JP2017165168A - 鉄道車両 - Google Patents

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源太 山内
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Abstract

【課題】鉄道車両における客室の快適性を損なうことなく、客室騒音を効率的に低減することができる鉄道車両を提供する。【解決手段】車体の内部に形成された客室5と、客室5に配設され、乗客が着席する座席2と、座席2の間に位置する通路3と、座席2と客室5の床4との間に形成され、乗客の足を納める空間6と、座席2に配設された吸音構造体11とを備え、吸音構造体11を空間6の通路3側に配置した。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道車両に関し、特に客室内の吸音により、客室騒音を低減する鉄道車両に関する。
鉄道車両、特に新幹線のような高速鉄道車両では、さらなる高速化のニーズが高まっている。併せて、客室の快適性向上も求められている。その一方で、鉄道車両の高速化により、客室騒音が増大し、客室の快適性が低下する懸念がある。そのため、客室の快適性向上のための課題の1つとして、客室騒音の低減がある。
鉄道車両における客室騒音は、台車を振動源として客室へ伝搬する固体伝搬音や、車外で発生する空力騒音が客室へ伝搬する空気伝搬音などがある。そこで、客室騒音を低減するため、従来の鉄道車両には、固体伝搬音の低減を目的とした床の防振支持や、空気伝搬音の低減を目的とした客室内装の遮音性能向上などの手段が講じられている。
また、その他の客室騒音の低減手段として、客室内の吸音率を向上させる手段が提案されている。この手段は、客室に、例えば吸音機構を備えた構造体を配置することで、客室の音響エネルギが吸音され、客室騒音を低減することができる。
こうした客室の吸音率向上による客室騒音を低減する技術として、例えば、車体構造体のフロア内に音圧駆動によって吸音を行う吸音構造体を備えることにより車内騒音を低減する手段を備えることを特徴とする車体構造体およびフロアが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−58538公報
特許文献1に開示された車体構造体およびフロアでは、高音圧の部位に音圧駆動の吸音構造を配置するように構成されており、ロードノイズのような低周波数の音を効率的に吸音し、車室内の騒音を低減させているが、自動車に適用することを目的としたものであり、鉄道車両においては、特許文献1に開示された技術を適用することは困難である。即ち、鉄道車両では、特許文献1に開示された自動車の車内音として問題となる低周波数の音に対して高音圧となるような部位に特許文献1に開示された技術を適用しても、一般に周波数全体で騒音を評価する鉄道車両にあっては、その騒音低減効果は限定的である。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、鉄道車両における客室の快適性を損なうことなく、客室騒音を効率的に低減することができる鉄道車両を提供することを目的とする。
この目的を達成するため、本発明は、車体の内部に形成された客室と、前記客室に配設され、乗客が着席する座席と、前記座席の間に位置する通路と、前記座席と前記客室の床との間に形成され、前記乗客の足を納める空間と、前記座席に配設された吸音構造体と、を備え、前記吸音構造体を前記空間の前記通路側に配置した鉄道車両を提供するものである。
本発明によれば、鉄道車両における客室の快適性を損なうことなく、客室騒音を効率的に低減できる鉄道車両を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る鉄道車両の概略を示す側面図である。 図1に示すII−II線に沿った断面図である。 図2に示すIII−III線に沿った断面図である。 図3に示すIV−IV線に沿った断面図である。 本発明の実施形態1に係る鉄道車両の吸音構造体を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係る鉄道車両の台車を振動源とし、当該振動が鉄道車両の構造本体を伝搬していく状態を模式的に示す側面図である。 本発明の実施形態1に係る鉄道車両の台車を振動源とし、当該振動が鉄道車両の客室へ音として放射される状態を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る鉄道車両の図4に相当する図である。 本発明の実施形態3に係る鉄道車両の図4に相当する図である。
次に、本発明の実施形態に係る鉄道車両について図面を参照して説明する。なお、以下に記載される実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る鉄道車両の概略を示す側面図、図2は、図1に示すII−II線に沿った断面図、図3は、図2に示すIII−III線に沿った断面図、図4は、図3に示すIV−IV線に沿った断面図、図5は、実施形態1に係る鉄道車両の吸音構造体を示す分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、実施形態1に係る鉄道車両1は、構造本体9と、構造本体9を支持する複数の台車8と、構造本体9の内部に形成された乗客の居住空間である客室5と、客室5の床4に配置され、乗客が着席する座席2と、座席2の間に設けられ、乗客や乗務員が客室5を通行する際に利用される通路3を有している。
座席2は、図2〜図4に示すように、脚7a、7b、7c、7dを備え、これらの脚7a、7b、7c、7dにより床4に固定されている。具体的には、座席2に対し、通路3側かつ進行方向側の脚を脚7aとし、通路3と反対側かつ進行方向側の脚を脚7b、通路3側かつ進行方向とは逆方向側の脚(脚7aと対となる脚)を脚7c、通路3と反対側かつ進行方向とは逆方向側の脚(脚7bと対となる脚)を脚7dとした。なお、実施形態1では、一例として、脚を4本備える(脚7a、7b、7c、7d)場合について説明したが、脚は、所望により、座席2に対して1本ないしは複数本備えることができる。また、座席2と床4との間には空間6が設けられている。乗客は、座席2に着席する際、空間6に足を入れ、また伸ばすことができる。この空間6により、着席時の快適性が確保されている。
ここで、走行中の鉄道車両1に発生する客室騒音は、客室5の内装の様々な部位から発生する。その中でも、床4から放射される音は、他の内装部位と比較して大きいことが知られている。床4から放射される音は、台車8で発生する振動が主である。そこで、実施形態1では、床4から放射される後に詳述する固体伝搬音100(図6及び図7参照)の低減に加え、客室5の平均吸音率を向上させて客室騒音を低減するため、図3及び図4に示すように、座席2と床4との間の空間6のうち通路3側の空間に、吸音構造体11が配置されている。
吸音構造体11は、図5に示すように、一面が開放されている枠体12と、音を通すための複数の孔が設けられた有孔板13と、枠体12と有孔板13との間に設けられる吸音材14とで構成されている。
枠体12は、乗客の足等が衝突しても耐えうる材料、例えば、アルミニウム合金等で構成されている。この枠体12は、前述した開放された一面から内部に吸音材14を収納することができるようになっている。枠体12の開放された一面とは反対側の両端には、吸音構造体11をネジなどの締結部材31により脚7a及び7cに締結する(図4参照)ためのフランジ部12fが形成されている。そして、これらのフランジ部12fには、締結部材31が螺合されるネジ孔32が形成されている。なお、実施形態1では、枠体12の形状を平面視で略矩形としたが、これに限るものではなく、例えば、多角形や円形など、任意の形状を選択することができる。
有孔板13には、客室騒音が、枠体12と有孔板13との間に設けられる吸音材14へ効率よく伝搬されるように、適切な孔径と開孔率の複数の孔が形成されている。有孔板13の孔は、開口率を約30%以上とすると、枠体12と有孔板13の間に設置される吸音材14による吸音効果を得ることができる。また、実施形態1では、有孔板13の孔の形状を平面視で円形(丸形)としたが、これに限らず、有孔板13の孔の形状は、例えば、楕円や長方形(スリット)等であってもよい。この有孔板13も、枠体12と同様に乗客の足等が衝突しても耐えうる材料、例えば、アルミニウム合金等で構成される。そして、この有孔板13は、内部に吸音材14を収納した枠体12の開放された一面を覆うよう、枠体12に配設される。また、有孔板13の両端部には、枠体12のフランジ部12fと共に、吸音構造体11をネジなどの締結部材31により脚7a及び7cに締結する(図4参照)ための締結用延部13fが形成されている。これらの締結用延部13fには、締結部材31が螺合されるネジ孔32が形成されている。なお、実施形態1では、締結用延部13fに有孔板13に形成されている孔を形成していないが、これに限らず、締結用延部13fは、有孔板13をそのまま延長させることで形成してもよい。
吸音材14は、例えば、グラスウールやロックウール等の繊維系材料や、発泡金属や無機系の発泡材等から構成することができる。なお、吸音材14は、枠体12と有孔板13との間に形成される空間に存在する空気層であってもよい。即ち、吸音材14を構成する材料は、必要とされる吸音性能により、任意に選択することができる。
この吸音構造体11は、図3及び図4に示すように、フランジ部12f及び締結用延部13fが、脚7a及び脚7cに対して、例えば、ネジのような締結部材31により締結される。また、吸音構造体11の有孔板13は、通路3側となるように配置されている。このように、吸音構造体11は、枠体12のフランジ部12fと有孔板13の締結用延部13fとの間に脚7a及び脚7cが配置されるように配設されるため、乗客が座席2に着席する際に、座席2の下に足を入れる空間6を確保することができる。
また、吸音構造体11は、図3に示すように、床4から隙間(m)を空けて配設されている。このように前記隙間(m)を設けることで、例えば、客室清掃時にモップ等が挿入可能となり、清掃時の効率を下げないようにする機能をもたせることもできる。
さらにまた、新幹線のような鉄道車両では、床4の一部に、空調機(図示せず)の通気口(図示せず)が備えられていることがあるが、吸音構造体11の配置場所に通気口が備えられている場合であっても、前記隙間(m)を設けることにより、この通気口を確保することができる。
なお、実施形態1では、吸音構造体11を床4から隙間(m)を空けて配設したが、吸音構造体11は、必ずしも床4から隙間(m)を空けて配設する必要はなく、隙間(m)=0であってもよい。
次に、前述した走行中の鉄道車両に発生する客室騒音について、図6及び図7を参照して説明する。図6は、鉄道車両の台車を振動源とし、当該振動が鉄道車両の構造本体を伝搬していく状態を模式的に示す側面図、図7は、鉄道車両の台車を振動源とし、当該振動が鉄道車両の客室へ音として放射される状態を模式的に示す断面図である。
図6及び図7に示すように、鉄道車両1の走行時、台車8とレール10との接触で発生する振動や、台車8を駆動するためのモータ(図示せず)で発生する振動等が、鉄道車両1の構造本体9を伝搬して床4を振動させ、その振動が床4と接触する客室5の空気に圧力差をもたらし、音として放射される。一般に、振動源からの振動が構造本体9を伝搬して最終的に音として放射されるものを、固体伝搬音と呼ぶ。つまり、床4から放射される音は、主として台車8からの固体伝搬音である。
鉄道車両1における客室騒音は、床4から放射される音が主であるために、これまでの客室騒音低減技術、特に床4に係るものとしては、例えば床4の防振構造が挙げられる。これは、振動源からの伝搬経路の一部において振動エネルギを低減することにより、その下流へ伝搬する振動エネルギが低減し、最終的に音として放射されるエネルギを低減すること、つまり客室騒音を低減することを目的としたものである。その他の低減手段としては、客室5の吸音性能を向上させる方法がある。これは、客室5に吸音構造体を設置することで、客室5に存在する音のエネルギを吸音し、客室騒音を低減する手段である。しかし、この手段を安易に実行すると客室5を狭めることになり、乗客に対する快適性が損なわれる。
前述したが、図6に示すように、鉄道車両1の走行中には、台車8とレール10との接触により発生する振動や、台車8を駆動するためのモータ(図示せず)から発生する振動等が、鉄道車両1の構造本体9を伝搬し、そして主に床4を振動させる。(図6に示す矢印参照)。また、図7に示すように、床4で発生した振動は、客室5へ音として放射される。こうして放射された固体伝搬音100は、座席2に向かって放射されたり、通路3に向かって放射されたりする(図7に示す矢印参照)。
これらの放射音の中で、座席2に向かって放射される音は、座席2の底面に衝突し、反射して、床4の方向へ伝搬する。そのため、座席2に向かって放射される音(固体伝搬音100)は、そのエネルギの一部が床4へ戻ることになり、客室騒音となるエネルギは小さくなる。一方、通路3に向かって放射される音は、座席2へ向かって放射される場合と異なり、音から見て座席2のような障害物が存在しない。そのため、床4から放射される音はほぼエネルギを維持して客室騒音となる。通路3は乗客や乗務員が客室5を移動する際に使用するため、座席2のように音から見て障害物のようなものを設けることはできない。しかしながら、床4から通路3に向かって放射される音に対して、その伝搬の途中でエネルギを低減することができれば、客室騒音は低減する。床4から通路3へ向かって放射される音は、まず座席2と床4の間の空間6を伝搬する。そこで、床4から放射される音のエネルギを吸収すれば、客室騒音を低減することができる。
実施形態1では、座席2と床4との間の空間6のうち通路3側の空間に対して、前述した吸音構造体11を配置したため、床4から通路3へ放射される音のエネルギを吸音し、鉄道車両1の客室騒音を低減することができる。
また、客室5へ放射された音は客室5の内装表面に対して反射や吸音を繰り返し、減衰していく。この減衰は、客室5が拡散音場である仮定のもとでは、客室5の平均吸音率が高いほど大きい。この平均吸音率は、下記に示す式(1)で与えられる。
ここで、
である。
また、平均吸音率が変化することによる客室騒音の低減量は、前述と同様に客室5が拡散音場である仮定のもとでは、下記に示す式(2)で与えられる。
ここで、
である。
式(1)より、客室5を構成する各内装(吸音構造体11を含む)の吸音率が向上すれば、客室5の平均吸音率が向上し、また式(2)より客室5の平均吸音率が向上すれば、客室騒音は低減量することが判る。即ち、座席2と床4との間の空間6に吸音構造体11を設置することで、前述の床4から放射される固体伝搬音100の低減に加え、客室5の平均吸音率が向上して客室騒音を低減することができるため、鉄道車両1の客室騒音を効率良く低減することができる。
このように、実施形態1に係る鉄道車両は、客室騒音で主な音である床4から放射される音、特に音から見て障害物が無い通路3に向かって放射される音(固体伝搬音100)のエネルギを吸音することができ、さらに客室5の平均吸音率が向上するために客室5の音のエネルギも吸音することができるため、客室騒音を効率良く低減することができる。さらに、吸音構造体11は、有孔板13が通路3側に配置されるように配設されているため、床4から放射される音がほぼエネルギを維持して客室騒音となる通路3側の音のエネルギをより効率よく吸収することができる。
なお、実施形態1では、枠体12のフランジ部12fと有孔板13の締結用延部13fとの間に脚7a及び脚7cが配置されるように吸音構造体11を配設した場合について説明したが、これに限らず、吸音構造体11は、座席2に着席した乗客の足を入れる空間6を座席2の下に確保することができ、かつ空間6の通路3側に配置可能であれば、座席2の脚以外の部分に配設してもよい。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る鉄道車両について図8を参照して説明する。図8は、本発明の実施形態2に係る鉄道車両の図4に相当する図、即ち、図3に示すIV−IV線に沿った断面に相当する図である。なお、実施形態2では、実施形態1と同様の部材には、実施形態1と同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図8に示すように、実施形態2に係る鉄道車両1の、実施形態1の鉄道車両1との異なる主な点は、吸音構造体11を空間6の通路3側と、通路3とは反対側の2箇所に設置した点である。
より具体的には、脚7a及び脚7cには、実施形態1と同様に吸音構造体11が締結部材31によって設置されている。また、実施形態2では、この脚7a及び脚7cに設置された吸音構造体11に加え、通路3側とは反対側に位置する脚7b及び脚7dにも吸音構造体11が締結部材31によって設置されている。
脚7a及び脚7cに設置された吸音構造体11は、実施形態1と同様に、有孔板13が通路3側となるよう設置されている。一方、脚7b及び脚7dに設置された吸音構造体11は、空間6がより広い方に向くよう設置することが望ましい。このように2つの吸音構造体11を設置することで、客室5の音が2つの吸音構造体11により伝搬しやすくなるため、前記音を一層吸収しやすくなる。したがって、より騒音を低減することができる。なお、脚7b及び脚7dに設置された吸音構造体11も、実施形態1と同様に、床4から隙間(m)を空けて配設されている。
なお、実施形態2では、脚7b及び脚7dに設置された吸音構造体11に対する空間6が、通路3側とは反対側よりも通路3側の方が広いため、有孔板13が通路3側となるように吸音構造体11を脚7b及び脚7dに設置したが、これに限らず、吸音構造体11は、所望により、有孔板13が通路3側とは反対側となるよう設置してもよい。
ここで、新幹線等の鉄道車両における座席2は、通常の位置(着座した乗客が進行方向を向く位置)から回転することが可能であり、座席2を回転させることで、着座している乗客が進行方向とは逆の方向を向くことができるようになっている。実施形態2では、脚7a及び脚7cと、脚7b及び脚7dの各々に吸音構造体11を配設したため、座席2を回転させても、通路3側に吸音構造体11を配置することができる。したがって、座席2を回転させても、騒音を効率よく低減することができる。
なお、座席2を回転可能な構成の場合、脚7a〜7dも座席2の回転に伴ってその位置を変更することは勿論である。したがって、この場合は、脚7a〜7dは床4に直接固定されている訳ではない。
また、脚7b及び脚7dに設置する吸音構造体11の有孔板13が通路3側とは反対側となるよう配置することで、座席2を通常の位置から回転させた際には、脚7b及び脚7dに設置された吸音構造体11の有孔板13が通路3側を向くことになる。この構成の場合、座席2を回転させた際に、図8に示す配置で座席2を回転させた際よりも騒音を効率よく低減することができる。
このように、実施形態2に係る鉄道車両1には、2つの吸音構造体11が設置されているため、実施形態1よりも吸音面積を大きくすることができる。したがって、客室騒音で主な音である床4から放射される音、特に音から見て障害物が無い通路3に向かって放射される音(固体伝搬音100)や、客室5の音のエネルギを吸収することができるため、客室騒音を一層効率良く低減することができる。また、上述した式(1)で示される客室5の平均吸音率をより向上することができ、式(2)で示される騒音の低減量をさらに向上させることができる。
また、実施形態2では、脚7a及び脚7cに配設された吸音構造体11と同様に、脚7b及び脚7dに配設された吸音構造体11についても、枠体12のフランジ部12fと有孔板13の締結用延部13fとの間に脚7b及び脚7dが配置されるようにしたため、2つの吸音構造体11を配設しても、座席2に着席した乗客の足を入れる空間6を座席2の下に確保することができ、客室5の快適性を確保することができる。
なお、実施形態2では、2つの吸音構造体11を床4から隙間(m)を空けて配設したが、吸音構造体11は、必ずしも床4から隙間(m)を空けて配設する必要はなく、隙間(m)=0であってもよい。また、いずれか一方の吸音構造体11のみ、床4から隙間(m)を空けて配設してもよい。
また、実施形態2では、枠体12のフランジ部12fと有孔板13の締結用延部13fとの間に脚7a及び脚7cが配置されるように吸音構造体11を配設し、枠体12のフランジ部12fと有孔板13の締結用延部13fとの間に脚7b及び脚7dが配置されるようにもう一つの吸音構造体11を配設した場合について説明したが、これに限らず、2つの吸音構造体11は、座席2に着席した乗客の足を入れる空間6を座席2の下に確保することができ、かつ少なくとも一方の吸音構造体11を空間6の通路3側に配置可能であれば、座席2の脚以外の部分に配設してもよい。
そしてまた、座席2に着席した乗客の足を入れる空間6を座席2の下に確保することができ、かつ少なくとも1つの吸音構造体11を空間6の通路3側に配置可能であれば、吸音構造体11は、3つ以上配設してもよい。また、座席2の脚が5本以上ある場合、座席2に着席した乗客の足を入れる空間6を座席2の下に確保することができ、かつ少なくとも1つの吸音構造体11を空間6の通路3側に配置可能であれば、各々の吸音構造体11は、任意の脚に配設することもできる。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3に係る鉄道車両について図9を参照して説明する。図9は、本発明の実施形態3に係る鉄道車両の図4に相当する図、即ち、図3に示すIV−IV線に沿った断面に相当する図である。なお、実施形態3では、実施形態1及び2と同様の部材には、実施形態1及び2と同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図9に示すように、実施形態3に係る鉄道車両1の、実施形態1及び2の鉄道車両1との異なる主な点は、吸音構造体110の構成である。
実施形態3に係る吸音構造体110は、前述した吸音構造体11を脚7a及び脚7cに配設した際に、枠体12及び有孔板13の進行方向(図9に示す矢印X方向)の略中央部分を開放した構成を有する第1の吸音構造部11aと、吸音構造体11を脚7b及び脚7dに配設した際に、枠体12及び有孔板13の進行方向(図9に示す矢印Y方向)の略中央部分を開放した構成を有する第2の吸音構造部11bと、第1の吸音構造部11aと第2の吸音構造部11bとの間に位置し、第1の吸音構造部11aの略中央部分と第2の吸音構造部11bの略中央部分とを接続する第3の吸音構造部11cと、第1の吸音構造部11aの第2の吸音構造部11bとは反対側の略中央部分に接続され、通路3側に延出する第4の吸音構造部11dと、第2の吸音構造部11bの第1の吸音構造部11aとは反対側の略中央部分に接続され、通路3とは反対側に延出する第5の吸音構造部11eと、を備えて構成されている。
第1の吸音構造部11aは、実施形態1と同様に、有孔板13が通路3側となるよう、締結部材31により、フランジ部12f及び締結用延部13fが脚7a及び脚7cに締結されている。この第1の吸音構造部11aは、床4から隙間(m)を空けて脚7a及び脚7cに配設されている。
第2の吸音構造部11bは、実施形態2と同様に、有孔板13が通路3側となるよう、締結部材31により、フランジ部12f及び締結用延部13fが脚7b及び脚7dに締結されている。この第2の吸音構造部11bは、床4から隙間(m)を空けて脚7b及び脚7dに配設されている。
第3の吸音構造部11cは、第1の吸音構造部11a及び第2の吸音構造部11bを脚7a〜7dに各々配設可能な長さを有しており、一面が開放された枠体12と、開放された一面から枠体12内に収納された吸音材14と、吸音材14を収納した枠体12の前記一面を覆う有孔板13とを有している。実施形態3では、この第3の吸音構造部11cは、有孔板13が進行方向側となるように配置されている。また、第3の吸音構造部11cは、前述したように、第1の吸音構造部11a及び第2の吸音構造部11bの略中央部分を接続する構成であるため、脚7a及び7bの進行方向先端から図9に示す距離(x)分だけ進行方向とは反対側に後退した場所に位置している。この第3の吸音構造部11cは、床4から隙間(m)を空けて第1の吸音構造部11a及び第2の吸音構造部11bに接続されている。
第4の吸音構造部11dは、第1の吸音構造部11aの通路3側(即ち、有孔板13)から通路3に向けて図9に示す距離(t)で延出しており、一面が開放された枠体12と、開放された一面から枠体12内に収納された吸音材14と、吸音材14を収納した枠体12の前記一面を覆う有孔板13とを有している。実施形態3では、この第4の吸音構造部11dは、有孔板13が進行方向側となるように配置されている。また、第4の吸音構造部11dは、第3の吸音構造部11cと同一線上に配置されており、よって、第4の吸音構造部11dも、脚7a及び7bの進行方向先端から図9に示す距離(x)分だけ進行方向とは反対側に後退した場所に位置している。なお、実施形態3では、図9に示す距離(t)は、第4の吸音構造部11dが座席2から外部に飛び出さない距離に設定した。この第4の吸音構造部11dは、床4から隙間(m)を空けて第1の吸音構造部11aに接続されている。
第5の吸音構造部11eは、第2の吸音構造部11bの通路3側とは反対側(即ち、枠体12)から通路3側とは反対側に向けて図9に示す距離(s)で延出しており、一面が開放された枠体12と、開放された一面から枠体12内に収納された吸音材14と、吸音材14を収納した枠体12の前記一面を覆う有孔板13とを有している。実施形態3では、この第5の吸音構造部11eは、有孔板13が進行方向側となるように配置されている。また、第5の吸音構造部11eは、第3の吸音構造部11cと同一線上に配置されており、よって、第5の吸音構造部11eも、脚7a及び7bの進行方向先端から図9に示す距離(x)分だけ進行方向とは反対側に後退した場所に位置している。なお、実施形態3では、図9に示す距離(s)は、第4の吸音構造部11dが座席2から外部に飛び出さない距離に設定した。この第5の吸音構造部11eは、床4から隙間(m)を空けて第2の吸音構造部11bに接続されている。
このように、実施形態3に係る鉄道車両1は、5つの吸音構造部11a〜11eからなる吸音構造体110を備えているため、実施形態1及び2よりも吸音面積を大きくすることができる。したがって、客室騒音で主な音である床4から放射される音、特に音から見て障害物が無い通路3に向かって放射される音(固体伝搬音100)や、客室5の音のエネルギを吸収することができるため、客室騒音をより一層効率良く低減することができる。また、上述した式(1)で示される客室5の平均吸音率をより一層向上することができ、式(2)で示される騒音の低減量をさらに向上させることができる。
また、実施形態3に係る鉄道車両1は、第1の吸音構造部11a及び第2の吸音構造部11bを実施形態2の吸音構造体11と同様に配置し、かつ、第3の吸音構造部11c、第4の吸音構造部11d及び第5の吸音構造部11eを、脚7a及び7bの進行方向先端から図9に示す距離(x)分だけ進行方向とは反対側に後退した場所に位置させたため、実施形態1及び2よりも吸音面積が大きくなっても、座席2に着席した乗客の足を入れる空間6a〜6fを座席2の下に確保することができ、客室5の快適性を確保することができる。
なお、距離(x)は、座席2に着席した乗客の足を入れる空間6a〜6fを確保することが可能であれば、任意に設定することができる。また、前述した距離(s)及び距離(t)も、座席2に着席した乗客の足を入れる空間6a〜6fを確保することが可能であり、かつ、通路3の邪魔にならない範囲であれば、任意に設定することができる。
さらにまた、実施形態3は、実施形態2と同様に、座席2を回転させても、騒音を効率よく低減することができることに加え、第3の吸音構造部11c、第4の吸音構造部11d及び第5の吸音構造部11eを、第1の吸音構造部11a及び第2の吸音構造部11bの矢印Y方向の略中央部分に配置したため、座席2を回転させても、第3の吸音構造部11c、第4の吸音構造部11d及び第5の吸音構造部11eが邪魔になることがなく、座席2に着席した乗客の足を入れる空間6a〜6fを座席2の下に確保することができ、客室5の快適性を確保することができる。
なお、実施形態3では、吸音構造体110は、第1の吸音構造部11a及び第2の吸音構造部11bの略中央部分を開放して、第3の吸音構造部11c、第4の吸音構造部11d及び第5の吸音構造部11eを接続した構成を有しているため、第1の吸音構造部11a〜第5の吸音構造部11eの内部にわたって吸音材14が一体に収納されている構成となっているが、これに限らず、吸音構造体110は、実施形態2で説明した2つの吸音構造体11に、第3の吸音構造部11c、第4の吸音構造部11d及び第5の吸音構造部11eを連結した構成としてもよい。
なお、実施形態3では、実施形態1及び2と同様に清掃時の効率や通気口の確保などを考慮して、5つの吸音構造部11a〜11eを床4から隙間(m)を空けて配設したが、5つの吸音構造部11a〜11eは、必ずしも床4から隙間(m)を空けて配設する必要はなく、隙間(m)=0であってもよい。また、任意の吸音構造部(1つまたは複数)のみ、床4から隙間(m)を空けて配設してもよい。
また、実施形態3では、枠体12のフランジ部12fと有孔板13の締結用延部13fとの間に脚7a及び脚7cが配置されるように第1の吸音構造部11aを配設し、枠体12のフランジ部12fと有孔板13の締結用延部13fとの間に脚7b及び脚7dが配置されるように第2の吸音構造部11bを配設した場合について説明したが、これに限らず、第1の吸音構造部11a及び第2の吸音構造部11bは、座席2に着席した乗客の足を入れる空間6を座席2の下に確保することができ、かつ少なくとも一方の吸音構造部を空間6aまたは6d(即ち、通路3側の空間)に配置可能であれば、第1の吸音構造部11a及び第2の吸音構造部11bは、座席2の脚以外の部分に配設してもよい。また、距離(s)=0、距離(t)=0であってもよい。
1…鉄道車両、2…座席、3…通路、4…床、5…客室、6、6a、6b、6c、6d、6e、6f…空間、7a、7b、7c、7d…脚、8…台車、9…構造本体、10…レール、11、110…吸音構造体、11a、11b、11c、11d、11e…吸音構造部、12…枠体、12f…フランジ部、13…有孔板、13f…締結用延部、14…吸音材、31…締結部材、32…ネジ孔、100…固体伝搬音

Claims (7)

  1. 車体の内部に形成された客室と、
    前記客室に配設され、乗客が着席する座席と、
    前記座席の間に位置する通路と、
    前記座席と前記客室の床との間に形成され、前記乗客の足を納める空間と、
    前記座席に配設された吸音構造体と、
    を備え、
    前記吸音構造体を前記空間の前記通路側に配置した、
    鉄道車両。
  2. 前記吸音構造体を複数備え、
    前記吸音構造体を、前記車体の進行方向と交差する方向に互いに間隔をおいて配置した請求項1記載の鉄道車両。
  3. 前記吸音構造体の少なくとも1つを、前記客室の床から隙間をおいて配置した請求項1または請求項2記載の鉄道車両。
  4. 前記座席は、前記客室の床に固定される脚を備え、
    前記吸音構造体を前記脚に配設した請求項1記載の鉄道車両。
  5. 前記脚を前記進行方向に互いに間隔をおいて配置し、前記脚同士の間に前記吸音構造体を配置した請求項4記載の鉄道車両。
  6. 前記吸音構造体は、音を吸収する吸音材と、当該吸音材を収納する枠体と、前記吸音材が収納された枠体の一面を覆うと共に、当該枠体の内部に連通する貫通孔が形成された有孔板と、を備え、
    前記有孔板を前記通路に対向させて、前記吸音構造体を配置した請求項1記載の鉄道車両。
  7. 前記互いに間隔をおいて配置した吸音構造体の間に配置され、当該吸音構造体同士を接続する吸音構造体をさらに備え、
    前記吸音構造体同士を接続する吸音構造体を、前記互いに間隔をおいて配置した吸音構造体の前記進行方向の先端部よりも、当該進行方向とは反対の方向に後退した位置に配置した請求項2記載の鉄道車両。
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