JP2008134495A - グリッド偏光子 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性、リワーク性、および偏光分離性能等に優れたグリッド偏光子を提供する。
【解決手段】透明樹脂フィルムAと、細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で略平行に複数並んだ吸光性薄膜からなるグリッドと、透明樹脂フィルムBとが積層されてなる部材を、熱切断により切りだすことによって、透明樹脂フィルムAと、細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で略平行に複数並んだ吸光性薄膜からなるグリッドと、透明樹脂フィルムBとが積層されてなり、且つ透明樹脂フィルムAと透明樹脂フィルムBとが端部で樹脂層Cを介して繋がり、グリッドの端部が樹脂層Cで蓋われているグリッド偏光子を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、グリッド偏光子に関する。さらに詳細には、耐久性、リワーク性、および偏光分離性能等に優れたグリッド偏光子に関する。
偏光面を自由に設定することができる偏光子としてグリッド偏光子が知られている。これは、多数の線状金属(ワイヤ)を一定の周期で平行に配列したグリッド構造をもつ光学部材である。このような金属のグリッド構造を形成すると、グリッドの周期が入射光の波長より短い場合に、グリッド構造を形成している線状金属に対して平行な偏光成分は反射し、垂直な偏光成分は透過するため、単一偏光を作りだす偏光子として機能する。このグリッド偏光子は、光通信ではアイソレーターの光部品として、液晶表示装置では光の利用率を高め輝度を向上させるための部品として、利用することが提案されている。
グリッド偏光子のグリッド構造は非常に微細で繊細な構造であるので、表面を擦ったり、引掻いたりなどしたときに、グリッド構造に欠陥が生じることがある。また、外気中の酸素や水蒸気によって、グリッドが酸化劣化して偏光分離性能が低下することがある。そこで、グリッド偏光子には、そのグリッド構造を保護するために保護層が設けられる。
特許文献1には、光透過基板420、前記基板上に配置される周囲環境に敏感なグリッドワイヤ421、及び前記偏光子を包囲する密封包囲部材423を有する偏光子と、包囲部材とからなり、包囲部材が前記偏光子を周囲環境から保護するために不活性雰囲気を有することを特徴とする偏光デバイスが開示されている。この密封包囲部材は偏光子の側部に取り付けられたスペーサー424を介して、グリッドワイヤに接しないように設けられている。しかし、広い面積のグリッド偏光子になると密封包囲部材が撓むなどして、形状の安定性が保てないことがあった。また様々な形状のグリッド偏光子に対応して密封包囲部材を用意しなければならず、生産性に乏しい。
特表2005−513547号公報(米国公開公報2003−117708号公報)
特許文献2には、結晶部及び非晶部が交互に連なる高次構造を有するフィルム、又はガラス転移温度が異なる二種の相が延伸方向に交互に連なる高次構造を有するフィルム、の片面又は両面の全面に、導電性薄膜を形成して複合膜を得、その複合膜を延伸し、熱固定することによって、異方的な導電性部分と高分子誘電体部分からなる構造を形成することが開示されている。しかしながら、特許文献2のグリッド偏光子を所望の大きさに切り出して使用を続けると、偏光分離性能が低下することがある。
特開2005−148416号公報
本発明の目的は、耐久性、リワーク性、および偏光分離性能等に優れたグリッド偏光子を提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、透明樹脂フィルムAと、細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で略平行に複数並んだ吸光性薄膜からなるグリッドと、透明樹脂フィルムBとが積層されてなり、且つ透明樹脂フィルムAと透明樹脂フィルムBとが端部で樹脂層Cを介して繋がり、グリッドの端部が樹脂層Cで蓋われているグリッド偏光子を用いることによって、上記目的を達成できることを見出した。本発明はこの知見に基づいてさらに検討し、完成したものである。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
(1) 透明樹脂フィルムAと、細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で略平行に複数並んだ吸光性薄膜からなるグリッドと、透明樹脂フィルムBとが積層されてなり、前記透明樹脂フィルムAと透明樹脂フィルムBとが端部で樹脂層Cを介して繋がり、かつグリッドの端部が樹脂層Cで蓋われているグリッド偏光子。
(2) 樹脂層Cが透明樹脂フィルムAと透明樹脂フィルムBとの融着によって形成されたものである前記のグリッド偏光子。
(3) 樹脂層Cが、硬化型樹脂によって形成されたものである前記のグリッド偏光子。
(4) 透明樹脂フィルムAと、細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で略平行に複数並んだ吸光性薄膜からなるグリッドと、透明樹脂フィルムBとが積層されてなる部材の端部に樹脂を塗布して封止する工程を含む前記グリッド偏光子の製法。
(5) 透明樹脂フィルムAと、細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で略平行に複数並んだ吸光性薄膜からなるグリッドと、透明樹脂フィルムBとが積層されてなる部材を、熱切断により切りだす工程を含む前記グリッド偏光子の製法。
本発明のグリッド偏光子は、透明樹脂フィルムA、透明樹脂フィルムB及び樹脂層Cによって、吸光性薄膜からなるグリッドが囲まれているので、酸素や水蒸気などによる酸化劣化が起き難く、また外力による歪み、傷などが生じ難い。
また本発明の製法によれば、所望の大きさに切りだしたときでも、吸光性薄膜からなるグリッドが端部に露出せず、酸素や水蒸気などによる酸化劣化が起き難く、また外力による歪み、傷などが生じ難いグリッド偏光子を得ることができる。
本発明のグリッド偏光子は、 透明樹脂フィルムAと、細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で複数並んだ吸光性薄膜からなるグリッドと、透明樹脂フィルムBとが積層されてなり、且つ透明樹脂フィルムAと透明樹脂フィルムBとが端部で樹脂層Cを介して繋がり、グリッドの端部が樹脂層Cで蓋われているものである。
透明樹脂フィルムA及び透明樹脂フィルムBは、透明樹脂からなるものであれば特に限定されない。該透明樹脂は、加工性の観点からガラス転移温度が60〜200℃であることが好ましく、100〜180℃であることがより好ましい。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量分析(DSC)により測定することができる。
透明樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、脂環式オレフィンポリマーなどが挙げられる。これらのうち、透明性、低吸湿性、寸法安定性、加工性の観点から脂環式オレフィンポリマーが好適である。脂環式オレフィンポリマーとしては、特開平05−310845号公報に記載されている環状オレフィンランダム多元共重合体、特開平05−97978号公報に記載されている水素添加重合体、特開平11−124429号公報(米国特許第6,511,756号公報)に記載されている熱可塑性ジシクロペンタジエン系開環重合体及びその水素添加物等が挙げられる。
本発明に用いる透明樹脂は、顔料や染料のごとき着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、耐電防止剤、酸化防止剤、滑剤、溶剤などの配合剤が適宜配合されたものであってもよい。
透明樹脂フィルムは、前記透明樹脂を公知の方法で成形することによって得られる。成形法としては、例えば、キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などが挙げられる。
透明樹脂フィルムの平均厚さは、取り扱い性の観点から通常5μm〜1mm、好ましくは20〜200μmである。透明基材は、400〜700nmの可視領域の光の透過率が80%以上であるものが好ましい。
また、透明樹脂フィルムは、その波長550nmで測定したレターデーションRe(Re=d×(nx−ny)で定義される値、nx、nyは透明樹脂フィルムの面内主屈折率(nx≧ny);dは透明樹脂フィルムの平均厚さである。)によって特に制限されない。面内の任意2点のレターデーションReの差(レターデーションむら)は、好ましくは10nm以下であり、より好ましくは5nm以下である。レターデーションむらが大きいと、液晶表示装置に用いた場合に表示面の明るさにバラツキが生じやすくなる。
本発明においては、透明樹脂フィルムとして長尺状のものが好ましく用いられる。長尺とは、幅に対し少なくとも5倍程度以上の長さを有するものを言い、好ましくは10倍もしくはそれ以上の長さを有するものを言い、具体的にはロール状に巻回されて保管または運搬される程度の長さを有するものを言う。透明樹脂フィルムの幅は、好ましくは500mm以上、より好ましくは1000mm以上である。
本発明のグリッド偏光子に用いられるグリッドは、細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で略平行に複数並んだ吸光性薄膜からなるものである。グリッドを構成する吸光性薄膜は、その幅が好ましくは25〜300nmであり、長さが好ましくは800nm以上である。また、グリッドのピッチは、好ましくは20〜500nm、より好ましくは30〜300nmである。グリッドは、薄膜が非周期的に並んだものであってもよいが、偏光分離性などの光学特性を得るために薄膜が周期的に並んだものが好ましい。
吸光性薄膜は、吸光性材料を成膜することによって得られる。
吸光性材料としては、導電性のものが好ましく、具体的には、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、ロジウム、スズ等の金属が挙げられる。成膜の方法は特に制限されず、例えば、PVD法、湿式メッキ法、乾式メッキ法などが挙げられる。
細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で略平行に複数並んだ吸光性薄膜からなるグリッドを形成する方法は特に限定されないが、次のような方法で形成することが好ましい。
まず、前記透明樹脂フィルムAの少なくとも一方の表面に細長く線状に延びた畝状の凸部が互いに離間した状態で略平行に複数並んだ凹凸構造を形成する。略平行とは、平行方向から±5°の範囲内にあることをいう。
凹凸構造は、細長く線状に延びた畝状の凸部が互いに離間した状態で略平行に複数並んだ構造を成しているのが好ましく、特に、細長く線状に延びた畝状の凸部が格子状に並んだ構造を成しているのが好ましい。畝状凸部は、畝の幅が好ましくは25〜300nmであり、畝の長さが好ましくは800nm以上である。
また、凸部の中心間距離(ピッチ)は、好ましくは20〜500nm、より好ましくは30〜300nmである。凸部の高さは、好ましくは5〜3000nm、より好ましくは20〜1000nm、特に好ましくは50〜300nmである。
凹凸構造は、凸部が非周期的に並んだものであってもよいが、偏光分離性などの光学特性を得るために凸部が周期的に並んだものが好ましい。
凹凸構造を形成する方法は、特に制限されない。例えば、(1)凹凸構造に対応する形状を有する転写ロールを用いて長尺の樹脂原反フィルム表面に転写することによって、(2)凹凸構造のパターンをフォトリソグラフ法によって転写することによって、得られる。
次に、前記凹凸構造の上にPVD法によって吸光性薄膜を積層する。吸光性薄膜に用いる吸光性材料は、導電性のものが好ましく、具体的には、アルミニウム、インジウム、マグネシウム、ロジウム、スズ等の金属が挙げられる。
PVD法は、蒸着材料を蒸発・イオン化し、被膜を形成させる方法である。具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング(イオンめっき)法、イオンビームデポジション法等の中から適宜選択することができる。これらのうち真空蒸着法が好適である。真空蒸着法は、真空にした容器の中で、蒸着材料を加熱し気化もしくは昇華して、離れた位置に置かれた基板の表面に付着させ、薄膜を形成する方法である。蒸着材料、基板の種類により、抵抗加熱、電子ビーム、高周波誘導、レーザーなどの方法で加熱される。積層される吸光性薄膜の厚さは、特に制限されないが、通常20〜500nm、好ましくは30〜300nm、より好ましくは40〜200nmである。なお吸光性薄膜の厚さは凸部の頂面に積層された吸光性薄膜の厚さである。
PVD法による製膜で凹凸構造の凸部頂面に吸光性薄膜が積層される。一方、凸部側面にはほとんど吸光性薄膜が積層されない。凸部の中心間距離が広い場合には凹凸構造の凹部底面にも吸光性薄膜が積層されることもある。凹部底面に積層された吸光性薄膜は、後述するように延伸工程と湿式エッチング工程を経ることによって取り除くことができる。
PVD法によって積層された吸光性薄膜は、凸部の幅よりも通常広い幅になる。吸光性薄膜の幅は狭い方が好ましいので、後述の湿式エッチングのマスクとして、PVD法によって積層された吸光性薄膜の上にPVD法によって無機酸化物膜を積層し、ついでエッチングすることが好ましい。
無機酸化物は、後述の湿式エッチングに耐えるものであれば特に限定されず、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素または窒化酸化ケイ素などの化合物が挙げられる。この中では特に酸化ケイ素が好ましい。積層される無機酸化物膜の厚さは、特に制限されないが、通常1〜100nm、好ましくは2〜50nm、より好ましくは3〜20nmである。
PVD法によって積層された吸光性薄膜が、凸部の幅よりも通常広い幅になっており、凹凸構造の凹部の入口を塞いでいるので、無機酸化物膜は、主に凸部頂面に積層された吸光性薄膜の上に積層される。
次に、略平行に並んだ畝状凸部に直交する方向に必要に応じて延伸することができる。この延伸によって凸部の中心間距離が広がり、吸光性薄膜間の間隔が広がり、光線透過率が高くなる。また凹凸構造の凹部底面に吸光性薄膜が積層されていた場合には、該吸光性薄膜の側面が凸部側面から離れ隙間ができる。後述する湿式エッチング液がこの隙間に入り込み、凹部底面に積層された吸光性薄膜を優先的に除去することができるようになる。
延伸方法は特に限定されないが、畝状凸部に直交する方向の延伸倍率を好ましくは1.05〜5倍、より好ましくは1.1〜3倍、畝状凸部に平行な方向の延伸倍率を好ましくは0.9〜1.1倍、より好ましくは0.95〜1.05倍にすると好ましい。
延伸後の凹凸構造は、細長く線状に延びた畝状の凸部が互いに離間した状態で略平行に複数並んだ構造をそのまま維持しており、畝状凸部の幅及び高さもほとんど維持される。
一方、凸部の中心間距離は、延伸前よりも長くなり、好ましくは30〜1000nm、より好ましくは50〜600nmである。
このような延伸を行うために、テンター延伸機による連続的な横一軸延伸が好適である。
凸部頂面に積層された吸光性薄膜の幅を狭め、また凹凸構造の凹部に積層された吸光性薄膜を取り除くために湿式エッチングを行うことが好ましい。湿式エッチング法に用いられるエッチング液は、透明基材を腐食等させずに吸光性薄膜を除去できる液であれば良く、マスク層(無機酸化物膜)、吸光性薄膜、透明基材の材質に応じて適宜選択する。湿式エッチング液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物を含有する溶液;硫酸、燐酸、硝酸、酢酸、フッ化水素、塩酸などを含有する溶液;過硫酸アンモニウム、過酸化水素、フッ化アンモニウム等やそれらの混合液からなる溶液などが挙げられる。また、湿式エッチング液には界面活性剤などの添加物を添加しても良い。
このエッチングによって、マスク層が積層されていない部分またはマスク層が薄い部分の下にある吸光性薄膜が除去される。具体的には、凸部の頂部に積層された吸光性薄膜の脇部分、凹凸構造の凹部の底面に積層された吸光性薄膜が除去され、凸部頂部に凸部の幅と同程度の幅の吸光性薄膜が残る。以上のようにしてグリッドを容易に形成できる。
前記のような方法で、透明樹脂フィルムAの上にグリッドを形成した後、透明樹脂フィルムBを保護層として積層する。
透明樹脂フィルムBを積層させるために接着剤(粘着剤を含む)を用いることができる。グリッド頂面と透明樹脂フィルムBとの間に介在する接着剤からなる層(接着層)の平均厚さは、通常0.01μm〜30μm、好ましくは0.1μm〜15μmである。この接着剤としては、アクリル接着剤、ウレタン接着剤、ポリエステル接着剤、ポリビニルアルコール接着剤、ポリオレフィン接着剤、変性ポリオレフィン接着剤、ポリビニルアルキルエーテル接着剤、ゴム接着剤、塩化ビニル・酢酸ビニル接着剤、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS共重合体)接着剤、その水素添加物(SEBS共重合体)接着剤、エチレン・酢酸ビニル共重合体およびエチレン−スチレン共重合体などのエチレン接着剤、および、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体、およびエチレン・アクリル酸エチル共重合体などのアクリル酸エステル接着剤などを挙げることができる。
本発明のグリッド偏光子を構成する樹脂層Cは、透明樹脂フィルムAと透明樹脂フィルムBとをそれら端部で繋ぎ、そして前記グリッドの端部を蓋っている。
このような樹脂層Cを設けることによって、グリッド偏光子の耐久性、リワーク性が向上する。
樹脂層Cは、その材料によって特に制限されず、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂のいずれを用いたものでもよいが、視野を遮ることがないようにするために透明樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂としては前述した透明樹脂の中から選択できる。また、硬化性樹脂としては、熱硬化性樹脂、エネルギー線として紫外線、電子線、マイクロ波等を用いるエネルギー線硬化樹脂等が挙げられる。
樹脂層Cは、その形成方法によって特に制限されない。例えば、前述したような方法で透明樹脂フィルムAと、細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で略平行に複数並んだ吸光性薄膜からなるグリッドと、透明樹脂フィルムBとが積層されてなる部材を得、その部材の端部に(1)溶融した熱可塑性樹脂を塗布し冷却する、(2)熱可塑性樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を塗布し、溶剤を乾燥する、(3)熱硬化性樹脂を塗布し、加熱処理する方法、(4)エネルギー線硬化樹脂を塗布し、エネルギー線を照射することによって、得ることができるが、作業性の観点から(2)、(3)、(4)の手法を用いることが好ましい。
(1)溶融した熱可塑性樹脂を塗布し冷却する手法
熱可塑性樹脂をその溶融温度以上に加熱することにより、流動性を付与し、部材の端部に溶融した樹脂を塗布、冷却することにより樹脂層Cを形成することができる。加熱温度は、使用する熱可塑性樹脂の溶融温度以上であれば特に制限はないが、溶融温度+10℃以上の温度が好ましい。また、塗布方法としては、特に制限はなくディップコート法、刷毛塗り法等を用いることができる。
(2)熱可塑性樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を塗布し、溶剤を乾燥する方法
熱可塑性樹脂をその樹脂が溶解する溶剤に溶解して樹脂溶液とし、部材の端部に前記樹脂溶液を塗布し、次いで乾燥することにより樹脂層Cを形成することができる。
熱可塑性樹脂としては、前述した透明樹脂が挙げられ、2種類以上の透明樹脂を混合して使用してもよい。溶剤としては、熱可塑性樹脂が溶解する溶剤であれば特に制限はなく、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤等を用いることができる。溶剤の乾燥は、溶剤が揮発する温度以上であれば特に制限はないが、樹脂層Cの欠陥を少なくするため、溶剤の沸点以下の温度で乾燥することが好ましい。また、塗布方法としては、特に制限はなくディップコート法、刷毛塗り法等を用いることができる。
(3)熱硬化性樹脂を塗布し、加熱処理する方法
部材の端部に熱硬化性樹脂を含む塗布液を塗布し、加熱処理することより熱硬化性樹脂を硬化し、樹脂層Cを形成することができる。
熱硬化性樹脂としては、加熱により架橋する樹脂であれば特に制限はなく、フェノール樹脂系、尿素樹脂系、メラミン樹脂系、アルキド樹脂系等を用いることができる。熱硬化性樹脂を含む塗布液の粘度が高い場合、樹脂が溶解する溶剤を用いて希釈して使用することが好ましい。溶剤としては、特に制限はなく、前述した溶剤を用いることができる。また、塗布方法としては、特に制限はなくディップコート法、刷毛塗り法等を用いることができる。
(4)エネルギー線硬化樹脂を塗布し、エネルギー線を照射する方法
部材の端部にエネルギー線硬化樹脂を含む塗布液を塗布し、エネルギー線照射することによりエネルギー線硬化樹脂を硬化し、樹脂層Cを形成することができる。
エネルギー線硬化樹脂としては、エネルギー線を照射することにより架橋する樹脂であれば特に制限はないが、硬化性の観点から樹脂骨格に不飽和二重結合を有する樹脂を用いることが好ましい。エネルギー線としては、例えば紫外線、電子線、マイクロ波等を挙げることができる。エネルギー線硬化樹脂を含む塗布液の粘度が高い場合、樹脂が溶解する溶剤を用いて希釈して使用することが好ましい。溶剤としては、特に制限はなく、前記(2)で述べた溶剤等を用いることができる。また、塗布方法としては、特に制限はなくディップコート法、刷毛塗り法等を用いることができる。
また、透明樹脂フィルムAと、細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で略平行に複数並んだ吸光性薄膜からなるグリッドと、透明樹脂フィルムBとが積層されてなる部材を、熱切断により切りだすことによって、所望の大きさに加工すると同時に透明樹脂フィルムAと透明樹脂フィルムBとの端部を融着して繋ぎ、前記グリッドの端部を蓋うことができる。熱切断の方法としては、透明樹脂フィルムAと透明樹脂フィルムBを溶融させる方法であれば特に制限はなく、抵抗熱を用いた切断、レーザー切断、プラズマ切断等の手法を挙げることができる。前述した熱切断法はそれぞれ特徴があるため、その使用形態に合わせて適宜使い分けをする。
本発明のグリッド偏光子は、直交する直線偏光のうちの一方を透過し、他方を反射する性質を持つ。このような直線偏光を透過光と反射光に分離する性質を利用して、液晶表示装置の輝度向上用の素子として本発明の光学フィルムをそのまま又は他の光学素子(偏光子、位相差板など)と組み合わせ積層して用いることができる。
<製造例>
8mm×8mm×60mmのSUS製シャンクにろう付けされた寸法0.2mm×1mm×1mmの直方体単結晶ダイヤモンドの0.2mm×1mmの面に、集束イオンビーム加工装置SMI3050(セイコーインスツルメンツ製)を用いてアルゴンイオンビームを用いた集束イオンビーム加工を行い、長さ1mmの辺に平行な幅70nm、深さ100nmの溝をピッチ140nmで彫り込み、切削工具を作製した。
直径200mmで長さ150mmの円筒形状ステンレス鋼SUS430の曲面全面に、厚さ100μmのニッケル−リン無電解メッキを施し、次いで、先に作製した直線状突起を形成した切削工具と、精密円筒研削盤S30−1(スチューダ製社)を用いて、ニッケル−リン無電解メッキ面に、円筒の円周端面と平行な方向に幅70nm、高さ100nmm、ピッチ140nmの直線状の突起を切削加工することにより、転写ロールを得た。なお、集束イオンビーム加工による切削工具の作製と、ニッケル−リン無電解メッキ面の切削加工は、温度20.0±0.2℃、振動制御システム(昭和サイエンス製)により0.5Hz以上の振動の変位が10μm以下に管理された恒温低振動室内で行った。
直径70mmのゴム製ロールからなるニップロール及び上記転写ロールを使用した転写装置を用い、転写ロールの表面温度160℃、ニップロールの表面温度100℃、フィルムの搬送テンションを0.1kgf/mm2、ニップ圧が0.5kgf/mmの条件で厚さ100μmの脂環式オレフィンポリマーフィルム(ZF−14、株式会社オプテス製)表面上に転写ロール表面の形状を転写し、ロール状に巻き取った。得られたフィルムのパターン転写面上に、Arガス存在下にて出力400Wでアルミニウムをスパッタリングにより成膜し、ロール状に巻き取った。さらに、トリアセチルセルロースからなる保護フィルムをウレタン系接着剤からなる接着層を介してアルミ層側に積層し、この積層体を加圧ローラーのニップに供給し圧着して連続的に貼り合せ、ロール状に巻き取ることにより、長尺のグリッド偏光子0を得た。
実施例1
製造例で作製した長尺のグリッド偏光子0を50mm角に切り出した。次にイソボルニルアクリレート86.0重量部、トリメチロールプロパントリアクリレート10.0重量部、及び光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、イルガキュアー184)4.0重量部からなるUV硬化樹脂を端部に塗布し、紫外線を照射することによりグリッド偏光子1を得た。なお、得られたグリッド偏光子1の端部を光学顕微鏡で観察したところ、すべての端部は樹脂層で被覆されていた。グリッド偏光子1の評価結果を表1に示した。
実施例2
製造例で作製した長尺のグリッド偏光子0を160℃の抵抗熱を利用した金属性刃物を用い、押し切り法にて50mm角に切り出すことによりグリッド偏光子2を得た。なお、得られたグリッド偏光子2の端部を光学顕微鏡で観察したところ、すべての端部は樹脂で融着されていた。グリッド偏光子2の評価結果を表1に示した。
比較例1
製造例で作製した長尺のグリッド偏光子0を金属性刃物を用いた押し切り法にて50mm角に切り出すことによりグリッド偏光子3を得た。なお、得られたグリッド偏光子3の端部を光学顕微鏡で観察したところ、すべての端部は樹脂で被覆されていなかった。グリッド偏光子3の評価結果を表1に示した。
グリッド偏光子の評価を以下の方法によって行った。
(耐水試験)
作製したグリッド偏光子を60℃に温度調節された純水中に240時間放置し、保護フィルムの剥離状態を目視により観察した。
(輝度向上効果試験)
入射端面側に冷陰極管が配置され、かつ裏面側に光反射シートが設けられた導光板の出射面側に、光拡散シートを順次重ねて、光源装置を作製した。
光拡散シートの上に直線偏光子、透過型TN液晶セルを順次載せ、さらに透過型TN液晶セルの上に検光子を前記直線偏光子の透過軸と直交する方向になるように配置し、液晶表示装置を組み立てた。得られた液晶表示装置の明表示時の正面輝度を輝度計BM−7(トプコン製)を用いて測定した。この測定値を参照輝度という。
入射端面側に冷陰極管が配置され、かつ裏面側に光反射シートが設けられた導光板の出射面側に、光拡散シート、グリッド偏光子を順次重ねて、光源装置を作製した。
グリッド偏光子の上に吸収型偏光板の透過軸がグリッド偏光子の透過軸と同じになるように直線偏光子を載せ、透過型TN液晶セルを載せ、さらに透過型TN液晶セルの上に検光子を前記直線偏光子の透過軸と直交する方向になるように配置し、液晶表示装置を組み立てた。得られた液晶表示装置の明表示時の正面輝度を輝度計BM−7(トプコン製)を用いて測定した。この測定値を初期輝度という。参照輝度に対する初期輝度の上昇率を求めた。
液晶表示装置からグリッド偏光子を取り出し、温度80℃、湿度90%の高温高湿の部屋に、グリッド偏光子を240時間放置した。次いで、該グリッド偏光子を用いて、再び、液晶表示装置を組み立てた。得られた液晶表示装置の明表示時の正面輝度を輝度計BM−7(トプコン製)を用いて測定した。この測定値を高温高湿後輝度という。参照輝度に対する高温高湿後輝度の上昇率を求めた。
Figure 2008134495

Claims (5)

  1. 透明樹脂フィルムAと、
    細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で略平行に複数並んだ吸光性薄膜からなるグリッドと、
    透明樹脂フィルムBとが積層されてなり、
    前記透明樹脂フィルムAと透明樹脂フィルムBとが端部で樹脂層Cを介して繋がり、かつグリッドの端部が樹脂層Cで蓋われているグリッド偏光子。
  2. 前記樹脂層Cが透明樹脂フィルムAと透明樹脂フィルムBとの融着によって形成されたものである請求項1に記載のグリッド偏光子。
  3. 前記樹脂層Cが、硬化型樹脂によって形成されたものである請求項1に記載のグリッド偏光子。
  4. 透明樹脂フィルムAと、細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で略平行に複数並んだ吸光性薄膜からなるグリッドと、透明樹脂フィルムBとが積層されてなる部材の端部に樹脂を塗布して封止する工程を含む請求項1に記載のグリッド偏光子の製法。
  5. 透明樹脂フィルムAと、細長く線状に延び且つ互いに離間した状態で略平行に複数並んだ吸光性薄膜からなるグリッドと、透明樹脂フィルムBとが積層されてなる部材を、熱切断により切りだす工程を含む請求項1に記載のグリッド偏光子の製法。
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