JP2009103747A - グリッド偏光フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率的で、且つ簡便な工程で、偏光分離性能に優れた広い面積のグリッド偏光フィルムを製造する方法を提供する。
【解決手段】樹脂製フィルムの少なくとも一方の表面に細長く線状に延びた畝状の凸部が互いに離間した状態で略平行に複数並んだ凹凸構造を形成し、該凹凸構造上に物理気相成長法によって金属膜を積層し、略平行に並んだ畝状凸部の長手方向に直交する方向に延伸し、次いで湿式エッチング法によって金属膜の一部を除去する工程を含む、グリッド偏光フィルムの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、グリッド偏光フィルムの製造方法に関する。さらに詳細には、効率的で、且つ簡便な工程で、偏光分離性能に優れた広い面積のグリッド偏光フィルムを製造する方法に関する。
半導体分野において発展した超微細加工技術の応用により、近年、微細構造による光の回折現象などを利用した光学素子が提案されている。
例えば、周期的な微細構造を有する光学素子として、回折格子が広く知られている。回折格子は光の波長あるいはその数倍程度のピッチの微細な周期構造を有するものである。
また同じく周期的な微細構造を有する光学部材として、グリッド偏光子が知られている。これは、多数の線状金属(ワイヤ)を一定の周期で平行に配列したグリッド構造をもつ光学部材である。このような金属のグリッド構造を形成すると、グリッドの周期が入射光の波長より短い場合に、グリッド構造を形成している線状金属に対して平行な偏光成分は反射し、垂直な偏光成分は透過するため、単一偏光を作りだす偏光子として機能する。このグリッド偏光子は、光通信ではアイソレーターの光部品として、液晶表示装置では光の利用率を高め輝度を向上させるための部品として、利用することが提案されている。
液晶表示装置に用いる光学部材は、その画面サイズに応じた面積の板状あるいはフィルム状のグリッド偏光子として形成する必要がある。そのようなグリッド偏光子を得る方法として、延伸処理を用いて、樹脂製フィルム基材上にグリッド構造を形成する方法が種々提案されている。
例えば、特許文献1に、透明で柔軟な樹脂基板上に金属膜を形成し、金属膜の融点以下で基板と金属膜とを延伸することにより、延伸方向に直交する方向に金属膜の割れを発生させ、異方的な形状を有する金属部分と誘電体部分とからなる構造を形成することが開示されている。
また、特許文献2には、結晶部及び非晶部が交互に連なる高次構造を有するフィルム、又はガラス転移温度が異なる二種の相が延伸方向に交互に連なる高次構造を有するフィルム、の片面又は両面の全面に、導電性薄膜を形成して複合膜を得、その複合膜を延伸し、熱固定することによって、異方的な導電性部分と高分子誘電体部分からなる構造を形成することが開示されている。
特開2001−74935号公報 特開2005−148416号公報
ところが、本発明者の検討によると、上記従来技術の製法では、グリッド構造の形状を広い面積範囲で精密に制御して形成できないため、小面積のグリッド偏光フィルムしか得られないことが判った。
本発明の目的は、効率的で、且つ簡便な工程で、偏光分離性能に優れた広い面積のグリッド偏光フィルムを製造する方法を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、樹脂製フィルムの少なくとも一方の表面に細長く線状に延びた畝状の凸部が互いに離間した状態で略平行に複数並んだ凹凸構造を形成し、該凹凸構造上に物理気相成長法(PVD法)によって金属膜を積層し、次いで略平行に並んだ畝状凸部の長手方向に直交する方向に延伸することによって、広い面積範囲において、グリッド構造を精密に制御して形成できることを見出した。本発明は、この知見に基づいてさらに検討し、完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
〔1〕 (1)樹脂製フィルムの少なくとも一方の表面に細長く線状に延びた畝状の凸部が互いに離間した状態で略平行に複数並んだ凹凸構造を形成する工程、
(2)該凹凸構造上に物理気相成長法によって金属膜を積層する工程、及び、
(3)略平行に並んだ畝状凸部の長手方向に直交する方向に延伸する工程をこの順に含む、グリッド偏光フィルムの製造方法。
〔2〕 工程(3)の後に、
(4)湿式エッチング法によって前記金属膜の一部を除去する工程を更に含む、グリッド偏光フィルムの製造方法。
〔3〕 工程(3)において、畝状凸部の長手方向に直交する方向の延伸倍率が1.05〜5倍、畝状凸部の長手方向に平行な方向の延伸倍率が0.9〜1.1倍である、前記のグリッド偏光フィルムの製造方法。
〔4〕 樹脂製フィルムが長尺状のものである、前記のグリッド偏光フィルムの製造方法。
〔5〕 畝状凸部の長手方向が、フィルムの長手方向に略平行である、前記のグリッド偏光フィルムの製造方法。
〔6〕 延伸が、連続的な横一軸延伸である、前記のグリッド偏光フィルムの製造方法。
〔7〕 前記の製造方法で得られたグリッド偏光フィルム。
本発明の製造方法によれば、効率的で、且つ簡便な工程で、偏光分離性能、光線透過率に優れた広い面積のグリッド偏光フィルムを得ることができる。
本発明のグリッド偏光フィルムの製造方法は、(1)樹脂製フィルムの少なくとも一方の表面に細長く線状に延びた畝状の凸部が互いに離間した状態で略平行に複数並んだ凹凸構造を形成する工程、(2)該凹凸構造上にPVD法によって金属膜を積層する工程、及び、(3)略平行に並んだ畝状凸部の長手方向に直交する方向に延伸する工程をこの順に含む。
本発明に用いられる樹脂製フィルムは、透明樹脂からなるものが好ましい。該透明樹脂は、加工性の観点からガラス転移温度が60〜200℃であることが好ましく、100〜180℃であることがより好ましい。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量分析(DSC)により測定することができる。
透明樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、脂環式オレフィンポリマーなどが挙げられる。これらのうち、透明性、低吸湿性、寸法安定性、加工性の観点から脂環式オレフィンポリマーが好適である。
脂環式オレフィンポリマーとしては、特開平05−310845号公報に記載されている環状オレフィンランダム多元共重合体、特開平05−97978号公報に記載されている水素添加重合体、特開平11−124429号公報(米国特許第6,511,756号公報)に記載されている熱可塑性ジシクロペンタジエン系開環重合体及びその水素添加物等が挙げられる。
本発明に用いる透明樹脂は、顔料や染料のごとき着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、耐電防止剤、酸化防止剤、滑剤、溶剤などの配合剤が適宜配合されたものであってもよい。
樹脂製フィルムは、前記透明樹脂を公知の方法で成形することによって得られる。成形法としては、例えば、キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などが挙げられる。
樹脂製フィルムの平均厚さは、取り扱い性の観点から通常5μm〜1mm、好ましくは20〜200μmである。樹脂製フィルムは、400〜700nmの可視領域の光の透過率が80%以上であるものが好ましい。
また、樹脂製フィルムは、その波長550nmで測定したレターデーションRe(Re=d×(nx−ny)で定義される値、nx、nyは樹脂製フィルムの面内主屈折率(nx≧ny);dは樹脂製フィルムの平均厚さである)によって特に制限されない。面内の任意2点のレターデーションReの差(レターデーションむら)は、好ましくは10nm以下であり、より好ましくは5nm以下である。レターデーションむらが大きいと、液晶表示装置に用いた場合に表示面の明るさにバラツキが生じやすくなる。
本発明の製法においては、樹脂製フィルムとして長尺状のものが好ましく用いられる。長尺とは、幅に対し少なくとも5倍程度以上の長さを有するものを言い、好ましくは10倍もしくはそれ以上の長さを有するものを言い、具体的にはロール状に巻回されて保管または運搬される程度の長さを有するものを言う。樹脂製フィルムの幅は、好ましくは500mm以上、より好ましくは1000mm以上である。本発明のグリッド偏光フィルムの製造方法では、その製造工程の途中において、任意に、その幅方向の両端を切り落として作成されるが、この場合、前記樹脂製フィルムの幅は、両端を切り落とした後の寸法とすることができる。
(凹凸構造形成工程)
本発明の製造方法においては、まず、前記樹脂製フィルムの少なくとも一方の表面に細長く線状に延びた畝状の凸部が互いに離間した状態で略平行に複数並んだ凹凸構造を形成する(図1(2)、図1の紙面に垂直な方向に畝状凸部が延びている。)。ここで略平行とは、細長く線状に延びた畝状の凸部の平均の配向方向と、各々の凸部の配向方向とのなす角度が3度以内であることをいう。畝状の凸部が略平行に並んでいることは、たとえば走査型電子顕微鏡によって確認することができる。
凹凸構造は、細長く線状に延びた畝状の凸部が互いに離間した状態で複数並んだ構造を成しているのが好ましく、特に、細長く線状に延びた畝状の凸部が格子状に並んだ構造を成しているのが好ましい。畝状凸部は、畝の幅が好ましくは25〜300nmであり、畝の長さは畝の幅の5倍以上、好ましくは10倍以上である。
また、凸部の中心間距離(ピッチ)は、好ましくは20〜400nm、より好ましくは30〜250nmである。凸部の高さは、好ましくは5〜3000nm、より好ましくは20〜1000nm、特に好ましくは50〜300nmである。
凹凸構造は、凸部が非周期的に並んだものであってもよいが、偏光分離性などの光学特性を得るために凸部が周期的に並んだものが好ましい。
凹凸構造を形成する方法は、特に制限されない。例えば、細長く線状に延びた畝状の凸部が互いに離間した状態で略平行に並んだ凹凸形状を表面に有する転写ロールを用いて長尺の樹脂製原反フィルム表面に当該凹凸形状を転写する方法を挙げることができる。転写の方法としては、加熱した転写ロールを用いる熱溶融転写、または転写ロールと樹脂製フィルムの間にエネルギー線(例えば紫外線)硬化性樹脂を充填した状態でエネルギー線を照射する方法を挙げることができる。
(金属膜積層工程)
前記凹凸構造の上に物理気相成長法(PVD法)によって金属膜を積層する(図1(3))。
金属膜に用いる金属は、可視光の波長領域内で反射率の波長依存性が小さいものが好ましく、具体的には、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、ロジウム、スズ等が挙げられる。
PVD法は、物体の表面に薄膜を形成する蒸着法の一つで、気相中で物体の表面に物理的手法により目的とする物質の薄膜を形成する方法である。具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング(イオンめっき)法、イオンビームデポジション法等の中から適宜選択することができる。これらのうち膜成長速度が大きく生産性が高い点では真空蒸着法が好適である。真空蒸着法は、真空にした容器の中で、蒸着材料を加熱し気化もしくは昇華して、離れた位置に置かれた基板の表面に付着させ、薄膜を形成する方法である。蒸着材料、基板の種類により、抵抗加熱、電子ビーム、高周波誘導、レーザーなどの方法で加熱される。積層される金属膜の厚さは、特に制限されないが、通常20〜500nm、好ましくは30〜300nm、より好ましくは40〜200nmである。なお金属膜の厚さは凸部の頂面に積層された金属膜の厚さである。
PVD法による製膜で凹凸構造の凸部頂面に金属膜が積層される。一方、凸部側面や凹部底面には凹部の幅が狭いほど金属膜が積層され難くなる。凹部の幅が広い場合には凸部の側面や凹部底面にも金属膜が積層され易くなる。グリッド偏光子としては凸部側面に金属膜を有しない方が光学特性が良好になる。また凹部底面の金属膜は有していても有していなくてもよい。凸部側面に積層された好ましくない金属膜は、後述するように延伸工程と湿式エッチング工程を経ることによって取り除くことができる。
(無機化合物膜(マスク)積層工程)
PVD法によって凸部頂面に積層された金属膜の幅は、凸部の幅よりも通常広くなる。金属膜の幅が好ましい範囲を超える場合には、後述の湿式エッチングで幅を狭くすることができる。ただし湿式エッチングでは金属膜の厚さも減少するため、これを防止するためのマスクとして、PVD法によって積層された金属膜の上にさらにPVD法によって無機化合物膜を積層してもよい。
無機化合物は、後述の湿式エッチングに耐えるものであれば特に限定されず、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素または窒化酸化ケイ素などの化合物が挙げられる。この中では特に酸化ケイ素が好ましい。積層される無機化合物膜の厚さは、特に制限されないが、通常1〜100nm、好ましくは2〜50nm、より好ましくは3〜20nmである。
PVD法によって凸部頂面に積層された金属膜の幅は、凸部の幅よりも通常広くなっており、凹凸構造の凹部の入口を塞いでいるので、無機化合物膜は、主に凸部頂面に積層された金属膜の上に積層される。
(延伸工程)
本発明の製造方法では、略平行に並んだ畝状凸部の長手方向に直交する方向に延伸する工程を含む(図1(4))。この延伸によって凸部の中心間距離が広がり、金属膜間の間隔が広がり、光線透過率が高くなる。また凹凸構造の凹部底面に金属膜が積層されていた場合には、該金属膜の側面が凸部側面から離れ隙間ができる。後述する湿式エッチング液がこの隙間に入り込み、凹部側面に積層された金属膜を優先的に除去することができるようになる。延伸を行わずに湿式エッチングしても湿式エッチング液が金属膜にしみ込み難いので凹部側面に積層された金属膜だけを取り除くことが難しい。
延伸方法は特に限定されないが、畝状凸部の長手方向に直交する方向の延伸倍率を好ましくは1.05〜5倍、より好ましくは1.1〜1.5倍、畝状凸部の長手方向に平行な方向の延伸倍率を好ましくは0.9〜1.1倍、より好ましくは0.95〜1.05倍にすると好ましい。延伸温度は、樹脂製フィルムのガラス転移温度の±20℃以内、好ましくは±10℃以内で行うことが好ましい。
延伸後の凹凸構造は、細長く線状に延びた畝状の凸部が互いに離間した状態で複数並んだ構造をそのまま維持しており、畝状凸部の幅及び高さもほとんど維持される。
一方、凸部の中心間距離は、延伸前よりも長くなるが、好ましい範囲は30〜500nm、より好ましくは50〜300nmである。
このような延伸を行うために、テンター延伸機による連続的な横一軸延伸が好適である。
(湿式エッチング工程)
金属膜の幅を狭め、また凹凸構造の側面に積層された金属膜を取り除くために湿式エッチング(図1(5))を行うことが好ましい。湿式エッチング法に用いられるエッチング液は、樹脂製フィルムを腐食や劣化させずに金属膜を除去できる液であれば良く、マスク層(無機化合物膜)、金属膜、樹脂製フィルムの材質に応じて適宜選択する。湿式エッチング液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物を含有する溶液;硫酸、燐酸、硝酸、酢酸、フッ化水素、塩酸などを含有する溶液;過硫酸アンモニウム、過酸化水素、フッ化アンモニウム等やそれらの混合液からなる溶液などが挙げられる。また、湿式エッチング液には界面活性剤などの添加物を添加しても良い。
このエッチングによって、凸部の頂部に積層された金属膜の脇部分、凸部の側面に積層された金属膜が除去され、凸部頂部に凸部の幅と同程度の幅の金属膜が残る。以上のようにしてグリッド偏光フィルムが得られる。このとき凹部底面の金属膜は除去されていてもされていなくてもよい。
本発明の製造方法によって得られるグリッド偏光フィルムには、金属膜を形成した側の面に直接又は他の層を介して保護層を積層させてもよい。
保護層は、その材質によって特に制限されないが、透明材料からなるものが好ましい。透明材料としては、ガラス、無機酸化物、無機窒化物、多孔質物質、透明樹脂などが挙げられる。これらのうち、特に透明樹脂からなるものが好ましい。透明樹脂は、前述の樹脂製フィルムを構成するものとして示したものから適宜選択して用いることができる。
保護層の平均厚さは、取り扱い性の観点から通常5μm〜1mm、好ましくは20〜200μmである。保護層は、400〜700nmの可視領域の光の透過率が80%以上であるものが好ましい。
また、保護層は、その波長550nmで測定したレターデーションRe(Re=d×(nx−ny)で定義される値、nx、nyは保護層の面内主屈折率(nx≧ny);dは保護層の平均厚さである)によって特に制限されない。面内の任意2点のレターデーションReの差(レターデーションむら)は、好ましくは10nm以下であり、より好ましくは5nm以下である。レターデーションむらが大きいと、液晶表示装置に用いた場合に表示面の明るさにバラツキが生じやすくなる。
保護層を積層させるために接着剤(粘着剤を含む)を用いることができる。凸部頂面と保護層との間に介在する接着剤からなる層(接着層)の平均厚さは、通常0.01μm〜30μm、好ましくは0.1μm〜15μmである。この接着剤としては、アクリル接着剤、ウレタン接着剤、ポリエステル接着剤、ポリビニルアルコール接着剤、ポリオレフィン接着剤、変性ポリオレフィン接着剤、ポリビニルアルキルエーテル接着剤、ゴム接着剤、塩化ビニル・酢酸ビニル接着剤、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS共重合体)接着剤およびその水素添加物(SEBS共重合体)接着剤、エチレン・酢酸ビニル共重合体およびエチレン−スチレン共重合体などのエチレン接着剤、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体、およびエチレン・アクリル酸エチル共重合体などのアクリル酸エステル接着剤などを挙げることができる。
本発明のグリッド偏光フィルムは、直交する直線偏光のうちの一方を透過し、他方を反射する性質を持つ。このような直線偏光の軸に応じて透過光と反射光に分離する性質を利用して、液晶表示装置の輝度向上用の素子として本発明のグリッド偏光フィルムをそのまま又は他の光学素子(偏光子、位相差板など)と組み合わせ積層して用いることができる。
比較例1
直径25cm、長さ60cmの金属ロールに、光学パターン切削用ダイヤモンドバイトを用いて切削加工を行い、ロールの周方向に平行な直線状の畝状凸部を形成し凹凸パターンを構成し、転写ロールを製造した。凹凸パターンは、ピッチが120nm、凸部の幅が60nm、凹部の幅が60nm、および凸部高さが80nmであった。
ロール状に巻き取られた幅60cmの脂環式オレフィンポリマーフィルム(商品名:ゼオノアフィルムZF−14、オプテス社製、樹脂のガラス転移温度136℃、フィルムの厚さ100μm)を巻き出しながら、160℃に加熱した前記の転写ロールを連続的にフィルムに圧着して、転写ロール表面の凹凸パターンをフィルム表面に転写した。
転写後のフィルムを連続的にロール状に巻き取った。得られたフィルムは、ピッチ120nm、凸部の幅60nm、凹部の幅60nm、凸部高さ80nmの直線状の畝状凸部による凹凸パターンが、フィルム表面に長手方向に平行に形成されていた。
該フィルムの微細凹凸構造が形成された面に、真空蒸着法で連続的にアルミニウムを厚さ110nm積層した。アルミニウムが積層されたフィルムを連続的にロール状に巻き取り、金属積層フィルム1を得た。
金属積層フィルム1に直線偏光を入射させたとき、微細凸構造の長手方向Xに直交する方向に振動する偏光の透過率は40%、反射率は55%であり、微細凸構造の長手方向Xに平行な方向に振動する偏光の透過率は2%、反射率は92%であった。
比較例2
比較例1で得られた金属積層フィルム1を、50%のリン酸水溶液(25℃)に2分間浸漬し、湿式エッチング処理を行った。
得られたフィルムに直線偏光を入射させたとき、微細凸構造の長手方向Xに直交する方向に振動する偏光の透過率は73%、反射率は25%であり、微細凸構造の長手方向Xに平行な方向に振動する偏光の透過率は3%、反射率は90%であった。
実施例1
比較例1で得られた金属積層フィルム1を、テンター延伸機で、延伸温度145℃、幅方向の延伸倍率1.2倍、長手方向延伸倍率1.0倍で、連続的に横一軸延伸し、グリッド偏光フィルム1を得た。
得られたフィルムに直線偏光を入射させたとき、微細凸構造の長手方向Xに直交する方向に振動する偏光の透過率は57%、反射率は39%であり、微細凸構造の長手方向Xに平行な方向に振動する偏光の透過率は3%、反射率は91%であった。
実施例2
実施例1で得られたフィルムを、50%のリン酸水溶液(25℃)に2分間浸漬し、湿式エッチング処理を行った。
得られたフィルムに直線偏光を入射させたとき、微細凸構造の長手方向Xに直交する方向に振動する偏光の透過率は87%、反射率は9%であり、微細凸構造の長手方向Xに平行な方向に振動する偏光の透過率は4%、反射率は88%であった。
これら実施例、比較例の結果が示すように、金属積層後のフィルムを延伸する工程を含む場合に、一方の偏光の透過率が向上し、グリッド偏光フィルムの偏光分離性能が向上することがわかる。
本発明の製造方法を説明するための図である。
符号の説明
M:金属膜

Claims (7)

  1. (1)樹脂製フィルムの少なくとも一方の表面に細長く線状に延びた畝状の凸部が互いに離間した状態で略平行に複数並んだ凹凸構造を形成する工程、
    (2)該凹凸構造上に物理気相成長法によって金属膜を積層する工程、及び、
    (3)略平行に並んだ畝状凸部の長手方向に直交する方向に延伸する工程をこの順に含む、グリッド偏光フィルムの製造方法。
  2. 工程(3)の後に、
    (4)湿式エッチング法によって前記金属膜の一部を除去する工程を更に含む、グリッド偏光フィルムの製造方法。
  3. 工程(3)において、畝状凸部の長手方向に直交する方向の延伸倍率が1.05〜5倍、畝状凸部の長手方向に平行な方向の延伸倍率が0.9〜1.1倍である、請求項1又は2に記載のグリッド偏光フィルムの製造方法。
  4. 樹脂製フィルムが長尺状のものである、請求項1〜3のいずれかに記載のグリッド偏光フィルムの製造方法。
  5. 畝状凸部の長手方向が、フィルムの長手方向に略平行である、請求項4に記載のグリッド偏光フィルムの製造方法。
  6. 延伸が、連続的な横一軸延伸である、請求項4又は5に記載のグリッド偏光フィルムの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかの製造方法で得られたグリッド偏光フィルム。
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