JP2017164985A - 印刷装置 - Google Patents

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智 根岸
瀬川 裕一
Yuichi Segawa
裕一 瀬川
翔太 平松
Shota Hiramatsu
翔太 平松
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Abstract

【課題】機能低下の防止とスループットの向上。
【解決手段】液体を吐出する印刷ヘッドを有する印刷装置であって、所定の軸を中心にして回動可能であり、用紙を前記印刷ヘッドと対向する位置に支持する支持位置と、前記支持位置から退避した第1退避位置と、の間で変位する支持部と、前記支持部と入れ替わりで前記印刷ヘッドと対向する対向位置において前記印刷ヘッドをメンテナンス可能であり、前記対向位置と、前記対向位置から退避した第2退避位置と、の間で変位するメンテナンス部と、を備え、前記支持部の前記支持位置から前記第1退避位置への変位の速度である第1速度は、前記支持部の前記第1退避位置から前記支持位置への変位の速度である第2速度よりも速い。
【選択図】図8

Description

本発明は、印刷装置に関する。
インクジェットプリンターでは、印刷ヘッドが有するノズル内でインクが増粘したりノズル内に気泡や粉塵(紙粉等)が混入したりすると、ノズルに目詰まりが生じ、このようなノズルは吐出機能が低下する。インクジェットプリンターは、このようなノズルの目詰まりを予防・解消するために、印刷ヘッドのメンテナンス、例えば、強制的なインク吐出動作いわゆるフラッシングを行う。
また、記録紙を紙吸着ベルトユニットで搬送するインクジェットプリンターが開示されている(特許文献1参照)。
特開2008‐87446号公報
印刷ヘッドのメンテナンスは、印刷ヘッドがインクを吐出する面がメンテナンス用のキャップと対面した状態で実行される。当該キャップは、印刷ヘッドから吐出されたインクを受けたり、印刷ヘッドから吸引されたインクを受けたりする役目を果たす。
ここで、用紙を支持しつつ搬送するための機構(支持部)が当該支持を行う位置から一時的に退避し、退避した支持部と入れ替わりで前記キャップが印刷ヘッドと対面する位置へ移動する構成を想定する。このような構成では、支持部に付着している用紙のカス(紙粉)が、支持部の移動に際して支持部から剥離し、この紙粉がキャップや印刷ヘッドに付着する可能性がある。キャップに付着した紙粉は、印刷ヘッドと対面したときに印刷ヘッド側に付着するおそれがある。印刷ヘッドに付着した紙粉は、印刷ヘッドの吐出機能低下の要因となる。従って、このような紙粉の付着を回避する必要があった。
また、インクジェットプリンターは、前記メンテナンスを実行する為に、印刷を一時的に停止することがある。そのため、プリンターによる印刷処理の効率(スループット)を向上させるには、前記メンテナンスのために印刷が一時的に停止する期間を出来るだけ短縮することが必要であった。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、機能低下の防止とスループットの向上に寄与する印刷装置を提供する。
本発明の態様の1つは、液体を吐出する印刷ヘッドを有する印刷装置であって、所定の軸を中心にして回動可能であり、用紙を前記印刷ヘッドと対向する位置に支持する支持位置と、前記支持位置から退避した第1退避位置と、の間で変位する支持部と、前記支持部と入れ替わりで前記印刷ヘッドと対向する対向位置において前記印刷ヘッドをメンテナンス可能であり、前記対向位置と、前記対向位置から退避した第2退避位置と、の間で変位するメンテナンス部と、を備え、前記支持部の前記支持位置から前記第1退避位置への変位の速度である第1速度は、前記支持部の前記第1退避位置から前記支持位置への変位の速度である第2速度よりも速い。
当該構成によれば、支持部が第1退避位置から支持位置へ復帰するときの速度(第2速度)を相対的に遅くすることで、当該復帰の動作に伴って支持部から剥離する紙粉がメンテナンス部や印刷ヘッドに付着することを防ぐ。また、支持部が支持位置から第1退避位置へ退避するときの速度(第1速度)と前記第2速度とを異ならせることで、印刷が一時的に停止する期間(支持部が支持位置からの退避を開始してから再び支持位置へ復帰するまでの期間を少なくとも含む期間)を出来るだけ短くすることができ、前記スループットの向上に寄与する。
本発明の態様の1つは、印刷装置は、前記支持部の前記第1退避位置から前記支持位置への変位の過程で、前記回動の角度が所定値を超えると当該変位の速度を減速させるとしてもよい。
当該構成によれば、支持部が第1退避位置から支持位置へ復帰する過程の特に中盤から終盤にかけて、紙粉がメンテナンス部や印刷ヘッドに付着することをより的確に防ぐことができる。
本発明の態様の1つは、液体を吐出する印刷ヘッドを有する印刷装置であって、所定の軸を中心にして回動可能であり、用紙を前記印刷ヘッドと対向する位置に支持する支持位置と、前記支持位置から退避した第1退避位置と、の間で変位する支持部と、前記支持部と入れ替わりで前記印刷ヘッドと対向する対向位置において前記印刷ヘッドをメンテナンス可能であり、前記対向位置と、前記対向位置から退避した第2退避位置と、の間で変位するメンテナンス部と、前記第2退避位置に在る前記メンテナンス部を覆う蓋部と、を備えるとしてもよい。
当該構成によれば、メンテナンス部への紙粉の付着を確実に防ぐことができる。
本発明の態様の1つは、前記メンテナンス部は、前記支持部が前記支持位置から前記第1退避位置へ変位する期間において、前記第2退避位置よりも前記対向位置に近い待機位置に在るとしてもよい。
当該構成によれば、支持部が第1退避位置へ退避した後のメンテナンス部の変位量(メンテナンス部が対向位置へ到達するのに必要な変位量)が少なくなり、前記印刷が一時的に停止する期間の短縮に繋がる。
本発明の態様の1つは、前記メンテナンス部は、前記支持部が前記支持位置から前記第1退避位置への変位を開始する前に、前記第2退避位置から前記待機位置へ移動するとしてもよい。
当該構成によれば、支持部が第1退避位置への退避を開始する前にメンテナンス部が待機位置へ移動済みであるため、支持部が第1退避位置へ退避した後のメンテナンス部の変位量を確実に少なくすることができる。
本発明の技術的思想は、印刷装置という物以外によっても実現される。例えば、印刷装置の各構成が実行する各工程を含んだ方法(メンテナンスのための動作制御方法)を発明として捉えることができる。また、このような方法をコンピューターに実行させるプログラムや、当該プログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な記憶媒体も夫々に発明として成り立つ。
印刷装置の構成を簡易的に示すブロック図。 印刷ヘッドを含む一部構成を簡易的に示す図。 印刷ヘッド、ベルト搬送部およびメンテナンス手段を含む構成を示す斜視図。 メンテナンス手段を含む構成を示す斜視図。 ベルトが支持位置に在りメンテナンス部が第2退避位置に在る状態を示す図。 ベルトが第1退避位置に在りメンテナンス部が第2退避位置に在る状態を示す図。 ベルトが第1退避位置に在りメンテナンス部が対向位置に在る状態を示す図。 制御部による制御下で実施される処理を示すフローチャート。 第1速度と第2速度との関係を示す図。 蓋部を含む構成を示す図。 減速用の弾性体を含む構成を示す図。
以下、各図を参照しながら本発明の実施形態を説明する。各図は、本実施形態を説明するための例示に過ぎない。また各図は、それぞれに一部の表現を省略等しているため、互いに整合しないこともある。
1.装置の概略的説明:
図1は、印刷装置10が有する主に制御系の構成を簡易的にブロック図により示している。印刷装置10は、例えば、プリンターや、プリンターの機能を含んだ複合機、等といった製品として把握される。印刷装置を、記録装置、液体吐出(噴射)装置、等と呼んでもよい。また、このような製品の一部分あるいは全部を指して、印刷制御装置と称してもよい。
印刷装置10は、制御部11、印刷ヘッド12、搬送手段13、メンテナンス手段17を少なくとも含む。制御部11は、例えば、CPU、ROM、RAM等を有するICやその他の記憶媒体を含んだハードウェアと、当該ハードウェアを動作させるプログラムとによって実現される。制御部11は、プログラムに従って印刷装置10の各構成の挙動を制御する。
印刷ヘッド12は、インク等の液体を吐出するノズルを複数有する。印刷ヘッド12を、印字ヘッド、記録ヘッド、液体吐出(噴射)ヘッド、等と呼んでもよい。印刷ヘッド12は、不図示のインクカートリッジ等の供給元からインクの供給を受ける。制御部11は、入力した印刷ジョブに基づいて、例えば、印刷ヘッド12が有するノズル毎の駆動素子を制御することにより、ノズル毎にインクを吐出さたり吐出させなかったりする。この結果、印刷ジョブが表現する画像が用紙Pに印刷される。印刷ヘッド12は、複数種類のインク(例えば、シアン(C)インク、マゼンダ(M)インク、イエロー(Y)インク、ブラック(K)インク)を、いずれかのインクに対応する各ノズル群からそれぞれ吐出させることができる。
図2は、印刷ヘッド12を含む一部の構成の配置を印刷装置10の上方からの視点により簡易的に示している。印刷ヘッド12は、いわゆるラインヘッドであるとする。ラインヘッドは、基本的には印刷装置10内で固定されている。ラインヘッドが有する、例えばCMYKインク毎のノズル群は、インク吐出を受ける用紙Pの幅に略対応する範囲に亘って複数のノズルを用紙Pの幅方向D1に沿って所定間隔で並べて成る。幅方向D1を、ラインヘッドの長手方向とも呼ぶ。ラインヘッドとしての印刷ヘッド12におけるノズルの具体的配置例は多岐に渡る。
幅方向D1に交差(直交)する方向を、用紙Pの搬送方向D2と呼ぶ。つまり搬送手段13は、用紙Pを搬送方向D2に沿って搬送する。搬送手段13は、一般的に給紙トレイや給紙カセット等と呼ばれる供給元から用紙Pの搬送を開始し、印刷ヘッド12による印刷が施された用紙Pを印刷装置10外へ排出するための搬送全般に携わる機構の総称である。搬送手段13は、当該搬送を実現するためのモーターや、ローラーや、ギア輪列等を有する。搬送手段13は、用紙Pの供給元から用紙Pを連続的に搬送可能な、自動給紙装置(ADF:Auto Document Feeder)を含む構成であってもよい。また、搬送手段13は、一方の面に印刷が施された用紙Pを反転させて再び印刷ヘッド12へ供給する機構(両面印刷のための用紙反転機構)を含む構成であってもよい。
搬送手段13は、さらにベルト搬送部14を含む。ベルト搬送部14は、ベルト駆動モーター15、揺動駆動モーター16、ベルト19等を含んでいる。図2に示すように、ベルト19は、印刷ヘッド12よりも下方に配設され、幅方向D1における長さは、搬送対象とする用紙Pの幅よりも長く形成されている。ベルト19は、印刷装置10内における搬送手段13による用紙Pの搬送経路の一部である。搬送手段13により搬送される用紙Pは、印刷ヘッド12下を通過する際、ベルト19に載せられて通過する。ベルト19は、ベルト駆動モーター15が生じさせる動力により、用紙Pを搬送方向D2の上流側USから下流側DSへ搬送する方向に回転する。揺動駆動モーター16は、後述するようにベルト19を揺動(回動)させるためのモーターである。ベルト駆動モーター15、揺動駆動モーター16は、制御部11が制御する。
用紙Pは、印刷装置10が扱う被記録媒体を意味するが、このような媒体は紙以外の素材であってもよい。本実施形態では、印刷ヘッド12の液体吐出機能に影響を及ぼす当該媒体のカスとして“紙粉”を考慮するため、当該媒体として用紙Pを用いる。ただし、紙粉と同様に当該吐出機能に影響を及ぼすカスを発生させ得る媒体であれば、本実施形態で用紙Pの替わりに用いることができる。
メンテナンス手段17は、印刷ヘッド12をメンテナンス可能な機構である。印刷ヘッド12のメンテナンスとは、上述したフラッシングや、印刷ヘッド12のノズルから気泡や紙粉や増粘したインク等を吸引するクリーニング等が該当する。メンテナンス手段17が印刷ヘッド12のメンテナンスをすると言った場合、メンテナンスに必要な全ての処理や動作をメンテナンス手段17が担うという意味だけでなく、メンテナンスに必要な処理や動作の少なくとも一部をメンテナンス手段17が担うという意味も含む。メンテナンス手段17は、動力源としての移動台駆動モーター18を含んでいる。移動台駆動モーター18は、制御部11が制御する。メンテナンス手段17は、前記吸引のためのポンプや、当該ポンプを駆動するためのモーター等を有していてもよい。
図1,2では特に図示していないが、印刷装置10は、プリンターや、プリンターの機能を含んだ複合機、等といった公知の製品が有する種々の機能や構成を当然有し得る。
2.ベルト搬送部およびメンテナンス手段の動きの説明:
図3は、印刷ヘッド12、ベルト搬送部14およびメンテナンス手段17を含む構成を、ある程度具体的な形態で斜視図により示している。
図4は、メンテナンス手段17を含む構成を、前記具体的な形態で斜視図により示している。
図3に示すように、印刷装置10内には、装置の高さ方向において印刷ヘッド12より下方に、ベルト搬送部14及びメンテナンス手段17が設けられている。図3等の例では、メンテナンス手段17は、ベルト搬送部14よりも下流側DSに位置している。
ベルト搬送部14は、印刷ヘッド12のノズルヘッド部246と対向する「支持位置」と、当該支持位置から退避した「第1退避位置」との間で変位可能に構成されている。ノズルヘッド部246は、ノズルを有する部位である。支持位置および第1退避位置は、ベルト搬送部14の、特にベルト駆動部266の位置を指す。支持位置は、ベルト駆動部266が有するベルト19が用紙Pを印刷ヘッド12と対向する位置に支持する位置である。ベルト駆動部266あるいはベルト19は、特許請求の範囲における支持部の具体例である。以下では、ベルト駆動部266の位置に言及するとき、単にベルト19の位置と表現することもある。図3の例では、ベルト19は、第1退避位置に在る。
図5〜7はいずれも、印刷ヘッド12、ベルト駆動部266およびメンテナンス部308を含む構成を、図3,4よりも簡略化して、かつ幅方向D1を向く視点により示している。図5は、ベルト19が支持位置に在る状態を示し、図6,7は、ベルト19が第1退避位置に在る各状態を示している。ちなみに図2では、ベルト19は支持位置に在る状態である。
図3に示すように、ベルト搬送部14は、ベルト駆動部266とベルト揺動部268とを備える。ベルト駆動部266は、駆動軸270、従動軸272、ベルト19及び揺動台276を備える。駆動軸270は、不図示のギア輪列を介してベルト駆動モーター15と接続している。つまり、制御部11によりベルト駆動モーター15が回転駆動させられると、当該ギア輪列を介して駆動軸270も回転駆動させられる。
従動軸272は、駆動軸270に対して駆動軸270の軸線方向(幅方向D1)と交差する方向に間隔をおいて設けられている。図3等の例では、上流側USに駆動軸270が設けられ、下流側DSに従動軸272が設けられている。駆動軸270と従動軸272との間にはベルト19が掛け回されている。駆動軸270が回転駆動させられると、ベルト19も駆動軸270の回転方向と同じ方向に回転駆動させられる。図示は省略しているが、ベルト19の幅方向D1における両端部には、ベルト19の全周にわたってビードがそれぞれ貼り付けられている。ビードは一例としてウレタン樹脂のゴム部材として形成されている。ビードは駆動軸270及び従動軸272の軸線方向においてベルト19が駆動軸270及び従動軸272に対してずれることを防止している。また、ベルト19は、一例として静電吸着ベルトとして構成されている。
駆動軸270と従動軸272との間にはベルト19と接触しない位置に揺動台276が配置されている。揺動台276は、駆動軸270の軸線方向に延設されている。また、当該軸線方向における揺動台276の両端部は、駆動軸270を回転可能に軸支している。また、当該軸線方向における揺動台276の両端部には、テンション調整部材284が設けられている。図3では、手前側のテンション調整部材284のみ示している。テンション調整部材284の一端部は、従動軸272を回転可能に軸支している。また、テンション調整部材284の他端部は、従動軸272が駆動軸270に対して接離する方向にスライド移動可能に揺動台276に取り付けられている。揺動台276とテンション調整部材284との間には、付勢部材286が配置されている。付勢部材286は、例えば、ばね部材として構成され、付勢部材286の一端は揺動台276に取り付けられ、他端はテンション調整部材284に取り付けられている。
テンション調整部材284は、付勢部材286の付勢力により従動軸272が駆動軸270から離れる方向に揺動台276を押圧している。したがって、テンション調整部材284に軸支される従動軸272は、駆動軸270から離間するようにテンション調整部材284を介して付勢部材286により付勢されている。これによりベルト19には、従動軸272と駆動軸270との間で引き延ばす方向にテンションが生じる。その結果、ベルト19には撓みが生じ難くなる。
次にベルト揺動部268について説明する。ベルト揺動部268は、第1アーム288と、第2アーム290と、揺動軸292と、揺動ギア294と、揺動駆動ギア296と、揺動駆動モーター16とを備えている。第1アーム288と第2アーム290の組み合わせは、幅方向D1の両側において同じように設けられている。第1アーム288の一端部は、揺動台276に対して揺動可能に取り付けられている。また、第1アーム288の他端部は、第2アーム290の一端部に対して揺動可能に取り付けられている。また、第2アーム290の他端部は揺動軸292とともに回転するように揺動軸292に取り付けられている。揺動軸292の一端部には揺動ギア294が揺動軸292とともに回転するように取り付けられている。また、揺動駆動モーター16の駆動軸には、揺動駆動ギア296が取り付けられている。揺動駆動ギア296は、一例としてウォームギアとして構成されている。揺動ギア294と揺動駆動ギア296とは噛合している。
制御部11は、ベルト19を支持位置から第1退避位置へ変位させるべく、揺動駆動モーター16を回転駆動させ、揺動ギア294を時計回り方向CWに揺動させる。これにより、揺動軸292は時計回り方向CWに回転し、揺動軸292に取り付けられた第2アーム290も時計回り方向CWに揺動する。第1アーム288は、第2アーム290の時計回り方向CWへの揺動に伴って、第1アーム288の一端部を支点に反時計回り方向CCWに揺動する。このような第2アーム290および第1アーム288の動きに連動して、ベルト19つまりベルト駆動部266が駆動軸270を軸にして反時計回り方向CCWへ変位(回動)を開始する。この結果、ベルト揺動部268は第1アーム288と第2アーム290が折り畳まれ、図3や図6,7に示すように、ベルト駆動部266は、従動軸272が駆動軸270のほぼ鉛直方向下に位置する状態、つまりベルト19が第1退避位置に在る状態となる。
制御部11は、ベルト19を第1退避位置から支持位置へ変位させる際には、揺動駆動モーター16を回転駆動させ、揺動ギア294を反時計回り方向CCWに揺動させることにより、ベルト揺動部268に、ベルト19を支持位置から第1退避位置へ退避させる場合と逆の動きをさせる。すると、ベルト19つまりベルト駆動部266が駆動軸270を軸にして時計回り方向CWへ変位(回動)を開始する。この結果、第1アーム288と第2アーム290はほぼ直線状になるまで伸び、図5に示すように、ベルト駆動部266は、従動軸272が駆動軸270とほぼ同じ高さに位置する状態、つまりベルト19が支持位置に在る状態となる。
図3,4に示すように、メンテナンス手段17は、メンテナンス部308と、移動台310と、平行リンク機構312と、ガイド部材314と、ベース部材316とを備えている。メンテナンス部308は、支持部と入れ替わりで印刷ヘッド12(ノズルヘッド部246)と対向する「対向位置」において印刷ヘッド12をメンテナンス可能であり、対向位置と、対向位置から退避した「第2退避位置」との間で変位可能に構成されている。
図3,5,6は、メンテナンス部308が第2退避位置に在る状態を示している。一方、図4,7は、メンテナンス部308が対向位置に在る状態を示している。
ベース部材316は、印刷装置10の装置本体に取り付けられている。ベース部材316は幅方向D1に延設されており、幅方向D1における両端部にはガイド部材314が互いに対向し、かつ高さ方向上方に延びるように取り付けられている。また、ベース部材316は、移動台駆動モーター18と、ボールねじ320とを備えている。
移動台駆動モーター18は、ベース部材316に取り付けられており、その駆動軸にはボールねじ320が取り付けられている。ボールねじ320はベース部材316において搬送方向D2に延設されている。ボールねじ320には、ナット部材(不図示)を介して移動台310が、ボールねじ320の回転駆動に応じて搬送方向D2に沿って移動可能に取り付けられている。移動台310は、移動台駆動モーター18を回転駆動させることにより、ベース部材316に対して搬送方向D2に沿って往復動可能である。
移動台310は、幅方向D1に延設されており、幅方向D1における両端部には平行リンク機構312が取り付けられている。平行リンク機構312は、リンク部材としての第1リンク322と、補助リンク部材としての第2リンク324とを備えている。第1リンク322は、略三角形状の部材として形成されている。第1リンク322の第1の頂点に対応する部分は移動台310と連結する連結部326として構成され、第1リンク322は連結部326を回動支点として移動台310に対して回動可能である。また、第2の頂点に対応する部分はメンテナンス部308と連結する連結部328として構成され、第1リンク322は連結部328を回動支点としてメンテナンス部308に対して回動可能である。また、第3の頂点に対応する部分には被ガイド部330が設けられている。図示の例では、第1リンク322において連結部326、連結部328及び被ガイド部330のそれぞれを結ぶラインが略三角形を形成するように構成されている。
第2リンク324は、一端が移動台310に対して回動可能に連結され、他端がメンテナンス部308に対して回動可能に連結されている。第2リンク324には補強部332が設けられている。図示の例において補強部332は略三角形状に形成され、第2リンクの一端と他端との間に設けられている。また、補強部332において第2リンク324から突出する頂点に対応する部分は第1リンク322側に延びており、第1リンク322と係合している。補強部332は第1リンク322と係合することにより、メンテナンス部308において幅方向D1へ力が作用した際、第1リンク322及び第2リンク324がメンテナンス部308を幅方向D1に支えてメンテナンス部308の幅方向D1への変位を抑制できる。
ガイド部材314には、ガイド溝334が設けられている。ガイド溝334には第1リンク322の被ガイド部330が受け入れられており、ガイド溝334は被ガイド部330をガイドする。また、ガイド溝334は、搬送方向D2に直線状に延びる第1領域334aと、第1領域334aに接続され、第1領域334aと斜めに交差して高さ方向下方側かつ上流側USに延びる第2領域334bとを備える。
メンテナンス部308は、第1リンク322及び第2リンク324に連結されている。また、メンテナンス部308は、複数のキャップ336を備えている。メンテナンス部308に設けられたキャップ336の数は、印刷ヘッド12に設けられたノズルヘッド部246の数に対応している。
制御部11は、メンテナンス部308を第2退避位置から対向位置へ変位させるべく、移動台駆動モーター18を回転駆動させてボールねじ320を回転させる。これにより、移動台310は下流側DSから上流側USに向けて移動を開始する。移動台310が移動を開始すると、第1リンク322の被ガイド部330がガイド溝334の第1領域334aに案内されながら、下流側DSから上流側USに向けて直線状に移動する。これにより、移動台310に連結されている平行リンク機構312及びメンテナンス部308が上流側USに移動する。
移動台310がさらに上流側USに移動すると、被ガイド部330がガイド溝334の第1領域334aから第2領域334bに移動する。被ガイド部330が第2領域334bに移動することにより、第1リンク322は、移動台310との連結部326を支点として反時計回り方向CCWに揺動する。その結果、メンテナンス部308が上方に持ち上げられる。第2リンク324も、第1リンク322の動作に追従して反時計回り方向CCWに揺動する。被ガイド部330は、第2領域334bのガイド形状に沿って第2領域334bの上流側USの端部まで移動する。この結果、キャップ336がノズルヘッド部246に最も接近した状態、つまりメンテナンス部18が対向位置に在る状態となる。
対向位置においては、キャップ336は、例えば、ノズルヘッド部246のノズル面を封止する。この状態で、制御部11はノズルヘッド部246のノズル面に設けられた複数のノズルからインクをキャップ336に向けて吐出させることにより、メンテナンスの一例であるフラッシングを行う。キャップ336は、印刷装置10内に設けられた廃インクタンク(不図示)と廃インクチューブ(不図示)により接続され、キャップ336内に吐き出されたインクは廃インクチューブを介して廃インクタンクに収容される。
制御部11は、メンテナンス部308を対向位置から第2退避位置へ変位させるには、移動台駆動モーター18を回転駆動させて、ボールねじ320を、メンテナンス部308を第2退避位置から対向位置へ変位させるときと逆方向に回転させればよい。これにより、移動台310が上流側USから下流側DSに移動し、併せて平行リンク機構312およびメンテナンス部308も変位して、結果、メンテナンス部308が第2退避位置へ戻る。メンテナンス部308は、第1リンク322及び第2リンク324に対して回動可能に取り付けられている。そのため、メンテナンス部308(キャップ336)は、水平姿勢を維持しながら第2退避位置〜対向位置の間を変位する。
3.メンテナンスのための動作制御方法の詳細:
図8は、制御部11による制御下で実施される処理の1つをフローチャートにより示している。当該フローチャートは、印刷ヘッド12のメンテナンスのための動作制御方法を示しているとも言える。ここでは、メンテナンスとしてフラッシングを例に挙げて説明を行う。
制御部11は、フラッシングを実行するか否かを判定する(ステップS100)。つまり、制御部11は、印刷装置10の起動中、フラッシングを実行すべきタイミングになったか否かを判定する。そして、フラッシングを実行すると判定した場合(ステップS100において“Yes”)、ステップS110へ進み、一方、フラッシングを実行しないと判定した場合(ステップS100において“No”)、当該フローチャートを終える。ただし制御部11は、当該フローチャートを終えた後、印刷装置10の起動中は当該フローチャートを繰り返し実施する。
フラッシングを実行するタイミングは種々考えられるが、制御部11は、例えば、前回フラッシングを実行してから所定時間以上が経過している場合に、フラッシングを実行すると判定する。あるいは、制御部11は、前記フラッシングを実行してからの印刷枚数が所定枚数以上である場合に、フラッシングを実行すると判定してもよい。あるいは、制御部11は、外部(ユーザー)からの指示に従ってフラッシングを実行すると判定してもよいし、印刷装置10の電源が入れられた後や、印刷装置10がスリープモード等から通常の起動状態へ復帰したタイミング等で、フラッシングを実行すると判定してもよい。
制御部11は、フラッシングを実行すると判定した場合、ベルト19上に用紙Pが無い状態でステップS110以降の処理を行う。例えば、ある印刷ジョブに基づいて複数ページに亘る印刷を実行している最中を想定する。この場合、制御部11は、ある1枚の用紙Pへの印刷ヘッド12による印刷を終えてこの印刷済みの用紙Pをベルト19よりも下流側USへ搬送した後、かつ、次の1枚の用紙Pをベルト19上に搬送する前のタイミングで、ステップS110以降の処理へ進む。制御部11は、ステップS110以降に進む場合は、当該次の用紙Pの搬送手段13による搬送を一時的に停止し、当該フローチャートが終わった後で、当該次の用紙Pの搬送手段13による搬送を再開する。従って、ステップS110〜S150の期間は、用紙Pへの印刷の一時停止期間の一部を構成するとも言える。
ステップS110では、制御部11は、揺動駆動モーター16を回転駆動させることにより、ベルト19を現在の支持位置から第1退避位置へ退避させる。ステップS110の結果、ベルト19を含むベルト駆動部266は、支持位置に在った状態(図5参照)から、第1退避位置に在る状態(図6参照)になる。図6では、ステップS110実行前のベルト19等の位置を2点鎖線で示している。本実施形態では、ステップS110による支持位置から第1退避位置への変位の速度を第1速度と呼ぶ。第1速度は、例えば、揺動駆動モーター16の角速度によって把握される。また、図6では、支持位置と第1退避位置との間で変位するベルト駆動部266が通過する経路A1を2点鎖線の矢印で例示している。
ステップS120では、制御部11は、移動台駆動モーター18を回転駆動させることにより、メンテナンス部308を現在の第2退避位置から対向位置へ進出させる。ステップS120の結果、メンテナンス部308は、第2退避位置に在った状態(図6参照)から、対向位置に在る状態(図7参照)になる。図7では、第2退避位置におけるメンテナンス部308の位置を2点鎖線で示している。また、図7では、第2退避位置と対向位置との間で変位するメンテナンス部308が通過する経路A2を2点鎖線の矢印で例示している。この経路A2と経路A1(図6参照)とは、一部で交わる。
ステップS130では、制御部11は、印刷ヘッド12にフラッシングを実行させる。これにより、ノズルヘッド部246が有する各ノズルからインクがメンテナンス部308の各キャップ336に吐出される。
ステップS140では、制御部11は、移動台駆動モーター18を回転駆動させることにより、メンテナンス部308を現在の対向位置から第2退避位置へ退避させる。ステップS140の結果、メンテナンス部308は、対向位置に在った状態(図7参照)から、第2退避位置に在る状態(図6参照)に戻る。
ステップS150では、制御部11は、揺動駆動モーター16を回転駆動させることにより、ベルト19を現在の第1退避位置から支持位置へ復帰させる。ステップS150の結果、ベルト19を含むベルト駆動部266は、第1退避位置に在った状態(図6参照)から、支持位置に在る状態(図5参照)に戻る。以上で、当該フローチャートを終了する。本実施形態では、ステップS150による第1退避位置から支持位置への変位の速度を第2速度と呼ぶ。第2速度は、例えば、揺動駆動モーター16の角速度によって把握される。本実施形態では、制御部11は、第1速度>第2速度とする。
図9は、第1速度(V1)と第2速度(V2)との関係を例示している。図9において、横軸の角度θは、ベルト19の駆動軸270を軸とした回動の角度であり、回動の開始時点の角度θが0°、回動の終了時点の角度θが90°である。縦軸の速度Vは、当該回動を実現させる揺動駆動モーター16の角速度である。速度V1は、ベルト19が支持位置から第1退避位置へ変位する過程での速度Vの変化を示している。速度V1に関しては、ベルト19が支持位置に在る状態を角度θ=0°、ベルト19が第1退避位置に在る状態を角度θ=90°と把握する。一方、速度V2は、ベルト19が第1退避位置から支持位置へ変位する過程での速度Vの変化を示している。速度V2に関しては、ベルト19が第1退避位置に在る状態を角度θ=0°、ベルト19が支持位置に在る状態を角度θ=90°と把握する。制御部11は、図9のような予め定められた速度V1,V2のテーブルに従って揺動駆動モーター16を駆動制御して、ベルト19の支持位置〜第1退避位置間の変位(回動)を実現する。
図9において破線で示すVsは、ベルト19が第1退避位置から支持位置へ変位する過程での“紙粉付着速度”の変化を示している。紙粉付着速度Vsとは、ベルト19に付着していた紙粉が駆動軸270を軸としたベルト19の回動に伴って空中に舞い上がり印刷ヘッド12のノズルヘッド部246またはメンテナンス部308(キャップ336)に付着するときの最低の速度Vである。紙粉付着速度Vsに関しては、速度V2と同じく、ベルト19が第1退避位置に在る状態を角度θ=0°、ベルト19が支持位置に在る状態を角度θ=90°と把握する。ベルト19が第1退避位置から支持位置へ変位する際、速度Vが高速であるほど、ベルト19に付着していた紙粉は高くかつ遠くへ飛翔し、ベルト19よりも上方に位置するノズルヘッド部246やベルト19よりも下流側DSの第2退避位置に在るメンテナンス部308に付着し易い。また、ベルト19が第1退避位置から支持位置へ変位する際、支持位置へ近づくほどノズルヘッド部246にも近くなるため、角度θが90°に近づくほど紙粉付着速度Vsは遅くなる(支持位置に近づくほど、低い速度Vでも紙粉がノズルヘッド部246に付着する)。
紙粉付着速度Vsのカーブは、実験により予め求められたものである。つまり、印刷装置10と同型の標準機を用いて、駆動軸270を回動の軸としたベルト19(紙粉が付着したベルト19)の第1退避位置から支持位置への変位を、様々な速度Vのカーブに従って複数回実行した。そして、このような変位に伴うノズルヘッド部246やメンテナンス部308への紙粉の付着有無に基づいて、紙粉付着速度Vsのカーブを決定した。
図9から明らかなように、制御部11は、速度V2<紙粉付着速度Vsとする。つまり、ベルト19を第1退避位置から支持位置へ復帰させる際(ステップS150)には、紙粉付着速度Vsを下回る速度V2でベルト19を変位させる。これにより、駆動軸270を回動の軸としてベルト19が第1退避位置から支持位置へ変位する過程で、ベルト19に付着していた紙粉がノズルヘッド部246やメンテナンス部308に付着しない。
また、図9によれば、制御部11は、速度V1>速度V2とする。つまり、ベルト19を支持位置から第1退避位置へ退避させる際(ステップS110)には、速度V2よりも速い速度V1でベルト19を変位させる。駆動軸270を回動の軸としてベルト19が支持位置から第1退避位置へ変位する過程では、ベルト19に付着していた紙粉は、ベルト19から剥離して下方へ落下するだけである。つまり、ベルト19が支持位置から第1退避位置へ変位する過程では、紙粉がベルト19よりも上方に位置するノズルヘッド部246やベルト19よりも下流側DSの第2退避位置に在るメンテナンス部308に付着することは、(殆ど)無い。そのため、速度V1を出来るだけ速くすることで、前記印刷の一時停止期間の短縮化を図っている。速度V1,V2の各変化は、図9に例示したように直線的である必要はなく、曲線的であってもよい。
このように本実施形態によれば、用紙Pを支持するための支持部(ベルト19)が第1退避位置から支持位置へ復帰するときの速度V2(第2速度)を相対的に遅くすることで、当該復帰の動作に伴ってベルト19から剥離する紙粉がメンテナンス部308のキャップ336や印刷ヘッド12のノズルヘッド部246に付着することを防ぐことができる。従って、印刷ヘッド12の機能低下が防止される。また、ベルト19が支持位置から第1退避位置へ退避するときの速度V1(第1速度)と前記速度V2とを異ならせることで、前記印刷の一時停止期間を出来るだけ短くすることができ、印刷装置10によるスループットを向上させることができる。
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、後述するような実施形態を採用可能である。これまでに説明した実施形態を、便宜上、第1実施形態と呼ぶ。以下では、第1実施形態と異なる事項について主に説明する。むろん、各実施形態を組み合わせた形態も本願の開示範囲に含まれる。
4.第2実施形態:
第2実施形態では、印刷装置10は、第2退避位置に在るメンテナンス部308を覆う蓋部20を備える。
図10は、図5〜7と同様の視点により、印刷ヘッド12、ベルト駆動部266、メンテナンス部308および蓋部20を含む構成を示している。図10の例では、図5と同様に、ベルト19は支持位置に在り、メンテナンス部308は第2退避位置に在る。蓋部20は、例えば板状の部材であり、メンテナンス部308よりも上方に配設されている。蓋部20は、幅方向D1に延設されており、第2退避位置のメンテナンス部308の略全体を覆うサイズに形成されている。蓋部20は、例えば、幅方向D1における両側のガイド部材314(図3,4参照)に固定されているとしてもよい。当然であるが、蓋部20は、上述したように変位するメンテナンス部308、移動台310、平行リンク機構312、ベルト駆動部266のいずれとも接触しない位置に配設されている。
このように第2実施形態によれば、第2退避位置のメンテナンス部308を上方から覆う蓋部20を有する。これにより、ベルト19やベルト19以外の不図示の用紙Pの搬送経路に付着していた紙粉が、それから剥離した後にメンテナンス部308(キャップ336)に付着することを防ぐことができる。従って、印刷ヘッド12の機能低下が防止される。
5.第3実施形態:
ベルト19を第1退避位置から支持位置へ復帰させる際(ステップS150)、印刷ヘッド12のノズルヘッド部246への紙粉の付着を確実に防ぐには、ベルト19がある程度、支持位置に近づいたときに、変位の速度V(速度V2)を急激に低下させることが効果的である。このような観点から、第3実施形態では、支持部(ベルト19)の第1退避位置から支持位置への変位の過程で、回動の角度θが所定値を超えると当該変位の速度V2を減速させる。
図9には、角度θの前記所定値としての角度θ1を例示している。また図9では、角度θ=θ1〜90°に対応する速度V2を2点鎖線で例示している。制御部11は、ステップS150において揺動駆動モーター16を駆動制御する際、速度V2を図9の実線で示すように一定割合で減速させるのではなく、回動の角度θが角度θ1を超えた以降は、このような2点鎖線で示すようにそれまでより大きな割合で減速させてもよい。
速度V2の減速については、上述したように揺動駆動モーター16の制御により実現してもよいが、減速をより確実にするためにベルト駆動部266に外力を作用させてもよい。
図11は、ベルト駆動部266に前記外力を作用させるための弾性体21を含む構成を示している。図11は、図5〜7,10と同様の視点により、印刷ヘッド12やベルト駆動部266の周辺を示している。弾性体21は、例えば、印刷装置10内で上端が固定され下端が固定されていないコイル状のバネである。弾性体21は、ベルト駆動部266が第1退避位置から支持位置へ復帰する過程で、駆動軸270を軸とした回動の角度θが角度θ1を超えたところで前記下端がベルト駆動部266の所定部位に接触する位置に配設されている。弾性体21の前記下端は、ベルト駆動部266の、例えば、テンション調整部材284(図3参照)近傍に接触し、ベルト19自体やベルト19上の用紙Pが通過する範囲には接触しない位置に在る。ベルト駆動部266は、弾性体21の前記下端と接触するための専用の、幅方向D1において外側に突出する片等を有していてもよい。むろん、弾性体21は、印刷ヘッド21やメンテナンス部308にも接触しない位置に在る。
ステップS150の過程で、図11に例示するようにベルト駆動部266に弾性体21が接触すると、ベルト駆動部266は下方へ押圧する外力を受け、その変位の速度V2が急激に低下する。これにより、ベルト19が第1退避位置から支持位置へ復帰する際(ステップS150)に、ノズルヘッド部246へ紙粉が付着することを確実に防ぐことができる。
6.第4実施形態:
メンテナンス部308は、印刷装置10において印刷ヘッド12のメンテナンスが実行される場面以外では、基本的に第2退避位置で静止している。ただし、メンテナンス部308は、支持部(ベルト19)が支持位置から第1退避位置へ変位する期間において、第2退避位置よりも対向位置に近い待機位置に在るとしてもよい。図10において2点鎖線で示すメンテナンス部308は、このような待機位置に在る。図10の例では、待機位置は、第2退避位置よりも上流側USに設定されている。待機位置は、メンテナンス部308が通過する第2退避位置と対向位置との間の経路A2(図7参照)の途中の位置である。待機位置は、経路A2上において、経路A1(図6参照)と経路A2との交点よりも第2退避位置側に設定されている。また、メンテナンス部308は、待機位置に在るとき、その全体あるいは一部が蓋部20で覆われない状態となる。待機位置は、支持位置と第1退避位置との間で変位するベルト駆動部266に干渉しない位置である。
メンテナンス部308は、例えば、支持部(ベルト19)が支持位置から第1退避位置への変位を開始する前(ステップS110の開始前)に、それまで静止していた第2退避位置から待機位置へ移動する。一例として、制御部11は、図8のフローチャートの開始と同時に、移動台駆動モーター18を回転駆動させることにより、メンテナンス部308を現在の第2退避位置から待機位置へ変位させる。この場合、仮にステップS100でフラッシングを実行しない(No)と判定した場合には、制御部11は、即座にメンテナンス部308を待機位置から第2退避位置へ戻せばよい。
ステップS100でフラッシングを実行する(Yes)と判定した場合には、制御部11は、上述したようにベルト19を変位させることが可能な状況(ベルト19上に用紙Pが無い状況)が整うのを待って、ステップS110を開始する。ステップS100で“Yes”と判定してからステップS110を開始するまでには幾らかの時間差が有るため、制御部11は、このような時間差も利用して、メンテナンス308の第2退避位置から待機位置への変位を済ませておく。重要なことは、メンテナンス部308を第2退避位置から待機位置へ変位させる処理によって、ステップS110の開始を遅らせることはしない、ということである。あくまで、ステップS110を開始するまでの時間を利用して、予めメンテナンス部308を待機位置へ変位させておく。
このような第4実施形態によれば、ステップS120に要する時間が短縮される。つまり、ステップS120の開始時点でメンテナンス部308は既に待機位置に在るため、ステップS120の開始時点でメンテナンス部308が第2退避位置に在る場合と比べて、メンテナンス部308が対向位置に到達するために必要な変位量(移動時間)が減る。これにより、前記印刷の一時停止期間を出来るだけ短くすることができ、印刷装置10によるスループットを向上させることができる。また、上述したように、ベルト19が支持位置から第1退避位置へ変位する過程では、ベルト19に付着していた紙粉は、ベルト19から剥離して下方へ落下する。メンテナンス部308の待機位置は経路A1と経路A2との交点よりも第2退避位置側であり、支持位置から第1退避位置へ変位するベルト19から剥離して下方へ落下する紙粉が付着し難い位置であると言える。そのため、第4実施形態のように、ステップS110の開始前にメンテナンス部308を第2退避位置から待機位置へ移動させても、待機位置に在るメンテナンス部308への紙粉の付着は回避される。なお制御部11は、ステップS110でベルト19を支持位置から第1退避位置へ退避させている期間中にメンテナンス部308を第2退避位置から待機位置へ変位させておく、としてもよい。
7.その他の説明:
ベルト19を所定の軸(駆動軸270)を中心にして回動させるための機構は、上述したベルト揺動部268に限定されないことは言うまでもない。当該機構は、ベルト19を、駆動軸27を中心に回動させて支持位置〜第1退避位置の間で変位させる手段であればよい。同様に、メンテナンス部308を変位させるための機構は、上述した移動台310、平行リンク機構312、ガイド部材314およびベース部材316等に限定されないことは言うまでもない。結果的にメンテナンス部308を第2退避位置〜対向位置で変位させられる手段であればあらゆる手段を採用可能である。
印刷ヘッド12が移動できない、いわゆるラインヘッドである場合に、本願のように搬送手段13の一部分(ベルト19)と、メンテナンス部308とが入れ替わりで印刷ヘッド12に対向する構成は有用であると言える。ただし、本願は、印刷ヘッド12が、キャリッジに搭載されて幅方向D1に沿って移動可能ないわゆるシリアルヘッドである場合にも適用可能である。
10…印刷装置、11…制御部、12…印刷ヘッド、13…搬送手段、14…ベルト搬送部、15…ベルト駆動モーター、16…揺動駆動モーター、17…メンテナンス手段、18…移動台駆動モーター、19…ベルト、20…蓋部、21…弾性体、246…ノズルヘッド部、266…ベルト駆動部、270…駆動軸、308…メンテナンス部、336…キャップ

Claims (5)

  1. 液体を吐出する印刷ヘッドを有する印刷装置であって、
    所定の軸を中心にして回動可能であり、用紙を前記印刷ヘッドと対向する位置に支持する支持位置と、前記支持位置から退避した第1退避位置と、の間で変位する支持部と、
    前記支持部と入れ替わりで前記印刷ヘッドと対向する対向位置において前記印刷ヘッドをメンテナンス可能であり、前記対向位置と、前記対向位置から退避した第2退避位置と、の間で変位するメンテナンス部と、を備え、
    前記支持部の前記支持位置から前記第1退避位置への変位の速度である第1速度は、前記支持部の前記第1退避位置から前記支持位置への変位の速度である第2速度よりも速い、ことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記支持部の前記第1退避位置から前記支持位置への変位の過程で、前記回動の角度が所定値を超えると当該変位の速度を減速させることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 液体を吐出する印刷ヘッドを有する印刷装置であって、
    所定の軸を中心にして回動可能であり、用紙を前記印刷ヘッドと対向する位置に支持する支持位置と、前記支持位置から退避した第1退避位置と、の間で変位する支持部と、
    前記支持部と入れ替わりで前記印刷ヘッドと対向する対向位置において前記印刷ヘッドをメンテナンス可能であり、前記対向位置と、前記対向位置から退避した第2退避位置と、の間で変位するメンテナンス部と、
    前記第2退避位置に在る前記メンテナンス部を覆う蓋部と、を備えることを特徴とする印刷装置。
  4. 前記メンテナンス部は、前記支持部が前記支持位置から前記第1退避位置へ変位する期間において、前記第2退避位置よりも前記対向位置に近い待機位置に在ることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の印刷装置。
  5. 前記メンテナンス部は、前記支持部が前記支持位置から前記第1退避位置への変位を開始する前に、前記第2退避位置から前記待機位置へ移動することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020121488A (ja) * 2019-01-31 2020-08-13 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 画像形成装置及び画像形成プログラム

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