JP2017164968A - 孔版印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】用紙捌き手段で発生した紙粉を除去しなくても、簡単な構造で用紙上に画像を良好に印刷できる孔版印刷装置を提供する。【解決手段】給紙台(51)上に積載された用紙Pを用紙捌き手段55で1枚ずつ捌いた後に、この用紙Pを回転自在な版胴(61)に巻回させた孔版原紙Mとプレスローラ72との間で挟持搬送しながら画像処理部(33)によって画像処理された画像を製版部(30)によって孔版原紙Mに穿孔され、穿孔された画像を通過したインク(IK)で用紙P上に印刷する孔版印刷装置1において、プレスローラ72A(72)は、用紙捌き手段55の所定の用紙捌き幅W2と対応する用紙捌き領域SR内に小径ローラ部72aが形成され、且つ、用紙捌き領域SR外に小径ローラ部72aよりも大径な大径ローラ部72r,72rが該小径ローラ部72aの両端側に連接形成されている。【選択図】図3
Description
本発明は、給紙台上に積載された用紙を用紙捌き手段によって1枚ずつ捌いた後に、この用紙を回転自在な版胴に巻回させた孔版原紙とプレスローラとの間で挟持搬送しながら孔版原紙の穿孔画像を通過したインクで用紙上に画像を印刷する孔版印刷装置に関する。
一般的に、孔版印刷装置は、回転可能な版胴(ドラム)の外周面の一部に設けた版取付台座側と開閉可能なクランプ板との間で製版済みの孔版原紙の先端部側をクランプさせて、この孔版原紙を版胴の外周面に沿って巻回させている。
そして、給紙部内の給紙ローラで給紙した用紙を用紙捌き手段で1枚ずつ捌いた後に、この用紙を版胴に対して接離可能に設けたプレスローラで孔版原紙側に押圧しながら版胴内に供給したインクを孔版原紙上に感熱穿孔した穿孔画像を通過させて、孔版原紙の穿孔画像と対応した画像を用紙上に印刷し、この後、印刷された用紙を版胴に接近して設置した剥離爪により版胴側から剥離して排紙部に排出することで、1版分の孔版原紙により同一の画像を多数枚印刷することができるので多用されている。
この種の孔版印刷装置の一例において、給紙トレイ上に積載された用紙を給紙ローラで給紙して分離ローラにより用紙を1枚ずつ分離した後に、この用紙を版胴に巻回させたマスタとプレスローラとの間に搬送する途中に、用紙が給紙ローラや分離ローラに接触したときの摩擦接触によって発生する紙粉を除去する除去手段を備えた孔版印刷装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された孔版印刷装置において、ここでの図示を省略するが、紙粉を除去する除去手段は、用紙を給紙する給紙手段と、プレスローラの版胴へのニップ部との間に設置されている。
具体的に説明すると、紙粉を除去する除去手段は、用紙の表面を清掃する回転ブラシと、回転ブラシに当接するフリッカローラと、フリッカローラに当接するフリッカブレードと、フリッカローラとフリッカブレードとの当接部の下方に横向きに形成された案内樋と、案内樋内に配置された搬送スクリュとがケース内に設けられている。
そして、給紙トレイ上に積載された用紙を給紙ローラにより給紙して分離ローラで用紙を1枚ずつ分離した後に、給紙ローラ及び分離ローラで発生した紙粉が付着した用紙の表面を回転ブラシのブラシ毛で清掃して、このブラシ毛に付着した紙粉をフリッカローラによって案内樋にはたき落として搬送スクリュによりケース外に排出している。
ところで、特許文献1に記載の孔版印刷装置では、前述したように、給紙時に紙粉が発生したときに、用紙の表面に付着した紙粉を回転ブラシで清掃しているので、紙粉が版胴側まで搬送されないが、紙粉を除去する除去手段が複雑であるために装置がコストアップになってしまうと共に、紙粉を除去する除去手段に対してメンテナンスが必要となるので問題である。
また、用紙の表面に付着した紙粉を回転ブラシで清掃するときに、この用紙にバックテンションがかかってしまい、これにより用紙上に紙シワが発生して用紙の搬送や用紙の印刷に悪影響を及ぼすので問題である。
そこで、本発明は、給紙台上に積載された用紙を用紙捌き手段で1枚ずつ捌いた後に、この用紙を回転自在な版胴に巻回させた孔版原紙とプレスローラとの間で挟持搬送しながら孔版原紙の穿孔画像を通過したインクで用紙上に画像を印刷する際、用紙捌き手段で発生した紙粉を除去しなくても、簡単な構造で用紙上に画像を良好に印刷できるように構成した孔版印刷装置を提供することを目的とする。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、第1の発明は、給紙台上に積載された用紙を用紙捌き手段で1枚ずつ捌いた後に、この用紙を回転自在な版胴に巻回させた孔版原紙とプレスローラとの間で挟持搬送しながら画像処理部によって画像処理された画像を製版部によって前記孔版原紙に穿孔され、穿孔された前記画像を通過したインクで前記用紙上に印刷する孔版印刷装置において、
前記プレスローラは、前記用紙捌き手段の所定の用紙捌き幅と対応する用紙捌き領域内に小径ローラ部が形成され、且つ、用紙捌き領域外に前記小径ローラ部よりも大径な大径ローラ部が該小径ローラ部の両端側に連接形成されていることを特徴とする孔版印刷装置である。
前記プレスローラは、前記用紙捌き手段の所定の用紙捌き幅と対応する用紙捌き領域内に小径ローラ部が形成され、且つ、用紙捌き領域外に前記小径ローラ部よりも大径な大径ローラ部が該小径ローラ部の両端側に連接形成されていることを特徴とする孔版印刷装置である。
また、第2の発明は、上記した第1の発明の孔版印刷装置において、
前記製版部は、前記孔版原紙のうち前記用紙捌き領域内に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径を前記用紙捌き領域外に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径よりも大径に穿孔することを特徴とする孔版印刷装置である。
前記製版部は、前記孔版原紙のうち前記用紙捌き領域内に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径を前記用紙捌き領域外に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径よりも大径に穿孔することを特徴とする孔版印刷装置である。
また、第3の発明は、上記した第2の発明の孔版印刷装置において、
前記プレスローラの前記小径ローラ部の直径をこの小径ローラ部の両端側に連接形成した前記大径ローラ部に向かって徐々に大径に形成し、前記用紙捌き領域内に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径を前記所定の用紙捌き幅の両側に位置する前記用紙捌き領域外に対応した領域に向かって徐々に小径に穿孔することを特徴とする孔版印刷装置である。
前記プレスローラの前記小径ローラ部の直径をこの小径ローラ部の両端側に連接形成した前記大径ローラ部に向かって徐々に大径に形成し、前記用紙捌き領域内に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径を前記所定の用紙捌き幅の両側に位置する前記用紙捌き領域外に対応した領域に向かって徐々に小径に穿孔することを特徴とする孔版印刷装置である。
また、第4の発明は、上記した第1の発明の孔版印刷装置において、
前記画像処理部は、前記孔版原紙のうち前記用紙捌き領域内に対応した領域で穿孔される画素穿孔によって前記用紙上で得られる印刷濃度と対応して前記用紙捌き領域外に対応した領域で穿孔される画素を間引くことを特徴とする孔版印刷装置である。
前記画像処理部は、前記孔版原紙のうち前記用紙捌き領域内に対応した領域で穿孔される画素穿孔によって前記用紙上で得られる印刷濃度と対応して前記用紙捌き領域外に対応した領域で穿孔される画素を間引くことを特徴とする孔版印刷装置である。
また、第5の発明は、上記した第1〜第4のいずれかの発明の孔版印刷装置において、
前記プレスローラの前記小径ローラ部の直径を前記用紙の用紙種類に応じて設定することを特徴とする孔版印刷装置である。
前記プレスローラの前記小径ローラ部の直径を前記用紙の用紙種類に応じて設定することを特徴とする孔版印刷装置である。
また、第6の発明は、上記した第1〜第5のいずれかの発明の孔版印刷装置において、
更に、前記孔版印刷装置内の環境温度を取得する温度取得部を備え、
前記プレスローラの表面は、ゴムから形成されており、
前記孔版原紙のうち前記用紙捌き領域内に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径と前記用紙捌き領域外に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径との差を、前記温度取得部で取得した前記環境温度が高いほど小さくすることを特徴とする孔版印刷装置である。
更に、前記孔版印刷装置内の環境温度を取得する温度取得部を備え、
前記プレスローラの表面は、ゴムから形成されており、
前記孔版原紙のうち前記用紙捌き領域内に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径と前記用紙捌き領域外に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径との差を、前記温度取得部で取得した前記環境温度が高いほど小さくすることを特徴とする孔版印刷装置である。
第1の発明の孔版印刷装置によると、プレスローラは、用紙捌き手段の所定の用紙捌き幅と対応する用紙捌き領域内に小径ローラ部が形成され、且つ、小径ローラ部の両端側に大径ローラ部が連接形成されている。これにより、用紙捌き手段で発生した紙粉を付着した用紙が、孔版原紙と、この孔版原紙側に押圧しているプレスローラとの間に送り込まれると、用紙捌き領域内に位置する小径ローラ部及び孔版原紙にそれぞれ付着する。しかし、プレスローラの小径ローラ部による用紙及び孔版原紙への押圧力は、大径ローラ部による押圧力よりも弱まるので、同一の孔版原紙を用いて複数枚の用紙への印刷を繰り返しても、用紙捌き領域内の孔版原紙上に紙粉による紙粉孔は全く発生しないために、用紙上に画像を良好に印刷することができる。更に、紙捌き手段に対する紙粉対策として、プレスローラに小径ローラ部を用紙捌き領域内に形成するだけであるので、装置の構造が簡単となり、この装置を安価に提供できる。
また、第2の発明の孔版印刷装置によると、製版部は、孔版原紙のうち用紙捌き領域内に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径を用紙捌き領域外に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径よりも大径に穿孔している。これにより、第1の発明の効果が得られる他に、孔版原紙を用いて印刷した用紙上では、用紙捌き領域外よりも用紙捌き領域内での印字濃度を高めているために、プレスローラの小径ローラ部による印字濃度の薄さを補うことができる。この結果、孔版原紙により用紙上に画像を印刷するときに、用紙上で用紙捌き領域内の印字濃度と、用紙捌き領域外の印字濃度とを略等しく設定することが可能になるので、用紙上に画像をより一層良好に印刷することができる。
また、第3の発明の孔版印刷装置によると、プレスローラの小径ローラ部の直径をこの小径ローラ部の両端側に連接形成した大径ローラ部に向かって徐々に大径に形成し、用紙捌き領域内に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径を所定の用紙捌き幅の両側に位置する用紙捌き領域外に対応した領域に向かって徐々に小径に穿孔している。これにより、第1,第2の発明の効果が得られる他に、孔版原紙により用紙上に画像を印刷するときに、用紙上で用紙捌き領域内の印字濃度と、用紙捌き領域外の印字濃度とを略等しく設定することが可能になると共に、用紙捌き領域内と用紙捌き領域外との境目で印字濃度の違いを目立たなくすることができるので、用紙上に画像をより一層良好に印刷することができる。
また、第4の発明の孔版印刷装置によると、画像処理部は、孔版原紙のうち用紙捌き領域内に対応した領域で穿孔される画素穿孔によって用紙上で得られる印刷濃度と対応して用紙捌き領域外に対応した領域で穿孔される画素を間引いている。これにより、第1の発明の効果が得られる他に、プレスローラの小径ローラ部により用紙捌き領域内の画素穿孔によって用紙上の印字濃度が薄くなるが、用紙捌き領域外でも画素穿孔が適宜間引かれているので用紙上の印字濃度が薄くなる。この結果、孔版原紙を用いて用紙上に画像を印刷するときに、用紙上で用紙捌き領域内の印字濃度と、用紙捌き領域外の印字濃度とを略等しく設定することが可能になるので、用紙上に画像を良好に印刷することができる。
また、第5の発明の孔版印刷装置によると、プレスローラの小径ローラ部の直径を用紙の用紙種類に応じて設定している。これにより、第1の発明の効果が得られる他に、ユーザが使用する用紙の用紙種類に基づいてプレスローラの形状を選択することで、紙粉が発生しやすい用紙を用いても孔版原紙上に紙粉による紙粉孔が発生せずに、用紙上に画像を良好に印刷することができる。
また、第6の発明の孔版印刷装置によると、孔版印刷装置内の環境温度を取得する温度取得部を備え、プレスローラの表面がゴムから形成されているときに、孔版原紙のうち用紙捌き領域内に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径と用紙捌き領域外に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径との差を、温度取得部で取得した環境温度が高いほど小さくする。即ち、孔版印刷装置内の環境温度が高くなって、プレスローラのゴムローラ径の硬度が低くなることで、用紙捌き領域の内外でのプレスローラの直径差が小さくなるため、用紙捌き領域内に穿孔する画素穿孔の径と用紙捌き領域外に穿孔した画素穿孔の径との差も小さくする。これにより、第1の発明の効果が得られる他に、ユーザが使用する環境に基づいた穿孔径を設定することで、印字濃度差も適度に緩和され、用紙上に画像を良好に印刷することができる。
以下に本発明に係る孔版印刷装置の一実施形態について、図1〜図5を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る孔版印刷装置の全体構成を示している。
図1に示す如く、本発明に係る孔版印刷装置1では、この装置1の外観を形成する装置筐体2が箱状に形成されている。
上記した孔版印刷装置1は、この装置1を操作する操作パネル部10と、画像や文字などの画像情報が記載された原稿を読み取る原稿読取部20と、原稿読取部20で読み取った原稿の画像情報に基いて1版分の孔版原紙(マスタとも呼称する)Mを製版する製版部30と、後述する印刷部60の版胴61の外周面61aの一部に設けた孔版原紙クランプ部65内のクランプ板67を開閉するカム駆動部40と、未印刷の用紙Pを1枚ずつ給紙する給紙部50と、回転可能な版胴61の外周面61aにクランプ板67を介して1版分の孔版原紙Mを巻回させて未印刷の用紙Pを印刷する印刷部60と、印刷済みの用紙Pを排出する排紙部80と、版胴61側から剥離された使用済みの孔版原紙Mを排版する排版部90と、孔版印刷装置1を全体的に制御する制御部95とで概略構成されている。
ここで、孔版印刷装置1内の各部について順を追って具体的に説明する。
まず、操作パネル部10は、装置筐体2の天面2aの左方(又は前面)に設置されている。この操作パネル部10は、詳細な図示を省略するが、印刷ジョブを行うための各種の機能釦と、テンキーと、液晶表示パネルなどを備えている。
そして、操作パネル部10では、ユーザが各種の機能釦を操作することにより、各部を動作させている。
次に、原稿読取部20は、装置筐体2の天面2a上に設置されている。この原稿読取部20は、詳細な図示を省略するが、画像や文字などの画像情報が記載された原稿を読み取るスキャナを備えており、読み取った画像情報を製版部30内に設けた画像処理部兼用サーマルヘッド駆動回路33に送っている。尚、製版部30内に設けた画像処理部兼用サーマルヘッド駆動回路33に送る画像情報は、原稿読取部20で読み取った画像情報の他に不図示のパソコンで作成した画像情報でも良い。
次に、製版部30は、装置筐体2内の右上方部位に設置されている。この製版部30は、ロール状に巻回されて樹脂フィルムと多孔質材の和紙とを重ね合わせて貼着した孔版原紙素材(マスタ素材)MSを収容する原紙素材収容部31と、この原紙素材収容部31よりも下流に配置されて孔版原紙素材MSを感熱穿孔する複数の発熱素子32aを紙面と垂直な主走査方向に沿って配列させたサーマルヘッド32と、原稿読取部20で読み取った原稿の画像情報(又は不図示のパソコンで作成した画像情報)に対して画像処理して、画像処理された画像情報に基づいてサーマルヘッド32に設けた複数の発熱素子32aにより熱エネルギーを印加する画像処理部兼用サーマルヘッド駆動回路33とを有する。
更に、製版部30は、サーマルヘッド32と対向して回転自在に配置されたプラテンローラ35と、サーマルヘッド32を孔版原紙素材MS介してプラテンローラ35側に接離自在に押圧するサーマルヘッド押圧機構部34と、プラテンローラ35をプラテンモータ駆動回路36を介して回転駆動するプラテンモータ37と、サーマルヘッド32及びプラテンローラ35よりも下流に配置された原紙素材送りローラ対38と、この原紙素材送りローラ対38よりも下流に配置された原紙カッター対39とを有する。
尚、製版部30内において、原紙カッター対39よりも下流には、製版済みの孔版原紙Mを印刷部60内の版胴61に向けて搬送する複数の搬送ローラ対などを有する搬送部が設けられているが、図示の都合上、ここでの搬送部の図示を省略している。
そして、製版部30では、サーマルヘッド32とプラテンローラ35とで孔版原紙素材MSを挟持搬送しながら、サーマルヘッド32により孔版原紙素材MSの樹脂フィルムに対して原稿読取部20で読み取った画像情報に基づいて穿孔画像を感熱穿孔している。
この後、穿孔画像が感熱穿孔された孔版原紙素材MSは、原紙カッター対39により最大サイズとなる例えばA3サイズ(420mm×297mm)の用紙Pと対応するサイズに切断されて1版分の孔版原紙(マスタ)Mを製版した後に、不図示の搬送部を介して製版済みの孔版原紙Mを印刷部60内の版胴61に向かって搬送している。
この際、製版部30で製版される1版分の孔版原紙Mは、本発明の要部の一部を構成する部材であり、用紙捌き手段55(56,57)で用紙Pを1枚ずつ捌いたときに発生する紙粉に対して紙粉対策を施しているが、この紙粉対策については後で詳述する。
次に、カム駆動部40は、ここでの詳細な図示を省略するが、印刷部60内の版胴61の上部及び製版部30の下流に接近して設置されており、1版分の孔版原紙Mを版胴61に着版させるときに版胴61の外周面61aの一部に設けた孔版原紙クランプ部65内のクランプ板67を開くためのカム(図示せず)を駆動している。
次に、給紙部50は、装置筐体2の左側面2b側に設置されている。この給紙部50は、未印刷の用紙Pを複数枚積載する給紙台51と、給紙台51上に積載された用紙Pを給紙するために後述する版胴モータ63の回転をギア列52により減速して用紙給紙方向に回転する給紙ローラ53及びこの給紙ローラ53よりも下流に配置された用紙捌き手段55の捌きローラ56と、この捌きローラ56と対向して設置された用紙捌き手段55の捌き板57と、用紙捌き手段55(56,57)よりも下流に配置されたレジストローラ対58とを有する。
そして、給紙部50では、給紙台51上に積載した複数の用紙Pのうちで最上層の用紙Pに給紙ローラ53が回転しながら圧接して上層の用紙Pを数枚取り出している。
この後、給紙ローラ53で取り出された数枚の用紙Pは、用紙捌き手段55の捌きローラ56と捌き板57との間で挟持搬送される際に摩擦接触により1枚ずつ捌かれて、下流のレジストローラ対58に向かって搬送されている。
ここで、レジストローラ対58は、回転停止中に用紙Pを突き当ててループLを形成することで用紙Pの斜行を補正し、この後、所定のタイミングで回転して用紙Pを下流の印刷部60に送っている。
次に、印刷部60は、装置筐体2内の略中央部位に設置されている。この印刷部60では、版胴61が例えばA3サイズの用紙Pの長手方向の寸法420mmに対応して外径φDが180mm程度に円筒状に形成され、且つ、A3サイズの用紙Pの短手方向の寸法297mmに対応して軸方向が長尺に形成されている。
そして、版胴61は、中心軸62を中心にして版胴モータ63によって図示反時計方向に例えば1秒で1回転(60rpm)の速度で回転駆動されるようになっている。
また、版胴61の中心軸62の一端面側には、インクIKを挿入するためのインク挿入口62aが形成されており、版胴61内に供給されたインクIKは多孔性を有する版胴61の外周面61aから孔版原紙Mに向って滲み出るようになっている。
上記した版胴モータ63は減速ギアを内蔵したギアードモータであり、この版胴モータ63の後端軸部(図示せず)にエンコーダ64が取り付けられており、このエンコーダ64によって版胴61が回転したときの回転角度を示すパルスが順次出力されている。
また、版胴61の外周面61aの一部には、孔版原紙Mの先端部側をクランプする孔版原紙クランプ部65が設けられている。
上記した孔版原紙クランプ部65は、版胴61の外周面61aの一部に固定設置された版取付台座66と、この版取付台座66上に1版分の孔版原紙Mをクランプする開閉可能なクランプ板67とを有している。
尚、版取付台座66上には、排版時に使用済みの孔版原紙Mの先端部側を版胴61側から跳ね上げる不図示の跳ね上げ板がカム駆動部40と連動して開閉可能に設けられている。
また、版胴61の外周面61aのうちで版取付台座66よりも回転方向下流側には反射防止材68が取り付けられている。これに伴って、版胴61の外周面61aの外側には、版胴61上の版取付台座66が上方に至ったときの反射防止材68の位置と対応して光反射型センサ69が設置されている。そして、反射防止材68と光反射型センサ69とにより版胴61の外周面61a上での孔版原紙Mの有無を検出可能になっている。
また、版胴61内の下方には、回転固定のドクターローラ70とインクローラ71とが互に添接しながら回転自在に設けられている。また、ドクターローラ70とインクローラ71と間に版胴61の中心軸62から供給されたインクIKが溜まっており、このインクIKはドクターローラ70とインクローラ71との隙間を通過してこのインクローラ71の外周面から版胴61の外周面61aに巻回された孔版原紙Mに供給されるようになっている。
また、版胴61の下方には、プレスローラ72がプレスローラ押圧機構部73により版胴61の外周面61aに対して所定の押圧力で接離自在に設けられている。このプレスローラ72は、表面が所定のゴム硬度を有するゴムで形成されている。
上記したプレスローラ72は、本発明の要部の一部を構成する部材であり、用紙捌き手段55(56,57)で用紙Pを1枚ずつ捌いたときに発生する紙粉に対して紙粉対策を施しているが、この紙粉対策については後で詳述する。
この際、プレスローラ72は、版胴61の回転に伴って外周面61aの一部に設けたクランプ板67が下方に至って通過するときに、外周面61aから離間するようになっている。
更に、版胴61の右下方には、剥離爪74が版胴61の外周面61aに接近して設置されている。この剥離爪74は、印刷部60で印刷された印刷済みの用紙Pを版胴61の外周面61a側から剥離する機能を備えている。
更に、プレスローラ72の近傍には、孔版印刷装置1内の環境温度を取得する温度取得部75が設置されており、この温度取得部75は例えば周知の温度計を用いている。
そして、温度取得部75によって得られた孔版印刷装置1内の環境温度は、制御部95に入力されており、この環境温度が後述する紙粉対策時に機能している。尚、温度取得部75は、図示された場所に限らず、製版部30にある不図示のサーミスタや版胴61内の温度センサを用いても良い。
そして、印刷部60では、版胴61が右上方部位に設定した版胴基準位置から反時計方向に回転を開始して、版胴61の外周面61aの一部に開閉可能に取り付けたクランプ板67が上方の着版位置に至ったときに、カム駆動部40によりクランプ板67を開いて製版部30から送られた製版済みの孔版原紙Mをクランプしている。
この後、版胴61を回転させながら版胴61の外周面61aに取り付けた反射防止材68からの反射状態を光反射型センサ69で見て孔版原紙有りを制御部95を介して検出し、更に版胴61を反時計方向に回転させると、版胴61の外周面61aに沿って1版分の孔版原紙Mが巻回される。
そして、孔版原紙Mをクランプしたクランプ板67がプレスローラ72を通過した後に、プレスローラ72で給紙部50から送られた未印刷の用紙Pを版胴61の外周面61aに巻回させた製版済みの孔版原紙Mに押し当てて、用紙Pを下流側に向かって搬送しながら版胴61内に供給されたインクIKを孔版原紙Mを通して用紙P上に孔版原紙Mの穿孔画像に対応した画像を印刷している。
次に、排紙部80は、装置筐体2の右側面2c側に設置されている。この排紙部80は、印刷済みの用紙Pを排紙する排紙ローラ対81と、印刷済みの用紙Pを積載する排紙台82とを有する。
そして、排紙部80では、印刷済みの用紙Pが版胴61側から剥離爪74により剥離されて排紙ローラ対81を介して排紙台82上に排出されている。
次に、排版部90は、装置筐体2内で版胴61の左上方部位に設置されている。この排版部90では、不図示の跳ね上げ板によって版胴61の外周面61aから剥離された使用済みの孔版原紙Mが不図示の排版箱内に収納されている。
次に、制御部95は、装置筐体2内の適宜な位置に設置されている。この制御部95は、装置1を全体的に制御するCPU95aと、孔版印刷装置1の動作プログラムなどを格納したROM95bと、孔版印刷装置1内で変更可能な各種の情報などを一時的に記憶するRAM95cと、版胴モータ63に取り付けたエンコーダ64から出力されるパルスの数を計数するカウンタ95dとを内部に有している。
上記のように構成した本発明に係る孔版印刷装置1において、給紙部50の給紙台51上に積層された用紙Pを給紙ローラ53により給紙して用紙捌き手段55の捌きローラ56と捌き板57とで1枚ずつ捌いたときに摩擦接触により紙粉が発生し、この紙粉が用紙Pに付着されたまま印刷部60に送られる。
この際、本発明では上記した紙粉を除去することなく、印刷部60で用紙Pを良好に印刷ができるように紙粉対策を施しており、以下、この紙粉対策について第1〜第3実施形態に対する比較例,第1〜第3実施形態の順に図2〜図5を用いて説明する。
[第1〜第3実施形態に対する比較例]
本発明の第1〜第3実施形態に係る孔版印刷装置1を説明する前に、第1〜第3実施形態に対する比較例について先に説明する。
本発明の第1〜第3実施形態に係る孔版印刷装置1を説明する前に、第1〜第3実施形態に対する比較例について先に説明する。
図2は本発明の第1〜第3実施形態に係る孔版印刷装置に対する比較例を説明するために模式的に示しており、(a)は用紙捌き手段を示し、(b)はプレスローラ及び孔版原紙を示している。
図2(a)に示す如く、第1〜第3実施形態に対する比較例において、用紙捌き手段55の捌きローラ56は、用紙幅W1が297mのA3サイズの用紙Pに対応しており、且つ、用紙幅方向の中心線を中心にして対称に形成されている。
また、捌きローラ56は、ローラ部56aが用紙幅方向の中心線を中心にして所定の用紙捌き幅W2で形成されており、且つ、ローラ部56aの両端側に軸部56j,56jが長尺に形成されている。この際、捌きローラ56に形成したローラ部56aの所定の用紙捌き幅W2は、用紙幅W1=297mに対して例えば40mm程度に設定されている。
一方、用紙捌き手段55の捌き板57は、ゴムなどの摩擦部材を用いて捌きローラ56のローラ部56aと略同じ所定の用紙捌き幅W2で形成されている。また、捌き板57は、不図示の圧接手段を介して捌きローラ56のローラ部56aに圧接している。
そして、捌きローラ56を回転させながら用紙Pを捌きローラ56のローラ部56aと捌き板57との間で挟持搬送すると、用紙Pがローラ部56aと捌き板57とに接触したときの摩擦接触によって紙粉Pdが発生し、この紙粉Pdがローラ部56aを介して用紙P上に付着し、更に、紙粉Pdが付着した用紙Pは印刷部60(図1)に向かって搬送される。
この際、用紙Pの用紙種類によって、用紙捌き手段55により用紙Pを1枚ずつ捌いたときに紙粉Pdが多量に発生する。
一方、図2(b)に示す如く、比較例におけるプレスローラ72Hも、用紙幅方向の中心線を中心にして対称に形成されている。
このプレスローラ72Hは、大径ローラ部72rが孔版原紙Mの幅より僅かに幅広く長尺に形成されており、且つ、長手方向の全幅に亘って直径φD1で大径に形成されている。
また、プレスローラ72Hの大径ローラ部72rの両端側に軸部72j,72jが短尺に形成されている。
また、先に図1に示したように印刷部60の版胴61に巻回させた孔版原紙Mは、製版部30内に設けられた画像処理部兼用サーマルヘッド駆動回路33を介してサーマルヘッド32に設けた複数の発熱素子32aによって画素穿孔Mg1の径がφd1となる熱エネルギーで予め感熱穿孔されている。
そして、用紙捌き手段55で発生した紙粉Pdを付着した用紙Pが、孔版原紙Mと、この孔版原紙M側に押圧しているプレスローラ72Hの大径ローラ部72rとの間に送り込まれると、用紙P上に付着した紙粉Pdが用紙捌き手段55の所定の用紙捌き幅W2と対応する用紙捌き領域SR内に位置する大径ローラ部72r及び孔版原紙Mにそれぞれ転写されて付着する。
この後、印刷部60で同じ孔版原紙Mにより複数枚の用紙Pへの印刷が繰り返されると、プレスローラ72Hの大径ローラ部72rによる押圧力で孔版原紙Mの用紙捌き領域SR内に付着した紙粉Pdが押し潰されてこの用紙捌き領域SR内に紙粉孔Mhが発生してしまう。
従って、紙粉孔Mhが発生した孔版原紙Mを用いて複数枚の用紙上に画像を印刷すると、紙粉孔Mhによる黒い点が印刷されてしまい、用紙P上に印刷した画像の品質が低下してしまう。
そこで、本発明では、用紙捌き手段55で発生した紙粉Pdを除去せずに、下記する第1〜第3実施形態のいずれかを適用することで、用紙P上に画像を良好に印刷できるように紙粉対策を施している。
[第1実施形態]
図3は本発明の第1実施形態に係る孔版印刷装置を説明するために模式的に示しており、(a)は用紙捌き手段を示し、(b)はプレスローラ及び孔版原紙を示している。
図3は本発明の第1実施形態に係る孔版印刷装置を説明するために模式的に示しており、(a)は用紙捌き手段を示し、(b)はプレスローラ及び孔版原紙を示している。
図3(a),(b)に示した第1実施形態では、用紙捌き手段55の捌きローラ56と捌き板57とで用紙Pを挟持搬送している最中に用紙Pの摩擦接触により紙粉Pdが発生したときに対応させて、プレスローラ72A(72)の用紙捌き領域SR内と、孔版原紙M1(M)の用紙捌き領域SR内とに対して紙粉対策を施している。
具体的に説明すると、図3(a)に示す如く、第1実施形態において、用紙捌き手段55の捌きローラ56は、先に説明した比較例の場合と同様に、例えばA3サイズの用紙Pの用紙幅W1=297mmに対して、ローラ部56aが用紙幅方向の中心線を中心にして対称に所定の用紙捌き幅W2で形成されており、且つ、ローラ部56aの両端側に軸部56j,56jが長尺に形成されている。この際、捌きローラ56のローラ部56aの所定の用紙捌き幅W2は、用紙幅W1=297mに対して例えば40mm程度に設定されている。
一方、用紙捌き手段55の捌き板57も、先に説明した比較例の場合と同様に、ゴムなどの摩擦部材を用いて捌きローラ56のローラ部56aと略同じ所定の用紙捌き幅W2で形成されている。また、捌き板57は、不図示の圧接手段を介して捌きローラ56のローラ部56aに圧接している。
そして、捌きローラ56を回転させながら用紙Pを捌きローラ56のローラ部56aと捌き板57との間で挟持搬送すると、用紙Pがローラ部56aと捌き板57とに接触したときの摩擦接触によって紙粉Pdが発生し、この紙粉Pdがローラ部56aを介して用紙P上に付着し、更に、紙粉Pdが付着した用紙Pは印刷部60(図1)に向かって搬送される。
一方、図3(b)に示す如く、第1実施形態におけるプレスローラ72A(72)は、用紙幅方向の中心線を中心にして対称に形成されている。
このプレスローラ72Aは、用紙捌き手段55の所定の用紙捌き幅W2と対応する用紙捌き領域SR内に小径ローラ部72aが所定の用紙捌き幅W2で形成され、且つ、用紙捌き領域SR外に小径ローラ部72aよりも大径な大径ローラ部72r,72rがこの小径ローラ部72aの両端側に長尺に連接形成されている。
更に、プレスローラ72Aは、大径ローラ部72r,72rの各両端側に軸部72j,72jが短尺に形成されている。
この際、プレスローラ72Aの大径ローラ部72r,72rの各直径φD1は、先に図2を用いて説明した比較例におけるプレスローラ72Hの大径ローラ部72rと同径である。
一方、プレスローラ72Aの小径ローラ部72aは、プレスローラ72Aの大径ローラ部72r,72rの各直径φD1よりも数%程度小さい直径φD2に形成されているが、図3(b)中では小径ローラ部72aの直径φD2を大径ローラ部72r,72rの各直径φD1に対して誇張して図示している。
上記のように第1実施形態におけるプレスローラ72Aを形成したときに、用紙捌き手段55で発生した紙粉Pdを付着した用紙Pが、孔版原紙M1と、この孔版原紙M1側に押圧しているプレスローラ72Aとの間に送り込まれると、用紙P上に付着した紙粉Pdが用紙捌き領域SR内に位置するプレスローラ72Aの小径ローラ部72a及び孔版原紙M1にそれぞれ転写されて付着する。
しかし、プレスローラ72Aの小径ローラ部72aによる用紙P及び孔版原紙M1への押圧力は、大径ローラ部72r,72rによる押圧力よりも弱まるので、同一の孔版原紙M1を用いて複数枚の用紙Pへの印刷を繰り返しても、用紙捌き領域SR内の孔版原紙M1上に付着した紙粉Pdは、プレスローラ72Aの小径ローラ部72aで押し潰されない。
これにより、用紙捌き領域SR内の孔版原紙M1上には、紙粉Pdによる紙粉孔は全く発生しない。
従って、プレスローラ72Aのうちで用紙捌き手段55の所定の用紙捌き幅W2と対応する用紙捌き領域SR内に小径ローラ部72aを形成しているので、孔版原紙M1上に先に図2を用いた比較例で説明したような紙粉Pdによる紙粉孔Mhの発生を防止できるために、用紙P上に画像を良好に印刷することができる。更に、用紙捌き手段55に対する紙粉対策として、プレスローラ72Aに小径ローラ部72aを用紙捌き領域SR内に形成するだけであるので、装置1の構造が簡単となり、この装置1を安価に提供できる。
この際、プレスローラ72Aの小径ローラ部72aによる用紙P及び孔版原紙M1への押圧力が弱まると、用紙P上で用紙捌き領域SR内の印字濃度が薄くなる。
そこで、図3(b)に示す如く、先に図1に示した製版部30では、孔版原紙M1を製版するときに、制御部95の指令に基いて画像処理部兼用サーマルヘッド駆動回路33による画像処理により複数の発熱素子32aへ印加する熱エネルギーを、孔版原紙M1上での用紙捌き領域SR内と用紙捌き領域SR外とに分けて制御している。
即ち、第1実施形態における孔版原紙M1(M)は、画像処理部兼用サーマルヘッド駆動回路33内での画像処理により、用紙捌き領域SR内に対応した領域で穿孔される画素穿孔Mg2の径φd2を、用紙捌き領域SR外に対応した領域で穿孔される画素穿孔Mg1の径φd1よりも熱エネルギーを増やして大径に穿孔している。
これにより、孔版原紙M1を用いて印刷した用紙P上では、用紙捌き領域SR外よりも用紙捌き領域SR内での印字濃度を高めている。
上記のように第1実施形態における孔版原紙M1を製版部30(図1)で予め製版するときに、孔版原紙M1のうち用紙捌き領域SR内に対応した領域で穿孔される画素穿孔Mg2の径φd2を用紙捌き領域SR外に対応した領域で穿孔される画素穿孔Mg1の径φd1よりも大径に穿孔することで、プレスローラ72Aの小径ローラ部72aによる印字濃度の薄さを補うことができる。
この結果、孔版原紙M1により用紙P上に画像を印刷するときに、用紙P上で用紙捌き領域SR内の印字濃度と、用紙捌き領域SR外の印字濃度とを略等しく設定することが可能になるので、用紙P上に画像をより一層良好に印刷することができる。
[第2実施形態]
図4は本発明の第2実施形態に係る孔版印刷装置を説明するために模式的に示しており、(a)は用紙捌き手段を示し、(b)はプレスローラ及び孔版原紙を示している。
図4は本発明の第2実施形態に係る孔版印刷装置を説明するために模式的に示しており、(a)は用紙捌き手段を示し、(b)はプレスローラ及び孔版原紙を示している。
図4(a),(b)に示した第2実施形態でも、先に図4(a),(b)を用いて説明した第1実施形態と同様に、用紙捌き手段55の捌きローラ56と捌き板57とで用紙Pを挟持搬送している最中に用紙Pの摩擦接触により紙粉Pdが発生したときに対応させて、プレスローラ72B(72)の用紙捌き領域SR内と、孔版原紙M2の用紙捌き領域SR内とに対して紙粉対策を施している。
この第2実施形態では、第1実施形態と同様な点については図示のみとして説明を省略し、第1実施形態に対して異なる点を中心して説明する。
具体的に説明すると、図3(b)に示す如く、第2実施形態におけるプレスローラ72B(72)は、用紙幅方向の中心線を中心にして用紙捌き手段55と対応する用紙捌き領域SRが所定の用紙捌き幅W2=40mm程度に設定されている。
そして、プレスローラ72Bは、用紙捌き領域SR内に小径ローラ部72aが用紙幅方向の中心線を中心にして所定の用紙捌き幅W2より幅狭い幅W3で直径φD2に形成されており、この小径ローラ部72aの両端側に連接して小径傾斜ローラ部72b,72bが大径ローラ部72r,72rに向かって各径が徐々に大きくなるように傾斜して対称に形成されている。
これにより、プレスローラ72Bは、小径ローラ部として小径ローラ連接部72b,72a,72bの各径が大径ローラ部72r,72rに向かって徐々に大径になることで、小径ローラ連接部72b,72a,72bによる孔版原紙M2側への押圧力は、大径ローラ部72r,72rに向かって徐々に増大し、印字濃度も大径ローラ部72r,72rに向かって徐々に増加する。
従って、プレスローラ72Bの小径ローラ連接部72b,72a,72bの両端側に連接して形成した大径ローラ部72r,72rへの接続が第1実施形態よりもなめらかになる。
更に、プレスローラ72Bの小径ローラ連接部72b,72a,72bによる孔版原紙M2側への押圧力は、大径ローラ部72r,72rによる押圧力よりも弱まるので、複数枚の用紙Pへの印刷を繰り返しても用紙捌き領域SR内の孔版原紙M2上に紙粉Pdによる紙粉孔は全く発生しない。
上記に伴って、第2実施形態における孔版原紙M2(M)は、プレスローラ72B(72)の小径ローラ連接部72b,72a,72bの形状に合わせて、画像処理部兼用サーマルヘッド駆動回路33内での画像処理により、用紙捌き領域SR内の中央部位に画素穿孔Mg2が径φd2で大径に穿孔され、この画素穿孔Mg2の両側に画素穿孔Mg3が画素穿孔Mg2の径φd2より小さい径φd3で穿孔され、更に、この画素穿孔Mg3の両側に画素穿孔Mg4が画素穿孔Mg3の径φd3より小さい径φd4で穿孔されている。
この際、用紙捌き領域SR内に対応した領域で穿孔される画素穿孔Mg2,Mg3,Mg4の各径φd2,φd3,φd4は、φd2>φd3>φd4の順に徐々に小さくなると共に、各径φd2,φd3,φd4は用紙捌き領域SR外に対応した領域で穿孔される画素穿孔Mg1の径φd1よりも大径である。
上記のように第2実施形態における孔版原紙M2を製版部30(図1)で予め製版することで、孔版原紙M2のうち用紙捌き領域SR内に対応した領域で穿孔される画素穿孔Mg2,Mg3,Mg4の各径φd2,φd3,φd4を所定の用紙捌き幅W2の両側に位置する用紙捌き領域SR外に対応した領域に向かって徐々に小径に穿孔することで、プレスローラ72Aの小径ローラ連接部72b,72a,72bによる印字濃度の薄さを補うことができる。
この結果、孔版原紙M2により用紙P上に画像を印刷するときに、用紙P上で用紙捌き領域SR内の印字濃度と、用紙捌き領域SR外の印字濃度とを略等しく設定することが可能になると共に、用紙捌き領域SR内と用紙捌き領域SR外との境目で印字濃度の違いを目立たなくすることができる。これにより、用紙P上に画像をより一層良好に印刷することができる。
[第3実施形態]
図5は本発明の第2実施形態に係る孔版印刷装置を説明するために模式的に示しており、(a)は用紙捌き手段を示し、(b)はプレスローラ及び孔版原紙を示している。
図5は本発明の第2実施形態に係る孔版印刷装置を説明するために模式的に示しており、(a)は用紙捌き手段を示し、(b)はプレスローラ及び孔版原紙を示している。
図5(a),(b)に示した第3実施形態では、用紙捌き手段55の捌きローラ56と捌き板57とで用紙Pを挟持搬送している最中に用紙Pの摩擦接触により紙粉Pdが発生したときに対応させて、第1実施形態と同様な形状のプレスローラ72C(72)の用紙捌き領域SR内と、第1,第2実施形態とは異なって孔版原紙M3(M)の用紙捌き領域SR外とに対して紙粉対策を施している。
この第3実施形態では、第1実施形態と同様な点については図示のみとして説明を省略し、第1実施形態に対して異なる点を中心して説明する。
具体的に説明すると、図5(b)に示す如く、第3実施形態におけるプレスローラ72C(72)は、第1実施形態と同様に、用紙捌き手段55と対応する用紙捌き領域SR内に小径ローラ部72aが所定の用紙捌き幅W2=40mm程度で直径φD2で小径に形成されている。
従って、プレスローラ72Cの小径ローラ部72aによる孔版原紙M3側への押圧力は、大径ローラ部72r,72rによる押圧力よりも弱まるので、複数枚の用紙Pへの印刷を繰り返しても用紙捌き領域SR内の孔版原紙M3上に紙粉Pdによる紙粉孔は全く発生しない。
しかし、第1実施形態と同様に、プレスローラ72Cの小径ローラ部72aによる孔版原紙M3側への押圧力が弱まると、用紙P上で用紙捌き領域SR内の印字濃度が薄くなる。
上記に伴って、第3実施形態における孔版原紙M3(M)は、画像処理部兼用サーマルヘッド駆動回路33内での画像処理により、画素穿孔Mg1が全て径φd1に形成されているが、用紙捌き領域SR外に対応した領域で穿孔される画素穿孔Mg1は適宜間引いて穿孔されている。一方、用紙捌き領域SR内に対応した領域で穿孔される画素穿孔Mg1は間引くことなく穿孔されている。
従って、孔版原紙M3は、用紙捌き領域SR内に対応した領域で穿孔される画素穿孔Mg1によって用紙P上で得られる印刷濃度と対応して用紙捌き領域SR外に対応した領域で穿孔される画素穿孔Mg1を適宜間引いている。これにより、プレスローラ72Cの小径ローラ部72aにより用紙捌き領域SR内に対応した領域で穿孔される画素穿孔Mg1によって用紙P上の印字濃度が薄くなるが、用紙捌き領域SR外に対応した領域で穿孔される画素穿孔Mg1が適宜間引かれているので用紙P上の印字濃度が薄くなる。
この結果、孔版原紙M3を用いて用紙P上に画像を印刷するときに、用紙P上で用紙捌き領域SR内の印字濃度と、用紙捌き領域SR外の印字濃度とを略等しく設定することが可能になるので、用紙P上に画像を良好に印刷することができる。
また、ユーザが使用する用紙Pの用紙種類によって適用するプレスローラ72(72A,72B,72C)を制御部95(図1)のRAM95c内に予め設定しておく。更に、プレスローラ72A,72Cの各小径ローラ部72aの径寸法,プレスローラ72Bの小径ローラ連接部72b,72a,72bの各径寸法を用紙Pの用紙種類に応じて設定してテーブル形式で制御部95(図1)のRAM95c内に記憶させておく。
そして、ユーザが使用する用紙Pの用紙種類に基づいてサービスマンがRAM95c内のテーブルから最適な形状のプレスローラ72(72A,72B,72C)を選択して交換することで、孔版原紙M(M1,M2,M3)上に紙粉Pdによる紙粉孔が発生せずに、用紙P上に画像を良好に印刷することができる。
更に、前述したように、孔版印刷装置1内には環境温度を取得する温度取得部75(図1)が設置されており、且つ、プレスローラ72(72A,72B,72C)の表面はゴムから形成されている。
そこで、第1〜第3実施形態において、製版部30(図1)で孔版原紙Mを製版する際に、画像処理部兼用サーマルヘッド駆動回路33内での画像処理により、孔版原紙Mのうち用紙捌き領域SR内に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径と用紙捌き領域SR外に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径との差を、温度取得部(75)で取得した環境温度が高いほど小さくする。
即ち、孔版印刷装置1内の環境温度が高くなって、プレスローラ72(72A,72B,72C)のゴムローラ径の硬度が低くなることで、用紙捌き領域SRの内外でのプレスローラ72(72A,72B,72C)の直径差が小さくなるため、用紙捌き領域SR内に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径と用紙捌き領域SR外に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径との差も小さくする。
これにより、ユーザが使用する環境に基づいた穿孔径を設定することで、印字濃度差も適度に緩和され、用紙P上に画像を良好に印刷することができる。
1…孔版印刷装置、2…装置筐体、
10…操作パネル部、20…原稿読取部、
30…製版部、31…原紙素材収容部、32…サーマルヘッド、32a…発熱素子、
33…画像処理部兼用サーマルヘッド駆動回路、34…サーマルヘッド押圧機構部、
35…プラテンローラ、36…プラテンモータ駆動回路、37…プラテンモータ、
38…原紙素材送りローラ対、39…原紙カッター対、40…カム駆動部、
50…給紙部、51…給紙台、52…ギア列、53…給紙ローラ、
55…用紙捌き手段、56…捌きローラ、56a…ローラ部、56j…軸部、
57…捌き板、58…レジストローラ対、
60…印刷部、61…版胴、61a…外周面、62…中心軸、62a…インク挿入口、
63…版胴モータ、64…エンコーダ、
65…孔版原紙クランプ部、66…版取付台座、67…クランプ板、
68…反射防止材、69…光反射型センサ、
70…ドクターローラ、71…インクローラ、
72,72A,72B,72C…プレスローラ、72a…小径ローラ部、
72b…小径傾斜ローラ部、72b,72a,72b…小径ローラ連接部、
72r…大径ローラ部、
73…プレスローラ押圧機構部、74…剥離爪、75…温度取得部(温度計)、
80…排紙部、90…排版部、95…制御部、
IK…インク、L…ループ、
M,M1,M2,M3…孔版原紙、Mg1〜Mg4…画素穿孔、Mh…紙粉孔、
P…用紙、Pd…紙粉、SR…用紙捌き領域、
W1…用紙幅、W2…用紙捌き幅。
10…操作パネル部、20…原稿読取部、
30…製版部、31…原紙素材収容部、32…サーマルヘッド、32a…発熱素子、
33…画像処理部兼用サーマルヘッド駆動回路、34…サーマルヘッド押圧機構部、
35…プラテンローラ、36…プラテンモータ駆動回路、37…プラテンモータ、
38…原紙素材送りローラ対、39…原紙カッター対、40…カム駆動部、
50…給紙部、51…給紙台、52…ギア列、53…給紙ローラ、
55…用紙捌き手段、56…捌きローラ、56a…ローラ部、56j…軸部、
57…捌き板、58…レジストローラ対、
60…印刷部、61…版胴、61a…外周面、62…中心軸、62a…インク挿入口、
63…版胴モータ、64…エンコーダ、
65…孔版原紙クランプ部、66…版取付台座、67…クランプ板、
68…反射防止材、69…光反射型センサ、
70…ドクターローラ、71…インクローラ、
72,72A,72B,72C…プレスローラ、72a…小径ローラ部、
72b…小径傾斜ローラ部、72b,72a,72b…小径ローラ連接部、
72r…大径ローラ部、
73…プレスローラ押圧機構部、74…剥離爪、75…温度取得部(温度計)、
80…排紙部、90…排版部、95…制御部、
IK…インク、L…ループ、
M,M1,M2,M3…孔版原紙、Mg1〜Mg4…画素穿孔、Mh…紙粉孔、
P…用紙、Pd…紙粉、SR…用紙捌き領域、
W1…用紙幅、W2…用紙捌き幅。
Claims (6)
- 給紙台上に積載された用紙を用紙捌き手段で1枚ずつ捌いた後に、この用紙を回転自在な版胴に巻回させた孔版原紙とプレスローラとの間で挟持搬送しながら画像処理部によって画像処理された画像を製版部によって前記孔版原紙に穿孔され、穿孔された前記画像を通過したインクで前記用紙上に印刷する孔版印刷装置において、
前記プレスローラは、前記用紙捌き手段の所定の用紙捌き幅と対応する用紙捌き領域内に小径ローラ部が形成され、且つ、用紙捌き領域外に前記小径ローラ部よりも大径な大径ローラ部が該小径ローラ部の両端側に連接形成されていることを特徴とする孔版印刷装置。 - 前記製版部は、前記孔版原紙のうち前記用紙捌き領域内に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径を前記用紙捌き領域外に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径よりも大径に穿孔することを特徴とする請求項1に記載の孔版印刷装置。
- 前記プレスローラの前記小径ローラ部の直径をこの小径ローラ部の両端側に連接形成した前記大径ローラ部に向かって徐々に大径に形成し、前記用紙捌き領域内に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径を前記所定の用紙捌き幅の両側に位置する前記用紙捌き領域外に対応した領域に向かって徐々に小径に穿孔することを特徴とする請求項2に記載の孔版印刷装置。
- 前記画像処理部は、前記孔版原紙のうち前記用紙捌き領域内に対応した領域で穿孔される画素穿孔によって前記用紙上で得られる印刷濃度と対応して前記用紙捌き領域外に対応した領域で穿孔される画素を間引くことを特徴とする請求項1に記載の孔版印刷装置。
- 前記プレスローラの前記小径ローラ部の直径を前記用紙の用紙種類に応じて設定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の孔版印刷装置。
- 更に、前記孔版印刷装置内の環境温度を取得する温度取得部を備え、
前記プレスローラの表面は、ゴムから形成されており、
前記孔版原紙のうち前記用紙捌き領域内に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径と前記用紙捌き領域外に対応した領域で穿孔される画素穿孔の径との差を、前記温度取得部で取得した前記環境温度が高いほど小さくすることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の孔版印刷装置。
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