JP5704130B2 - チタン板の製造方法 - Google Patents
チタン板の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5704130B2 JP5704130B2 JP2012144577A JP2012144577A JP5704130B2 JP 5704130 B2 JP5704130 B2 JP 5704130B2 JP 2012144577 A JP2012144577 A JP 2012144577A JP 2012144577 A JP2012144577 A JP 2012144577A JP 5704130 B2 JP5704130 B2 JP 5704130B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- titanium plate
- pickling
- projection material
- hydrofluoric acid
- scale
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Description
(1)スポンジ状のチタンやチタンスクラップを真空加熱炉で溶解し、冷却してインゴットとする。
(2)このインゴットを加熱し、鍛造や熱間圧延によって厚さ3〜5mm程度のチタン板(以下、鍛造や熱間圧延により得られたチタン板を特に「熱延板」とも呼ぶ)にし、必要に応じさらに熱延板に焼きなまし(焼鈍)を行う。
(3)熱間圧延や焼鈍によって生成したスケールを除去するため、熱延板にショットブラストを施した後で硝ふっ酸(硝酸およびふっ酸を含む水溶液)等からなる酸浴に浸漬する酸洗を施す。
(4)脱スケールを行った熱延板を、冷間圧延によって厚さ0.4〜3mm程度のチタン板(以下、冷間圧延により得られたチタン板を特に「冷延板」とも呼ぶ)にする。
(5)冷間圧延で加工硬化した冷延板を焼きなました後、焼きなまし時に生成したスケールを酸洗によって脱スケールする。
研削処理に用いる研削ブラシは、研削砥粒を含む研削ブラシを使用できる。研削砥粒を含む研削ブラシの種類や研削ブラシの使用条件(例えば回転数や押付力、ブラシスプレー条件等)は、チタン板の表面に生成したスケールの厚みや密着性に応じて適宜設定できる。
硝ふっ酸酸洗では、ふっ酸:1〜8質量%および硝酸:5〜15質量%を含む硝ふっ酸水溶液を用いて酸洗温度を30〜70℃で酸洗する。ふっ酸濃度が8質量%または硝酸濃度が15質量%を超えると、溶解速度が速くなり過ぎて制御が困難となる。一方、ふっ酸濃度が1質量%または硝酸濃度が5質量%未満であると、酸洗に長時間を必要とし、残留する投射材が増加するおそれがある。同様に、酸洗温度が70℃を超えると、溶解速度が速くなり過ぎて制御が困難となり、一方、酸洗温度が30℃未満であると、処理に長時間を必要とし、残留する投射材が増加するおそれがある。
塩化鉄酸洗では、酸化還元電位が500mV vs.SCE以上である塩化第二鉄水溶液を用いて酸洗する。生産性の観点から、塩化第二鉄水溶液の酸化還元電位は500mV vs.SCE以上とし、好ましくは540mV vs.SCE以上である。酸化還元電位は高ければ高いほど酸化力が高くて好ましいが、通常は600mV vs.SCE以下である。高い溶解速度を確保するために、必要に応じて少量の塩酸や水を添加することもある。
本発明のチタン板の製造方法は、前述の通り、第一の工程を研削処理または硝ふっ酸酸洗で構成できる。また、本発明のチタン板の製造方法は、第一の工程で、硝ふっ酸酸洗を施すとともに、該硝ふっ酸酸洗前に研削処理および/または該硝ふっ酸酸洗後に研削処理を施す構成を採用するのが好ましい。ここで、研削処理は、研削ブラシの打撃力により投射材を弾き飛ばしつつ、チタン板の表面を均一に研削できるのに対し、硝ふっ酸酸洗は、チタン板の表面とともに投射材を溶解するが、チタン板の表面形状の影響を受けて溶解し易い部分と溶解し難い部分が生じる場合がある。このため、硝ふっ酸酸洗に研削処理を組み合わせることにより、硝ふっ酸酸洗で溶解し難い部分についても投射材を除去でき、残留する投射材をより低減できる。
本発明のチタン板の製造方法は、前述の通り、第二の工程を塩化鉄酸洗で構成できる。また、本発明のチタン板の製造方法における第二の工程では、塩化鉄酸洗を施した後で硝ふっ酸酸洗をチタン板に施すのが好ましい。塩化鉄酸洗によって投射材を溶解して小さくした後、硝ふっ酸酸洗で投射材とチタン板(地金部)の両方を溶解する。この順番で処理を行えば、前記図3(b)に示すように投射材が選択的に溶解して離脱し易い状態となることから、チタン板(地金部)の溶解を抑えつつ投射材を除去できる。
本試験では、純チタン材を真空加熱炉で溶解し、冷却してインゴットとした。そのインゴットを1ヒート目は840〜860℃で15時間以上加熱して鍛造し、2ヒート目は950℃で2.7時間以上加熱し、鍛造することによりスラブとした。そのスラブを850℃に加熱して熱間圧延することにより厚さ4.5mmの熱延板とした。その熱延板に前処理工程、第一の工程および第二の工程をその順に行い、スケールとともに投射材を除去した。その後、熱延板を冷間圧延することにより幅1200mm、厚さ3.2mmの冷延板とし、その冷延板に750℃で焼鈍を施した後で硝ふっ酸酸洗によって脱スケールすることによりチタン板を得た。
条件A:硝ふっ酸水溶液:水溶液A、浸漬時間:1.29分
条件B:硝ふっ酸水溶液:水溶液A、浸漬時間:1.84分
条件A*:硝ふっ酸水溶液:水溶液B、浸漬時間:1.29分
条件B*:硝ふっ酸水溶液:水溶液B、浸漬時間:1.84分
条件C:塩化第二鉄水溶液:水溶液C、吹き付け時間:0.87分
条件D:塩化第二鉄水溶液:水溶液C、吹き付け時間:1.24分
条件C*:塩化第二鉄水溶液:水溶液D、吹き付け時間:0.87分
条件D*:塩化第二鉄水溶液:水溶液D、吹き付け時間:1.24分
R=(t2−t1)/t1 ・・・(1)
表1のチタン板に残留した投射材の個数の「評価」欄の記号の意味は次の通りである。
◎:残留した投射材が4個以下であることを示す。
○:残留した投射材が5〜8個であることを示す。
△:残留した投射材が9〜14個であることを示す。
×:残留した投射材が15個以上であることを示す。
◎:板厚減少率が−2.5%以上であることを示す。
×:板厚減少率が−2.5%未満であることを示す。
表1より、比較例1〜3では、研削処理と硝ふっ酸酸洗とによってスケールを除去した後、第二の工程で塩化鉄酸洗を施すことなく硝ふっ酸酸洗を施した。そのうちの比較例3では、第二の工程を1回のみ行い、得られたチタン板に残留した投射材の評価が×となり、比較例2では、第二の工程を2回行い、チタン板に残留した投射材の評価が△となった。そして、比較例1では、第二の工程を3回行い、チタン板に残留した投射材の評価が○となったが、板厚減少率が悪化してその評価が×であった。
Claims (3)
- 熱間圧延後のチタン板に鉄系投射材を用いてショットブラストを施す前処理工程と、
ショットブラストを施したチタン板に、研削ブラシを用いて研削する研削処理、または、ふっ酸:1〜8質量%および硝酸:5〜15質量%を含む硝ふっ酸水溶液を用いて酸洗温度を30〜70℃で酸洗する硝ふっ酸酸洗を施す第一の工程と、
第一の工程後のチタン板に、酸化還元電位が500mV vs.SCE以上である塩化第二鉄水溶液を用いて酸洗する塩化鉄酸洗を施す第二の工程とを含むことを特徴とするチタン板の製造方法。 - 前記第一の工程で、前記硝ふっ酸酸洗を施すとともに、該硝ふっ酸酸洗前に前記研削処理および/または該硝ふっ酸酸洗後に前記研削処理を施すことを特徴とする請求項1に記載のチタン板の製造方法。
- 前記第二の工程を複数回行うことを特徴とする請求項1または2に記載のチタン板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012144577A JP5704130B2 (ja) | 2012-06-27 | 2012-06-27 | チタン板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012144577A JP5704130B2 (ja) | 2012-06-27 | 2012-06-27 | チタン板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014009363A JP2014009363A (ja) | 2014-01-20 |
JP5704130B2 true JP5704130B2 (ja) | 2015-04-22 |
Family
ID=50106332
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012144577A Active JP5704130B2 (ja) | 2012-06-27 | 2012-06-27 | チタン板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5704130B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105619257A (zh) * | 2016-03-17 | 2016-06-01 | 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 | 一种金属板表面的抛光方法 |
TWI741484B (zh) * | 2020-01-21 | 2021-10-01 | 日商日本製鐵股份有限公司 | 加工鈦材的製造方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03170686A (ja) * | 1989-11-29 | 1991-07-24 | Nippon Steel Corp | 片面チタンクラッド鋼板の脱スケール方法 |
JPH0551777A (ja) * | 1991-08-21 | 1993-03-02 | Nippon Steel Corp | 純チタンの耐食性改善方法 |
JPH07268654A (ja) * | 1994-03-30 | 1995-10-17 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 鉄鋼のエッチング加工方法 |
JP2003213467A (ja) * | 2002-01-17 | 2003-07-30 | Sanbo Copper Alloy Co Ltd | シリコン含有合金材のデスケール方法 |
JP2004315864A (ja) * | 2003-04-14 | 2004-11-11 | Topy Ind Ltd | アルミ鋳物素地の表面処理方法 |
JP2009248763A (ja) * | 2008-04-07 | 2009-10-29 | Nippon Paint Co Ltd | アルミホイールの製造方法、及びアルミホイール |
-
2012
- 2012-06-27 JP JP2012144577A patent/JP5704130B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014009363A (ja) | 2014-01-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5269989B2 (ja) | 熱延鋼帯のスケール除去方法及びスケール除去設備 | |
TWI597370B (zh) | Hot-stamping steel plate and method of manufacturing the same, and hot-stamping formed body | |
JP6249929B2 (ja) | 鋼線材の連続表面処理方法 | |
CN102658686B (zh) | 一种铜钢复合板材 | |
CN108155281A (zh) | 一种小规格led铜带生产工艺 | |
JP6082625B2 (ja) | ステンレス鋼帯の製造方法 | |
JP6709695B2 (ja) | 熱間圧延用チタン素材の製造方法 | |
JP5704130B2 (ja) | チタン板の製造方法 | |
TW202033287A (zh) | 用於製造不鏽鋼帶之方法 | |
JP4813123B2 (ja) | 表面品質に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 | |
JP6108504B1 (ja) | フェライト系ステンレス鋼板の製造方法 | |
JP6173514B1 (ja) | フェライト系ステンレス鋼板の製造方法 | |
CN112139244A (zh) | 一种消除热轧酸洗搪瓷钢板表面氧斑缺陷的轧制方法 | |
JPH0610172A (ja) | オーステナイト系ステンレス熱間仕上鋼帯の処理方法 | |
JP5985928B2 (ja) | ニッケル冷間圧延帯の製造方法 | |
JPH0325487B2 (ja) | ||
US2059468A (en) | Process of treating steel | |
JP3819255B2 (ja) | 打ち抜き性にすぐれたマルテンサイト系ステンレス鋼帯の製造方法 | |
JP4008159B2 (ja) | バフ研磨性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 | |
JP6361437B2 (ja) | 純チタン板の製造方法 | |
JP6938342B2 (ja) | ステンレス鋼板の製造方法 | |
JP6857308B2 (ja) | 鋼帯の製造方法 | |
JP6454584B2 (ja) | 鋼線材の連続表面処理方法 | |
JP5928396B2 (ja) | 冷間圧延用高炭素熱延鋼板の製造方法 | |
JP2016156054A (ja) | チタン板とその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140811 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20141118 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20141218 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150127 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150209 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5704130 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |