーレジスト層を形成した後、この支持基板510を剥離することにより得ることができる。具体的には、図4(a)に示すように、大面積の支持基板510(例えば、SUSで構成される板部材)上に、キャリア箔520、金属箔530(例えば、銅箔)を配置する。このとき、支持基板510とキャリア箔520の間に不図示の接着樹脂を配置することができる。続いて、金属箔530上に金属層542を形成する。この金属層542を、たとえば、SAP方法等の通常の手法によりパターニングする。続いて、加熱加圧成形法等により、上記キャリア膜付樹脂膜を積層した後、キャリア膜付樹脂膜からキャリア基材を剥離する。そして、樹脂膜を硬化する。これらを3回繰り返して、2層のビルドアップ層と1層のソルダーレジスト層を形成する。
その後、図4(b)に示すように支持基板510を剥離する。そして、金属箔530をエッチング等により除去する。
以上により、図4(c)に示すプリント配線基板500が得られる。
次に、本実施形態のプリント配線基板の変形例を説明する。図5は、プリント配線基板600の構成の一例を示す断面図である。
図5に示すプリント配線基板600は、PLP(パネルレベルパッケージ)プロセスに用いられるコアレス樹脂基板610で構成されていてもよい。PLPプロセスは、例えば、配線板プロセスを利用して、ウエハ以上の大面積を有するパネルサイズパッケージを得ることができる。PLPプロセスを使用することにより、ウエハレベルプロセスよりも半導体パッケージの生産性を効率的に向上させることができる。
本実施形態において、コアレス樹脂基板610の絶縁層612(層間絶縁層)や絶縁層630,632(ソルダーレジスト層)は、本実施形態の樹脂膜の硬化物からなる絶縁層で構成されていてもよい。本実施形態の樹脂膜の硬化物は強靱性に優れているため、PLPプロセス中において、プリント配線基板600の反りや、とくに搬送時や実装時におけるコアレス樹脂基板610のクラックを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態のプリント配線基板600は、その平面内において複数の半導体素子(不図示)を搭載することができるような大面積を有している。そして、プリント配線基板600の面内方向に搭載された複数の半導体素子を一括して封止した後、これらを個片化することにより、複数の半導体パッケージを得ることができる。本実施形態の樹脂膜の硬化物の線膨張係数を低くすることができるので、PLPプロセスで得られた半導体パッケージにおいてパッケージ反りを抑制することができる。
プリント配線基板600は、コアレス樹脂基板610と、その表面に形成されたソルダーレジスト層(絶縁層630,632)を備えることができる。コアレス樹脂基板610は、内蔵された半導体素子620を有してもよい。半導体素子620は、ビア配線616を介して電気的に接続することができる。また、コアレス樹脂基板610は、絶縁層612(層間絶縁層)およびビア配線616を少なくとも有することができる。ビア配線616を介して、下面の金属層640(電極パッド)と上面の金属層618(ポスト)とを電気的に接続することができる。また、ビア配線616は、例えば、金属層614(ポスト)を介して金属層640に接続することができる。コアレス樹脂基板610において、ビア配線616および金属層614が埋設されている。ポストである金属層614は、表面がコアレス樹脂基板610の表面と同一平面を構成してもよい。本実施形態のプリント配線基板600において、コアレス樹脂基板610は、単層の層間絶縁層で構成されているが、この構成に限定されずに、複数の層間絶縁層が積層した構造を有していてもよい。このような層間絶縁層中には少なくとも層間接続配線としてビア配線616が形成されていてもよい。また、本実施形態において、ビア配線616、金属層614、または金属層618は、例えば、銅などの金属で構成されていてもよい。
また、コアレス樹脂基板610の上面と下面は、ソルダーレジスト層(絶縁層630,632)で覆われていてもよい。例えば、絶縁層630は、絶縁層612の表面上に形成された金属層650を覆うことができる。金属層650は、第1金属層652(めっき層)と第2金属層654(無電解めっき層)とで構成されており、例えば、SAP法で形成された金属層であってもよい。金属層650は、例えば、回路パターンまたは電極パッドでもよい。
また、本実施形態のプリント配線基板600の製造方法は、特に限定されないが、例えば、次のような方法を用いることができる。例えば、支持基板上に絶縁層612を形成する。続いて、絶縁層612にビアを形成し、ビア内をめっき方法により金属膜を埋設しビア配線616を形成する。続いて、絶縁層612の表面上に、SAP方法により再配線(金属層650)を形成する。その後、このような層間接続配線を有する層間絶縁層を複数層、積層してもよい。その後、ソルダーレジスト層(絶縁層630,632)を形成する。
以上により、プリント配線基板600を得ることができる。
次に、本実施形態のプリント配線基板の変形例を説明する。図6は、プリント配線基板700の構成の一例を示す断面図である。
図6に示すプリント配線基板700は、ポスト付き基板(MIS基板)で構成することができる。例えば、ポスト付き基板は、絶縁層712(層間絶縁層)内に、ビア配線716と金属層718(ポスト)が埋設された構造を有するコアレス樹脂基板710で構成することができる。ポスト付き基板は、個片化された後の基板であっても、個片化前の大面積を有する基板(例えば、ウエハの様な支持体)であってもよい。
本実施形態のプリント配線基板700を用いることにより、ウエハレベルプロセスと同程度以上に、半導体パッケージの生産性を効率的に向上させることができる。
本実施形態において、コアレス樹脂基板710の絶縁層712(層間絶縁層)や絶縁層730,732(ソルダーレジスト層)は、本実施形態の樹脂膜の硬化物からなる絶縁層で構成されていてもよい。本実施形態の樹脂膜の硬化物は強靱性に優れているため、プリント配線基板700の反りや、とくに搬送時や実装時におけるコアレス樹脂基板710のクラックを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態のプリント配線基板700は、その平面内において複数の半導体素子(不図示)を搭載することができるような大面積を有している。そして、プリント配線基板700の面内方向に搭載された複数の半導体素子を一括して封止した後、これらを個片化することにより、複数の半導体パッケージを得ることができる。本実施形態の樹脂膜の硬化物の線膨張係数を低くすることができるので、得られた半導体パッケージにおいてパッケージ反りを抑制することができる。
プリント配線基板700は、コアレス樹脂基板710と、その表面に形成されたソルダーレジスト層(絶縁層730,732)を備えることができる。コアレス樹脂基板710は、内蔵された半導体素子720を有してもよい。半導体素子720は、ビア配線716を介して電気的に接続することができる。また、コアレス樹脂基板710は、絶縁層712(層間絶縁層)およびビア配線716および金属層718(ポスト)を少なくとも有することができる。ビア配線716を介して、下面の金属層714(ポスト)と上面の金属層718(ポスト)とを電気的に接続することができる。また、絶縁層712内に埋設された金属層714は、絶縁層712の表面に形成された金属層740(電極パッド)に接続することができる。また、絶縁層712の表面は、研磨面を有していてもよい。金属層718の一面は、絶縁層712の研磨面と同一平面を構成してもよい。
本実施形態のプリント配線基板700において、コアレス樹脂基板710は、単層の層間絶縁層で構成されているが、この構成に限定されずに、複数の層間絶縁層が積層した構造を有していてもよい。このような層間絶縁層中には、層間接続配線としてビア配線716および金属層718(ポスト)が形成されていてもよい。また、本実施形態において、ビア配線716、金属層714、または金属層718は、例えば、銅などの金属で構成されていてもよい。また、コアレス樹脂基板710の上面と下面は、ソルダーレジスト層(絶縁層730,732)で覆われていてもよい。
また、本実施形態のプリント配線基板700の製造方法は、特に限定されないが、例えば、次のような方法を用いることができる。例えば、支持基板上に、絶縁層上に銅ポスト(例えば、金属層718)を形成する。銅ポストをさらに絶縁層で埋め込む。続いて、グラインドやケミカルエッチングなどの方法により、当該銅ポストの表面を露出する(つまり、銅ポストの頭出しを行う)。続いて、SAP方法により再配線を形成する。このような工程により層間絶縁層を有するコアレス樹脂基板710を形成できる。この後、層間絶縁層を形成する工程を複数回繰り返すことにより、層間接続配線を有する層間絶縁層を複数層、積層してもよい。その後、ソルダーレジスト層(絶縁層730,732)を形成する。
以上により、プリント配線基板700を得ることができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(熱硬化性樹脂組成物の調製)
実施例および比較例について、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物を調整した。
まず、表1に示す固形分割合で各成分を溶解または分散させ、メチルエチルケトンで不揮発分70重量%となるように調整し、高速撹拌装置を用い撹拌して樹脂ワニスを調製した。
なお、表1における各成分の配合割合を示す数値は、熱硬化性樹脂組成物の固形分全体に対する各成分の配合割合(重量%)を示している。
表1における各成分の原料の詳細は下記のとおりである。
実施例および比較例では、以下の原料を用いた。
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON、840S)
熱硬化性樹脂2:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC(株)製、EPICLON、830S)
熱硬化性樹脂3:ナフタレン骨格変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC(株)製、HP−5000)
(硬化剤)
第1硬化剤1:MDEA(4,4'−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、Lonza社製、ロンザキュア M−DEA kr)
第1硬化剤2:SB−AA(4,4'−メチレンビス(2−エチルアニリン)、日本化薬株式会社製、SB−AA)
硬化剤1:DDS(4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、三井化学ファイン株式会社製、4,4'−DAS)
硬化剤2:ジシアンジアミド(三菱化学社製、DIZY7)
第1硬化剤3:フェノール系硬化剤(日本化薬社製、GPH103)
第1硬化剤4:フェノール系硬化剤(フェノールノボラック樹脂、住友ベークライト社製、PR−HF−3))
(無機充填材)
無機充填材1:シリカ粒子(アドマテックス社製、SC4050、平均粒径1.1μm)
((メタ)アクリル系ブロック共重合体)
(メタ)アクリル系ブロック共重合体1:(アクリルモノマーのブロック共重合体(PMMA−b−PBA−b−PMMA;b=ブロック)、数平均分子量:約15,000、アルケマ社製、ナノストレングスM52)
(メタ)アクリル系ブロック共重合体2:(アクリルモノマーのブロック共重合体(PMMA−b−PBA−b−PMMA;b=ブロック)、数平均分子量:約15,000、アルケマ社製、ナノストレングスM52N)
(硬化促進剤)
硬化促進剤1:2−フェニルイミダゾール(四国化成社製、2PZ−PW)
(カップリング剤)
カップリング剤1:シランカップリング剤(N−フェニルγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学(株)製、KBM−573)
Figure 2017179280
(キャリア付き樹脂膜)
実施例および比較例において、得られた樹脂ワニスをキャリア基材であるPETフィルム上に塗布した後、120℃、5分間の条件で溶剤を除去して、厚さ25μmの樹脂膜を形成した。これにより、キャリア付樹脂膜を得た。
(半導体パッケージの製造)
1.プリント配線基板の製造
極薄銅箔(三井金属鉱業社製、マイクロシンEx、2.0μm)を使用した両面銅張積層板(住友ベークライト(株)製、LAZ−4785TH−G、絶縁層厚み0.2mm)の表面の極薄銅箔層に約1μmの粗化処理を施した後、炭酸ガスレーザーで、層間接続用のφ80μmのスルーホールを形成した。次いで、60℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に5分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレート コンパクト CP)に2分間浸漬後、中和してスルーホール内のデスミア処理を行った。次に、無電解銅メッキを厚さ0.5μmで行い、電解銅メッキ用レジスト層を厚さ18μm形成し、パターン銅メッキし、150℃、30分加熱してポストキュアした。次いでメッキレジストを剥離し全面をフラッシュエッチングして、L/S=15/15μmの両面に回路パターンを形成した。
回路パターンを形成した後の回路基板に対し、樹脂膜が回路パターンと対向するように、(層間絶縁膜として)上記で得られたキャリア付樹脂膜を両面に積層した後、2ステージ真空加圧式ラミネーター装置(名機製作所社製、MVLP−500)を用いて、30秒間減圧して10hPa以下で、1ステージ条件として温度120℃、圧力0.8MPa、30秒、2ステージ条件としてSUS鏡板で温度120℃、圧力1.0MPa、60秒にて真空加熱加圧成形した。次いで、キャリア付樹脂膜からキャリア基材を剥離した後、回路パターン上の樹脂膜を、200℃、2時間の条件で硬化した。次いで、セミアディティブ法で回路加工し、(ソルダーレジスト層として)上記で得られたキャリア付き樹脂膜を同様に両面に積層し、レーザー開口してプリント配線基板を得た。
2.半導体装置の製造
得られたプリント配線基板の上に、10mm×10mm×100μm厚みの半田バンプ付半導体素子を実装し、アンダーフィル(住友ベークライト社製、CRP−4160G)で封止し、150℃で2時間硬化させた。最後に、15mm×15mmにダイシングし半導体装置を得た。
実施例および比較例において、樹脂板、コア材、半導体パッケージについて、次のような評価を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2017179280
(硬化物)
得られたキャリア付樹脂膜からキャリア基材であるPETフィルムを剥離したものを4枚積層して、厚さ100μmの樹脂シートを作製した。次いで、当該樹脂シートを、200℃で2時間熱処理し、熱硬化性樹脂組成物の硬化物を得た。
(重合体ブロック層のドメイン径)
得られた硬化物の薄膜化をミクロトームにより実施し、その後染色を行ったサンプルの透過型電子顕微鏡による画像解析によりドメイン径を算出した。
また、実施例1〜7の硬化物の表面にブリードは見られなかった。一方、比較例1、2の硬化物の表面にブリードが見られた。
(三点曲げ試験)
得られた樹脂ワニスを、100℃で1時間加熱後、200℃で2時間加熱することにより、表1に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物を得た。当該硬化物を、縦50mm×横10mmの試験片に切り出した。
三点曲げ試験は、試験片を一定距離に配置された2支点上に置き、支点間の中央の1点に荷重を加える評価を行った。このとき、精密万能試験機(島津製作所社製、オートグラフAG−IS)を用い、2支点間距離L:5mm、試験片の厚さ:0.1mm、測定温度:25℃、試験速度:1mm/分の条件を使用した。
上記三点曲げ試験において、曲げ強度の最大値は、上記条件で曲げ荷重が最大となったときの応力の値とし、貯蔵弾性率E'は、試験力が0.5Nから1.0Nの範囲における曲げ荷重の変化量により求め、曲げ伸び率は、次式で求められる値とした。伸び率(%):(式)600×(試験片が破断するまでのたわみ量(変位))×(試験片厚さ)/(支点間距離)
(平均線膨張係数(30℃から240℃))
得られた硬化物から4mm×40mmのテストピースを切り出し、そのテストピースに対し、熱機械分析装置TMA(TAインスツルメント社製、Q400)を用いて、温度範囲30〜260℃、昇温速度10℃/min、荷重10g、引張モードの条件で熱機械分析(TMA)を2サイクル測定した。30℃から240℃の範囲における平面方向(XY方向)の線膨張係数の平均値を算出した。なお、線膨脹係数は、2サイクル目の値を採用した。
(ピール強度)
まず、0.2mmtのコア全面エッチング品に、得られた樹脂ワニスを、アプリケーターを用いて7milsで塗工し、120℃、5minの条件で乾燥を行い、樹脂膜付きコア材を得た。
このあと、YSNAP−3B(日本電解(株)製、キャリア銅箔付き3μm厚極薄銅箔)を、作製した樹脂膜付きコア材の樹脂面にセットし、下記条件にて真空・加圧プレスを実施することにより、基板を得た。(温度条件:3℃/minの昇温速度で昇温し、100℃で1時間加熱した後、3℃/minの昇温速度で昇温し、200℃で1.5時間加熱した。圧力条件:0.4MPa)。
この後、得られた基板の外層キャリア銅箔を剥がし、3μm厚極薄銅箔上に銅総厚20μmとなるように電解メッキ被膜を形成し、めっき済み基板を得た。
得られためっき済み基板を、150℃、30分の条件で熱処理した。
この後、上記めっき済み基板に対して、10mm幅の電解めっき銅被膜を残すようにエッチング処理を実施しピール強度測定サンプルを得た。
以上により得られたピール強度測定サンプルに対して、JIS C−6481:1996に準拠してピール強度測定を行った。
(ピール強度変化率)
得られた上記ピール強度測定サンプルを130℃、湿度85%RHの環境下に100時間保管した。次いで、100×(P−P)/Pで示されるピール強度変化率を算出した。
ここで、保管前のJIS C−6481:1996に準拠して測定される、硬化物と金属箔との間のピール強度をPとし、保管後のJIS C−6481:1996に準拠して測定される、硬化物と金属箔との間のピール強度をPとした。
(ガラス転移温度)
得られた硬化物から8mm×40mmのテストピースを切り出し、そのテストピースに対し、昇温速度5℃/min、周波数1Hzで動的粘弾性測定をおこなった。ガラス転移温度の測定は、動的粘弾性測定(DMA装置、TAインスツルメント社製、Q800))で行った。ここで、ガラス転移温度は、100℃以上の領域において損失正接tanδが最大値を示す温度とした。
(パネル反り)
縦250mm×横250mm角SUSの支持基板上に、12μm銅箔を配置し、実施例、比較例で得られたキャリア膜付樹脂膜を、2ステージ真空加圧式ラミネーター装置(名機製作所社製、MVLP−500)を用いて、30秒間減圧して10hPa以下で、1ステージ条件として温度120℃、圧力0.8MPa、30秒、2ステージ条件としてSUS鏡板で温度120℃、圧力1.0MPa、60秒にて真空加熱加圧成形した。次いで、キャリア付樹脂膜からキャリア基材を剥離した後、180℃、2時間の条件で硬化した。これを3回繰返し、三層ビルドアップ層を形成し、SUS剥離した時のパネル反りを評価した。
板端の反りを測定した
◎:15mm未満
○:15mm以上50mm未満(実質上問題なし)
×:50mm以上
(ハンドリング性)
SUS剥離後、さらに12μm銅箔をエッチング。その後の、パネルのクラックの有無を評価した。
○:クラックなし
×:クラックあり
(層間絶縁信頼性)
まず、両面銅張積層板(住友ベークライト(株)製、LAZ−4785TH−G、絶縁層厚み0.2mm)の表面の12μm厚銅箔に粗化処理(CZ処理、1μm)を実施した。
その後、得られた樹脂ワニスを、アプリケーターを用いて5milsで塗工し、120℃、5minの条件で乾燥を行い、樹脂膜付きコア材を得た。
このあと、12μm厚銅箔を、作製した樹脂膜付きコア材の樹脂面にセットし、下記条件にて真空・加圧プレスを実施することにより、基板を得た。(温度条件:3℃/minの昇温速度で昇温し、100℃で1時間加熱した後、3℃/minの昇温速度で昇温し、200℃で1.5時間加熱した。圧力条件:0.4MPa)。
その後、12μm厚の銅箔を10mmΦの銅を残す形でエッチング処理を施し、試験サンプルを得た。
この試験サンプルを用いて、温度130℃、湿度85%、印加電圧3.3Vの条件で連続湿中絶縁抵抗を評価した。なお、抵抗値10Ω以下を故障とした。評価基準は以下の通りである。
〇:500時間以上故障なし
△:200時間以上500時間未満で故障あり
×:200時間未満で故障あり
以上、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
10 樹脂膜
12 キャリア基材
100 キャリア付樹脂膜
105 金属箔
300 プリント配線基板
301 絶縁層
303 金属層
305 絶縁層
307 ビアホール
308 無電解金属めっき膜
309 電解金属めっき層
400 半導体装置
401 絶縁層
407 半導体素子
410 半田バンプ
413 封止材層
500 プリント配線基板
510 支持基板
520 キャリア箔
530 金属箔
540 絶縁層
542 金属層
550 絶縁層
552 金属層
560 絶縁層
562 金属層
600 プリント配線基板
610 コアレス樹脂基板
612 絶縁層
614 金属層
616 ビア配線
618 金属層
620 半導体素子
630 絶縁層
632 絶縁層
640 金属層
650 金属層
652 第1金属層
654 第2金属層
700 プリント配線基板
710 コアレス樹脂基板
712 絶縁層
714 金属層
716 ビア配線
718 金属層
720 半導体素子
730 絶縁層
732 絶縁層
740 金属層

Claims (18)

  1. プリント配線基板における絶縁層を形成するために用いられる熱硬化性樹脂組成物であって、
    熱硬化性樹脂と、
    硬化剤と、
    無機充填材と、
    (メタ)アクリル系ブロック共重合体と、を含み、
    下記の条件の三点曲げ試験により測定した当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物における、曲げ強度の最大値が70MPa以上1000MPa以下である、熱硬化性樹脂組成物。
    (三点曲げ試験)
    当該熱硬化性樹脂組成物を、100℃で1時間加熱後、200℃で2時間加熱することにより、当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物を得る。この硬化物を、縦50mm×横10mmの試験片に切り出す。得られた試験片を一定距離に配置された2支点上に置き、支点間の中央の1点に荷重を加える評価を行う。このとき、2支点間距離L:5mm、試験片の厚さ:0.1mm、測定温度:25℃、試験速度:1mm/分の条件を使用する。
  2. 請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    上記三点曲げ試験により測定した当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物の、25℃での貯蔵弾性率E'25が、1GPa以上20GPa以下である、熱硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    上記三点曲げ試験により測定した当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物の、25℃での曲げ伸び率が、0.5%以上15%以下である、熱硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物において、前記熱硬化性樹脂が硬化してなるマトリックス相に、前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体の重合体ブロック相が分散してなるミクロ相分離構造が形成されている、熱硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記重合体ブロック相のドメイン径が、200nm以下である、熱硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体は、重合体ブロック(S)と前記重合体ブロック(S)よりも高いガラス転移温度(Tg)を有する重合体ブロック(H)とが並んだ構造のジブロック共重合体、前記重合体ブロック(S)と前記重合体ブロック(H)とが交互に並んだ共重合体、前記重合体ブロック(S)を中間に有し、その両端に前記重合体ブロック(H)を有するトリブロック共重合体から選択される一種または二種以上を含む、熱硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)が3,000以上500,000以下である、熱硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記無機充填材の含有量が、当該熱硬化性樹脂組成物全体に対して50重量%以上90重量%以下である、熱硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記無機充填材がシリカを含む、熱硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含む、熱硬化性樹脂組成物。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    カップリング剤をさらに含む、熱硬化性樹脂組成物。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物の、30℃から240℃の範囲において算出した平均線膨張係数が、1ppm/℃以上60ppm/℃以下である、熱硬化性樹脂組成物。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物の、銅箔に対する90°ピール強度が、0.5kN/m以上である、熱硬化性樹脂組成物。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    当該熱硬化性樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が、110℃以上である、熱硬化性樹脂組成物。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    前記プリント配線基板はガラス繊維を含まない、熱硬化性樹脂組成物。
  16. キャリア基材と、
    前記キャリア基材上に設けられている、請求項1から15のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂膜と、を備える、キャリア付樹脂膜。
  17. 請求項1から15のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物で構成された絶縁層を備える、プリント配線基板。
  18. 請求項17に記載のプリント配線基板と、
    前記プリント配線基板の回路層上に搭載された、または前記プリント配線基板に内蔵された半導体素子と、を備える、半導体装置。
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