JP2017165173A - 車両用パネル構造 - Google Patents

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【課題】剛性確保と振動の減衰性能を両立可能な車両用パネル構造を提供すること。
【解決手段】合成樹脂を母材として矩形状に形成され且つ周縁部が車体のパネル支持部に固定されるパネル部材を有する車両用パネル構造において、前記パネル部材の1対の対角線を含む所定幅の対角線領域に対角線と平行に且つ対角線領域の全長に亙って直線的に連続するように母材内に複数の強化繊維を配置してなる繊維密部と、前記パネル部材の少なくとも前記繊維密部以外の領域に複数方向に向けて且つパネル部材の端部から端部に亙って直線的に連続するように母材内に複数の強化繊維を配置してなる繊維粗部とを備え、前記繊維密部の繊維配置密度が繊維粗部の繊維配置密度より大きく設定され、前記繊維密部のヤング率と前記繊維粗部のヤング率の比の値である剛性比が7.4以上に設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のフロアパネル等を形成可能な繊維強化合成樹脂製の車両用パネル構造に関し、特に剛性確保と振動の減衰性能を両立可能な車両用パネル構造に関する。
従来から、母材となる合成樹脂の中に合成繊維を強化繊維として埋設させて強度や剛性を高めた繊維強化合成樹脂(FRP)が、軽量且つ高強度・高剛性を有する材料として広く使用されている。近年は、強化繊維として炭素繊維を使用した炭素繊維強化合成樹脂(CFRP)が注目されている。CFRPは同じ重量の鋼材等と比較して高強度、高剛性であるが、加工や量産が難しく高価であるため、航空機や生産数が限られた車両等の材料として限られた範囲で使用されている。
一方で、近年、自動車の低燃費化が進展している。低燃費化には車両の軽量化が有効な手段であり、軽量化された金属製部材を使用することにより、強度と剛性を維持しながら軽量化がなされている。例えば、高張力鋼を使用して部材を薄くしたり、アルミ合金製部材を採用したりして軽量化している。
さらなる軽量化を図るため、高強度のFRPをフロアパネル等のパネル部材として採用することが検討されている。FRP製パネルは、一般にどの方向にも剛性を確保できるようにパネル面内で一様に複数方向に強化繊維が配置される。特定の方向に剛性を確保するために、特許文献1のように、パネル面内で一様に基準方向に対して±45°の方向に強化繊維が配置されることもある。
WO2013191093A1
ところで、従来から車両のフロアパネルやルーフパネル等のパネル部材は、路面の凹凸等によるサスペンションをからの入力等によって振動し易いことが知られている。特に、車室の底面を形成するフロアパネルの振動は乗員に伝わり易く、乗員に不快感を与える虞がある。そのため、車両の軽量化のためにFRPをフロアパネルとして採用する場合、剛性確保と振動の減衰性能を両立させることが簡単ではない。
本発明の目的は、剛性確保と振動の減衰性能を両立可能な車両用パネル構造を提供することである。
第1の発明の車両用パネル構造は、合成樹脂を母材として矩形状に形成され且つ周縁部が車体のパネル支持部に固定されるパネル部材を有する車両用パネル構造において、前記パネル部材の1対の対角線を含む所定幅の対角線領域に対角線と平行に且つ対角線領域の全長に亙って直線的に連続するように母材内に複数の強化繊維を配置してなる繊維密部と、前記パネル部材の少なくとも前記繊維密部以外の領域に複数方向に向けて且つパネル部材の端部から端部に亙って直線的に連続するように母材内に複数の強化繊維を配置してなる繊維粗部とを備え、前記繊維密部の繊維配置密度が繊維粗部の繊維配置密度より大きく設定され、前記繊維密部のヤング率と前記繊維粗部のヤング率の比の値である剛性比が7.4以上に設定されていることを特徴としている。
これにより、1対の対角線に夫々平行な所定幅の繊維密部に対角線と平行に強化繊維を配置して強度、剛性を確保できると共に、繊維密部以外の領域に形成した繊維粗部により繊維密部を中心とした回転方向への撓みや面外方向への撓みを許容して振動を吸収できるので、剛性確保と振動の減衰性能を両立可能な車両用パネル構造を提供できる。
第2の発明の車両用パネル構造は、合成樹脂を母材として矩形状に形成され且つ周縁部が車体のパネル支持部に固定されるパネル部材を有する車両用パネル構造において、前記パネル部材は、複数方向に向けて且つパネル部材の端部から端部に亙って直線的に連続するように母材内に複数の強化繊維を配置してなるパネル本体部と、前記パネル部材の1対の対角線を夫々含む所定幅の合成樹脂製の1対の帯状部材であって、帯状部材と平行にかつ全長に亙って直線的に連続するように合成樹脂内に複数の強化繊維を配置してなる1対の帯状部材とを備え、前記1対の帯状部材の繊維配置密度がパネル本体部の繊維配置密度より大きく設定され、前記帯状部材のヤング率と前記パネル本体部のヤング率の比の値である剛性比が7.4以上に設定されていることを特徴としている。
これにより、1対の対角線に平行な所定幅の帯状部材に対角線と平行に強化繊維を高い繊維密度で配置して強度、剛性を確保できると共に、繊維を粗い繊維密度で配置したパネル本体部により帯状部材を中心とした回転方向への撓みや面外方向への撓みを許容して振動を吸収できるので、剛性確保と振動の減衰性能を両立可能な車両用パネル構造を提供できる。
第3の発明の車両用パネル構造は、第1または第2の発明において、前記剛性比が74以下に設定されていることを特徴としている。これにより、剛性比の上限が設定されて振動の減衰に必要とされる撓みを許容する損失係数を一定以上に確保できるので、剛性確保と振動の減衰性能を両立可能な車両用パネル構造を提供できる。
本発明の車両用パネル構造によれば、剛性確保と振動の減衰性能が両立可能であり、これらが従来の車両用パネルより向上した車両用パネルを提供することができる。
本発明の実施例に係る車両の車体のフロアパネルを示す斜視図である。 車両用パネル構造のパネル部材の平面図である。 前記パネル部材を車体に取り付けた状態の縦断面図である。 パネル部材の損失係数と剛性の関係を示す図である。 実施例2に係る車両用パネル構造のパネル部材の平面図である。 図5のパネル部材を車体に取り付けた状態の縦断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
図1に示すように、車両Vのフロアパネルは、例えば、4枚のパネル体5a〜5dを有し、それらパネル体5a〜5dの外周部は、車体のパネル支持部に固定されている。
これらパネル体5a〜5dの車幅方向内端部はフロアトンネル30のパネル支持部3aに固定され、パネル体5a〜5dの車幅方向外端部はサイドシル31のパネル支持部3bに固定されている。前列のパネル体5a,5bの前端部は、ダッシュロアパネル32のパネル支持部3cに固定される共に後端部はクロスメンバ33のパネル支持部(図示略)に固定されている。
後列のパネル体5c,5dの前端部はクロスメンバ33のパネル支持部3dに固定されると共に後端部は図示外のクロスメンバのパネル支持部(図示略)に固定されている。
尚、矢印F方向が前方、矢印L方向が左方、矢印U方向が上方を示す。
図2、図3に示すように、以下に説明する車両用パネル構造1(以下、パネル構造1という)は、図1のパネル体5a〜5dに夫々適用可能なものである。
パネル構造1を構成するパネル部材2は、合成樹脂母材(例えば熱硬化性エポキシ系合成樹脂)に複数の強化繊維4を埋設したFRP製であり、1辺の長さが例えば1000〜1200mm、厚さが例えば2〜3mmの矩形状に形成されている。強化繊維4としては、例えば炭素繊維やアラミド繊維を採用することができる。
図2に示すように、パネル部材2は、その端部から端部に亙って直線的に連続した強化繊維4が複数並べられ、それらが合成樹脂母材内に埋設されている。強化繊維4の直径は、例えば7〜10μmである。強化繊維4は、引張力に対して高い強度を有し、パネル部材2の強度、剛性を担う。合成樹脂母材は粘弾性を有し、パネル部材2の面外方向への撓みを介して振動エネルギーを吸収して振動を減衰させる。
図2、図3に示すように、パネル部材2は、強化繊維4が母材の中に所定の第1繊維配置密度(例えば単位断面積に占める強化繊維4の割合が10〜30%)で含まれる繊維粗部6a〜6dと、この繊維粗部6a〜6dの第1繊維配置密度より大きい第2繊維配置密度(例えば単位断面積に占める強化繊維4の割合が50〜60%)で強化繊維4が母材の中に含まれる繊維密部7a,7bを有する。
繊維密部7a,7bはパネル部材2の1対の対角線を含む所定幅(例えば20〜30mm幅)の対角線領域に設けられている。繊維密部7a,7bにおいては、強化繊維4が対角線領域の全長に亙って対応する方の対角線と平行に直線的に連続するように設けられている。繊維密部7aでは、強化繊維4がパネル部材2の一方の対角線と平行方向に第2繊維配置密度で配置されており、繊維密部7bでは、他方の対角線と平行方向に第2繊維配置密度で配置されている。
パネル部材2の少なくとも対角線領域以外の領域は繊維粗部6a〜6dに構成され、これら繊維粗部6a〜6dにおいては、パネル部材2の端部から端部に亙って直線的に連続するように設けられる複数の強化繊維4が、1対の対角線方向と平行に並べられ且つ互いに交差して第1繊維配置密度で配置されている。繊維粗部6a〜6dにおいては、擬似等方的に3以上の異なる方向の強化繊維4が第1繊維配置密度で配置されていてもよい。
パネル部材2は、例えば繊維粗部6a〜6dと繊維密部7a,7bを形成するように複数の強化繊維4が配置された成形型に合成樹脂母材を注入し、温度と圧力を加えて成形される。尚、繊維粗部6a〜6dと繊維密部7a,7bを形成するように複数の強化繊維4が1対の対角線の一方に沿う方向に配置された層と、繊維粗部6a〜6dと繊維密部7a,7bを形成するように複数の強化繊維4が他方の対角線に沿う方向に配置された層を交互に複数密着状に積層してパネル部材2を形成してもよい。
パネル部材2には、1対の対角線に沿う所定幅の対角線領域に強度、剛性を発揮する繊維密部7a,7bが設けたので、パネル部材2の強度、剛性を確保できる。また、少なくとも対角線領域以外の領域に、合成樹脂母材の有する粘弾性により振動の減衰性能を発揮できる繊維粗部6a〜6dを設けたので、振動の減衰性能を確保できる。
即ち、パネル部材2の繊維密部7a,7bが面内方向や面外方向には強度、剛性が高いため変形し難く、繊維密部7a,7bが1対の対角線に沿っているため面内剪断力に対して変形しにくく、また、繊維粗部6a〜6dの、1対の対角線のいずれかを中心として捩じれる方向や面外方向への撓みを許容して振動を減衰させることができる。
図4は、2mm厚のパネル部材2の損失係数と剛性の関係を示している。損失係数は、材料が変形する際にどのくらいエネルギーを吸収するかを示す指標であり、損失係数が大きいほど振動の減衰性能が高いことを示す。尚、パネル部材2の厚さは、これに限定されず適用部位等に応じて適宜設定されるものであるが、異なる厚さでも損失係数と剛性の関係は図4と同様の傾向を示す。
図4において、実線は既存の鋼板製パネル部材や合成樹脂製パネル部材等を■でプロットした点を結ぶ曲線であり、剛性や損失係数は材料固有のものである。▲でプロットした点は、剛性確保と振動の減衰性能を両立すべく、本発明者によるCFRP製のパネル部材2の繊維密部7a,7bのヤング率と繊維粗部6a〜6dのヤング率の比の値(剛性比)を種々変えてシミュレーションした検討結果を示す。このシミュレーションは繊維粗部6a〜6dのヤング率を一定に維持し、繊維密部7a,7bのヤング率を変えて実施している。繊維密部7a,7bのヤング率は、第2繊維配置密度を変えることや、強化繊維4の直径を変えること等により変化させることができる。
実線は、剛性が高くなると損失係数が小さくなり、損失係数が大きくなると剛性が低くなる関係がある。CFRP製のパネル部材2においても、剛性が高くなる(剛性比が大きくなる)と損失係数が小さくなっており、実線と同様の傾向を示している。しかし、このパネル部材2は、実線より右上に位置し、既存のパネル部材と比較して剛性が同じであれば損失係数が向上し、損失係数が同じであれば剛性が向上している。
ここで、パネル部材2の剛性と損失係数は、パネル部材2が使用される車体の部位や大きさ、構造等により要求される値が適宜定められるものである。本実施例では、例えばフロアパネルのパネル体5a〜5dとして要求される剛性を確保するため、剛性比は7.4以上に設定される。また、要求される振動の減衰性能を確保するため、剛性比は74以下に設定される。
次に、車両用パネル構造1の作用、効果について説明する。
以上説明したように、1対の対角線に夫々平行な所定幅の繊維密部に対角線と平行に強化繊維を配置して強度、剛性を確保できると共に、繊維密部以外の領域に形成した繊維粗部により繊維密部を中心とした回転方向への撓みや面外方向への撓みを許容して振動を吸収できるので、剛性確保と振動の減衰性能を両立可能な車両用パネル構造を提供できる。
また、車両用パネル構造1のパネル部材2の比重は約1.5であり、既存の例えば鋼板製パネル部材の比重が7.85なので、軽量化が可能である。
さらに、パネル部材2においては、所定幅の対角線領域には強化繊維4を第2繊維配置密度で配置した繊維密部7a,7bが形成され、それ以外の領域には強化繊維4が第1繊維配置密度で配置した繊維粗部6a〜6dが形成されているので、パネル部材2に使用される強化繊維4の総量を減らして、製造コストを低減することができる。
次に、実施例2に係る車両用パネル構造11(以下、パネル構造11という)について図5、図6に基づいて説明する。
パネル構造11を構成するパネル部材12は、矩形状のパネル本体部18と、このパネル本体部18の上下両面に固着された1対の帯状部材19,20を備えている。パネル構造11は、図1のパネル体5a〜5dに夫々適用可能なものである。
図5、図6に示すように、パネル本体部18は、母材(例えば熱硬化性エポキシ系合成樹脂)に複数の強化繊維14を埋設したFRP製で、1辺が例えば1000〜1200mm、厚さが例えば2〜3mmのパネル状に形成されている。パネル本体部18は、複数の強化繊維14が所定の第1繊維配置密度(例えば単位断面積に占める強化繊維14の割合が10〜30%)で含まれ、繊維粗部を構成している。その強化繊維14が延びる方向は、矩形状のパネル本体部18の1対の対角線に沿う2方向であるが、擬似等方的に3以上の複数の方向であってもよい。
パネル本体部18においては、その端部から端部に亙って直線的に連続した強化繊維14が複数並べられ、それらが合成樹脂母材内に埋設状態になっている。強化繊維14としては、例えば炭素繊維やアラミド繊維を採用することができ、その直径は、例えば7〜10μmである。
帯状部材19,20は、複数の強化繊維14を合成樹脂母材(例えば熱硬化性エポキシ系合成樹脂)に埋設したFRP製で、幅が例えば20〜30mm、厚さが例えば2〜3mm、長さがパネル本体部18の対角線と同じ長さで、パネル本体部18の角の形状に合うようにその両端部が形成されている。帯状部材19,20は、強化繊維14が第1繊維配置密度よりも高い第2繊維配置密度(例えば単位断面積に占める強化繊維4の割合が50〜60%)で含まれ、繊維密部17を構成している。
帯状部材19,20は、パネル本体部18の対角線方向の全長に亙って対角線と平行に直線状に連続するように延びる強化繊維14が複数並べられ、それらが合成樹脂母材内に埋設状態になっている。強化繊維14としては、例えば炭素繊維やアラミド繊維を採用することができ、その直径は、例えば7〜10μmである。
帯状部材19は、パネル本体部18の上面に一方の対角線と平行に配置されてパネル本体部18に接着により固着されている。帯状部材20は、パネル本体部18の下面に他方の対角線と平行に配置されてパネル本体部18に接着により固着されている。
パネル部材12は、1対の対角線に沿って交差する繊維密部17を構成する帯状部材19,20を有するので、それらの強化繊維14が延びる1対の対角線方向の強度、剛性を確保できる。また、パネル部材12は、繊維粗部16を構成するパネル本体部18を有するので、その母材の粘弾性によりパネル本体部18の撓みを許容し振動エネルギーを吸収して振動を減衰させることができる。従って、パネル部材12は実施例1のパネル部材2と同様に図4に示す特性を有し、例えばフロアパネルのパネル体5a〜5dとして要求される剛性を確保するため、剛性比は7.4以上に設定される。また、要求される振動の減衰性能を確保するため、剛性比は74以下に設定される。
次に、車両用パネル構造11の作用、効果について説明する。
1対の対角線に平行な所定幅の帯状部材に対角線と平行に強化繊維を高い繊維密度で配置して強度、剛性を確保できると共に、繊維を粗い繊維密度で配置したパネル本体部により帯状部材を中心とした回転方向への撓みや面外方向への撓みを許容して振動を吸収できるので、剛性確保と振動の減衰性能を両立可能な車両用パネル構造を提供できる。
パネル本体部18と帯状部材19,20を別々に製作してからそれらを固定してパネル部材12を形成するので、パネル部材12の製造を容易にして製造コストを低減することができる。また、パネル部材12の比重は約1.5であり、既存のパネル部材、例えば鋼板製パネル部材の比重が7.85なので、軽量化が可能である。
さらに、繊維粗部16を構成するパネル本体部18に、パネル部材12の剛性の確保に必要な1対の対角線に沿う繊維密部17を構成する帯状部材19,20が固定されているので、パネル部材12に使用される強化繊維14の総量を減らして、製造コストを低減することができる。
次に、前記実施例1,2を部分的に変更する例について説明する。
1)実施例1において、繊維密部7aに加えて、繊維密部7aの両側にそれと同幅の繊維密部を平行に形成すると共に、繊維密部7bの両側にそれと同幅の繊維密部を平行に形成
してもよい。
2)実施例2において、帯状部材19に加えて、帯状部材19の両側にそれと同幅の帯状部材を平行に設けると共に、帯状部材20の両側にそれと同幅の帯状部材を平行に設けてもよい。
3)実施例2において、帯状部材19,20をパネル本体部18の下面に配置してもよい。この場合、帯状部材19,20の交差部では両者を密着した重複状に形成してもよい。
4)前記実施例1,2は、本発明の車両用パネル構造をフロアパネルに適用する例を示したが、これに限定されるものではなく、車両の他の部位のパネル状部材にも適用可能である。
5)その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
V 車両
1,11 車両用パネル構造
2,12 パネル部材
3a〜3c パネル支持部
4,14 強化繊維
5a〜5d パネル体
6a〜6d 繊維粗部
7a,7b 繊維密部
18 パネル本体部
19,20 帯状部材

Claims (3)

  1. 合成樹脂を母材として矩形状に形成され且つ周縁部が車体のパネル支持部に固定されるパネル部材を有する車両用パネル構造において、
    前記パネル部材の1対の対角線を含む所定幅の対角線領域に対角線と平行に且つ対角線領域の全長に亙って直線的に連続するように母材内に複数の強化繊維を配置してなる繊維密部と、
    前記パネル部材の少なくとも前記繊維密部以外の領域に複数方向に向けて且つパネル部材の端部から端部に亙って直線的に連続するように母材内に複数の強化繊維を配置してなる繊維粗部とを備え、
    前記繊維密部の繊維配置密度が繊維粗部の繊維配置密度より大きく設定され、
    前記繊維密部のヤング率と前記繊維粗部のヤング率の比の値である剛性比が7.4以上に設定されていることを特徴とする車両用パネル構造。
  2. 合成樹脂を母材として矩形状に形成され且つ周縁部が車体のパネル支持部に固定されるパネル部材を有する車両用パネル構造において、
    前記パネル部材は、
    複数方向に向けて且つパネル部材の端部から端部に亙って直線的に連続するように母材内に複数の強化繊維を配置してなるパネル本体部と、
    前記パネル部材の1対の対角線を夫々含む所定幅の合成樹脂製の1対の帯状部材であって、帯状部材と平行にかつ全長に亙って直線的に連続するように合成樹脂内に複数の強化繊維を配置してなる1対の帯状部材とを備え、
    前記1対の帯状部材の繊維配置密度がパネル本体部の繊維配置密度より大きく設定され、
    前記帯状部材のヤング率と前記パネル本体部のヤング率の比の値である剛性比が7.4以上に設定されていることを特徴とする車両用パネル構造。
  3. 前記剛性比が74以下に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用パネル構造。
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