JP6242210B2 - 車室内騒音伝播防止構造 - Google Patents

車室内騒音伝播防止構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6242210B2
JP6242210B2 JP2013267735A JP2013267735A JP6242210B2 JP 6242210 B2 JP6242210 B2 JP 6242210B2 JP 2013267735 A JP2013267735 A JP 2013267735A JP 2013267735 A JP2013267735 A JP 2013267735A JP 6242210 B2 JP6242210 B2 JP 6242210B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seat
passenger
vehicle interior
vehicle
noise
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013267735A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015123783A (ja
Inventor
康之 太田
康之 太田
吉川 公利
公利 吉川
由紀男 伊藤
由紀男 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Subaru Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Subaru Corp filed Critical Subaru Corp
Priority to JP2013267735A priority Critical patent/JP6242210B2/ja
Publication of JP2015123783A publication Critical patent/JP2015123783A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6242210B2 publication Critical patent/JP6242210B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)
  • Vehicle Step Arrangements And Article Storage (AREA)

Description

本発明は、自動車の車室内の透過騒音伝播防止構造に関し、特に、路面等から生じて自動車のフロアパネルを透過し、センターコンソールとシート座部等の対向する車室構成部材間を通って乗車者の耳に伝達される透過騒音の伝播を防止する車室内騒音伝播防止構造に関する。
自動車の車体は、軽量化及び溶接組立作業性に優れることから比較的薄い鋼板パネルで構成されており、振動を伝達しやすくこれによる騒音が問題となる。従って、この振動による騒音を防止するための制振遮音構造が、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている。
特許文献1には、フロアパネルにメルシート等の制振材を貼設することによってフロアパネルの振動を抑制する技術を開示している。また、特許文献2には、カーペット層とカーペット層の裏面に一体的に発泡成形されたモールドウレタン層からなるフロアカーペットを、モールドウレタン層の裏面とフロアパネルとの間に高空隙性又は低圧縮弾性の充填材を介在してフロアパネル上に敷設することによってフロアパネル側からの振動伝達を低下させる構造が記載されている。
特開平7−181979号公報 特開平9−95168号公報
上記特許文献1及び2に記載の技術は、何れも、フロアパネル等の車体構成要素において伝達される振動を抑制することで、該振動による騒音を防止することに主眼をおいたものである。しかしながら、車両においては、車体構成要素自体が音波の伝達媒質となることにより振動が伝達されることによる騒音以外にも、騒音発生源から発生した騒音自体がフロアパネル等の車体構成要素そのものを透過することにより、直接、乗車者の耳に伝播される透過騒音が存在する。
例えば、車両の強加速時又は急停止時においては高いエネルギーの透過騒音(周波数又は音圧の大きい透過騒音)が路面とタイヤとの間で発生するが、この場合、発生した透過騒音はフロアパネルを透過して車室内に伝播する。
この種の透過騒音は、特に指向性が強く、車室内に進行してセンターコンソールの側部とシート側面との間等の車室構成部材間の間隙を通って乗車者の耳に伝播し、乗車者を不快にさせることとなる。
本発明者らの鋭意研鑽の下、この種の透過騒音は、対向する車室構成部材の間の最小対向距離部分を結ぶ線分と直交する方向に指向することが発見された。従って、この指向方向上に乗車者の耳がある場合には、乗車者に当該透過騒音が伝播され、当該乗車者の快適性が損なわれる。
そして、このように、車体構成要素を透過した指向性の高い音は、たとえ従来のように制振部材を設けたとしてこれも透過して進行するため、当該制振部材による透過騒音低減効果がほとんど得られないという問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、フロアパネルを透過して車室内に進行する透過騒音が、自動車の乗車者の耳に伝播されることを防ぐことのできる車室内透過騒音防止構造を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る車室内騒音伝播防止構造は、自動車のフロアパネルを透過し、車幅方向に対向する車室構成部材の間を通って運転席シート又は助手席シートに着座した乗車者の耳に直進的に指向する透過騒音を防止する車室内騒音伝播防止構造であって、前記対向する車室構成部材の対向側面のうち、少なくとも一方の車室構成部材の対向側面に突起部又は凹み部が設けられ、前記一方の車室構成部材の前記突起部の表面又は前記凹み部の縁部表面と、他方の車室構成部材の対向側面とが、前記対向する車室構成部材の間の最小対向距離部分を形成しており、該最小対向距離部分を結ぶ線分と直交する方向が、前記運転席シート又は助手席シートの上部前方に位置する乗車者の耳部想定位置から逸れていることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車室内騒音伝播防止構造において、前記対向する車室構成部材の対向側面のそれぞれに設けられた前記突起部の表面により、前記最小対向距離部分が形成されたことを特徴とする。
さらに、請求項3に係る発明は、請求項1に記載の車室内騒音伝播防止構造において前記対向する車室構成部材の対向側面のそれぞれに設けられた前記凹み部の縁部表面により、前記最小対向距離部分が形成されたことを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の車室内騒音伝播防止構造において、前記直交する方向の延長線上に吸音手段を設けたことを特徴とする。
そして、請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の車室内騒音伝播防止構造において、前記対向する車室構成部材は、前記運転席シート及び前記助手席シートのうちの一方のシートの座部と、センターコンソールとであり、前記直交する方向が、前記運転席シート及び前記助手席シートのうちの他方のシートの上部前方に位置する乗車者の耳部想定位置から逸れていることを特徴とする。
さらに、請求項6に係る発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の車室内騒音伝播防止構造において、前記対向する車室構成部材は、前記運転席シート及び前記助手席シートのうちの一方のシートの座部と、該シートの座部と対向するBピラーとであり、前記直交する方向が、前記一方のシートの上部前方に位置する乗車者の耳部想定位置から逸れていることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の車室内騒音伝播防止構造において、前記対向する車室構成部材は、前記運転席シート及び前記助手席シートのうちの一方のシートの座部と、該シートの座部と対向するドアとであり、前記直交する方向が、前記一方のシートの上部前方に位置する乗車者の耳部想定位置から逸れていることを特徴とする。
上記請求項1に係る発明によると、上述のように、例えば路面とタイヤの摩擦等の要因により生じてフロアパネルを介し乗車者の耳に届く透過騒音は、車室構成部材間の最小対向距離を結ぶ線に直交する方向に沿って進行する性質があるが、少なくとも一方の車室構成部材に設けられた突起部又は凹み部(以下、新最小対向距離構成部ともいう)によりこの直交する方向が前記運転席シート又は助手席シートに着座した乗車者の耳部想定位置から逸れることとなる。
従って、「透過騒音が、構成部材間の最小対向距離部分を結ぶ線分に対して直交する方向に進行する」という知見にしたがい、上記透過騒音の進行方向が、乗車者の耳に進行する方向から逸らされているので、透過騒音が乗車者の耳に届くことにより当該乗車者に不快性を与えることを防止することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、一方の車室構成部材に設けられた突起部と、他の車室構成部材に設けられた突起部と、により最小対向距離部分が形成されることとなる。これにより、極めて簡易な構成で、透過騒音の進行方向乗車者の耳部想定位置からずらされることとなる。特に、突起部の車体構成部材における配置位置や形状を変更することにより、乗車者の耳に透過騒音が伝達されない範囲で任意に当該透過騒音の進行方向を調節することも可能である。
さらに、請求項3に係る発明によれば、上記対向する車室構成部材の対向側面にそれぞれ設けられた凹み部により、最小対向距離部分を形成している。これによれば、車室構成部材の対向側面に凹み部を設けるという簡易な構成で、透過騒音の進行方向乗車者の耳部想定位置からずらされることとなる。特に、凹み部の配置位置、形状、深さ、及び幅等を変更することにより、乗車者の耳に透過騒音が伝達されない範囲で任意に当該透過騒音の進行方向を調節することが可能である。
また、請求項4に係る発明によれば、透過騒音の指向方向の延長線上において吸音手段による吸音を行うことができるので、指向性の高い透過騒音が車室内で反射や干渉することにより透過騒音のレベルが増大されることを防止することができる。

さらに、請求項5〜7に係る発明によれば、フロアパネルからの透過騒音が通過しやすいセンターコンソール及びシートの座部、Bピラー及びシートの座部、並びにドア及びシートの座部の間に対して本発明に係る車室内騒音伝播防止構造が適用される。すなわち、種々の車室構成部材の間を通って伝播する透過騒音を、乗車者の耳から逸らすことができる。
本発明に係る車室内騒音伝播防止構造の第1の実施の形態を説明する図である。 図1の車室内騒音伝播防止構造における要部拡大図である。 本発明に係る車室内騒音伝播防止構造の第2の実施の形態を説明する図である。 本発明に係る車室内騒音伝播防止構造の第3の実施の形態を説明する図である。 本発明に係る車室内騒音伝播防止構造の第4の実施の形態を説明する図である。 本発明に係る車室内騒音伝播防止構造の第5の実施の形態を説明する図である。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、自動車の車室内において第1の実施の形態に係る車室内騒音伝播防止構造が適用された状態を示す説明図であり、図2は、図1において破線の円で示した車室内騒音伝播防止構造の要部拡大図である。
本実施の形態に係る車室内騒音伝播防止構造2は、車両の急発進又は加速時において図示しない路面とタイヤの摩擦などにより生じる透過騒音S1が乗車者O1の耳E1に伝播することを防止するものである。
先ず、図1に示すように、車室1内には、乗車者O1が着座する運転席シート10と助手席シート12が設置されており、この運転席シート10と助手席シート12の間の位置のフロアパネル100上にセンターコンソール14が配置されている。ここで、本実施の形態では、助手席シート12の助手席座部16とセンターコンソール14が対向する車室構成部材として想定される。
そして、助手席シート12の助手席座部16のコンソール側側面16aとセンターコンソール14の助手席側側面14aの間の間隔は、上方に向かうにつれて漸次狭窄する構成となっている。従って、助手席側側面14aの上部位置T1と、コンソール側側面16aの上部位置T2を結ぶ線分L1の部分が、本来、助手席座部16とセンターコンソール14の間の最小対向距離を構成するものである。
これに対して、本実施の形態においては、助手席座部16とセンターコンソール14の間の新最小対向距離構成部として、センターコンソール14の助手席側側面14aに第1突起18が設けられており、助手席座部16のコンソール側側面16aに第2突起20が設けられている。
この第1突起18及び第2突起20は、当該第1突起18の第1突起先端18aと第2突起20の第2突起先端20aとの間の距離(すなわち、図の線分L2の長さ)が、線分L1の長さ(すなわち、これら突起18及び20が無い場合における助手席座部16とセンターコンソール14の間の最小対向距離)よりも短くなり、且つこれら突起18及び20のそれぞれの第1突起先端18a、20aを結ぶ線分L2に直交する方向上に乗車者O1の耳E1が存在しないように、これら突起18、20の形状、高さ、及び配置位置が調整されている。
フロアパネル100を介し乗車者O1の耳E1に届く透過騒音S1は、本来であれば、助手席座部16とセンターコンソール14間の最小対向距離を表す線分L1に直交する方向、より詳細には、線分L1を含む平面に直交する方向に沿って進行する(図1及び2の破線矢印を参照)。
しかし、上記構成によれば、助手席座部16とセンターコンソール14の間の新最小対向距離構成部として構成した第1突起18及び第2突起20により、線分L2の部分が新最小対向距部分として変更されることとなる。従って、上記透過騒音S1の進行方向は、この線分L2の方向に直交する方向、より詳細には線分L2を含む平面に直交する方向(図1及び2の実線矢印の方向)に変更されることとなる。そして、進行方向が変更された後の透過騒音S1は、乗車者O1の耳E1に向かう方向から逸れているので、透過騒音S1が乗車者O1の耳に届くことにより当該乗車者O1に不快性を与えることを防止することができる。
さらに、本実施の形態では、センターコンソール14の助手席側側面14aと助手席座部16のコンソール側側面16aにそれぞれ第1突起部18及び第2突起部20を設けるという極めて簡易な構成で、これらの間の最小対向距離部分を新たに構成して、透過騒音S1の進行方向を逸らすことが可能であることが注目すべき点である。
また、第1突起部18及び第2突起部20の助手席側側面14a又はコンソール側側面16a上における配置位置の変更や、突起の形状を変更することにより、上記最小対向距離部分を調整して、乗車者O1の耳E1に透過騒音が伝達されない範囲で任意に当該透過騒音S1の進行方向を調節することも可能である。
なお、第1突起18及び第2突起20は、それぞれ、助手席座部16のコンソール側側面16a及びセンターコンソール14の助手席側側面14aに対して一体成形されていても良いし、別体に構成されて所望の手段で接着結合するようにしても良い。
また、第1突起18及び第2突起20は、助手席座部16のコンソール側側面16a及びセンターコンソール14の助手席側側面14aの車体前後方向の延在方向全域に亘って伸長する形状であっても良いし、当該車体前後方向の延在方向の一部に亘る形状であっても良い。すなわち、乗車者O1の耳E1に向かって進行する透過騒音S1の方向を変更する機能を果たす形状であれば、当業者が想定し得る範囲の種々の形状をとることができる。
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施の形態に係る車室内騒音伝播防止構造2の説明図である。なお、第1の実施の形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施の形態では、新最小対向距離構成部として、運転席10の運転席座部30におけるセンターコンソール14側のコンソール側側面30aにも第3突起部22が設けられており、センターコンソール14の運転席座部30側の側面14においても第4突起部24が設けられている。この第3突起部22及び第4突起部24は、上記第1突起18及び第2突起20と同様に、路面等から生じてフロアパネル100を介し助手席の乗車者O2の耳E2に直進する透過騒音S2を、当該乗車者O2の耳E2からずらすことができる態様で設けられている。すなわち、第3突起部22及び第4突起部24は、第1突起18及び第2突起20とセンターコンソール14を中心としたほぼ鏡像関係となる形状及び配置態様で設けられている。
従って、本実施の形態に係る車室内騒音伝播防止構造2では、フロアパネル100から乗車者O1の耳に届く透過騒音S1を当該乗車者O1の耳から逸らすだけでなく、同様の原理でフロアパネル100から助手席12の乗車者O2の耳に届く透過騒音S2も当該乗車者O2の耳から逸らすことができる。
さらに、本実施の形態では、上述の進行方向が変更された透過騒音S1及び透過騒音S2をそれぞれ吸収する吸音材32、34が車室天井面36に設けられている。具体的に、吸音材32は、第1突起18の第1突起先端18a及び第2突起22の先端22aを結ぶ線分L2に直交する方向に進行する透過騒音S1の進行方向延長線上に位置するように車室天井面36に配置されており、吸音材34は、第3突起部22の先端22a及び第4突起部24の第4突起先端24aを結ぶ線分L3に直交する方向に進行する透過騒音S2の進行方向延長線上に位置するように車室天井面36に配置されている。
この吸音材32、34は、例えば、グラスウール、粗毛フェルト、化繊系材料、ウレタン系材料、ウール系材料、又は任意の孔質材料等の所望の吸音特性を有する種々の材料で形成することができ、車室天井面36形状等に合わせて所望の形状で形成することができる。また、吸音材32、34の車室天井面36への結合方法は、当業者により採用し得る任意の方法を用いることができる。
上述のように、吸音材32及び34をそれぞれ透過騒音S1及びS2の進行方向延長線上にある車室天井面36に設けたことにより、乗車者O1の耳及び乗車者O2の耳から逸らされた透過騒音S1及びS2は、それぞれの吸音材32及び34により吸音されることとなる。
従って、乗車者O1や乗車者O2の耳から逸らされた透過騒音S1及びS2が、車室内の車室天井面36内面等に反射して再び乗車者O1及び乗車者O2に伝達されることを防止することができる。
特に、車室内の車室天井面36等で反射される透過騒音S1及びS2に対して何ら対策を講じないと、当該反射後の透過騒音S1及びS2が、車室内においてさらに反射や回折等されることにより、他の音源から発せられる音波と干渉して強めあい透過騒音の音圧レベルが高まる可能性が考えられるが、本実施の形態に係る構成によりこの事象を防止して、乗車者O1及びO2の快適性をより良好なものとすることができる。
(第3の実施の形態)
図4に示すように、本実施の形態に係る車室内騒音伝播防止構造2では、車室構成部材間の新最小対向距離構成部として、第1実施の形態や第2実施の形態に係る突起18a等に代えて、助手席座部16のコンソール側側面16aに切欠き状の凹み部40を設けている。
本実施の形態では、この凹み部40を設けたことにより、センターコンソール14の助手席側側面14aと助手席座部16のコンソール側側面16aとの間で定まる最小対向距離の部分が、本来の線分L4の部分からずれて、コンソール側側面16aの点T3と凹み部40の縁部T4を結んだ線分L5の部分となる。従って、透過騒音S1は、この線分L5に直交する方向に進行され、吸音材32に吸収されることとなる。
本実施の形態に係る車室内騒音伝播防止構造2によれば、本来、センターコンソール14の助手席側側面14aと助手席座部16のコンソール側側面16aにおいて定まる最小対向距離を形成していた部分である線分L4が、コンソール側側面16aに凹み部40が形成されたことで、本来の位置から線分L5の部分にずれて、結果として透過騒音S1が進行する方向が変更されることとなる。すなわち、コンソール側側面16aに凹み部40を設けるという極めて簡易な構成で、透過騒音S1の進行方向を乗車者O1の耳E1から逸らすという効果を得ることができる。特に、凹み部40の配置位置、形状、深さ、幅、及び車体前後方向への延在長さ等を変更することにより、上記最小対向距離部分を調整して乗車者O1の耳E1に透過騒音が伝達されない範囲で任意に当該透過騒音S1の進行方向を調節することが可能である。
(第4の実施の形態)
図5に示すように、本実施の形態に係る車室内騒音伝播防止構造2では、第1実施の形態と同様に車室構成部材間の新最小対向距離構成部として第1突起18及び第2突起20が採用されており、さらに、本実施の形態に係る特有の構成として、助手席座部16のコンソール側側面16aに透過騒音吸収部42が形成されている。この透過騒音吸収部42は、助手席座部16の切欠き状部分を多孔質材料等の任意の高吸音特性を有する材料で構成したものである。
そして、本実施の形態では、特に第1突起部18の第1突起先端18a及び第2突起20の第2突起先端20aを結ぶ線分L6に対して直交する方向の延長線上に、透過騒音吸収部42が位置するように調節されている。特に、この調節は、図から明らかなように、第1突起部18と第2突起部20の配置高さ位置をずらすことで実現している。すなわち、第1突起部18を第2突起部20よりも高い位置に設けることで、線分L6が水平から一定角度傾いて図上右下がりの状態となるので、これに直交する方向は図上右上がりの方向となって、その延長線上に透過騒音吸収部42が存在することとなる。
上記構成によれば、線分L6に直交する方向に進行する透過騒音S1は、透過騒音吸収部42の部分で吸音されることとなる。従って、本来、乗車者O1の耳E1に伝播されるはずであった透過騒音S1の進行方向をずらして、乗車者O1の耳E1に伝播されないようにしつつ、当該透過騒音S1を車室1内における比較的下方の透過騒音吸収部42にて吸音することができる。これにより、進行方向が変更された透過騒音S1の車室1内における進行距離を極力短くすることができるので、当該進行方向変更後の透過騒音S1が、他の音源から発せられて車室内で進行する他の音と干渉して強めあう等の現象をより好適に防止することができ、結果としてさらなる車室内の透過騒音の低減に資することとなる。
(第5実施の形態)
本実施の形態では、図6に示すように、対向する車室構成部材として運転席座部16とBピラー44を採用した場合における車室内騒音伝播防止構造2について説明する。
具体的に、本実施の形態に係る車室内騒音伝播防止構造2は、フロアパネル100やBピラー44の下方部分を透過して、運転席座部30におけるBピラー側側面30bとBピラー44の内面44aとの間を進行し、乗車者O1の耳E1に伝達される透過騒音S3を逸らすものである。
本構造2では、運転席座部30におけるBピラー側側面30bに第5突起部46が設けられており、Bピラー44の内周面44aに第6突起部48が設けられている。そして、本実施の形態では、第6突起部48が、第5突起部46に対してほぼ突起幅一個分低い位置に設けられている。この突起配置により、第5突起部46と第6突起部48とを結ぶ新たな最小対向距離線分である線分L7は、水平方向に対してBピラー44の内周面44a側に傾いて図上左上がりの線分となる。従って、この線分L7に直交する透過騒音S3の変更された進行方向は、Bピラー44の内面44aに向かうこととなり、乗車者O1の耳E1から逸れることとなる。
さらに、本実施の形態でも、線分L7に直交する透過騒音S3の進行方向上におけるBピラー内面44aに吸音材50を設けることで、当該透過騒音S3がBピラー内面44aで反射してしまうことを防止することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上記形態においては、対向する車室構成部材が、助手席座部16や運転席座部30とセンターコンソール14、及び運転席座部30とBピラー44の場合について説明したが、これに限られるものではなく、ドアとシート、又はシートとトンネル等の他の車室構成部材において本発明の車室内騒音伝播防止構造を適用するようにしても良い。
また、上記実施の形態では、最小距離変更部として突起部や凹み部を採用しているが、これに限られるものではなく、対向する車室構成部材の最小対向距離を変更し、且つ変更後の最小対向距離部分を結ぶ線分に直交する方向を、上記乗車者O1、O2の耳に進行する方向からずらすことができるものであれば任意の構造を採用することが可能である。
また、上記各実施の形態では、新最小対向距離構成部としてセンターコンソール14の助手席側側面14aと助手席座部のコンソール側側面16aの双方にそれぞれ、第1突起18及び第2突起20を設けて、これらの第1突起先端18a及び第2突起先端20の間の距離を最小対向距離とすることで、透過騒音S1の進行方向を変更しているが、これに限られず、例えば、第1突起18のみを設けて第2突起20を設けず、第1突起18の先端18aと助手席座部のコンソール側側面16aとの間の距離を最小対向距離とすることで、透過騒音S1の進行方向を変更しても良い。
1 車室
2 車室内騒音伝播防止構造
10 運転席シート(車室構成部材、シート)
12 助手席シート(車室構成部材、シート)
14 センターコンソール(車室構成部材)
14a 助手席側側面(相互対向面)
16 助手席座部(シートの座部)
16a コンソール側側面(対向面)
18 第1突起部(新最小対向距離構成部)
18a 第1突起先端
20 第2突起部(新最小対向距離構成部)
20a 第2突起先端
22 第3突起部(新最小対向距離構成部)
22a 第3突起先端
24 第4突起部(新最小対向距離構成部)
24a 第4突起先端
30 運転席座部(シートの座部)
30a コンソール側側面
30b Bピラー側側面(相互対向面)
32 吸音材(吸音手段)
34 吸音材(吸音手段)
40 凹み部(新最小対向距離構成部)
42 透過騒音吸収部(吸音手段)
44 Bピラー(車室構成部材)
44a Bピラー内面(相互対向面)
46 第5突起部(新最小対向距離構成部)
46a 第5突起先端
48 第6突起部(新最小対向距離構成部)
48a 第6突起先端
50 吸音材(吸音手段)
100 フロアパネル
S1、S2、S3 透過騒音
O1、O2 乗車者
E1、E2 乗車者の耳

Claims (7)

  1. 自動車のフロアパネルを透過し、車幅方向に対向する車室構成部材の間を通って運転席シート又は助手席シートに着座した乗車者の耳に直進的に指向する透過騒音を防止する車室内騒音伝播防止構造であって、
    前記対向する車室構成部材の対向側面のうち、少なくとも一方の車室構成部材の対向側面に突起部又は凹み部が設けられ、
    前記一方の車室構成部材の前記突起部の表面又は前記凹み部の縁部表面と、他方の車室構成部材の対向側面とが、前記対向する車室構成部材の間の最小対向距離部分を形成しており、
    該最小対向距離部分を結ぶ線分と直交する方向が、前記運転席シート又は助手席シートの上部前方に位置する乗車者の耳部想定位置から逸れていることを特徴とする車室内騒音伝播防止構造。
  2. 前記対向する車室構成部材の対向側面のそれぞれに設けられた前記突起部の表面により、前記最小対向距離部分が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車室内騒音伝播防止構造。
  3. 前記対向する車室構成部材の対向側面のそれぞれに設けられた前記凹み部の縁部表面により、前記最小対向距離部分が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車室内騒音伝播防止構造。
  4. 前記直交する方向の延長線上に吸音手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車室内騒音伝播防止構造。
  5. 前記対向する車室構成部材は、前記運転席シート及び前記助手席シートのうちの一方のシートの座部と、センターコンソールとであり、
    前記直交する方向が、前記運転席シート及び前記助手席シートのうちの他方のシートの上部前方に位置する乗車者の耳部想定位置から逸れていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車室透過騒音伝播防止構造。
  6. 前記対向する車室構成部材は、前記運転席シート及び前記助手席シートのうちの一方のシートの座部と、該シートの座部と対向するBピラーとであり、
    前記直交する方向が、前記一方のシートの上部前方に位置する乗車者の耳部想定位置から逸れていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車室透過騒音伝播防止構造。
  7. 前記対向する車室構成部材は、前記運転席シートの及び前記助手席シートのうちの一方のシートの座部と、該シートの座部と対向するドアとであり、
    前記直交する方向が、前記一方のシートの上部前方に位置する乗車者の耳部想定位置から逸れていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車室透過騒音伝播防止構造。
JP2013267735A 2013-12-25 2013-12-25 車室内騒音伝播防止構造 Active JP6242210B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013267735A JP6242210B2 (ja) 2013-12-25 2013-12-25 車室内騒音伝播防止構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013267735A JP6242210B2 (ja) 2013-12-25 2013-12-25 車室内騒音伝播防止構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015123783A JP2015123783A (ja) 2015-07-06
JP6242210B2 true JP6242210B2 (ja) 2017-12-06

Family

ID=53534835

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013267735A Active JP6242210B2 (ja) 2013-12-25 2013-12-25 車室内騒音伝播防止構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6242210B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11209549B2 (en) 2015-03-18 2021-12-28 Amazon Technologies, Inc. GPS error correction via network of fixed point ground stations

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6220921U (ja) * 1985-07-23 1987-02-07
JP2006160177A (ja) * 2004-12-10 2006-06-22 Hayashi Engineering Inc 路上走行自動車の吸音構造
JP2010076499A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Mazda Motor Corp 車両の吸音構造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11209549B2 (en) 2015-03-18 2021-12-28 Amazon Technologies, Inc. GPS error correction via network of fixed point ground stations

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015123783A (ja) 2015-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5821424B2 (ja) 車両の車体構造
JP6133796B2 (ja) 防音体及び自動車用インシュレータ
JP6245292B2 (ja) 自動車の遮音構造
WO2015125872A1 (ja) 車体パネル構造体
KR101688281B1 (ko) 자동차용 복합 어셈블리
JP6082709B2 (ja) 移動体の床面支持構造
JPWO2012176321A1 (ja) ティビアパッド及びティビアパッド設置構造
JP6242210B2 (ja) 車室内騒音伝播防止構造
JP4752449B2 (ja) 車両用吸音材
JP5870829B2 (ja) 車両フロア構造
JP2019142373A (ja) 車両
JP6156306B2 (ja) 車両カウル構造
JP2010234896A (ja) 車両用敷設内装材及び車両フロア構造
WO2018180887A1 (ja) 防音体及び自動車用サイレンサー
WO2016208498A1 (ja) 自動車用防音構造、自動車用吸音材の固定部材及び吸音材
JP2015193343A (ja) 自動車用バックパネルの防振構造
JP6889636B2 (ja) 鉄道車両
JP2014189230A (ja) 自動車用フロアカーペットの構造
KR102005144B1 (ko) 차량 루프 시트용 진동 감쇠 부재 및 진동 감쇠 부재를 구비하는 차량 루프 시트
WO2018016122A1 (ja) 車両用防音体及び車両用サイレンサー
JP2018177143A (ja) ルーフ構造
EP3738826A1 (en) Acoustically insulable seat for a public transport vehicle
JP6543106B2 (ja) 吸音材
JP2017165168A (ja) 鉄道車両
JP2023150802A (ja) 車体後部構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160915

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170627

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171010

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6242210

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250