JP2017165702A - トリアゾールシラン化合物、該化合物の合成方法及びその利用 - Google Patents

トリアゾールシラン化合物、該化合物の合成方法及びその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】新規なトリアゾールシラン化合物及びその合成方法及び、該トリアゾールシラン化合物を成分とするシランカップリング剤の提供。【解決手段】化学式(I)で示されるトリアゾールシラン化合物。1又は2置換トリアゾール化合物から選択される1つの化合物と、イソシアナトプロピルシラン化合物とを反応させることにより合成される化合物。【選択図】なし

Description

本発明は、新規なトリアゾールシラン化合物、該化合物の合成方法および、該化合物を成分とするシランカップリング剤に関する。
シランカップリング剤は、有機物とケイ素から構成される物質が成分として使用されている。この物質は分子中に種類の異なる官能基を有しており、通常では馴染まない有機材料と無機材料または金属材料を結ぶ仲介役としての機能を発揮する。そのため、複合材料の開発や生産には不可欠の薬剤である。
このようなシランカップリング剤の成分として、例えば、化学式(IV-1)〜化学式(IV-3)で示される如き、シリル基とイミダゾール環を有するイミダゾールシラン化合物が提案されている(特許文献1)。
Figure 2017165702
特開平5−186479号公報
本発明は、新規なトリアゾールシラン化合物、該化合物の合成方法および、該化合物を成分とするシランカップリング剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、トリアゾール化合物と、イソシアナトプロピルシラン化合物を反応させることにより、新規なトリアゾールシラン化合物を合成し得ることを認め、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、第1の発明は、化学式(I)で示されるトリアゾールシラン化合物である。
Figure 2017165702
(式中、Xは水素原子、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アミノ基、フェニル基またはベンジル基を表す。RおよびRは同一または異なって、メチル基またはエチル基を表す。nは1〜12の整数を表す。)
第2の発明は、化学式(II)で示されるトリアゾール化合物と、化学式(III)で示されるイソシアナトプロピルシラン化合物を反応させることを特徴とする第1の発明のトリアゾールシラン化合物の合成方法である。
Figure 2017165702
(式中、X、R1およびnは前記と同様である。)
Figure 2017165702
(式中、R2は前記と同様である。)
第3の発明は、第1の発明のトリアゾールシラン化合物を成分とすることを特徴とするシランカップリング剤である。
本発明のトリアゾールシラン化合物は、シランカップリング剤の成分として好適なものである。また、本発明のシランカップリング剤は、その成分として使用するトリアゾールシラン化合物が、アルコキシシリル基と共にトリアゾール環を有する物質であるので、アゾール化合物の特徴である金属を防錆する機能と、エポキシ樹脂やウレタン樹脂を硬化させる機能を発揮することが期待される。
実施例1で得られた液体のIRスペクトルチャートである。 実施例2で得られた液体のIRスペクトルチャートである。 実施例3で得られた液体のIRスペクトルチャートである。 実施例4で得られた液体のIRスペクトルチャートである。 実施例5で得られた液体のIRスペクトルチャートである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のトリアゾールシラン化合物は、前記の化学式(I)で示されるものであり、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−3−[2−(トリメトキシシリル)エチルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−メチル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−メチル−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−メチル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−メチル−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−エチル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−エチル−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−エチル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−エチル−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−イソプロピル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−プロピル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−プロピル−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−プロピル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−プロピル−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−ブチル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−ブチル−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−ブチル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−ブチル−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−ペンチル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−ペンチル−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−ペンチル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−ペンチル−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−ヘキシル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−ヘキシル−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−ヘキシル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−ヘキシル−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−ヘプチル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−ヘプチル−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−ヘプチル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−ヘプチル−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−ドデシル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−アミノ−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−アミノ−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−アミノ−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−アミノ−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−アミノ−3−[12−(トリメトキシシリル)ドデシルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−フェニル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−フェニル−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−フェニル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−フェニル−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−フェニル−3−[6−(トリメトキシシリル)ヘキシルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−ベンジル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−ベンジル−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−ベンジル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−5−ベンジル−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、
N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−ベンジル−3−[8−(トリメトキシシリル)オクチルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド等が挙げられる。
本発明のトリアゾールシラン化合物は、化学式(II)で示されるトリアゾール化合物と、化学式(III)で示されるイソシアナトプロピルシラン化合物を、適量の反応溶媒中において適宜の反応温度および反応時間にて反応させることにより、概ね定量的に合成される(反応スキーム(A)参照)。
Figure 2017165702
(式中、X、R、Rおよびnは前記と同様である。)
前記のトリアゾール化合物は、
3−[2−(トリメトキシシリル)エチルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−メチル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−メチル−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−エチル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−エチル−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−イソプロピル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−プロピル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−プロピル−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−ブチル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−ブチル−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−ペンチル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−ペンチル−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−ヘキシル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−ヘキシル−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−ヘプチル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−ヘプチル−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−ドデシル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−アミノ−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−アミノ−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−アミノ−5−[12−(トリメトキシシリル)ドデシルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−フェニル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−フェニル−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−フェニル−5−[6−(トリメトキシシリル)ヘキシルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−ベンジル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−ベンジル−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール、
3−ベンジル−5−[8−(トリメトキシシリル)オクチルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール等が挙げられる。
前記のイソシアナトプロピルシラン化合物は、
3−イソシアナトプロピルトリメトキシシランおよび
3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランを表す。
前記の反応溶媒としては、トリアゾール化合物およびイソシアナトプロピルシラン化合物に対して不活性な溶剤であれば特に制限なく使用可能であるが、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロプルアルコール等のアルコール系溶剤;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤やジメチルスルホキシド、アセトニトリル等が挙げられる。
トリアゾール化合物の使用量(仕込量)に対する、イソシアナトプロピルシラン化合物の使用量(仕込量)は、反応温度や反応時間の他、使用する原料や反応溶媒の種類、反応スケール等の要因を考慮して、0.8〜1.2倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
イソシアナトプロピルシラン化合物の仕込み量が1.2倍モルよりも多いと、該化合物が重合してゲル化する惧れがあり、0.8倍モルよりも少ないと、生成物の純度が低下したり、生成物の分離操作が煩雑になる等の惧れがある。
前記の反応温度は、0〜100℃の範囲が好ましく、5〜65℃の範囲がより好ましい。
また、前記の反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜決定されるが、30分〜10時間の範囲が好ましく、1〜5時間の範囲がより好ましい。
本発明のトリアゾールシラン化合物を成分とするシランカップリング剤を使用するに当たっては、従来のシランカップリング剤の場合と同様な使用方法を採用することができるが、異種材料を複合化(例えば接合または混合)する場合における、少なくともどちらか一方の材料(基材)の表面処理に使用することができる。
この際の表面処理方法としては、例えば、(a)適宜量のシランカップリング剤を可溶化剤により希釈した処理液を基材にスプレー塗布する方法、(b)同シランカップリング剤を水−可溶化剤により希釈した処理液を基材にスプレー塗布する方法、(c)同シランカップリング剤を可溶化剤により希釈した処理液に基材を浸漬する方法、(d)同シランカップリング剤を水−可溶化剤により希釈した処理液に基材を浸漬する方法が挙げられる。
前記の可溶化剤としては、ヘキサン、へプタン、シクロヘキサン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル系溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系溶剤;ギ酸、酢酸、乳酸、レブリン酸等の有機酸;メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アリルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、2−アミノ−1−プロパノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピリジン等のアミン類等が挙げられる。
また、本発明のトリアゾールシラン化合物を成分とするシランカップリング剤により処理される基材としては、例えば、シリカ、アルミナ、アルミノケイ酸塩、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、酸化鉄、二酸化チタン、マイカ等の粒状物や、ガラス繊維、ナイロン繊維、炭素繊維等の繊維や、ガラス板、アルミニウム板、銅板、銅箔、銅メッキ膜、鋼板、鉄板、ステンレス板や、アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。
このような表面処理を基材に施すことにより、基材の表面の親油性が高まって、樹脂等に対する親和性(接着性、密着性)を向上させることができる。
なお、この処理による効果を高めるために、表面処理した基材を加熱処理してもよい。
以下、本発明を実施例(合成試験、評価試験)によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、合成試験に使用した主な原料は以下のとおりである。
[主原料]
・3−メルカプト−1H−1,2,4−トリアゾール:東京化成工業社製
・3−メチル−5−メルカプト−1H−1,2,4−トリアゾール:特表平5−509176号公報に記載の方法に準拠して合成した。
・3−アミノ−5−メルカプト−1H−1,2,4−トリアゾール:東京化成工業社製
・3−フェニル−5−メルカプト−1H−1,2,4−トリアゾール:特表平5−509176号公報に記載の方法に準拠して合成した。
・3−ベンジル−5−メルカプト−1H−1,2,4−トリアゾール:特表平5−509176号公報に記載の方法に準拠して合成した。
・3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール:参考例1に合成方法を示した。
・3−メチル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール:参考例2に合成方法を示した。
・3−アミノ−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール:参考例3に合成方法を示した。
・3−フェニル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール:参考例4に合成方法を示した。
・3−ベンジル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール:参考例5に合成方法を示した。
・3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製
・(3−ヨードプロピル)トリメトキシシラン:ALDRICH社製
・(3−クロロプロピル)トリメトキシシラン:信越化学工業社製、商品名「KBM−703」
・(3−クロロプロピル)トリエトキシシラン:東京化学工業社製
[参考例1]
<3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾールの合成>
3−メルカプト−1H−1,2,4−トリアゾール3.0g(30mmol)および脱水メタノール50mlからなる懸濁液を10℃に冷却し、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液5.8g(30mmol)を加えて均一な溶液にした後、室温に戻して30分間攪拌した。これに、(3−ヨードプロピル)トリメトキシシラン8.7g(30mmol)および脱水メタノール10mlからなる溶液を10分間かけて滴下し、さらに27〜30℃で3時間30分間攪拌した。
反応液を減圧濃縮して得られた12.5gの白色粘稠物をジエチルエーテル40mlで3回抽出し、抽出液から不溶物をろ去後、ろ液を減圧濃縮し微黄褐色油状の標題の目的物7.3g(27.7mmol、収率92.3%)を得た。
[参考例2]
<3−メチル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾールの合成>
3−メチル−5−メルカプト−1H−1,2,4−トリアゾール25.0g(0.217mol)および脱水N,N−ジメチルホルムアミド120mlからなる溶液に、室温下28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液42.0g(0.218mol)を加えて20分間攪拌した。これに、(3−クロロプロピル)トリメトキシシラン43.1g(0.217mol)を加え、さらに76℃で3時間攪拌した。
反応液を室温まで冷却した後、不溶物をろ去し、ろ液を減圧乾固して白色固体の標題の目的物60.7g(0.219mol、収率100.8%)を得た。
[参考例3]
<3−アミノ−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾールの合成>
3−アミノ−5−メルカプト−1H−1,2,4−トリアゾール3.48g(30mmol)および脱水エタノール50mlからなる懸濁液を10℃に冷却し、20%ナトリウムエトキシドエタノール溶液10.2g(30mmol)を加えて均一な溶液にした後、室温に戻して30分間攪拌した。これに、(3−クロロプロピル)トリエトキシシラン6.74g(30mmol)および脱水エタノール10mlからなる溶液を10分間かけて滴下し、さらに78℃で6時間攪拌した。
反応液を減圧濃縮して得られた10.8gの白色粘稠物をジエチルエーテル40mlで3回抽出し、抽出液から不溶物をろ去後、ろ液を減圧濃縮し低融点結晶性固体の標題の目的物8.2g(25.7mmol、収率85.6%)を得た。
[参考例4]
<3−フェニル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾールの合成>
3−フェニル−5−メルカプト−1H−1,2,4−トリアゾール25.0g(0.141mol)および脱水N,N−ジメチルホルムアミド140mlからなる懸濁液に、室温下28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液27.3g(0.142mol)を加えて20分間攪拌した。これに、(3−クロロプロピル)トリメトキシシラン28.0g(0.141mol)を加え、さらに73℃で4時間攪拌した。
反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ去し、ろ液を減圧乾固して淡黄色固体の標題の目的物49.8g(0.147mol、収率104.0%)を得た。
[参考例5]
<3−ベンジル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾールの合成>
3−ベンジル−5−メルカプト−1H−1,2,4−トリアゾール25.0g(0.131mol)および脱水N,N−ジメチルホルムアミド120mlからなる溶液に、室温下28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液25.6g(0.133mol)を加えて10分間攪拌した。これに、(3−クロロプロピル)トリメトキシシラン26.2g(0.132mol)を加え、さらに73℃で3時間攪拌した。
反応液を室温まで冷却し、不溶物をろ去し、ろ液を減圧濃縮して淡黄色液体の標題の目的物48.0g(0.134mol、収率102.2%)を得た。
シランカップリング剤の評価試験において採用した、銅と樹脂の接着性の試験方法を以下に示す。
[接着性試験]
(1)基材
電解銅箔(厚み:18μm)を基材として使用した。
(2)基材の処理
以下の工程a〜dに従って行った。
a.酸清浄/1分(室温)、水洗
b.過酸化水素・硫酸によるソフトエッチング/1分(室温)、水洗
c.酸清浄/1分(室温)、水洗、乾燥/1分(100℃)
d.実施例の表面処理液に浸漬/1分(室温)、水洗、乾燥/1分(100℃)
(3)基材と樹脂の接着
処理した基材のS面に、ガラス布エポキシ樹脂含浸プリプレグ(FR−4グレード)を積層プレスし、基材と樹脂を接着した。
(4)接着性の評価
「JIS C6481」に従って、樹脂を接着した基材を幅10mmにカットして試験片を作成し、プレッシャークッカー処理(121℃/湿度100%/100時間)した後、銅箔の引き剥がし強さを測定した。
[実施例1]
<N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミドの合成>
3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール10.0g(38mmol)をテトラヒドロフラン50mlに溶解し、トリエチルアミン0.7g(7mmol)を加えた後、室温下3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン7.8g(38mmol)を滴下した。滴下終了後、65℃で4時間加熱攪拌し、反応液を減圧下で揮発分を留去して、無色液体17.8g(38.0mmol、収率100%)を得た。
得られた液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:9.08(s, 1H), 8.57(t, 1H), 3.48(s, 9H), 3.47(s, 9H), 3.23(t, 2H), 3.17(t, 2H), 1.75(m, 2H), 1.62(m, 2H), 0.74(m, 2H),0.59(m, 2H).

また、この液体のIRスペクトルデータは、図1に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた液体は、化学式(I−1)で示される標題のトリアゾールシラン化合物であるものと同定した。
Figure 2017165702
[実施例2]
<N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−メチル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミドの合成>
3−メチル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール8.40g(30mmol)およびテトラヒドロフラン50mlからなる溶液に、室温下3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン6.28g(31mmol)を5分間かけて滴下した後、10分間攪拌した。これに、トリエチルアミン1.2g(12mmol)を加え63℃で5時間攪拌した。
反応液を減圧下で揮発分を留去して、淡黄色液体14.2g(29.4mmol、収率98.1%)を得た。
得られた液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:3.48(s, 18H), 3.14(m, 4H), 2.62(s, 3H), 1.72(m, 2H), 1.59(m, 2H), 0.73(t, 2H), 0.59(t, 2H).

また、この液体のIRスペクトルデータは、図2に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた液体は、化学式(I−2)で示される標題のトリアゾールシラン化合物であるものと同定した。
Figure 2017165702
[実施例3]
<N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−アミノ−3−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミドの合成>
3−アミノ−5−[3−(トリエトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール9.6g(30mmol)をテトラヒドロフラン50mlに溶解し、これにトリエチルアミン0.7g(7mmol)を加えた後、室温下3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン6.15g(30mmol)を滴下した。滴下終了後、65℃で4時間加熱攪拌し、反応液を減圧下で揮発分を留去して、淡黄色液体15.8g(30.0mmol、収率100%)を得た。
得られた液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:8.04(t, 1H), 7.27(s, 2H), 3.73(q, 6H), 3.47(s, 9H), 3.15(dd, 2H), 3.06(t, 2H), 1.70(m, 2H), 1.57(m, 2H), 1.41(t, 9H), 0.69(m, 2H), 0.57(m, 2H).

また、この液体のIRスペクトルデータは、図3に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた液体は、化学式(I−3)で示される標題のトリアゾールシラン化合物であるものと同定した。
Figure 2017165702
[実施例4]
<N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−フェニル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミドの合成>
3−フェニル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール9.50g(28mmol)およびテトラヒドロフラン50mlからなる溶液に、室温下3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン5.74g(28mmol)を5分間かけて滴下した後、10分間攪拌した。これに、トリエチルアミン1.14g(11mmol)を加え63℃で4時間30分間攪拌した。
反応液を減圧下で揮発分を留去して、淡黄色液体14.62g(26.8mmol、収率95.8%)を得た。
得られた液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:8.10-7.52(m, 5H), 3.49(s, 18H), 3.27(m, 4H), 1.86(m, 2H), 1.64(m, 2H), 0.79(t, 2H), 0.62(t, 2H).

また、この液体のIRスペクトルデータは、図4に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた液体は、化学式(I−4)で示される標題のトリアゾールシラン化合物であるものと同定した。
Figure 2017165702
[実施例5]
<N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−5−ベンジル−3−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミドの合成>
3−ベンジル−5−[3−(トリメトキシシリル)プロピルチオ]−1H−1,2,4−トリアゾール9.03g(26mmol)およびテトラヒドロフラン50mlからなる溶液に、室温下3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン5.23g(25mmol)を5分間かけて滴下した後、10分間攪拌した。これに、トリエチルアミン1.0g(10mmol)を加え63℃で5時間攪拌した。
反応液を減圧下で揮発分を留去して、淡黄色液体13.73g(24.6mmol、収率98.3%)を得た。
得られた液体のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (DMSO-d6) δ:7.31-7.29(m, 5H), 3.99(s, 2H), 3.44(s, 18H), 3.18(m, 4H), 1.75(m, 2H), 1.59(m, 2H), 0.71(t, 2H), 0.58(t, 2H).

また、この液体のIRスペクトルデータは、図5に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた液体は、化学式(I−5)で示される標題のトリアゾールシラン化合物であるものと同定した。
Figure 2017165702
[実施例6]
<銅の表面処理液の調製および評価>
シランカップリング剤成分として、実施例1において合成したトリアゾールシラン化合物を使用して銅の表面処理液を調製した。
即ち、この化合物10gにエチレングリコールモノブチルエーテル200gを加え、続いて水790gを加えて、室温にて2時間攪拌し、トリアゾールシラン化合物のメトキシシリル基(-Si(OCH3)3)が加水分解して、ヒドロキシシリル基(-Si(OH)3)に変化した、銅の表面処理液(以下、処理液Aと云う)を調製した。
これと同様にして、実施例1において合成したトリアゾールシラン化合物の代わりに、実施例2〜5において合成したトリアゾールシラン化合物を使用して、銅の表面処理液を調製した(以下、各々処理液B、C、D、Eと云う)。
なお、これらの処理液中のトリアゾールシラン化合物のメトキシシリル基(-Si(OCH3)3)またはエトキシシリル基(-Si(OCH2CH3)3)が、ヒドロキシシリル基(-Si(OH)3)に加水分解されていることを確認した。
また、シランカップリング剤成分を使用しない以外は、前記の処理液A〜Eと同様の組成を有する銅の表面処理液(以下、処理液Fと云う)を調製した。
これらの処理液について、接着性の評価試験を行ったところ、得られた試験結果は、表1に示したとおりであり、本発明のトリアゾールシラン化合物をシランカップリング剤成分として使用した銅の表面処理液は、銅表面とプリプレグの接着性を高める効果を発揮しているものと認められる。
Figure 2017165702
本発明のトリアゾールシラン化合物を成分とすることにより、アゾール化合物の特徴である金属を防錆する機能と、エポキシ樹脂やウレタン樹脂を硬化させる機能を付加したシランカップリング剤とすることができるので、種類の異なる素材を組み合わせて製造されるプリント配線板をはじめ、さまざまなタイプの複合材料への利用が期待される。

Claims (3)

  1. 化学式(I)で示されるトリアゾールシラン化合物。
    Figure 2017165702
    (式中、Xは水素原子、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、アミノ基、フェニル基またはベンジル基を表す。RおよびRは同一または異なって、メチル基またはエチル基を表す。nは1〜12の整数を表す。)
  2. 化学式(II)で示されるトリアゾール化合物と、化学式(III)で示されるイソシアナトプロピルシラン化合物を反応させることを特徴とする請求項1記載のトリアゾールシラン化合物の合成方法。
    Figure 2017165702
    (式中、X、R1およびnは前記と同様である。)
    Figure 2017165702
    (式中、R2は前記と同様である。)
  3. 請求項1記載のトリアゾールシラン化合物を成分とすることを特徴とするシランカップリング剤。
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