JP2017165223A - エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エアバッグ装置10は、エアバッグ袋体と、リテーナ11と、蓋体14とを備えている。リテーナ11は、収容部15と、フランジ部16とを備えている。蓋体14は、基部31と、扉部32と、を備えている。前記開口部は、向かい合う一対の対向辺を有する形状であり、前記対向辺に沿う方向の寸法は前記対向辺に直交する方向の寸法より大である。フランジ部16は、長辺部分24と、短辺部分25とを有する。長辺部分24は、締結固定部60において、締結固定具により蓋体14に固定されている。短辺部分25は、係止部50において蓋体14に位置決めされている。係止部50は、係止片35と、係止片35が挿入し係止される係止穴とを有する。
【選択図】図1
Description
特許文献1に記載のエアバッグ装置では、エアバッグを保持するケースと蓋体とは、蓋体の係止脚がケースの係止孔に係止することによって組み付けられる。特許文献2に記載のエアバッグ装置では、エアバッグケースとインストルメントパネルとが、ボルトおよびナットによって組み付けられる。特許文献3に記載の乗員保護装置では、リテーナがフックによってリッドに組み付けられる。
さらに、リテーナは締結固定具により蓋体に強固に固定されるため、振動が加えられた場合でも、リテーナと蓋体の、互いに接近および離間する方向の移動を規制することができる。よって、リテーナと蓋体との衝突などによる騒音の発生を抑えることができる。
請求項1に記載の発明によれば、係止片が係止穴に挿入し係止する係止部が採用されるため、フランジ部の短辺部分と蓋体との係止構造が簡略となり、部品点数を少なくすることができる。よって、製造を容易にし、生産性を高めることができる。
また、係止部が採用されるため、袋体の展開時において、袋体の膨張による圧力を係止部によって受け止めることができる。そのため、蓋体の形状安定性が高められ、扉部の円滑な展開動作が可能となる。よって、袋体の展開挙動を安定させることができる。
図1は本実施形態のエアバッグ装置10の斜視図である。図2はエアバッグ装置10の正面図である。図3はエアバッグ装置10の側面図である。図4はエアバッグ装置10の平面図である。図5は、図4のI−I線に相当する断面図である。図6は、図4のII−II線に相当する断面図である。図7は、図4のIII−III線に相当する断面図である。図8は、エアバッグ装置10のリテーナ11の平面図である。
エアバッグ装置10は、例えば助手席用エアバッグ装置である。エアバッグ装置10は、インストゥルメントパネル70(図7参照)の助手席側上面パネル71の内側であって、助手席に対応する位置に搭載されている。
リテーナ11は、袋体12およびインフレータ13を保持するとともに、インストゥルメントパネル70内で車体に固定されている。
収容部15は、上方(袋体12の展開方向)に向けて開口する箱型に形成されている。詳しくは、収容部15は、底壁部17と、底壁部17の周縁に立設された側壁部18および端壁部19と、を有する。底壁部17は、平面視において長方形状である。側壁部18は、長方形状の底壁部17の周縁のうち長辺に相当する部分に立設されている。端壁部19は、底壁部17の周縁のうち短辺に相当する部分に立設されている。
なお、図8は、開口部20に沿う平面に対して垂直な方向から見た図である。開口部20に沿う平面とは、例えば側壁部18の上端縁18aおよび端壁部19の上端縁19aを含む面である。開口部20に沿う平面に対して垂直な方向から見ることを平面視という。
長辺21に沿う方向をX方向といい、開口部20に沿う平面において長辺21に直交する方向をY方向という。X方向は例えば車幅方向である。Y方向は例えば前後方向である。Z方向はX方向およびY方向に垂直な方向であり、例えば上下方向である。なお、本実施形態では、蓋体14はリテーナ11に対して上方に位置する。
なお、本実施形態では、短辺22はY方向に沿って形成されているが、開口部の短辺はY方向に対して傾斜していてもよい。開口部の短辺は直線に限らず、屈曲または湾曲形状でもよい。
短辺部分25,25には、後述する係止片35が挿入して係止する係止穴25aが形成されている。平面視における係止穴25aの形状は例えば円形である。1つの短辺部分25あたりの係止穴25aの数は1でもよいし、複数(例えば2〜4)でもよい。係止穴25aは、短辺部分25の長さ方向の中央よりも一方の端部に近い位置にあってもよい。
収容部15の底壁部17には、インフレータ13が固定されている。インフレータ13は、袋体12内にガスを供給して袋体12を膨張させ展開させる。インフレータ13は、底壁部17を上下方向に貫通した状態で底壁部17に固定されている。
図1および図4に示すように、基部31は、矩形枠状の板状体であり、中央に矩形状の開口部41を有する。図4に示すように、開口部41は、平面視においてX方向に沿う長辺42,42と、Y方向に沿う短辺43,43とを有する長方形状とされている。平面視において、開口部41は、リテーナ11の開口部20とほぼ一致した位置にあることが好ましい。
図6に示すように、扉部32は、ヒンジ部33を介して基部31に連結されている。詳しくは、扉部32の外側縁32aは、ヒンジ部33を介して基部31の内側縁42aに連結されている。内側縁42aは、開口部41の長辺42の内側縁に相当する。
第1板部44の外側縁は基部31の内側縁42aに接続され、第1板部44の内側縁は第2板部45の外側縁に接続されている。第2板部45の内側縁は扉部32の外側縁32aに接続されている。
ヒンジ部33は、平面視においてX方向に沿って延在している(図4参照)。
ヒンジ部33は、係止部50に比べて開口部20の内方寄りに配置されていることが好ましい。これによって、エアバッグ装置10の小型化が可能となる。
なお、平面視において開口部20の内方寄りとは、開口部20の中央C1により近いことを意味する。
壁部34は、先端縁34aが全周にわたってフランジ部16に近接または当接できるように形成することが好ましい。
蓋体14は、リテーナ11の開口部20を覆っているため、開口部20を閉止している。
図5、図9および図10に示すように、係止片35は、基部31の下面31aから下方に突出して形成されている。
図9および図10に示すように、係止片35は、突出方向と直交する断面が十字状に形成されている。詳しくは、係止片35は、断面矩形の角柱状の主部51と、主部51の4つの側面に、それぞれの側面に垂直に外方に突出して形成された延在凸部52とを有する。延在凸部52は、主部51の全長にわたって形成された断面矩形の凸部である。4つの延在凸部52の高さは互いに同じとすることができる。4つの延在凸部52のうち2つはX方向に突出し、残りの2つの延在凸部52,52はY方向に突出している。係止片35は、矩形の主部51から四方に延在凸部52が突出する断面形状を有するため、断面十字状である。
係止片35は、断面十字状とすることによって、肉厚が大きくなる部位が少なくなるため、成形収縮によるヒケが生じにくくなる。そのため、蓋体14の変形を防ぐことができる。
延在凸部52の先端部52aは、下方に向かって主部51からの突出高さが徐々に低くなるように形成されている。
2つの延在凸部52A,52Aのうち壁部34に向かって突出する延在凸部52Aは、連結部53によって、長さ方向にわたって壁部34(端壁部39)の外面34bに連結されている。連結部53は、基部31の下面31aから壁部34の先端縁34aにかけて上下方向に延在している。
そのため、袋体12の展開時において、袋体12の膨張による圧力を係止部50によって受け止めることができる。よって、蓋体14の形状安定性が高められ、扉部32の円滑な展開動作が可能となる。したがって、袋体12の展開挙動を安定させることができる。
係止片35の最大外形寸法は、係止穴25aの内径に合わせて設計されている。すなわち、係止片35の最大外形寸法は、係止片35が係止穴25aに挿入された状態で係止穴25aに係止するように設計されている。
係止片35は、樹脂からなることが好ましい。係止片35は、基部31および壁部34と一体的に成形することができる。
複数の補強リブ37は、基部31および壁部34の周方向に間隔をおいて設けられている。
延出部36は、例えば、側壁部38,38の先端縁38a,38aの1または複数箇所に形成されている。例えば、図2に示すように、延出部36は、一対の側壁部38,38に、それぞれX方向に間隔をおいて2つずつ形成することができる。1つの側壁部38あたりの延出部36の数は、例えば2〜4である。
図6に示すように、延出部36には、締結固定具61のネジ軸部61bが挿通可能な締結穴36aが形成されている。平面視における締結穴36aの形状は例えば円形である。
補強板40は、基部31の下面31aから壁部34の外面34bにかけて形成されている。補強板40は、矩形状の板体であり、壁部34の外面34bに垂直に形成されている。補強板40は、上端縁が基部31の下面31aに接合され、内側縁が壁部34の外面34bに接合されている。
延出部36の側縁36b,36bに接合された一対の補強板40,40は、互いに平行であり、厚さ方向に間隔をおいて形成されている。
図6に示すように、取付具62は、第1板部62aと、第2板部62bと、接続部62cとを備えている。
第1板部62aは延出部36の一方の面(上面)に重ねられ、第2板部62bは延出部36の他方の面(下面)に重ねられる。連結部62cは第1板部62aの端部と第2板部62bの端部とを連結している。
締結固定具61は、ヘッド部61aと、ヘッド部61aから延出するネジ軸部61bとを備えている。
締結固定具61のネジ軸部61bは、フランジ部16の長辺部分24に形成された締結穴24aと、延出部36の締結穴36aと、第1板部62aの挿通孔とに挿通している。ネジ軸部61bは、例えば取付具62の第1板部62aの挿通孔に螺着される。これによって、長辺部分24は延出部36に締結固定される。なお、ネジ軸部61bは、第1板部62aの上面側のナット63に螺着されてもよい。
図10に示すように、エアバッグ装置10を組み立てるには、リテーナ11に対して蓋体14を下降させて、蓋体14によってリテーナ11の開口部20を閉止する際に、係止片35をフランジ部16の係止穴25aに挿入し係止させる。係止片35は、係止穴25aに挿入するだけで係止穴25aに係止させることができるため、リテーナ11に対して蓋体14を位置決めする作業が容易となる。
次いで、締結固定具61によって、リテーナ11のフランジ部16の長辺部分24を蓋体14の延出部36に固定する。
これによって、図1等に示すエアバッグ装置10を得る。
また、長辺部分24は締結固定具61により蓋体14に固定されるため、長辺部分24と蓋体14との固定箇所の機械的強度を高めることができる。よって、蓋体14とリテーナ11との組み付け強度を高めることができる。袋体12の展開時には、短辺部分25に比べて長辺部分24に圧力がかかりやすいが、長辺部分24の強度を高めることによって、蓋体14の形状安定性が高められ、扉部32の円滑な展開動作が可能となる。
したがって、袋体12の膨張圧力が局所的に作用することにより開口部41が菱形状となるような蓋体14の変形(いわゆるフィッシュマウス)を防ぎ、袋体12の展開挙動を安定させることができる。
さらに、リテーナ11は締結固定具61により蓋体14に強固に固定されるため、振動が加えられた場合でも、リテーナ11と蓋体14の、互いに接近および離間する方向の移動を規制することができる。よって、リテーナ11と蓋体14との衝突などによる騒音の発生を抑えることができる。
また、係止部50が採用されるため、袋体12の展開時において、袋体12の膨張による圧力を係止部50によって受け止めることができる。そのため、蓋体14の形状安定性が高められ、扉部32の円滑な展開動作が可能となる。よって、袋体12の展開挙動を安定させることができる。
例えば、図6に示すように、係止部50は、蓋体14からフランジ部16に向かって突出する係止片35と、フランジ部16に形成された係止穴25aとを有するが、係止部の構成はこれに限定されない。例えば、係止部は、フランジ部に形成された係止片と、蓋体に形成された係止穴とを有し、係止片が係止穴に挿入されて係止する構成であってもよい。
上述した実施形態では、助手席用のエアバッグ装置10に本発明を適用した場合について説明したが、助手席以外の他のエアバッグ装置であっても本発明の構成を適用可能である。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
11…リテーナ
12…袋体(エアバッグ袋体)
13…インフレータ
14…蓋体
15…収容部
16…フランジ部
18a…側壁部の上端縁(開口部の周縁)
19a…端壁部の上端縁(開口部の周縁)
20…開口部
21…長辺(対向辺)
24…長辺部分
24a…締結穴
24b…長辺部分の端部
25…短辺部分
25a…係止穴
31…基部
32…扉部
33…ヒンジ部
34…壁部
35…係止片
50…係止部
53…連結部
60…締結固定部
61…締結固定具
X…対向辺に沿う方向
Y…対向辺に直交する方向
L1…対向辺に沿う方向の開口部の寸法
L2…対向辺に直交する方向の開口部の寸法
Claims (4)
- エアバッグ袋体と、前記エアバッグ袋体を収容するリテーナと、前記リテーナの開口部を閉止する蓋体とを備え、
前記リテーナは、前記エアバッグ袋体を収容する収容部と、前記収容部の前記開口部の周縁に形成されたフランジ部とを備え、
前記蓋体は、基部と、前記基部に回動自在に連結された扉部と、を備え、
前記開口部は、向かい合う一対の対向辺を有する形状であり、前記対向辺に沿う方向の前記開口部の寸法は前記対向辺に直交する方向の前記開口部の寸法より大であり、
前記フランジ部は、前記対向辺に沿う一対の長辺部分と、前記長辺部分の端部どうしを結ぶ一対の短辺部分とを有し、
前記長辺部分は、締結固定部において、締結固定具により前記蓋体に固定され、
前記短辺部分は、係止部において前記蓋体に位置決めされ、
前記係止部は、前記蓋体と前記短辺部分のうち一方に形成された係止片と、前記蓋体と前記短辺部分のうち他方に形成されて前記係止片が挿入し係止される係止穴とを有する、ことを特徴とするエアバッグ装置。 - 前記蓋体は、前記基部と前記扉部とを連結するとともに前記扉部の回動支点となるヒンジ部を備え、
前記ヒンジ部は、断面V字状に折り曲げられた板状体からなり、前記対向辺に沿って延在し、前記開口部に沿う平面に垂直な方向から見たときに前記締結固定部に比べて前記開口部の内方寄りに配置されることを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。 - 前記蓋体は、前記基部から前記リテーナに向かって突出する壁部を有し、
前記係止片は、前記壁部に連結して形成されていることを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。 - 前記係止片は樹脂で形成され、突出方向と直交する断面が十字状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。
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