JP2008116492A - グリッド偏光子の製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率的で、且つ簡便な工程で、偏光分離性能に優れた広い面積のグリッド偏光子を製造する方法を提供する。
【解決手段】板状の透明基材の少なくとも一方の表面に、細長く線状に延びる高さHの畝状凸部が互いに略平行に離間した状態で複数並び、畝状凸部間に形成される溝の開口部間隔Tが200nm以下で、且つH/2の高さレベルでの溝の間隔DがH/1.2以下である凹凸構造を形成し、該凹凸構造の上に吸光性材料からなる膜を物理蒸着によって形成する工程を含む、グリッド偏光子の製法。
【選択図】なし
【解決手段】板状の透明基材の少なくとも一方の表面に、細長く線状に延びる高さHの畝状凸部が互いに略平行に離間した状態で複数並び、畝状凸部間に形成される溝の開口部間隔Tが200nm以下で、且つH/2の高さレベルでの溝の間隔DがH/1.2以下である凹凸構造を形成し、該凹凸構造の上に吸光性材料からなる膜を物理蒸着によって形成する工程を含む、グリッド偏光子の製法。
【選択図】なし
Description
本発明は、グリッド偏光子の製法に関する。さらに詳細には、効率的で、且つ簡便な工程で、偏光分離性能に優れた広い面積のグリッド偏光子を製造する方法に関する。
偏光面を自由に設定することができる偏光子としてグリッド偏光子が知られている。これは、多数の線状金属(ワイヤ)を一定の周期で平行に配列したグリッド構造をもつ光学部材である。グリッドの周期が入射光の波長より短い金属製グリッド構造を形成すると、グリッド構造に対して平行な偏光成分は反射され、垂直な偏光成分は透過され、単一偏光を作りだす偏光子として機能する。このグリッド偏光子は、光通信ではアイソレーターの光部品として、液晶表示装置では光の利用率を高め輝度を向上させるための部品として、利用することが提案されている。
樹脂フィルム基材上にグリッド構造を形成してグリッド偏光子を製造する方法が種々提案されている。例えば、特許文献1に、透明で柔軟な基板上に金属膜を形成し、金属膜の融点以下で基板と金属膜とを延伸することにより、延伸方向に直交する方向に金属膜の割れを発生させ、異方的な形状を有する金属部分と誘電体部分とからなる構造を形成することが開示されている。
また、特許文献2には、結晶部及び非晶部が交互に連なる高次構造を有するフィルム、又はガラス転移温度が異なる二種の相が延伸方向に交互に連なる高次構造を有するフィルム、の片面又は両面の全面に、導電性薄膜を形成して複合膜を得、その複合膜を延伸し、熱固定することによって、異方的な導電性部分と高分子誘電体部分からなる構造を形成することが開示されている。
しかし、本発明者の検討によると、特許文献1や2に記載の方法では、グリッド間が接触したり、間隔が不均一になったりして、偏光分離性能に優れた広い面積のグリッド偏光子を安定的に効率的に得ることができなかった。
しかし、本発明者の検討によると、特許文献1や2に記載の方法では、グリッド間が接触したり、間隔が不均一になったりして、偏光分離性能に優れた広い面積のグリッド偏光子を安定的に効率的に得ることができなかった。
本出願人は、特許文献3において、(A)モース硬度9以上の材料を高エネルギー線を用いて加工し、先端に幅600nm以下の突起を形成してなる工具を作製し、(B)該工具を使用して金型部材上に、幅50〜600nm、ピッチ50〜1,000nm、高さ50〜800nmの微細格子形状を形成し、(C)該金型部材の微細格子形状を透明樹脂成形体に転写し、(D)該微細格子形状が転写された透明樹脂成形体に導電性反射体を蒸着することを特徴とするグリッド偏光子の製造方法を提案した。しかし、本発明者のさらなる検討により、特許文献3に記載の実施例では、凹凸構造上に導電性反射体を蒸着したときに、蒸着膜が凸部間を橋掛けすることがあり、グリッド構造が不均一となる可能性があることがわかった。
本発明の目的は、効率的で、且つ簡便な工程で、偏光分離性能に優れた広い面積のグリッド偏光子を製造する方法を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、透明基材の少なくとも一方の表面に、細長く線状に延びる高さHの畝状凸部が互いに離間した状態で複数並び、畝状凸部間に形成される溝の開口部間隔Tが200nm以下で、且つH/2の高さレベルでの溝の間隔DがH/1.2以下である凹凸構造を形成し、該凹凸構造の上に吸光性材料からなる膜を形成することによって、上記目的を達成できることを見出した。本発明はこの知見に基づいてさらに検討し、完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1) 板状の透明基材の少なくとも一方の表面に、細長く線状に延びる高さHの畝状凸部が互いに略平行に離間した状態で複数並び、畝状凸部間に形成される溝の開口部間隔Tが200nm以下で、且つH/2の高さレベルでの溝の間隔DがH/1.2以下である凹凸構造を形成し、
該凹凸構造の上に吸光性材料からなる膜を物理蒸着によって形成する工程を含む、グリッド偏光子の製法。
(2) さらに湿式エッチング法によって前記吸光性材料からなる膜の一部を除去する工程を含む前記のグリッド偏光子の製法。
(3) 透明基材が長尺状のものである前記のグリッド偏光子の製法。
(4) 前記の製法によって得られるグリッド偏光子。
(1) 板状の透明基材の少なくとも一方の表面に、細長く線状に延びる高さHの畝状凸部が互いに略平行に離間した状態で複数並び、畝状凸部間に形成される溝の開口部間隔Tが200nm以下で、且つH/2の高さレベルでの溝の間隔DがH/1.2以下である凹凸構造を形成し、
該凹凸構造の上に吸光性材料からなる膜を物理蒸着によって形成する工程を含む、グリッド偏光子の製法。
(2) さらに湿式エッチング法によって前記吸光性材料からなる膜の一部を除去する工程を含む前記のグリッド偏光子の製法。
(3) 透明基材が長尺状のものである前記のグリッド偏光子の製法。
(4) 前記の製法によって得られるグリッド偏光子。
本発明の製造方法によれば、グリッド間が接触したり、間隔が不均一になったりせずに、効率的で、且つ簡便な工程で、偏光分離性能、光線透過率に優れた広い面積のグリッド偏光子を得ることができる。
H:畝状凸部の高さ
T:畝状凸部間の溝の開口部間隔
D:H/2の高さレベルでの溝の間隔
T:畝状凸部間の溝の開口部間隔
D:H/2の高さレベルでの溝の間隔
本発明のグリッド偏光子の製造方法は、板状の透明基材の少なくとも一方の表面に、細長く線状に延びる高さHの畝状凸部が互いに略平行に離間した状態で複数並び、畝状凸部間に形成される溝の開口部間隔Tが200nm以下で、且つH/2の高さレベルでの溝の間隔DがH/1.2以下である凹凸構造を形成し、該凹凸構造の上に吸光性材料からなる膜を物理蒸着によって形成する工程を含む。
本発明に用いられる透明基材は、透明樹脂、ガラスなどの透明な材料からなるもの、好ましくは透明樹脂からなるものである。該透明樹脂は、加工性の観点からガラス転移温度が60〜200℃であることが好ましく、100〜180℃であることがより好ましい。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量分析(DSC)により測定することができる。
透明樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、脂環式オレフィンポリマーなどが挙げられる。これらのうち、透明性、低吸湿性、寸法安定性、加工性の観点から脂環式オレフィンポリマーが好適である。脂環式オレフィンポリマーとしては、特開平05−310845号公報に記載されている環状オレフィンランダム多元共重合体、特開平05−97978号公報に記載されている水素添加重合体、特開平11−124429号公報(米国特許第6,511,756号公報)に記載されている熱可塑性ジシクロペンタジエン系開環重合体及びその水素添加物等が挙げられる。
本発明に用いる透明樹脂は、顔料や染料のごとき着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、耐電防止剤、酸化防止剤、滑剤、溶剤などの配合剤が適宜配合されたものであってもよい。
透明基材は、前記透明樹脂を公知の方法で成形することによって得られる。成形法としては、例えば、キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などが挙げられる。
透明基材は、前記透明樹脂を公知の方法で成形することによって得られる。成形法としては、例えば、キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などが挙げられる。
板状の透明基材の平均厚さは、取り扱い性の観点から通常5μm〜1mm、好ましくは20〜200μmである。透明基材は、400〜700nmの可視領域の光の透過率が80%以上であるものが好ましい。
また、透明基材は、その波長550nmで測定したレターデーションRe(Re=d×(nx−ny)で定義される値、nx、nyは透明基材の面内主屈折率(nx≧ny);dは透明基材の平均厚みである)によって特に制限されない。面内の任意2点のレターデーションReの差(レターデーションむら)は、好ましくは10nm以下であり、より好ましくは5nm以下である。レターデーションむらが大きいと、液晶表示装置に用いた場合に表示面の明るさにバラツキが生じやすくなる。
また、透明基材は、その波長550nmで測定したレターデーションRe(Re=d×(nx−ny)で定義される値、nx、nyは透明基材の面内主屈折率(nx≧ny);dは透明基材の平均厚みである)によって特に制限されない。面内の任意2点のレターデーションReの差(レターデーションむら)は、好ましくは10nm以下であり、より好ましくは5nm以下である。レターデーションむらが大きいと、液晶表示装置に用いた場合に表示面の明るさにバラツキが生じやすくなる。
本発明の製法においては、透明基材として長尺状のものが好ましく用いられる。長尺とは、幅に対し少なくとも5倍程度以上の長さを有するものを言い、好ましくは10倍もしくはそれ以上の長さを有するものを言い、具体的にはロール状に巻回されて保管または運搬される程度の長さを有するものを言う。透明基材の幅は、好ましくは500mm以上、より好ましくは1000mm以上である。本発明のグリッド偏光子の製造方法では、その製造工程の途中において、任意に、その幅方向の両端を切り落として作成されるが、この場合、前記透明基材の幅は、両端を切り落とした後の寸法とすることができる。
(凹凸構造形成工程)
本発明の製造方法においては、まず、前記透明基材の少なくとも一方の表面に細長く線状に延びた畝状の凸部が互いに略平行に離間した状態で略平行に複数並んだ凹凸構造を形成する(図1(a)、(b)又は(c))。図1(a)は断面矩形の凸部のときの、凸部の高さH、高さHの1/2倍の高さレベルでの溝の間隔D、溝の開口部間隔Tを示す図である。図1(b)は断面台形の凸部のときの、凸部の高さH、高さHの1/2倍の高さレベルでの溝の間隔D、溝の開口部間隔Tを示す図である。図1(c)は断面波形の凸部のときの、凸部の高さH、高さHの1/2倍の高さレベルでの溝の間隔D、溝の開口部間隔Tを示す図である。なお、凸部の形状としては、矩形、台形、波形形状が挙げられる。金型の作製条件を適宜調整することにより凸部を任意形状に作製することができる。ここで略平行とは、平行方向から±5°の範囲内にあることをいう。
本発明の製造方法においては、まず、前記透明基材の少なくとも一方の表面に細長く線状に延びた畝状の凸部が互いに略平行に離間した状態で略平行に複数並んだ凹凸構造を形成する(図1(a)、(b)又は(c))。図1(a)は断面矩形の凸部のときの、凸部の高さH、高さHの1/2倍の高さレベルでの溝の間隔D、溝の開口部間隔Tを示す図である。図1(b)は断面台形の凸部のときの、凸部の高さH、高さHの1/2倍の高さレベルでの溝の間隔D、溝の開口部間隔Tを示す図である。図1(c)は断面波形の凸部のときの、凸部の高さH、高さHの1/2倍の高さレベルでの溝の間隔D、溝の開口部間隔Tを示す図である。なお、凸部の形状としては、矩形、台形、波形形状が挙げられる。金型の作製条件を適宜調整することにより凸部を任意形状に作製することができる。ここで略平行とは、平行方向から±5°の範囲内にあることをいう。
本発明の製法で形成される凹凸構造は、凸部の高さHが、好ましくは5〜3000nm、より好ましくは20〜1000nm、特に好ましくは50〜300nmである。
畝状凸部間に形成される溝の開口部間隔Tは、通常200nm以下、好ましくは20〜100nmである。また、畝状凸部の高さHの1/2倍の高さレベルでの溝の間隔Dは、通常H/1.2以下、好ましくはH/1.3以下である。このように、H、T、Dが上記のような関係を満たす凹凸構造の上に後述する物理蒸着によって吸光性材料からなる膜(以下、吸光性膜という。)を形成すると、凸部の頂面に優先的に吸光性膜が堆積するため、溝部に吸光性膜が堆積しにくくなる。
畝状凸部は、畝の幅が好ましくは25〜300nmであり、畝の長さが好ましくは800nm以上である。なお、畝の幅は凸部の頂面における幅である。
また、凸部の中心間距離(ピッチ)は、好ましくは20〜500nm、より好ましくは30〜300nmである。
凹凸構造は、凸部が非周期的に並んだものであってもよいが、偏光分離性などの光学特性を得るために凸部が周期的に並んだものが好ましい。
畝状凸部間に形成される溝の開口部間隔Tは、通常200nm以下、好ましくは20〜100nmである。また、畝状凸部の高さHの1/2倍の高さレベルでの溝の間隔Dは、通常H/1.2以下、好ましくはH/1.3以下である。このように、H、T、Dが上記のような関係を満たす凹凸構造の上に後述する物理蒸着によって吸光性材料からなる膜(以下、吸光性膜という。)を形成すると、凸部の頂面に優先的に吸光性膜が堆積するため、溝部に吸光性膜が堆積しにくくなる。
畝状凸部は、畝の幅が好ましくは25〜300nmであり、畝の長さが好ましくは800nm以上である。なお、畝の幅は凸部の頂面における幅である。
また、凸部の中心間距離(ピッチ)は、好ましくは20〜500nm、より好ましくは30〜300nmである。
凹凸構造は、凸部が非周期的に並んだものであってもよいが、偏光分離性などの光学特性を得るために凸部が周期的に並んだものが好ましい。
凹凸構造を形成する方法は、特に制限されない。例えば、(1)凹凸構造に対応する凹凸形状を有する転写ロールを用いて長尺の樹脂原反フィルム表面に転写することによって、(2)凹凸構造のパターンをフォトリソグラフ法によって転写することによって得られる。
(吸光性材料からなる膜を積層する工程)
前記凹凸構造の上に物理蒸着(PVD法)によって吸光性材料からなる膜を積層する。吸光性材料としては、導電性のものが好ましく、具体的には、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、ロジウム、スズ等が挙げられる。
前記凹凸構造の上に物理蒸着(PVD法)によって吸光性材料からなる膜を積層する。吸光性材料としては、導電性のものが好ましく、具体的には、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、ロジウム、スズ等が挙げられる。
PVD法は、蒸着材料を蒸発・イオン化し、被膜を形成させる方法である。具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング(イオンめっき)法、イオンビームデポジション法等の中から適宜選択することができる。これらのうち真空蒸着法が好適である。真空蒸着法は、真空にした容器の中で、蒸着材料を加熱し気化もしくは昇華して、離れた位置に置かれた基板の表面に付着させ、薄膜を形成する方法である。蒸着材料、基板の種類により、抵抗加熱、電子ビーム、高周波誘導、レーザーなどの方法で加熱される。吸光性膜の厚さは、特に制限されないが、通常20〜500nm、好ましくは30〜300nm、より好ましくは40〜200nmである。なお吸光性膜の厚さは凸部の頂面に積層された吸光性膜の厚さである。
PVD法による製膜で凹凸構造の凸部頂面に吸光性膜が積層される。一方、凸部側面にはほとんど吸光性膜が積層されない。また凹凸構造の凹部(溝部)底面にも吸光性膜が積層されることがあるが、本発明の製法によれば、ほとんど積層されない。仮に凹部底面に吸光性膜が積層された場合でも、後述するように湿式エッチング工程を経ることによって取り除くことができる。
(無機酸化物膜積層工程)
PVD法によって積層された吸光性膜は、凸部の幅よりも通常広い幅になる。吸光性膜の幅は狭い方が好ましいので、後述の湿式エッチングのマスクとして、PVD法によって積層された吸光性膜の上にPVD法によって無機酸化物膜を積層することが好ましい。
無機酸化物は、後述の湿式エッチングに耐えるものであれば特に限定されず、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素または窒化酸化ケイ素などの化合物が挙げられる。この中では特に酸化ケイ素が好ましい。積層される無機酸化物膜の厚さは、特に制限されないが、通常1〜100nm、好ましくは2〜50nm、より好ましくは3〜20nmである。
PVD法によって積層された吸光性膜が、凸部の幅よりも通常広い幅になっており、凹凸構造の凹部の入口を狭めているので、無機酸化物膜は、凸部頂面に積層された吸光性膜の上に、主に積層される。
PVD法によって積層された吸光性膜は、凸部の幅よりも通常広い幅になる。吸光性膜の幅は狭い方が好ましいので、後述の湿式エッチングのマスクとして、PVD法によって積層された吸光性膜の上にPVD法によって無機酸化物膜を積層することが好ましい。
無機酸化物は、後述の湿式エッチングに耐えるものであれば特に限定されず、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素または窒化酸化ケイ素などの化合物が挙げられる。この中では特に酸化ケイ素が好ましい。積層される無機酸化物膜の厚さは、特に制限されないが、通常1〜100nm、好ましくは2〜50nm、より好ましくは3〜20nmである。
PVD法によって積層された吸光性膜が、凸部の幅よりも通常広い幅になっており、凹凸構造の凹部の入口を狭めているので、無機酸化物膜は、凸部頂面に積層された吸光性膜の上に、主に積層される。
(湿式エッチング工程)
凸部頂面に積層された吸光性膜の幅を狭め、また凹凸構造の凹部に積層された吸光性膜を取り除くために湿式エッチングを行うことが好ましい。湿式エッチング法に用いられるエッチング液は、透明基材を腐食等させずに吸光性膜を除去できる液であれば良く、マスク層(無機酸化物膜)、吸光性膜、透明基材の材質に応じて適宜選択する。湿式エッチング液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物を含有する溶液;硫酸、燐酸、硝酸、酢酸、フッ化水素、塩酸などを含有する溶液;過硫酸アンモニウム、過酸化水素、フッ化アンモニウム等やそれらの混合液からなる溶液などが挙げられる。また、湿式エッチング液には界面活性剤などの添加物を添加しても良い。
凸部頂面に積層された吸光性膜の幅を狭め、また凹凸構造の凹部に積層された吸光性膜を取り除くために湿式エッチングを行うことが好ましい。湿式エッチング法に用いられるエッチング液は、透明基材を腐食等させずに吸光性膜を除去できる液であれば良く、マスク層(無機酸化物膜)、吸光性膜、透明基材の材質に応じて適宜選択する。湿式エッチング液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物を含有する溶液;硫酸、燐酸、硝酸、酢酸、フッ化水素、塩酸などを含有する溶液;過硫酸アンモニウム、過酸化水素、フッ化アンモニウム等やそれらの混合液からなる溶液などが挙げられる。また、湿式エッチング液には界面活性剤などの添加物を添加しても良い。
このエッチングによって、マスク層が積層されていない部分またはマスク層が薄い部分の下にある吸光性膜が除去される。具体的には、凸部の頂部に積層された吸光性膜の脇部分、凹凸構造の凹部の底面に積層された吸光性膜が除去され、凸部頂部に凸部の幅と同程度の幅の吸光性膜が残る。以上のようにしてグリッド偏光子が得られる。
本発明の製造方法によって得られるグリッド偏光子には、吸光性膜を形成した側の面に直接又は他の層を介して保護層を積層させてもよい。
保護層は、その材質によって特に制限されないが、透明材料からなるものが好ましい。透明材料としては、ガラス、無機酸化物、無機窒化物、多孔質物質、透明樹脂などが挙げられる。これらのうち、特に透明樹脂からなるものが好ましい。透明樹脂は、前述の透明基材を構成するものとして示したものから適宜選択して用いることができる。
保護層の平均厚さは、取り扱い性の観点から通常5μm〜1mm、好ましくは20〜200μmである。透明基材は、400〜700nmの可視領域の光の透過率が80%以上であるものが好ましい。
保護層は、その材質によって特に制限されないが、透明材料からなるものが好ましい。透明材料としては、ガラス、無機酸化物、無機窒化物、多孔質物質、透明樹脂などが挙げられる。これらのうち、特に透明樹脂からなるものが好ましい。透明樹脂は、前述の透明基材を構成するものとして示したものから適宜選択して用いることができる。
保護層の平均厚さは、取り扱い性の観点から通常5μm〜1mm、好ましくは20〜200μmである。透明基材は、400〜700nmの可視領域の光の透過率が80%以上であるものが好ましい。
また、保護層は、その波長550nmで測定したレターデーションRe(Re=d×(nx−ny)で定義される値、nx、nyは保護層の面内主屈折率(nx≧ny);dは保護層の平均厚みである)によって特に制限されない。面内の任意2点のレターデーションReの差(レターデーションむら)は、好ましくは10nm以下であり、より好ましくは5nm以下である。レターデーションむらが大きいと、液晶表示装置に用いた場合に表示面の明るさにバラツキが生じやすくなる。
保護層を積層させるために接着剤(粘着剤を含む)を用いることができる。凸部頂面と保護層との間に介在する接着剤からなる層(接着層)の平均厚さは、通常0.01μm〜30μm、好ましくは0.1μm〜15μmである。この接着剤としては、アクリル接着剤、ウレタン接着剤、ポリエステル接着剤、ポリビニルアルコール接着剤、ポリオレフィン接着剤、変性ポリオレフィン接着剤、ポリビニルアルキルエーテル接着剤、ゴム接着剤、塩化ビニル・酢酸ビニル接着剤、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS共重合体)接着剤、その水素添加物(SEBS共重合体)接着剤、エチレン・酢酸ビニル共重合体およびエチレン−スチレン共重合体などのエチレン接着剤、および、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体、およびエチレン・アクリル酸エチル共重合体などのアクリル酸エステル接着剤などを挙げることができる。
本発明のグリッド偏光子は、直交する直線偏光のうちの一方を透過し、他方を反射する性質を持つ。このような直線偏光を透過光と反射光に分離する性質を利用して、液晶表示装置の輝度向上用の素子として本発明の光学フィルムをそのまま又は他の光学素子(偏光子、位相差板など)と組み合わせ積層して用いることができる。
実施例1
25mm×25mm×0.5mmの平板状のガラス基板上に電子線レジストZEP520(日本ゼオン製、ポジ型電子線レジスト)をスピンコーターにて塗布した。次に、電子線描画装置にて、フォトレジスト塗膜面中央部の12mm×12mmの領域に、ピッチ300nm、幅150nmの平行線を描画した。この描画されたフォトレジストを現像液(日本ゼオン製)で約3分間現像した。次に、これを洗浄し、窒素ブロアーにて乾燥することにより一次元格子状フォトレジストパターンを形成した。得られた一次元格子状フォトレジストパターン上にCr薄膜を電子線蒸着装置にて蒸着し、次いで、アセトン中で超音波洗浄を行うことにより、フォトレジストを除くと共にフォトレジスト上のCr薄膜を剥離し、前記レジストパターンのネガ(Cr積層がフォトレジストパターンと反対のパターン)の一次元格子状Cr薄膜パターンを形成した。ガラス基板表面上に形成したCr薄膜パターン領域をドライエッチング法により、ガラス基板表面に溝断面が矩形の一次元格子状溝を形成し、さらに酸洗浄によりCr薄膜を除去することにより、パターン付ガラス板を作製した。作製したパターン付ガラス板のパターン面を、集束イオンビーム加工観察装置FB−2100(日立製作所製)を使用してSEM用観察断面を作製し電解放出形走査電子顕微鏡S−4700(日立製作所製)にて断面形状を観察した結果、ガラス基板上のパターンは開口部の幅Tが150nm、凸部高さの1/2のレベルの幅Dが150nm、凸部の高さHが370nmの矩形形状であった。次いで、ガラス基板上に作製した凹凸形状上に、真空蒸着装置を用いてアルミニウムを成膜することにより、グリッド偏光子1を得た。
25mm×25mm×0.5mmの平板状のガラス基板上に電子線レジストZEP520(日本ゼオン製、ポジ型電子線レジスト)をスピンコーターにて塗布した。次に、電子線描画装置にて、フォトレジスト塗膜面中央部の12mm×12mmの領域に、ピッチ300nm、幅150nmの平行線を描画した。この描画されたフォトレジストを現像液(日本ゼオン製)で約3分間現像した。次に、これを洗浄し、窒素ブロアーにて乾燥することにより一次元格子状フォトレジストパターンを形成した。得られた一次元格子状フォトレジストパターン上にCr薄膜を電子線蒸着装置にて蒸着し、次いで、アセトン中で超音波洗浄を行うことにより、フォトレジストを除くと共にフォトレジスト上のCr薄膜を剥離し、前記レジストパターンのネガ(Cr積層がフォトレジストパターンと反対のパターン)の一次元格子状Cr薄膜パターンを形成した。ガラス基板表面上に形成したCr薄膜パターン領域をドライエッチング法により、ガラス基板表面に溝断面が矩形の一次元格子状溝を形成し、さらに酸洗浄によりCr薄膜を除去することにより、パターン付ガラス板を作製した。作製したパターン付ガラス板のパターン面を、集束イオンビーム加工観察装置FB−2100(日立製作所製)を使用してSEM用観察断面を作製し電解放出形走査電子顕微鏡S−4700(日立製作所製)にて断面形状を観察した結果、ガラス基板上のパターンは開口部の幅Tが150nm、凸部高さの1/2のレベルの幅Dが150nm、凸部の高さHが370nmの矩形形状であった。次いで、ガラス基板上に作製した凹凸形状上に、真空蒸着装置を用いてアルミニウムを成膜することにより、グリッド偏光子1を得た。
(透過光目視観察)
得られたグリッド偏光子に、冷陰極管に拡散板を載せた光源の光を透過させ、光源の光とグリッド偏光子を介した透過光との色変化を目視により観察した。
得られたグリッド偏光子に、冷陰極管に拡散板を載せた光源の光を透過させ、光源の光とグリッド偏光子を介した透過光との色変化を目視により観察した。
(偏光透過率、偏光反射率)
得られたグリッド偏光子を所定の形状に打ち抜いて枚葉のグリッド偏光子を得た。作製したグリッド偏光子の450nm、550nm、650nmの波長に対する偏光透過率及び偏光反射率を、分光光度計V−570(日本分光製)を用いて測定した。
なお、偏光透過率及び偏光反射率の測定には直線偏光を使用し、偏光透過率の場合はグリッド偏光子の透過軸と入射する光の偏光を平行に、また偏光反射率の場合はグリッド偏光子の透過軸と入射する光の偏光を直交させ、入射角5°における反射率を測定した。なお、偏光透過率及び偏光反射率が大きいほど、偏光分離性能に優れる。
グリッド偏光子1の評価結果を表1に示した。
得られたグリッド偏光子を所定の形状に打ち抜いて枚葉のグリッド偏光子を得た。作製したグリッド偏光子の450nm、550nm、650nmの波長に対する偏光透過率及び偏光反射率を、分光光度計V−570(日本分光製)を用いて測定した。
なお、偏光透過率及び偏光反射率の測定には直線偏光を使用し、偏光透過率の場合はグリッド偏光子の透過軸と入射する光の偏光を平行に、また偏光反射率の場合はグリッド偏光子の透過軸と入射する光の偏光を直交させ、入射角5°における反射率を測定した。なお、偏光透過率及び偏光反射率が大きいほど、偏光分離性能に優れる。
グリッド偏光子1の評価結果を表1に示した。
実施例2
8mm×8mm×60mmのSUS製シャンクにろう付けされた寸法0.2mm×1mm×1mmの直方体単結晶ダイヤモンドの0.2mm×1mmの面に、集束イオンビーム加工装置SMI3050(セイコーインスツルメンツ製)を用いてアルゴンイオンビームによる集束イオンビーム加工を行った。その際、収束イオンビームの条件を調節することにより、長さ1mmの辺に平行で、幅70nm、深さ100nmの溝をピッチ140nmの波状形状を彫り込み、切削工具を作製した。
直径200mmで長さ150mmの円筒形状ステンレス鋼SUS430の全周面に、厚さ100μmのニッケル−リン無電解メッキを施し、次いで、前記切削工具を取り付けた精密円筒研削盤S30−1(スチューダ製)を用いて、ニッケル−リン無電解メッキ面に、円筒の円周端面と平行な方向に幅70nm、高さ100nmm、ピッチ140nmの直線状の突起を切削加工し、転写ロールを得た。
8mm×8mm×60mmのSUS製シャンクにろう付けされた寸法0.2mm×1mm×1mmの直方体単結晶ダイヤモンドの0.2mm×1mmの面に、集束イオンビーム加工装置SMI3050(セイコーインスツルメンツ製)を用いてアルゴンイオンビームによる集束イオンビーム加工を行った。その際、収束イオンビームの条件を調節することにより、長さ1mmの辺に平行で、幅70nm、深さ100nmの溝をピッチ140nmの波状形状を彫り込み、切削工具を作製した。
直径200mmで長さ150mmの円筒形状ステンレス鋼SUS430の全周面に、厚さ100μmのニッケル−リン無電解メッキを施し、次いで、前記切削工具を取り付けた精密円筒研削盤S30−1(スチューダ製)を用いて、ニッケル−リン無電解メッキ面に、円筒の円周端面と平行な方向に幅70nm、高さ100nmm、ピッチ140nmの直線状の突起を切削加工し、転写ロールを得た。
なお、集束イオンビーム加工による切削工具の作製と、ニッケル−リン無電解メッキ面の切削加工は、温度20.0±0.2℃、振動制御システム(昭和サイエンス製)により0.5Hz以上の振動の変位が10μm以下に管理された恒温低振動室内で行った。
直径70mmのゴム製ロールからなるニップロール及び上記転写ロールを取り付けた転写装置を用い、転写ロールの表面温度160℃、ニップロールの表面温度100℃、フィルムの搬送テンション0.1kgf/mm2、及びニップ圧0.5kgf/mmの条件で、厚さ100μm、幅50mm、長さ5mの脂環式オレフィンポリマーフィルム(ZF−14、株式会社オプテス製)表面上に転写ロール表面の形状を転写し、ロール状に巻き取った。得られた長尺フィルムを所定のサイズに切り出し、集束イオンビーム加工観察装置FB−2100(日立製作所製)のマイクロサンプリング装置を使用してTEM用観察断面を作製し、透過電子顕微鏡H−7500(日立製作所製)にてフィルム断面を観察した。フィルム上の凹凸構造は開口部の幅Tが70nm、凸部高さの1/2のレベルの幅Dが70nm、凸部高さHが100nmの波状形状であった。
直径70mmのゴム製ロールからなるニップロール及び上記転写ロールを取り付けた転写装置を用い、転写ロールの表面温度160℃、ニップロールの表面温度100℃、フィルムの搬送テンション0.1kgf/mm2、及びニップ圧0.5kgf/mmの条件で、厚さ100μm、幅50mm、長さ5mの脂環式オレフィンポリマーフィルム(ZF−14、株式会社オプテス製)表面上に転写ロール表面の形状を転写し、ロール状に巻き取った。得られた長尺フィルムを所定のサイズに切り出し、集束イオンビーム加工観察装置FB−2100(日立製作所製)のマイクロサンプリング装置を使用してTEM用観察断面を作製し、透過電子顕微鏡H−7500(日立製作所製)にてフィルム断面を観察した。フィルム上の凹凸構造は開口部の幅Tが70nm、凸部高さの1/2のレベルの幅Dが70nm、凸部高さHが100nmの波状形状であった。
次いで、長尺のパターン付フィルムの凹凸構造形成面に、真空蒸着によりアルミニウムを成膜し、ロール状に巻き取った。加熱装置と攪拌装置を備えたエッチング槽に硝酸5.2%、リン酸73.0%、酢酸3.4%、及び残部が水からなる組成(酸成分相当濃度:83.6%)のエッチング液を溜め入れ、エッチング液の温度を33℃に調整したエッチング浴に、前記のアルミニウムが積層されたフィルムを30秒間浸漬した。次に120℃で5分間乾燥し、トリアセチルセルロースからなる保護フィルムをウレタン系接着剤を使用した接着層を介してアルミニウム層側に積層し、この積層体を加圧ローラーのニップに供給し圧着して貼り合せ、さらにロール状に巻き取ることにより、長尺のグリッド偏光子を得た。得られたグリッド偏光子の光線透過軸はフィルムの幅方向と略平行であった。
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを長手方向に一軸延伸し、この延伸フィルムを、ヨウ素とヨウ化カリウムを含む水溶液、次いで硼酸とヨウ化カリウム水溶液に浸漬し、さらに水洗し、乾燥させる工程を連続的に行なうことにより厚さ20μmの直線偏光フィルムを得た。
前記直線偏光フィルムの片面に長尺のグリッド偏光子をウレタン系接着剤を使用した接着層を介して積層し、もう一方の面側にトリアセチルセルロースからなる保護フィルムをウレタン系接着剤を使用した接着層を介して積層し、この積層体を加圧ローラーのニップに供給し圧着して貼り合せることにより、長尺のグリッド偏光子2(光学積層体)を得た。得られたグリッド偏光子2(光学積層体)はロール状に巻き取った。グリッド偏光子2の評価結果を表1に示した。
前記直線偏光フィルムの片面に長尺のグリッド偏光子をウレタン系接着剤を使用した接着層を介して積層し、もう一方の面側にトリアセチルセルロースからなる保護フィルムをウレタン系接着剤を使用した接着層を介して積層し、この積層体を加圧ローラーのニップに供給し圧着して貼り合せることにより、長尺のグリッド偏光子2(光学積層体)を得た。得られたグリッド偏光子2(光学積層体)はロール状に巻き取った。グリッド偏光子2の評価結果を表1に示した。
実施例3
実施例1と同様にして、ピッチ140nm、凹部の深さの1/2の箇所の幅70nm、深さ85nmの矩形形状パターンを有する石英スタンパを作製した。
イソボルニルアクリレート86.6重量部、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート9.6重量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、イルガキュアー184)3.8重量部からなる塗布液を、乾燥膜厚が約1μmになるように、厚さ700μmのガラス板上にスピンコーターを用いて成膜し、次いで先に作製した石英スタンパ上に前記塗布液をコーティングしたガラス板を載せ、石英側から紫外線照射することにより、ガラス板表面に石英表面の形状を転写した。
実施例1と同様にして、ピッチ140nm、凹部の深さの1/2の箇所の幅70nm、深さ85nmの矩形形状パターンを有する石英スタンパを作製した。
イソボルニルアクリレート86.6重量部、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート9.6重量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、イルガキュアー184)3.8重量部からなる塗布液を、乾燥膜厚が約1μmになるように、厚さ700μmのガラス板上にスピンコーターを用いて成膜し、次いで先に作製した石英スタンパ上に前記塗布液をコーティングしたガラス板を載せ、石英側から紫外線照射することにより、ガラス板表面に石英表面の形状を転写した。
該パターンが転写されたガラス板の凹凸構造面を、集束イオンビーム加工観察装置FB−2100(日立製作所製)を使用してSEM用観察断面を作製し、電解放出形走査電子顕微鏡S−4700(日立製作所製)にて断面形状を観察した結果、ガラス板上の樹脂層に形成された凹凸構造は開口部の幅Tが70nm、高さの1/2レベルの幅Dが70nm、凸部高さHが85nmの矩形形状であった。次いで、ガラス基板上の樹脂層に形成された凹凸構造上に、真空蒸着装置を用いアルミニウムを成膜し、硝酸5.2%、リン酸73.0%、酢酸3.4%、及び残部が水からなる組成(酸成分相当濃度:83.6%)のエッチング液で処理することにより、グリッド偏光子3を得た。グリッド偏光子3の評価結果を表1に示した。
比較例1
実施例1と同様の操作により、ガラス板上に、開口部の幅Tが70nm、凹部の深さの1/2の箇所の幅70nm、深さ70nmの矩形形状を作製し、真空蒸着装置を用いアルミニウムを成膜することによりグリッド偏光子5を得た。グリッド偏光子5の評価結果を表1に示した。
実施例1と同様の操作により、ガラス板上に、開口部の幅Tが70nm、凹部の深さの1/2の箇所の幅70nm、深さ70nmの矩形形状を作製し、真空蒸着装置を用いアルミニウムを成膜することによりグリッド偏光子5を得た。グリッド偏光子5の評価結果を表1に示した。
比較例2
比較例1で作製したグリッド偏光子5を、硝酸5.2%、リン酸73.0%、酢酸3.4%、及び残部が水からなる組成(酸成分相当濃度:83.6%)のエッチング液で処理することによりグリッド偏光子6を得た。グリッド偏光子6の評価結果を表1に示した。
比較例1で作製したグリッド偏光子5を、硝酸5.2%、リン酸73.0%、酢酸3.4%、及び残部が水からなる組成(酸成分相当濃度:83.6%)のエッチング液で処理することによりグリッド偏光子6を得た。グリッド偏光子6の評価結果を表1に示した。
表1の結果から以下のことがわかる。
実施例1〜3のグリッド偏光子は、透明基材上に形成された凹凸構造の、H/2の高さレベルでの溝の間隔DがH/1.2以下なので、得られるグリッド偏光子は透過光の変化はなく、さらに偏光透過率及び偏光反射率が大きい。特に、エッチング処理を行っている実施例2及び実施例3のグリッド偏光子は、偏光透過率が高い。
一方、比較例1〜2のグリッド偏光子は、透明基材上に形成された凹凸構造の、H/2の高さレベルでの溝の間隔DがH/1.2よりも大きいので、得られるグリッド偏光子は透過光が黄変したり、偏光透過率が低い。
実施例1〜3のグリッド偏光子は、透明基材上に形成された凹凸構造の、H/2の高さレベルでの溝の間隔DがH/1.2以下なので、得られるグリッド偏光子は透過光の変化はなく、さらに偏光透過率及び偏光反射率が大きい。特に、エッチング処理を行っている実施例2及び実施例3のグリッド偏光子は、偏光透過率が高い。
一方、比較例1〜2のグリッド偏光子は、透明基材上に形成された凹凸構造の、H/2の高さレベルでの溝の間隔DがH/1.2よりも大きいので、得られるグリッド偏光子は透過光が黄変したり、偏光透過率が低い。
Claims (4)
- 板状の透明基材の少なくとも一方の表面に、
細長く線状に延びる高さHの畝状凸部が互いに略平行に離間した状態で複数並び、畝状凸部間に形成される溝の開口部間隔Tが200nm以下で、且つH/2の高さレベルでの溝の間隔DがH/1.2以下である凹凸構造を形成し、
該凹凸構造の上に吸光性材料からなる膜を物理蒸着によって形成する工程を含む、グリッド偏光子の製法。 - さらに湿式エッチング法によって前記吸光性材料からなる膜の一部を除去する工程を含む請求項1に記載のグリッド偏光子の製法。
- 透明基材が長尺状のものである請求項1に記載のグリッド偏光子の製法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の製法によって得られるグリッド偏光子。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010018828A (ja) * | 2008-07-09 | 2010-01-28 | Asahi Kasei E-Materials Corp | 真空蒸着装置 |
JP2010264758A (ja) * | 2010-06-15 | 2010-11-25 | Toshiba Corp | 紫外線硬化性樹脂材料を用いたパターン転写方法、及びこれを用いた半導体装置の製造方法 |
JP2011127230A (ja) * | 2009-12-15 | 2011-06-30 | Toppan Printing Co Ltd | 偽造防止用紙及びこれを用いた検証方法 |
Citations (2)
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---|---|---|---|---|
WO2006064693A1 (ja) * | 2004-12-16 | 2006-06-22 | Toray Industries, Inc. | 偏光板、その製造方法およびそれを用いた液晶表示装置 |
JP2006201540A (ja) * | 2005-01-21 | 2006-08-03 | Asahi Kasei Corp | ワイヤグリッド偏光板及びその製造方法 |
-
2006
- 2006-10-31 JP JP2006296849A patent/JP2008116492A/ja active Pending
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