JP2017169501A - アントシアニン含有飲食品の風味劣化防止剤 - Google Patents

アントシアニン含有飲食品の風味劣化防止剤 Download PDF

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Abstract

【課題】飲食品を特徴づけるフレーバー成分や色素成分は加工、流通および保存中の各要因において損失しやすいことが知られており、特にアントシアニンを含有する飲食品においては熱や光の影響を受けやすく、有効な風味劣化防止剤が求められているが、従来の技術では十分な効果と実用性を有する場合は少ない。本発明は、アントシアニンを含有する飲食品の熱や光、酸素の影響による風味劣化を最小限に抑制する、アントシアニン含有飲食品の風味劣化防止剤を提供することを目的とする。
【解決手段】茶抽出物、ケルセチン類、カロテノイド類からなる群より選ばれる少なくとも1種以上と、HLB10以上の界面活性剤および抽出トコフェロールを含有し、水中に分散させたときの平均粒子径が1.0μm以下となるアントシアニン含有飲食品の風味劣化防止剤を用いることで上記課題を解決する。
【選択図】なし

Description

本発明は、アントシアニンを含有する飲料の風味劣化防止剤に関し、さらには該風味劣化防止剤を供した食品香料、または飲食品に関する。
飲食品において香味や色調は非常に重要な要素であり、飲食品を特徴づけるものであるが、加工、流通および保存中の各要因において経時劣化しやすい成分である。近年、透明又は半透明プラスチック容器入り飲料や、透明袋入り食品の普及、コンビニエンスストアのショーケースにおける販売や、酸素透過性の高い容器による高温販売が増え、熱や光、酸素の影響を受けやすい状況となっている。特にアントシアニンを含有する飲食品では、アントシアニンがこれら熱や光、酸素による酸化劣化の影響を受けやすく、風味劣化が激しいことが知られている。
一般的な酸化防止素材としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、アスコルビン酸、トコフェロールなどが古くから用いられている。しかし、ジブチルヒドロキシトルエンや、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル等の合成の酸化防止剤は健康に好ましくない影響を与えることが指摘され、添加量、添加する食品の種類などが現在厳しく制限されている。
また、アスコルビン酸は安全で且つ優れた酸化防止効果を示すことから、様々な分野で幅広く利用されているが、アントシアニンとの組合せにおいてはアントシアニンの退色や風味劣化を促進する場合があることや、熱に弱くアスコルビン酸由来の異味異臭を発する場合が多いことも知られている。また、油溶性の抗酸化物質であるトコフェロールは安全で且つ脂質類の酸化劣化に対して優れた抑制効果を示すが、油溶性の抗酸化物質を水系の飲食品に添加する場合、乳化状態によっては本来の酸化防止効果を十分に発揮することができず、実際、単独では飲食品の風味劣化防止効果が弱いのが実情である。
これらアントシアニン含有飲食品の酸化的劣化の改善策として、数多くの酸化防止剤が開発され、報告されている。例えば、アントシアニンの退色防止に3価の鉄イオンを含有させる方法(例えば、特許文献1参照。)、エリオシトリンを含有させる方法(例えば、特許文献2参照。)、羅布麻抽出物を含有させる方法(例えば、特許文献3参照。)などが提案されている。しかし、これらの酸化防止剤の多くは、酸化防止剤そのものの風味が飲食品に悪影響を与える、有効な条件が常温保存時など比較的酸化劣化の緩やかな条件に限られる、飲食品のpHや温度によって酸化防止剤の安定性が損なわれる、酸化防止効果を発揮するためには高濃度の添加を要する、といった欠点がある。また、アントシアニンの退色を抑制することにより飲食品の色調を維持できたとしても、必ずしも風味劣化防止効果が得られるとは限らず、特にフレーバー成分の劣化により香調が変化している場合も多い。このように、アントシアニン含有飲食品の酸化的劣化防止としては様々な方法が取られているが、いまだに十分な効果と実用性を有するものは少なく、さらなる開発が求められている。
特許第4888363号公報 特許第4361173号公報 特許第4139969号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、アントシアニンを含有する飲食品の熱や光、酸素の影響による風味劣化を最小限に抑制する、アントシアニン含有飲食品の風味劣化防止剤の開発を目的としたものである。
本発明者らは、より効果的にアントシアニン含有飲食品の風味劣化を抑制するため鋭意検討した結果、茶抽出物、ケルセチン類、カロテノイド類から選ばれるいずれか一種以上と、HLB10以上の界面活性剤および抽出トコフェロールを含有し、水中に分散させたときの平均粒子径が1.0μm以下となるアントシアニン含有飲食品の風味劣化防止剤が、風味的にも優れ、かつ飲食品の加工または保存中における熱、酸素、光等の影響によるアントシアニンやフレーバー成分の変化を顕著に抑制し得ることを見出した。
本発明のアントシアニン含有飲食品の風味劣化防止剤は、従来の風味劣化防止剤と比較して反応性に優れ、風味劣化防止効果が得られやすいという利点がある。本発明の風味劣化防止剤を用いることにより、飲食品製造時の加熱殺菌工程や、日光や強い照明下、あるいは高温加熱条件での飲食品販売時のような、強い酸化劣化に対しても酸化防止効果を得ることが可能となる。また、フレーバー成分の劣化によって生じる異味異臭の発現を抑制し、香味の良好な飲食品を提供することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本願発明におけるアントシアニン含有飲食品の風味劣化防止剤は、飲食品の製造または保存中における光、熱、酸素などの影響によるアントシアニン含有飲食品の風味劣化を顕著に抑制し得る製剤である。
本発明におけるアントシアニンとは特に限定されるものではないが、一般的にはアントシアニジンをアグリコンとして糖や糖鎖と結びついた一群の天然物化合物の総称である。アントシアニジンとしてはペラルゴニジン、シアニジン、デルフィニジン、ペオニジン、マルビジン、ペチュニジンなどが挙げられ、これらアントシアニジンからなるアントシアニンを含有する色素として、ブドウ果汁色素、ブドウ果皮色素、紫キャベツ色素、紫イモ色素、シソ色素、チェリー色素、エルダーベリー色素、ブルーベリー色素、プラム色素、ストロベリー色素、ラズベリー色素、ハイビスカス色素などを例示することができる。
本発明においてアントシアニン含有飲食品の総アントシアニン含量は特に限定するものではなく、一般的なアントシアニンを含有する飲食品であれば所望の効果を得ることができる。アントシアニンの種類やその他の成分量によっても風味劣化は異なり一概には決定できないが、光や熱による酸化的劣化の影響を受けやすいアントシアニン量としては50ppm以上程度であるため、本発明は50ppm以上のアントアシニンを含有する飲食品においては得に効果が得られやすい。総アントシアニン量と、アントシアニン組成については、高速液体クロマトグラフィーで測定することが可能である。
本発明に用いる界面活性剤は特に限定するものではないが、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、モノグリセリド誘導体、ポリオキシエチレン誘導体、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、酵素分解レシチンなどを例示することができ、その1種または2種以上を併用してもよいが、適切な乳化粒子径の維持、得られる風味劣化防止剤の安定性といった観点から、好ましくはポリグリセリン脂肪酸エステルを含むことが望ましい。
本発明の風味劣化防止剤を、ポリグリセリン脂肪酸エステルを用いて調製する場合には、より適切な乳化粒子径の維持、取り扱いの容易な粘度、飲食品に使用時の風味への影響の少なさといった観点から、炭素数12〜18の飽和または一価不飽和の脂肪酸で構成されるポリグリセリン脂肪酸エステルを使用することが望ましい。炭素数12〜18の飽和または一価不飽和の脂肪酸とはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などを挙げることができる。一方で、炭素数が12に満たない脂肪酸で構成されるポリグリセリン脂肪酸エステルでは乳化力に劣る場合があり、炭素数が18を超える脂肪酸で構成されるポリグリセリン脂肪酸エステルでは得られる風味劣化防止剤の安定性が不十分となる場合がある。
本発明の風味劣化防止剤に含まれる界面活性剤量は特に限定するものではなく、界面活性剤の種類やその他の成分量によっても異なり一概には決定できないが、一般的には水中に分散させたときの平均粒子径を1.0μm以下とするため、界面活性剤量として0.1%以上含まれることが望ましい。0.1%未満では1.0μm以下の平均粒子径を維持することが困難となるばかりか、水系の飲食品へ添加時に油溶性成分が分離する場合がある。
また、界面活性剤の親水性、親油性の度合いはHLB(Hydrophile‐Lipophile Balance)で表されるが、本発明の風味劣化防止剤を得るためにはHLBが10以上であることを必要とし、より好ましくは12以上であることが望ましい。HLBが10より小さい場合、トコフェロールを水中に安定的に分散することが困難となる場合がある。
HLBの求め方は特に限定するものではなく、既存の種々の手法が利用できる。例えばエステル型の界面活性剤の場合、けん化価と構成脂肪酸の酸価から次式によって算出できる。
HLB=20×(1−S/A)
S:けん化価、A:構成脂肪酸の酸価
また、親水基としてポリオキシエチレン鎖だけを持つものは次式で算出できる。
HLB=E/5
E:ポリオキシエチレン基の重量分率
これらの算術的な方法の他、実験的にHLBを求めることもできる。すなわちHLB既知の界面活性剤と未知の界面活性剤を組み合わせて、HLB既知の油脂と水を乳化し、もっとも乳化状態が良い混合比のものを選定して、次式より算定できる。
{(Wu×HLBu)+(Wa×HLBa)}/(Wu+Wa)=HLBo
Wu:HLB未知の界面活性剤の重量分率
Wa:HLB既知の界面活性剤の重量分率
HLBu:HLB未知の界面活性剤のHLB(求める界面活性剤のHLB)
HLBa:HLB既知の界面活性剤のHLB
HLBo:油脂の所要HLB
本願の発明に用いるトコフェロールとは、天然及び合成トコフェロールであって、特に限定されるものではない。植物原料由来の油脂から抽出、精製される場合は、特に限定されるものではないが、代表例として大豆油、小麦胚芽油、パーム油などが挙げられる。また、抽出トコフェロール中のα,β,γ,δの成分比率は、植物の種類や品種、産地などにも影響されるが、工業的に分子蒸留などの工程により特定の同族体組成の成分比率を上げた製品が市販されている。
本発明に使用されるトコフェロールは、その精製方法などは特に限定しないが、総トコフェロール中、d−δ−トコフェロールを20%以上含有するものが望ましく、さらに好ましくは、d−δ−トコフェロールを40%以上含有するものが望ましい。抽出トコフェロールの各同族体の内、d−δ−トコフェロールが特に安定性に優れ、持続的な香味劣化抑制効果が期待できる。トコフェロール中の各同族体の含有量は、食品添加物公定書に記載の測定方法(高速液体クロマトグラフ法)により測定が可能である。また、本発明におけるトコフェロールは、その誘導体も含まれる。例えば、d−δ−トコフェロールを酢酸とエステル化したd−δ−トコフェロールの酢酸エステルなどが挙げられる。
本発明の風味劣化防止剤に含まれるトコフェロール量は特に限定するものではないが、0.1〜50重量%が含まれることが好ましく、さらに好ましくは1.0〜20重量%が含まれることが望ましい。0.1%未満では期待される効果を得るために多量の添加を必要とし、20%を超える配合量では水または多価アルコール中油型の乳化物とした場合に、安定な乳化系とすることが困難となる場合がある。
本発明における茶抽出物の原料は、特に限定するものではなく、植物学的にはツバキ科の植物であるCamellia Sinensisの葉より製造される不発酵茶である緑茶、半発酵茶である烏龍茶、発酵茶である紅茶が挙げられる。それらの中で、好ましくは不発酵茶である緑茶を用いるのが良い。茶抽出物は、茶葉または茶葉を粉砕したものを、水または熱水もしくはグリセリンやエタノールなどのアルコールにより抽出した画分、または酢酸エチル可溶画分、アセトン可溶画分より得たものなどが挙げられ、さらに好ましくは、(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、(−)−カテキンガレート、(−)−エピカテキンガレート、(−)−ガロカテキンガレートおよび(−)−エピガロカテキンガレートからなる群より選ばれるカテキン類の1種または2種以上が挙げられる。上記カテキン類の含量は特に限定するものではないが、使用する茶抽出物中に60%以上含有されていることが好ましく、さらに好ましくは70%以上含有されていることがよい。これらカテキン類の総含量は、酒石酸鉄を用いた比色定量法により測定可能であり、各カテキン類の組成については、高速液体クロマトグラフィーで測定することが可能である。
本発明におけるカロテノイド類とは特に限定されるものではないが、一般的には8個のイソプレン単位からなる中央部に共役二重結合とメチル基の側鎖を持つ化合物であり、天然に存在する黄色から赤のテルペノイド類で、α−カロテン、β−カロテン、リコピン、フィトエンなどの炭化水素類(カロテン類)やそのエポキシ体(キサントフィル類)としてアスタキサンチン、ゼアキサンチン、アクチニオエリスロール、ルテイン、クリプトキサンチン、ツナキサンチン、サルモキサンチン、パラシロキサンチン、ビオラキサンチン、アンテラキサンチン、ククルビタキサンチン、ディアトキサンチン、アロキサンチン、ペクテノール、ペクテノロン、マクトラキサンチン、カプサンチン、カプサンチノール、フコキサンチン、フコキサンチノール、ペリジニン、ハロシンチアキサンチン、アマロウシアキサンチン、カンタキサンチン、エキネノン、ロドキサンチン、ビキシン、ノルビキシン、さらには、ノルカロテノイド類やアポカロテノイド類が挙げられ、好ましくはβ−カロテン、ルテイン、アスタキサンチン、リコピンであり、更に好ましくはルテインである。これらのカロテノイドは、植物、動物、微生物などの天然物から抽出されたものや化学合成品を用いることができる。天然の抽出物は、その原料種類、産地及び製造方法は特に限定されない。
本発明におけるケルセチン類とは特に限定されるものではないが、ケルセチンを基本骨格とする化合物の総称であって、ケルセチン、ジヒドロケルセチン、イソクエルシトリン、ルチン、およびその誘導体として、酵素処理イソクエルシトリン、酵素処理ルチン、アスチルビンなどが挙げられる。本発明に使用されるケルセチン類は、その製造、精製方法などは特に限定しないが、ケルセチン類の溶解性を高める点では、酵素処理ルチンを用いることが好ましい。上記酵素処理ルチンとは、ルチンとデキストリンとの共存下にシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼを作用させて得られる、α−グルコシルルチンを含有する組成物であるが、同様の配合組成を有する組成物であれば、他の手法を用いて製造されたものであっても使用することができる。
本発明のアントシアニン含有飲食品の風味劣化防止剤に含まれる茶抽出物、ケルセチン類、カロテノイド類の添加量は特に限定するものではないが、0.01〜50重量%が含まれることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜20重量%が含まれることが望ましい。0.01%未満では期待される効果は得られにくく、50%を超える配合量では水または多価アルコール中油型の乳化物とした場合に、安定な乳化系とすることが困難となる場合がある。
本発明のアントシアニン含有飲食品の風味劣化防止剤は、水および/または多価アルコール中に界面活性剤を溶解させた後、トコフェロールを含む油相を添加し、乳化装置を用い乳化することにより得られる。茶抽出物、ケルセチン類、カロテノイド類の添加方法は特に限定されるものではなく、乳化の前後の何れでも良いが、水および/または多価アルコール中に溶解可能であれば乳化前に添加し、水および/または多価アルコール中によく溶解させておくことが望ましい。なお、素材の劣化を防ぎ、製剤の安定性を向上させる目的で、全ての工程を通じて、窒素、ヘリウムといった不活性ガス気流下での調製が望ましい。
前記に記載の水および/または多価アルコールとは、1つの分子内に2個以上の水酸基を有する化合物の総称であり、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール、ソルビタン、キシロース、アラビノース、マンノース、乳糖、砂糖、カップリングシュガー、ブドウ糖、酵素水飴、酸糖化水飴、麦芽糖水飴、麦芽糖、異性化糖、果糖、還元麦芽糖、還元澱粉水飴、蜂蜜などが挙げられる。前記に記載の乳化装置は、特に限定されるものではないが、具体的には、ホモミキサー、コロイドミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザーなどが挙げられる。
本発明のアントシアニン含有飲食品の風味劣化防止剤は、飲食品の酸化的劣化に対して十分な反応性を得るため、水中に分散させたときの平均粒子径が1.0μm以下であることを必要とする。平均粒子径1.0μm以下の微細な乳化粒子とすることによって、油溶性であるトコフェロールの分離がなく、分散性が向上するため、最終製品の外観を損ねることがなく効果的に風味劣化防止効果を発揮することができる。粒子径が1.0μmを超えると油溶性であるトコフェロールの分離や浮上が認められ、効果を十分発揮しないばかりでなく、最終製品の外観を損ねるおそれがある。好ましくは0.4μm以下、さらに好ましくは0.2μm以下の微細な乳化にすることよって、より乳化安定性に優れるものとなる。また、平均粒子径が小さいほど、水中分散時における乳化粒子の表面積が増大し、風味劣化防止効果を十分に発揮することができる。乳化粒子の粒度分布測定法としては、光学顕微鏡法、共焦点レーザー顕微鏡法、電子顕微鏡法、原子間力顕微鏡法、静的光散乱法、動的光散乱法、レーザー回折法等が知られており、それぞれの原理に対応した装置が市販されている。本発明の風味劣化防止剤を水中に分散させた時の乳化粒子径は、市販の粒度分布計等で計測することができ、例えばベックマンコールター社の粒度分布測定器(L−230)を用いることで容易に測定することができる。
本発明の風味劣化防止剤は、茶抽出物、ケルセチン類、カロテノイド類から選ばれるいずれか一種以上と、トコフェロールを含有することによって、所望の効果が得られるが、必要に応じて公知の酸化防止剤を併用してもよい。例として油溶性酸化防止剤(カンゾウ油抽出物、ゴマ油不けん化物、γ−オリザノール、ナタネ油抽出物) 、水溶性酸化防止剤(L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸エステル、L−アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸、クロロゲン酸、ブドウ種子抽出物、ヒマワリ抽出物、ヤマモモ抽出物、食用カンナ抽出物、ブルーベリー葉抽出物等)、また、水、油に難溶である酸化防止剤(ドクダミ抽出物、アオイ花抽出物、ピメンタ抽出物等)、金属封鎖剤(グルコン酸、コウジ酸、フィチン酸、ポリリン酸、キチン、キトサン等)、アミノ酸類、クエン酸等の有機酸類又その塩類、ヘスペリジン、ヘスペレチン等が挙げられ、これらの1種または2種以上を併用配合してもよい。
本発明の風味劣化防止剤を適用する飲食品とはアントシアニンを含む飲食品であればよく、特に限定されるものではないが、例えばブドウ、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、イチゴ、アサイー、プルーン、ハスカップ、紫キャベツ、紫イモ、紫ニンジン、ナス、シソなどの果汁、野菜汁成分を含有する果汁飲料、野菜飲料、乳飲料、アルコール飲料、ミネラル含有飲料、ビタミン含有飲料等の飲料類、ゼリー、ババロア、プリン等のデザート食品類、キャンディー、ドロップなどの菓子類、果実ジャム類などを挙げることができる。また、飲食品への使用においては、食品原料および食品香料などの各種食品添加物に適当な濃度となるように混合し使用してもよい。
本発明の風味劣化防止剤の飲食品に対する添加量は、特に限定されるものではなく、風味劣化防止剤の成分の純度、配合割合や、添加する飲食品の種類等により変動するが、一般的には飲食品の0.005〜0.5重量%の範囲で添加するのが好ましい。0.005重量%未満では期待される効果は得られにくく、0.5重量%を超える濃度の添加では風味劣化防止剤の香味が飲食品の風味に影響を及ぼす場合がある。
本発明において、食品香料とは特に限定されるものではないが、例えば、精油、エキストラクト、オレオレジン、回収フレーバー、単離香料などの天然香料素材やアルコール類、エステル類、アルデヒド類、ケトン類、ラクトン類などの合成香料素材の中から選ばれた1種または2種以上を混合したものからなり、形態として、油溶性香料、水溶性香料、乳化香料、粉末香料等の着香料を挙げることができる。また、油溶性、水溶性をそれぞれ単独でも、また併用でも使用することが可能である。本発明の風味劣化防止剤とこれら食品香料の混合方法および混合割合は、特に限定されるものではない。
以下、本発明の態様を実施例によりさらに記載し開示する。この実施例は、単なる本発明の例示であり、何ら限定を意味するものではない。
実施例1
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)80.5gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、緑茶抽出物(太陽化学(株)製、カテキン類含量70%、エピガロカテキンガレート含量50%)0.5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量60%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品1の風味劣化防止剤を得た。
実施例2
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)80.5gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)0.5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量60%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品2の風味劣化防止剤を得た。
実施例3
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)80.9gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量60%)5gとルテイン(関東化学(株)製)0.1gを混合して油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品3の風味劣化防止剤を得た。
実施例4
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)80gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、緑茶抽出物(太陽化学(株)製、カテキン類含量70%、エピガロカテキンガレート含量50%)0.5g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)0.5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量60%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品4の風味劣化防止剤を得た。
実施例5
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)80.4gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、緑茶抽出物(太陽化学(株)製、カテキン類含量70%、エピガロカテキンガレート含量50%)0.5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量60%)5gとルテイン(関東化学(株)製)0.1gを混合して油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品5の風味劣化防止剤を得た。
実施例6
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)80.4gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)0.5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量60%)5gとルテイン(関東化学(株)製)0.1gを混合して油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品6の風味劣化防止剤を得た。
実施例7
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)79.9gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、緑茶抽出物(太陽化学(株)製、カテキン類含量70%、エピガロカテキンガレート含量50%)0.5g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)0.5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量60%)5gとルテイン(関東化学(株)製)0.1gを混合して油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、本発明品7の風味劣化防止剤を得た。
比較例1
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)81gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量60%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品1の風味劣化防止剤を得た。
比較例2
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)80.5gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、アスコルビン酸(関東化学(株)製)0.5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量60%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品2の風味劣化防止剤を得た。
比較例3
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)80.5gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、フェルラ酸(関東化学(株)製)0.5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量60%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品3の風味劣化防止剤を得た。
比較例4
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)80.5gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、緑茶抽出物(太陽化学(株)製、カテキン類含量70%、エピガロカテキンガレート含量50%)0.5gを添加し、65℃に加温溶解した。MCTオイル5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品4の風味劣化防止剤を得た。
比較例5
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)80.5gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)0.5gを添加し、65℃に加温溶解した。MCTオイル5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品5の風味劣化防止剤を得た。
比較例6
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)80.9gに、イオン交換水を10g、デカグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値15)4gを添加し、65℃に加温溶解した。MCTオイル5gとルテイン(関東化学(株)製)0.1gを混合して油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品6の風味劣化防止剤を得た。
比較例7
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)80.5gに、イオン交換水を10g、ジグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値9)4g、緑茶抽出物(太陽化学(株)製、カテキン類含量70%、エピガロカテキンガレート含量50%)0.5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量60%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品7の風味劣化防止剤を得た。
比較例8
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)80.5gに、イオン交換水を10g、ジグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値9)4g、酵素処理ルチン(東洋精糖(株)製)0.5gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量60%)5gを油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品8の風味劣化防止剤を得た。
比較例9
多価アルコールとしてグリセリン(日本油脂(株)製)80.9gに、イオン交換水を10g、ジグリセリンモノミリステート(太陽化学(株)製、HLB値9)4gを添加し、65℃に加温溶解した。抽出トコフェロール(タマ生化学(株)製、d−δ−トコフェロール含量60%)5gとルテイン(関東化学(株)製)0.1gを混合して油相とし、これを多価アルコール中に添加し、ホモミキサー(特殊機化工業(株)製)にて回転数9000rpmで乳化させて、比較品9の風味劣化防止剤を得た。
試験例1
実施例1〜7及び比較例1〜9中で得られた風味劣化防止剤を0.1%となるように水に分散させ、試験溶液を得た。試験溶液はその平均粒子径を粒度分布測定器(ベックマンコールター社製:L−230)にて測定した。結果を表1に示す。
Figure 2017169501
実施例8
市販のブドウ果汁飲料(果汁20%、アントシアニン含量308ppm)に 実施例1〜7で得られた本発明品1〜7をそれぞれ0.05%添加し、無色透明のペットボトルに充填し、本発明品1〜7添加のブドウ果汁飲料を得た。また本発明品の代わりに比較例1〜9にて得られた比較品1〜9をそれぞれ0.05%添加した比較品1〜9添加のブドウ果汁飲料を得た。また、同様にして本発明品、比較品を添加していないブドウ果汁飲料を得た。
試験例2
実施例8で得られたそれぞれのブドウ果汁飲料を10,000Lxの蛍光灯照射下に7日間(12℃)、あるいは遮光条件下で55℃の恒温器中に7日間放置した後、遮光条件で冷蔵保存しておいたブドウ果汁飲料を標準とし、それに対する風味劣化の程度について10名のパネラーによる官能評価を行った。また、保管後のブドウ果汁飲料中のフレーバー成分残存量は、エチルアセテート、エチルブチレート、エチルヘキサノエート、ヘキセナール、リナロールをSPME法により捕集し、ガスクロマトグラフィー質量分析装置(GC/MS)により分析した。また、保管後のブドウ果汁飲料中の530nmにおける吸光度を、日立製U−3900を用いて測定し、保管前の吸光度との比率からアントシアニンの未退色率を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2017169501
実施例9
実施例1〜7で得られた本発明品1〜7、比較例1〜9にて得られた比較品1〜9に対し、水性のシュガーフレーバー香料をそれぞれ1:1で混合し、本発明品1〜7、比較品1〜9混合の食品香料を得た。本発明品1〜7、比較品1〜9混合の食品香料を市販の野菜飲料(紫イモ、紫キャベツ、紫ニンジン含有、アントシアニン含量197ppm)にそれぞれ0.1%添加し、無色透明のペットボトルに充填し、本発明品1〜7、比較品1〜9混合の食品香料を添加した野菜飲料を得た。また、同様にして水性のシュガーフレーバー香料のみを0.05%添加した野菜飲料を得た。
試験例3
実施例9で得られたそれぞれの野菜飲料を10,000Lxの蛍光灯照射下に7日間(12℃)、あるいは遮光条件下で55℃の恒温器中に7日間放置した後、遮光条件で冷蔵保存しておいた野菜飲料を標準とし、それに対する風味劣化の程度について10名のパネラーによる官能評価を行った。また、保管後の野菜飲料中の530nmにおける吸光度を、日立製U−3900を用いて測定し、保管前の吸光度との比率からアントシアニンの未退色率を測定した。その結果を下記表3に示す。
Figure 2017169501
表2及び表3中の官能評価の点数は、下記の基準で採点した各パネラーの平均点である。
(評価基準)
冷蔵保存試料と同等(変化なし) :5点
冷蔵保存試料と比べわずかに変化している :4点
冷蔵保存試料と比べ少し変化している :3点
冷蔵保存試料と比べかなり変化している :2点
冷蔵保存試料と比べ著しく変化している :1点
フレーバー成分のGC/MS分析条件は次の通りである。
(前処理条件)
試料 :4g/20mLヘッドスペースバイアル
抽出法 :SPME(Carboxen/PDMS/DVB)
温度 :40℃
抽出時間:30分
(GC条件)
装置 :Agilent Technologies 7890A
カラム :DB―WAX(30m×0.25mm ID, 0.25μm film)
気化室温度 :240℃
注入法 :スプリットレス
オーブン温度:40℃(5分)⇒10℃/分⇒240℃(5分)合計30分
キャリアガス:ヘリウム
カラム流量 : 1.2ml/分
線速度 :36.3cm/秒
(MS条件)
装置 :Agilent Technologies 5975C
イオン化法:EI、70eV
フレーバー成分残存率は(%)はエチルアセテート、エチルブチレート、エチルヘキサノエート、ヘキセナール、リナロールの量を合計し、以下の式にしたがって計算した。
(B/A)×100=フレーバー成分残存率(%)
遮光冷蔵保存試料のフレーバー成分量:A
保管後試料のフレーバー成分量:B
アントシアニンの未退色率(%)は以下の式にしたがって計算した。
(D/C)×100=アントシアニンの未退色率(%)
保管前試料の吸光度:C
光照射試料の吸光度:D
表2及び表3より明らかなように、茶抽出物、ケルセチン類、カロテノイド類から選ばれるいずれか一種以上と、HLB10以上の界面活性剤および抽出トコフェロールを含有し、水中に分散させたときの平均粒子径が1.0μm以下となる本発明品は、アントシアニン含有飲食品の風味劣化を効果的に防止した。また、本発明品は比較品と比べ、フレーバー成分やアントシアニンの残存率が高く、アントシアニン含有飲食品の香調と色調を効果的に維持した。
本発明のアントシアニン含有飲食品の風味劣化防止剤を用いることにより、日光や強い照明下の飲食品販売時や、高温下での飲食品保存時において、アントシアニン含有飲食品の風味劣化を防止することができ、色調だけでなく香味の良好な飲食品の提供および品質保持効果を持続することが可能となり、産業上貢献大である。

Claims (5)

  1. 茶抽出物、ケルセチン類及びカロテノイド類からなる群より選ばれる少なくとも1種以上と、HLB10以上の界面活性剤及び抽出トコフェロールを含有し、水中に分散させたときの平均粒子径が1.0μm以下となることを特徴とするアントシアニン含有飲食品の風味劣化防止剤。
  2. アントシアニンの退色を抑制することを特徴とする請求項1記載のアントシアニン含有飲食品の風味劣化防止剤。
  3. エチルアセテート、エチルブチレート、エチルヘキサノエート、ヘキセナール、リナロールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上のフレーバー成分を含むアントシアニン含有飲料のフレーバー成分の劣化を抑制することを特徴とする請求項1又は2記載のアントシアニン含有飲食品の風味劣化防止剤。
  4. 請求項1〜3いずれか記載のアントシアニン含有飲食品の風味劣化防止剤を含有する飲食品。
  5. 請求項1〜3いずれか記載のアントシアニン含有飲食品の風味劣化防止剤を含有する香料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020059383A (ja) * 2018-10-10 2020-04-16 トヨタ自動車株式会社 グリルシャッタ装置
WO2021172253A1 (ja) * 2020-02-25 2021-09-02 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 飲食品組成物の退色抑制方法及び退色抑制用組成物

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