JP2017178454A - 葡萄の香り保持方法および葡萄中の香気成分の低減抑制方法 - Google Patents

葡萄の香り保持方法および葡萄中の香気成分の低減抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】葡萄特有の香りを保持することが可能な葡萄の保存技術を提供する。【解決手段】合成樹脂フィルムからなる包装袋内に葡萄を収容した後、前記包装袋を密封することにより、前記葡萄の香りを保持する方法であって、23℃、50%RHにおける前記合成樹脂フィルムの葡萄100gあたりの酸素透過量が、2cc/100g・m2・day・atm以上200cc/100g・m2・day・atm以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、葡萄の香り保持方法および葡萄中の香気成分の低減抑制方法に関する。
葡萄は、嗜好性の高い香りを放つ果実の1種である。一方で、葡萄は、他の果物類と比べて鮮度劣化が生じやすく、貯蔵性の低い果物の1種としても知られている。そのため、収穫後の葡萄を保管する技術については、葡萄の貯蔵性を向上させることを目的に、これまでに種々の検討がなされている。
たとえば、特許文献1には、葡萄とともに、脱酸素剤を、23℃における酸素透過度が3800cc/m・day・atmであるフィルムにより密封包装し、−2℃で保存した場合、2か月間その品質を維持することができたことを示す実験結果が記載されている。また、同文献には、脱酸素剤を同封することなく密封包装した葡萄を−2℃で2か月間保存した場合、カビや割れ等の外観不良が一部の葡萄に発生したことを示す実験結果も記載されている。
特開平6−46749号公報
しかしながら、本発明者らは、従来の葡萄の保存手法について、以下のような課題があることを見出した。
すなわち、本発明者らは、従来の手法で収穫後の葡萄を保存した場合、収穫直後に放っていた葡萄特有の香りが消失してしまっている場合があることを知見した。つまり、本発明者らは、従来の保存手法について、葡萄の香りという観点において、十分にその品質を保持できていない可能性があることを見出した。
また、本発明者らは、従来の葡萄の保存手法について、以下の点で改善の余地があると考えた。
特許文献1の記載からも分かるように、従来の手法で葡萄を保存する場合、脱酸素剤を用いることなく葡萄の良好な品質を保持できる期間は、せいぜい1か月程度であった。
ここで、葡萄は、一般に、夏から秋にかけて収穫される果実として知られている。くわえて、葡萄1品種単位の収穫期間は、一般に、2〜3週間程度であるとされている。一方で、良好な品質の葡萄に関する需要は、たとえば、年末年始等の端境期においてもある。
こうした事情を踏まえて、本発明者らは、従来の葡萄の保存手法について、長期保存安定性という観点において、改善の余地があると考えた。
本発明は、葡萄特有の香りを保持することが可能な葡萄の保存技術を提供する。
本発明によれば、合成樹脂フィルムからなる包装袋内に葡萄を収容した後、前記包装袋を密封することにより、前記葡萄の香りを保持する方法であって、
前記合成樹脂フィルムの23℃、50%RHにおける葡萄100gあたりの酸素透過量が、2cc/100g・m・day・atm以上200cc/100g・m・day・atm以下である、葡萄の香り保持方法が提供される。
また、本発明によれば、合成樹脂フィルムからなる包装袋内に葡萄を収容した後、前記包装袋を密封することにより、前記葡萄中に含まれるリナロール濃度の低減を抑制する方法であって、
前記合成樹脂フィルムの23℃、50%RHにおける葡萄100gあたりの酸素透過量が、2cc/100g・m・day・atm以上200cc/100g・m・day・atm以下である、葡萄中のリナロール濃度の低減抑制方法が提供される。
さらに、本発明によれば、合成樹脂フィルムからなる包装袋内に葡萄を収容した後、前記包装袋を密封することにより、前記葡萄中に含まれる酢酸エチルおよび/または酪酸エチルの濃度の低減を抑制する方法であって、
前記合成樹脂フィルムの23℃、50%RHにおける葡萄100gあたりの酸素透過量が、2cc/100g・m・day・atm以上200cc/100g・m・day・atm以下である、葡萄中の酢酸エチルおよび/または酪酸エチルの濃度の低減抑制方法が提供される。
本発明によれば、葡萄特有の香りを保持することが可能な葡萄の保存技術を提供することができる。
<葡萄の香り保持方法>
本実施形態に係る葡萄の香り保持方法(以下、本保持方法ともいう。)は、合成樹脂フィルムからなる包装袋内に葡萄を収容した後、包装袋を密封することにより葡萄を保存する手法である。そして、本保持方法においては、23℃、50%RHにおける葡萄100gあたりの酸素透過量が、2cc/100g・m・day・atm以上200cc/100g・m・day・atm以下となるように制御された合成樹脂フィルムからなる包装袋を用いて葡萄を保存することを特徴としている。こうすることで、葡萄特有の香りを保持することが可能となる。特に、本保持方法については、実施例に後述するように、少なくとも2か月から4か月の間は、葡萄特有の香りを保持できることが確認された。このことから、本保持方法によれば、従来の方法と比べて、長期間、葡萄特有の香りを保持することが可能である。
なお、合成樹脂フィルムの23℃、50%RHにおける葡萄100gあたりの酸素透過量は、以下の方法で算出することができる。まず、23℃、50%RHにおける合成樹脂フィルムの酸素透過量[cc/m・day・atm]を、モコン(MOCON)社製の酸素透過率測定装置(オキシトラン(登録商標)OX−TRAN 2/21)を使用し、JIS K7126−2における付属書Bに準じて測定する。次に、上述した方法で得られた合成樹脂フィルムの酸素透過量[cc/m・day・atm]に関する測定値を、包装袋内に収容する葡萄の重量で除し、算出された値に、100を乗ずる。こうすることで、本実施形態に係る合成樹脂フィルムの23℃、50%RHにおける葡萄100gあたりの酸素透過量[cc/100g・m・day・atm]を算出することができる。
ここで、本保持方法により、その香りを保持できる葡萄の品種としては、特に限定されない。葡萄の品種の系統で言うならば、緑系葡萄、赤系葡萄、黒系葡萄等の種々の葡萄に対して適用可能である。また、葡萄の香りの成分で言うならば、リナロールを主な香気成分として含む葡萄(この葡萄は典型的にはマスカット香を放つ)や、酢酸エチルや酪酸エチル等のエステル系化合物による香りを放つ品種等が挙げられる。
上述した緑系葡萄としては、シャインマスカット、マスカット・オブ・アレキサンドリア、ネオ・マスカット等が挙げられる。また、赤系葡萄としてはゴルビー、安芸クイーン、クイーンニーナ等が、黒系葡萄としては巨峰、ピオーネ等が挙げられる。
上述したリナロールを主な香気成分として含む葡萄(典型的にはマスカット香を放つ)の品種としては、たとえば、糖度が高い、皮ごと食することが可能である、脱粒が起こりにくいため貯蔵性に優れている等の特徴を有した品種として知られているシャインマスカット等が挙げられる。なお、緑系葡萄は、典型的にはリナロールを主な香気成分として含む。
上述した酢酸エチルや酪酸エチル等のエステル系化合物による香りを放つ品種としては、たとえば、糖度が高い、酸含量が低い、噛み切りやすく硬い肉質である、優れた食味である等の特徴を有した品種として知られているクイーンニーナ等が挙げられる。なお、赤系葡萄および黒系葡萄は、典型的にはエステル系化合物を主な香味成分として含む。
本発明者らは、葡萄特有の香りを保持することが可能な保存方法を確立すべく鋭意検討した。その結果、本発明者らは、23℃、50%RHにおける葡萄100gあたりの酸素透過量が、2cc/100g・m・day・atm以上200cc/100g・m・day・atm以下となるように制御された合成樹脂フィルムからなる包装袋を用いることが、設計指針として有効であることを見出した。なお、本保持方法は、いわゆる、MA(Modified Atmosphere)包装と呼ばれる技術を利用して葡萄を保存する手法である。
以下、本実施形態に係る葡萄の香り保持方法について、その手法を詳細に説明する。
まず、本保持方法においては、葡萄を収容するために用いる包装袋を準備する。
具体的には、本保持方法においては、23℃、50%RHにおける葡萄100gあたりの酸素透過量が、2cc/100g・m・day・atm以上200cc/100g・m・day・atm以下となるように制御された合成樹脂フィルムからなる包装袋を準備する。このように、23℃、50%RHという条件で測定した葡萄100gあたりの酸素透過量が上記数値範囲内となるように制御された合成樹脂フィルムからなる包装袋を用いることで、葡萄特有の香りが保存時に消失してしまうことを抑制できる。その理由は明らかではないが、上述した葡萄100gあたりの酸素透過量が特定の条件を満たすように制御された合成樹脂フィルムからなる包装袋を用いることで、従来の保存方法と比べて、保存状態にある葡萄の呼吸量を抑えることができているためであると考えられる。なお、本保持方法に係る包装袋を構成する合成樹脂フィルムの詳細については後述する。また、本保持方法において準備する包装袋の形状は、特に限定されるものではない。
本保持方法において準備する包装袋のサイズは、特に限定されず、かかる包装袋内に収容する葡萄の量に応じて適宜選択することが好ましい。たとえば、収容する葡萄の量が340g以上700g以下、より具体的には490g以上700g以下である場合には、外寸が300mm×400mmである矩形状の包装袋を用いることが好ましい。収容する葡萄の量が800g以上900g以下である場合には、外寸が400mm×600mmである矩形状の包装袋を用いることが好ましい。
次に、準備した包装袋内に所定量の葡萄を収容する。このとき収容する葡萄は、出来る限り、収穫してから時間が経過していないものであることが好ましい。また、包装袋内に収容する葡萄は、保管時に腐敗することを防ぐ観点から、事前に殺菌処理を施したものであることが好ましい。なお、かかる殺菌処理は、公知の方法で実施することができる。
次に、所定量の葡萄が収容された包装袋を密封することにより、葡萄入りの包装体を作製する。本保持方法においては、包装袋を密封するために、開口部にヒートシール処理を施してもよいし、結束帯、輪ゴム、かしめ等の部材を用いてもよい。中でも、保存状態にある葡萄の呼吸量を適切に制御する観点から、包装袋の密封するために、ヒートシール処理を施すことが好ましい。
次に、作製した葡萄入り包装体を保存する。本保持方法において上記包装体の保存は、保存対象物である葡萄の成熟を遅延させる観点から、遮光条件下で実施することが好ましい。また、上記包装体の保存温度は、葡萄の鮮度を保持する観点から、好ましくは、−1℃以上20℃以下であり、さらに好ましくは、0℃以上15℃以下であり、最も好ましくは、0℃以上10℃以下である。
また、マスカット香を放つことが知られているシャインマスカット等の品種を収容した包装体を保存する場合、上記包装体の保存温度は、0℃程度の低温条件で包装体を保存した後に、10℃程度の温度に変動させてもよい。その他、クイーンニーナ等についても、同様の保存条件が適用されうる。
以下、本保持方法に係る包装袋を構成する合成樹脂フィルムの詳細について説明する。
本保持方法において使用する合成樹脂フィルムの23℃、50%RHにおける葡萄100gあたりの酸素透過量は、2cc/100g・m・day・atm以上200cc/100g・m・day・atm以下であるが、好ましくは、3cc/100g・m・day・atm以上198cc/100g・m・day・atm以下であり、さらに好ましくは、4cc/100g・m・day・atm以上195cc/100g・m・day・atm以下であり、最も好ましくは、4.5cc/100g・m・day・atm以上192cc/100g・m・day・atm以下である。合成樹脂フィルムの23℃、50%RHにおける葡萄100gあたりの酸素透過量が上記下限値以上となるように制御することで、保存期間中に葡萄が酸素欠乏症になることを防ぐことができる。一方、合成樹脂フィルムの23℃、50%RHにおける葡萄100gあたりの酸素透過量が上記上限値以下となるように制御することで、保存対象である葡萄について、香り、食味、および外観という観点において良好な品質を保持することができる。
また、本保持方法において使用する合成樹脂フィルムは、40℃、90%RHにおける葡萄100gあたりの水蒸気透過量が、0.1g/100g・m・day以上4g/100g・m・day以下となるように制御されたものであることが好ましく、0.2g/100g・m・day以上3.8g/100g・m・day以下となるように制御されたものであるとより好ましく、0.4g/100g・m・day以上3.4g/100g・m・day以下となるように制御されたものであるとさらに好ましい。合成樹脂フィルムの40℃、90%RHにおける葡萄100gあたりの水蒸気透過量が上記下限値以上となるように制御することで、保存期間中に葡萄が腐敗してしまうことを防ぐことができる。一方、合成樹脂フィルムの40℃、90%RHにおける葡萄100gあたりの水蒸気透過量が上記上限値以下となるように制御することで、保存対象である葡萄について、香り、食味、および外観という観点において良好な品質を保持することができる。
なお、合成樹脂フィルムの40℃、90%RHにおける葡萄100gあたりの水蒸気透過量は、以下の方法で算出することができる。まず、40℃、90%RHにおける合成樹脂フィルムの水蒸気透過量[g/m・day]を、モコン(MOCON)社製の水蒸気透過度測定装置(PERMATRAN−W 3/33)を使用して、JIS K7126−2に準じて測定する。次に、上述した方法で得られた合成樹脂フィルムの水蒸気透過量[g/m・day]に関する測定値を、包装袋内に収容する葡萄の重量で除し、算出された値に、100を乗ずる。こうすることで、本実施形態に係る40℃、90%RHにおける合成樹脂フィルムの葡萄100gあたりの水蒸気透過量[g/100g・m・day]を算出することができる。
また、本保持方法において使用する合成樹脂フィルムの厚さは、好ましくは、15μm以上60μm以下であり、さらに好ましくは、20μm以上50μm以下であり、最も好ましくは、25μm以上45μm以下である。合成樹脂フィルムの厚さが上記下限値以上であると、包装袋に十分な強度を付与することができる。一方、合成樹脂フィルムの厚さが上記上限値以下であると、製造コストを抑え実用性を確保することができる。
本保持方法において使用する合成樹脂フィルムを構成する合成樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリ乳酸等のポリエステル樹脂が挙げられる。これらはホモポリマーであってもかまわないし、2種類以上のコポリマーであってもよく、これらホモポリマーやコポリマーを2種類以上含むブレンド物であってもよい。
また、本保持方法において使用する合成樹脂フィルムは、23℃、50%RHにおける葡萄100gあたりの酸素透過量が上述した条件を満たすよう調整するために、微細孔が設けられたものであってもよい。上記微細孔の数は、葡萄の保存に使用する包装袋を構成する合成樹脂フィルムに関する酸素透過性能が上述した特定の条件を満たすのであれば、限定されないが、たとえば、1包装体あたり、1個以上としてもよい。一方、微細孔の数の上限値は、たとえば、20個以下としてもよいし、10個以下としてもよい。
また、本保持方法において使用する合成樹脂フィルムに微細孔が設けられている場合、かかる微細孔の孔径は、保存状態にある葡萄の呼吸量を適切に制御する観点から、好ましくは、5μm以上150μm以下であり、さらに好ましくは、5μm以上100μm以下であり、最も好ましくは、10μm以上70μm以下である。
ここで、本保持方法において使用する合成樹脂フィルムの製造方法は、以下の3つの条件に係る各種因子を高度に制御することが特に重要である。すなわち、以下の3つの条件に係る各種因子を高度に制御する製造方法によって得られた合成樹脂フィルムを用いることで、初めて、葡萄特有の香りを保持するために有用な包装袋を作製することができる。なお、本保持方法において使用する合成樹脂フィルムは、以下の3つの条件に係る各種因子を高度に制御しさえすれば、その他の公知の製造条件を組み合わせることにより、作製することができる。
(1)合成樹脂フィルムを形成するために用いる樹脂材料の組み合わせ
(2)合成樹脂フィルムの層構成と、合成樹脂フィルムを構成する各層の厚みとのバランス
(3)微細孔の有無
具体的には、実施例にて後述する。
<葡萄中のリナロール濃度の低減抑制方法>
本実施形態に係る葡萄中のリナロール濃度の低減抑制方法は、合成樹脂フィルムからなる包装袋内に葡萄を収容した後、包装袋を密封することにより葡萄を保存する手法である。そして、本実施形態に係る葡萄中のリナロール濃度の低減抑制方法においては、合成樹脂フィルムの23℃、50%RHにおける葡萄100gあたりの酸素透過量が、2cc/100g・m・day・atm以上200cc/100g・m・day・atm以下となるように制御された包装袋を用いて葡萄を保存することを特徴としている。こうすることで、マスカット香を放つ葡萄の保存時に、該葡萄から香りが消失してしまうことを抑制することができる。言い換えれば、本実施形態に係る葡萄中のリナロール濃度の低減抑制方法によれば、たとえば、シャインマスカットなどの、リナロールを主な香気成分として含むマスカット香を放つ品種の葡萄を保存した場合に、その香りを保持することが可能となる。
<葡萄中の酢酸エチルおよび/または酪酸エチルの濃度の低減抑制方法>
また、本実施形態に係る葡萄中の酢酸エチルおよび/または酪酸エチルの濃度の低減抑制方法は、合成樹脂フィルムからなる包装袋内に葡萄を収容した後、包装袋を密封することにより葡萄を保存する手法である。そして、本実施形態に係る葡萄中の酢酸エチルおよび/または酪酸エチルの濃度の低減抑制方法においては、合成樹脂フィルムの23℃、50%RHにおける葡萄100gあたりの酸素透過量が、2cc/100g・m・day・atm以上200cc/100g・m・day・atm以下となるように制御された包装袋を用いて葡萄を保存することを特徴としている。こうすることで、エステル系化合物を主な香味成分として含む葡萄の保存時に、該葡萄から香りが消失してしまうことを抑制することができる。言い換えれば、本実施形態に係る葡萄中の酢酸エチルおよび/または酪酸エチルの濃度の低減抑制方法によれば、たとえば、クイーンニーナなどの、エステル系化合物を主な香気成分として含む品種の葡萄を保存した場合に、その香りを保持することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<包装袋の準備>
実施例及び比較例に係る包装袋を、それぞれ以下の方法で4個ずつ準備した。
・実施例1の包装袋
延伸ナイロン(ユニチカ社製、ON)に対して、直鎖状低密度ポリエチレン(三井化学東セロ社製、TUXTNF)を押出しラミネート加工することにより、上記延伸ナイロンからなるナイロン層と、上記直鎖状低密度ポリエチレンからなる直鎖状低密度ポリエチレン層とが、厚み方向に積層されたフィルムを準備した。なお、上記フィルムにおける各層の厚さは、ナイロン層が15μmであり、直鎖状低密度ポリエチレン層が25μmであった。
次に、準備したフィルムに対して、1mあたり5個ずつ孔径10μmの微細孔を穿孔することにより、実施例1の合成樹脂フィルムを得た。得られた合成樹脂フィルムの23℃、50%RHにおける酸素透過量は、33.0cc/m・day・atmであった。また、得られた合成樹脂フィルムの40℃、90%RHにおける水蒸気透過量は、16.4g/m・dayであった。なお、上述した酸素透過量および水蒸気透過量の測定方法は、後述する。
次に、合成樹脂フィルムを30cm×40cmのサイズに切り出した後、2枚のフィルムを重ね合わせ、ポリシーラーを用いて三方にヒートシール加工を施して10mm幅の熱シール部分を形成することにより、実施例1の包装袋を作製した。得られた包装袋の外寸は、30cm×40cmであり、内寸は、28cm×39cmであった。
・実施例2の包装袋
延伸ナイロン(ユニチカ社製、ON)に対して、直鎖状低密度ポリエチレン(三井化学東セロ社製、TUXTNF)を押出しラミネート加工することにより、上記延伸ナイロンからなるナイロン層と、上記直鎖状低密度ポリエチレンからなる直鎖状低密度ポリエチレン層とが、厚み方向に積層されたフィルムを準備した。なお、上記フィルムにおける各層の厚さは、ナイロン層が15μmであり、直鎖状低密度ポリエチレン層が25μmであった。
次に、準備したフィルムに対して、1mあたり7個ずつ孔径70μmの微細孔を穿孔することにより、実施例2の合成樹脂フィルムを得た。得られた合成樹脂フィルムの23℃、50%RHにおける酸素透過量は、780cc/m・day・atmであった。また、得られた合成樹脂フィルムの40℃、90%RHにおける水蒸気透過量は、16.4g/m・dayであった。
その後、合成樹脂フィルムを30cm×40cmのサイズに切り出した後、2枚のフィルムを重ね合わせ、ポリシーラーを用いて三方にヒートシール加工を施して10mm幅の熱シール部分を形成することにより、実施例2の包装袋を作製した。得られた包装袋の外寸は、30cm×40cmであり、内寸は、28cm×39cmであった。
・実施例3の包装袋
厚さ40μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学社製、AF642)を準備した。
次に、準備した2軸延伸ポリプロピレンフィルムに対して、1mあたり5個ずつ孔径10μmの微細孔を穿孔することにより、実施例3の合成樹脂フィルムを得た。得られた合成樹脂フィルムの23℃、50%RHにおける酸素透過量は、938cc/m・day・atmであった。また得られた合成樹脂フィルムの40℃、90%RHにおける水蒸気透過量は、3.1g/m・dayであった。
その後、合成樹脂フィルムを30cm×40cmのサイズに切り出した後、2枚のフィルムを重ね合わせ、ポリシーラーを用いて三方にヒートシール加工を施して10mm幅の熱シール部分を形成することにより、実施例3の包装袋を作製した。なお、上記包装袋の外寸は、30cm×40cmであり、内寸は、28cm×39cmであった。
・比較例1の包装袋
比較例1の包装袋として、宇部フィルム社製、co−op キッチン用ポリ袋を準備した。かかる包装袋の外寸は、25cm×35cmであり、内寸は、21cm×33cmであった。
実施例および比較例の包装袋を作製するために準備した合成樹脂フィルムのガス透過性(酸素透過量および水蒸気透過量)は、以下の方法で測定した。
・23℃、50%RHにおける合成樹脂フィルムの酸素透過量:23℃、50%RHにおける合成樹脂フィルムの酸素透過量は、モコン(MOCON)社製の酸素透過量測定装置(オキシトラン(登録商標)OX−TRAN 2/21)を使用して、JIS K7126−2における付属書Bに準じて測定した。なお、単位は、cc/m・day・atmである。
・40℃、90%RHにおける合成樹脂フィルムの水蒸気透過量:40℃、90%RHにおける合成樹脂フィルムの水蒸気透過量は、モコン(MOCON)社製の水蒸気透過度測定装置(PERMATRAN−W 3/33)を使用して、JIS K7126−2に準じて測定した。なお、単位は、g/m・dayである。
上記で得られた包装袋を用いて、葡萄(シャインマスカットおよびクイーンニーナ)の保存試験を行った。この保存試験の手順および結果を以下に示す。
<葡萄(シャインマスカット)の準備>
以下の方法で、収穫してから一日経過したシャインマスカットを房単位で準備した。なお、準備したシャインマスカットの重量は、いずれも、一房あたり490g〜700gであった。
腐敗、傷等がない外観が良好なシャインマスカットのみを房単位で複数購入した。次に、購入したシャインマスカットについて、次亜塩素酸ナトリウムを用いて殺菌処理を施した。このようにして、後述する葡萄入り包装体を作製するために用いるシャインマスカットを房単位で準備した。
次に、準備したシャインマスカットの中から、任意に4房選んで、1房当たり2粒ずつサンプリングした。次いで、サンプリングした合計8粒のシャインマスカットを、果皮ごと果肉を刻んで得られたものを、8粒分まとめてバルクとし、液体窒素によって凍結させた。これを、後述するリナロール濃度の測定に用いる、保存試験前サンプルとした。このサンプルは、リナロール濃度を測定する直前まで−80℃において保管した。
<葡萄(シャインマスカット)入り包装体の作製>
準備したシャインマスカットを、実施例1〜3および比較例1の包装袋それぞれに対して、1房ずつ収容した。次いで、実施例1〜3の包装袋については、未だ熱シール部分が形成されていない一方に、ポリシーラーを用いてヒートシール加工を施すことにより2mm幅の熱シール部分を形成した。こうすることで、1房のシャインマスカットが内部に密封された実施例1〜3に係る葡萄入り包装体を4つずつ作製した。なお、実施例1〜3の葡萄入り包装体には、いずれの包装体についても、該包装体において熱シール部分が形成されていない領域に、1包装体あたり、1個の微細孔が穿孔されていることを確認した。
一方、1房のシャインマスカットを収容した比較例1の葡萄入り包装袋については、これを葡萄入り包装体として、密封することなく、後述する保存試験に用いた。
<葡萄(シャインマスカット)の保存試験>
上述した方法で4個ずつ作製した実施例1〜3および比較例1に係る葡萄入り包装体を、遮光された0℃の冷蔵庫に4か月間保存した。その結果、実施例1〜3および比較例1に係る葡萄入り包装体が有するシャインマスカットは、4か月間保存した場合においても、外観に大きな変化は見られなかった。また、実施例1〜3の葡萄入り包装体が有するシャインマスカットを食味試験した場合、かかるシャインマスカットは、4か月間保存した後においても、マスカット香が感じられるものであった。しかし、比較例1の葡萄入り包装体が有するシャインマスカットを食味試験した場合、かかるシャインマスカットは、マスカット香が感じられるものではなかった。なお、比較例1の葡萄入り包装体が有するシャインマスカットは、2か月保存した時点で食味試験を行った時点で、マスカット香が感じられないものとなっていた。
<葡萄(シャインマスカット)中のリナロール濃度測定>
葡萄中のリナロール濃度は、ガスクロマトグラフ質量分析計(島津製作所社製、GC−MS QP2010、GC/MS)を用いたヘッドスペース固相マイクロ抽出法により測定した。その測定方法の詳細を、以下に示す。なお、単位は、ppmである。また、検出限界は、0.01ppbであった。くわえて、上述した方法で作製した保存試験前サンプルを用いて、葡萄中のリナロール濃度を測定した所、リナロール濃度は0.116ppmであった。
まず、上述した方法で4か月間保存した葡萄入り包装体から、シャインマスカットを取り出し、果皮ごと果肉を液体窒素で凍結してホモジナイズした。次に、凍結状態にある果肉を0.5g切り出して、10mLのヘッドスペースバイアル瓶に入れた。次いで、この果肉入りバイアル瓶に対して、100μL/Lの1−ペンタノール水溶液5μLと、飽和硫酸アンモニウム水溶液0.5mLを添加することにより、測定サンプルを準備した。なお、測定サンプルは、分析する直前まで−20℃で保管した。また、上記測定サンプルは、準備した1包装体ごとに作製した。そのため、下記表1には、各測定サンプルに関する定量結果の平均値を測定結果として示す。
次に、SPMEファイバー(Polymethylsiloxane/divinylbenzene(PDMS/DVB))を用い、準備した測定サンプルから香気成分を抽出した。具体的には、以下の方法で香気成分の抽出を行った。
まず、凍結状態にある測定サンプルを氷上で融解させた。その後、バイアル瓶のヘッドスペース(気相部分)にSPMEファイバー(ガスクロマトグラフ注入口で250℃、5分間コンデショニング)を挿入し、40℃で10分間、香気成分を捕集した。このSPMEファイバーを250℃に熱したガスクロマトグラフの注入口に1分間差し込み、捕集した香気成分をSPMEファイバーから脱離させた。本実施例および比較例においては、上記香気成分中に含まれるリナロールの定量を行った。また、香気成分の定量は、内部標準法により行った。
GC/MSの分析条件は、以下の通りである。
・カラム:アジレント・テクノロジー社製、DB−WAX(長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
・オーブン温度:70℃で5分間保持し、その後、5℃/分で150℃まで昇温し、その後、5分間で190℃まで昇温した。
・キャリアガス:ヘリウム
・キャリアガス流量:0.78mL/分
・イオン化方法:70eVのEIモード
・イオンソース温度:200℃
・スキャンレンジ:m/z 35−350
Figure 2017178454
上記に示すように、葡萄100gあたりの酸素透過量を適当な値とすることで、リナロール濃度を維持、つまり葡萄(シャインマスカット)の香りを保持することができた。
<葡萄(クイーンニーナ)の準備>
収穫してから一日経過した、一房あたり480g程度のクイーンニーナを用いた以外は、前述の<葡萄(シャインマスカット)の準備>と同様にして、葡萄(エステル成分の測定に用いる保存試験前サンプルを含む)を準備した。
<葡萄(クイーンニーナ)入り包装体の作製>
準備したクイーンニーナと、前述の実施例1〜3の包装袋および比較例1の包装袋を用い、前述の<葡萄(シャインマスカット)入り包装体の作製>と同様にして葡萄入り包装体を作成した。
以下、葡萄(シャインマスカット)入り包装体と区別すべく、葡萄(クイーンニーナ)入り包装体を次のように表記する。
・前述の実施例1の包装袋で、クイーンニーナを包装した葡萄入り包装体:「実施例4の葡萄入り包装体」と表記。
・前述の実施例2の包装袋で、クイーンニーナを包装した葡萄入り包装体:「実施例5の葡萄入り包装体」と表記。
・前述の実施例3の包装袋で、クイーンニーナを包装した葡萄入り包装体:「実施例6の葡萄入り包装体」と表記。
・前述の比較例1の包装袋で、クイーンニーナを包装した葡萄入り包装体:「比較例2の葡萄入り包装体」と表記。
<葡萄(クイーンニーナ)の保存試験>
上述した方法で3個ずつ作製した実施例4〜6および比較例2に係る葡萄入り包装体を、遮光された5℃の冷蔵庫に3か月間保存した。そして、1か月ごとに包装体を一つずつ取り出し、評価を行った。
<葡萄(クイーンニーナ)中のエステル成分の濃度測定>
以下手順により、SPMEファイバーによる香気成分の抽出、GC/MSによる測定などを行い、葡萄中の酢酸エチル及び酪酸エチルの量を定量した。
まず、上述した方法で1〜3カ月間保存した葡萄入り包装体から、クイーンニーナを取り出し、果皮ごと果肉を液体窒素で凍結してホモジナイズした。次に、凍結状態にある果肉を1.0g量り取り、10mLのヘッドスペースバイアル瓶に入れた。次いで、この果肉入りバイアル瓶に対して、100μL/Lの2−オクタノール水溶液1μLと、飽和塩化ナトリウム水溶液1.0mLを添加することにより、測定サンプルを準備した。なお、測定サンプルは、分析する直前まで−30℃で保管した。
次に、SPMEファイバー(Polymethylsiloxane/divinylbenzene(PDMS/DVB))を用い、準備した測定サンプルから香気成分を抽出した。具体的には、以下の方法で香気成分の抽出を行った。
まず、凍結状態にある測定サンプルを氷上で融解させた。その後、バイアル瓶のヘッドスペース(気相部分)にSPMEファイバー(ガスクロマトグラフ注入口で250℃、5分間コンデショニング)を挿入し、40℃で10分間、香気成分を捕集した。このSPMEファイバーを250℃に熱したガスクロマトグラフの注入口に差し込み、捕集した香気成分をSPMEファイバーから2分間脱離させた(なお、この「2分間」とは、SPMEファイバーを差し込んだ時間ではなく、脱離させた実時間が2分間ということを意味する)。この実施例および比較例においては、上記香気成分中に含まれるエステル類の定量を行った。また、香気成分の定量は、2−オクタノールを標準とする内部標準法により行った。
GC/MSの分析条件は、以下の通りである。
・カラム:アジレント・テクノロジー社製、DB−WAX(長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)
・オーブン温度:40℃で5分間保持し、その後、5℃/分で160℃まで昇温し、その後、10℃/分で225℃まで昇温した。
・キャリアガス:ヘリウム
・キャリアガス流量:1.0mL/分
・イオン化方法:70eVのEIモード
・イオンソース温度:250℃
・スキャンレンジ:m/z 35−400
表2に、濃度測定の結果を示す。表2中、酢酸エチル濃度及び酪酸エチル濃度は、内部標準の2−オクタノールがGC/MSスペクトルで示すピーク面積を1としたときの値である。また、保存試験前サンプル中に含まれていた酢酸エチルおよび酪酸エチルの量(内部標準基準)は、それぞれ、2.738および1.565だった。
Figure 2017178454
<葡萄(クイーンニーナ)の食味試験結果>
実施例4〜6及び比較例2の葡萄入り包装体のクイーンニーナを食味試験した。
実施例4〜6のシャインマスカットは、2か月間保存後でも良好な食味を有し、十分に商品価値を有していた。
一方、比較例2の葡萄入り包装体のクイーンニーナについては、1か月保存時点で既に実施例4〜6と比べて食味に劣り、2か月保存時点ではクイーンニーナ特有の食味がほとんど失われていた。
上記に示すように、葡萄100gあたりの酸素透過量を適当な値とすることで、酢酸エチルや酪酸エチル等のエステル濃度を維持(場合によって増加)することができた。すなわち、葡萄(クイーンニーナ)の香りを保持することができた。

Claims (11)

  1. 合成樹脂フィルムからなる包装袋内に葡萄を収容した後、前記包装袋を密封することにより、前記葡萄の香りを保持する方法であって、
    前記合成樹脂フィルムの23℃、50%RHにおける葡萄100gあたりの酸素透過量が、2cc/100g・m・day・atm以上200cc/100g・m・day・atm以下である、葡萄の香り保持方法。
  2. 前記葡萄が緑系葡萄である、請求項1に記載の葡萄の香り保持方法。
  3. 前記葡萄がリナロールを含む葡萄である、請求項1または2に記載の葡萄の香り保持方法。
  4. 前記葡萄がシャインマスカットである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の葡萄の香り保持方法。
  5. 前記葡萄が赤系葡萄または黒系葡萄である、請求項1に記載の葡萄の香り保持方法。
  6. 前記葡萄が酢酸エチルおよび/または酪酸エチルを含む葡萄である、請求項1または5に記載の葡萄の香り保持方法。
  7. 前記葡萄がクイーンニーナである請求項1、5および6のいずれか一項に記載の葡萄の香り保持方法。
  8. 前記合成樹脂フィルムの40℃、90%RHにおける葡萄100gあたりの水蒸気透過量が、0.1g/100g・m・day以上4g/100g・m・day以下である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の葡萄の香り保持方法。
  9. 前記合成樹脂フィルムの厚さが、15μm以上60μm以下である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の葡萄の香り保持方法。
  10. 合成樹脂フィルムからなる包装袋内に葡萄を収容した後、前記包装袋を密封することにより、前記葡萄中に含まれるリナロール濃度の低減を抑制する方法であって、
    前記合成樹脂フィルムの23℃、50%RHにおける葡萄100gあたりの酸素透過量が、2cc/100g・m・day・atm以上200cc/100g・m・day・atm以下である、葡萄中のリナロール濃度の低減抑制方法。
  11. 合成樹脂フィルムからなる包装袋内に葡萄を収容した後、前記包装袋を密封することにより、前記葡萄中に含まれる酢酸エチルおよび/または酪酸エチルの濃度の低減を抑制する方法であって、
    前記合成樹脂フィルムの23℃、50%RHにおける葡萄100gあたりの酸素透過量が、2cc/100g・m・day・atm以上200cc/100g・m・day・atm以下である、葡萄中の酢酸エチルおよび/または酪酸エチルの濃度の低減抑制方法。
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