JP2017163166A - 貼合装置および貼合処理方法 - Google Patents
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しかしながら、載置台に設けられた静電チャックや真空チャックを用いて基板を載置台の載置面に吸引すると、基板が載置面に倣うように吸引、保持されることになる。
そのため、基板が処理に適さないような形状に変形してしまうおそれがある。特に、シリコンウェーハなどのように基板の厚みが薄くなると載置面の状態の影響が顕著になる。 そして、基板が処理に適さないような形状に変形してしまうと、例えば、基板の貼り合わせ処理において適正な位置からずれた位置に基板が貼り合わされたりするおそれがある。
また、基板と、載置台の載置面とが接触するため、基板が損傷したり、パーティクルが発生したりするおそれもある。
図1は、本実施形態に係る貼合装置1を例示するための模式図である。
図1は、2枚の基板の貼り合わせ面同士を貼り合わせて1枚の基板を作成する貼合装置1を例示するものである。
貼合装置1は、例えば、2枚のシリコンウェーハを直接貼り合わせるものとすることができる。
図1に示すように、貼合装置1には、処理容器11、基板保持部12、基板支持部13、押圧部14、排気部15、測定部16、検出部17が設けられている。
基板保持部12は、基板W1を浮上させた状態で保持する。
基板保持部12には、本体部12a、ガス供給部12bが設けられている。
本体部12aは、円柱状を呈し、基板W1を保持する側の面12a1に開口するノズル12a2を有している。
図2は、ノズル12a2の配置を例示するための模式図である。
なお、図2は、図1におけるA−A矢視図である。
図2に示すように、ノズル12a2は、面12a1の基板W1の中央領域に対峙する領域12a1a、面12a1の基板W1の周縁領域に対峙する領域12a1b、面12a1の基板W1の中央領域と周縁領域との間の領域に対峙する領域12a1cにそれぞれ設けられている。
なお、ノズル12a2の配置や数は例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。例えば、基板W1の反りが発生しやすい領域や、基板W1を変形させることが必要な領域に集中してノズル12a2を配置することができる。
なお、ノズル12a2の作用に関する詳細は後述する。
ガス供給源12b1、温度制御部12b2、流量制御部12b3、開閉弁12b4は、領域12a1a〜12a1cに設けられた1群のノズル12a2毎にそれぞれ設けられている。そのため、領域12a1a〜12a1c毎にガスの温度、ガスの流量、ガスの供給と停止が制御できるようになっている。
基板W1が当初から変形していない場合は、基板W1の面内温度が均一になるように領域12a1a〜12a1c毎にガスの温度を制御し、基板W1を変形させないようにすることができる。
また、基板W1が当初から変形している場合もある。この場合、基板W1の変形が小さい場合には、基板W1の温度の面内分布が小さくなるように領域12a1a〜12a1c毎にガスの温度を制御することができる。基板W1の変形が大きい場合には、基板W1の変形が小さくなるように領域12a1a〜12a1c毎にガスの温度を制御することができる。すなわち、基板W1が当初から変形している場合は、基板W1の面内温度を均一にして基板W1がさらに変形しないようにしたり、局部的に加熱あるいは冷却することで変形している基板W1を矯正したりすることができる。
なお、基板W1の変形状態は、後述する測定部16により測定することができる。
この場合、流量制御部12b3は、複数のノズル12a2毎、および複数のノズル12a2の一群毎の少なくともいずれかにおいてガスの流量を制御することもできる。
開閉弁12b4のガスの流出側は、流路12a3を介してノズル12a2に接続されている。
支持爪13aは、基板W2の周縁部を支持する。そして、支持爪13aに基板W2を支持させることで、基板保持部12に保持された基板W1と対峙する所定の位置に基板W2が支持されるようになっている。
位置合わせ部13dは、例えば、基板保持部12に保持された基板W1に対する基板W2の位置合わせを行うものとすることができる。この場合、位置合わせ部13dとしては、支持爪13aに支持された基板W2の外周縁を水平方向に押して基板W2の位置合わせを行うものを例示することができる。位置合わせ部13dは、例えば、サーボモータやパルスモータなどの制御モータにより構成された図示しない移動部により動作するものとすることができる。
押圧部14には、移動部14a、移動軸14b、パッド14cが設けられている。
押圧部14は、本体部12aの面12a1と対峙させて設けられている。また、押圧部14は、支持爪13aに支持された基板W2の略中央部をパッド14cにより押圧することができる様な位置に設けられている。
移動軸14bは、処理容器11の壁面を貫通するようにして設けられ、一方の端部が移動部14aと接続されている。また、他方の端部にはパッド14cが取り付けられている。
そして、パッド14cによる押圧力を制御して、基板W1と基板W2とを貼り合わせる際に、本体部12aの面12a1に浮上吸着されている基板W1の裏面(基板W2と貼り合わせる面とは反対側の面)が本体部12aの面12a1と接触しないようにすることができる。
基板W1の裏面と本体部12aの面12a1とが接触しないようにすることで、例えば、面12a1上にパーティクルが存在していても、基板W1の裏面にパーティクルを付着させずに清浄な状態を保ったまま貼り合わせを行うようにすることができる。
この場合、ガス供給部12bにより処理容器11の内部にガスが供給されることになる。そのため、排気部15による排気量が、ガス供給部12bによるガスの供給量より多くなるようになっている。
なお、基板W1と基板W2との貼り合わせは、必ずしも減圧雰囲気下で行う必要はなく、例えば、大気圧雰囲気下で行うこともできる。基板W1と基板W2との貼り合わせを減圧雰囲気下で行わない場合には、排気部15を設ける必要はなく、また、処理容器11をパーティクルなどの侵入が抑制される程度の気密構造とすればよい。
ただし、基板W1と基板W2との貼り合わせを減圧雰囲気下で行うようにすれば、基板W1と基板W2との間に空気が巻き込まれることを抑制することができるので、ボイドの発生をより抑制することができる。
測定部16には、測定ヘッド16a、移動部16b、演算部16cが設けられている。 測定ヘッド16aは、基板W1の変形量を電気信号に変換するものとすることができる。測定ヘッド16aは、例えば、レーザ変位計などとすることができる。
移動部16bは、測定ヘッド16aと基板W1との相対的な位置を変化させる。移動部16bは、例えば、サーボモータやパルスモータなどの制御モータを構成要素として含むものとすることができる。
演算部16cは、測定ヘッド16aからの電気信号を基板W1の変形量に変換し、基板W1の変形状態を求める。
測定部16は、例えば図1のように、処理容器11の天井部分に設けてもよいが、例えば本体部12aの内部に設けて、基板W1の裏面の変位を測定することで基板W1の変形状態を測定するようにしてもよい。
また、検出部17は、基板W1および基板W2の周縁にそれぞれ設けられたノッチの位置を検出する。
検出ヘッド17aは、例えば、処理容器11の天井部分に設けることができる。
検出ヘッド17aは、例えば、CCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)などとすることができる。
検出ヘッド17aの配設数には特に限定はないが、複数の検出ヘッド17aを本体部12aの周辺に均等に割り付けるようにすれば、検出精度を向上させることができる。
図3は、ノズル12a2の作用を例示するための模式図である。
なお、図3(a)はサイクロン効果を利用する場合、図3(b)はベルヌーイ効果を利用する場合である。
また、基板W1の中央領域が上方に突出したような形状に基板を変形させるようにすれば、基板W2との距離を調整することで基板W2の中央領域を押圧部14によって押圧せずとも基板W1に接触させることもできる。この場合、押圧部14は設ける必要はない。
また、基板W1の周縁領域の一部分を上方に突出させてもよい。この場合は、基板W1が突出した部分に対峙する位置またはその周辺にある支持爪13aを、他の支持爪13aよりも先に水平方向に移動(退避)させて基板W2を自重によって基板W1に貼り合わせるようにすることができる。
ただし、基板W1を浮上吸着することができるものであればよく、サイクロン効果やベルヌーイ効果を発現させることによって基板W1を浮上吸着するものに限定されるわけではない。
図4は、貼合装置1の作用について例示をするための模式工程図である。
なお、図4(a)、(c)、(e)、(g)は側面図、図4(b)は図4(a)の平面図、図4(d)は図4(c)の平面図、図4(f)は図4(e)の平面図、図4(h)は図4(g)の平面図である。
図5も、貼合装置1の作用について例示をするための模式工程図である。
なお、図5(a)、(b)は、図4(g)、(h)に続く模式工程図である。
図5(a)、(c)は側面図、図5(b)は図5(a)の平面図、図5(d)は図5(c)の平面図である。
処理容器11の内部に搬入された基板W1は、本体部12aの面12a1上に載置される。
ガス供給部12bからガスをノズル12a2に供給し、サイクロン効果およびベルヌーイ効果の少なくともいずれかを利用して基板W1を浮上させた状態で保持する。
また、図4(a)、(b)に示すように、測定部16により基板W1の変形状態を測定する。例えば、移動部16bにより測定ヘッド16aを移動させながら基板W1の表面の変位を測定し、基板W1の変形状態を測定する。
例えば、ノズル12a2の内部に供給するガスの流量を制御することで、基板W1を吸引する力を均一にして基板W1が変形しないようにしたり、基板W1を吸引する力を例えば領域12a1a〜12a1cに設けられた一群のノズル12a2毎に変化させて変形している基板W1を矯正したりする。または、一群ではなく、複数のノズル12a2のうちいずれかを変化させて変形している基板W1を矯正したりする。
また、基板W1の形状に応じてガスの流量を制御する工程において、複数のノズル12a2毎、および領域12a1a〜12a1cに設けられた複数のノズル12a2の一群毎の少なくともいずれかにおいてガスの流量を制御することができる。
また、基板W1を吸引するとともに、基板W1を本体部12aの面12a1から離隔させる工程において、本体部12aの基板W1を保持する側の面12a1に開口するノズル12a2にガスを供給することで、サイクロン効果およびベルヌーイ効果の少なくともいずれかを発現させるようにすることができる。
また、基板W1および基板W2の少なくともいずれかはシリコンウェーハとすることができる。
次に、図4(e)、(f)に示すように、基板W2を支持する位置に支持爪13aを移動させる。
そして、図4(g)、(h)に示すように、基板W2を支持爪13aの上に載置する。
続いて、位置合わせ部13dにより基板W2の水平面内における位置を合わせる。
続いて、基板W2の周縁に設けられたノッチW2aの位置を検出部17で検出する。その際、基板W1は基板W2のノッチW2aの位置の検出を行うのに邪魔にならない位置に水平方向に移動させておく。ノッチW2aの位置を検出した後、基板W1を水平移動させ、基板W2との水平位置に合わせる(図4(g)の位置に戻す)。
続いて、位置合わせ部13eにより基板W1の回転方向の位置を合わせる。例えば、基板W1の周縁に設けられたノッチW1aにピンを挿入することで基板W1の回転方向の位置を基板W2の回転方向の位置に合わせる。
まず、開閉扉11bが閉じられ処理容器11が密閉される。そして、処理容器11内が排気される。
なお、大気中で貼り合わせを行う場合には、処理容器11内を排気する必要はない。
また、基板W2の略中央部をパッド14cで押圧する際に、本体部12aの面12a1に浮上吸着されている基板W1の裏面(基板W2と貼り合わせる面とは反対側の面)が本体部12aの面12a1と接触しないように、パッド14cによる押圧力が制御される。
貼り合わされた基板Wは、図示しない搬送装置により処理容器11の外部に搬出される。 以後、必要に応じて前述の手順を繰り返すことで基板W1、基板W2の貼り合わせを連続的に行うことができる。
前述の実施の形態に関して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、貼合装置1などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、数などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した実施形態においては2枚のシリコンウェーハの直接貼り合わせを行う貼合装置を例に挙げて説明したが、シリコンウェーハと支持基板を接着層を介して貼り合わせる貼合装置や、シリコンウェーハ以外の基板(例えばガラス基板)を貼り合わせる貼合装置などにも適用することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
Claims (11)
- 保持された基板に対して処理を施す貼合装置であって、
本体部と、
前記本体部の第1の基板を保持する側の面に開口するノズルと、
前記ノズルにガスを供給し、前記第1の基板を吸引するとともに、前記第1の基板を前記本体部の面から離隔させるガス供給部と、
前記第1の基板と所定の間隔をあけて対峙させた第2の基板の周縁部を支持する基板支持部と、
を備えた貼合装置。 - 前記ガス供給部は、前記ガスの流量を制御する流量制御部を有し、
前記流量制御部は、前記第1の基板の形状に応じて前記ガスの流量を制御する請求項1記載の貼合装置。 - 前記ノズルは、複数設けられ、
前記流量制御部は、前記複数のノズル毎、および前記複数のノズルの一群毎の少なくともいずれかにおいて前記ガスの流量を制御する請求項2記載の貼合装置。 - 前記ガス供給部は、前記ノズルにガスを供給することで、サイクロン効果およびベルヌーイ効果の少なくともいずれかを発現させる請求項1〜3のいずれか1つに記載の貼合装置。
- 前記第1の基板および前記第2の基板の少なくともいずれかはシリコンウェーハである請求項1〜4のいずれか1つに記載の貼合装置。
- 前記第1の基板の変形状態を測定する測定部をさらに備えた請求項1〜5のいずれか1つに記載の貼合装置。
- 前記第2の基板を押圧して前記第1の基板の一部と前記第2の基板の一部とを接触させるとともに、前記第1の基板と前記本体部の面とが接触しないように押圧力を制御する押圧部をさらに備えた請求項1〜6のいずれか1つに記載の貼合装置。
- 保持された基板に対して処理を施す貼合処理方法であって、
本体部の第1の基板を保持する側の面に開口するノズルにガスを供給し、前記第1の基板を吸引するとともに、前記第1の基板を前記本体部の面から離隔させる工程と、
前記第1の基板の形状に応じて前記ガスの流量を制御する工程と、
を備えた貼合処理方法。 - 前記ノズルは、複数設けられ、
前記第1の基板の形状に応じて前記ガスの流量を制御する工程において、
前記複数のノズル毎、および前記複数のノズルの一群毎の少なくともいずれかにおいて前記ガスの流量を制御する請求項8記載の貼合処理方法。 - 前記第1の基板を吸引するとともに、前記第1の基板を前記本体部の面から離隔させる工程において、
前記本体部の第1の基板を保持する側の面に開口するノズルにガスを供給することで、サイクロン効果およびベルヌーイ効果の少なくともいずれかを発現させる請求項8または9に記載の貼合処理方法。 - 前記第1の基板および前記第2の基板の少なくともいずれかはシリコンウェーハである請求項8〜10のいずれか1つに記載の貼合処理方法。
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