JP2017171991A - アルミニウム多孔質体の製造方法 - Google Patents

アルミニウム多孔質体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属塊の生成を防止して、健全なアルミニウム多孔質体を製造することが可能なアルミニウム多孔質体の製造方法を提供すること。【解決手段】アルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末からなる金属粉末と、前記金属粉末と化学結合する界面活性剤を含有する高分子水溶液からなるアルミニウムスラリーを調整し、三次元状に連結する骨格を有するとともに骨格により三次元状に連結する気孔が形成された三次元網目状樹脂構造体を前記アルミニウムスラリーに浸漬して付着させた後、得られたアルミニウムスラリー付着体を加熱して樹脂構造体を分解、消失させるとともに、600℃以上、かつ前記金属粉末の融点未満の温度に加熱して焼結する。【選択図】図3

Description

本発明は、三次元状に連結する骨格を有し、前記骨格により三次元状に連通する連通孔が形成された三次元網目状構造を有するアルミニウム多孔質体の製造方法に関するものである。
三次元状に連結する骨格を有し、その骨格により三次元状に連通する連通孔が形成された三次元網目状構造を有する多孔質体は、連通する連通孔にガスあるいは液体等の流体を通過させるとともに、これらの流体を濾過処理するフィルタ、これらの流体を骨格表面に担時した触媒により改質する触媒用担体、ニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池等の電池の電極材料、熱交換器の熱交換部品等、多方面に用いられている。
アルミニウムは電気伝導度、熱伝導率が高く、耐腐食性に優れていること、また軽量であり比強度に優れること、資源が豊富で、リサイクル性にも優れることから、上記の三次元網目状構造を有する多孔質体への適用が検討されている。
このような三次元網目状構造を有する多孔質体へのアルミニウムの適用検討において、特許文献1は、99.99%以上のAlからなってほとんど不純物を含まない純Al粉末をこれら粉末粒子の表面の一部が接触する状態に圧力を加えることなく成形し、その後、不活性ガス雰囲気中で、不活性ガスを流動させつつ、純Al粉末の融点若しくは近傍の温度で焼結するものである。しかしながら、金属として純アルミニウム粉末を使用する場合、表面に存在する酸化被膜によってアルミニウム粉末どうしの拡散接合が阻害されるため焼結が困難であること、および無加圧であるため、アルミニウム粉末どうしの接点が少なく、アルミニウム粉末どうしの冶金的な結合がほとんど得られず、機械的強さの極めて乏しいものしか得ることができない。さらに、特許文献1の方法では、三次元状に連通する連通孔の大きさ、三次元状に連結する骨格の太さ等を自在に制御することができない。
これに対し特許文献2は、三次元状に連結する樹脂製の骨格を有し、前記樹脂製の骨格により三次元状に連結する気孔が形成される樹脂製の三次元網目状構造体を基体とし、前記基体の樹脂製の骨格表面に、アルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末を付着させた後、非酸化性雰囲気中で、前記アルミニウム粉末または前記アルミニウム合金粉末の融点以上に加熱して、前記基体を消失除去するとともに前記アルミニウム粉末または前記アルミニウム合金粉末を溶融する方法を提案する。
特許文献2においては、
三次元状に連結する樹脂製の骨格表面に付着させたアルミニウム粉末を融点以上に加熱して溶融させることから、溶融したアルミニウムがアルミニウム粉末表面の酸化被膜を破壊するともに、溶融したアルミニウムにより粉末どうしが冶金的に結合することから、機械的強さの極めて高い三次元網目状構造を有するアルミニウム多孔質体を得ることができる。また、この場合にアルミニウム粉末表面の酸化被膜が骨格の代用となって、溶融したアルミニウムが流出して型くずれ等が生じない。さらに、三次元状に連結する樹脂製の骨格を変更することで、三次元状に連通する連通孔の大きさ、三次元状に連結する骨格の太さ等を自在に制御することができる。このような点から特許文献2は、アルミニウム多孔質体の製造方法として優れたものである。
特開昭56−025906号公報 国際公開公報WO2015/046623号
特許文献2のアルミニウム多孔質体の製造方法は、極めて画期的なものであるが、検討を進めるうちに、アルミニウム粉末を溶融させる場合ならではの問題点があることがわかってきた。すなわち、アルミニウム粉末が溶融した際に、溶融した一部のアルミニウムが凝集して金属塊が生成する場合に、この金属塊がアルミニウム多孔質体の連通孔の一部を閉塞することが問題となった。このように金属塊がアルミニウム多孔質体の連通孔の一部を閉塞すると、流体を濾過処理するフィルタ、熱交換器の熱交換部品等に用いる場合、流体の流路を閉塞することとなり、濾過効率、熱交換効率等が低下することとなる。
このことから、本発明は、金属塊の生成を防止して、健全なアルミニウム多孔質体を製造することが可能なアルミニウム多孔質体の製造方法を提供することを目的とする。
金属塊の生成の原因について本発明者らが追求したところ、アルミニウム粉末(またはアルミニウム合金粉末)を融点以上に加熱すると、粉末の内部で溶融したアルミニウムが酸化被膜を破って粉末表面に濡れ始めるが、溶融したアルミニウムは酸化被膜との濡れ性が悪いため、余剰となる溶融アルミニウムが粉末表面で凝集し、冷却時に凝固することで金属塊として形成するものと推察した。溶融アルミニウムが余剰とならないよう制御できれば、金属塊の生成を防止できるが、アルミニウム多孔質体の細部の各部で余剰の溶融アルミニウムの発生を防止することは困難である。このため、本発明者らは、アルミニウム粉末を溶融させず、アルミニウム粉末の融点以下の温度で加熱、すなわち焼結することでアルミニウム粉末どうしの冶金的な結合を達成する手法について検討を行い次の知見を得た。
アルミニウム粉末を焼結する場合に、上述のとおり、アルミニウム粉末表面の酸化被膜がアルミニウム粉末どうしの冶金的な結合を阻害するが、アルミニウム粉末が分散媒中に分散するアルミニウムスラリー(アルミニウム粉末分散液)を用いて三次元網目状構造を有する樹脂構造体の骨格表面にアルミニウム粉末を付着させ、これを焼結してアルミニウム多孔質体を製造する場合に、アルミニウムスラリーを特定のものとすることにより、アルミニウム粉末の融点以下の加熱であっても、アルミニウム粉末表面の酸化被膜を破壊して、アルミニウム粉末どうしの冶金的な結合を達成できることを見出した。
本発明のアルミニウム多孔質体の製造方法は、この知見によるものであり、アルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末からなる金属粉末と、前記金属粉末と化学結合する界面活性剤を含有する高分子水溶液からなるアルミニウムスラリーを調整し、三次元状に連結する骨格を有するとともに骨格により三次元状に連結する気孔が形成された三次元網目状樹脂構造体を前記アルミニウムスラリーに浸漬して付着させた後、得られたアルミニウムスラリー付着体を加熱して樹脂構造体を分解、消失させるとともに、600℃以上、かつ前記金属粉末の融点未満の温度に加熱して焼結するものである。
本発明のアルミニウム多孔質体の製造方法においては、前記高分子水溶液を酸性水溶液とすることが好ましく、高分子水溶液が、リン酸およびフッ化物のうちの少なくとも1種を含有することがさらに好ましい。また、焼結時の加熱温度が前記金属粉末の融点−20℃以上であることが好ましい。さらに、本発明のアルミニウム多孔質体の製造方法においては、前記金属粉末の平均粒径が、1μm以上、かつ50μm以下であることが好ましく、前記アルミニウムスラリーに消泡剤を含むことが好ましい。
本発明のアルミニウム多孔質体の製造方法は、アルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末からなる金属粉末を溶融させないため、余剰の溶融アルミニウムが発生せず、アルミニウム多孔質体の連通孔の一部を閉塞する金属塊の生成を防止することができる。また、アルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末からなる金属粉末どうしの冶金的な結合が形成され機械的強さの高いアルミニウム多孔質体を得ることができる。
アルミニウム多孔質体の構造を示す模式図である。 本発明のアルミニウム多孔質体の製造方法により得られるアルミニウム多孔質体の骨格の模式図である。 本発明の実施例で得られたアルミニウム多孔質体の外観写真である。図3(a)はアルミニウムの融点以上の加熱工程により製作したアルミニウム系多孔質体の外観写真(比較例)、図3(b)はアルミニウムの融点以下の加熱工程により製作したアルミニウム系多孔質体の外観写真(本発明例)である。 本発明の実施例で得られたアルミニウム多孔質体の骨格表面のSEM像の一例を示す図面代用写真である。 655℃で加熱した本発明例のアルミニウム系多孔質体と比較例のアルミニウム系多孔質体の応力−ひずみ線図である。 645℃で加熱した本発明例のアルミニウム系多孔質体と比較例のアルミニウム系多孔質体の応力−ひずみ線図である。
以下に、本発明のアルミニウム多孔質体の製造方法を説明する。
[三次元網目状樹脂構造体]
本発明において、三次元状に連結する骨格を有し、その骨格により三次元状に連結する気孔が形成された三次元網目状樹脂構造体として、連通孔発泡樹脂フォームを用いる。この連通孔発泡樹脂フォームは骨格表面にアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末を付着させて担持するものであり、アルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末が三次元構造を形成するための鋳型材となる。この連通孔発泡樹脂フォームは基材としてアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末が焼結するまでの間に、加熱されて分解、消失する。この連通孔発泡樹脂フォームは、具体的には、ポリウレタンフォームが最も一般的に用いられるが、他にシリコーン樹脂、ポリエステル樹脂のフォーム等を用いることができる。具体的なポリウレタンフォームの例としては、(株)ブリヂストン製の商品名エバーライトSFがある。空孔の径であるセル数は、特に限定するものではないが、40ppi(平均セル中心径0.64mm)、20ppi(平均セル中心径1.27mm)、13ppi(平均セル中心径1.95mm)、8ppi(平均セル中心径3.18mm)などが好ましく、特に20ppi、13ppiが更に好ましい。セルが細かすぎると、この後で行う付着工程でアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末の目詰まりが生じやすく、最終形態のアルミニウム多孔質体の気体、液体の流れが悪くなる。また、セルが粗すぎるとアルミニウム多孔質体自体の比表面積や熱伝導率が低下する。
[アルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末]
本発明で用いる金属粉末は、アルミニウム粉末単体またはアルミニウム合金粉末単体であり、単一の融点を有するものである。すなわち、アルミニウム粉末とアルミニウム粉末の融点以下で液相を発生する他の合金粉末との混合粉末ではない。
本実施形態において、三次元網目状樹脂構造体(連通孔発泡樹脂フォーム)に付着させる粉末は、熱伝導率が高いアルミニウム粉末を用いるが、アルミニウム粉末に替えて、アルミニウムを強化する成分を予め合金化したアルミニウム合金粉末を用いてもよい。たとえば、Al(アルミニウム)にCu(銅)、Mn(マンガン)、Mg(マグネシウム)、Si(ケイ素)等の合金化元素を予め合金化したアルミニウム合金粉末を用いた場合は、骨格がアルミニウム合金で形成され、多孔質体の強度を向上させることができる。なお、AlにCu、Mn、Mg、Si等の合金化元素を添加することにより、熱伝導率はアルミニウム単体の場合よりも低下するが、ベース金属がアルミニウムであるため、充分に高い熱伝導率を維持することができる。アルミニウム粉末の具体例としては、エカグラニュラー株式会社製の商品名25E、35C、ミナルコ株式会社製の、噴霧アルミニウム粉#300A、#500A、#600Fなどが挙げられる。
本発明において、連通孔発泡樹脂フォーム骨格に付着させるアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末からなる金属粉末は、連通孔発泡樹脂フォームの骨格表面に密に付着できることから微細なものが好ましい。粉末が大きくなると連通孔発泡樹脂フォームの骨格表面に密に付着させることが難しくなるとともに、粉末の質量が増加することにより、連通孔発泡樹脂フォームの骨格表面に付着し難くなったり、脱落し易くなったりする。この観点からアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末は、平均粒径が50μm以下のものを用いることが好ましい。さらに、平均粒径が50μm以下であるとともに、粒径が100μmを超える粉末を含まないものであることが好ましい。ただし、アルミニウムは活性な金属であるため、あまりに微細な粉末は取扱いが難しくなる。この観点からアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末は、平均粒径が1μm以上のものを用いることが好ましい。本発明の平均粒径は、メジアン径(D50)すなわち累積分布50体積%の時の粒径であり、日本工業規格(JIS)の8825に規定されたレーザー回折法により測定することができる。
[アルミニウムスラリー(アルミニウム粉末分散液)]
本発明においては、アルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末からなる金属粉末を三次元網目状樹脂構造体の骨格表面に付着させるにあたり、アルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末からなる金属粉末を分散媒中に分散させたアルミニウムスラリー(アルミニウム粉末分散液)を用意し、このアルミニウムスラリーに三次元網目状樹脂構造体を浸漬し、引き上げることにより三次元網目状樹脂構造体の骨格表面へのアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末からなる金属粉末の付着を行う。
アルミニウムスラリー(アルミニウム粉末分散液)の分散媒としては、水やアルコール等の揮発性を有する液体が使用できる。しかしながら、分散媒としてアルコール等の揮発性を有する液体を用いる場合、揮発した液体が環境中に放出されると好ましくない。このため、揮発した液体が環境中に流出しないよう防止するとともにこれを回収するための設備が必要となり、装置が大型化するとともに、これをメンテナンスするための労力が必要となる。このため、本発明においては、分散媒として水を使用する。
分散媒として水を使用するにあたり、乾燥後に付着させた金属粉末が衝撃や振動で容易に脱落しないようにするために、分散媒に結着剤を溶解した高分子水溶液を用いる。この場合の結着材としては、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、水溶性セルロースなどを使用できる。例えば、水を分散媒とする場合、濃度数%程度となるポリビニルアルコールを溶解した高分子水溶液を用いる。これに、アルミニウム粉末を添加してアルミニウムスラリーとするが、その量はアルミニウムスラリーが付着工程で作業しやすい粘度であればよい。
ところで、アルミニウムは水に触れると、アルミニウムイオンとなって水中に溶解する。この溶解反応が腐食である。このため、上記の高分子水溶液中にアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末からなる金属粉末を分散させたアルミニウムスラリーにおいて、アルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末からなる金属粉末は、腐食が進行することとなる。本発明においては、このアルミニウムの腐食を防止するため、高分子水溶液中にアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末からなる金属粉末と化学結合する界面活性剤を含有するものとする。高分子水溶液中にアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末からなる金属粉末と化学結合する界面活性剤を高分子水溶液中に含有させると、アルミニウム酸化皮膜の表面にさらに化学結合する界面活性剤の吸着層を形成し水によるまたはアルミニウム合金粉末の腐食を防止する。
また、アルミニウム酸化皮膜の表面に形成された界面活性剤の吸着層は、焼結時の加熱過程で分解して消失するが、このとき、酸化被膜中の一部の酸素と結合して離脱することから、焼結時にアルミニウム酸化皮膜の一部を破壊して、アルミニウム粉末間の拡散結合を促進し、アルミニウム粉末どうしの冶金的な結合を達成するために寄与する。
この場合の界面活性剤としては陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤が使用できる。さらに詳細的には、シラン系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、カルボン酸エステル系界面活性剤、カテコール系界面活性剤、アミン系界面活性剤、チオール系界面活性剤、アルキン系界面活性剤、アルケン系界面活性剤などが使用できる。
上記の界面活性剤において、特に、有機リン化合物が好ましい。有機リン化合物の例として下記の化合物が挙げられる。リン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール酸、エポキシ化合物またはアクリル化合物とリン酸の反応によるリン酸エステル。また、特に好ましい化合物は炭素数10〜18の脂肪族リン酸モノエステルで、下記のような構造を有するものの混合物である。
脂肪族リン酸モノエステル:R−O−PO(OH)2
脂肪族リン酸モノエステルとしては、具体的には下記のような化合物が挙げられる。イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、ヘキシルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、ノニルアシッドホスフェート、デシルアシッドホスフェート、ドデシルアシッドホスフェーzト、トリデシルアシッドホスフェート、イソトリデシルアシッドホスフェート、テトラデシルアシッドホスフェート、ヘキサデシルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、プロピルフェニルアシッドホスフェート、ブチルフェニルアシッドホスフェートおよびブトキシエトキシエチルアシッドホスフェート等のリン酸モノエステル化合物。また、有機リン化合物としては重合体も含まれる。
上記の界面活性剤の好ましい添加量は、過少であるとアルミニウムの腐食防止の効果が乏しく、過大であってもそれ以上の効果がないため、分散媒すなわち高分子水溶液100質量部に対し、0.1〜10.0質量部とすることが好ましく、0.5〜5.0質量部とすることがより好ましい。
上記のアルミニウムスラリーにおいては、高分子水溶液を酸性とすると、アルミニウム粉末表面の酸化被膜をエッチングし、酸化被膜を薄くして、界面活性剤の消失の際に酸化被膜の破壊が生じ易くなるので好ましい。特に、リン酸、フッ化物は、酸化物のエッチングに効果が高く、リン酸、フッ化物を用いて酸性の高分子水溶液とすることがより好ましい。
なお、アルミニウムスラリーにおいては、水とアルミニウム粉末が反応する場合、および酸性の高分子水溶液により酸化被膜がエッチングされる場合に水素(H2)が発生することがある。この場合、水素の気泡が三次元網目状樹脂構造体の骨格表面に付着すると、その部分にアルミニウム粉末が付着できず、また、骨格表面にアルミニウム粉末が付着していたとしてもその後水素の気泡が発生すると、その気泡によりアルミニウム粉末が脱落してその部分にアルミニウム粉末の欠落が生じることとなる。このような水素の気泡が発生する場合には、高分子水溶液に、必要に応じて消泡剤を添加してもよい。これら消泡剤の具体例としては、日信化学株式会社製の商品名SK−14、ADEKA株式会社製の商品名25R−1、LG−109、LG−299、和光純薬工業株式会社製の商品名消泡剤Lなどがある。消泡剤の好ましい添加量はアルミニウムスラリー100質量部に対し、0.1〜1.0質量部、より好ましくは0.2〜0.5質量部である。
[付着工程]
本発明のアルミニウム多孔質体の製造方法は、上記のアルミニウムスラリーに三次元網目状樹脂構造体を浸漬し、引き上げることにより三次元網目状樹脂構造体の骨格表面へのアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末からなる金属粉末の付着を行う。このとき、アルミニウムスラリーの粘度により基体の樹脂骨格の表面に付着するアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末の量を制御することができる。すなわち、アルミニウムスラリーの粘度が高ければ、基体の樹脂骨格の表面に付着するアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末の量が多くなり、逆に、アルミニウムスラリーの粘度が低ければ、基体の樹脂骨格の表面に付着するアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末の量が少なくなる。
基体にアルミニウムスラリーを付着させた後、余分なアルミニウムスラリーは絞って排除する。絞る方法は特に限定されないが、このような絞り工程を簡便に行うにあたり、次の方法を用いることができる。すなわち、一対の絞りロールを備えた装置を使用して、アルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末がアルミニウムスラリーとともに付着した基体を、一対の絞りロールの間を通過させることによりアルミニウムスラリーとともにアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末を基体より除去することができる。この場合、一対のロールの間隔を変えることにより、アルミニウムスラリーとともに絞り出されるアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末の量を調整することができ、基体に付着するアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末を調整することができる。すなわち、ロールの間隔を広くすることにより絞り量を小さくして、基体の樹脂骨格の表面に付着するアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末の量を多くすることができ、逆に、ロールの間隔を狭くすることにより、絞り量を大きくして、基体の樹脂骨格の表面に付着するアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末の量を少なくすることができる。さらに、ロールを備えた装置を使用することにより、アルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末を基体へ均一に塗布して付着させることが可能となる。
[乾燥工程]
上記の付着工程により得られる基体、または付着工程の後絞り工程により得られる基体は、高分子水溶系の分散媒を含むものであり、加熱工程に先立ち、予め加熱乾燥させて高分子水溶液の分散媒を除去することが好ましい。この場合、加熱乾燥する際の加熱温度は連通孔発泡樹脂フォームが変形しない程度に設定するのが好ましい。
乾燥工程を経ずに、高分子水溶液の分散媒を含む基体をそのまま次の加熱工程に供してもよいが、その場合、後の加熱工程における昇温過程で分散媒が揮発または蒸発することとなり、炉内の雰囲気を汚染する虞がある。したがって、このような高分子水溶液の分散媒を含む基体をそのまま次の加熱工程に供する場合、揮発または蒸発した高分子水溶液の分散媒が速やかに炉外に排出されるよう措置を講ずる必要がある。逆にいえば、このような措置が施された加熱装置を用いるなら、高分子水溶液の分散媒を含む基体をそのまま次の加熱工程に供してもかまわない。
[加熱工程]
上記付着工程により骨格表面にアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末を付着させた三次元網目状樹脂構造体を非酸化性雰囲気中で加熱する。この昇温過程において、三次元網目状樹脂構造体は消失する。なお、加熱工程においては、この三次元網目状樹脂構造体を完全に消失させるため、昇温過程の三次元網目状樹脂構造体の分解温度で、加熱温度を一定にする保持段階を設けることが好ましい。この保持段階における加熱温度は、例示した連通孔発泡樹脂フォームであれば、500℃程度である。
三次元網目状樹脂構造体の消失後、さらに非酸化性雰囲気中で加熱を行う。加熱温度が600℃を超えると、アルミニウム酸化皮膜の表面に化学結合する界面活性剤の吸着層が消失するとともに、このときアルミニウム粉末表面の酸化被膜の一部を破壊することにより、アルミニウム粉末どうしの拡散接合を促進し、冶金的な結合を強めて機械的強さの高いアルミニウム多孔質体とすることができる。このことから、加熱工程における加熱温度下限を600℃とする。なお、加熱工程における加熱温度は、より高い方が、粉末どうしの拡散接合が促進されて、冶金的な結合が強くなり、得られるアルミニウム多孔質体の機械的強さが向上するため融点−20℃以上とすることが好ましい。
その一方で加熱温度がアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末の融点以上となると、溶融したアルミニウムまたはアルミニウム合金が凝集して金属塊が生成する虞があるため、加熱工程における加熱温度の上限はアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末の融点未満の温度とする。
なお、加熱時の雰囲気が酸化性のものであると、界面活性剤の吸着層が消失する際に、アルミニウム酸化被膜からではなく雰囲気中の酸素と結合してアルミニウム粉末表面の酸化被膜の破壊が行われず、また、界面活性剤の吸着層の消失の際にアルミニウム粉末表面の酸化被膜が破壊されても直ちに雰囲気中の酸素により新たな酸化被膜が形成されることとなり、アルミニウム粉末どうしの焼結を阻害することとなる。このため、加熱工程における雰囲気は窒素ガス、不活性ガス等の非酸化性の雰囲気とすることが望ましい。なお、上記の加熱工程は、アルミニウム粉末もしくはアルミニウム合金粉末の表面の酸化被膜を除去することは目的ではないため、水素ガスもしくは水素混合ガス等の還元性の雰囲気である必要はないが、還元性の雰囲気は非酸化性の雰囲気であるため、還元性の雰囲気としてもよい。また、圧力が10-3Pa以下の減圧雰囲気(真空雰囲気)としてもよい。
以上の製造方法で得られるアルミニウム多孔質体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる。金属多孔質体の骨格は図1に示すように、三次元状に連結した網目状の構造を有しており、その骨格の表面には面に対して垂直方向に内部の空隙部に繋がる連通孔が形成されている。このアルミニウム多孔質体の骨格の模式図を図2に示す。骨格は、三次元網目状樹脂構造体の骨格の形状と同様に三角柱構造であり、内部は三次元網目状樹脂構造体が消失した空隙になっている。このため、軽量化が求められる用途に有効である。
上記のアルミニウム多孔質体の気孔率は使用する三次元網目状樹脂構造体(連通孔発泡樹脂フォーム)の気孔率に依存する。気孔率が大きくなれば通気抵抗は小さくなる。上記の製造方法によって製造したアルミニウム多孔質体の三次元網目状構造は、三次元網目状樹脂構造体の三次元網目状構造がそのまま維持されたものとなる。したがって、三次元網目状樹脂構造体の三次元網目状構造を変更することで、アルミニウム系多孔質体の三次元網目状構造を変更することができ、アルミニウム多孔質体全体の気孔率、気孔の大きさを所望のものに調整することが可能である。具体的には、気孔率は85〜98%のものとすることができ、気孔の大きさは30〜4000μmのものとすることができ、6〜40ppi(セル数/25.4mm)の多孔質体を容易に製造することができる。気孔率が大きくなれば通気抵抗は小さくなるが、同時に熱伝導性が低下するため、用途に応じて通気抵抗と熱伝導性のバランスを勘案して適宜決定すればよい。なお、三次元網目状樹脂構造体の気孔率が小さいと付着工程時にアルミニウム粉末が連通孔に詰まりやすくなる。このため、使用する三次元網目状樹脂構造体の気孔率は95%以上であることが好ましく、得られるアルミニウム多孔質体の気孔率は90%以上であることが好ましい。
なお、多孔質体の気孔率は次のようにして求めることができる。多孔質体の縦、横および高さを測定し、多孔質体の体積を求めるとともに、多孔質体の質量を測定し、多孔質体の密度(見掛け密度)を求め、得られた多孔質体の密度を多孔質体を構成する金属の密度(比重)で除すれば、多孔質体の密度比が求められる。多孔質体の密度比は、単位体積あたりの骨格の質量率であるから、気孔率(単位体積あたりの気孔の率)は、全体から単位体積あたりの骨格の質量率(多孔質体の密度比)を減ずることで求めることができる。すなわち、下記式により求めることができる
気孔率=1−多孔質体の密度比/多孔質体を構成する金属の密度
本発明の実施例を用いてさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
三次元網目状樹脂構造体(連通孔発泡樹脂フォーム)として、縦100mm、横100mm、厚み20mmのポリウレタンフォーム(商品名エバーライトSF、(株)ブリヂストン製)を使用した。セル数は13ppiである。
平均粒径5μmの純アルミニウム粉末として、エカグラニュラー株式会社製の商品名 25Eを用いた。結着材としては、日本合成化学工業株式会社製のポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールGH−23)を用いた。分散媒は純水を用い、結着材を1質量%溶解した。純アルミニウム粉末と、この液は質量比で5:3で混合し、アルミニウムスラリー(アルミニウム粉末分散高分子水溶液)を調整した。そのアルミニウムスラリーに3.1質量%の分子量600以上のモノエチルアシッドホスフェート(脂肪族リン酸モノエステル)と0.1質量%以下のリン酸(85.0%、和光純薬工業株式会社)を添加し、アルミニウムスラリーを均一に撹拌した。また、上記のアルミニウムスラリーに、0.25質量%和光純薬工業株式会社製の消泡剤Lを添加し、より均一的に操作性が高いアルミニウムスラリーを調整した。
得られたアルミニウムスラリーに、三次元網目状樹脂構造体を浸漬し、次いで余分なスラリーを除去した。その後、80℃の恒温槽中で60分乾燥させて、アルミニウム粉末が付着した三次元網目状樹脂構造体を用意した。これを、炉内雰囲気を制御可能な電気炉中に設置して、非酸化性雰囲気である窒素中で室温から昇温し500℃で1時間保持して脱脂した。その後、圧力を10−3Paの減圧雰囲気(真空雰囲気)としてから昇温し、アルミニウムの融点(660.32℃)を超える665℃、アルミニウムの融点(660.32℃)より低い655℃および645℃の3条件で3.5時間の加熱を行って、試料番号1〜3のアルミニウム系多孔質体試料を作製した。ここで、試料番号1のアルミニウム多孔質試料は665℃で加熱した試料であり、アルミニウムの融点以上に加熱した比較例となる試料である。試料番号2のアルミニウム多孔質試料は655℃で加熱した試料、試料番号3のアルミニウム多孔質試料は645℃で加熱した試料であり、アルミニウムの融点未満で加熱した本発明例の試料である。
また、前述のポリビニルアルコール(結着材)を2質量%の含有する水溶液に純アルミニウム粉末を質量比で3:5に混合し、アルミニウムスラリー(アルミニウム粉末分散高分子水溶液)を調整し、試料番号1〜3と同様にして、三次元網目状樹脂構造体の浸漬、余剰スラリーの除去、恒温槽での乾燥を行い、得られたアルミニウム粉末が付着した三次元網目状樹脂構造体を、同じく3条件で加熱して試料番号4〜6のアルミニウム多孔質体試料を作製した。この試料番号4〜6のアルミニウム多孔質体試料は、アルミニウムスラリーに化学結合する界面活性剤と消泡剤を添加しない場合の例であり、全て比較例となる試料である。
上記により得られた試料番号1〜6のアルミニウム多孔質体試料について、圧縮降伏試験を行って圧縮荷重を増加させたときのひずみ量と応力を測定し、応力−ひずみ線図を作成した。また、作成した応力−ひずみ線図から、応力がほぼ横ばいになる領域(プラトー領域)に至ったときの平均圧縮応力を求め、その結果を表1に併記した。
Figure 2017171991
表1に示すように、試料番号1〜6のアルミニウム系多孔質体試料では、気孔率が90%以上となり、高い気孔率を示している。また、リン酸モノエステルを添加した1〜3の試料は、同じ焼結条件で作製したリン酸モノエステルを添加しない4〜6それぞれの試料に比べプラトー領域の平均応力が高い値となっている。
アルミニウムの融点以上である665℃で加熱した試料番号1のアルミニウム多孔質体試料およびアルミニウムの融点以下である655℃で加熱した本発明例の試料番号2のアルミニウム多孔質体試料の外観写真を図3に示す。図3より、665℃で加熱した試料番号1のアルミニウム多孔質体には、溶融アルミニウムが凝集し、略球状の金属塊が不均一に生成していることが分かる。この金属塊の生成メカニズムは以下の通りである。粉末の内部で溶融したアルミニウムが酸化被膜を破って粉末表面に濡れて覆うとともに、各粉末から発生した溶融アルミニウムが混ざり合い結合する。しかしアルミニウムは酸化被膜との濡れ性が悪いため、溶融アルミニウムは粉末表面で凝集することとなる。その結果、略球状の金属塊が不均一に生成してしまう。
これに対し、示す本発明例である試料番号2のアルミニウム系多孔質には、略球状の金属塊が生成せず、良好な外観を示している。アルミニウムの融点以下で加熱するため、溶融アルミニウムが発生せず、溶融アルミニウムの凝集による金属塊が生じなかったものと考えられる。
試料番号1〜6のアルミニウム系多孔質体試料の骨格につき、走査型電子顕微鏡で観察したときのSEM像を図4に示す。図4より、アルミニウムの融点以下である655℃で加熱した試料番号2のアルミニウム系多孔質体試料の骨格表面は、焼結が促進され、アルミニウムの融点以上である665℃で加熱した試料番号1のアルミニウム系多孔質体試料の骨格表面とほぼ同等の平滑な表面となっていることがわかる。
これに対し、アルミニウムスラリーに界面活性剤を含有しない試料番号5のアルミニウム多孔質体試料は、加熱温度が試料番号2のアルミニウム系多孔質体試料と同じ655℃であるが、焼結が進行せず、骨格表面に数μm程度の微小な空洞が存在していることが確認できるとともに、ネック部(粉末の結合部)が完全に成長しておらず元の粉末の形状が残留していることが分かる。
また、アルミニウムの融点以下である645℃で加熱した本発明例である試料番号3のアルミニウム多孔質体試料の骨格表面は、試料番号2のものほどは焼結が進行しておらず、骨格表面にアルミニウム粉末由来の凹凸が認められるが、隣り合う粉末どうしは冶金的に結合しており、ネック部が消失して連続する金属表面となっている。
一方、同じ645℃で加熱した比較例である試料番号6の試料は、アルミニウムスラリーに界面活性剤を含有しないことから焼結が進行せず、アルミニウムの粉末の形状が存在することが確認できる。
図5に、加熱温度が655℃の試料番号2および5のアルミニウム多孔質体試料について圧縮降伏試験を行った際の応力−ひずみ線図を示す。表1および図5より、試料番号2および5のアルミニウム多孔質体試料のいずれにも、ひずみ量が増加しても応力が増加しない領域、いわゆるプラトー領域が存在する。しかしながら、本発明例である試料番号2のアルミニウム多孔質体試料では、プラトー領域の応力が160kPa以上である一方で、比較例である試料番号5のアルミニウム多孔質体試料では、プラトー領域の応力が50kPa以下である。この結果より、上記のとおり、本発明例では焼結が促進されていることが明らかであるとともに、界面活性剤を含有しない場合、焼結によるアルミニウム粉末どうしの冶金的な結合が十分に得られないことが確認された。
図6に加熱温度が645℃の試料番号3および6のアルミニウム多孔質体試料について圧縮降伏試験を行った際の応力−ひずみ線図を示す。表1および図6より、本発明例である試料番号3のアルミニウム多孔質体試料では、プラトー領域の応力が85kPa以上である一方で、比較例である試料番号6のアルミニウム多孔質体試料では、プラトー領域の応力が25kPa以下である。
以上のように、本発明のアルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末と化学反応する界面活性剤を含有するアルミニウムスラリーを用いることで、アルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末の融点より低温で加熱する、いわゆる焼結を行っても、粉末どうしの強固な冶金的な結合が行われ、機械的強さの高いアルミニウム多孔質体を製造することが可能である。
本発明のアルミニウム多孔質体の製造方法により得られるアルミニウム多孔質体は、機械的強さが高く、かつ連通孔を閉塞する金属塊が生成しないものであり、濾過処理用フィルタ、触媒用担体、電極材料、熱交換部品等の各種用途に利用可能である。

Claims (6)

  1. アルミニウム粉末またはアルミニウム合金粉末からなる金属粉末と、前記金属粉末と化学結合する界面活性剤を含有する高分子水溶液からなるアルミニウムスラリーを調整し、 三次元状に連結する骨格を有するとともに骨格により三次元状に連結する気孔が形成された三次元網目状樹脂構造体を前記アルミニウムスラリーに浸漬して付着させた後、
    得られたアルミニウムスラリー付着体を加熱して樹脂構造体を分解、消失させるとともに、600℃以上、かつ前記金属粉末の融点未満の温度に加熱して焼結するアルミニウム多孔質体の製造方法。
  2. 前記高分子水溶液が酸性水溶液である請求項1に記載のアルミニウム多孔質体の製造方法。
  3. 前記高分子水溶液が、リン酸およびフッ化物のうちの少なくとも1種を含有する請求項2に記載のアルミニウム多孔質体の製造方法。
  4. 焼結時の加熱温度が前記金属粉末の融点−20℃以上である請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム多孔質体の製造方法。
  5. 前記金属粉末の平均粒径が、1μm以上、かつ50μm以下である請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム系多孔質体の製造方法。
  6. 前記アルミニウムスラリーに消泡剤を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のアルミニウム系多孔質体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114823151A (zh) * 2022-03-25 2022-07-29 湖南艾华集团股份有限公司 一种基于烧结铝箔的阳极箔及其制备方法

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