JP7358080B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents
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Description
洗髪後の毛髪の絡まりを解く方法として、コンディショナーやトリートメント等の毛髪化粧料を用いる場合は、これら毛髪化粧料を毛髪に塗布し絡まり部位に指を通しながら馴染ませることによって、毛髪表面に潤滑成分を行き渡らせながら毛髪の絡まりを解いている。従来の技術では、毛髪の指通りや櫛通りをよくする目的で、コンディショナーやトリートメント等の毛髪化粧料にカチオン性界面活性剤、高級アルコール、シリコーン等が配合されている。
特許文献2には、特定の動粘度範囲にあるアミノ変性シリコーンと、アミノポリエーテル変性シリコーンと、特定の動粘度範囲にあるジメチルポリシロキサンと、特定のアルキル型カチオンと、特定の高級アルコールを組み合わせた毛髪化粧料が毛髪の水分保持力を高めながらも、使用時の指どおりを改善し、しなやかでしっとりとした仕上がり感を与えることができ、かつ、低湿度下でのパサツキ防止とうるおい感を与えられることが開示されている。
また特許文献3には、毛髪に適用した後洗い流して使用される毛髪化粧料において、特定構造のアミノポリエーテル共変性シリコーンと揮発性シリコーンを併用することによって、毛髪上の粘着成分吸着量が少なくなり、かつ嵩高い粘着成分が毛髪に付着し難くなること、その結果、処理後の濡れ髪が極めてばらけやすくなり、乾燥速度が向上することが開示されている。
本発明は、毛髪に適用すると、手を通すなどの操作を行うことなく絡まりを解くことができ、さらに処理後の毛髪の乾燥速度を向上させ、すすぎ時の毛髪に滑らかさを付与できる毛髪化粧料に関する。
すなわち本発明は、側鎖部分にポリオキシアルキレン構造を有するアミノポリエーテル変性シリコーン(A)、及び、主鎖部分にポリオキシアルキレン構造を有するアミノポリエーテル変性シリコーン(B)を含有又は配合してなる毛髪化粧料に関する。
本発明の毛髪化粧料は、側鎖部分にポリオキシアルキレン構造を有するアミノポリエーテル変性シリコーン(A)(以下、「成分(A)」ともいう)、及び、主鎖部分にポリオキシアルキレン構造を有するアミノポリエーテル変性シリコーン(B)(以下、「成分(B)」ともいう)を含有又は配合してなることを特徴とする。成分(A)及び成分(B)中のアミノ基は1~3級アミノ基のいずれでもよい。また、該アミノ基は成分(A)及び成分(B)の主鎖部分、側鎖部分のいずれに存在していてもよいが、側鎖部分に存在していることが好ましい。
本発明の毛髪化粧料は上記成分(A)及び成分(B)を共に含有又は配合することで、毛髪に適用した場合に、毛髪に手を通すなどの操作を行うことなく絡まりを解くことができる。さらに、処理後の毛髪の乾燥速度を向上させ、すすぎ時の毛髪に滑らかさを付与できる。なお、ここで「成分(A)及び成分(B)を含有する」とは「成分(A)及び成分(B)を配合してなる」ことをも意味する。
洗髪中に生じる、又は洗髪後に存在する毛髪の絡まりが自発的に解けるような状態にするには、毛髪間に働く摩擦力を低下させることが重要であると考えられる。毛髪化粧料には有効成分としてシリコーンが配合されることがあるが、水溶性の高いアミノポリエーテル変性シリコーンである成分(B)を用いると、毛髪間に働く摩擦力を低下させることができるため、毛髪の絡まりを解く効果が発現すると考えられる。また成分(A)を用いることで、毛髪化粧料による処理後の毛髪の乾燥速度を向上させ、すすぎ時の毛髪に滑らかさも付与できる。
さらに本発明者らは、成分(A)と成分(B)とを併用することで、成分(B)を単独で配合した場合よりも毛髪の絡まりをより効果的に解くことができることを見出したものである。
毛髪化粧料の剤型には特に制限はなく、例えば液体状、泡状、ペースト状、クリーム状、固形状、粉末状等、任意の剤型とすることが可能である。毛髪への塗布性の観点からは、液体状、ペースト状又はクリーム状とすることが好ましく、液体状又はクリーム状とすることがより好ましい。また本発明の毛髪化粧料は、使用形態に応じて、水で希釈して水溶液の状態で用いてもよい。
本発明の毛髪化粧料は、成分(A)として、側鎖部分にポリオキシアルキレン構造を有するアミノポリエーテル変性シリコーンを含有又は配合してなる。本発明の毛髪化粧料は成分(A)を含有又は配合することで、処理後の毛髪の乾燥速度を向上させ、すすぎ時の毛髪に滑らかさを付与できる。また、成分(A)と成分(B)とを併用すると、上記効果を維持しつつ、処理後の毛髪の絡まりを自発的に解く効果をより向上させることができる。
式(1)中、R1は炭素数1以上6以下の1価の炭化水素基を示す。R2はR1又はE1のいずれかを示す。E1は-R3-Z1(R3は炭素数1以上6以下の2価の炭化水素基を示し、Z1は1~3級アミノ基含有基を示す。)で表される1価の基を示す。R4は炭素数1以上6以下の2価の炭化水素基を示し、R5は水素原子又は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を示す。
aは1以上50以下の数、bは1以上50以下の数、cは1以上50以下の数、dは2以上100以下の数を示す。nは2以上10以下の数を示す。括弧内の構造単位同士の結合順序は問わず、結合形態はブロック状でもランダム状でもよい。d個のOCnH2nは同一でも異なっていてもよい。また、複数個のR1、R2、R4、R5及びE1は同一でも異なっていてもよい。
Z1は1~3級アミノ基含有基であり、-N(R6)2、-NR6(CH2)pN(R6)2、又は-NR6(CH2)pN(R7)CO-R8で示される基であることが好ましい。ここで、R6は水素原子又は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を示し、好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基である。R7は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を示し、好ましくはメチル基又はエチル基である。R8は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を示す。pは2以上6以下の数を示し、好ましくは2以上4以下の数である。
R5は水素原子又は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を示し、メチル基又はエチル基が好ましい。
式(1-1)中、E1、R4、R5、a、b、cは前記と同じである。R9は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基又はトリメチルシリル基を示す。eは1以上50以下の数、fは0以上50以下、好ましくは1以上50以下の数を示す。
R9は、メチル基、エチル基又はトリメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基がより好ましい。
動粘度(mm2/s)=流出時間(秒)×粘度計定数
成分(A)として、市販のアミノポリエーテル変性シリコーンを用いることもできる。例えば、EVONIC INDUSTRY社製の「ABIL SOFT AF100」(一般式(1-1)で表されるアミノポリエーテル変性シリコーン(メトキシPEG/PPG-7/3 アミノプロピルジメチコン)、粘度:400mm2/s)、信越化学工業(株)製の「X-22-3939A」(粘度:2,800mm2/s)、ルブリゾール社製の「Silsense A21」(PEG7-アモジメチコン、粘度:250mm2/s)等が挙げられる。
本発明の毛髪化粧料は、成分(B)として、主鎖部分にポリオキシアルキレン構造を有するアミノポリエーテル変性シリコーンを含有又は配合してなる。本発明の毛髪化粧料は成分(B)を含有又は配合することで、前述した作用機構により、毛髪に適用すると、毛髪に手を通すなどの操作を行うことなく絡まりを自発的に解くことができる。
式(2)中、R11は水素原子又は炭素数1以上6以下の1価の炭化水素基を示す。R12はR11又はE2のいずれかを示す。E2は-R13-Z2(R13は単結合、又は炭素数1以上20以下の2価の炭化水素基を示し、Z2は1~3級アミノ基含有基を示す。)で表される1価の基を示す。Yは炭素数1以上6以下のアルキレン基を示す。
rは2以上の数、sは1以上の数、tは4以上100以下の数、uは1以上の数を示す。mは2以上10以下の数を示す。括弧内の構造単位同士の結合順序は問わず、結合形態はブロック状でもランダム状でもよい。t個のCmH2mOは同一でも異なっていてもよい。また、複数個のR11、R12、及びE2は同一でも異なっていてもよい。
R13は炭素数1以上20以下の2価の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1以上20以下のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であることが更に好ましく、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、又はヘキサメチレン基であることがより更に好ましく、トリメチレン基又はプロピレン基であることがより更に好ましい。
式(2-1)中、r、s、t、uは前記と同じである。
0.01≦Si/AO≦1.6 (I)
〔式(I)中、Siは成分(B)中のケイ素原子のモル数、AOは成分(B)中のオキシアルキレン平均付加モル数を示す。〕
式(I)において、Si/AOは、毛髪の絡まりを解く観点から、0.01以上であり、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは0.5以上、より更に好ましくは0.7以上であり、同様の観点から、1.6以下、好ましくは1.4以下、より好ましくは1.2以下、更に好ましくは1.0以下、更に好ましくは0.9以下である。
成分(B)が一般式(2)又は一般式(2-1)で表される構造からなるものである場合、前記式(I)におけるSi/AOは(r+s+1)/tで表される。
式(I)におけるSi/AOは、1H-NMR測定により測定される、ケイ素に結合した水素原子及び炭化水素基のHの積分値と、オキシアルキレン基のHの積分値とから算出できる。具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
成分(B)がオイルである場合、その25℃における動粘度は、毛髪等に効率よく残留させて本発明の効果を発揮させる観点から、好ましくは50mm2/s以上、より好ましくは100mm2/s以上、更に好ましくは300mm2/s以上、より更に好ましくは500mm2/s以上、より更に好ましくは700mm2/s以上であり、水溶性の観点からは、好ましくは50,000mm2/s以下、より好ましくは20,000mm2/s以下、更に好ましくは10,000mm2/s以下、より更に好ましくは5,000mm2/s以下、より更に好ましくは3,000mm2/s以下、より更に好ましくは1,500mm2/s以下、より更に好ましくは1,400mm2/s以下である。成分(B)の25℃における動粘度の具体的範囲は、好ましくは50~50,000mm2/s、より好ましくは100~20,000mm2/s、更に好ましくは300~10,000mm2/s、より更に好ましくは500~5,000mm2/s、より更に好ましくは500~3,000mm2/s、より更に好ましくは500~1,500mm2/s、より更に好ましくは700~1,400mm2/sである。成分(B)の動粘度は、前記と同様の方法で測定できる。
成分(B)として、市販のアミノポリエーテル変性シリコーンを用いることもできる。例えば、一般式(2-1)で表される構造を有するアミノポリエーテル変性シリコーンとして、東レ・ダウコーニング(株)製の「SILSTYLE 201」((ビスイソブチルPEG-14/アモジメチコン)コポリマー、窒素含有率:1.2質量%、粘度:1,000mm2/s、Si/AO=0.80)等が挙げられる。
本発明の毛髪化粧料は、成分(C)として、さらに界面活性剤を含有又は配合することができる。本発明の毛髪化粧料は成分(C)を含有又は配合することで、毛髪化粧料に成分(A)、(B)を分散させるとともに、毛髪化粧料としての機能を効果的に発現する。
毛髪化粧料がリンス、コンディショニング剤、又はトリートメント剤である場合は、成分(C)がカチオン性界面活性剤を含むことが好ましく、毛髪化粧料が毛髪洗浄剤である場合は、成分(C)がアニオン性界面活性剤を含むことが好ましい。さらに、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤を併用することもできる。
カチオン性界面活性剤は、毛髪化粧料に成分(A)、(B)を分散させるとともに、洗浄後の毛髪に対しコンディショニング効果を付与することができる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルアミン及びその塩、アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩、並びに、アルキルアミドアルキルジメチルアミン及びその塩等が挙げられる。
アルキルトリメチルアンモニウム塩としては、例えば下記一般式(i)で表される化合物が挙げられる。
R21-N+(CH3)3 X- (i)
〔式中、R21は炭素数12以上22以下のアルキル基を示し、X-は塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオンを示す。〕
R21は、好ましくは炭素数16以上20以下のアルキル基である。アルキルトリメチルアンモニウム塩として、具体的には、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド(ステアリルトリモニウムクロリド)、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩としては、例えば下記一般式(ii)で表される化合物が挙げられる。
R22-O-R23-N+(CH3)3 X- (ii)
〔式中、R22は炭素数12以上22以下のアルキル基を示し、R23はヒドロキシ基が置換していてもよいエチレン基又はプロピレン基を示す。X-は上記と同じである。〕
R22は、好ましくは炭素数16以上20以下のアルキル基である。アルコキシアルキルトリメチルアンモニウム塩として、具体的には、ステアロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアロキシヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
ジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、例えば下記一般式(iii)で表される化合物が挙げられる。
(R24)2-N+(CH3)2 X- (iii)
〔式中、R24はそれぞれ独立に炭素数12以上22以下のアルキル基を示す。X-は上記と同じである。〕
R24は、好ましくは炭素数16以上20以下のアルキル基である。ジアルキルジメチルアンモニウム塩として、具体的には、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
アルキルジメチルアミンは、酸と反応して第4級アンモニウム塩となり、界面活性剤となる。従って、ここでは、アルキルジメチルアミン及びその塩をカチオン性界面活性剤と定義する。また、その含有量は、アルキルジメチルアミンの質量で換算する。アルキルジメチルアミン及びその塩としては、例えば下記一般式(iv)で表される化合物及びその塩が挙げられる。
R25-N(CH3)2 (iv)
〔式中、R25は炭素数12以上22以下のアルキル基を示す。〕
R25は、好ましくは炭素数16以上20以下のアルキル基である。
塩としては、有機酸又は無機酸による塩が挙げられる。有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等のジカルボン酸;ポリグルタミン酸等のポリカルボン酸;グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸等が挙げられる。無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられる。これらの中では、有機酸が好ましく、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、及び酸性アミノ酸からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。ジカルボン酸としてはマレイン酸及びコハク酸からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。ヒドロキシカルボン酸としてはグリコール酸、乳酸及びリンゴ酸からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。酸性アミノ酸としてはグルタミン酸がより好ましい。
具体的なアルキルジメチルアミン及びその塩としては、N,N-ジメチルベヘニルアミン、N,N-ジメチルステアリルアミン及びそれらの有機酸塩が挙げられ、N,N-ジメチルベヘニルアミンの乳酸塩、N,N-ジメチルステアリルアミンのグリコール酸塩などが好ましい。
アルコキシアルキルジメチルアミンは、酸と反応して第4級アンモニウム塩となり、界面活性剤となる。従って、ここでは、アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩をカチオン性界面活性剤と定義する。また、その含有量は、アルコキシアルキルジメチルアミンの質量で換算する。アルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩としては、例えば下記一般式(v)で表される化合物及びその塩が挙げられる。
R26-O-R27-N(CH3)2 (v)
〔式中、R26は炭素数12以上22以下のアルキル基を示し、R27はエチレン基又はプロピレン基を示す。〕
R26は、好ましくは炭素数16以上20以下のアルキル基である。
塩としては、有機酸又は無機酸による塩が挙げられる。当該有機酸及び無機酸の具体例としては、(iv)アルキルジメチルアミン及びその塩において例示したものが挙げられる。これらの中では、有機酸が好ましく、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、及び酸性アミノ酸からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。ジカルボン酸としてはマレイン酸及びコハク酸からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。ヒドロキシカルボン酸としてはグリコール酸、乳酸及びリンゴ酸からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。酸性アミノ酸としてはグルタミン酸がより好ましい。
具体的なアルコキシアルキルジメチルアミン及びその塩としては、N,N-ジメチル-3-ヘキサデシルオキシプロピルアミン、N,N-ジメチル-3-オクタデシルオキシプロピルアミン及びそれらの有機酸塩が挙げられ、N,N-ジメチル-3-ヘキサデシルオキシプロピルアミンの乳酸塩、N,N-ジメチル-3-オクタデシルオキシプロピルアミン(ステアロキシプロピルジメチルアミン)の乳酸塩、N,N-ジメチル-3-オクタデシルオキシプロピルアミンのグリコール酸塩が好ましい。
アルキルアミドアルキルジメチルアミンは、酸と反応して第4級アンモニウム塩となり、界面活性剤となる。従って、ここでは、アルキルアミドアルキルジメチルアミン及びその塩をカチオン性界面活性剤と定義する。また、その含有量は、アルキルアミドアルキルジメチルアミンの質量で換算する。アルキルアミドアルキルジメチルアミン及びその塩としては、例えば下記一般式(vi)で表される化合物及びその塩が挙げられる。
R28-C(=O)NH-R29-N(CH3)2 (vi)
〔式中、R28は炭素数11以上21以下のアルキル基を示し、R29はエチレン基又はプロピレン基を示す。〕
R28は、好ましくは炭素数15以上19以下のアルキル基である。
塩としては、有機酸又は無機酸による塩が挙げられる。当該有機酸及び無機酸の具体例としては、(iv)アルキルジメチルアミン及びその塩において例示したものが挙げられる。これらの中では、有機酸が好ましく、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、及び酸性アミノ酸からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。ジカルボン酸としてはマレイン酸及びコハク酸からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。ヒドロキシカルボン酸としてはグリコール酸、乳酸及びリンゴ酸からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。酸性アミノ酸としてはグルタミン酸がより好ましい。
具体的なアルキルアミドアルキルジメチルアミン及びその塩としては、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ドコサナミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ステアラミド及びそれらの有機酸塩が挙げられ、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ドコサナミドの乳酸塩、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ステアラミドのグリコール酸塩が好ましい。
アニオン性界面活性剤は、毛髪化粧料に成分(A)、(B)を分散させるとともに、毛髪化粧料が毛髪洗浄剤である場合に洗浄性を付与するために用いられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホ脂肪酸塩、N-アシルアミノ酸、リン酸モノ又はジエステル、スルホコハク酸エステル等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
アニオン性界面活性剤のアニオン性基の対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン;カルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;アンモニウムイオン;炭素数2又は3のアルカノール基を1~3個有するアルカノールアンモニウム(例えばモノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム、トリイソプロパノールアンモニウム等)が挙げられる。
なかでも、洗浄時の泡立ちの観点から、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩及びアルキルエーテルカルボン酸塩からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。上記アルキルエーテル硫酸塩としては、例えば、ラウレス硫酸アンモニウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が挙げられ、アルキルエーテルカルボン酸塩としてはラウレス酢酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩が挙げられる。
洗浄時の泡立ちの観点から、アニオン性界面活性剤としては、より好ましくはアルキルエーテル硫酸塩及びアルキルエーテルカルボン酸塩からなる群から選ばれる1種以上、更に好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩からなる群から選ばれる1種以上、より更に好ましくはラウレス硫酸アンモニウム及びラウレス酢酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種以上である。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、アルキルグリセリルエーテル、高級脂肪酸ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルサッカライド、アルキルアミンオキサイド、及びアルキルアミドアミンオキサイド等が挙げられる。
これらのうち、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、及びアルキルグリセリルエーテルからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及びアルキルグリセリルエーテルからなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルグルコシド、アルキルグリセリルエーテル、アルキルサッカライド、アルキルアミンオキサイド、及びアルキルアミドアミンオキサイドにおけるアルキル基、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルにおけるアルケニル基、及び、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、高級脂肪酸ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸は、好ましくは炭素数8以上22以下、より好ましくは炭素数10以上18以下である。
両性界面活性剤としては、イミダゾリン系ベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン等のベタイン系界面活性剤;アルキルスルタイン、アルキルヒドロキシスルタイン、アルキルアミドスルタイン、アルキルアミドヒドロキシスルタイン等のスルタイン系界面活性剤;が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
ベタイン系界面活性剤としては、脂肪酸アミドプロピルベタインが好ましい。脂肪酸アミドプロピルベタインは、炭素数8以上22以下、さらには炭素数10以上18以下のアシル基を有するものが好ましく、ラウリン酸アミドプロピルベタイン(ラウラミドプロピルベタイン)、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、及びヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインからなる群から選ばれる1種以上が好ましく、ラウリン酸アミドプロピルベタインがより好ましい。
スルタイン系界面活性剤としては、アルキルヒドロキシスルタインが好ましく、炭素数8以上22以下、さらには炭素数10以上18以下のアルキル基を有するアルキルヒドロキシスルタインがより好ましく、ラウリルヒドロキシスルタインが更に好ましい。
本発明の毛髪化粧料は、処理後の毛髪にすすぎ時の滑らかさを付与する観点、毛髪化粧料の剤型が液体状、ペースト状又はクリーム状である場合は安定性、粘度調整の観点から、さらに、成分(D)として高級アルコールを含有又は配合することが好ましい。高級アルコールとしては、炭素数12以上22以下の脂肪族1級アルコールが好ましく、例えば、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコール等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の毛髪化粧料は、成分(A)、(B)を溶解させる観点、及び、成分(C)としてカチオン性界面活性剤のうちアルキルジメチルアミン、アルコキシアルキルジメチルアミン、アルキルアミドアルキルジメチルアミン等のアミン類を用いる場合はこれらを中和して塩とする観点から、さらに、有機酸又は無機酸を含有又は配合することが好ましい。
有機酸又は無機酸としては、カチオン性界面活性剤である、(iv)アルキルジメチルアミン及びその塩において例示した有機酸又は無機酸が挙げられ、有機酸が好ましい。
有機酸としては、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸;マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸等のジカルボン酸;ポリグルタミン酸等のポリカルボン酸;グリコール酸、乳酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等のヒドロキシカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸等が挙げられ、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、及び酸性アミノ酸からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。ジカルボン酸としてはマレイン酸及びコハク酸からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。ヒドロキシカルボン酸としてはグリコール酸、乳酸及びリンゴ酸からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。酸性アミノ酸としてはグルタミン酸がより好ましい。
毛髪化粧料中の有機酸又は無機酸の含有量又は配合量の具体的範囲は、好ましくは0.005~10質量%、より好ましくは0.01~8.0質量%、更に好ましくは0.02~5.0質量%、より更に好ましくは0.02~1.0質量%、より更に好ましくは0.02~0.5質量%である。
なお、成分(C)としてアルキルジメチルアミン、アルコキシアルキルジメチルアミン、アルキルアミドアルキルジメチルアミン等のアミン類を用いる場合は、これらを中和して塩とするために好適な量の有機酸又は無機酸を適宜含有又は配合させることができる。
本発明の毛髪化粧料は、通常、水性媒体を含有又は配合してなる。水性媒体は、水が主成分であることが好ましく、さらに、水以外の水性媒体を含有又は配合してもよい。水以外の水性媒体としては、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;1,3-ブチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の炭素数6以下の低分子ジオール及びトリオールが挙げられる。
水性媒体中の水の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、上限は100質量%である。
毛髪化粧料中の水性媒体の含有量又は配合量は、毛髪化粧料の剤型により適宜選択することができるが、通常、5~99質量%の範囲であり、好ましくは30~98質量%の範囲である。
本発明の毛髪化粧料は、本発明の目的を損なわない範囲で、毛髪化粧料に通常配合されるその他の成分を適宜含有又は配合してもよい。当該成分としては、例えば、カチオン化セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、高重合ポリエチレンオキサイド等の高分子化合物;油剤;成分(A)及び成分(B)以外のシリコーン;酸化防止剤;ジンクピリチオン、塩化ベンザルコニウム等の抗フケ剤;ビタミン剤;殺菌剤;抗炎症剤;防腐剤;キレート剤;パンテノール等の保湿剤;パール剤;セラミド類;香料;紫外線吸収剤;染料、顔料等の着色剤;ユーカリの極性溶媒抽出物、真珠層を有する貝殻又は真珠から得られる蛋白質又はその加水分解物、シルクから得られる蛋白質又はその加水分解物、マメ科植物の種子から得られる蛋白含有抽出物、オタネニンジン抽出物、米胚芽抽出物、ヒバマタ抽出物、ツバキ抽出物、アロエ抽出物、月桃葉抽出物、クロレラ抽出物等のエキス類;メントール等の清涼剤;等が挙げられる。
油剤としては、スクワレン、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、シクロパラフィン等の炭化水素;ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボカド油、オリーブ油等のグリセリド類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2-エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、ラノリン脂肪酸、イソステアリル酸、イソパルミチン酸等の高級脂肪酸;等が挙げられる。
本発明の毛髪化粧料の製造方法は特に限定されない。例えば、成分(A)、(B)、及び必要に応じて用いられるその他の成分を実施例に記載の方法で配合し、公知の攪拌装置等を用いて混合することにより製造できる。
本発明の毛髪化粧料の使用方法も特に限定されず、種類、剤型等に応じて適宜選択することができる
例えば、毛髪化粧料がリンス、コンディショニング剤、又はトリートメント剤である場合は、洗浄後の毛髪に塗布してなじませた後、必要に応じ洗い流す方法;毛髪化粧料又はその水溶液に洗浄後の毛髪を浸漬させる方法;等が挙げられる。毛髪化粧料が毛髪洗浄剤である場合は、該毛髪洗浄剤を用いて毛髪を洗浄する方法が挙げられる。
本発明の毛髪化粧料を例えば上記の方法で使用することにより、毛髪に手を通すなどの操作を行うことなく絡まりを解くことができ、処理後の毛髪の乾燥速度を向上させ、すすぎ時の毛髪に滑らかさを付与することができる。
<1>
下記一般式(1-1)で表されるアミノポリエーテル変性シリコーン(A)、下記一般式(2-1)で表される構造を有するアミノポリエーテル変性シリコーン(B)、及び界面活性剤(C)を含有又は配合してなり、
成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]が0.1~500であり、
成分(A)の含有量が0.1~0.6質量%であり、
成分(A)の25℃における動粘度が100~500mm2/sであり、
成分(B)の25℃における動粘度が500~1,500mm2/sである毛髪化粧料。
式(1-1)中、E1は-R3-Z1(R3は炭素数1以上6以下の2価の炭化水素基を示し、Z1は1~3級アミノ基含有基を示す。)で表される1価の基を示す。R4は炭素数1以上6以下の2価の炭化水素基を示し、R5は水素原子又は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を示す。R9は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基又はトリメチルシリル基を示す。
aは1以上50以下の数、bは1以上50以下の数、cは1以上50以下の数、eは1以上50以下の数、fは0以上50以下の数を示す。括弧内の構造単位同士の結合順序は問わず、結合形態はブロック状でもランダム状でもよい。また、複数個のR4、R5及びE1は同一でも異なっていてもよい。
式(2-1)中、rは2以上100以下の数、sは1以上50以下の数、tは10以上18以下の数、uは1以上100以下の数を示す。括弧内の構造単位同士の結合順序は問わず、結合形態はブロック状でもランダム状でもよい。
<2>
成分(C)がカチオン性界面活性剤を含む、<1>に記載の毛髪化粧料。
<3>
成分(C)の含有量又は配合量が0.8~15質量%である、<1>又は<2>に記載の毛髪化粧料。
<4>
成分(B)の含有量又は配合量が0.001~0.3質量%である、<1>~<3>のいずれか1に記載の毛髪化粧料。
<5>
成分(A)と成分(B)との質量比[(A)/(B)]が0.3~300である、<1>~<4>のいずれか1に記載の毛髪化粧料。
<6>
さらに高級アルコール(D)を含有又は配合してなる、<1>~<5>のいずれか1に記載の毛髪化粧料。
<7>
リンス、コンディショニング剤、又はトリートメント剤である<1>~<6>のいずれか1に記載の毛髪化粧料。
<8>
毛髪洗浄剤である<1>~<6>のいずれか1に記載の毛髪化粧料。
<9>
<1>~<7>のいずれか1に記載の毛髪化粧料を毛髪に塗布する工程を有する、毛髪の絡まり防止方法。
<10>
<8>に記載の毛髪化粧料を用いて毛髪を洗浄する工程を有する、毛髪の絡まり防止方法。
各例で使用した成分(B)(アミノポリエーテル変性シリコーン3;主鎖部分にポリオキシエチレン構造を有する)10mgをNo.3スクリューバイアルに秤り取り、窒素雰囲気下で一晩乾燥させた。得られた乾燥物に重クロロホルム(和光純薬工業(株)製:クロロホルム-d、99.8%)1mLを添加して溶解させ、1H-NMR(BRUKER JAPAN社製、JH074504 AV400)により、ケイ素に結合したジメチルシリル基(6H:-0.3~0.3ppm)の積分値、及びオキシエチレン(EO)鎖(4H:3.3~3.9ppm)の積分値からSi/AOのユニット比を以下の式を用いて算出した。
日本人の直毛を用いて、質量20g、長さ30cm、幅5.5cmの評価用毛束(後述するブリーチ剤でブリーチ処理することによりダメージを与えたもの)を作製した。この毛束を下記のプレーンシャンプーで洗浄し、すすぐ際には手を通すことで絡まりを解き、35~40℃の温水で十分に湿らせた。
再度プレーンシャンプーを毛束に塗布し、毛先と根本を両手の掌にはさんで、円を描くように擦り合わせて毛髪が絡むように泡立てた。その毛束を、一切手を通さずに、温水で30秒間すすぎ、水気を手で絞った後、1Lビーカーに入れた各例の毛髪化粧料1Lに浸漬させた。ビーカー中で毛束を5回左右に振った後に引き上げ、毛束の含水量が20gとなったところで、下記要領で、毛束に最初にくしを通した時にかかる荷重を測定した。
コーミングフォース測定装置(宇都宮精機(株)製「KOT-0303」)に上記毛束をセットし、くし(スケルトンブラシ、横2.5cm、縦9.0cmの面に縦に5列、5mm間隔で、直径1mm、長さ2cmのピンが並んでいるもの)2本で毛束の最上部を挟み込むようにセットし、くしを毛先まで通した時にかかる荷重(gf)を測定した。荷重は長さ30cmの毛束に対して1.5mmずつ測定し、計200点の測定値の最大値をくし通し荷重とした。くし通し荷重の値が小さいほど、毛髪の絡まりを自発的に解く効果が高いことを意味する。
なお、毛髪化粧料に代えて精製水を用いた場合には、くし通し荷重は測定上限の2055gfであった。
成分 (質 量%)
ポリオキシエチレン(2.0)ラウリルエーテル硫酸Na 15.5
ラウリン酸ジエタノールアミド 2.2
エデト酸二ナトリウム 0.15
安息香酸ナトリウム 0.18
オキシベンゾン 0.03
リン酸 0.07
塩化ナトリウム 0.8
香料 0.4
精製水 残 量
計 100.0
花王泡ヘアブリーチL(1液)7mL、花王泡ヘアカラー(2液)14mLを混合し、質量20gの毛束に塗布して20分静置後、35~40℃の温水で十分にすすいだ。この操作を2回繰り返し、評価用毛束を作製した。
9cm×7cmのラバーに、長さ20cm、質量約15gの中国人未処理毛を7cm×4.5cmの面積に植え込んだラバートレスを準備した。
このトレスを35~40℃の温水で十分に湿らせた後、前記プレーンシャンプーで洗浄した。水気を絞った後、各例で調製した毛髪化粧料2mLを塗布し、毛髪によく馴染ませた後、35~40℃の温水で30秒間すすぎ、水気を絞った。タオルで水を拭き取り、毛束の含水量を4gとした。リングコームで1回櫛を通した後、200回/分の速さでトレスを振盪機で振盪させながらドライヤー(弱・温風)を60cmの距離から当てて毛髪を乾燥させながらトレス重量を測定し、毛髪の含水率が1%(含水量として0.15g)となるまでの時間を「乾燥時間」とした。
乾燥時間評価で準備したラバートレスを35~40℃の温水で十分に湿らせた後、前記プレーンシャンプーで洗浄した。水気を絞った後、各例で調製した毛髪化粧料2mLを塗布し、毛髪によく馴染ませた後、35~40℃の温水ですすぎながら、すすぎ時の毛髪の感触評価を5人のパネラーにより行った。
「非常に滑らか」を5、「すすぎ時のきしみ感がなく滑らか」を3、プレーンシャンプー後のすすぎと同等に「ひどくきしむ」を1とし、5段階評価とした。5人のパネラーの評価の平均評点(小数第2位を四捨五入)を表1に示した。5人のパネラーの平均評点が3.0以上であれば、すすぎ時のきしみ感がなく感触が良好であると判断できる。
(評価基準)
5 「非常に滑らか」
4 「滑らか」
3 「すすぎ時のきしみ感がなく滑らか」
2 「きしみ感を感じる」
1 プレーンシャンプー後のすすぎと同等に「ひどくきしむ」
表1に示す配合に従って下記の要領で各例の毛髪化粧料(コンディショニング剤)を調製し、評価を行った。
1Lビーカーに成分(B)、及び精製水を投入して攪拌した。得られた懸濁液に乳酸を滴下して透明な溶液とした後に成分(C)を添加し、ビーカーをウォーターバスに浸して75℃まで昇温した。次いで、あらかじめ混合しておいた成分(D)とジプロピレングリコールを添加した後、75℃で10分攪拌し、ウォーターバスから外して冷却を開始した。成分(A)を添加し、攪拌しながら40℃以下になるまで冷却して、1Lの液体状の毛髪化粧料を得た。
この毛髪化粧料を用いて、前記方法で評価を実施した。結果を表1に示す。なお、表1に記載した配合量は各成分の有効成分量(質量%)である。
Claims (9)
- 側鎖部分にポリオキシアルキレン構造を有するアミノポリエーテル変性シリコーン(A)、及び、主鎖部分にポリオキシアルキレン構造を有するアミノポリエーテル変性シリコーン(B)を含有する毛髪化粧料であって、
前記成分(A)が、下記一般式(1-1)で表される構造を有するものであり、
前記成分(B)が、下記一般式(2-1)で表される構造を有するものであり、
前記成分(A)の25℃における動粘度が100~1,000mm 2 /sであり、
前記成分(B)の25℃における動粘度が500~1,500mm 2 /sであり、
前記成分(B)が下記式(I)を満たす、毛髪化粧料。
式(1-1)中、E 1 は-R 3 -Z 1 (R 3 は炭素数1以上6以下の2価の炭化水素基を示し、Z 1 は1~3級アミノ基含有基を示す。)で表される1価の基を示す。R 4 は炭素数1以上6以下の2価の炭化水素基を示し、R 5 は水素原子又は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を示す。R 9 は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基又はトリメチルシリル基を示す。
aは1以上50以下の数、bは1以上50以下の数、cは1以上50以下の数、eは1以上50以下の数、fは0以上50以下の数を示す。括弧内の構造単位同士の結合順序は問わず、結合形態はブロック状でもランダム状でもよい。また、複数個のR 4 、R 5 及びE 1 は同一でも異なっていてもよい。
式(2-1)中、rは2以上100以下の数、sは1以上50以下の数、tは10以上18以下の数、uは1以上100以下の数を示す。括弧内の構造単位同士の結合順序は問わず、結合形態はブロック状でもランダム状でもよい。
0.3≦Si/AO≦1.2 (I)
式(I)中、Siは成分(B)中のケイ素原子のモル数、AOは成分(B)中のオキシアルキレン平均付加モル数を示す。 - 側鎖部分にポリオキシアルキレン構造を有するアミノポリエーテル変性シリコーン(A)、及び、主鎖部分にポリオキシアルキレン構造を有するアミノポリエーテル変性シリコーン(B)を配合してなる毛髪化粧料であって、
前記成分(A)が、下記一般式(1-1)で表される構造を有するものであり、
前記成分(B)が、下記一般式(2-1)で表される構造を有するものであり、
前記成分(A)の25℃における動粘度が100~1,000mm 2 /sであり、
前記成分(B)の25℃における動粘度が500~1,500mm 2 /sであり、
前記成分(B)が下記式(I)を満たす、毛髪化粧料。
式(1-1)中、E 1 は-R 3 -Z 1 (R 3 は炭素数1以上6以下の2価の炭化水素基を示し、Z 1 は1~3級アミノ基含有基を示す。)で表される1価の基を示す。R 4 は炭素数1以上6以下の2価の炭化水素基を示し、R 5 は水素原子又は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基を示す。R 9 は炭素数1以上4以下の1価の炭化水素基又はトリメチルシリル基を示す。
aは1以上50以下の数、bは1以上50以下の数、cは1以上50以下の数、eは1以上50以下の数、fは0以上50以下の数を示す。括弧内の構造単位同士の結合順序は問わず、結合形態はブロック状でもランダム状でもよい。また、複数個のR 4 、R 5 及びE 1 は同一でも異なっていてもよい。
式(2-1)中、rは2以上100以下の数、sは1以上50以下の数、tは10以上18以下の数、uは1以上100以下の数を示す。括弧内の構造単位同士の結合順序は問わず、結合形態はブロック状でもランダム状でもよい。
0.3≦Si/AO≦1.2 (I)
式(I)中、Siは成分(B)中のケイ素原子のモル数、AOは成分(B)中のオキシアルキレン平均付加モル数を示す。 - 前記成分(A)と前記成分(B)との質量比[(A)/(B)]が0.01以上、1,000以下である、請求項1又は2に記載の毛髪化粧料。
- さらに界面活性剤(C)を含有又は配合してなる、請求項1~3のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
- 前記成分(C)がカチオン性界面活性剤を含む、請求項4に記載の毛髪化粧料。
- さらに高級アルコール(D)を含有又は配合してなる、請求項1~5のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
- 前記成分(A)の含有量又は配合量が0.01質量%以上、5.0質量%以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
- 前記成分(B)の含有量又は配合量が0.0001質量%以上、5.0質量%以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
- リンス、コンディショニング剤、又はトリートメント剤である、請求項1~8のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
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