JP2017165669A - 毛髪化粧料 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、毛髪化粧料を特定の方法で使用することにより、毛髪を即時に立ち上がらせつつ、ボリューム感を付与できることが記載されており、毛髪化粧料の具体例として、カチオン性界面活性剤、油剤等を含む特定のものが示されている。
また、特許文献3には、特定のアミドアミンを特定の脂肪酸および脂肪族アルコールと組み合わせて用いた毛髪化粧料は、乾燥後のべたつきの抑制効果が優れることが記載されている。
(A)下記一般式(1)で表されるアミドアミンの有機酸塩:
(B)炭素数12以上22以下の脂肪族アルコール
(C)炭素数12以上22以下の脂肪酸
成分(A)は、下記一般式(1)で表されるアミドアミンの有機酸塩である。
一般式(1)中、R2は、炭素数2以上4以下の直鎖または分岐鎖のアルキレン基を示し、毛髪の速乾性を高める観点から、好ましくはエチレン基またはトリメチレン基である。
また、一般式(1)中のR3およびR4は独立して、炭素数1以上3以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基、アルケニル基またはヒドロキシアルキル基を示し、毛髪の速乾性を高める観点から、好ましくはメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基およびヒドロキシプロピル基からなる群から選択される基であり、より好ましくはメチル基またはエチル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
また、本実施形態において、毛髪化粧料中に成分(A)が含まれていればよく、成分(A)を塩として毛髪化粧料中に配合してもよいし、アミドアミン化合物と有機酸とが個別に配合されて毛髪化粧料中で成分(A)の塩が形成されてもよい。
成分(B)は、炭素数12以上22以下の脂肪族アルコールである。成分(B)の具体例としては、下記一般式(2)で表されるものが挙げられる。
R5−CH2−OH (2)
〔上記一般式(2)中、R5は炭素数11以上21以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示す。〕
成分(B)の炭素数12以上22以下の脂肪族アルコールの具体例としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2−オクチルドデカノールが挙げられる。これらのうち、毛髪化粧料で処理した毛髪の塗布時およびすすぎ時の滑らかさと適切な毛髪の速乾性能の観点から、成分(B)は、好ましくはステアリルアルコール、セチルアルコールおよびミリスチルアルコールからなる群から選択される1種または2種以上であり、より好ましくはステアリルアルコールおよびセチルアルコールから選択される1種または2種である。
成分(C)は、炭素数12以上22以下の脂肪酸である。成分(C)の具体例としては、下記一般式(3)で表されるものが挙げられる。
R6−CO−OH (3)
〔上記一般式(3)中、R6は炭素数11以上21以下の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示す。〕
成分(C)の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、イソステアリン酸、イソパルミチン酸等が挙げられる。これらのうち、毛髪化粧料で処理した毛髪の塗布時およびすすぎ時の滑らかさと適切な毛髪の速乾性能の観点から、好ましくはパルミチン酸、ステアリン酸およびベヘン酸からなる群から選択される1種または2種以上である。
本実施形態の毛髪化粧料は、媒体として水を含有する。毛髪化粧料中の水の含有量は、たとえば毛髪化粧料中の成分(A)〜(C)およびその他の成分の残部となる。また、水の含有量は、毛髪化粧料全体に対し、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは55質量%以上、さらに好ましくは65質量%以上であり、また、好ましくは99.3質量%以下であり、より好ましくは98質量%以下、さらに好ましくは97質量%以下、さらにより好ましくは96質量%以下である。
たとえば、毛髪化粧料は、以下の成分(D)または(E)をさらに含有することができる。
成分(D)は、シリコーンである。
成分(D)の具体例としては、ジメチルポリシロキサン(以下、ジメチコンともいう。)、環状シリコーン、アミノ変性シリコーン、ジメチコノール、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリシドール変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられ、毛髪化粧料の塗布時およびすすぎ時の毛髪の滑らかさと適切な毛髪の速乾性能の観点から、好ましくは、ジメチルポリシロキサンおよびアミノ変性シリコーンからなる群から選択される1種または2種以上である。
また、毛髪の乾燥速度を高める効果と、毛髪化粧料の塗布時およびすすぎ時の毛髪の滑らかさを得る効果とのバランスを高める観点から、成分(D)が、重量平均分子量が10万以上500万以下のシリコーンと、重量平均分子量が50以上8万以下のシリコーンとを含むことが好ましい。
本実施形態の毛髪化粧料には、成分(E)として、1価以上3価以下の炭素数1以上6以下の脂肪族アルコールおよび1価以上3価以下の炭素数7以上10以下の芳香族アルコールからなる群より選択される少なくとも1種をさらに含有させることができる。
成分(E)の具体例としては、イソプロピルアルコール、ブタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、フェノキシエタノール等が挙げられる。これらの中でも、毛髪の速乾性能を高める観点、毛髪の滑らかさを向上させる観点、および、毛髪化粧料の乳化安定性の良好性を高める観点から、成分(E)は、好ましくは、プロピレングリコールおよびジプロピレングリコールから選択される1種以上であり、より好ましくはジプロピレングリコールである。
本実施形態の毛髪化粧料は、毛髪化粧料に一般に使用されるその他の成分を、目的に応じてさらに含有することができる。たとえば、カチオン化セルロース、ヒドロキシ化セルロース、高重合ポリエチレンオキサイド等の、前述した成分(D)以外の高分子化合物;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド等の非イオン界面活性剤;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類;イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテルなどの前述した成分(B)〜(D)以外の油剤;ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム等の抗フケ剤;pH調整剤;ビタミン剤;殺菌剤;抗炎症剤;防腐剤;キレート剤;パンテノール等の保湿剤;染料、顔料等の着色剤;ユーカリの極性溶媒抽出物等のユーカリエキス、コンキオリンまたはその加水分解物、シルクから得られる蛋白質またはその加水分解物、マメ科植物の種子から得られる蛋白含有抽出物、オタネニンジン抽出物、米胚芽抽出物、ヒバマタ抽出物、ツバキ抽出物、アロエ抽出物、月桃葉抽出物、クロレラ抽出物等のエキス類;雲母チタン等のパール粉体;メントール等の清涼剤:香料;色素;紫外線吸収剤;酸化防止剤;その他エンサイクロペディア・オブ・シャンプー・イングリーディエンツ(ENCYCLOPEDIA OF SHAMPOO INGREDIENTS (MICELLE PRESS))に記載されている成分等が挙げられる。
本実施形態の毛髪化粧料のpHは、塗布時およびすすぎ時の毛髪の滑らかさを向上させる観点から、好ましくは2.5以上であり、より好ましくは3以上であり、また、好ましくは6.0以下であり、より好ましくは5.5以下、さらに好ましくは5.0以下である。
なお、本明細書において、毛髪化粧料のpHは、水で20質量倍希釈したときの25℃における値をいう。
本実施形態において、毛髪化粧料は、たとえば、成分(A)、(B)、(C)および適宜他の成分を所定の順序で混合して水に溶解または分散することで製造される。
さらに具体的には、50〜100℃程度に加熱した水に、成分(A)〜(C)を加え撹拌し均一にした後、冷却しながら適宜成分(D)、(E)およびその他の成分を加え撹拌し均一にして、室温(25℃、以下同じ。)まで冷却することにより得ることができる。
さらに具体的には、本実施形態における毛髪化粧料を用いて毛髪のコンディショニング処理を行うには、シャンプー等による洗髪後、本実施形態の毛髪化粧料を毛髪に塗布した後、水で洗い流せばよい。これにより、すすぎ後のタオルドライ時には毛束がばらけやすくなり、濡れた毛髪を短時間で乾燥させることができる。
表1および表2に示すヘアコンディショナーを調製し、以下の方法および基準に従って、その評価を行った。
成分(A)、(B)および(C)を80℃で溶融混合し、油相を調製した。
そして、80℃に加温したイオン交換水に得られた油相を加えて均一混合し、乳化物を得た。
得られた乳化物を室温まで冷却する過程で、適宜成分(D)または(E)を添加して分散させて、ヘアコンディショナーを得た。
pHは試料を精製水で20質量倍に希釈し、撹拌溶解したのち、pH計(東亜ディーケーケー社製、HM−30R型)を用い、25℃にて測定した。
(評価用毛束)
6cm×6cm角の範囲に200本/cm2の密度、生え角60°で、長さ28cmの日本人の非化学処理毛髪を植毛した毛髪トレスを、市販のブリーチ剤(花王社製、泡カラーハイブリーチ、1剤と2剤の混合比:1対2)でブリーチ処理(毛髪と同質量のブリーチ剤を塗布し、30分間室温で処理した後、40℃の水道水で30秒間すすぎ流した後に、以下に処方を示すモデルシャンプーを3.5g塗布し30秒間泡立てて洗浄し、40℃の水道水で1分間すすぎ流した後、タオルドライを行い、ドライヤー乾燥を行った。)を3回行ったものを、評価用毛束として以下の評価に用いた。
作製した評価用毛束を40℃の流水(水道水)で10秒間濡らした後、以下に処方を示すモデルシャンプーを3.5g塗布し、30秒間泡立てて洗浄し、40℃の流水で1分間すすぎ流した。
次に、すすぎ後の毛束に表1または表2に記載の各例のヘアコンディショナーを1.0g塗布し、30秒間なじませた後、40℃の流水で1分間すすいだ。
次いで、含水量が毛髪重量と同量になるように毛束の水を切った後に、ペーパータオル(大王製紙社製、エリエールプロワイプ ソフトタオルホワイト4つ折り(405mm×315mm、4枚重ね))、アクリル板、錘(アクリル板と錘の総重量1.4kg)を順に乗せ、10秒間静置して余分な水分を除去した。その毛束を、ドライヤー(テスコム電機社製、NB1902)の吹き出し口から毛髪中心部までの距離が35cmになる位置でふり幅5cm、振盪速度4往復/1秒でドライヤー乾燥(温風モード、風量:600W)し、30秒ごとに毛束の重量を測定し、グラフを作成した。毛束中の水分量が毛髪重量に対して20%になるまでに要する乾燥時間(秒)をグラフから算出し、この時間を毛髪の速乾性評価の値とした。
成分
ポリオキシエチレン(2.0)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩 15.5質量%
ラウラミドジエタノールアミド 2.28質量%
エデト酸二ナトリウム 0.15質量%
安息香酸ナトリウム 0.175質量%
オキシベンゾン 0.03質量%
ジブチルヒドロキシトルエン 0.01質量%
塩化ナトリウム 0.80質量%
リン酸 適量
香料 微量
色素 微量
精製水 残量
合計 100質量%
上述した方法で作製した評価用毛束を用い、これを40℃の流水(水道水)で10秒間濡らした。その後、上記モデルシャンプーを毛束に3.5g塗布し、30秒間泡立てて洗浄後、40℃の流水で1分間すすぎ流した。次いで、表1または表2に記載の各例のヘアコンディショナーを毛束に2.0g塗布し、30秒間なじませた後、40℃の流水で1分間すすいだ。
この際、塗布時およびすすぎ時の毛束の「滑らかさ」について、5名の専門パネラーが官能評価を行った。評価は以下の5段階で行い、5名の平均点を算出した。
5:滑らか
4:やや滑らか
3:どちらでもない
2:やや滑らかでない
1:滑らかでない
*1 パルミタミドプロピルジメチルアミン乳酸塩:Lubrizol社製、SCHERCODINE(商標)3.79gおよび乳酸(アクティブ量90質量%)1.07gを混合して調製(表中の数値はアクティブ量)
*2 ステアラミドプロピルジメチルアミン乳酸塩:日光ケミカルズ社製、NIKKOL アミドアミンMPS 3.94gおよび乳酸(アクティブ量90質量%)1.07gを混合して調製(表中の数値はアクティブ量)
*3 ベヘナミドプロピルジメチルアミン乳酸塩:花王社製、アミデット APA−22 4.54gおよび乳酸(アクティブ量90質量%)1.07gを混合して調製(表中の数値はアクティブ量)
*4 ステアラミドエチルジエチルアミン乳酸塩:東邦化学工業社製、カチナール AEAS 4.09gおよび乳酸(アクティブ量90質量%)1.07gを混合して調製(表中の数値はアクティブ量)
*5 ステアラミドプロピルジメチルアミンリンゴ酸塩:日光ケミカルズ社製、NIKKOL アミドアミンMPS 3.94gおよびリンゴ酸(アクティブ量50質量%)2.87gを混合して調製(表中の数値はアクティブ量)
*6 セチルアルコール:花王社製、カルコール 6098
*7 ステアリン酸:花王社製、ルナック S−98
*8 ジメチコン混合物:重量平均分子量18万:重量平均分子量680=33:67(重量比)、粘度:15,000mm2/s
*9 ジプロピレングリコール:ADEKA社製、DPG−RF
表1および表2より、各実施例の毛髪化粧料は、成分(A)〜(C)および水を含むとともに、成分(A)〜(C)を特定のモル比で含むため、毛髪の乾燥時間を短縮することができるとともに、速乾性の効果と塗布時およびすすぎ時の毛束の滑らかさの効果とのバランスにも優れていた。
Claims (10)
- 毛髪に適用した後洗い流して使用される毛髪化粧料であって、次の成分(A)〜(C)および水を含有し、当該毛髪化粧料中の前記成分(A)の含有量に対する前記成分(B)および(C)の含有量の合計のモル比([(B)+(C)]/(A))が0.1以上3.0未満であり、前記成分(C)の含有量に対する前記成分(B)の含有量のモル比((B)/(C))が1.20を超え100以下である、毛髪化粧料。
(A)下記一般式(1)で表されるアミドアミンの有機酸塩:
(B)炭素数12以上22以下の脂肪族アルコール
(C)炭素数12以上22以下の脂肪酸 - 成分(D)シリコーンをさらに含有する、請求項1に記載の毛髪化粧料。
- 当該毛髪化粧料中の前記成分(D)の含有量に対する成分(A)、(B)および(C)の含有量の合計の質量比([(A)+(B)+(C)]/(D))が0.5以上100以下である、請求項2に記載の毛髪化粧料。
- 当該毛髪化粧料中の前記成分(D)の含有量が、当該毛髪化粧料全体に対して0.1質量%以上10質量%以下である、請求項2または3に記載の毛髪化粧料。
- 当該毛髪化粧料中の前記成分(A)の含有量が、当該毛髪化粧料全体に対して0.1質量%以上10質量%以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
- 当該毛髪化粧料中の前記成分(B)の含有量が、当該毛髪化粧料全体に対して0.5質量%以上15質量%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
- 当該毛髪化粧料中の前記成分(C)の含有量が、当該毛髪化粧料全体に対して0.01質量%以上10質量%以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
- 成分(E)1価以上3価以下の炭素数1以上6以下の脂肪族アルコールおよび1価以上3価以下の炭素数7以上10以下の芳香族アルコールからなる群より選択される少なくとも1種をさらに含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
- 当該毛髪化粧料中の前記成分(E)の含有量が、当該毛髪化粧料全体に対して0.01質量%以上10質量%以下である、請求項8に記載の毛髪化粧料。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の毛髪化粧料を毛髪に適用し、水で洗い流す、毛髪化粧料の使用方法。
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