JP2017170504A - フェライト系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents

フェライト系ステンレス鋼板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017170504A
JP2017170504A JP2016061751A JP2016061751A JP2017170504A JP 2017170504 A JP2017170504 A JP 2017170504A JP 2016061751 A JP2016061751 A JP 2016061751A JP 2016061751 A JP2016061751 A JP 2016061751A JP 2017170504 A JP2017170504 A JP 2017170504A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
ferritic stainless
steel sheet
pickling
scale
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016061751A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6108504B1 (ja
Inventor
川越 崇史
Takashi Kawagoe
崇史 川越
末次 輝彦
Teruhiko Suetsugu
輝彦 末次
孝二 瀬戸
Koji Seto
孝二 瀬戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP2016061751A priority Critical patent/JP6108504B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6108504B1 publication Critical patent/JP6108504B1/ja
Publication of JP2017170504A publication Critical patent/JP2017170504A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)

Abstract

【課題】熱間圧延工程後に生じた酸化スケールを除去し、かつ、美麗な表面のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】熱間圧延後のフェライト系ステンレス鋼板の表面に形成されたスケールをメカニカルデスケールする工程と、メカニカルデスケール後のフェライト系ステンレス鋼板の表面を、硝酸とフッ酸とを含有する混酸溶液で少なくとも一回以上酸洗処理する酸洗処理工程と、酸洗処理工程後のフェライト系ステンレス鋼板の表面を、砥粒非含有ブラシでブラッシングする工程と、を備える、フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、フェライト系ステンレス鋼板の製造方法に関する。
ステンレス鋼の熱間圧延鋼板(ホットコイル)の表面には、Fe、Cr、Mn、Siなどの酸化物からなる酸化スケールが生成している。熱間圧延後には、焼鈍・酸洗ラインにて熱延板焼鈍及びスケール除去のためのデスケールが行われる。デスケール工程では、スケールブレーカーやショットブラストなどのメカニカルデスケーリングの後、硫酸、塩酸、硝弗酸などの酸液への浸漬及びブラシによる研削によるデスケールが一般的に行われている。
例えば、特許文献1には、熱間圧延ステンレス鋼板の脱スケール方法として、鋼板表面を適度に粗らしスケールを割るためのメカニカルデスケールを行った後に、割れたスケールを剥離しやすくするための局部腐食を伴わない酸による予備酸洗工程、スケールを除き所要の表面性状を得るための砥粒入りブラシによる研削工程、及び、表面に残る切粉を除き不動態化するための弱い作用の酸による本酸洗工程を含む方法が記載されている。
特許文献2には、熱間圧延後の鋼材の酸化スケール除去として、酸化スケールを研削して除去する研削ブラシと、研削後に硝塩酸溶液で酸洗し、酸化スケールを除去する方法が記載されている。
特許文献3には、ステンレス鋼帯の製造方法として、ステンレス熱延焼鈍鋼帯の表面にショットブラスト処理を施し、酸洗処理によって脱スケールを行う方法が記載されている。
特許文献4には、熱間圧延後の鋼材の酸化スケール除去として、焼鈍後に高濃度のフッ酸を含有する混酸にてデスケールすることにより粒界浸食を防止する製造方法が記載されている。
特開昭53−108830号公報 特開平10−324985号公報 特開2014−172077号公報 特許4562901号
しかしながら、従来の酸化スケールの除去処理では、酸化スケールが十分に除去できない、あるいは、表面が平滑にデスケールできないため最終製品の表面品質が劣るといった問題があった。
例えば、特許文献1においては、本酸洗工程において弱い作用の酸を用いている。このため、Cr含有率が高いフェライト系ステンレス鋼板の場合には、メカニカルデスケールによって生じたステンレス鋼板表面におけるバリ(表面欠陥)を十分に溶解させることができない。このため、特許文献1に記載の酸化スケール除去方法では、フェライト系ステンレス鋼板表面に対し、平滑にデスケールできないという問題があった。特許文献4においては、高濃度のフッ酸を用いるために環境負荷及びコストが増大するなどの問題があった。
また、酸化スケールの除去において、例えば、熱間圧延鋼板の表面をショット処理後に砥粒入りブラシなどで研削する方法がある。図1は、酸化スケール除去におけるフェライト系ステンレス鋼板の表面形態の変化を示す模式図であり、図1(a)〜図1(d)においては断面形状も示している。例えば、熱間圧延鋼板の表面は、ショットブラストにより、厚み方向側に窪んだショット痕Aが形成されている(図1(a)参照)。この熱間圧延鋼板の表面に砥粒入りブラシなどで研削処理を行うと、ショット痕Aの周囲にはバリBが発生する(図1(b)参照)。このバリは、中間圧延後にも残存し(図1(c)参照)、仕上げ圧延後の最終製品においてはカサブタ状の欠陥C(厚み方向側への切り込み)として残存する(図1(d)参照)。なお、図1(a)〜図1(d)における縦線は、圧延でのロール目である。
一方、熱延板のデスケール工程にて発生するショット痕A周囲のバリBを次工程以降で、研磨ベルトなどによる機械研磨で除去することも可能である。しかし、研磨後の表面には研磨目Dが残存する(図1(e)参照)。この研磨目から中間の冷間圧延時に微細な割れEが発生し(図1(f)参照)、仕上げ圧延後の最終製品においてスクラッチ状の欠陥Fとして残存する(図1(g)参照)。なお、図1(e)における縦線は研磨目であり、図1(f)、図1(g)における縦線は圧延でのロール目である。
以上のように、ショット痕周囲のバリや研磨目が最終製品の表面欠陥となり、美麗な表面のステンレス鋼板が得られないという問題があった。
本発明は、上述した課題を解決し、熱間圧延工程において生じた酸化スケールを除去し、かつ、美麗な表面のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、熱間圧延工程後に生じた酸化スケールを除去し、かつ、美麗な表面のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法を提供することができる、フェライト系ステンレス鋼板の製造方法を見出した。また、本方法によると、熱延板焼鈍酸洗工程後にショット痕周囲のバリが無く表面の機械研磨を行う必要が無いため、研磨目起因の微細な割れやスクラッチ状欠陥も発生しない採取製品の表面が美麗なフェライト系ステンレス鋼板を提供することが可能である。
すなわち、酸化スケールが生じたフェライト系ステンレス鋼板の表面にメカニカルデスケールを行い、混酸で酸洗処理を行い、砥粒非含有ブラシでブラッシングを行うという、ブラッシング処理工程を複合的に組み合わせることによって、バリの発生しない条件で酸化スケールの除去に優れた方法を見出した。
本発明は、以下の(1)〜(4)のフェライト系ステンレス鋼の製造方法を提供する。
(1)熱間圧延後のフェライト系ステンレス鋼板の表面に形成されたスケールをメカニカルデスケールする工程と、メカニカルデスケール後のフェライト系ステンレス鋼板の表面を硝酸とフッ酸とを含有する混酸溶液で少なくとも一回以上酸洗処理する酸洗処理工程と、酸洗処理工程後のフェライト系ステンレス鋼板の表面を、砥粒非含有ブラシでブラッシングする工程と、を備える、フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
(2)混酸溶液における硝酸濃度が20〜150g/L、フッ酸の濃度が2〜50g/L、Feイオン濃度が60g/L以下である、(1)記載のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
(3)砥粒非含有ブラシがナイロンブラシである、(1)又は(2)記載のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
(4)フェライト系ステンレス鋼板のCr含有割合が、17質量%以上である、(1)〜(3)のいずれか記載のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
本発明によれば、熱間圧延工程後に生じた酸化スケールを除去し、かつ、美麗な表面のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法を提供することができる。
酸化スケール除去におけるフェライト系ステンレス鋼板の表面形態の変化を示す模式図である。 本実施形態のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法の一例のプロセスフローである。 本実施形態のフェライト系ステンレス鋼板の製造装置の一例を示す図である。 混酸溶液における硝酸濃度とメタル溶解量の関係を示す図である。 混酸溶液におけるフッ酸濃度とメタル溶解量との関係を示す図である。 フェライト系ステンレス鋼のCr濃度と混酸中へのメタル溶解量の関係を示す図である。 デスケール後の表面形態の観察結果の模式図である。
以下に本発明を実施するための形態について説明する。なお、本発明は当該実施形態によって限定的に解釈されるものではない。
本実施形態のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法は、熱間圧延後のフェライト系ステンレス鋼板の表面に形成されたスケールをメカニカルデスケールする工程と、メカニカルデスケール後のフェライト系ステンレス鋼板の表面を硝酸とフッ酸とを含有する混酸溶液で少なくとも一回以上酸洗処理する酸洗処理工程と、酸洗処理工程後のフェライト系ステンレス鋼板の表面を砥粒非含有ブラシでブラッシングする工程と、を備える、フェライト系ステンレス鋼板の製造方法である。
図2は、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法の一例のプロセスフローである。図2には、プロセスフローとして、ステップ1〜ステップ4の工程が記載されている。また、図3は、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼板の製造装置の一例を示す図である。図3には、酸化スケール除去装置が記載されている。以下、本実施形態のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法について、図2及び図3を用いて説明する。
(スケールブレーカー処理)
熱間圧延工程においては、フェライト系ステンレス鋼板11の表面に酸化スケールが生成する。このため、本実施形態においては、鋼板にメカニカルデスケールを施す。メカニカルデスケールとしては、スケールブレーカー処理又はショットブラスト処理を行うことが好ましく、スケールブレーカー処理後にショットブラスト処理を行うことがより好ましい。図2、図3においては、スケールブレーカー部1においてスケールブレーカー処理が行われる(ステップ1)。
スケールブレーカー部1においては、搬送ローラー5により、フェライト系ステンレス鋼板11の曲げ曲げ戻し加工が行われる。これにより、フェライト系ステンレス鋼板11の表面のスケールに亀裂が入り、クラックが生じる。亀裂が入ったスケールは、酸の浸透が容易になり、スケール/メタル界面のメタルを溶解するため、次のステップ2以降の工程によって、除去されやすくなる。
(ショットブラスト処理)
ステップ1においてスケールブレーカー処理されたフェライト系ステンレス鋼板11は、ショットブラスト部2において、ショットブラスト処理されることが好ましい(ステップ2)。具体的には、ショットブラスト部2における投射装置6によって、フェライト系ステンレス鋼板11の表面に投射材が投射され、ステップ1で亀裂が入った酸化スケールにさらなる衝撃が加えられ、スケールの亀裂の進展及びスケールの剥離が促進され、酸の浸透が容易になり、酸洗工程でデスケールし易くなる。
ショットブラスト処理における、投射材の平均粒径は、0.1〜1.2mm、投射速度は30〜100m/s、投射量は30〜200Kg/mであることが好ましい。ショットブラスト処理における投射材の平均粒径、投射速度、投射量が、上記範囲にあることによって、ステンレス鋼板表面の酸化スケールが除去されやすくなる傾向にある。投射材の材質は、鉄、アルミナ、SiC、セラミックスなどの硬質粒子が望ましく、いずれを使用してもよい。
(酸洗処理工程)
ショットブラスト処理されたフェライト系ステンレス鋼板11は、酸洗槽3で混酸溶液による酸洗処理が行われる(ステップ3)。当該酸洗処理によって、スケールとメタルの界面においてメタルを溶かすことにより、フェライト系ステンレス鋼板11の表面上に存在する酸化スケールの少なくとも一部が除去される。
酸洗処理工程の酸洗処理に用いる混酸溶液(酸洗槽3中の酸洗溶液7)は、スケールとメタルの界面においてメタルを溶かし酸化スケールを効率的に除去する観点およびデスケール後の表面の不働態化を図る観点から、硝酸とフッ酸とを含む混酸溶液で少なくとも一回以上酸洗する必要がある。
以下に、混酸溶液中における酸濃度、イオン濃度について説明する。
(硝酸濃度)
図4に混酸中の硝酸濃度とメタル溶解量の関係を示す。図4は、フェライト系ステンレス鋼(19Crステンレス鋼)の冷延板サンプルを常温の混酸溶液中へと浸漬し、単位時間・単位面積当たりの重量変化を求めたものである。混酸溶液は、フッ酸濃度40g/L、Feイオン濃度30g/L、液温55℃のもので、硝酸濃度を変化させたものである。図4に示す通り、メタル溶解量は硝酸濃度が90g/L付近で極大値を示しているのがわかる。硝酸濃度が高すぎても低すぎてもメタル溶解量は減少するため、本実施形態においては、効果的なデスケールを行う目的とデスケール後の表面の不働態化を図る目的から、硝酸濃度範囲の好ましい範囲を「20〜150g/L」と定めた。
(フッ酸濃度)
図5に混酸中のフッ酸濃度とメタル溶解量の関係を示す。図5は、フェライト系ステンレス鋼(19Crステンレス鋼)の冷延板サンプルを常温の混酸溶液中へと浸漬し、単位時間・単位面積当たりの重量変化を求めたものである。混酸溶液は、硝酸濃度90g/L、Feイオン濃度30g/L、液温55℃のもので、フッ酸濃度を変化させたものである。図5に示す通り、メタル溶解量はフッ酸濃度が増えるほど増大するのがわかる。フッ酸濃度が0ではメタルの溶解が確認できなかったため、本実施形態においては、メタルの溶解が可能なフッ酸濃度である2g/Lを好ましい範囲の下限と定めた。好ましい範囲の上限は、環境負荷及びコスト的な観点から50g/Lと定めた。
(Feイオン濃度)
混酸中で酸洗を行うと、酸洗溶液中のFeイオン濃度が増大してくる。Feイオン濃度が増えすぎると、酸洗能力が低下しやすくなり、沈殿物も生成しやすくなるため、本実施形態においてはFeイオン濃度の好ましい範囲の上限を60g/Lと定めた。
また、混酸溶液は、酸化スケールの除去性能に悪影響を与えない範囲で、硝酸やフッ酸以外の酸や化合物、無機物、イオンなどを含有してもよい。
本実施形態においては、混酸酸洗の前段階の酸洗および予備処理として、硫酸電解、中性塩電解、塩化第二鉄溶液浸漬などの前処理を行ってもよい。
(ブラッシング工程)
酸洗処理工程において酸洗処理されたフェライト系ステンレス鋼板11は、ブラッシング部4において、ブラッシング処理が行われる(ステップ4)。ブラッシング処理を行うことによって、フェライト系ステンレス鋼板11の表面上に残存する酸化スケール及びスマットを除去することができる。
ブラッシング部4において用いられるブラシ8は、砥粒非含有ブラシである。砥粒ブラシ又はダイヤモンドブラシを用いた研削を行うと、フェライト系ステンレス鋼板11の表面上に存在する酸化スケールを除去することができるが、鋼板表面上にバリなどの表面欠陥を生じさせる場合がある。これに対し、砥粒非含有ブラシを用いたブラッシングであれば、表面を研削せずバリが発生せず、表面に付着するスケールやスマット等の除去効果がある。また、ブラッシング工程後にさらなる酸洗処理を行う必要がなくなり、製造工程の簡素化、製造コストの低減が可能となる。
砥粒非含有ブラシは、ポリアミドなどの樹脂を含むブラシが好ましく、ナイロンブラシがより好ましい。ナイロンブラシでブラッシングを行うことによって、フェライト系ステンレス鋼板の表面におけるバリ(表面欠陥)の発生が抑制され、ブラッシング後にさらに酸洗処理をすることなく、表面平滑性に優れたフェライト系ステンレス鋼板を製造することが可能となる。
本実施形態において肝要なことは、ステンレス鋼表面のメタルを研削しない条件、すなわち砥粒非含有ブラシ(例えばナイロンブラシ)でブラッシングを行い、表面に残存するスケールやスマット等を除去することである。
図6にフェライト系ステンレス鋼のCr濃度と混酸中へのメタル溶解量の関係を示す。図6は、19Crステンレス鋼の冷延板サンプルを常温の混酸溶液中へと浸漬し、単位時間・単位面積当たりの重量変化を求めたものである。混酸溶液は、硝酸濃度90g/L、フッ酸濃度15g/L、Feイオン濃度30g/L、液温55℃のものである。Cr濃度が17質量%未満の場合はメタル溶解量が高いため、砥粒入りブラシなどでブラッシングを行った後においてもバリの溶解が容易である。一方、17Cr以上になるとメタルの溶解量が急激に減少するため、バリの溶解が容易ではないことから、バリの発生しないデスケール技術が必要となってくる。そのため、本実施形態において適用される鋼種の好ましいCr濃度を17質量%以上と規定した。
(表面欠陥)
本実施形態において、表面欠陥の判定は、熱間圧延板をデスケールした後の表面において、バリ及びスケール残にて評価を行う。
バリの評価は、デスケール後の表面に残存するショット痕を電子顕微鏡にて観察し、バリの有無を判定する。
スケール残については、電子顕微鏡にて反射電子組成像などの観察にて確認する。
図7にデスケール後の表面形態の観察結果の模式図を一例として示す。図7(a)はバリがない最適なデスケールが行われたものである。図7(b)はデスケール後にバリBが残存したものである。図7(c)はデスケール後にスケールが残存したもの(スケール残H)である。
以下に本発明の実施例を記載する。なお、本発明は当該実施例によって限定的に解釈されるものではない。
表1に示す化学組成のステンレス鋼を電気炉、転炉、VOD工程にて溶製し、連続鋳造してスラブを得た。次いで、連続鋳造スラブを通常の方法で熱間圧延し熱間圧延鋼板を製造した。この熱間圧延鋼板を出発材料として、焼鈍酸洗ラインにてデスケールを行った。
熱間圧延鋼板の焼鈍酸洗ラインでのデスケールは、まず、1000〜1100℃×0secの焼鈍を行い、次いで、曲げ曲げ戻し加工によるスケールブレーカー処理を実施し、さらにショットブラスト処理を実施した。投射材は鉄球を用い、平均粒径は0.3mm、投射速度は40〜80m/sec、投射量は30〜200Kg/mとした。
酸洗前処理として硫酸電解を行い、次いで、酸洗処理とブラシ処理は表2に示す条件で行った。混酸中のFeイオン濃度は60g/L以下、液温は55℃とした。
上述の測定方法により、デスケール後の表面品質を評価した。デスケール後の表面を評価した結果、本発明例では、ショット痕周囲にバリがなく、かつ、スケール残りも確認されなかった。また、最終製品で美麗な表面のステンレス鋼板が得られた。本発明範囲から条件が外れる比較例においては、デスケール後にバリの残存、あるいはスケール残が認められ、最終製品の表面品質が劣る結果となった。
なお、表2には記載されていないが、サンプルCを用い、フッ酸濃度を1g/Lとした以外は試験1と同様の条件で処理したところ(試験12)、スケール残の点で試験1よりも劣った結果となり、フッ酸濃度は2g/L以上が好ましいことが示唆された。
1・・・スケールブレーカー部
2・・・ショットブラスト部
3・・・酸洗処理部
4・・・ブラッシング部
5・・・搬送ローラー
6・・・投射装置
7・・・酸洗溶液
8・・・ブラシ
11・・フェライト系ステンレス鋼板
表1に示す化学組成(質量%)のステンレス鋼を電気炉、転炉、VOD工程にて溶製し、連続鋳造してスラブを得た。次いで、連続鋳造スラブを通常の方法で熱間圧延し熱間圧延鋼板を製造した。この熱間圧延鋼板を出発材料として、焼鈍酸洗ラインにてデスケールを行った。
表1に示す化学組成(質量%)のステンレス鋼を電気炉、転炉、VOD工程にて溶製し、連続鋳造してスラブを得た。次いで、連続鋳造スラブを通常の方法で熱間圧延し熱間圧延鋼板を製造した。この熱間圧延鋼板を出発材料として、焼鈍酸洗ラインにてデスケールを行った。

Claims (4)

  1. 熱間圧延後のフェライト系ステンレス鋼板の表面に形成されたスケールをメカニカルデスケールする工程と、
    前記メカニカルデスケール後の前記フェライト系ステンレス鋼板の前記表面を、硝酸とフッ酸とを含有する混酸溶液で少なくとも一回以上酸洗処理する酸洗処理工程と、
    前記酸洗処理工程後の前記フェライト系ステンレス鋼板の前記表面を、砥粒非含有ブラシでブラッシングする工程と、
    を備える、フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  2. 前記混酸溶液における前記硝酸の濃度が20〜150g/L、前記フッ酸の濃度が2〜50g/L、Feイオン濃度が60g/L以下である、請求項1記載のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  3. 前記砥粒非含有ブラシがナイロンブラシである、請求項1又は2記載のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  4. 前記フェライト系ステンレス鋼板のCr含有割合が、17質量%以上である、請求項1〜3のいずれか一項記載のフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
JP2016061751A 2016-03-25 2016-03-25 フェライト系ステンレス鋼板の製造方法 Active JP6108504B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016061751A JP6108504B1 (ja) 2016-03-25 2016-03-25 フェライト系ステンレス鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016061751A JP6108504B1 (ja) 2016-03-25 2016-03-25 フェライト系ステンレス鋼板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6108504B1 JP6108504B1 (ja) 2017-04-05
JP2017170504A true JP2017170504A (ja) 2017-09-28

Family

ID=58666335

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016061751A Active JP6108504B1 (ja) 2016-03-25 2016-03-25 フェライト系ステンレス鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6108504B1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111482877A (zh) * 2020-05-18 2020-08-04 江苏联峰实业有限公司 一种热轧钢材表面氧化铁皮的去除方法
CN114381581B (zh) * 2022-01-13 2023-06-23 山西太钢不锈钢股份有限公司 一种消除超纯铁素体不锈钢热轧表面粗糙的方法
CN114453419B (zh) * 2022-02-15 2024-05-24 甘肃酒钢集团宏兴钢铁股份有限公司 一种汽油车egr用超纯铁素体不锈钢冷轧基料生产工艺

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04327313A (ja) * 1991-04-30 1992-11-16 Nippon Steel Corp ステンレス鋼の脱スケール方法
JPH0610171A (ja) * 1992-04-30 1994-01-18 Nippon Steel Corp フェライト系ステンレス熱間仕上鋼帯の処理方法
JPH0938714A (ja) * 1995-07-27 1997-02-10 Nippon Steel Corp Alを含有するフェライト系ステンレス鋼帯の製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04327313A (ja) * 1991-04-30 1992-11-16 Nippon Steel Corp ステンレス鋼の脱スケール方法
JPH0610171A (ja) * 1992-04-30 1994-01-18 Nippon Steel Corp フェライト系ステンレス熱間仕上鋼帯の処理方法
JPH0938714A (ja) * 1995-07-27 1997-02-10 Nippon Steel Corp Alを含有するフェライト系ステンレス鋼帯の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6108504B1 (ja) 2017-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5269989B2 (ja) 熱延鋼帯のスケール除去方法及びスケール除去設備
CN108291282B (zh) 热轧钢板、钢材以及容器
JP6108504B1 (ja) フェライト系ステンレス鋼板の製造方法
JP6082625B2 (ja) ステンレス鋼帯の製造方法
JP5693030B2 (ja) 洗浄性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法
JP2019112673A (ja) フェライト系ステンレス冷延鋼板およびその製造方法
JP6173514B1 (ja) フェライト系ステンレス鋼板の製造方法
KR100262732B1 (ko) 광택성 및 내식성이 우수한 오스테나이트계 스테인레스 강판의 제조방법
JP5023477B2 (ja) ステンレス熱延鋼帯の酸洗方法及びステンレス熱延鋼帯
JP2004306077A (ja) ステンレス鋼帯の製造方法
JP5985928B2 (ja) ニッケル冷間圧延帯の製造方法
JP4751603B2 (ja) ステンレス鋼管の製造方法
JP5704130B2 (ja) チタン板の製造方法
JP2000144461A (ja) ステンレス鋼板の表面処理方法
KR101230081B1 (ko) 티타늄 판재의 산세방법 및 이를 이용하여 제조된 티타늄 판재
KR101258729B1 (ko) 표면품질이 우수한 티타늄 판재의 산세방법
JP4008159B2 (ja) バフ研磨性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法
JP2003226990A (ja) フェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法
JP4862690B2 (ja) ステンレス鋼帯及びステンレス鋼帯の製造方法
JP6938342B2 (ja) ステンレス鋼板の製造方法
JP2002294477A (ja) 酸洗後の表面性状に優れる熱延鋼帯の酸洗方法
JP2000045086A (ja) ステンレス鋼の酸洗方法および酸洗液
JP2007118028A (ja) 鋼材のメカニカルデスケーリング方法
JP2017179520A (ja) 耐食性に優れたステンレス鋼板及びその製造方法
JP2003119551A (ja) 極めて良好な表面光沢度を有するステンレス鋼冷間圧延鋼帯

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170302

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6108504

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250