JP2017172944A - 貯湯式給湯機 - Google Patents

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Abstract

【課題】缶体下部の排水管や分岐管の開閉弁の凍結を防止しつつ、凍結予防用の循環運転の短縮化を図る。【解決手段】ヒーポン戻り管11のうち冷媒−水熱交換器13から三方弁5までの第1区間11A、及び、三方弁5から缶体2下部の給水管9までの戻りバイパス管7を銅管とし、ヒーポン戻り管11のうち三方弁5から缶体2上部までの第2区間11BをSUS管により構成する。これにより、第1区間11A及び戻りバイパス管7における比較的大きな放熱量を確保し排水栓60、非常用取水栓58、缶体保護弁61、及び止水栓46の凍結を防止しつつ、第2区間11Bにおける管外からの冷却を抑制して循環運転の短縮化を図れる。【選択図】図1

Description

この発明は、凍結防止のための循環運転を行う貯湯式給湯機に関するものである。
従来よりこの種の貯湯式給湯機においては、特許文献1に記載のように、貯湯タンク内の湯水を、タンク下部→往き管→熱交換器→戻り管の途中部→戻りバイパス管→タンク下部のように循環するルートと、タンク下部→往き管→熱交換器→戻り管→タンク上部のように循環するルートとの、2つを切り替えつつ循環させるものがあった。
特開2003−214700号公報
前記循環運転を行う場合、上記2つのいずれのルートであっても貯湯タンク内の湯水の温度低下は避けられないことから、前記循環運転を実行する時間をなるべく短くする必要がある。そのためには、前記2つのルートの全配管を、低熱伝導率の配管材により構成し、管内を流通する湯水に対する管外からの冷却を抑制することが考えられる。
しかしながら、通常、貯湯タンクの下部には、貯湯タンク内の湯水を排水するための排水管が接続され、さらに前記貯湯タンクの下部に連通する前記往き管にも少なくとも1つの分岐管(非常時に湯水を取得するための取水管や、貯湯タンクの缶体を保護するための保護管等)が接続されている。そして、前記排水管や前記分岐管には、それぞれ適宜の開閉弁(排水管に設けられる排水栓、取水管に設けられる非常用取水栓、保護管に設けられる缶体保護弁等)が設けられている。したがって、前記のように全配管を低熱伝導率化すると、それら開閉弁に対する管内の湯水からの放熱量が少なくなり、前記開閉弁が凍結する恐れがあるという問題があった。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯水と加熱された冷媒との熱交換を行う熱交換器と、前記貯湯タンクの下部から前記熱交換器に向かう往き管と、前記熱交換器から前記貯湯タンクの上部に戻る戻り管と、前記戻り管に設けられた三方弁と、前記三方弁から前記貯湯タンクの下部へと連通する戻りバイパス管とを有する貯湯式給湯機において、前記戻り管のうち前記熱交換器から前記三方弁までの第1区間と前記戻りバイパス管とを構成する配管材の熱伝導率が第1の値であり、前記戻り管のうち前記三方弁から前記貯湯タンクの上部までの第2区間を構成する配管材の熱伝導率が前記第1の値よりも小さな第2の値であるものである。
また、請求項2では、前記戻り管の前記第1区間と前記バイパス管とは、銅管により構成されており、前記戻り管の前記第2区間は、SUS管により構成されているものである。
また、請求項3では、前記往き管に設けられ湯水を循環させる循環ポンプと、前記往き管のうち前記貯湯タンクと前記循環ポンプとの間から分岐して接続された少なくとも1つの分岐管と、前記分岐管に設けられた第1開閉弁とを有するものである。
また、請求項4では、前記戻りバイパス管から分岐して接続された排水管と、
前記排水管に設けられた第2開閉弁と、を有するものである。
また、請求項5では、前記三方弁を、前記第1区間と前記第1バイパス管とを第1期間連通する第1状態と、前記第1区間と前記第2区間とを第2期間連通する第2状態と、に定期的に切り替える制御手段を設けたものである。
この発明の請求項1によれば、熱交換器において冷媒と熱交換して加熱された湯水が貯湯タンク内に貯湯される。すなわち、沸き上げ運転時に、貯湯タンク内の低温水が前記貯湯タンクの下部に接続された往き管から取り出されて熱交換器に導かれ、前記冷媒との熱交換によって加熱されて高温水となる。この高温水は、熱交換器から戻り管を経て前記貯湯タンクの上部に戻され、この結果、貯湯タンクの上部から順次積層して高温水が貯湯される。
ここで、前記の配管接続構造において、例えば冬期における凍結防止のために貯湯タンク内の湯水の循環運転が行われる。このとき、前記戻り管の途中に三方弁が設けられ、その三方弁から貯湯タンクの下部までが戻りバイパス管によって接続される。前記凍結防止のための循環運転では、前記三方弁の切替によって2ルートの循環運転が選択的に実行される。第1のルートでは、三方弁が、戻り管の前記熱交換器から前記三方弁までの第1区間を、前記戻りバイパス管に連通する状態(第1状態)に切り替えられる。この状態で、貯湯タンク内の湯水は、貯湯タンク下部→往き管→熱交換器→戻り管の第1区間→三方弁→戻りバイパス管→貯湯タンク下部のように循環する。また、第2のルートでは、三方弁が、前記第1区間を、戻り管の前記三方弁から前記貯湯タンクの上部までの第2区間に連通する状態(第2状態。言い替えれば戻り管を全通する状態)に切り替えられる。この状態で、貯湯タンク内の湯水は、貯湯タンク下部→往き管→熱交換器→戻り管の第1区間→三方弁→戻り管の第2区間→貯湯タンク上部のように循環する。通常は、三方弁が前記第1状態と前記第2状態とに交互に切り替えられることで、前記2つのルートによる循環運転が交互に定期的に行われる。これにより、(前記沸き上げ運転と同様の)前記第2ルートのみで循環運転した場合に生じうる、貯湯タンク上部の高温水の温度低下の抑制が図られる。
そして、請求項1によれば、前記戻り管のうち前記熱交換器から前記三方弁までの前記第1区間と、前記三方弁から前記貯湯タンク下部までの前記戻りバイパス管とを、熱伝導率が第1の値(すなわち高熱伝導率)である配管材によって構成しつつ、前記戻り管のうち前記三方弁から前記貯湯タンク上部までの前記第2区間を、熱伝導率が第2の値(すなわち低熱伝導率)である配管材によって構成する。これにより、前記戻り管第1区間及び前記戻りバイパス管における比較的大きな放熱量を確保して、貯湯タンクの下部に連通する排水管や前記往き管から分岐する分岐管にそれぞれ設けられる開閉弁の凍結を防止しつつ、残りの前記戻り管第2区間の前記冷却を抑制して循環運転の短縮化を図ることができる。
また、請求項2によれば、戻り管第1区間及び戻りバイパス管を銅管で構成することにより確実に大きな放熱量を確保することができ、戻り管第2区間をSUS管で構成することにより管内を流通する湯水に対する管外からの冷却を確実に抑制することができる。
また、請求項3によれば、例えば非常時に湯水を取得するための取水管や、貯湯タンクの缶体を保護するための保護管、等が設けられる場合に、それらに配置される非常用取水栓や缶体保護弁が凍結するのを、確実に防止することができる。
また、請求項4によれば、戻りバイパス管から分岐する排水管が設けられる場合に、その排水管に配置される排水栓が凍結するのを、確実に防止することができる。
また、請求項5によれば、制御手段の制御によって三方弁が第1状態と第2状態とに交互に切り替えられることにより、前記2つのルートによる循環運転が交互に定期的に行われる。この結果、前記第2ルートのみで循環運転した場合に生じうる、貯湯タンク上部の高温水の温度低下を確実に抑制することができる。また、第2区間の熱伝導率を低くすることで、前記第2区間からの放熱が減少し、前記第2区間内の湯水の温度が比較的長時間保たれる。これにより、前記のように制御手段が第1状態と第2状態とを交互に切り替えるとき、前記第1区間を前記第2区間側に連通する前記第2状態の頻度を相対的に減らすことができる。この結果、貯湯タンク上部に流入する低温の湯水の量を減少させることができ、貯湯タンク上部の温度低下を防止することができる。
本発明の一実施形態の貯湯式給湯機の全体概略構成図 タンク装置及びその周辺配管及び機能部品とともに表す斜視図 凍結予防のための循環運転の作動前の状態を説明する図 凍結予防のための循環運転(第1ルート)の作動を説明する図 凍結予防のための循環運転(第2ルート)の作動を説明する図 三方弁の切替挙動の詳細を比較例と対比して説明する図
次に、本発明の一実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
本実施形態の貯湯式給湯機の全体概略構成を図1に示す。図1において、この貯湯式給湯機100は、時間帯別契約電力の電力単価が安価な深夜時間帯に湯水を沸き上げて貯湯しこの貯湯した湯水を給湯に用いるもので、タンク装置TAを備えた貯湯タンクユニット1と、缶体2(貯湯タンク)内の湯水を加熱する加熱手段としてのヒートポンプユニット3と、台所や洗面所等にそれぞれ設けられた給湯栓4(この例ではシャワーを図示)と、浴槽6と、を有する。
図1及び図2に示すように、前記タンク装置TAは、筐体となる外装ケース(図示省略)の内部に設置され内部に湯水を貯湯する前記缶体2を備えている。缶体2は、上端に出湯管8が接続され、下端に給水管9が接続され、さらに下部にヒーポン循環回路を構成するヒーポン往き管10が接続され、上部にヒーポン循環回路を構成するヒーポン戻り管11(詳細には、戻り管第2区間11B。詳細は後述)が接続されている。
前記缶体2は全体が略円筒形に形成された金属製の中空缶であり、その周囲に、缶体2全体を覆うように、保温用の4つの発泡断熱材53,54,55,56(図1では煩雑防止のために一点鎖線で略示)が設けられている。
前記ヒーポン往き管10を介し缶体2の下方から取り出された前記缶体2内の湯水は前記ヒートポンプユニット3によって沸き上げられた後、前記ヒーポン戻り管11を介し缶体2の上端から前記缶体2内に戻されて貯湯される。また、前記給水管9からの給水により缶体2内の湯水が押し上げられることで、缶体2内上部の高温水が前記出湯管8から押し出され、給湯される。このとき、前記給水管9には、給水の温度を検出する給水温度センサ(図示せず)とが設けられ、前記出湯管8には、缶体2の過圧を逃す過圧逃し弁45が設けられている。
前記ヒートポンプユニット3は、ヒートポンプ回路16と、ヒーポン循環ポンプ17と、それらの駆動を制御するヒーポン制御部(図示せず)とを備えている。前記ヒートポンプ回路16は、圧縮機12と、凝縮器としての冷媒−水熱交換器13と、電子膨張弁14と、中間熱交換器18と、強制空冷式の蒸発器15とで構成されている。前記ヒーポン循環ポンプ17は、缶体2内の湯水を前記ヒーポン往き管10及びヒーポン戻り管11を介して冷媒−水熱交換器13内に循環させる。
前記ヒートポンプ回路16内には冷媒として二酸化炭素が用いられ、これによって超臨界ヒートポンプサイクルが構成されている。一般に、超臨界ヒートポンプサイクルでは熱交換時において冷媒は超臨界状態のまま凝縮されるが、前記冷媒−水熱交換器13では冷媒と被加熱水たる缶体2内の湯水とが対向して流れる対向流方式を採用しており、これによって効率良く高温まで被加熱水を加熱可能であり、例えば低温水を電熱ヒータなしで約90℃の高温まで沸き上げることができる。
前記ヒーポン制御部は、前記被加熱水の冷媒−水熱交換器13の入口温度と冷媒の冷媒−水熱交換器13の出口温度との温度差が一定になるように、前記電子膨張弁14または圧縮機12を制御する。これにより、特に、被加熱水の冷媒−水熱交換器13の入口温度が例えば5〜20℃程度の低い温度である場合に、COP(エネルギー消費効率)がとても良い状態で被加熱水を加熱することができる。
一方、貯湯タンクユニット1内の前記ヒーポン戻り管11には、給湯制御部44(制御手段)により切替が制御される三方弁5が設けられる。ヒーポン戻り管11は、前記三方弁5よりも前記缶体2側(言い替えれば三方弁5と缶体2との間)の第2区間11Bが、熱伝導率が比較的低い第1の値である配管材、例えばステンレス(SUS;図1中の三重線の略示参照)により構成される。これに対し、ヒーポン戻り管11の、前記三方弁5よりも前記冷媒−水熱交換器13側(言い替えれば冷媒−水熱交換器13と三方弁5との間)の第1区間11Aは、熱伝導率が前記第1の値より高い第2の値である配管材、例えば銅(図1中の一重の細実線の略示参照)により構成される。その技術的意義については、後述する。なお、図1に示されるその他の各種配管を構成する配管材は、特記しない限り、銅である(図1中の一重の細実線の略示参照)。
前記三方弁5では、前記ヒーポン戻り管11から分岐して前記給水管9へ至る(言い替えれば缶体2の下部へと連通する)、戻りバイパス管7が接続されている。前記三方弁5は、ヒーポン戻り管11の前記第1区間11Aと接続される上流側接続口5aと、ヒーポン戻り管11の前記第2区間11Bと接続される下流側接続口5bと、前記戻りバイパス管7と接続されるバイパス側接続口5cとを備えている。そして前記三方弁5は、例えば深夜に行われる沸き上げ運転時には、上流側接続口5aと下流側接続口5bを連通する。これにより、缶体2→ヒーポン往き管10→循環ポンプ17→冷媒−水熱交換器13→ヒーポン戻り管11の第1区間11A→三方弁5→ヒーポン戻り管11の第2区間11B→缶体2の経路によって沸き上げ運転を行うものである。
また、ヒーポン往き管10途中に設けられた止水栓46と前記循環ポンプ17との間からは、非常用取水栓58(第1開閉弁)を備えた取水管57が分岐して設けられ、この非常用取水栓58の先端はタンク装置TAの筐体となる外装ケース(図示省略)から露出して設けられており、例えば災害等による断水時において、ヒーポン往き管10の一部を介して缶体2の底部と取水管57とが連通され、非常用取水栓58から缶体2に貯湯されている湯水を生活用水として容易に取り出せるものである。また、ヒーポン往き管10のうち止水栓46よりも上流側からは、缶体保護弁61(第1開閉弁)を備え缶体2を保護するための保護管62が分岐して設けられている。また、給水管9を介し、缶体2の底部には排水管59が接続される。前記排水管59の途中には、排水管59を開閉する排水栓60(第2開閉弁)を有しているものである。
一方、前記缶体2内には、前記浴槽6の湯水を加熱するための、例えばステンレス製(SUS;図1中の三重線の略示参照)の蛇管よりなる熱交換器19が設けられている。この熱交換器19には、ふろ往き管20a,20bと、ふろ循環ポンプ21及び三方弁36を備えたふろ戻り管22a,22b,22cとが接続されており、浴槽6の湯水が循環可能となっている。すなわち、ふろ戻り管22a〜cを介して導かれた浴槽6内の湯水が熱交換器19内において缶体2内の高温水により加熱された後、ふろ往き管20を介し浴槽6に戻されることで保温あるいは追焚きが行われる。なお、ふろ戻り管22a〜cには、循環する浴槽6の湯水の温度を検出するふろ温度センサ(例えばサーミスタ。以下同様)23が設けられている。
また、前記缶体2の中間位置(上下方向の略中央位置には限られない)には、中間出湯管24が接続されている。この中間出湯管24は、前記熱交換器19で浴槽6からの湯水と熱交換して温度低下した中温水や、湯と水の境界層付近で温度低下した(あるいは温度上昇した)中温水などの、缶体2の中間位置(上下方向の略中央位置には限られない)に貯められている湯水を缶体2から出湯する。
さらに、前記中間出湯管24と前記出湯管8との下流側合流位置には、缶体2の前記中間位置付近から中間出湯管24を介し導かれる中温水と缶体2の上端に接続された出湯管8を介し導かれる高温水とを混合する、電動ミキシング弁からなる中間混合弁25が設けられている。この中間混合弁25の下流側には中間給湯管27が接続されており、中間温度センサ26が設けられている。中間混合弁25における前記中温水と前記高温水との混合比率は、前記中間温度センサ26の検出湯温が、リモコン(図示せず)でユーザーが設定した給湯設定温度よりも所定温度高い混合目標温度となるように制御される。
さらに、前記中間給湯管27と前記給水管9から分岐された給水バイパス管29との下流側合流位置には、中間混合弁25から中間給湯管27を介し導かれる湯水と前記給水バイパス管29a,29bから導かれる低温水とを混合する、電動ミキシング弁からなる給湯混合弁28が設けられている。この給湯混合弁28の下流側には給湯管30が接続されており、給湯温度センサ31が設けられている。給湯混合弁28における前記湯水と前記低温水との混合比率は、前記給湯温度センサ31の検出湯温がリモコン(図示せず)でユーザーが設定した給湯設定温度となるように制御される。なお、給湯管30にはさらに、給湯する湯水の量をカウントする給湯流量センサ47が設けられている。
また、前記中間給湯管27から分岐された分岐中間給湯管33と前記給水バイパス管29bから分岐された分岐給水バイパス管34との下流側合流位置には、分岐中間給湯管33を介し導かれる湯水と分岐給水バイパス管34から導かれる低温水とを混合する、電動ミキシング弁からなるふろ混合弁32が設けられている。このふろ混合弁32の下流側には、ふろ戻り管22a,22bに連通する湯張り管35が接続されており、湯張り温度センサ39が設けられている。ふろ混合弁32における前記湯水と前記低温水との混合比率は、前記湯張り温度センサ39の検出湯温がリモコン(図示せず)でユーザーが設定したふろ設定温度となるように制御される。なお、前記湯張り管35には、浴槽6への湯張りの開始/停止を行う湯張り弁37と、浴槽6の湯水が逆流するのを防止する二重の逆止弁48とが設けられている。また前記分岐給水バイパス管34から分岐する配管64には、給水の圧力を減圧する減圧弁64が設けられている。
また、前記リモコンには、前記給湯制御部44が無線通信または有線通信により接続されている。この給湯制御部44は、貯湯タンクユニット1内の各センサ(ふろ温度センサ23、中間温度センサ26、給湯温度センサ31、湯張り温度センサ36等)の入力を受け各アクチュエータ(電動ミキシング弁である中間混合弁25、給湯混合弁28、ふろ混合弁32のアクチュエータや湯張り弁37のアクチュエータ等)の駆動を制御するマイコンを有しており、前記リモコンでのユーザーが任意に設定した給湯設定温度及びふろ設定温度が、前記各アクチュエータの駆動によって実現される。具体的には、前記給湯制御部44は、中間温度センサ26で検出する温度が前記給湯設定温度及びふろ設定温度のうち高い方の設定温度より所定温度高い混合目標温度になるよう中間混合弁25の弁開度をフィードバック制御すると共に、給湯温度センサ31の検出する温度が前記給湯設定温度になるように給湯混合弁28の弁開度をフィードバック制御し、さらに、湯張り温度センサ39の検出する温度が前記ふろ設定温度になるようにふろ混合弁32の弁開度をフィードバック制御する。
以上の基本構成を備える前記貯湯式給湯機100は、通常、家屋やビルといった建造物の外に設けられる場合が多く、特に冬期においては、厳しい寒冷気候にさらされる場合も多い。このような場合に、缶体2に接続される各配管が凍結すると、内部の水の凍結膨張による配管の破損等が懸念されることから、何らかの凍結防止策を講じることが好ましい。
そこで本実施形態では、凍結防止のために缶体2内の湯水の循環運転が行われる。すなわち、前記三方弁5は、前記給湯制御部44の制御により、前記上流側接続口5aと前記バイパス側接続口5cとを連通することができる(第1状態)。この場合、缶体2内の湯水は、図3に示す状態から、図4に示すような缶体2→ヒーポン往き管10→循環ポンプ17→冷媒−水熱交換器13→ヒーポン戻り管11の第1区間11A→三方弁5→戻りバイパス管7→給水管9→缶体2下部の経路(第1のルート)で循環する。すなわち、缶体2内の下部の湯水(図4の二重斜線で示す、領域ア参照)のみが流動する。
また、前記三方弁5では、前記循環運転の際、上記に加え、前記給湯制御部44の制御により、前記沸き上げ運転と同様、上流側接続口5aと下流側接続口5bとを連通することも行われる(第2状態)。この場合、前述した沸き上げ運転と同様、図5に示すような缶体2→ヒーポン往き管10→循環ポンプ17→冷媒−水熱交換器13→ヒーポン戻り管11の第1区間11A→三方弁5→ヒーポン戻り管11の第2区間11B→缶体2上部の経路(第2のルート)で循環する。すなわち缶体2内の上部に湯水が供給されて流動する(図5の二重斜線で示す、領域イ参照)。実際は、缶体2内の上部に供給される湯水は相対的に低温であることから缶体2内にて下方へと流動し、缶体2内の広範囲に流動が及ぶ。
前記給湯制御部44は、前記三方弁5を、前記2つの状態が交互に周期的に切り替わるように制御し、前記第1のルート及び第2のルートによる循環運転が交互に定期的に行われるものである(詳細は後述)。
ところで、前記循環運転を行う場合、上記2つのいずれのルートであっても缶体2内の湯水の温度低下は避けられないことから、前記循環運転を実行する時間をなるべく短くする必要がある。そのためには、例えば前記2つのルートの全配管(ヒーポン往き管10、ヒーポン戻り管11、戻りバイパス管7)を、低熱伝導率の配管材により構成し、管内を流通する湯水に対する管外からの冷却を抑制することが考えられる。
しかしながら、図1を用いて前述したように、缶体2の下部には、缶体2内の湯水を排水するための前記排水管59が接続され、さらに前記缶体2の下部に連通する前記ヒーポン往き管10にも少なくとも1つの分岐管(この例では前記取水管57及び前記保護管62)が接続されている。そして、前記排水管59、前記取水管57、及び前記保護管62には、開閉弁である排水栓60、非常用取水栓58、及び缶体保護弁61がそれぞれ設けられている。したがって、前記のように全配管を低熱伝導率化すると、それら排水栓60、非常用取水栓58、及び缶体保護弁61に対する管内の湯水からの放熱量が少なくなり、これらの弁が凍結する恐れがある。また前記ヒーポン往き管10に設けられた前記止水栓46についても同様の懸念がある。
そこで、本実施形態では、前述したように、前記ヒーポン戻り管11のうち冷媒−水熱交換器13から三方弁5までの前記第1区間11A、及び、三方弁5から缶体2下部の給水管9までの前記戻りバイパス管7を、高熱伝導率である配管材(この例では銅)によって構成しつつ、前記ヒーポン戻り管11のうち三方弁5から缶体2上部までの前記第2区間11Bを、低熱伝導率である配管材(この例ではステンレス)によって構成している。これにより、ヒーポン戻り管11の前記第1区間11A及び前記戻りバイパス管7における比較的大きな放熱量を確保して前記の排水栓60、非常用取水栓58、缶体保護弁61、及び止水栓46の凍結を防止しつつ、ヒーポン戻り管11の残りの前記第2区間11Bにおける、管内を流通する湯水に対する管外からの冷却を抑制し、循環運転の短縮化を図れるものである(後述の図6参照)。
また、本実施形態においては、前記給湯制御部44は、前記三方弁5を、前記第1状態と前記第2状態とが交互に周期的に切り替わるように制御することで、前記第1のルート(缶体2→ヒーポン往き管10→循環ポンプ17→冷媒−水熱交換器13→ヒーポン戻り管11の第1区間11A→三方弁5→戻りバイパス管7→給水管9→缶体2下部;図4参照)と前記第2のルート(缶体2→ヒーポン往き管10→循環ポンプ17→冷媒−水熱交換器13→ヒーポン戻り管11の第1区間11A→三方弁5→ヒーポン戻り管11の第2区間11B→缶体2上部;図5参照)による循環運転を交互に定期的に行う。
この三方弁5の切替挙動の詳細を図6を用いて説明する。本実施形態においては、三方弁5は、例えば図6(a)に示すように、前記第1ルートを構築する前記第1状態(図中では「バイパス側」と表記)への切替えを149(第1期間)分行った後に前記第2ルートを構築する前記第2状態(図中では「沸上側」と表記)への切替えを1分(第2期間)行う、という合計150分間の作動を1セットとして、これを3セット(合計450分)繰り返す。
このとき、本実施形態では、前記のように、ヒーポン戻り管11の前記第2区間11Bの熱伝導率を低くすることで、前記第2区間11Bからの放熱が減少し、前記第2区間11B内の湯水の温度が比較的長時間保たれる。これにより、三方弁5が前記第2状態と前記第1状態とを交互に切り替えるとき、(ヒーポン戻り管11の前記第1区間11Aを前記第2区間11B側に連通する)前記第2状態の頻度を相対的に減らすことができる。
例えば、前記のようにヒーポン戻り管11の前記第2区間11Bの熱伝導率を低くせず、前記第1区間11Aと同等の熱伝導率とした場合の比較例を図6(b)に示す。図示のようにこの比較例では、前記のような第2区間11Bからの放熱減少効果を特に得られないことから、比較的高い頻度で前記第2状態に切り替える必要がある。この例では、三方弁5は、前記第1状態(図中バイパス側」)への切替えを119分行った後に前記第2状態(図中「沸上側」)への切替えを1分行う、という合計120分間の作動を1セットとし、これを4セット(合計480分)繰り返している。この比較例における、「第1状態への切替時間」:「第2状態への切替時間」=119:1(すなわち第2状態への切替頻度1/120)であり、480分間の凍結防止用循環運転において、4分間、前記第2状態に切り替えられている。
これに対し、図6(a)に示す本実施形態での「第1状態への切替時間」:「第2状態への切替時間」=149:1(すなわち第2状態への切替頻度1/150)であり、上記比較例に比べて第2状態への切替頻度が減少し、その結果、4500分間の凍結防止用循環運転において、前記第2状態に切り替えられるのは3分間のみに短縮されている。これにより、前記第1状態において前記第1ルートを介し缶体2の上部に流入する低温の湯水の量を減少させることができるので、缶体2上部の温度低下を防止できるものである。また、前記第2区間11Bをステンレスで構成することによって循環運転全体の短縮化も図れる(480分→450分)ことから、これによっても缶体2内の湯水の温度低下を抑制できるものである。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、熱交換器19が貯湯タンク2内部に設置した内熱交方式である場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、貯湯タンク2の外部でタンク内の湯水と浴槽水とが熱交換する外熱交方式の熱交換器を用いてもよい。
また、上記実施形態では、加熱手段をヒートポンプユニット3で構成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、太陽熱、ガス、液体燃料による給湯機や、電熱ヒータによる電気温水器や、コージェネレーションシステムの廃熱回収装置等を前記加熱手段として用いても良い。
さらに、上記実施形態では、ヒートポンプユニット3内に前記凝縮器としての冷媒−水熱交換器13が設けられ、これに対し、貯湯タンクユニット1からヒーポン往き管10及びヒーポン戻り管11を延ばして接続したが、これに限られない。逆に、貯湯タンクユニット1内に冷媒−水熱交換器13を設け、ヒートポンプユニット3のヒートポンプ回路16側からの管路を貯湯タンクユニット1内の前記冷媒−水熱交換器13まで延ばして接続するようにしてもよい。
2 缶体(貯湯タンク)
5 三方弁
7 戻りバイパス管
10 ヒーポン往き管
11 ヒーポン戻り管
11A 第1区間
11B 第2区間
13 冷媒−水熱交換器
17 循環ポンプ
44 給湯制御部(制御手段)
57 取水管(分岐管)
58 非常用取水栓(第1開閉弁)
59 排水管
60 排水栓(第2開閉弁)
61 缶体保護弁(第1開閉弁)
62 保護管(分岐管)
100 貯湯式給湯機

Claims (5)

  1. 湯水を貯湯する貯湯タンクと、
    前記貯湯タンク内の湯水と加熱された冷媒との熱交換を行う熱交換器と、
    前記貯湯タンクの下部から前記熱交換器に向かう往き管と、
    前記熱交換器から前記貯湯タンクの上部に戻る戻り管と、
    前記戻り管に設けられた三方弁と、
    前記三方弁から前記貯湯タンクの下部へと連通する戻りバイパス管と
    を有する貯湯式給湯機において、
    前記戻り管のうち前記熱交換器から前記三方弁までの第1区間と前記戻りバイパス管とを構成する配管材の熱伝導率が第1の値であり、
    前記戻り管のうち前記三方弁から前記貯湯タンクの上部までの第2区間を構成する配管材の熱伝導率が前記第1の値よりも小さな第2の値である
    ことを特徴とする貯湯式給湯機。
  2. 前記戻り管の前記第1区間と前記バイパス管とは、銅管により構成されており、
    前記戻り管の前記第2区間は、SUS管により構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の貯湯式給湯機。
  3. 前記往き管に設けられ湯水を循環させる循環ポンプと、
    前記往き管のうち前記貯湯タンクと前記循環ポンプとの間から分岐して接続された少なくとも1つの分岐管と、
    前記分岐管に設けられた第1開閉弁と
    を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の貯湯式給湯機。
  4. 前記戻りバイパス管から分岐して接続された排水管と、
    前記排水管に設けられた第2開閉弁と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の貯湯式給湯機。
  5. 前記三方弁を、前記第1区間と前記第1バイパス管とを第1期間連通する第1状態と、前記第1区間と前記第2区間とを第2期間連通する第2状態と、に定期的に切り替える制御手段を設けた
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の貯湯式給湯機。
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