JP2017170633A - 罫線加工具及び罫線加工装置 - Google Patents

罫線加工具及び罫線加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】段ボールシートに含まれる水分量が少ない場合においても、罫線形成側のライナー紙に罫割れが生じにくい罫線加工具及び当該罫線加工具を有する罫線加工装置を提供する。【解決手段】上下方向で対向配置される第1罫線リング1と第2罫線リング2とを備え、第1罫線リングの外周部と第2罫線リングの外周部との間で段ボールシートSSを押圧し、当該段ボールシートに折り曲げ用の罫線KSを形成する罫線加工具である。第1罫線リング1の外周部には、その基台部から外周側に突出している突起部13と、当該突起部13の両側に配置された第1弾性部14とを備え、突起部の先端部13Sは、第1弾性部の外周部141より外周側に突出して形成されている。第1弾性部には、左右方向の外形形状を形成する外側部142と内側部143との間に外側部が内側部に弾性的に近接離間可能となるように形成された撓み誘起部144を備えている。【選択図】図6

Description

本発明は、段ボールシートに折り曲げ用の罫線を形成する罫線加工具及び当該罫線加工具を有する罫線加工装置に関する。
一般に、段ボールシートから段ボール箱を製造する段ボールシート用製函機には、段ボールシートに折り曲げ用の罫線を形成する罫線加工具及び当該罫線加工具を有する罫線加工装置を備えている。この罫線加工具及び罫線加工装置が、例えば、特許文献1に開示されている。
特許文献1の罫線加工具(罫線形成用部材)100は、図10に示すように、紙材に罫線を形成するための罫線形成用部材であって、雄型罫線形成用部材101と雌型罫線形成用部材102とからなる一対の罫線形成用部材を有し、該雄型罫線形成用部材101が、略リング形状又は略リング形状の少なくとも一部の形状に形成された基台部1011と、該基台部1011の外周面から立設して設けられた立設部1012と、を有する本体部1010と、該本体部1010の外周側で、かつ、該立設部1012の両側に設けられた弾性部1013であって、該本体部1010の材質よりも軟質の材質により形成された弾性部1013と、を有するとともに、該立設部1012の先端部1012Sが、該弾性部1013の外周部1013Gよりも突出しており、一方、該雌型罫線形成用部材102が、略リング形状又は略リング形状の少なくとも一部の形状に形成され、その外周側における上記立設部1012の先端部1012Sに対応する位置を含む領域に設けられた溝部1021を有する本体部1020と、該本体部1020に設けられた溝部内に設けられた弾性部1022であって、該本体部1020の材質よりも軟質の材質により形成された弾性部1022と、を有することを特徴とする。
上記特許文献1には、上記罫線加工具(罫線形成用部材)100により、図11(a)に示すライナー紙(紙材)DS1、DS2と中芯紙DS3とからなる段ボールシートDSに対して罫線入れを行った場合に、段ボールシートDSの罫線形成側の面は図11(b)に示すように押しつぶされる。この場合に、罫線形成側のライナー紙(紙材)DS2では、図11(c)に示すように、長さL1の部分が長さL2にまで伸びようとするが、この長さL1と長さL2の差はあまり大きくないために、罫線形成側のライナー紙(紙材)DS2が破れてしまうことがない旨、記載されている。
特開2001−105512号公報
しかしながら、上記特許文献1の罫線加工具(罫線形成用部材)100では、段ボールシートDSに対して罫線入れを行う際、図12に示すように、雄型罫線形成用部材101の立設部1012の両側に設けられた弾性部1013は、その外形形状を形成する外側部1013Bに近い外周部1013Aが、段ボールシートDSの変形抵抗を受けて下方(矢印Pの方向)に圧縮変形されやすい。外周部1013Aに当接する罫線形成側のライナー紙(紙材)DS2は、弾性部1013の外周部1013Aの圧縮変形とともに下方(矢印Pの方向)に移動する。そのため、外周部1013Aに当接する罫線形成側のライナー紙(紙材)DS2には、罫線中心に近接する方向に引張力T1が作用する。この引張力T1は、弾性部1013の外周部1013Aの下方(矢印Pの方向)への圧縮変形量に比例して増大する。
一方、立設部1012の先端部1012Sは、弾性部1013の外周部1013Gよりも上方(矢印Qの方向)へ突出しているので、立設部1012の先端部1012Sに当接する罫線形成側のライナー紙DS2は、罫線加工に伴い上方(矢印Qの方向)へ移動する。そのため、立設部1012の先端部1012Sに当接する罫線形成側のライナー紙DS2には、罫線中心から離間する方向であって引張力T1と逆方向の引張力T2が作用する。
したがって、罫線形成側のライナー紙DS2において、弾性部1013の外周部1013Gと立設部1012の先端部1012Sとの中間領域(領域Kの付近)では、引張力T1の反力T3と引張力T2の反力T4とが互いに反対方向に引っ張り合うことによって、その反力T3、T4による引張応力が過大となりやすい。そのため、罫線形成側のライナー紙DS2には、上記領域Kの付近において、局部的な伸びが生じやすくなる。その結果、上記領域Kの付近で罫線形成側のライナー紙DS2の破れ(以下、「罫割れ」とも言う)が発生するのを、十分に防止することができないという問題があった。特に、空気が乾燥し、段ボールシートDSに含まれる水分量が少なくなる冬季には、上記領域Kの付近で罫割れが生じやすいという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、段ボールシートに含まれる水分量が少ない場合においても、罫線形成側のライナー紙に罫割れが生じにくい罫線加工具及び当該罫線加工具を有する罫線加工装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る罫線加工具及び罫線加工装置は、次のような構成を有している。
(1)上下方向で対向配置される第1罫線リングと第2罫線リングとを備え、前記第1罫線リングの外周部と前記第2罫線リングの外周部との間で段ボールシートを押圧し、当該段ボールシートに折り曲げ用の罫線を形成する罫線加工具であって、
前記第1罫線リングの外周部には、その基台部から外周側に突出している突起部と、当該突起部の両側に配置された第1弾性部とを備え、前記突起部の先端部は、前記第1弾性部の外周部より外周側に突出して形成されているとともに、前記第1弾性部には、左右方向の外形形状を形成する外側部と内側部との間に前記外側部が前記内側部に弾性的に近接離間可能となるように形成された撓み誘起部を備えていることを特徴とする。
本発明においては、第1罫線リングの外周部に、第1罫線リングの基台部から外周側に突出している突起部と、当該突起部の両側に配置された第1弾性部とを備え、突起部の先端部は、第1弾性部の外周部より外周側に突出して形成されているので、第1罫線リングの外周部と第2罫線リングの外周部との間で段ボールシートを押圧するとき、突起部が段ボールシートを圧潰させると同時に、突起部の両側に配置された第1弾性部が段ボールシートを圧縮変形させようとする。
また、第1弾性部には、左右方向の外形形状を形成する外側部と内側部との間に外側部が内側部に弾性的に近接離間可能となるように形成された撓み誘起部を備えているので、第1弾性部の外側部に近い外周部が段ボールシートの圧縮変形に伴う変形抵抗力を受けると、第1弾性部の撓み誘起部が弾性的に変形して、第1弾性部の外側部を内側部に近接する方向に移動させる。一方、段ボールシートが第1弾性部から離間すると、第1弾性部の撓み誘起部が弾性的に復元して、第1弾性部の外側部を内側部から離間する方向に移動させる。そのため、第1弾性部の外側部に近い外周部に当接している段ボールシートの罫線形成側のライナー紙は、罫線加工に伴って、第1弾性部の外側部側から内側部側へ向かう方向(罫線中心に近接する方向)に移動する。そのため、第1弾性部の外周部に当接する罫線形成側のライナー紙には、罫線中心に近接する方向に引張力が作用するが、この引張力は、第1弾性部の外側部が内側部に近接する方向に移動する移動量に比例して減少する。
一方、罫線加工に伴って、突起部が段ボールシートを圧潰するとき、突起部の先端部が第1弾性部の外周部より突出することによって、突起部の先端部に当接している段ボールシートの罫線形成側のライナー紙は、上方に移動する。そのため、突起部の先端部に当接する罫線形成側のライナー紙には、罫線中心から離間する方向の引張力が作用するが、その引張力は、第1弾性部の外周部に当接する罫線形成側のライナー紙に作用する引張力と同じく、第1弾性部の外側部が内側部に近接する方向に移動する移動量に比例して減少する。
したがって、第1罫線リングの外周部と第2罫線リングの外周部との間で段ボールシートを押圧し、当該段ボールシートに折り曲げ用の罫線を形成するとき、段ボールシートの罫線形成側のライナー紙には、第1弾性部の外周部と突起部の先端部との中間領域において、それぞれ第1弾性部の外側部が内側部に近接する方向に移動する移動量に比例して減少する上記引張力の反力が減少することによって、その反力による引張応力が低減されやすい。その結果、罫線形成側のライナー紙には、罫割れが生じやすい上記中間領域において、局部的な伸びが生じにくく、罫線形成側のライナー紙に罫割れを生じにくくさせることができる。これは、罫線形成側のライナー紙における局部的な伸びを防止するものであり、段ボールシートに含まれる水分量が少ない場合においても、有効に作用する。
よって、本発明によれば、段ボールシートに含まれる水分量が少ない場合においても、罫線形成側のライナー紙に罫割れが生じにくい罫線加工具を提供することができる。
(2)(1)に記載された罫線加工具において、
前記撓み誘起部は、前記第1弾性部の外周部に開口部を有する略U字状断面の凹溝部であることを特徴とする。
本発明においては、撓み誘起部は、第1弾性部の外周部に開口部を有する略U字状断面の凹溝部であるので、第1弾性部の外側部に近い外周部が、段ボールシートの圧縮変形に伴う変形抵抗力を受けることによって、凹溝部の開口部を簡単に狭くさせることができる。そのため、凹溝部の開口部より外側部側で第1弾性部の外周部に当接している段ボールシートの罫線形成側のライナー紙は、第1弾性部の外側部側から内側部側へ向かう方向(罫線中心に近接する方向)に簡単に移動する。その結果、罫線形成側のライナー紙には、より簡単な構造で局部的な伸びを生じにくくさせ、罫割れを生じにくくさせることができる。
(3)(2)に記載された罫線加工具において、
前記凹溝部は、前記開口部の幅中心に対する前記外周部と前記内側部との交差部の水平方向における最大離間距離が、前記外側部に対する前記交差部の水平方向における最大離間距離の1/2以下となるように形成されていることを特徴とする。
本発明においては、凹溝部は、開口部の幅中心に対する外周部と内側部との交差部の水平方向における最大離間距離が、外側部に対する交差部の水平方向における最大離間距離の1/2以下となるように形成されていることによって、第1弾性部の内側部に近い外周部に当接している段ボールシートの罫線形成側のライナー紙を、外側部側から内側部側へ向かう方向(罫線中心に近接する方向)に移動させることができる。その結果、罫線形成側のライナー紙には、罫割れが生じやすい上記中間領域の近くで、より効果的に局部的な伸びを防止でき、罫割れをより一層生じにくくさせることができる。
(4)(2)又は(3)に記載された罫線加工具において、
前記凹溝部は、その径方向深さが、前記第1弾性部の径方向厚さの1/2以下となるように形成されていることを特徴とする。
本発明においては、凹溝部は、その径方向深さが、第1弾性部の径方向厚さの1/2以下となるように形成されていることによって、第1弾性部の外側部に近い外周部が、段ボールシートの圧縮変形に伴う変形抵抗力を受けたとき、左右方向にふらつくこと(変位すること)を低減させることができる。そのため、凹溝部が弾性的に変形することによって、第1弾性部の外側部が内側部と近接する方向に移動するのを、より安定的に促進させることができる。その結果、罫線形成側のライナー紙には、より安定的に局部的な伸びを防止し、罫線形成側のライナー紙に罫割れを生じにくくさせることができる。
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載された罫線加工具において、
前記撓み誘起部には、前記内側部に弾性的に近接した前記外側部を前記内側部から弾性的に離間させる反発部が付加されていることを特徴とする。
本発明においては、撓み誘起部に、第1弾性部の内側部に弾性的に近接した外側部を、内側部から弾性的に離間させる反発部が付加されることによって、撓み誘起部が誘い起こす外側部の戻し動作を、より迅速に行わせることができる。そのため、高速で段ボールシートを搬送して罫線を形成する場合においても、罫線形成側のライナー紙には、局部的な伸びを防止し、罫線形成側のライナー紙に罫割れを生じにくくさせることができる。
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載された罫線加工具を複数個有する罫線加工装置において、
前記罫線加工具を支持する回転軸部には、当該罫線加工具を前記段ボールシートの幅方向である軸方向に移動可能に備え、前記突起部の先端部は、幅方向中央部が外周側へ山形に突出するように形成されていることを特徴とする。
本発明においては、罫線加工具を支持する回転軸部に、当該罫線加工具を段ボールシートの幅方向である軸方向に移動可能に備えているので、段ボールシートの罫線を互いに近接させた位置に形成させることができる。その場合、罫線形成側のライナー紙には、互いに近接した位置で突起部による引張力が作用することになり、罫割れが生じやすくなる。しかし、突起部の先端部は、幅方向中央部が外周側へ山形に突出するように形成されているので、罫線形成側のライナー紙における罫線加工での伸び量を低減させることができる。その結果、段ボールシートに複数の罫線を互いに近接した位置に形成する場合においても、罫線形成側のライナー紙における各罫線加工での伸び量を低減させることによって、罫線形成側のライナー紙に罫割れを生じにくくさせることができる。なお、突起部の先端部における幅方向中央部の頂角(山形形状の頂点の内角)は、110度〜130度程度の鈍角が好ましい。幅方向中央部の頂角が上記角度程度であれば、山形形状の頂点で罫線形成側のライナー紙の局部伸びを防止できるからである。
よって、本発明によれば、段ボールシートに含まれる水分量が少ない場合においても、罫線形成側のライナー紙に罫割れが生じにくい罫線加工装置を提供することができる。
本発明によれば、段ボールシートに含まれる水分量が少ない場合においても、罫線形成側のライナー紙に罫割れが生じにくい罫線加工具及び当該罫線加工具を有する罫線加工装置を提供することができる。
本発明に係る実施形態の罫線加工装置の概略側面図である。 図1に示す罫線加工装置におけるA−A断面図である。 図1に示す罫線加工装置における罫線加工具の装着部断面図である。 図3に示す罫線加工具のB部詳細断面図である。 図3に示す罫線加工具のB部詳細断面図である。 図3に示す罫線加工具によって段ボールシートに罫線を形成するときの動作説明図である。 図4に示す第1弾性部の第1変形例を現わす断面図である。 図4に示す第1弾性部の第2変形例を現わす断面図である。 図4に示す第1弾性部の第3変形例を現わす断面図である。 特許文献1に記載された罫線加工具(罫線形成用部材)の断面図である。 図10に示す罫線加工具(罫線形成用部材)によって罫線を形成する段ボールシートの説明図であって、(a)は罫線形成前の段ボールシートの断面図であり、(b)は罫線形成後の段ボールシートの断面図であり、(c)は(b)に示す段ボールシートの罫線形成側のライナー紙の外形説明図である。 図10に示す罫線加工具によって段ボールシートに罫線を形成するときの動作説明図である。
次に、本発明に係る実施形態である罫線加工具及び罫線加工装置について、図面を参照して詳細に説明する。はじめに、本罫線加工装置の全体構造とその動作方法を説明し、その後、本罫線加工装置に備える本罫線加工具の詳細構造及びその動作方法を説明する。さらに、本罫線加工具の撓み誘起部における変形例を説明する。
<本罫線加工装置の全体構造及びその動作方法>
まず、本実施形態に係る罫線加工装置の全体構造及びその動作方法を、図1〜図3を用いて説明する。図1に、本発明に係る実施形態の罫線加工装置の概略側面図を示す。図2に、図1に示す罫線加工装置におけるA−A断面図を示す。図3に、図1に示す罫線加工装置における罫線加工具の装着部断面図を示す。なお、図1〜図3に示す矢印の方向によって、装置の上下方向、前後方向、及び左右方向を示す。ここで、前方は下流側を意味し、後方は上流側を意味する。また、左右方向は、罫線加工具の幅方向を意味する。
図1〜図3に示すように、本罫線加工装置5には、上下方向で対向配置される第1罫線リング1と第2罫線リング2とを備え、第1罫線リング1の外周部11と第2罫線リング2の外周部21との間で段ボールシートSSを押圧し、当該段ボールシートSSに折り曲げ用の罫線KS(図6を参照)を形成する罫線加工具10を備えている。また、本罫線加工装置5には、罫線加工具10を複数個(4つ)有し、当該罫線加工具10を支持する回転軸部51、52には、当該罫線加工具10を段ボールシートSSの幅方向である軸方向(左右方向)に移動可能に備えている。なお、本実施形態では、本罫線加工装置5を、段ボールシートから段ボール箱を製造する段ボールシート用製函機に適用した例で説明する。
すなわち、第1罫線リング1は、内周側で第1保持リング53にネジ固定され、第1保持リング53は、段ボールシートSSの幅方向である軸方向にスプラインが形成された第1回転軸部(回転軸部)51にスプラインに沿って移動可能に支持されている。第1回転軸部51は、図示しない駆動モータからの駆動力を受けて、図1に示すように反時計回りに回転する。また、第1保持リング53は、ボールベアリングを有する軸受具552を介して下部可動体55に連結されている。
下部可動体55は、本体フレーム59に左右方向に延設された2つのレール部591に沿って移動可能に支持されている。下部可動体55は、本体フレーム59に左右方向に架設されたボールネジ軸部57に螺合するナット部553に固定されている。また、下部可動体55には、第1罫線リング1の前後位置に段ボールシートSSの搬送用ローラ551が、それぞれ装着されている。
ボールネジ軸部57は、本体フレーム59に固定された調節用モータ58にタイミングベルト581を介して連結されている。調節用モータ58の回動に伴い、ボールネジ軸部57を所定量回動させ、下部可動体55を左右方向の所定位置に移動させる。
一方、第2罫線リング2は、内周側で第2保持リング54にネジ固定され、第2保持リング54は、段ボールシートSSの幅方向である軸方向にスプラインが形成された第2回転軸部(回転軸部)52にスプラインに沿って移動可能に支持されている。第2回転軸部52は、図示しない駆動モータからの駆動力を受けて、図1に示すように時計回りに回転する。また、第2保持リング54は、ボールベアリングを有する軸受具562を介して上部可動体56に連結されている。
上部可動体56は、下部可動体55と同様に、本体フレーム59に左右方向に延設されたレール部591に沿って移動可能に支持されている。上部可動体56は、本体フレーム59に左右方向に架設されたボールネジ軸部57に螺合するナット部563に固定されている。また、上部可動体55には、第2罫線リング2の前後に段ボールシートSSの搬送用ローラ561が装着されている。
また、ボールネジ軸部57は、本体フレーム59に固定された調節用モータ58にタイミングベルト581を介して連結されている。調節用モータ58の回動に伴い、ボールネジ軸部57を所定量回動させ、上部可動体56を左右方向の所定位置に移動させる。上部可動体56と下部可動体55とが、互いに同期して同位置に移動するように制御されている。上部可動体56と下部可動体55とが、互いに同期して同位置に移動することによって、上下方向で対向配置される第1罫線リング1と第2罫線リング2とを、同時に左右方向の所定位置に移動させることができる。
<本罫線加工具の詳細構造及びその動作方法>
次に、本罫線加工具の詳細構造及びその動作方法を、図3〜図6を用いて説明する。図3に、図1に示す罫線加工装置における罫線加工具の装着部断面図を示す。図4及び図5に、図3に示す罫線加工具のB部詳細断面図を示す。図6に、図3に示す罫線加工具によって段ボールシートに罫線を形成するときの動作説明図を示す。
図3〜図6に示すように、第1罫線リング1の外周部11には、その基台部12から外周側に突出している突起部13と、当該突起部13の両側に当接配置された第1弾性部14とを備えている。基台部12の内周側は、第1保持リング53の外周側にネジ固定されている。突起部13は、その先端部13Sの肉厚が基端部の肉厚より小さくなるように、その側壁がテーパー状に形成されている。突起部13の先端部13Sは、第1弾性部14の外周部141より外周側に突出して形成されている。また、突起部13の先端部13Sは、第1弾性部14の外周部141との交差部を起点に、幅方向中央部が外周側へ山形に突出するように形成されている。突起部13の先端部13Sにおける幅方向中央部の頂角(山形形状の頂点の内角)θは、110度〜130度程度の鈍角が好ましい。
また、第1弾性部14は、弾性変形可能なポリウレタンゴム等のゴム製からなる略矩形状断面の環状部材であって、その内周部が金属製の基台部12の外周部121と当接するように形成されている。また、第1弾性部14には、その外側部142と内側部143との間に、外側部142が内側部143に弾性的に近接離間可能となるように形成された撓み誘起部144を備えている。内側部143は、突起部13の側壁と当接するように形成され、外側部142は、内側部143と対向するように形成されている。撓み誘起部144は、周方向に連続状に形成されている。外側部142は、上下方向で垂直状に形成され、内側部143は、テーパー状に形成されている突起部13の側壁に沿って、傾斜状に形成されている。
撓み誘起部144は、第1弾性部14の外周部141に開口部144Kを有する略U字状断面の凹溝部144Mであることが好ましい。凹溝部144Mは、所定の幅及び所定の径方向深さで周方向に連続状に形成されている。凹溝部144Mは、略V字状断面に形成してもよい。第1弾性部14の外側部142と外周部141とが交差するコーナー部144Cは、凹溝部144Mの開口部144K外縁に連接する円弧状断面に形成されている。
また、凹溝部144Mは、外側部142と内側部143との中間部に形成すればよいが、第1弾性部14の最大幅の位置で、外側部142より内側部143に近接する位置に形成されていることが好ましい。具体的には、凹溝部144Mは、開口部144Kの幅中心K1に対する外周部141と内側部143との交差部143Jの水平方向における最大離間距離X1が、外側部142に対する交差部143Jの水平方向における最大離間距離X2の1/2以下となるように形成されていることが好ましい。また、凹溝部144Mは、その径方向深さY1が、第1弾性部14の径方向厚さY2の1/2以下となるように形成されていることが好ましい。
また、第2罫線リング2の外周部21には、第1罫線リング1の突起部13と対抗する位置で、その基台部22内に埋設された第2弾性部23を備えている。基台部22の外周部と第2弾性部23の外周部とは、略面一状に形成されている。基台部22の内周側は、第2保持リング54の外周側にネジ固定されている。第2弾性部23は、弾性変形可能なポリウレタンゴム等のゴム製からなる略矩形状断面の環状部材である。
図6に示すように、第1罫線リング1の外周部11と第2罫線リング2の外周部21との間で段ボールシートSSを押圧するとき、第1罫線リング1の突起部13が段ボールシートSSを圧潰させると同時に、突起部13の両側に当接配置された第1弾性部14が段ボールシートSSを圧縮変形させる。突起部13の先端部13Sは、第1弾性部14の外周部141との交差部を起点に、幅方向中央部が外周側へ山形に突出するように形成されているので、山形形状の頂点によって、ライナー紙SS2に山形状断面の罫線KSが形成される。
第1弾性部14の外側部142に近い外周部141は、段ボールシートSSの圧縮変形に伴う変形抵抗力を受けると、凹溝部144Mの開口部144Kが狭くなるように弾性変形して、第1弾性部14の外側部142が内側部143に近接する方向に移動する。そのため、第1弾性部14の外側部142に近い外周部141に当接している段ボールシートSSの罫線形成側のライナー紙SS2は、罫線加工に伴って、第1弾性部14の外側部側から内側部側へ向かう方向(矢印Rの方向:罫線中心に近接する方向)に移動する。第1弾性部14の外周部141に当接する罫線形成側のライナー紙SS2には、罫線中心に近接する方向に引張力t1が作用するが、この引張力t1は、第1弾性部14の外側部142が内側部143に近接する方向に移動する移動量に比例して減少する。
一方、罫線加工に伴って、突起部13が段ボールシートSSを圧潰するとき、第2罫線リング2の第2弾性部23が内周側へ弾性変形するとともに、突起部13の先端部13Sが第1弾性部14の外周部141より突出することによって、突起部13の先端部13Sに当接している段ボールシートSSの罫線形成側のライナー紙SS2は、上方に移動する。突起部13の先端部13Sに当接する罫線形成側のライナー紙SS2には、罫線中心から離間する方向の引張力t2が作用するが、その引張力t2は、第1弾性部14の外周部141に当接する罫線形成側のライナー紙SS2に作用する引張力t1と同じく、第1弾性部14の外側部142が内側部143に近接する方向に移動する移動量に比例して減少する。
したがって、第1罫線リング1の外周部11と第2罫線リング2の外周部21との間で段ボールシートSSを押圧し、当該段ボールシートSSに折り曲げ用の罫線KSを形成するとき、段ボールシートSSの罫線形成側のライナー紙SS2には、第1弾性部14の外周部141と突起部13の先端部13Sとの中間領域Lにおいて、それぞれ第1弾性部14の外側部142が内側部143に近接する方向に移動する移動量に比例して減少する上記引張力t1、t2の反力t3、t4が減少することによって、その反力t3、t4による引張応力が低減されやすい。その結果、罫線形成側のライナー紙SS2には、罫割れが生じやすい上記中間領域Lにおいて、局部的な伸びが生じにくく、罫線形成側のライナー紙SS2に罫割れを生じにくくさせることができる。なお、段ボールシートSSが第1弾性部14から離間すると、凹溝部144Mが弾性的に復元して、第1弾性部14の外側部142が内側部143から離間する元の位置に移動する。
<撓み誘起部の変形例>
次に、本罫線加工具の第1弾性部の撓み誘起部における変形例を、図7〜図9を用いて説明する。図7に、図4に示す第1弾性部の撓み誘起部における第1変形例を現わす断面図を示す。図8に、図4に示す第1弾性部の撓み誘起部における第2変形例を現わす断面図を示す。図9に、図4に示す第1弾性部の撓み誘起部における第3変形例を現わす断面図を示す。
(第1変形例)
図7に示すように、第1変形例に係る撓み誘起部144Bには、第1罫線リング1Bに係る第1弾性部14の凹溝部144M内に、第1弾性部14の内側部143に弾性的に近接した外側部142を、内側部143から弾性的に離間させる反発部144Nが付加されていることのみが、図4に示す撓み誘起部144(開口部144Kを有する凹溝部144M)と相違する。反発部144N以外の構成は、同一の符号を付して、その説明は原則として割愛する。
反発部144Nは、そのゴム硬度が第1弾性部14のゴム硬度より低く、より多く弾性変形可能なゴム製からなる略矩形状断面の環状部材である。反発部144Nは、第1弾性部14の外周部141と面一状に形成されている。反発部144Nは、第1弾性部14と二色一体成形によって形成してもよいし、それぞれ別体で成形して加硫接着させてもよい。
第1弾性部14の外側部142に近い外周部141は、段ボールシートSSの圧縮変形に伴う変形抵抗力を受けると、凹溝部144M及び反発部144Nが弾性的に変形して、第1弾性部14の外側部142を内側部143に近接する方向に移動させる。また、段ボールシートSSが第1弾性部14から離間すると、凹溝部144M及び反発部144Nが弾性的に復元して、第1弾性部14の外側部142を内側部143から離間する方向に移動させる。
凹溝部144M内に、反発部144Nを備えることによって、外側部142を内側部143から離間する方向に移動させる時間を短縮させることができる。そのため、高速で段ボールシートを搬送して罫線を形成する場合においても、撓み誘起部144Bが迅速に作動し、罫線形成側のライナー紙SS2には、局部的な伸びを防止し、罫線形成側のライナー紙SS2に罫割れを生じにくくさせることができる。
(第2変形例)
図8に示すように、第2変形例に係る撓み誘起部144Cには、第1罫線リング1Cに係る第1弾性部14の外周部141近傍に形成した中空部144Pと、当該中空部144Pの外周側に、第1弾性部14の内側部143に弾性的に近接した外側部142を、内側部143から弾性的に離間させる反発部144Qを備えていることのみが、図4に示す撓み誘起部144(開口部144Kを有する凹溝部144M)と相違する。中空部144P及び反発部144Q以外の構成は、同一の符号を付して、その説明は原則として割愛する。
中空部144Pは、図4に示す凹溝部144Mと略同じ位置に略同じ大きさで中空状に形成され、反発部144Qは、中空部144Pの外周側を薄板状に閉塞した第1弾性部14と一体成形されたゴム製部材である。中空部144P及び反発部144Qは、第1弾性部14と一体にブロー成形等によって形成してもよいし、別体で形成した反発部144Qを加硫接着させてもよい。
第1弾性部14の外側部142に近い外周部141は、段ボールシートSSの圧縮変形に伴う変形抵抗力を受けると、中空部144P及び反発部144Qが弾性的に変形して、第1弾性部14の外側部142を内側部143に近接する方向に移動させる。また、段ボールシートSSが第1弾性部14から離間すると、中空部144P及び反発部144Qが弾性的に復元して、第1弾性部14の外側部142を内側部143から離間する方向に移動させる。
中空部144Pの外周側に、反発部144Qを備えることによって、第1弾性部14の外側部142を内側部143に近接する方向に移動させる移動量を所定量だけ確保しつつ、外側部142を内側部143から離間する方向に移動させる時間を短縮させることができる。そのため、高速で段ボールシートSSを搬送して罫線を形成する場合においても、撓み誘起部144Cが迅速に作動し、罫線形成側のライナー紙SS2には、局部的な伸びを防止し、罫線形成側のライナー紙SS2に罫割れを生じにくくさせることができる。
(第3変形例)
図9に示すように、第3変形例に係る撓み誘起部144Dには、第1罫線リング1Dに係る第1弾性部14の外周部141近傍に形成した中空部144Rと、当該中空部144Rの外周側に、第1弾性部14の内側部143に弾性的に近接した外側部142を、内側部143から弾性的に離間させる反発部144Sを備えていることのみが、図4に示す撓み誘起部144(開口部144Kを有する凹溝部144M)と相違する。中空部144R及び反発部144S以外の構成は、同一の符号を付して、その説明は原則として割愛する。
中空部144R及び反発部144Sは、そのゴム硬度が第1弾性部144のゴム硬度より低いゴム製弾性部材であって、図4に示す凹溝部144M内に接着されている。反発部144Sは、中空部144Rの外周側を薄板状に閉塞し、第1弾性部14の外周部141と面一状に形成されている。中空部144R及び反発部144Sは、予めブロー成形等によって形成し、凹溝部144Mを形成した第1弾性部14に加硫接着させることによって、形成することができる。
第1弾性部14の外側部142に近い外周部141は、段ボールシートSSの圧縮変形に伴う変形抵抗力を受けると、凹溝部144Mと共に中空部144R及び反発部144Sが弾性的に変形して、第1弾性部14の外側部142を内側部143に近接する方向に移動させる。また、段ボールシートSSが第1弾性部14から離間すると、凹溝部144Mと中空部144R及び反発部144Sが弾性的に復元して、第1弾性部14の外側部142を内側部143から離間する方向に移動させる。
中空部144R及び反発部144Sのゴム硬度を、第1弾性部144のゴム硬度より低くさせることによって、第1弾性部14の外側部142を内側部143に近接する方向に移動させる移動量をより多く確保しつつ、外側部142を内側部143から離間する方向に移動させる時間を短縮させることができる。そのため、高速で段ボールシートSSを搬送して罫線を形成する場合においても、撓み誘起部144Dが迅速に作動し、罫線形成側のライナー紙SS2には、局部的な伸びを防止し、罫線形成側のライナー紙SS2に罫割れを生じにくくさせることができる。
<作用効果>
以上、詳細に説明した本実施形態に係る罫線加工具10によれば、第1罫線リング1(1B、1C、1D)の外周部11に、第1罫線リング1の基台部12から外周側に突出している突起部13と、当該突起部13の両側に当接配置された第1弾性部14とを備え、突起部13の先端部13Sは、第1弾性部14の外周部141より外周側に突出して形成されているので、第1罫線リング1の外周部11と第2罫線リング2の外周部21との間で段ボールシートSSを押圧するとき、突起部13が段ボールシートSSを圧潰させると同時に、突起部13の両側に配置された第1弾性部14が段ボールシートSSを圧縮変形させようとする。
また、第1弾性部14には、左右方向の外形形状を形成する外側部142と内側部143との間に外側部142が内側部143に弾性的に近接離間可能となるように形成された撓み誘起部144(144M、144B、144C、144D)を備えているので、第1弾性部14の外側部142に近い外周部141が段ボールシートSSの圧縮変形に伴う変形抵抗力を受けると、第1弾性部14の撓み誘起部144(144M、144B、144C、144D)が弾性的に変形して、第1弾性部14の外側部142を内側部143に近接する方向に移動させる。一方、段ボールシートSSが第1弾性部14から離間すると、第1弾性部14の撓み誘起部144(144M、144B、144C、144D)が弾性的に復元して、第1弾性部14の外側部142を内側部143から離間する方向に移動させる。そのため、第1弾性部14の外側部142に近い外周部141に当接している段ボールシートSSの罫線形成側のライナー紙SS2は、罫線加工に伴って、第1弾性部14の外側部側から内側部側へ向かう方向(矢印Rの方向:罫線中心に近接する方向)に移動する。そのため、第1弾性部14の外周部141に当接する罫線形成側のライナー紙SS2には、罫線中心に近接する方向に引張力t1が作用するが、この引張力t1は、第1弾性部14の外側部142が内側部143に近接する方向に移動する移動量に比例して減少する。
一方、罫線加工に伴って、突起部13が段ボールシートSSを圧潰するとき、突起部13の先端部13Sが第1弾性部14の外周部141より突出することによって、突起部13の先端部13Sに当接している段ボールシートSSの罫線形成側のライナー紙SS2は、上方に移動する。そのため、突起部13の先端部13Sに当接する罫線形成側のライナー紙SS2には、罫線中心から離間する方向の引張力t2が作用するが、その引張力t2は、第1弾性部14の外周部141に当接する罫線形成側のライナー紙SS2に作用する引張力t1と同じく、第1弾性部14の外側部142が内側部143に近接する方向に移動する移動量に比例して減少する。
したがって、第1罫線リング1の外周部11と第2罫線リング2の外周部21との間で段ボールシートSSを押圧し、当該段ボールシートSSに折り曲げ用の罫線KSを形成するとき、段ボールシートSSの罫線形成側のライナー紙SS2には、第1弾性部14の外周部141と突起部13の先端部13Sとの中間領域Lにおいて、それぞれ第1弾性部14の外側部142が内側部143に近接する方向に移動する移動量に比例して減少する上記引張力t1、t2の反力t3、t4が減少することによって、その反力t3、t4による引張応力が低減されやすい。その結果、罫線形成側のライナー紙SS2には、罫割れが生じやすい上記中間領域Lにおいて、局部的な伸びが生じにくく、罫線形成側のライナー紙SS2に罫割れを生じにくくさせることができる。これは、罫線形成側のライナー紙SS2における局部的な伸びを防止するものであり、段ボールシートSSに含まれる水分量が少ない場合においても、有効に作用する。
よって、本実施形態によれば、段ボールシートSSに含まれる水分量が少ない場合においても、罫線形成側のライナー紙SS2に罫割れが生じにくい罫線加工具10を提供することができる。
また、本実施形態によれば、撓み誘起部144は、第1弾性部14の外周部141に開口部144Kを有する略U字状断面の凹溝部144Mであるので、第1弾性部14の外側部142に近い外周部141が、段ボールシートSSの圧縮変形に伴う変形抵抗力を受けることによって、凹溝部144Mの開口部144Kを簡単に狭くさせることができる。そのため、凹溝部144Mの開口部144Kより外側部側で第1弾性部14の外周部141に当接している段ボールシートSSの罫線形成側のライナー紙SS2は、第1弾性部14の外側部側から内側部側へ向かう方向(矢印Rの方向:罫線中心に近接する方向)に簡単に移動する。その結果、罫線形成側のライナー紙SS2には、より簡単な構造で局部的な伸びを生じにくくさせ、罫割れを生じにくくさせることができる。
また、本実施形態によれば、凹溝部144Mは、開口部144Kの幅中心K1に対する外周部141と内側部143との交差部143Jの水平方向における最大離間距離X1が、外側部142に対する交差部143Jの水平方向における最大離間距離X2の1/2以下となるように形成されていることによって、第1弾性部14の内側部143に近い外周部141に当接している段ボールシートSSの罫線形成側のライナー紙SS2を、外側部側から内側部側へ向かう方向(矢印Rの方向:罫線中心に近接する方向)に移動させることができる。その結果、罫線形成側のライナー紙SS2には、罫割れが生じやすい上記中間領域Lの近くで、より効果的に局部的な伸びを防止でき、罫割れをより一層生じにくくさせることができる。
また、本実施形態によれば、凹溝部144Mは、その径方向深さY1が、第1弾性部14の径方向厚さY2の1/2以下となるように形成されていることによって、第1弾性部14の外側部142に近い外周部141、段ボールシートSSの圧縮変形に伴う変形抵抗力を受けたとき、左右方向にふらつくこと(変位すること)を低減させることができる。そのため、凹溝部144Mが弾性的に変形することによって、第1弾性部14の外側部142が内側部143と近接する方向に移動するのを、より安定的に促進させることができる。その結果、罫線形成側のライナー紙SS2には、より安定的に局部的な伸びを防止し、罫線形成側のライナー紙SS2に罫割れを生じにくくさせることができる。
また、本実施形態によれば、撓み誘起部144(144B、144C、144D)に、第1弾性部14の内側部143に弾性的に近接した外側部142を、内側部143から弾性的に離間させる反発部144N、144Q、144Sが付加されることによって、撓み誘起部144(144B、144C、144D)が誘い起こす外側部142の戻し動作を、より迅速に行わせることができる。そのため、高速で段ボールシートSSを搬送して罫線KSを形成する場合においても、罫線形成側のライナー紙SS2には、局部的な伸びを防止し、罫線形成側のライナー紙SS2に罫割れを生じにくくさせることができる。
また、他の実施形態に係る罫線加工装置5によれば、罫線加工具10を支持する回転軸部51、52に、当該罫線加工具10を段ボールシートSSの幅方向である軸方向に移動可能に備えているので、段ボールシートSSの罫線KSを互いに近接させた位置に形成させることができる。その場合、罫線形成側のライナー紙SS2には、互いに近接した位置で突起部13による引張力t2が作用することになり、罫割れが生じやすくなる。しかし、突起部13の先端部13Sは、幅方向中央部が外周側へ山形に突出するように形成されているので、罫線形成側のライナー紙SS2における罫線加工での伸び量を低減させることができる。その結果、段ボールシートSSに複数の罫線KSを互いに近接した位置に形成する場合においても、罫線形成側のライナー紙SS2における各罫線加工での伸び量を低減させることによって、罫線形成側のライナー紙SS2に罫割れを生じにくくさせることができる。また、突起部13の先端部13Sにおける幅方向中央部の頂角θ(山形形状の頂点の内角)は、110度〜130度程度の鈍角であるので、山形形状の頂点で罫線形成側のライナー紙SS2の局部伸びを防止できる。
よって、本他の実施形態によれば、段ボールシートSSに含まれる水分量が少ない場合においても、罫線形成側のライナー紙SS2に罫割れが生じにくい罫線加工装置5を提供することができる。
<変形例>
上述した実施形態は、本発明の要旨を変更しない範囲で、様々に変更することができることは言うまでもない。例えば、本実施形態では、本罫線加工装置5を、段ボールシートから段ボール箱を製造する段ボールシート用製函機に適用した例で説明したが、原紙から段ボールシートを製造する段ボールシート用製段機(コルゲータ)にも適用することができる。
本発明は、段ボールシートに折り曲げ用の罫線を形成する罫線加工具及び当該罫線加工具を有する罫線加工装置として利用できる。
1、1B、1C、1D 第1罫線リング
2 第2罫線リング
5 罫線加工装置
10 罫線加工具
11、21 外周部
12、22 基台部
13 突起部
13S 先端部
14 第1弾性部
51、52 回転軸部
141 外周部
142 外側部
143 内側部
143J 交差部
144、144B 撓み誘起部
144C、144D 撓み誘起部
144K 開口部
144M 凹溝部
144N、144Q 反発部
144S 反発部
KS 罫線
K1 幅中心
SS 段ボールシート
SS2 ライナー紙
X1、X2 最大離間距離
Y1 径方向深さ
Y2 径方向厚さ

Claims (6)

  1. 上下方向で対向配置される第1罫線リングと第2罫線リングとを備え、前記第1罫線リングの外周部と前記第2罫線リングの外周部との間で段ボールシートを押圧し、当該段ボールシートに折り曲げ用の罫線を形成する罫線加工具であって、
    前記第1罫線リングの外周部には、その基台部から外周側に突出している突起部と、当該突起部の両側に配置された第1弾性部とを備え、前記突起部の先端部は、前記第1弾性部の外周部より外周側に突出して形成されているとともに、前記第1弾性部には、左右方向の外形形状を形成する外側部と内側部との間に前記外側部が前記内側部に弾性的に近接離間可能となるように形成された撓み誘起部を備えていることを特徴とする罫線加工具。
  2. 請求項1に記載された罫線加工具において、
    前記撓み誘起部は、前記第1弾性部の外周部に開口部を有する略U字状断面の凹溝部であることを特徴とする罫線加工具。
  3. 請求項2に記載された罫線加工具において、
    前記凹溝部は、前記開口部の幅中心に対する前記外周部と前記内側部との交差部の水平方向における最大離間距離が、前記外側部に対する前記交差部の水平方向における最大離間距離の1/2以下となるように形成されていることを特徴とする罫線加工具。
  4. 請求項2又は請求項3に記載された罫線加工具において、
    前記凹溝部は、その径方向深さが、前記第1弾性部の径方向厚さの1/2以下となるように形成されていることを特徴とする罫線加工具。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載された罫線加工具において、
    前記撓み誘起部には、前記内側部に弾性的に近接した前記外側部を前記内側部から弾性的に離間させる反発部が付加されていることを特徴とする罫線加工具。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載された罫線加工具を複数個有する罫線加工装置において、
    前記罫線加工具を支持する回転軸部には、当該罫線加工具を前記段ボールシートの幅方向である軸方向に移動可能に備え、前記突起部の先端部は、幅方向中央部が外周側へ山形に突出するように形成されていることを特徴とする罫線加工装置。
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