JP2017178564A - 表示システム、行先階登録システム、及びエレベータシステム - Google Patents

表示システム、行先階登録システム、及びエレベータシステム Download PDF

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Abstract

【課題】エレベータ利用の利便性を向上可能な表示システム、行先階登録システム、及びエレベータシステムを提供する。【解決手段】表示システムは、表示部34と、表示部34の近傍に設けられ、階床を指定するためのテンキーを有する操作部35と、を有する行先階登録装置30と、行先階登録装置30の設置階に他の階床を行先階とする号機が到着するまでの待ち時間を求める群管理制御装置10と、を備える。群管理制御装置10は、行先階として設置階以外の各階床を順次設定することで、待ち時間を、設置階以外の全ての階床について求める。行先階登録装置30は、操作部35のテンキーが操作されたときに、当該操作されたテンキーが示す数を先頭桁として含む階床をそれぞれ第1候補階として設定し、全ての第1候補階及び各第1候補階についての待ち時間に関する情報を表示する。【選択図】図4

Description

本発明は、エレベータにおける表示システム、行先階登録システム、及びエレベータシステムに関する。
特許文献1は、利用者により行先階(目的階)が登録され、割当号機名を表示する際に、当該割当号機が登録階に到着するまでの時間に応じて割当号機名の表示色を変更したり、到着までの時間を表示したりするエレベータの目的階登録装置を開示している。
特開2007−191263号公報
特許文献1に記載の目的階登録装置では、割当号機の到着までの時間が長い場合、利用者は割当号機の到着を待たざるを得ず、エレベータ利用の利便性の点で課題がある。
本発明は、エレベータ利用の利便性を向上可能な表示システム、行先階登録システム、及びエレベータシステムを提供する。
本発明のエレベータの表示システムは、複数台の号機を乗場行先階登録に基づいて運行するエレベータシステムにおける表示システムである。
表示システムは、
表示部と、表示部の近傍に設けられ、階床を指定するためのテンキーを有する操作部と、を有する表示装置と、
表示装置の設置階に他の階床を行先階とする号機が到着するまでの待ち時間を求める制御装置と、を備える。
制御装置は、行先階として設置階以外の各階床を順次設定することで、待ち時間を、設置階以外の全ての階床について求める。
表示装置は、
操作部のテンキーが操作されたときに、当該操作されたテンキーが示す数を先頭桁として含む階床をそれぞれ第1候補階として設定し、
全ての第1候補階及び各第1候補階についての待ち時間に関する情報を表示する。
本発明のエレベータの行先階登録システムは、本発明の表示システムを有する。
表示装置は、操作部で行先階が指定された場合、指定された行先階をいずれかの号機に割当てることを依頼する信号を出力する。
本発明のエレベータシステムは、
複数台の号機と、
本発明の表示システムと、を備える。
本発明によれば、エレベータの利用者が表示装置の操作部のテンキーに対して行先階等の階床を指定する操作を行うと、当該操作されたテンキーが示す数を先頭桁として含む階床がそれぞれ第1候補階として設定され、全ての第1候補階及び各第1候補階についての待ち時間に関する情報とが表示される。そのため、エレベータの利用者は、自己の行先階のみならずそれに近い階床についてのエレベータが到着するまでの待ち時間を知ることができる。よって、利用者は、エレベータの到着までの時間に応じた適切な対応を取ることが可能となる。
実施形態1におけるエレベータシステムの電気的構成を示すブロック図 実施形態1における行先階登録装置の電気的構成を示すブロック図 実施形態1におけるエレベータ制御装置の電気的構成を示すブロック図 実施形態1における行先階登録装置の表示部の表示例を示す図 実施形態1における群管理制御装置による待ち時間の計算処理を示すフローチャート 実施形態1における群管理制御装置による行先階登録装置への平均待ち時間の送信処理を示すフローチャート 実施形態1における群管理制御装置による平均待ち時間の計算処理を示すフローチャート 実施形態1における行先階登録装置による平均待ち時間の受信時の処理を示すフローチャート 実施形態1における行先階登録装置による表示処理を示すフローチャート
(実施形態1)
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
1.構成
1−1.エレベータシステムの概要
図1は、実施形態1に係るエレベータシステムの構成を示すブロック図である。本実施形態に係るエレベータシステムは、A号機からC号機の3台のエレベータ(以下適宜「号機」という)60A〜60Cと、群管理制御装置10と、複数台の行先階登録装置30と、3台のエレベータ制御装置40A〜40Cとを有する。行先階登録装置30は、ビルの各階のエレベータ乗場に配備されている。エレベータ制御装置40A〜40Cは、エレベータ60A〜60Cに対応させて設けられている。各エレベータ60A〜60Cは、かご、巻上機(モータ)、釣合おもり等を有する。なお、各エレベータ60A〜60Cに関し、特に区別する必要がない場合、適宜単に「エレベータ60」という。
本実施形態のエレベータシステムでは、呼びの登録方式として乗場行先階登録方式を採用しており、群管理制御装置10は、各階の行先階登録装置30において新規に登録された行先階呼び(以下適宜「新規行先階呼び」という)を、複数台のエレベータ60のいずれかに割り当てる制御を行う。また、群管理制御装置10は、複数台のエレベータ60A〜60Cの運行を統合的に制御する。群管理制御装置10及び行先階登録装置30は、本発明の表示システム及び行先階登録システムを実現する。
1−2.エレベータシステムの構成
1−2−1.群管理制御装置
群管理制御装置10は、行先階登録装置30において利用者により登録(指定)された行先階呼びを、複数台のエレベータ60A〜60Cのうちのいずれかに割り当てる制御を行う。なお、行先階呼びをエレベータに割り当てることを、以下において、適宜、行先階をエレベータに割り当てるという場合がある。また、群管理制御装置10は、複数台のエレベータ60A〜60Cの運行を統合的に制御する。
群管理制御装置10は、コンピュータを利用して構成され、制御部11と、記憶部12と、入出力インタフェース13とを備える。
記憶部12は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態の群管理制御装置10の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
制御部11は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部11は、記憶部12から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、群管理制御装置10における後述する各種の機能を実現する。
入出力インタフェース13は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース13は、群管理制御装置10と、行先階登録装置30、エレベータ制御装置40(40A〜40C)との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース13は、制御部11から出力される信号を所定の形式の信号に変換して行先階登録装置30、エレベータ制御装置40に出力する。また、入出力インタフェース13は、行先階登録装置30、エレベータ制御装置40から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部11に出力する。
1−2−2.行先階登録装置
図2は、実施形態1における行先階登録装置30の電気的構成を示すブロック図である。行先階登録装置30は、利用者による行先階の登録(指定)を受け付ける装置である。行先階登録装置30は、制御部31と、記憶部32と、入出力インタフェース33と、表示部34と、操作部35とを備える。
記憶部32は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態の行先階登録装置30の各種機能を実現するためのプログラムを含む。記憶部32には、データとして、例えば、行先階登録装置30の装置識別情報が格納されている。
制御部31は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部31は、記憶部32から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、行先階登録装置30における後述する各種の機能を実現する。
入出力インタフェース33は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース33は、行先階登録装置30と群管理制御装置10との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース33は、制御部31から出力された信号を所定の形式の信号に変換して群管理制御装置10に出力する。また、入出力インタフェース33は、群管理制御装置10から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部31に出力する。
操作部35は、利用者が行先階を入力するためのインタフェースである。操作部35は、操作部35の操作内容に対応する信号を制御部31に出力する。
表示部34は、制御部31から出力される表示信号に基づく表示を行う。
表示部34及び操作部35は、例えば液晶ディスプレイパネルや有機ELディスプレイパネルを利用したタッチパネル式表示装置により一体的に構成されている。
1−2−3.エレベータ制御装置
エレベータ制御装置40A〜40C(A号機制御装置40A、B号機制御装置40B、C号機制御装置40C)は、群管理制御装置10からの制御信号にしたがって、対応するエレベータ60A〜60Cの巻上機(モータ)等の動作を制御することにより、各エレベータ60A〜60Cのかごの上昇、下降、停止等を制御する。また、エレベータ制御装置40A〜40Cはそれぞれ、対応するエレベータ60A〜60Cのかごの位置、走行方向、ドアの開閉状態、荷重等を含むかご状態を検知して、検知したかご状態を示す情報を含むかご状態信号を群管理制御装置10に出力する。なお、複数台のエレベータ制御装置40A〜40Cは互いに同一の構成を有する。そのため、構成等の説明において区別する必要がない場合、適宜、各エレベータ制御装置を「エレベータ制御装置40」という。
図3は、実施形態1におけるエレベータ制御装置40(40A〜40C)の電気的構成を示すブロック図である。各エレベータ制御装置40は、制御部41と、記憶部42と、入出力インタフェース43と、を備える。
記憶部42は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD等を利用して構成され、プログラム、及び種々のデータを格納している。プログラムは、本実施形態のエレベータ制御装置40の各種機能を実現するためのプログラムを含む。
制御部41は、例えばCPU、MPU等を利用して構成される。制御部41は、記憶部42から読み出した上記プログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、エレベータ制御装置40における後述する各種の機能を実現する。
入出力インタフェース43は、例えばLANアダプタ等を利用して構成される。入出力インタフェース43は、エレベータ制御装置40と群管理制御装置10との間で各種信号を送受信するためのインタフェースである。入出力インタフェース43は、制御部41から出力された信号を所定の形式の信号に変換して群管理制御装置10に出力する。また、入出力インタフェース43は、群管理制御装置10から入力された信号を所定の形式の信号に変換して制御部41に出力する。
1−2−4.エレベータシステムを構成する各装置間の接続
エレベータシステムを構成する各装置間は、情報伝送可能なネットワークNWを介して接続されている。ネットワークNWは、例えばEthernet(登録商標)等のLAN(Local Area Network)により構成され、各装置間での各種の情報の送受信は、TCP/IP等の各種のプロトコルにしたがって行われる。ネットワークNW上に接続されている前述の各装置は、装置間において、各装置が有する入出力インタフェースにより、TCP/IP等の各種のプロトコルにしたがった通信による信号伝送(情報伝送)が可能である。なお、エレベータシステムを構成する各装置間は、他の信号形式のネットワークや、専用の信号網を介して接続されてもよい。
2.動作
2−1.動作の概要
本実施形態に係るエレベータの群管理システムの動作の概要について説明する。本システムは、行先階登録装置30によって利用者の行先階の登録を受け付ける。行先階登録装置30で登録を受け付けると、登録された行先階に係る行先階呼びを、群管理制御装置10において、複数台のエレベータ60A〜60Cのうちのいずれかに割り当てる。さらに、エレベータ制御装置40において、登録された行先階を割り当てた割当号機を、行先階の登録が行われた登録階(出発階)から、登録された行先階へ走行させるように運行制御を行う。また、登録を受け付けた行先階登録装置30は、割当号機を示す割当号機情報を群管理制御装置10から取得し、割当号機を示す情報を表示する。
ここで、本実施形態において、群管理制御装置10(制御装置)は、行先階登録装置30(表示装置)の設置階に他の階床を行先階とする号機が到着するまでの平均待ち時間AWT(i,j)を求める。また、群管理制御装置10は、行先階として設置階以外の各階床を順次設定することで、平均待ち時間AWT(i,j)を、設置階以外の全ての階床について求める。そして、行先階登録装置30は、群管理制御装置10で求められた設置階以外の全ての階床及び各階床についての待ち時間に関する情報を表示する。
2−2.群管理制御装置の動作
2−2−1.エレベータの割当動作
群管理制御装置10は、制御部11によってエレベータの割当処理を行う。エレベータの割当処理は、行先階登録装置30で登録された行先階を、複数台のエレベータ60A〜60Cのうちのいずれかのエレベータに割り当てる処理である。具体的に、制御部11は、行先階登録装置30から入出力インタフェース13を介して割当依頼信号を受信すると、エレベータの割当処理を開始する。割当依頼信号は、行先階登録装置30で登録された行先階を、複数台のエレベータ60A〜60Cのうちのいずれかのエレベータに割り当てることを要求する信号である。割当依頼信号は、利用者によって登録された行先階を示す行先階情報と、当該行先階の登録操作が行われた階(出発階)を示す出発階情報、および当該行先階の登録が行われた行先階登録装置30を識別する装置識別情報とを含む。なお、割当依頼信号が示すこれらの情報を以下適宜「割当依頼情報」という。制御部11は、割当依頼情報が示す出発階及び行先階を、エレベータ60A〜60Cのうちのいずれかに、エレベータ60A〜60C(1〜3号機)毎に求めた評価値に基づいて割り当てる。
具体的に、制御部11はまず、各エレベータ60の運行情報に基づいて、行先階を割り当てるエレベータ60を選択するための評価値を、エレベータ60A〜60C毎に算出する。ここで、各エレベータ60A〜60Cの運行情報は、例えば、各エレベータ60A〜60Cのかご状態(かごの位置、走行方向、ドアの開閉状態、荷重等を含む)、予測される待ち時間(現在から割当号機が出発階に到着するまでの時間)、予測されるサービス完了時間(現在から割当号機が行先階に到着するまでの時間)などを示す情報を含む。上記評価値の算出後、制御部11は、エレベータ60A〜60Cのうちから例えば最も小さい評価値を有するエレベータを選択し、行先階を、選択したエレベータに割り当てる。
また、制御部11は、割り当てたエレベータ60(割当号機)に対応するエレベータ制御装置40に、割り当てた新規行先階呼びの出発階から行先階への走行を指示する制御信号を出力する。
2−2−2.行先階登録装置に表示させる待ち時間の計算動作
群管理制御装置10の制御部11は、現在登録されているが未応答である全ての行先階呼びを考慮して、出発階i及び行先階jの行先階呼びが発生したと仮定し、前述した実割当時と同様の評価を行って(待ち時間等の計算を行って)割当号機を決定する。このとき、群管理制御装置10の制御部11は、出発階i及び行先階jのi及びjをそれぞれ順次変更することで、全ての階床間において割当号機の決定を行う。群管理制御装置10の制御部11は、割当号機の決定において用いた待ち時間WT(t,i,j)をそれぞれ少なくとも過去所定時間Y分記憶する。なお、これらの割当号機の決定は、待ち時間WT(t,i,j)の計算のためのものであり、実際の割当てが行われるわけではない。
群管理制御装置10の制御部11は、上記の待ち時間WT(t,i,j)のそれぞれについて、過去所定時間Y分の平均値を求め、平均待ち時間AWT(i,j)として記憶する。所定時間Yは、例えば5分(300秒)である。
2−3.行先階登録装置の動作
2−3−1.割当依頼動作
行先階登録装置30は、操作部35において、利用者による行先階の登録操作を受け付ける。行先階登録装置30の制御部31は、利用者により登録された行先階を示す行先階情報と、その行先階を登録する操作が行われた行先階登録装置30の設置階を示す出発階情報と、当該行先階登録装置30を識別する装置識別情報とを含む割当依頼信号を生成する。行先階登録装置30の制御部31は、生成した割当依頼信号を、群管理制御装置10に出力する。
また、行先階登録装置30の制御部31は、上述の割当依頼信号の応答として、群管理制御装置10から、割当号機を示す割当号機情報を受信すると、利用者によって登録された行先階と、割当号機情報が示す割当号機を示す情報とを、表示部34に表示させる。これによって、行先階登録装置30は、登録された行先階が、表示された割当号機に割り当てられたことを利用者に報知する。
2−3−2.待ち時間に関する情報の表示動作
行先階登録装置30の制御部31は、操作部35のテンキーが操作されたときに、当該操作されたテンキーが示す数を先頭桁として含む階床をそれぞれ第1候補階として設定し、全ての第1候補階及び各第1候補階についての待ち時間に関する情報を表示する。
図4は、行先階登録装置30の表示部34における表示の具体例を示す図である。なお、図4は、行先階登録装置30の設置階(利用者が現在いる階)が5階である場合を例示している。
図4(a)は、利用者による操作が行われる前の状態を示しており、操作前においては、行先階登録装置30の表示部34には、テンキーと、Enterボタンと、Delボタンとが表示されている。
利用者により、図4(b)に示すように、例えば、表示部34(操作部35)に表示されている「1」のキーに対してタッチ操作が行われると、行先階登録装置30の制御部31は、表示部34において、テンキーの上方に、“1_”という入力した数字に対応する文字と、「1」を先頭桁として含む第1候補階の階床オブジェクトを表示する。本例では、13階建てのビルを前提としており、そのため、第1候補階として1階、10階、11階、12階、13階を示す階床オブジェクトが表示される。また、行先階登録装置30の制御部31は、第1候補階に対して、上下方向で隣接する階床であって所定の条件を満たす第2候補階(図4の例では2階及び9階)を示す階床オブジェクトを表示部34に表示する。さらに、行先階登録装置30の制御部31は、平均待ち時間AWT(i,j)が所定時間以上(例えば60秒以上)の階床(図4の例では1階及び10階)については、その階床オブジェクトの背景色を濃く表示する。つまり、行先階登録装置30の制御部31は、全ての第1候補階及び各第1候補階についての待ち時間に関する情報を表示する。なお、このような表示についての具体的動作については、フローチャートを参照して後述する。
この状態において、利用者によりさらに2桁目として例えば「1」の階床オブジェクトに対してタッチ操作が行われ、かつ、Enterキーがタッチされると、行先階登録装置30の制御部31は、11階を行先階として確定する。そして、群管理制御装置10に割当依頼信号を出力する。なお、2桁目の「1」のキーがタッチされたときに、テンキーの上方に表示されている候補階は、11階を示す階床オブジェクトのみに絞り込まれる。
一方、図4(b)に示す状態で、Delキーがタッチされると、行先階登録装置30の制御部31は、表示部34における表示を図4(a)の状態に戻す。
2−4.具体的動作
実施形態1に係るエレベータの群管理制御装置10により行われる表示用の待ち時間の計算処理について説明する。図5は、実施形態1における群管理制御装置10による待ち時間の計算処理を示すフローチャートである。
群管理制御装置10の制御部11は、前回待ち時間WT(t,i,j)の計算を行ってから所定時間Tが経過したか否かを判断する(S11)。所定時間Tは、例えば5秒である。この場合、待ち時間WT(t,i,j)の計算が1分間で12回行われることとなる。
所定時間Tが経過していない場合(S11でNO)、群管理制御装置10の制御部11は、ステップS11の判断を再度実行する。
所定時間Tが経過した場合(S11でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、時刻tとして現在時刻を設定する(S12)。
群管理制御装置10の制御部11は、出発階iとして最下階を設定する(S13)。
群管理制御装置10の制御部11は、行先階jとして最下階を設定する(S14)。
群管理制御装置10の制御部11は、出発階iと行先階jとが等しいか否かを判断する(S15)。
出発階iと行先階jとが等しくない場合(S15でNO)、群管理制御装置10の制御部11は、出発階i、行先階jの行先階呼びが発生したと仮定して、割当号機を決定する(S16)。具体的に、群管理制御装置10は、現在登録されているが未応答である全ての行先階呼びを考慮して、出発階i及び行先階jの行先階呼びが発生したと仮定し、前述した実割当時と同様の評価を行って(待ち時間等の計算を行って)割当号機を決定する。なお、これらの割当号機の決定は、待ち時間WT(t,i,j)の計算のためのものであり、実際の割当てが行われるわけではない。
群管理制御装置10の制御部11は、出発階i、行先階jの行先階呼びに対する割当号機が出発階iに到着するまでの、求めた待ち時間を待ち時間WT(t,i,j)として設定する(S17)。なお、待ち時間WT(t,i,j)としては、ステップS16において割当号機の決定のために割当シミュレーションを行ったときに求めた待ち時間WT(t,i,j)を用いればよい。
群管理制御装置10の制御部11は、行先階jとして、現在の行先階jに1を加算した値を設定する(S18)。
出発階iと行先階jとが等しい場合(S15でYES)、割当号機の決定に関する処理を行う必要がないので、群管理制御装置10の制御部11は、ステップS16、S17の処理をバイパスし、ステップS18の処理を実行する。
群管理制御装置10の制御部11は、行先階jが最上階よりも上の階か否かを判断する(S19)。つまり、群管理制御装置10の制御部11は、全ての階床を行先階として設定してステップS17までの処理が完了したか否かを判断する。
行先階jが最上階よりも上の階でない場合(S19でNO)、群管理制御装置10の制御部11は、ステップS15以後を再度実行する。
行先階jが最上階よりも上の階である場合(S19でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、出発階iとして、現在の出発階iに1を加算した値を設定する(S20)。
群管理制御装置10の制御部11は、出発階iが最上階よりも上の階か否かを判断する(S21)。つまり、群管理制御装置10の制御部11は、全ての階床を出発階として設定してステップS17までの処理が完了したか否かを判断する。
出発階iが最上階よりも上の階でない場合(S21でNO)、群管理制御装置10の制御部11は、ステップS14以後を再度実行する。
出発階iが最上階よりも上の階である場合(S21でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、ステップS11以後を再度実行する。
図6は、実施形態1における群管理制御装置による行先階登録装置30への平均待ち時間AWT(i,j)の送信処理を示すフローチャートである。
群管理制御装置10の制御部11は、前回平均待ち時間AWT(i,j)の送信を行ってから所定時間Xが経過したか否かを判断する(S31)。所定時間Xは、例えば60秒である。
所定時間Xが経過した場合(S31でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、平均待ち時間AWT(i,j)を計算する(S32)。平均待ち時間AWT(i,j)の計算の具体例については後述する。
群管理制御装置10の制御部11は、設置階mとして最下階を設定する(S33)。
群管理制御装置10の制御部11は、ロケーションkとして1を設定する(S34)。ロケーションとは、設置階mに配置されている行先階登録装置30を区別するための、1から始まる整数の通し番号である。1つの階床には、行先階登録装置30が複数台設置される場合があり、これらを区別するために、通し番号としてのロケーションが設定されている。
群管理制御装置10の制御部11は、設置階m、ロケーションkの行先階登録装置30に平均待ち時間AWT(i,j)を示す情報を送信する(S35)。なお、平均待ち時間AWT(i,j)を示す情報には、ステップS32で求めた全ての階床間の平均待ち時間AWT(i,j)が含まれていてもよいし、全ての出発階のうち、出発階が設置階mについての平均待ち時間AWT(i,j)のみが含まれてもよい。出発階が設置階mについての平均待ち時間AWT(i,j)のみにすれば、送信データ量を少なくすることができる。
群管理制御装置10の制御部11は、設置階mについて全てのロケーションkに対して平均待ち時間AWT(i,j)を示す情報の送信が完了したか否かを判断する(S36)。群管理制御装置10の記憶部12には、例えば、各設置階に対応付けてロケーションの個数が格納されており、群管理制御装置10の制御部11は、ロケーションkの値が設置階mにおけるロケーションの個数に達したか否かを判断し、達した場合、全てのロケーションkに対して平均待ち時間AWT(i,j)を示す情報の送信が完了したと判断する。
平均待ち時間AWT(i,j)を示す情報の送信が完了していない場合(S36でNO)、群管理制御装置10の制御部11は、ロケーションkとして、現在のロケーションkに1を加算した値を設定する(S37)。
平均待ち時間AWT(i,j)を示す情報の送信が完了した場合(S36でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、設置階mとして、現在の設置階mに1を加算した値を設定する(S38)。
群管理制御装置10の制御部11は、設置階mが最上階よりも上の階か否かを判断する(S39)。
設置階mが最上階よりも上の階でない場合(S39でNO)、群管理制御装置10の制御部11は、ステップS34以後を再度実行する。
設置階mが最上階よりも上の階である場合(S39でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、ステップS31以後を再度実行する。
図7は、実施形態1における群管理制御装置による平均待ち時間AWT(i,j)の計算処理を示すフローチャートである。
群管理制御装置10の制御部11は、出発階iとして最下階を設定する(S51)。
群管理制御装置10の制御部11は、行先階jとして最下階を設定する(S52)。
群管理制御装置10の制御部11は、出発階iと行先階jとが等しいか否かを判断する(S53)。
出発階iと行先階jとが等しくない場合(S53でNO)、群管理制御装置10の制御部11は、出発階i、行先階jに関し、過去所定時間Yの待ち時間WT(t,i,j)の平均値である平均待ち時間AWT(i,j)を求める(S54)。所定時間Yは、例えば5分(300秒)である。
群管理制御装置10の制御部11は、行先階jとして、現在の行先階jに1を加算した値を設定する(S55)。
出発階iと行先階jとが等しい場合(S53でYES)、平均待ち時間AWT(i,j)を求める必要がないので、群管理制御装置10の制御部11は、ステップS54の処理をバイパスし、ステップS55の処理を実行する。
群管理制御装置10の制御部11は、行先階jが最上階よりも上の階か否かを判断する(S56)。つまり、群管理制御装置10の制御部11は、全ての階床についてステップS54の処理が完了したか否かを判断する。
行先階jが最上階よりも上の階でない場合(S56でNO)、群管理制御装置10の制御部11は、ステップS53以後の処理を再度実行する。
行先階jが最上階よりも上の階である場合(S56でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、出発階iとして、現在の出発階iに1を加算した値を設定する(S57)。
群管理制御装置10の制御部11は、出発階iが最上階よりも上の階か否かを判断する(S58)。つまり、群管理制御装置10の制御部11は、全ての階床を出発階として設定してステップS54の処理が完了したか否かを判断する。
出発階iが最上階よりも上の階でない場合(S58でNO)、群管理制御装置10の制御部11は、ステップS52以後を再度実行する。
出発階iが最上階よりも上の階である場合(S58でYES)、群管理制御装置10の制御部11は、本フローチャートによる処理を終了する。
図8は、実施形態1における行先階登録装置30による平均待ち時間AWT(i,j)の受信時の処理を示すフローチャートである。
行先階登録装置30の制御部31は、群管理制御装置から平均待ち時間AWT(i,j)を示す情報を受信したか否かを判断する(S71)。
平均待ち時間AWT(i,j)を示す情報を受信していない場合(S71でNO)、行先階登録装置30の制御部31は、ステップS71の判断を再度実行する。
平均待ち時間AWT(i,j)を示す情報を受信した場合(S71でYES)、行先階登録装置30の制御部31は、受信した平均待ち時間AWT(i,j)を示す情報を記憶部32に記憶させる(S72)。
図9は、実施形態1における行先階登録装置による表示処理を示すフローチャートである。
行先階登録装置30の制御部31は、押された数字に対応する階床を第1候補階として設定し、全ての第1候補階を第1候補階リストF[]に登録する(S91)。例えば、押された数字が1で、当該ビルが例えば13階建である場合、押された1を先頭桁の数字として含む階は、1階,10階,11階,12階,13階であり、第1候補階リストF[]=(1,10,11,12,13)と登録される。
行先階登録装置30の制御部31は、第1候補階リストF[]から取り出す候補階の番号xとして1を設定する(S92)。第1候補階リストF[]に関し、F[x]と標記することは、第1候補階リストF[]においてx番目に登録されているデータの値を示す。例えば、第1候補階リストF[]=(1,10,11,12,13)であり、5個のデータが含まれている場合において、番号xとして1を設定すると、1番目のデータである1が取り出される。これを、F[1]=1と示す。番号xとして2を設定すると、2番目のデータである10が取り出され、F[2]=10となる。
行先階登録装置30の制御部31は、当該行先階登録装置30が設置されている階床a(以下「設置階Fs」という)を出発階とし、階床F[x]を行先階とした場合の平均待ち時間AWT(Fs、F[x])が所定時間C1よりも大きいか否かを判断する(S93)。所定時間C1は、例えば60秒である。
大きい場合(S93でYES)、行先階登録装置30の制御部31は、階床F[x]を長待ち候補階リストFB[]に登録する(S94)。
行先階登録装置30の制御部31は、範囲r[]から取り出す対象の番号yとして1を設定する(S95)。本実施形態では、一例として、範囲r[]=(−1,+1)であり、2個のデータが含まれている。例えば、番号yとして1が設定されると、1番目のデータである「−1」が取り出され、r[1]=−1となり、番号yとして2が設定されると、2番目のデータである「+1」が取り出され、r[2]=+1となる。
行先階登録装置30の制御部31は、F[x]+r[y]の値を求め、F[x]+r[y]の値の階床(以下では便宜上、階床(F[x]+r[y])と示す)が、第1候補階リストF[]に含まれているか否かを判断する(S96)。
階床(F[x]+r[y])が第1候補階リストF[]に含まれていない場合(S96でNO)、行先階登録装置30の制御部31は、階床(F[x]+r[y])が登録可能階であるか否かを判断する(S97)。登録可能階とは、そのビルにおいて実在し、かつ登録可能状態にある階床である。深夜時間帯等には、行先階登録を不可能とする場合があり、これに関する判断を行うものである。
階床(F[x]+r[y])が登録可能階である場合(S97でYES)、行先階登録装置30の制御部31は、当該行先階登録装置30の設置階Fsを出発階とし、階床(F[x]+r[y])を行先階とした場合の平均待ち時間AWT(Fs、F[x]+r[y])が所定時間C2よりも小さいか否かを判断する(S98)。所定時間C2は、例えば20秒である。
平均待ち時間AWT(Fs、F[x]+r[y])が所定時間C2よりも小さい場合(S98でYES)、行先階登録装置30の制御部31は、階床(F[x]+r[y])を第2候補階として第2候補階リストFA[]に登録する(S99)。
ステップS99を実行した場合、または、階床(F[x]+r[y])が第1候補階リストF[]に含まれている場合(S96でYES)、または、階床(F[x]+r[y])が登録可能階でない場合(S97でNO)、または、平均待ち時間AWT(Fs、F[x]+r[y])が所定時間C2よりも小さくない場合(S98でNO)、行先階登録装置30の制御部31は、範囲r[]の全ての値について上記の処理が完了したか否かを判断する(S100)。
範囲r[]の全ての値についての上記の処理が完了していない場合(S100でNO)、行先階登録装置30の制御部31は、番号yとして、現在の番号yに1を加算した値を設定し(S101)、ステップS96以後の処理を実行する。
範囲r[]の全ての値についての上記の処理が完了した場合(S100でYES)、行先階登録装置30の制御部31は、第1候補階リストF[]に登録されている全ての第1候補階について上記の処理が完了したか否かを判断する(S102)。
第1候補階リストF[]に登録されている全ての第1候補階についての上記の処理が完了していない場合(S102でNO)、行先階登録装置30の制御部31は、番号xとして、現在の番号xに1を加算した値を設定し(S103)、ステップS93以後の処理を実行する。
第1候補階リストF[]に登録されている全ての第1候補階についての上記の処理が完了した場合(S102でYES)、行先階登録装置30の制御部31は、第1候補階リストF[]及び第2候補階リストFA[]に登録されている全ての候補階を表示する(S104)。また、その際、長待ち候補階リストFB[]に登録されている第1候補階については、背景色の濃度を濃くする。
3.作用
本実施形態では、エレベータの利用者が行先階登録装置30の操作部35のテンキーに対して行先階等の階床を指定する操作を行うと、当該操作されたテンキーが示す数を先頭桁として含む階床をそれぞれ第1候補階として設定し、全ての第1候補階及び各第1候補階についての待ち時間に関する情報を表示する。
前述の図4を参照して説明する。例えば、図4(a)に示す状態において、表示部34(操作部35)に表示されている「1」のキーに対してタッチ操作が行われると、図4(b)に示すように、テンキーの上方に、“1_”という入力した数字に対応する文字と、「1」を先頭桁として含む第1候補階の階床オブジェクトが表示される。本例では、前述のように13階建てのビルを前提としており、そのため、第1候補階として1階、10階、11階、12階、13階を示す階床オブジェクトが表示されている。ここで、本例では、1階及び10階の平均待ち時間AWT(i,j)が60秒よりも長く、かつ2階及び9階の平均待ち時間AWT(i,j)が20秒よりも短いものと仮定している。そのため、1階及び10階が長待ち候補階として設定され、1階及び10階のオブジェクトの背景色が濃くなっている。また、隣接する階床である2階及び9階の平均待ち時間AWT(i,j)は20秒よりも小さいため、2階及び9階が第2候補階として設定され、第2候補階である2階及び9階を示す階床オブジェクトが表示されている。結果として、表示部34(操作部35)には、第1候補階及び第2候補階の1階、2階、9階、10階、11階、12階、13階を示す階床オブジェクトが表示される。
上記のような表示によると、利用者は、目的階である10階への待ち時間が長く、一方で隣接階である9階や11階への待ち時間は短いことを認識することができる。したがって、利用者は、例えば9階または11階までエレベータで移動して、9階または11階から10階までは階段を利用するなどの経路をとること等の判断が可能となる。
ここで、利用者は、行先階呼びを登録してもエレベータがなかなか到着しない場合、エレベータ利用を諦め、階段を利用する場合がある。この場合、登録された行先階呼びは無駄呼びとして残り、エレベータの運行効率を低下させる。しかし、本実施形態では、行先階登録装置30の表示部34を見ただけで待ち時間の目安がわかるため、長い待ち時間を嫌う利用者は、行先階登録装置を操作することなく、階段を利用する可能性が高くなる。そのため、利用者における長待ちのストレスの軽減、及び無駄呼びの低減が期待できる。
4.まとめ
(1)実施形態1におけるエレベータの表示システムは、複数台の号機を乗場行先階登録に基づいて運行するエレベータシステムにおける表示システムである。
表示システムは、
表示部34と、表示部34の近傍に設けられ、階床を指定するためのテンキーを有する操作部35と、を有する行先階登録装置30(表示装置)と、
行先階登録装置30(表示装置)の設置階に他の階床を行先階とする号機が到着するまでの平均待ち時間AWT(i,j)(待ち時間)を求める群管理制御装置10(制御装置)と、を備える。
群管理制御装置10(制御装置)は、行先階として設置階以外の各階床を順次設定することで、平均待ち時間AWT(i,j)(待ち時間)を、設置階以外の全ての階床について求める。
行先階登録装置30(表示装置)は、
操作部35のテンキーが操作されたときに、当該操作されたテンキーが示す数を先頭桁として含む階床をそれぞれ第1候補階として設定し、
全ての第1候補階及び各第1候補階についての待ち時間に関する情報を表示する。
これにより、エレベータの利用者が行先階登録装置30(表示装置)の操作部35のテンキーに対して行先階等の階床を指定する操作を行うと、当該操作されたテンキーが示す数を先頭桁として含む階床がそれぞれ第1候補階として設定され、全ての第1候補階及び各第1候補階についての待ち時間に関する情報とが表示される。そのため、エレベータの利用者は、自己の行先階のみならずそれに近い階床についてのエレベータが到着するまでの待ち時間の目安を知ることができる。よって、利用者は、エレベータの到着までの時間に応じた適切な対応を取ることが可能となる。
(2)実施形態1において、
行先階登録装置30(表示装置)は、
全ての第1候補階のうちの上下方向の端の第1候補階の平均待ち時間AWT(i,j)(待ち時間)が所定時間C1(第1所定時間)よりも長い場合、
前記全ての候補階のいずれにも該当しない階床であって前記端の第1候補階に隣接する所定階床数分の階床のうち、平均待ち時間AWT(i,j)(待ち時間)が所定時間C2(第2所定時間)よりも短い階床について、第2候補階として設定し、
全ての第2候補階及び各第2候補階についての待ち時間に関する情報を表示する。
これにより、利用者に対してより多くの候補階を提示でき、よって、利用者は、エレベータの到着までの時間に応じた適切な対応を取ることが可能となる。
(3)実施形態1において、
行先階登録装置30(表示装置)は、
全ての候補階について、それぞれ、階床を示す階床オブジェクトを表示し、かつ、
各階床の階床オブジェクトの表示色の態様を、各階床の待ち時間に応じた態様に設定する。
これにより、利用者に、直感的に待ち時間の長短を把握させることができる。
(4)実施形態1において、
群管理制御装置10(制御装置)は、エレベータの運行状況を示す情報に基づいて複数台のエレベータ60の運行をシミュレーションすることにより、各平均待ち時間AWT(i,j)(待ち時間)を求める。
これにより、実際の運行状況に応じた待ち時間に関する情報を表示できる。そのため、利用者においてより適切な判断を行うことができるようになる。
(5)実施形態1において、
群管理制御装置10(制御装置)は、
行先階登録装置30(表示装置)の設置階に他の階床を行先階とする号機が到着するまでの待ち時間WT(t,i,j)を求め、
行先階として設置階以外の各階床を順次設定することで、待ち時間WT(t,i,j)を、設置階以外の全ての階床について求め、
各待ち時間は、過去所定時間Yに求められた複数の待ち時間WT(t,i,j)の平均値である平均待ち時間AWT(i,j)である。
これにより、一時的な変動等に左右されない待ち時間に関する情報を利用者に提供することができる。
(6)実施形態1の行先階登録システムは、
実施形態1の表示システムを有し、
行先階登録装置30(表示装置)は、操作部35で行先階が指定された場合、指定された行先階をいずれかの号機に割当てることを依頼する信号を、前記複数台の号機の運行を制御する群管理制御装置10(装置)に出力する。
これにより、利用者において、行先階登録装置30の表示部34の待ち時間に関する表示に基づいて行先階の登録を行うことができるようになる。
(7)実施形態1において、
行先階登録装置30(表示装置)は、行先階登録装置30(表示装置)の画面においてユーザによりタッチされた位置に対応する信号を出力可能であり、
行先階登録装置30(表示装置)は、
全ての候補階について、それぞれ、階床を示す階床オブジェクトを表示し、かつ、
各階床の階床オブジェクトの表示色の態様を、各階床の待ち時間に応じた態様に設定し、
いずれかの階床オブジェクトがタッチされ、またはタッチ後に確定操作が行われた場合、タッチされた階床オブジェクトに対応する候補階を行先階として設定し、当該行先階をいずれかの号機に割当てることを依頼する信号を出力する。
これにより、利用者において、行先階の登録を迅速に行うことができるようになる。
(8)実施形態1のエレベータシステムは、
複数台の号機と、
実施形態1の行先階登録システムと、を有する。
これにより、複数台のエレベータを有するエレベータシステムにおいて、上記の作用及び効果が得られる。
(その他の実施形態)
前記実施形態では、本発明の表示装置として、行先階登録装置30を例示した。しかし、本発明の表示装置は、行先階登録装置30とは別に設けられた表示装置であってもよい。
前記実施形態では、第2候補階を設定可能な範囲r[]として、r[]=(−1,+1)が設定されている場合について説明した。しかし、範囲r[]として、r[]=(−2,−1,+1,+2)が設定されてもよい。この場合、−2、−1、+1、+2の±2階床について、第2候補階として設定可能となる。また、範囲r[]として、r[]=(−3,−2,−1,+1,+2,+3)が設定されてもよい。この場合、−3,−2,−1,+1,+2,+3の±3階床について、第2候補階として設定可能となる。あるいは、範囲r[]として、r[]=(−2,−1,+1)、r[]=(−3,−2,−1,+1)等のように上下方向で非対称に設定してもよい。階段を利用する場合、下方向の移動は容易であるが、上方向の移動は躊躇する場合があるからである。
また、第1候補階リストF[]に登録されている第1候補階だけでなく、範囲r[]に基づいて設定される各階床(F[x]+r[y])に関しても、図9のステップS93と同様の判断を行ってもよい。そして、平均待ち時間AWT(Fs、F[x]+r[y])が所定時間C1よりも大きい場合には、平均待ち時間AWT(Fs、F[x]+r[y])が所定時間C2以下となるまで、繰り返し、上記の第2候補階を設定可能な範囲r[]の上限値を1ずつ加算し、あるいは下限値を1ずつ減算して、範囲r[]を拡大するようにしてもよい。
前記実施形態では、行先階登録装置30の制御部31は、平均待ち時間AWT(i,j)を、60秒未満か否かの2段階に区分し、第1候補階を示す階床オブジェクトを、区分に応じた2段階の濃度により表示する。しかし、行先階登録装置30の制御部31は、平均待ち時間AWT(i,j)に応じて、段階的でなく連続的に濃度を変更してもよい。
あるいは、行先階登録装置30の制御部31は、平均待ち時間AWT(i,j)そのものの値を示す数字を、対応する階床の階床オブジェクトに対応付けて表示してもよい。あるいは、待ち時間WT(t,i,j)そのものの値を示す数字を、対応する階床の階床オブジェクトに対応付けて表示してもよい。
前記実施形態では、制御部11、31、41は、CPU、MPU等を利用して構成され、記憶部12、32、42から読み出したプログラムに基づいて種々のデータ等を利用して演算処理を行うことにより、各種の機能を実現している。つまり、各制御部11、31、41は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現されている。しかし、各制御部11、31、41は、例えば、ハードウェア(電子回路)のみ、FPGA、ASIC等を利用して構成してもよい。
10 群管理制御装置
11 制御部
12 記憶部
13 入出力インタフェース
30 行先階登録装置
31 制御部
32 記憶部
33 入出力インタフェース
34 表示部
35 操作部
40、40A〜40C エレベータ制御装置
41 制御部
42 記憶部
43 入出力インタフェース
60、60A〜60C エレベータ

Claims (8)

  1. 複数台の号機を乗場行先階登録に基づいて運行するエレベータシステムにおける表示システムであって
    表示部と、前記表示部の近傍に設けられ、階床を指定するためのテンキーを有する操作部と、を有する表示装置と、
    前記表示装置の設置階に他の階床を行先階とする号機が到着するまでの待ち時間を求める制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、行先階として前記設置階以外の各階床を順次設定することで、前記待ち時間を、前記設置階以外の全ての階床について求め、
    前記表示装置は、
    前記操作部のテンキーが操作されたときに、当該操作されたテンキーが示す数を先頭桁として含む階床をそれぞれ第1候補階として設定し、
    全ての第1候補階及び各第1候補階についての待ち時間に関する情報を表示する、
    表示システム。
  2. 前記表示装置は、
    全ての第1候補階のうちの上下方向の端の第1候補階の待ち時間が第1所定時間よりも長い場合、
    前記全ての候補階のいずれにも該当しない階床であって前記端の第1候補階に隣接する所定階床数分の階床のうち、待ち時間が第2所定時間よりも短い階床について、第2候補階として設定し、
    全ての第2候補階及び各第2候補階についての待ち時間に関する情報を表示する、
    請求項1に記載の表示システム。
  3. 前記表示装置は、
    全ての候補階について、それぞれ、階床を示す階床オブジェクトを表示し、かつ、
    各階床の階床オブジェクトの表示色の態様を、各階床の待ち時間に応じた態様に設定する、
    請求項1または請求項2に記載の表示システム。
  4. 前記制御装置は、エレベータの運行状況を示す情報に基づいて前記複数台のエレベータの運行をシミュレーションすることにより、各待ち時間を求める、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示システム。
  5. 前記制御装置は、
    前記表示装置の設置階に他の階床を行先階とする号機が到着するまでの待ち時間を求め、
    行先階として前記設置階以外の各階床を順次設定することで、前記待ち時間を、前記設置階以外の全ての階床について求め、
    各待ち時間は、過去所定時間に求められた複数の待ち時間の平均値である、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示システム。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の表示システムを有し、
    前記表示装置は、前記操作部で行先階が指定された場合、指定された行先階をいずれかの号機に割当てることを依頼する信号を、前記複数台の号機の運行を制御する装置に出力する、
    行先階登録システム。
  7. 前記操作部は、前記表示装置の画面においてユーザによりタッチされた位置に対応する信号を出力可能であり、
    前記表示装置は、
    全ての候補階について、それぞれ、階床を示す階床オブジェクトを表示し、かつ、
    各階床の階床オブジェクトの表示色の態様を、各階床の待ち時間に応じた態様に設定し、
    いずれかの階床オブジェクトがタッチされ、またはタッチ後に確定操作が行われた場合、タッチされた階床オブジェクトに対応する候補階を行先階として設定し、当該行先階をいずれかの号機に割当てることを依頼する信号を出力する、
    請求項6に記載の行先階登録システム。
  8. 複数台の号機と、
    請求項6または請求項7に記載の行先階登録システムと、を有する、
    エレベータシステム。
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