JP2017173743A - 偏光子及び偏光子の製造方法 - Google Patents

偏光子及び偏光子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017173743A
JP2017173743A JP2016062399A JP2016062399A JP2017173743A JP 2017173743 A JP2017173743 A JP 2017173743A JP 2016062399 A JP2016062399 A JP 2016062399A JP 2016062399 A JP2016062399 A JP 2016062399A JP 2017173743 A JP2017173743 A JP 2017173743A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polarizer
metal
metal linear
concave
concave grooves
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016062399A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6720625B2 (ja
Inventor
稔明 本永
Toshiaki Motonaga
稔明 本永
賀子 藤崎
Yoshiko Fujisaki
賀子 藤崎
内田 智也
Tomoya Uchida
内田  智也
洋一郎 大橋
Yoichiro Ohashi
洋一郎 大橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2016062399A priority Critical patent/JP6720625B2/ja
Publication of JP2017173743A publication Critical patent/JP2017173743A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6720625B2 publication Critical patent/JP6720625B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】ワイヤーグリッド型偏光子に関して、ワイヤーグリッド型偏光子に関して、大面積の製品を効率良く生産することができるようにする。【解決手段】入射する電磁波の透過を偏光面に応じて制限する偏光子4において、透明フィルム材による基材15の一方の面に、透過を制限する波長帯域の最短波長以下のピッチによる凹状溝11の繰り返しによる凹凸形状面が形成され、少なくとも凹状溝11間の頂部には、凹状溝11に沿って延長する金属材料による第1の金属線状部12が設けられ、第1の金属線状部12は、凹状溝11間の頂部と接する部位の幅が、凹状溝11間の頂部の幅以下であり、凹状溝11間の頂部と接する部位より遠ざかるに従って徐々に幅が増大する涙滴形状の断面形状である。【選択図】図8

Description

本発明は、ワイヤーグリッド型偏光子に関するものである。
従来、液晶表示装置では、透明電極を配置したガラス板により液晶材料を挟持して液晶セルが形成され、この液晶セルの両面に直線偏光板が配置されて液晶表示パネルが構成される。また近年、この液晶表示パネルの入射面(バックライト側面)に、反射型の直線偏光板を配置してバックライトによる照明光の利用効率を向上する工夫が図られている。
このような偏光子には、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素等を含浸させた後、延伸して作製する構成(いわゆるシート・ポラライザーである)、ワイヤーグリッド型偏光子等が利用されている。特許文献1、2には、ワイヤーグリッド型偏光子に関する工夫が提案されている。また特許文献3には、凹状溝の繰り返しによる周期構造において、凹状溝の間の凸部と凹状溝による凹部とにそれぞれ金属材料を配置してワイヤーグリッド型偏光子を構成する方法が開示されている。
ところで近年、液晶表示装置は薄型化が進んでおり、特に携帯型の液晶表示装置では、一段と薄膜化することが求められている。これにより液晶表示装置の構成部品においても、薄型化することが求められている。
しかしながらこのような液晶表示装置に適用されるシート・ポラライザーによる偏光子は、耐熱性が劣り、さらに厚みを薄くすることが困難な欠点がある。これによりシート・ポラライザーに代えてワイヤーグリッド型偏光子の利用が考えられる。しかしながら従来のワイヤーグリッド型偏光子は、生産効率が低く、かつ大面積の製品を作製することが難しく、これにより大面積の製品を効率良く生産できない問題があった。
なお延伸してワイヤーグリッド型偏光子に係る微細周期構造を作製することも考えられるものの、この場合、中央部と端部とで変形率が異なることにより、充分な精度により作製することが困難になり、また効率良く材料を使用できない問題がある。
特開2006−330521号公報 特開2012−27221号公報 米国特許第7158302号明細書
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ワイヤーグリッド型偏光子に関して、大面積の製品を効率良く生産できるようにすることを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、凹状溝の繰り返しによる周期構造を備えた凹凸形状を作製し、この凹状溝の間の頂部に第1の金属線状部を形成して偏光子を構成するようにして、少なくともこの凹状溝による周期構造を巻取体から連続的に巻出し、巻取りを行う方式(いわゆるRoll to Roll方式)による賦型処理により作製する、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1) 入射する電磁波の透過を偏光面に応じて制限する偏光子において、
透明フィルム材による基材の一方の面に、透過を制限する波長帯域の最短波長以下のピッチによる凹状溝の繰り返しによる凹凸形状面が形成され、
少なくとも前記凹状溝間の頂部には、前記凹状溝に沿って延長する金属材料による第1の金属線状部が設けられ、
前記第1の金属線状部は、
前記凹状溝間の頂部と接する部位の幅が、前記凹状溝間の頂部の幅以下であり、
前記凹状溝間の頂部と接する部位より遠ざかるに従って徐々に幅が増大する涙滴形状の断面形状である偏光子。
(1)によれば、巻取体から連続的に巻出し、巻取りを行う方式による賦型処理により凹凸形状面を作製して、大面積の製品を効率良く生産することができる。またさらにエッチング処理して形成される第1の金属線状部の断面形状を備えることにより、この場合、エッチング処理により第1の金属線状部間の間隔を拡大して特性を確保でき、充分な特性により入射光を処理することができる。
(2) (1)において、
さらに前記凹状溝の底部に、前記凹状溝に沿って延長する金属材料による第2の金属線状部が設けられた偏光子。
(2)によれば、第1及び第2の金属線状部による2層構造の金属線状部を備えた偏光子を作製することができる。
(3) (1)、(2)の何れかにおいて、前記凹状溝の延長方向が、前記基材の遅相軸方向である偏光子。
(3)によれば、金属線状部による反射及び透過を手助けする方向に基材が機能するように配置することができ、これにより一段と効率良く入射光を処理することができる。
(4) (1)、(2)、(3)の何れかにおいて、前記凹凸形状面の表面には、前記第1の金属線状部との密着力を強化する密着層が設けられた偏光子。
(4)によれば、密着層により信頼性を向上できることにより、一段と確実に、巻取体から連続的に巻出し、巻取りを行う方式による賦型処理により凹凸形状面を作製して、大面積の製品を効率良く生産することができる。
(5) 長尺透明フィルム材による基材をロールから引き出しながらロール版を使用して賦型処理して、透過を制限する波長帯域の最短波長以下のピッチによる凹状溝の繰り返しによる凹凸形状面を前記基材に作製する凹凸形状作製工程と、
前記凹凸形状面の表面に、金属材料を堆積させて、前記凹状溝の間の頂部に設けられた前記金属材料による第1の金属線状部を作製する金属線状部作製工程とを備え、
さらに前記凹凸形状面の表面に堆積した金属材料をエッチングするエッチング工程を備える偏光子の製造方法。
(5)によれば、少なくとも賦型処理して凹凸形状面を作製するようにして、この賦型処理を巻取体から連続的に巻出し、巻取りを行う方式により実行して偏光子を作製することができることにより、大面積の製品を効率良く生産することができる。またエッチング処理により金属材料を堆積して狭まった第1の金属線状部間の空隙幅を拡大して特性を確保することができ、これにより充分な特性により入射光を処理することができる。
(6) (5)において、
前記凹凸形状作製工程は、
前記凹状溝の延長方向が、前記基材の遅相軸方向であるように前記凹凸形状面を作製する偏光子の製造方法。
(6)によれば、金属線状部による反射及び透過を手助けする方向に基材が機能するように配置することができ、これにより一段と効率良く入射光を処理することができる。
本発明によれば、ワイヤーグリッド型偏光子に関して、大面積の製品を効率良く生産することができる。
本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す図である。 図1の画像表示装置に適用される偏光子を示す図である。 図2の偏光子のピッチの説明に供する図である。 図3の続きの説明に供する図表である。 図2の偏光子の製造工程を示すフローチャートである。 図5の説明に供する図である。 エッチング処理の説明に供する図である。 金属線状部の断面形状の説明に供する図である。 積層工程の説明に供する図である。 ロール版の説明に供する図である。 他の実施形態に係る偏光子を示す図である。
〔第1実施形態〕
〔画像表示装置の全体構成〕
図1は、本発明によって製造される偏光子を用いた画像表示装置を示す断面図である。この画像表示装置1は、液晶表示装置であり、液晶表示パネル2の背面にバックライト3が配置され、この液晶表示パネル2のバックライト3側に偏光子4が配置される。ここでバックライト3は、エッジライト型、直射型等、種々の構成の面光源装置を広く適用することができる。液晶表示パネル2は、直交ニコル配置又は平行ニコル配置による直線偏光板6、7により液晶セル5を挟持して構成され、液晶セル5は、透明電極を形成したガラス基板により液晶材料を挟持して形成される。これにより画像表示装置1は、液晶セル5に設けられた透明電極への印加電圧により画素単位で透過光を光強度変調して出力し、所望の画像を表示する。なおここで直線偏光板6、7は、いわゆるシート・ポラライザー型の偏光子である。
偏光子4は、ワイヤーグリッド型偏光子であり、透過軸方向と直交する偏光面による入射光を選択的に効率良く反射するいわゆる反射型の偏光子である。偏光子4は、液晶セル5の入射面側(バックライト3側)に配置された直線偏光板7の透過軸方向と、透過軸方向が一致するようにして、液晶表示パネル2とバックライト3との間に配置され、これにより画像表示装置1は、バックライト3からの照明光の利用効率を向上する。この実施形態において、偏光子4は、事前に、直線偏光板7と一体化された後、液晶表示パネル2の製造工程に提供され、これにより画像表示装置1は、偏光子4に係る組み立て作業を簡略化することができる。なおこのように直線偏光板7との一体化に代えて、別体により配置してもよい。
なおこの一体化は、偏光子4と直線偏光板7とを紫外線硬化性樹脂等による接着剤により貼り合せて実行されるものの、偏光子としての光学的機能を担う層(後述する第1及び第2の金属線状部12、13を備えた賦型樹脂層16である)のみを転写法により転写して実行するようにしてもよい。なお転写法とは、例えば基材の上に所望の層を形成する場合に、この層を直接当該基材上に形成するのでは無く、一旦、離型性の支持体上に剥離可能に該層を積層形成して転写体を作製した後、工程、需要等に応じて、該支持体上に形成した層を、最終的に該層を積層すべき基材(被転写基材)上に接着、積層し、その後、該支持体を剥離除去することにより、該基材上に所望の層を形成する方法である。
〔偏光子〕
図2は、偏光子4の構成を示す図である。偏光子4は、入射する電磁波である入射光の透過を、当該入射光の偏光面に応じて制限する偏光子である。偏光子4は、透過を制御する波長帯域で透明な透明部材10の表面に、一定のピッチPにより凹状溝11が繰り返し設けられ、この凹状溝11の延長方向と直交する方向への繰り返しの凹凸形状による周期構造が設けられる。
偏光子4は、この周期構造に係る凹状溝11間の凸部の頂部に、金属材料が配置され、これにより前記凹状溝に沿って延長する金属材料による第1の金属線状部が設けられる。また凹状溝11による凹部の底面部に同一の金属材料が配置され、凹状溝に沿って延長する金属材料による第2の金属線状部13が設けられる。偏光子4は、この第1及び第2の金属線状部12及び13の繰り返しピッチP(凹状溝11の繰り返しピッチである)が、この偏光子4により透過を制御する波長帯域である可視光域の最短波長λmin以下のピッチP(P≦<λmin)により作製される。これにより偏光子4は、凹状溝11間の頂部に設けられた第1の金属線状部12と、凹状溝11の底面に設けられた第2の金属線状部13とによる2層構造により金属線状部12、13が形成され、偏光子として機能するように構成される。なおこの実施形態において、可視光域は、波長780nm以下380nm以上の範囲である。
ここでこの凹状溝11の繰り返しによる凹凸形状は、平坦な部位を間に挟んで、断面矩形形状による凹状溝11が作製され、これにより偏光子4は、凸部の頂部及び凹部の底面部がそれぞれ平坦面により作製されて、この頂部及び底面部に一定の厚みT1及びT2により金属材料を配置して第1及び第2の金属線状部12及び13が形成される。これにより第1及び第2の金属線状部12、13は、それぞれ凸部の頂部形状、凹部の底面部形状に対応して凸部の頂部側及び凹状溝の底面側が平坦面により形成される。しかしながら凸部の頂部及び又は凹部の底面部にあっては、例えば断面円弧形状等により形成してもよく、種々の形状を広く適用することができ、またこれにより第1及び第2の金属線状部12及び13は、凸部の頂部形状、凹部の底面部形状に応じた種々の形状を適用することができる。またこれに対応して金属線状部12及び13は、凸部の頂部側とは逆側、凹部の底面部側とは逆側にあっても、種々の形状を適用することができる。
しかしながら単純に、このように透過を制御する波長帯域の最短波長λmin以下のピッチPにより凹状溝11を繰り返して第1及び第2の金属線状部12、13の2層構造により偏光子4を形成したのでは、この偏光子4が透過を制御する波長帯域である可視光域の広い波長域で十分に透過率を確保できなくなる。より具体的に、透過率の波長分散が大きくなり、その結果、短波長側で透過率が低下する。
ここで図3は、このような第1及び第2の金属線状部12、13による2層構造により偏光子において、ピッチPの変化による透過率Tp(透過軸方向)の波長分散特性を示す特性曲線図である。なおこの図3の特性曲線図及び以下に説明する各種の特性は、Rsoftsy社製の光学計算用シミュレーションソフト「DiffractMOD」を使用して計算したものである。
この図3において、符号L1は、ピッチPを100nmとした場合であり、第1の金属線状部12間の空隙幅S(図6(E)参照)を40nmとし、ピッチPに対する空隙幅Sの比率S/Pを0.4とし、凹状溝11の深さDを100nm、金属線状部12、13の厚みT1及びT2を40nmとした例である。なおここで凹状溝11の深さDは、後述する密着層等設けた場合には、この密着層等を含む溝全体の深さであり、第1及び第2の金属線状部12、13の底面間の間隔である。またこの実施形態において、金属線状部12、13の厚みT1、T2は、溝幅方向において最も厚みの厚い部位を、金属線状部の延長方向の複数個所で計測した計測結果の平均値である。またこの実施形態において、第1の金属線状部12間の空隙幅S等あっても、同様の複数個所の計測値の平均値である。
これに対して符号L2は、ピッチPを64nmとし、ピッチPに対する第1の金属線状部12間の空隙幅Sの比率S/Pを0.3とし、凹状溝11の深さDを75nmとしたものであり、これら以外は、符号L1の構成と同一である。これに対して符号L3は、ピッチPを64nmとし、ピッチPに対する第1の金属線状部12間の空隙幅Sの比率S/Pを0.4としたものであり、これら以外は、符号L2の構成と同一である。また符号L4は、ピッチPに対する第1の金属線状部12間の空隙幅Sの比率S/Pを0.5としたものであり、符号L5は、比率S/Pを0.6としたものであり、これら以外は、符号L2の構成と同一である。なおこれらの構成において、透明部材10には、紫外線硬化性樹脂(屈折率n=1.51、消衰係数k=0.00:at550nm)を適用し、金属線状部12、13に係る金属材料はアルミニウム(屈折率n=0.75、消衰係数k=5.44:at550nm)を適用した。
この図3の計測結果によれば、可視光域の最短波長以下の100nmにピッチPを設定した場合、短波長側で透過率の急激な低下が観察され、これにより透過率に関して波長分散特性の劣化が観察される。しかしながらピッチPが64nmの場合、このような透過率に関する波長分散特性の劣化が解消され、また図3には示されていないものの、反射率においても波長分散特性の劣化が解消され、さらにはこの図3に示す偏光成分と偏光面が直交する偏光成分に係る透過率においても波長分散特性の劣化が解消される。これらにより2層構造により金属線状部12、13を形成した偏光子において、単純に、透過を制御する波長帯域の最短波長λmin以下のピッチPにより凹状溝11を繰り返しただけでは、可視光域の広い波長域で十分に透過率を確保できないことが判る。またピッチPを64nmとするとこのような短波長側における特性の劣化が解消されることが判る。
図4は、この図3の計測結果を考慮して、さらにピッチP等を可変した場合の計測結果を示す図表である。この図4の各偏光子においては、図3について上述したと同様の材料及び構成により透明部材及び金属線状部を作製した。ここで偏光子No.1〜5及び偏光子No.6、7は、それぞれピッチPを40nm及び60nmとした場合であり、ピッチPに対する第1の金属線状部12間の空隙幅Sの比率S/Pは0.4とした。凹状溝11は深さDを40nm(No.1)、60nm(No.2、No.4〜No.7)、80nm(No.3)とし、金属線状部12、13の厚みT(=T1、T2)を16nm(No.1〜3、No.6)、32nm(No.4、7)、48nm(No.5)とした。
図3の計測結果を参考にこの図4の計測結果を判断すれば、ピッチPが64nm以下である場合には、透過率に関する波長分散特性の劣化を実用上十分に解消できることが判る。またこのピッチPを前提に、ピッチPに対する第1の金属線状部12間の空隙幅Sの比率S/Pを0.4として、波長400nm、600nm、800nmにおける透過率Tpを80%以上とすることができ、これにより透過軸方向における透過率にあっても、実用上十分な特性を確保することができ、これらにより可視光域の広い波長帯域で十分に透過率を確保できることが確認される。なおこの図4では、短波長側の計測波長を400nmとしているものの、可視光域の最短波長である380nmにおいても、この図4の波長400nmにおける計測結果とほぼ同等の透過率が計測された。
ここでこの図4では、ピッチPに対する第1の金属線状部12間の空隙幅Sの比率S/Pを0.4とした偏光子の計測結果を表しているものの、ピッチPに対する第1の金属線状部12間の空隙幅Sの比率S/Pにあっては、0.3以上0.5以下により作製して、好ましは0.35以上0.45以下により作製して、同様に、可視光域の広い波長帯域で十分に透過率を確保することができる。また同様に、ピッチPは80nm以下として、好ましくは70nm以下として、より好ましくは50nm以下として、透過率に関する波長分散特性の劣化を実用上十分に解消することができる。
またこの計測結果においては、金属線状部12、13の厚みTが16nmの場合には、透過軸方向と直交する方向についての透過率Tsが10%以上であるものが、厚みTが32nm,48nmの場合(No.4、5、7)には、急激に透過率Tsが減少する。これにより金属線状部12、13は、厚み32nm以上により作製することが好ましい。なお金属線状部12、13の厚みの最大値は、凹状溝11の深さDである。このように厚みTを32nm以上により作製することにより、金属線状部12、13の延長方向が偏光面である入射光の透過率Tsを1.3%以下とすることができる。
またこの計測結果において、偏光子No.1〜3においては、ピッチP、比率S/P、金属線状部12、13の厚みTが等しい場合にあって、凹状溝11の深さDの変化により透過軸方向と直交する方向についての透過率Tsが大きく変化する。これにより凹状溝11は深さDを60nm以上120nmにより作製することが望ましいものの、金属線状部12、13の繰り返し方向に係る透過率Tを充分に確保し、さらには可視光域において充分な特性を確保する観点からは、深さDは、70nm以上100nm以下が望ましく、より好ましくは、75nm以上85nm以下であることが望ましい。
これらによりこの実施形態では、第1及び第2の金属線状部12、13による2層構造を前提に、ピッチPを80nm以下により偏光子4を作製する。またピッチPに対する第1の金属線状部12間の空隙幅Sの比率S/Pを0.3以上0.5以下により偏光子4を作製する。
偏光子4は、透明フィルム材による基材15に、透明部材10に係る賦型樹脂層16が設けられ、この賦型樹脂層16の賦型処理により凹状溝11に係る周期構造が形成される。またこの周期構造が作製されてなる面に、蒸着、スパッタリング、電界メッキ、無電解メッキ等により金属層が作製されて金属線状部12、13が作製される。偏光子4は、この基材15が紫外線硬化性樹脂等の接着剤層により直線偏光板7に貼り付けられて一体化されて保持される。なおこれとは逆向きに、金属線状部12側より直線偏光板7に貼り付けて保持するようにしてもよい。またこのように基材15側、又はこれとは逆側を直線偏光板7側として、直線偏光板7と別体に配置するようにしてもよい。
ここでこの基材15は、延伸して作製される樹脂材料による透明フィルム材が適用され、この延伸による光学異方性の発現により、延伸方向の屈折率が延伸方向と直交する方向に比して増大する樹脂材(すなわち延伸方向が遅相軸方向である樹脂材)が適用される。なおこのような樹脂材料は、正の複屈折性を示す樹脂材料であり、例えばPET(ポリエチレンテレフタラート)樹脂等である。また、COP(シクロオレフィンポリマー)フィルム、TAC(トリアセチルセルロース)フィルム、ポリイミドフィルム、PEN(ポリエチレンナフタレート)が挙げられる。但し、製造工程におけるエッチング処理においてWetプロセスを適用する場合は、吸水による体積変化が大きいことによりTACフィルムは好ましくない。また転写法により賦型樹脂層16、第1及び第2の金属線状部12、13のみ直線偏光板7に配置してもよく、この場合、基材15には、PETフィルム、ポリオレフィンフィルム、離型層付フィルム等、製造工程での意図しない剥離が生じない範囲で各種基材を適用可能である。
偏光子4は、この基材15の遅相軸方向に対して、第1及び第2の金属線状部12、13の延長方向が平行となるように形成される。ここでこのように設定すれば、基材15においては、金属線状部12、13で反射する偏光成分に対して面内方向の屈折率が最も大きい向きであることにより、金属線状部12、13で反射する偏光成分を、最も効率良く反射する向きに基材15が配置されることになる。またこれにより金属線状部12、13で透過する偏光成分に対しては、界面反射が最も小さくなる向きに基材15が配置されることになり、金属線状部12、13を透過する偏光成分を最も効率良く透過する向きに基材15が配置されることになる。
これらにより偏光子4は、金属線状部12、13による反射及び透過を、基材15の反射及び透過によりそれぞれ手助けするように配置される。なお偏光子4の反射光は、バックライト3に戻り、バックライトにおける内部反射等により偏光面が変化して偏光子4に再入射することになり、これによりバックライト光の利用効率を向上することができる。
賦型樹脂層16は、賦型処理可能な各種の硬化性樹脂を適用することができるものの、この実施形態では紫外線硬化性樹脂が適用される。なお基材15を加熱して軟化させた状態で賦型用金型に押圧して賦型処理してもよく、この場合、賦型樹脂層16は、基材15により構成されることになる。
なお賦型樹脂層16の表面には、金属線状部12、13との密着性を向上するために密着層を設けるようにしてもよい。この密着層は特に制限されないが、主としてSi又はその化合物を適用することができ、SiO(xは1以上2以下)、SiC、などが好ましい。なお、これらは、例えばスパッタリング等の表面処理により作製することができる。密着層の厚さは2nm以上30nm以下であることが好ましく、2nm以上10nm以下であることがより好ましい。
金属線状部12、13に係る金属材料は、例えば各種の導体に係る金属、合金、金属化合物等を広く適用することができるものの、アルミニウム、ニッケル、クロム、銀の何れかによる金属、これら何れかの金属による合金、これら金属の化合物を適用することが望ましい。なお透過を制限する電磁波を効率良く反射する観点からは、アルミニウム、ニッケル、銀等の反射率の高い金属、合金、化合物を適用することが望ましく、可視光に対しては特にアルミニウムが好ましい。またこれとは逆に、透過を制限する電磁波の反射を抑圧する観点からは、クロム等の反射率の低い金属、合金、化合物を適用することが望ましい。
金属線状部12、13は、複数の層構造により作製してもよい。このような層構造により作製することにより、例えば金属線状部12、13の上下から入射する入射光に対して特性を異ならせ、金属線状部12、13の両面の色合いを異ならせたりすることができる。
なお金属線状部12、13の作製においては、蒸着、スパッタリングにより作製することができ、さらには化学気相成長、原子層堆積法等の適用も可能である。
〔製造工程〕
図5は、偏光子4の製造工程を示すフローチャートである。この製造工程は、ロールに巻き取った長尺透明フィルム材により基材15が提供される。この製造工程は、ロールより基材15を引き出して搬送しながら、凹凸形状作製工程SP2により、基材15の表面に凹凸形状を作製する。
より具体的に、この凹凸形状作製工程では、図6(A)に示すように、始めに、基材15に紫外線硬化性樹脂の塗工液を塗工した後、周側面に微細凹凸形状が作製されている賦型用金型であるロール版に基材15を押圧して搬送しながら、紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させ、その後、硬化した紫外線硬化性樹脂を基材15と一体にロール版より剥離する。これによりこの工程では、図6(B)に示すように、ロール版の周側面に形成された微細凹凸形状を転写して、基材15の表面に、凹状溝11の繰り返しによる凹凸形状を作製する。この実施形態では、円周方向に延長する向きにより凸条が作製されてなるロール版30を使用して凹状溝11を作製し、これにより基材15の長手方向に延長するように凹状溝11を作製することにより、この基材15の遅相軸方向に対して、凹状溝11の延長方向が平行となるようにし、基材15の遅相軸方向に対して、第1及び第2の金属線状部12、13の延長方向が平行となるように形成される。
続いて偏光子4の製造工程は、必要に応じて密着層作製工程SP3が設けられ、この密着層作製工程SP3において、このようにして作製した凹凸形状による賦型樹脂層16の表面に密着層17を作製する(図6(C))。より具体的に、この実施形態では、スパッタリングによりSiO層を作製する。
続いてこの製造工程は、金属線状部作製工程SP4において、蒸着、スパッタリング等により、図6(D)に示すように、凹状溝11が作製されてなる凹凸形状面の全面に、金属材料を堆積させる。ここでこのように凹状溝11が作製されてなる凹凸形状面に金属材料を堆積させる場合、この凹凸形状に係る凹状溝11間である頂部においては、到来する金属材料が順次堆積して第1の金属線状部12が形成されることになる。これに対して凹状溝11に到来する金属材料においては、凹状溝11に侵入して底面に堆積し、その結果、第2の金属線状部13が形成されることになる。これによりこの実施形態では、第1及び第2の金属線状部12、13を作製する。
このようにして金属材料を堆積して第1及び第2の金属線状部12、13を作製すると、続いてこの製造工程は、エッチング工程SP5により隣接する第1の金属線状部12間の空隙幅Sを拡大する。
すなわちこのように蒸着、スパッタリング等により金属材料を堆積する場合、第1及び第2の金属線状部12、13の間の、凹状溝11の壁面にも金属材料が付着することになるものの、この壁面に付着する金属材料は、極めて少量であって厚みが薄く、これにより金属材料層として機能することなく、金属線状部12、13は、幅方向について、隣接する金属線状部12、13との間で絶縁性が担保され、偏光子4においては、偏光面による透過率の選択性が担保される。
しかしながら例えば蒸着により金属材料を堆積させる場合にあっては、図6(E)により示すように、第1の金属線状部12において、厚み方向だけでなく、幅方向にも金属材料が成長し、その結果、第1の金属線状部12間の空隙幅Sが極端に低下する恐れがある。このように空隙幅Sが極端に低下すると、第1の金属線状部12おける開口率(金属線状部12の繰り返し方向に係る空隙幅Sの占める割合)が低下し、その結果、透過率が低下することになる。
これによりこの実施形態では、エッチング液を使用したエッチングにより開口率を増大させる。図7(A)及び(B)は、このエッチングによる特性の変化を示す特性曲線図である。この図7において、Tp、Tsは、それぞれ透過軸方向及び吸収軸方向の透過率であり、Rp、Rsは、それぞれ透過軸方向及び吸収軸方向の反射率である。またピッチPを64nm、凹状溝11は深さDを60nm、金属線状部12、13の厚みT(=T1、T2)を40nm、空隙幅Sを30nmにより作製した例である。なお金属材料はアルミニウムである。図7(A)は、隣接する第1の金属線状部12間の空隙幅Sが最少部分で20nmであり、この例では透過軸方向の透過率Tpの波長による変化が著しく、また透過率自体も小さいことが判る。また透過軸方向の反射率Rpも大きいことが判る。
これに対して図7(B)は、この図7(A)の構成の偏光子を、濃度0.01mol/lの水酸化ナトリウム水溶液によるエッチング液(温度23度)に40±5秒の範囲で浸漬したものである。これにより隣接する第1の金属線状部12間の空隙幅Sは最少部分が36〜40nmに変化し、また厚みTは、元の厚みから−3nm未満の範囲に変化した。この図7(B)によれば、特性が向上し、可視光域の広い波長域で十分に透過率を確保できることが判る。なおエッチング処理では、金属線状部12の厚みTも減少することになるものの、この厚みTの減少に比して空隙幅Sをいち早く広げることができる。しかしながらエッチング時間が余りに長いと、第2の金属線状部13の厚みが薄くなって光学特性が劣化し、特に吸収軸方向の反射率Rsが急激に低下する。しかしながら余りにエッチング時間が短いと、透過軸方向の透過率Tpが低下する。これによりエッチング時間は、濃度0.005mol/l以上0.015mol/l以下の水酸化ナトリウム水溶液により液温15度以上34度以下でエッチングする場合、10秒以上60秒以下であることが望ましい。
なおこのようなウエットエッチングに代えて、いわゆるドライエッチングにより空隙幅Sを広げるようにしてもよい。また実用上充分に空隙幅Sが確保されている場合には、エッチング工程を省略してもよい。なおこのエッチング工程により、凹状溝11の壁面に付着した金属材料も全部又は一部が除去され、これにより第1及び第2の金属線状部12、13間の絶縁性を向上して特性を向上することができる。
なおこのエッチング処理により、図8に示すように、第1の金属線状部12は、エッチングの進行により幅方向に厚みが徐々に低下し、これにより密着層17と接する部位の幅が、凹状溝間の頂部の幅以下であり、かつ密着層17と接する部位より遠ざかるに従って徐々に幅が増大する涙滴形状の断面形状により形成される。なお、凹状溝内の底部に存在する金属線状部13は断面視において円弧状の凹状の窪みが形成されている。ここで金属線状部の涙滴形状とは、図8の断面視において、全体が円弧で形成されており、密着層17側の金属線状部の基部の幅に比べて、それより上部の幅が広く膨らんだ紡錘形状を意味するものである。
エッチングにおいては、このようにして作製された金属線状部12の全周をほぼ均一にエッチングすることにより、密着層17と接する部位の幅が、凹状溝間の頂部の幅以下であり、また、好ましくは凹状溝間の頂部の幅より狭く、かつ密着層17と接する部位より遠ざかるに従って徐々に幅が増大する涙滴形状の断面形状により第1の金属線状部12が作製される。なおこれによりこのような涙滴形状により作製されている場合、エッチング処理の実施を確認することができる。なおエッチング時間が長くなれば、第2の金属線状部13もエッチングにより厚みが薄くなるものの、この場合、中央部程、厚みが薄くなる。
このようにして金属線状部12、13を作製すると、この製造工程は、ロールに巻き取って偏光子巻取体が作製され、この偏光子巻取体が続く処理工程に搬送されて直線偏光板との一体化処理、切断処理等が実行される。なお偏光子4を所望の形状に切断した後、直線偏光板7と一体化してもよい。
〔積層工程〕
ここでシート・ポラライザーによる直線偏光板7は、延伸して作製され、その結果、ロールにより提供される直線偏光板7の巻取体36は、図9において矢印により透過軸方向を示すように、幅方向が透過軸方向となる。この実施形態では、図6の製造工程において、円周方向に延長する向きにより凸条が作製されてなるロール版30を使用して凹状溝11を作製して、基材15の長手方向に延長するように凹状溝11を作製することにより、基材15の遅相軸方向に対して、第1及び第2の金属線状部12、13の延長方向が平行となるように形成し、これにより基材15の幅方向が透過軸方向となるように長尺フィルム形状により偏光子4を作製する。
積層工程は、この長尺フィルム形状による偏光子4の巻取体35から偏光子4を引き出して搬送しながら、直線偏光板巻取体36から同様の長尺フィルム形状による直線偏光板7を引き出して積層一体化し、その後、液晶セル5への配置に適した長方形形状にシートカットする。
このように、直線偏光板の透過軸方向に対応するように透過軸方向を設定して転写フィルム、偏光子を作製するようにして、長尺フィルム形状の状態で直線偏光板と積層一体化した後、シートカットすることにより、一段と効率良く生産することができる。
〔ロール版〕
図10は、ロール版の説明に供する図である。ロール版30は、周側面に微細凹凸形状が作製された賦型用金型であり、凹状溝11に対応する凸条による微細凹凸形状が周側面に形成されている。この実施形態において、この凸条は、円周方向に延長するように、凹状溝11の溝幅に対応する幅により形成され、これにより賦型処理して基材15の長手方向に延長するように凹状溝11が作製される。
ロール版30は、切削加工が容易な金属材料による円筒形状又は円柱形状により母材31が形成され、この実施形態では、銅のパイプ材が母材31に適用される。この製造工程は、平滑化工程において、バイトを使用した母材31の周側面の切削処理により母材31の周側面を平滑化した後、電解溶出作用と、砥粒による擦過作用の複合による電解複合研磨法により母材31の周側面を超鏡面化する。
続いてこの製造工程は、切削工程において、母材31を切削装置に装着した後、バイト32の先端を母材31の周側面に押し当て、この状態で矢印Bにより示すように母材31を回転させながら、矢印Cにより示すようにバイト32を母材31の管軸に沿った方向に移動させ、これにより母材31の周側面をらせん状に切削加工する。これによりこの製造工程は、円周方向に延長する断面矩形形状による、凹状溝に対応する凸条を母材31の周側面に作製する。なおバイト32は、同時並列的に複数の凹状溝を作製可能に、先端が櫛歯状に形成されており、これによりこの工程では、ロール版の作製に要する時間を短縮する。なおこのような微細な櫛歯形状によるバイト32の作製方法は、特に限定されないが、一般にこれらを達成する微細精密加工法として知られる高エネルギ線加工やリソグラフィ加工、化学的Et又は精密切削法を適宜選択し、またこれらを自由に組み合わせて作製する事ができる。
以上の構成によれば、巻取体から連続的に巻出し、巻取りを行う方式による賦型処理により凹凸形状面を作製して充分な信頼性を確保することができ、これにより大面積の製品を効率良く生産することができる。
また第1の金属線状部が、徐々に幅が増大する涙滴形状の断面形状であることにより、金属材料を堆積して第1の金属線状部を作製して、第1の金属線状部間の間隔が狭まって充分な特性を確保できない場合に、エッチングにより第1の金属線状部間の間隔を拡大して特性を確保していることになり、これにより充分な特性により入射光を処理することができる。
またさらに凹状溝の底部に、凹状溝に沿って延長する金属材料による第2の金属線状部が設けられていることにより、第1及び第2の金属線状部による2層構造の金属線状部を備えた偏光子を作製することができる。
また凹状溝の延長方向が、基材の遅相軸方向であることにより、金属線状部による反射及び透過を手助けする方向に基材が機能するように配置することができ、これにより一段と効率良く入射光を処理することができる。
また基材をロールから引き出しながらロール版を使用して賦型処理して凹凸形状面を作製した後、金属材料を堆積させて第1の金属線状部を作製することにより、少なくとも賦型処理して凹凸形状面を作製するようにして、この賦型処理を巻取体から連続的に巻出し、巻取りを行う方式により実行して偏光子を作製することができることにより、大面積の製品を効率良く生産することができる。
また凹凸形状面の表面に堆積した金属材料をエッチングするエッチング工程を設ることにより、金属材料を堆積して狭まった第1の金属線状部間の間隔を拡大して開口率を確保することができ、これにより充分な特性により入射光を処理することができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を種々に組み合わせ、さらには上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、断面矩形形状により凹状溝を作製する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図11(A)に示すように、対向する壁面が先細りのテーパ面である断面楔形形状により凹状溝を作製するようにしてもよく、また図11(B)により示すように、全体が正弦波形状による凹凸面形状となる断面形状により凹状溝を作製してもよく、種々の形状を適用することができる。
また上述の実施形態では、第1及び第2の金属線状部による2層構造により偏光子を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1の金属線状部のみによる1層構造により偏光子を作製してもよい。なおこの場合、上述の実施形態に比して凹状溝の溝幅に比して凹状溝の深さを深くしたり、金属材料の堆積方向を変更したりすることにより、凹状溝間の頂部に比して凹状溝内に堆積する金属材料を低減し、これにより第1の金属線状部に比して薄い厚みにより第2の金属線状部を作製する。その後、エッチング処理することにより、第2の金属線状部を除去し、かつ第1の金属線状部が取り残されるようにして偏光子を作製することができる。
また上述の実施形態では、液晶表示装置に関して、液晶セルとバックライトとの間に本発明に係る偏光子を配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば金属線状部を多層により作製して充分に反射率を抑圧するようにして、液晶セルを構成する直線偏光板に代えて配置するようにしてもよい。
また上述の実施形態では、液晶表示装置に係る画像表示装置に本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、プロジェクタによる画像表示装置に適用してもよく、種々の構成に広く適用することができる。
1 画像表示装置
2 液晶表示パネル
3 バックライト
4 偏光子
5 液晶セル
6、7 直線偏光板
10 透明部材
11 凹状溝
12、13 金属線状部
15 基材
16 賦型樹脂層
17 密着層
30 ロール版

Claims (6)

  1. 入射する電磁波の透過を偏光面に応じて制限する偏光子において、
    透明フィルム材による基材の一方の面に、透過を制限する波長帯域の最短波長以下のピッチによる凹状溝の繰り返しによる凹凸形状面が形成され、
    少なくとも凹状溝間の頂部には、前記凹状溝に沿って延長する金属材料による第1の金属線状部が設けられ、
    前記第1の金属線状部は、
    前記凹状溝間の頂部と接する部位の幅が、前記凹状溝間の頂部の幅以下であり、
    前記凹状溝間の頂部と接する部位より遠ざかるに従って徐々に幅が増大する涙滴形状の断面形状である
    偏光子。
  2. さらに前記凹状溝の底部に、前記凹状溝に沿って延長する金属材料による第2の金属線状部が設けられた
    請求項1に記載の偏光子。
  3. 前記凹状溝の延長方向が、前記基材の遅相軸方向である
    請求項1、請求項2の何れかに記載の偏光子。
  4. 前記凹凸形状面の表面には、前記第1の金属線状部との密着力を強化する密着層が設けられた
    請求項1、請求項2、請求項3の何れかに記載の偏光子。
  5. 長尺透明フィルム材による基材をロールから引き出しながらロール版を使用して賦型処理して、透過を制限する波長帯域の最短波長以下のピッチによる凹状溝の繰り返しによる凹凸形状面を前記基材に作製する凹凸形状作製工程と、
    前記凹凸形状面の表面に、金属材料を堆積させて、前記凹状溝の間の頂部に設けられた前記金属材料による第1の金属線状部を作製する金属線状部作製工程とを備え、
    さらに前記凹凸形状面の表面に堆積した金属材料をエッチングするエッチング工程を備える
    偏光子の製造方法。
  6. 前記凹凸形状作製工程は、
    前記凹状溝の延長方向が、前記基材の遅相軸方向であるように前記凹凸形状面を作製する
    請求項5に記載の偏光子の製造方法。
JP2016062399A 2016-03-25 2016-03-25 偏光子及び偏光子の製造方法 Active JP6720625B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016062399A JP6720625B2 (ja) 2016-03-25 2016-03-25 偏光子及び偏光子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016062399A JP6720625B2 (ja) 2016-03-25 2016-03-25 偏光子及び偏光子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017173743A true JP2017173743A (ja) 2017-09-28
JP6720625B2 JP6720625B2 (ja) 2020-07-08

Family

ID=59971084

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016062399A Active JP6720625B2 (ja) 2016-03-25 2016-03-25 偏光子及び偏光子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6720625B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017173742A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 大日本印刷株式会社 偏光子の製造方法
JP2020041724A (ja) * 2018-09-07 2020-03-19 富士電機株式会社 蒸気生成ヒートポンプ装置

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005195824A (ja) * 2004-01-07 2005-07-21 Asahi Kasei Chemicals Corp ワイヤグリッド型偏光子
JP2007057971A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Nippon Zeon Co Ltd グリッド偏光フィルム
JP2008242447A (ja) * 2007-02-27 2008-10-09 Nippon Zeon Co Ltd グリッド偏光子
JP2009053574A (ja) * 2007-08-29 2009-03-12 Nippon Zeon Co Ltd 偏光照明装置
JP2009103747A (ja) * 2007-10-19 2009-05-14 Nippon Zeon Co Ltd グリッド偏光フィルムの製造方法
JP2009223222A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Hitachi Maxell Ltd ワイヤグリッド偏光子の製造方法、ワイヤグリッド偏光子および投射型液晶表示装置
JP2010060636A (ja) * 2008-09-01 2010-03-18 Hitachi Maxell Ltd 偏光子の製造方法、偏光子および投射型液晶表示装置
JP2012523582A (ja) * 2009-04-10 2012-10-04 エルジー イノテック カンパニー リミテッド ワイヤグリッド偏光子、これを含む液晶表示装置、3次元立体映像ディスプレイ装置およびワイヤグリッド偏光子の製造方法
JP2015148666A (ja) * 2014-02-05 2015-08-20 旭化成イーマテリアルズ株式会社 偏光分離素子及びその製造方法、偏光ビームスプリッタ、ならびに偏光変換素子

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005195824A (ja) * 2004-01-07 2005-07-21 Asahi Kasei Chemicals Corp ワイヤグリッド型偏光子
JP2007057971A (ja) * 2005-08-25 2007-03-08 Nippon Zeon Co Ltd グリッド偏光フィルム
JP2008242447A (ja) * 2007-02-27 2008-10-09 Nippon Zeon Co Ltd グリッド偏光子
JP2009053574A (ja) * 2007-08-29 2009-03-12 Nippon Zeon Co Ltd 偏光照明装置
JP2009103747A (ja) * 2007-10-19 2009-05-14 Nippon Zeon Co Ltd グリッド偏光フィルムの製造方法
JP2009223222A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Hitachi Maxell Ltd ワイヤグリッド偏光子の製造方法、ワイヤグリッド偏光子および投射型液晶表示装置
JP2010060636A (ja) * 2008-09-01 2010-03-18 Hitachi Maxell Ltd 偏光子の製造方法、偏光子および投射型液晶表示装置
JP2012523582A (ja) * 2009-04-10 2012-10-04 エルジー イノテック カンパニー リミテッド ワイヤグリッド偏光子、これを含む液晶表示装置、3次元立体映像ディスプレイ装置およびワイヤグリッド偏光子の製造方法
JP2015148666A (ja) * 2014-02-05 2015-08-20 旭化成イーマテリアルズ株式会社 偏光分離素子及びその製造方法、偏光ビームスプリッタ、ならびに偏光変換素子

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017173742A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 大日本印刷株式会社 偏光子の製造方法
JP2020041724A (ja) * 2018-09-07 2020-03-19 富士電機株式会社 蒸気生成ヒートポンプ装置
JP7135618B2 (ja) 2018-09-07 2022-09-13 富士電機株式会社 蒸気生成ヒートポンプ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6720625B2 (ja) 2020-07-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6063386B2 (ja) ワイヤグリッド偏光板及び投影型映像表示機器
JP6175972B2 (ja) 光学フィルム、画像表示装置、光学フィルム用転写体、光学フィルムの製造方法及び光学フィルム用転写体の製造方法
JP6171707B2 (ja) 光学フィルム用転写体、光学フィルム、光学フィルム用転写体の製造方法、光学フィルムの製造方法
JP5876441B2 (ja) 画像表示装置
JP2010085990A (ja) ワイヤグリッド偏光板
JP2017173743A (ja) 偏光子及び偏光子の製造方法
JP2010049017A (ja) 吸収型ワイヤグリッド偏光子の製造方法
JP6794645B2 (ja) 偏光子及び画像表示装置
JP5291424B2 (ja) 吸収型ワイヤグリッド偏光子及び液晶表示装置
JP2016191805A (ja) 偏光子、偏光子の製造方法及び液晶表示装置
JP2017173742A (ja) 偏光子の製造方法
JP5368011B2 (ja) 吸収型ワイヤグリッド偏光子
JP2018155795A (ja) 光学位相差部材、偏光変換素子、テンプレート及び光学位相差部材の製造方法
JP2016110077A (ja) 偏光子、偏光子の製造方法、液晶表示装置及び画像表示装置
JP2017083896A (ja) 光学フィルム、光学フィルム用転写体、画像表示装置及び光学フィルムの製造用金型
JP2016103001A (ja) 偏光子、偏光子の製造方法、液晶表示装置及び画像表示装置
JP2016164618A (ja) 転写フィルム、転写フィルムの巻取体、光学フィルム、光学フィルムの巻取体、画像表示装置、転写フィルムの製造方法、光学フィルムの製造方法
JP6221455B2 (ja) 光学フィルム用転写体の巻物体、光学フィルム用転写体の巻物体の製造方法
JP2016224284A (ja) 偏光子、偏光子の転写体、画像表示装置、偏光子の製造方法及び偏光子の転写体の製造方法
JP2016224240A (ja) 偏光子、画像表示装置及び偏光子の製造方法
JP6167725B2 (ja) 光学フィルム用転写体、光学フィルムの製造方法及び光学フィルム用転写体の製造方法
JP6610129B2 (ja) 液晶表示装置
JP2016102954A (ja) 賦型用金型、偏光子巻取体、偏光子の製造方法
JP2007171245A (ja) 反射型偏光子及びその製造方法、並びに該反射型偏光子を用いた液晶表示装置
JP2015079255A (ja) 光学フィルム、光学フィルム用転写体、画像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160928

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200519

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200601

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6720625

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150