JP2017161296A - 磁気探傷装置、磁気探傷装置の傾き補正方法、及び、プログラム - Google Patents

磁気探傷装置、磁気探傷装置の傾き補正方法、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】欠陥の検出精度を向上させる。
【解決手段】磁気探傷装置は、搬送ロールと、磁気生成部と、検出ユニットと、調整部と、第1測定部と、第2測定部と、制御部とを備える。搬送ロールは、被検査板を搬送する。磁気生成部は、前記被検査板に磁気を生じさせる。検出ユニットは、前記磁気を検出する複数の磁気検出部を有する。調整部は、前記搬送ロールに対する前記検出ユニットとの傾きを調整する。第1測定部は、前記搬送ロールと前記検出ユニットとの間の距離に対応する第1距離を測定する。第2測定部は、前記被検査板の搬送方向と交差する方向において前記第1測定部とは異なる位置に設けられ、前記搬送ロールと前記検出ユニットとの間の距離に対応する第2距離を測定する。制御部は、前記第1距離及び前記第2距離に基づいて、前記搬送ロールと前記検出ユニットとの傾きを低減するように前記調整部を制御する。
【選択図】図1

Description

実施形態は、磁気探傷装置、磁気探傷装置の傾き補正方法、及び、プログラムに関する。
磁気によって鋼板等の被検査板の欠陥を検査する磁気探傷装置が知られている。磁気探傷装置では、磁気センサと被検査板とを接近させて、欠陥による磁気の変化を磁気センサが検出することにより、欠陥を検出する。
特開2002−195984号公報
しかしながら、上述の磁気探傷装置では、複数の磁気センサと被検査板とが、平行でない場合、欠陥の検出精度が低下するといった課題がある。
実施形態は、上記に鑑みてなされたものであって、欠陥の検出精度を向上させることができる磁気探傷装置を提供する。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、実施形態の磁気探傷装置は、搬送ロールと、磁気生成部と、検出ユニットと、調整部と、第1測定部と、第2測定部と、制御部とを備える。搬送ロールは、被検査板を搬送する。磁気生成部は、前記被検査板に磁気を生じさせる。検出ユニットは、前記磁気を検出する複数の磁気検出部を有する。調整部は、前記搬送ロールに対する前記検出ユニットとの傾きを調整する。第1測定部は、前記搬送ロールと前記検出ユニットとの間の距離に対応する第1距離を測定する。第2測定部は、前記被検査板の搬送方向と交差する方向において前記第1測定部とは異なる位置に設けられ、前記搬送ロールと前記検出ユニットとの間の距離に対応する第2距離を測定する。制御部は、前記第1距離及び前記第2距離に基づいて、前記搬送ロールと前記検出ユニットとの傾きを低減するように前記調整部を制御する。
図1は、第1実施形態にかかる磁気探傷装置の全体構成を示す正面図である。 図2は、第1実施形態にかかる磁気探傷装置の全体構成を示す斜視図である。 図3は、探傷部の検出部の拡大側面図である。 図4は、センサユニットの平面図である。 図5は、校正サンプル板の平面図である。 図6は、磁気探傷装置の制御系を示すブロック図である。 図7は、制御部による傾き補正処理のフローチャートである。 図8は、制御部によるゲイン補正処理のフローチャートである。 図9は、校正ロールとセンサユニットのセンサ列との距離を説明する図である。 図10は、磁気センサと校正サンプル板との距離と、磁気センサの感度相対比との関係を示す図である。 図11は、制御部による欠陥検出処理のフローチャートである。 図12は、第2実施形態にかかる磁気探傷装置の全体構成を示す正面図である。
以下の例示的な実施形態や変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、重複する説明が部分的に省略される。実施形態や変形例に含まれる部分は、他の実施形態や変形例の対応する部分と置き換えて構成されることができる。また、実施形態や変形例に含まれる部分の構成や位置等は、特に言及しない限りは、他の実施形態や変形例と同様である。
実施形態の磁気探傷装置は、2個の距離測定部によって測定した搬送ロールとセンサユニットとの間の距離に対応する2個の距離に基づいて、センサユニットの傾きを補正して、センサユニットと、搬送ローラ及び被検査板との平行度を向上させて、欠陥の検出精度を向上させる。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態にかかる磁気探傷装置10の全体構成を示す正面図である。図2は、第1実施形態にかかる磁気探傷装置10の全体構成を示す斜視図である。図1及び図2に矢印で示すXYZをXYZ方向とする。
磁気探傷装置10は、薄い鋼板等の被検査板90を搬送しつつ、被検査板90の表面または内部の凹み等の欠陥を検出する。図1及び図2に示すように、磁気探傷装置10は、架台12と、検査部14と、校正部16と、探傷部18と、制御部20とを備える。
架台12は、天板、底板及び天板と底板とを連結する脚部等を有する。架台12は、検査部14、校正部16、探傷部18、及び、制御部20を保持する。
検査部14は、円柱形状の検査ロール21及び押圧ロール22を有する。
検査ロール21は、搬送ロールの一例である。検査ロール21は、非磁性体材料を含む。検査ロール21は、回転可能に架台12に保持されている。検査部14の回転軸は、円柱形状の中心軸である。検査ロール21は、後述する検査用モータ73によって回転される。押圧ロール22は、被検査板90を検査ロール21へと押圧して、被検査板90に張力を付与する。検査ロール21は、押圧ロール22によって張力が付与された被検査板90をY方向に搬送する。従って、Y方向は、搬送方向である。
校正部16は、支持台26と、校正ロール28と、校正サンプル板30と、校正用モータ32と、校正移動部34とを有する。
支持台26は、架台12に取り付けられている。
校正ロール28は、円柱形状に構成されている。校正ロール28は、非磁性体材料を含む。校正ロール28は、支持台26に回転可能に支持されている。校正ロール28の回転軸は、円柱形状の中心軸である。校正ロール28の回転軸は、検査ロール21の回転軸の延長線上に配置されている。校正ロール28の直径は、検査ロール21の直径と等しい。従って、校正ロール28の外周は、検査ロール21の外周のX方向上となる。例えば、校正ロール28の上端は、検査ロール21の上端と同じ高さ位置(即ち、Z方向の位置)である。校正ロール28の外周部は、校正サンプル板30を保持する。
校正サンプル板30は、探傷部18及び制御部20の校正用の板である。校正サンプル板30は、磁性体材料を含む。
校正用モータ32は、校正ロール28の回転軸に連結されている。校正用モータ32は、校正ロール28を回転させる。
校正移動部34は、支持台26、校正ロール28、校正サンプル板30、及び、校正用モータ32を、X方向に沿って移動させる。具体的には、校正移動部34は、図1に実線で示す位置から点線で示す位置に校正部16を移動させる。X方向は、検査ロール21及び校正ロール28の回転軸が延びる方向であり、被検査板90の搬送方向であるY方向と交差(例えば、直交)する方向である。
探傷部18は、検査ロール21によって搬送されている被検査板90の表面及び内部の欠陥を検出する。探傷部18は、検査部14及び校正部16よりも上方に配置されている。探傷部18は、探傷移動部38と、位置調整部40と、センサユニット64を含む検出部42と、一対の距離測定部44a、44bとを有する。
探傷移動部38は、架台12に設けられている。探傷移動部38は、位置調整部40を保持する。探傷移動部38は、X方向に沿って、検出部42及び距離測定部44a、44bとともに位置調整部40を移動させる。図1に実線で示す検出部42の位置を検査位置とし、点線で示す検出部42の位置を校正位置とする。
位置調整部40は、探傷移動部38を介して架台12に設けられている。位置調整部40は、検出部42の位置及び傾斜を調整する。位置調整部40は、第1駆動軸50と、第1駆動モータ74と、連結部52と、第2駆動軸54と、第2駆動モータ76と、第3駆動軸56と、第3駆動モータ78とを有する。第1駆動軸50、第2駆動軸54、及び、第3駆動軸56は、例えば、ボールネジである。第1駆動モータ74、第2駆動モータ76、及び、第3駆動モータ78は、例えば、サーボモータである。第1駆動軸50及び第1駆動モータ74は、第1調整部材の一例である。第2駆動軸54及び第2駆動モータ76は、第2調整部材の一例である。第3駆動軸56及び第3駆動モータ78は、第3調整部材の一例である。第2駆動軸54、第2駆動モータ76、第3駆動軸56及び第3駆動モータ78は、調整部の一例である。
第1駆動軸50は、X方向における検出部42の中央部の上方に配置されている。第1駆動軸50の一端(例えば、上端)は、探傷移動部38に連結されている。第1駆動軸50の他端(例えば、下端)は、X方向における連結部52の中央部に連結されている。
第1駆動モータ74は、第1駆動軸50を回転させる。これにより、第1駆動モータ74は、検出部42及び一対の距離測定部44a、44bとともに、第1駆動軸50を検査ロール21及び校正ロール28の径方向(例えば、上下方向)に駆動させる。第1駆動軸50及び第1駆動モータ74は、検査ロール21及び校正ロール28と、検出部42との距離を調整する。
連結部52は、X方向に延びる梁状(例えば、円柱形状)に構成されている。連結部52は、回動可能に第1駆動軸50と連結されている。連結部52の一端は、第2駆動軸54の一端(例えば、上端)に連結されている。連結部52の他端は、第3駆動軸56の一端(例えば、上端)に連結されている。
第2駆動軸54の他端(例えば、下端)は、X方向における検出部42の一端部に連結されている。
第2駆動モータ76は、第2駆動軸54を回転させる。これにより、第2駆動モータ76は、検出部42及び一対の距離測定部44a、44bとともに、第2駆動軸54を検査ロール21及び校正ロール28の径方向(例えば、上下方向)に駆動させる。第2駆動軸54及び第2駆動モータ76は、検査ロール21及び校正ロール28と、検出部42との距離を調整する。
第3駆動軸56の他端(例えば、下端)は、X方向における検出部42の他端部に連結されている。即ち、第3駆動軸56は、X方向において、第1駆動軸50及び第2駆動軸54と異なる位置で検出部42に連結されている。
第3駆動モータ78は、第3駆動軸56を回転させる。これにより、第3駆動モータ78は、検出部42及び一対の距離測定部44a、44bとともに、第3駆動軸56を検査ロール21及び校正ロール28の径方向(例えば、上下方向)に駆動させる。第3駆動軸56及び第3駆動モータ78は、検査ロール21及び校正ロール28と、検出部42との距離を調整する。
ここで、第1駆動軸50の移動量は、第2駆動軸54及び第3駆動軸56の移動量よりも大きい。従って、第1駆動軸50及び第1駆動モータ74が、検出部42の上下方向の大まかな位置を調整して、第2駆動軸54及び第2駆動モータ76と、第3駆動軸56及び第3駆動モータ78とが検出部42の微細な位置を調整する。これにより、位置調整部40は、検出部42のセンサユニット64の下面と、被検査板90との間の距離を0.5mmから1mm程度に調整する。更に、第2駆動軸54及び第2駆動モータ76と、第3駆動軸56及び第3駆動モータ78とが、それぞれの駆動量を異ならせることにより、検査ロール21に対する検出部42のセンサユニット64の傾きを調整する。
検出部42は、位置調整部40の下端に設けられている。検出部42のセンサユニット64は、被検査板90の欠陥に応じた磁気を検出する。
一対の距離測定部44a、44bは、第1測定部または第2測定部の一例である。一対の距離測定部44a、44bは、位置調整部40に設けられている。例えば、一方の距離測定部44aは、検出部42のX方向の一端部に設けられ、他方の距離測定部44bは、検出部42のX方向の他端部に設けられている。即ち、一方の距離測定部44aは、X方向において、他方の距離測定部44bとは異なる位置に設けられている。距離測定部44a、44bは、検出部42に固定されているので、検出部42のセンサユニット64との相対位置は固定される。距離測定部44a、44bは、例えば、センサヘッドが伸縮して測定対象に接触する接触式の距離センサである。距離測定部44a、44bは、レーザ測距センサ、超音波測距センサ等であってもよい。距離測定部44a、44bは、検査ロール21と、センサユニット64との距離に対応する距離H1、H2を測定する。距離H1、H2は、第1距離及び第2距離のいずれかの一例である。例えば、距離測定部44a、44bは、センサユニット64に対して固定されているので、自身と検査ロール21または校正ロール28との距離を当該距離H1、H2として測定してもよく、検査ロール21または校正ロール28と同じ高さに設けられた被距離測定部材までの距離を当該距離H1、H2として測定してもよい。距離測定部44a、44bは、測定した距離H1、H2を制御部20へ送信する。
制御部20は、磁気探傷装置10の制御全般を司る。
図3は、探傷部18の検出部42の拡大側面図である。図3に示すように、検出部42は、ヨーク60と、一対の磁化コイル62a、62bと、センサユニット64とを有する。
ヨーク60は、中空状に構成されている。ヨーク60は、側面視において、下方が凸状のほぼ五角形状に構成されている。従って、ヨーク60は、天板、天板の一端から下方に延びる一方の側板、天板の他端から下方に延び一方の側板と対向する他方の側板、一方の側板の下端部から斜め下方に延びる一方の傾斜板、及び、他方の側板の下端部から斜め下方に延びる他方の傾斜板とを有する。ヨーク60の下端部は開口している。
一対の磁化コイル62a、62bは、磁気生成部の一例である。一方の磁化コイル62aは、ヨーク60の一方の側板に巻かれている。他方の磁化コイル62bは、ヨーク60の他方の側板に巻かれている。磁化コイル62a、62bは、電流が供給されることによって、例えば、白抜き矢印で示す方向の磁束をヨーク60の内部に生じさせる。これにより、磁化コイル62a、62bは、ヨーク60の下端部の開口の下方を搬送される被検査板90の内部に磁気を生じさせる。
センサユニット64は、検出ユニットの一例である。センサユニット64は、ヨーク60の下端の開口部に設けられている。センサユニット64は、ヨーク60から被検査板90へと通る磁気Mgを検出する。
図4は、センサユニット64の平面図である。図4に示すように、センサユニット64は、磁気検出部の一例である複数の磁気センサ66を有する。磁気センサ66は、例えば、ホール素子である。磁気センサ66は、ヨーク60から漏れ、被検査板90の内部を通過する磁気Mgを検出する。例えば、磁気センサ66は、被検査板90の内部の欠陥に起因する磁気Mgの変化または乱れを検出できる。磁気センサ66は、検出した磁気Mgに対応する電圧を制御部20へ出力する。
複数の磁気センサ66は、複数(例えば、3列)のセンサ列68a、68b、68c・・・に配列されている。尚、各センサ列68a、68b、68cを区別する必要がない場合、センサ列の符号を“68”とする。各センサ列68の磁気センサ66は、X方向に配列されている。センサ列68は、Y方向において互いに異なる位置に配置されている。従って、一のセンサ列68(例えば、センサ列68a)の磁気センサ66は、Y方向(即ち、搬送方向)において、他のセンサ列68(例えば、センサ列68b)の磁気センサ66と異なる位置に配置されている。ここで、各センサ列68における磁気センサ66の配置間隔を“P”とする。配置間隔Pの一例は、3mmである。一のセンサ列68(例えば、センサ列68a)の磁気センサ66は、隣接するセンサ列68(例えば、センサ列68b)の磁気センサ66と、X方向において異なる位置に配置されている。例えば、センサユニット64が、n列のセンサ列68を有する場合、一のセンサ列68(例えば、センサ列68a)の磁気センサ66は、隣接するセンサ列68(例えば、センサ列68b)の磁気センサ66とP/nずれた位置に配置されている。従って、センサ列68が3列の場合、一のセンサ列68の磁気センサ66は、X方向において、隣接するセンサ列68の磁気センサ66とP/3(例えば、1mm)ずれた位置に配置されている。
図5は、校正サンプル板30の平面図である。図5に示すように、校正サンプル板30には、補正用欠陥としての複数の穴70が形成されている。
複数の穴70は、X方向に沿った複数(例えば、4列)の列72a、72b、72c、72dに配列されている。列72a、72b、72c、72dを区別する必要がない場合、列の符号を“72”とする。同じ列72の穴70は、同じ直径を有する。異なる列72の穴70は、異なる直径を有する。例えば、最も+Y側の列72aの穴70の直径は0.2mm、列72bの穴70の直径は0.1mm、列72cの穴70の直径は0.05mm、列72dの穴70の直径は0.035mmである。各列72のX方向の幅Pt0は、一定である。同じ列72における穴70の間隔Pt1は一定である。列72と隣接する列72との間の間隔Pt2は、一定である。磁気センサ66が当該穴70を検出した磁気Mgの大きさに基づいて、制御部20は磁気Mgと穴70の直径との対応関係等の校正を行う。
図6は、磁気探傷装置10の制御系を示すブロック図である。制御部20の一例は、コンピュータである。図6に示すように、磁気探傷装置10は、検査部14の検査用モータ73を更に備える。検査用モータ73の一例は、サーボモータである。尚、検査用モータ73は、無くてもよい。
検査用モータ73は、検査ロール21の回転軸と連結されている。検査用モータ73は、回転軸を回転させることにより、検査ロール21を回転させる。
制御部20は、距離測定部44a、44b、校正用モータ32、検査用モータ73、駆動モータ74、76、78、センサユニット64の各磁気センサ66と情報を入出力可能に接続されている。制御部20は、記憶部80と、演算部82とを有する。
記憶部80は、例えば、ハードウエアであり、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)及び、HDD(Hard Disk Drive)等を含む。記憶部80は、演算部82が実行するプログラム、データ及びパラメータ等を記憶する。
演算部82は、例えば、ハードウエアであり、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。演算部82は、記憶部80に記憶されたプログラム、データ及びパラメータ等を読み込むことによって、種々の処理を実行する。例えば、演算部82は、記憶部80から、傾き補正処理、ゲイン補正処理、及び、欠陥検出処理のプログラムを読み込むことによって、取得部84と、処理部86として機能する。尚、取得部84及び処理部86の一部または全てを回路(例えば、ASIC: application specific integrated circuit)等のハードウエアによって構成してもよい。
取得部84は、距離測定部44a、44bから取得した距離H1、H2を処理部86へ出力する。処理部86は、当該距離H1、H2に基づいて、駆動モータ74、76、78を制御して駆動軸50、54、56を駆動することにより、検査ロール21及び被検査板90に対する検出部42のセンサユニット64の距離H1、H2を調整する。処理部86は、当該距離H1、H2に基づいて、駆動軸54、56の駆動モータ76、78を制御して、検査ロール21及び被検査板90に対する検出部42のセンサユニット64の下面の傾きを低減するように調整する。この場合、処理部86は、距離H1、H2の平均である平均距離Hcに基づいて、駆動軸54、56の駆動モータ76、78を制御してもよい。
取得部84は、センサユニット64の各磁気センサ66から取得した校正サンプル板30の穴70に対応する電圧値を検出信号として処理部86へ出力する。処理部86は、磁気センサ66が検出した穴70の検出信号に基づいて、磁気センサ66の検出信号を補正する補正値を設定する。例えば、処理部86は、磁気センサ66が検出した同じ形状(例えば、同じ直径)の穴70の検出信号が等しくなるように補正値を設定する。処理部86は、例えば、被検査板90とセンサユニット64との距離であるリフトオフの値(または被検査板90の板厚)ごとに、磁気センサ66に対応付けて磁気センサ66の検出信号を補正する補正値を設定する。
取得部84は、センサユニット64の各磁気センサ66から取得した被検査板90の欠陥92に対応する電圧値を検出信号として処理部86へ出力する。処理部86は、検出信号及び補正値に基づいて、被検査板90の欠陥92の大きさ及び位置等を検出する。
図7は、制御部20による傾き補正処理のフローチャートである。傾き補正方法の一例である傾き補正処理は、演算部82が記憶部80の傾き補正処理のプログラムを読み込むことによって、開始される。傾き補正処理は、図1に点線で示す校正位置に検出部42及び距離測定部44a、44bが移動して、予め設定された高さ位置にセンサユニット64が配置されている状態で、開始する。更に、傾き補正処理は、センサユニット64のセンサ列68bの面が、検査ロール21の径方向に対して垂直になる位置(検査ロール21の中心の真上の位置)で実行されることが好ましい。
図7に示すように、傾き補正処理では、距離測定部44a、44bが検査ロール21及び校正ロール28からセンサユニット64までの距離に対応する距離H1、H2を測定して(第1測定段階及び第2測定段階)、取得部84は距離H1、H2を取得して処理部86へ出力する(S500)。本実施形態では、距離測定部44a、44bは、校正ロール28の外周面と同じ位置に固定された外周面を有する被距離測定部材の外周面までの距離を距離H1、H2として測定する。ここで、距離測定部44a、44bはセンサユニット64に対して固定され、かつ、校正ロール28の外周面の上端と検査ロール21の外周面の上端は同じ位置に配置されているので、距離H1、H2は、検査ロール21とセンサユニット64との距離に対応する。また、距離測定部44aは、図1に点線で示す位置に校正ロール28が配置されている状態で距離H1を測定して、距離測定部44bは、図1に実線で示す位置に校正ロール28が配置されている状態で距離H2を測定する。
処理部86は、距離H1、H2の平均距離Hcを算出する(S502)。処理部86は、平均距離Hcに基づいて、距離測定部44a、44bの異常を判定する(S504)。ここで、距離測定部44a、44bの誤差の許容値をδ、校正サンプル板30の板厚をTc、リフトオフ値をγとする。許容値δ及び板厚Tcは、例えば、予めユーザ等によって入力された値である。例えば、板厚Tcは0.5mmであって、許容値δは5μmである。リフトオフ値γは、例えば、板厚Tc及び設定された探傷する欠陥92の精度等に基づいて設定された校正サンプル板30の表面とセンサユニット64の下面との距離に対応する値である。例えば、リフトオフ値γは1mmである。板厚Tc及びリフトオフ値γの和(=Tc+γ)は、距離測定部44a、44bが正常であれば、平均距離Hcとほぼ同じ値になる。従って、処理部86は、平均距離Hcと上述の和(=Tc+γ)との差Dfが許容値δ以下か否かによって、距離測定部44a、44bの異常を判定する。処理部86は、当該差Dfが許容値δより大きい場合(S504:No)、距離測定部44a、44bの少なくとも一方が異常であると判定して、第1アラームを通知して(S506)、傾き補正処理を終了する。処理部86は、第1アラームとして、例えば、“距離測定部が異常”等のメッセージを画像または音声によって通知する。
処理部86は、当該差Dfが許容値δ以下の場合(S504:Yes)、距離測定部44a、44bが正常であると判定して、次の式(1)に基づいて、ずれ量Hzを算出する(S508)。式(1)に示すように、ずれ量Hzは、X方向におけるセンサユニット64の中心と、センサユニット64の両端とのZ方向の距離のずれである。ずれ量Hzが大きいことは、センサユニット64の傾きが大きいことを示す。
Hz=|(H1−H2)/2| ・・・(1)
処理部86は、ずれ量Hzが予め設定された第1閾値Th1未満か否かを判定する(S510)。第1閾値Th1は、傾きの補正が必要か否かを判定するための閾値である。即ち、ずれ量Hzが第1閾値Th1未満の場合、センサユニット64がほとんど傾いておらず、傾き補正が必要ない状態である。第1閾値Th1の一例は、10μmである。処理部86は、ずれ量Hzが第1閾値Th1未満の場合(S510:Yes)、傾き補正が必要ないと判定して、傾き補正処理を終了する。
処理部86は、ずれ量Hzが第1閾値Th1以上の場合(S510:No)、傾き補正が必要と判定して、ずれ量Hzが第2閾値Th2未満か否かを判定する(S512)。第2閾値Th2は、第1閾値Th1よりも大きい値であり、傾き補正において、アラームの通知が必要か否かを判定するための閾値である。ずれ量Hzが第2閾値Th2未満の場合、センサユニット64の傾き補正は必要であるが、アラームの通知が必要ない状態である。第2閾値Th2の一例は、30μmである。処理部86は、ずれ量Hzが第2閾値Th2未満の場合(S512:Yes)、アラームを通知することなく、後述するステップS524以降の傾き補正を実行する。
処理部86は、ずれ量Hzが第2閾値Th2以上の場合(S512:No)、アラームが必要と判定して、ずれ量Hzが第3閾値Th3未満か否かを判定する(S514)。第3閾値Th3は、第2閾値Th2よりも大きい値であり、傾き補正において、第2アラームの通知が必要か否かを判定するための閾値である。ずれ量Hzが第3閾値Th3未満の場合、センサユニット64の傾き補正ができるが、第2アラームの通知が必要な状態である。第3閾値Th3の一例は、50μmである。処理部86は、ずれ量Hzが第3閾値Th3未満の場合(S514:Yes)、第2アラームを通知する(S516)。処理部86は、第2アラームとして、例えば、“傾き補正可能であるが、ずれ量が大きい”等のメッセージを画像及び音声によって通知する。この後、処理部86は、後述するステップS524以降の傾き補正を実行する。
処理部86は、ずれ量Hzが第3閾値Th3以上の場合(S514:No)、ずれ量Hzが第4閾値Th4未満か否かを判定する(S518)。第4閾値Th4は、第3閾値Th3よりも大きい値であり、ずれ量Hzが大きすぎて傾き補正ができず、第3アラームの通知が必要か否かを判定するための閾値である。ずれ量Hzが第4閾値Th4未満の場合、センサユニット64の傾き補正ができるが、第3アラームの通知が必要な状態である。第4閾値Th4の一例は、250μmである。処理部86は、ずれ量Hzが第4閾値Th4未満の場合(S518:Yes)、第3アラームを通知する(S520)。処理部86は、第3アラームとして、例えば、“傾き補正可能であるが、ずれ量が極めて大きい”等のメッセージを画像及び音声によって通知する。この後、処理部86は、後述するステップS524以降の傾き補正を実行する。
処理部86は、ずれ量Hzが第4閾値Th4以上の場合(S518:No)、ずれ量Hzが大きすぎて、傾き補正ができないと判定する。この場合、処理部86は、第4アラームを通知する(S522)。処理部86は、第4アラームとして、例えば、“ずれ量が極めて大きすぎて、傾き補正できない”等のメッセージを画像及び音声によって通知する。処理部86は、第4アラームを通知すると、傾き補正処理を終了する。
処理部86は、ステップS512、S516、S520の後、距離H1、H2に基づいて、検査ロール21に対するセンサユニット64の傾きが小さくなるように、第2駆動モータ76及び第3駆動モータ78を制御して、第2駆動軸54及び第3駆動軸56を駆動する(調整段階)。具体的には、処理部86は、距離H1と平均距離Hcとの差が正か否か判定する(S524)。換言すれば、処理部86は、センサユニット64の第2駆動軸54の側が第3駆動軸56の側よりも上がっているか否かを判定する。従って、処理部86は、距離H1と距離H2との大小関係、または、距離H2と平均距離Hcとの差によって、ステップS524の判定を実行してもよい。
処理部86は、距離H1と平均距離Hcとの差が正の場合(S524:Yes)、即ち、センサユニット64の第2駆動軸54の側が第3駆動軸56の側よりも上がっている場合、ステップS526を実行する。具体的には、処理部86は、第2駆動モータ76を駆動して、センサユニット64の第2駆動軸54の側をずれ量Hzだけ下方に移動させ、第3駆動モータ78を駆動して、センサユニット64の第3駆動軸56の側をずれ量Hzだけ上方に移動させる。
一方、処理部86は、距離H1と平均距離Hcとの差が負の場合(S524:No)、即ち、センサユニット64の第2駆動軸54の側が第3駆動軸56の側よりも下がっている場合、ステップS528を実行する。具体的には、処理部86は、第2駆動モータ76を駆動して、センサユニット64の第2駆動軸54の側をずれ量Hzだけ上方に移動させ、第3駆動モータ78を駆動して、センサユニット64の第3駆動軸56の側をずれ量Hzだけ下方に移動させる(S526)。
処理部86は、ステップS526、及び、ステップS528のいずれかを実行すると、傾き補正処理を終了する。尚、傾き処理の後に、処理部86は、駆動軸50、54、56を制御して、再度、センサユニット64のZ方向の位置を調整してもよい。
図8は、制御部20によるゲイン補正処理のフローチャートである。ゲイン補正処理は、演算部82が記憶部80のゲイン補正処理のプログラムを読み込むことによって、開始される。ゲイン補正処理は、図1に点線で示す校正位置に検出部42及び距離測定部44a、44bが移動して、傾き補正処理が実行された後に、開始することが好ましい。
図8に示すように、ゲイン補正処理では、処理部86は、校正用モータ32を駆動させて、校正ロール28を回転させる(S550)。処理部86は、磁化コイル62a、62bに電流を供給して、磁束を発生させる(S552)。
取得部84は、センサユニット64の各磁気センサ66から校正サンプル板30の穴70によって変化した磁気Mgに対応する電圧値(即ち、ゲイン)の検出信号を取得する(S554)。取得部84は、取得した検出信号を処理部86へ出力する。
次に、処理部86は、取得した検出信号に基づいて、補正値を算出する(S556)。ここで、図5に示すように、校正サンプル板30は、同じ直径の複数の穴70を含む複数の列72a、72b・・を有する。従って、複数の磁気センサ66が、同じ列72の同じ直径の穴70を検出した場合、同じ電圧値を示す検出信号となることが好ましいが、実際には同じ大きさの検出信号にはならない。同じ検出信号にならない理由を図9及び図10を参照して説明する。
図9は、校正ロール28とセンサユニット64のセンサ列68との距離を説明する図である。図9に示すように、校正ロール28は、中心軸が回転軸となる円柱形状に構成されているので、校正ロール28の外周に設けられた校正サンプル板30と磁気センサ66の各センサ列68a、68b、68cとの距離であるリフトオフLfa、Lfb、Lfcは、異なる。この関係は、検査ロール21に設けられた被検査板90とセンサユニット64のセンサ列68a、68b、68cとの距離においても同様である。
図10は、磁気センサ66と校正サンプル板30とのリフトオフLfと、磁気センサ66の感度相対比との関係を示す図である。図10に示すように、磁気センサ66と校正サンプル板30とのリフトオフLfが大きくなると、磁気センサ66の感度相対比が小さくなることが分かる。例えば、リフトオフLfが0.5mmの場合の感度相対比を100%とすると、リフトオフLfが1mmになると感度相対比は約80%となり、リフトオフLfが2mmになると相対感度比は約20%となる。このように、磁気センサ66の検出感度にばらつきがない場合であっても、同じ直径の穴70を検出した磁気センサ66の検出信号の大きさはリフトオフLfによって異なる。従って、異なるリフトオフLfに配置されているセンサ列68a、68b、68cの各磁気センサ66は、同じ直径の穴70を検出しても、異なる大きさの検出信号を出力する。この関係は、68a、68b、68cの各磁気センサ66が、検査ロール21に設けられた被検査板90の欠陥92を検出する場合においても同様である。
処理部86は、リフトオフLf及び磁気センサ66の検出感度のばらつきによらず、同じ直径の穴70に対応する検出信号の大きさが等しくなるように、検出信号に掛ける補正値を算出する。例えば、0.2mmの直径の穴70の検出信号の大きさを3Vに統一する場合を想定する。この場合、処理部86は、いずれかの磁気センサ66が0.2mmの直径の穴70を検出して出力した検出信号が2Vの場合、当該磁気センサ66の補正値を1.5に設定する。処理部86は、全ての磁気センサ66に対して補正値を算出する。このように同じ直径の穴70の検出信号を等しくするように設定された補正値は、上述した磁気センサ66と校正サンプル板30とのリフトオフLfのみならず、磁気センサ66の検出感度も考慮した値となる。
図8に戻って、処理部86は、算出した補正値を各磁気センサ66のID及びリフトオフの値等と関連付けて、記憶部80に格納する(S558)。処理部86は、ゲイン補正処理を終了する。
図11は、制御部20による欠陥検出処理のフローチャートである。欠陥検出処理は、演算部82が記憶部80の欠陥検出処理のプログラムを読み込むことによって、開始される。欠陥検出処理は、図1に実線で示す検出位置に検出部42及び距離測定部44a、44bが移動して、傾き補正処理及びゲイン補正処理が実行された後に、開始することが好ましい。
図11に示すように、欠陥検出処理では、処理部86は、検査用モータ73を駆動させて、検査ロール21を回転させる(S600)。処理部86は、磁化コイル62a、62bに電流を供給して、磁束を発生させる(S602)。
取得部84は、センサユニット64の各磁気センサ66から磁気Mgに対応する電圧値(即ち、ゲイン)の検出信号を取得する(S604)。ここで、取得部84は、欠陥92のない領域に対応するほぼ一定の磁気Mgに対応してほとんど変化しない検出信号、及び、欠陥92によって変化する磁気Mgに対応して変化する検出信号を取得する。取得部84は、取得した検出信号を処理部86へ出力する。
処理部86は、検出信号に基づいて、欠陥92を検出した情報として検出情報を算出する(S606)。例えば、処理部86は、各検出信号を検出した磁気センサ66の補正値を検出信号に掛けて補正した検出信号(または補正した検出信号の変化)に基づいて、欠陥92の有無を判定する。処理部86は、欠陥92があると判定すると、検出信号の大きさから欠陥92の大きさを算出して、検出信号を取得したタイミングから欠陥92の位置の情報を算出する。
処理部86は、欠陥92の大きさ及び位置の情報を含む検出情報を、記憶部80に格納する(S608)。この後、処理部86は、被検査板90の搬送が終了するまで(S610:No)、ステップS604以降を繰り返す。処理部86は、被検査板90の搬送が終了したと判定すると(S610:Yes)、欠陥検出処理を終了する。
上述したように、磁気探傷装置10は、2個の距離測定部44a、44bによって測定された、校正ロール28とセンサユニット64との2つの距離H1、H2に基づいて(具体的には、2つの距離H1、H2の平均距離Hc)、センサユニット64の傾きを低減するように、第2駆動モータ76及び第3駆動モータ78を制御する。これにより、磁気探傷装置10は、被検査板90とセンサユニット64との平行度を向上させることができる。この結果、磁気探傷装置10は、被検査板90とセンサユニット64との距離(即ち、リフトオフ)の均一化を向上させて、欠陥92の検出精度を向上させることができる。
磁気探傷装置10は、3本の駆動軸50、54、56によって、検出部42の位置及び傾きを調整する。これにより、1本の駆動軸によって、検出部42の位置及び傾きを調整する場合に比べて、磁気探傷装置10は、検出部42のたわみによるリフトオフの不均一化を低減できる。また、検出部42の中央部及び一端部に設けられた2本の駆動軸によって、検出部42の位置及び傾きを調整する場合に比べて、磁気探傷装置10は、検出部42の一端に設けられた駆動軸への負担増加による劣化を低減できるとともに、検出部42の他端を回転可能に支持する支持部材近傍のたわみによるリフトオフの不均一化を低減できる。
磁気探傷装置10は、傾きを小さくして、リフトオフの均一化を向上させた状態で、検出信号の補正値を設定することにより、検査ロール21の直径を小さくして曲率が大きくなり、搬送方向におけるリフトオフの値のばらつきが大きくなっても、欠陥92の検出精度を向上させることができる。
<第2実施形態>
図12は、第2実施形態にかかる磁気探傷装置110の全体構成を示す正面図である。図12に示すように、第2実施形態の磁気探傷装置110は、位置調整部140を備える。位置調整部140は、第1駆動軸150と、第1駆動軸150を回転させる第1駆動モータ74と、第2駆動軸154と、第2駆動軸154を回転させる第2駆動モータ76と、第3駆動軸156と、第3駆動軸156を回転させる第3駆動モータ78とを有する。
第1駆動軸150の一端(例えば、上端)は、第1駆動モータ74を介して、または、直接、探傷移動部38に連結されている。第1駆動軸150の他端(例えば、下端)は、X方向における検出部42の中央部に連結されている。
第2駆動軸154の一端(例えば、上端)は、第2駆動モータ76を介して、または、直接、探傷移動部38に連結されている。第2駆動軸154の他端(例えば、下端)は、X方向における検出部42の一端部に連結されている。
第3駆動軸156の一端(例えば、上端)は、第3駆動モータ78を介して、または、直接、探傷移動部38に連結されている。第3駆動軸156の他端(例えば、下端)は、X方向における検出部42の他端部に連結されている。
第1駆動軸150、第2駆動軸154、及び、第3駆動軸156は、探傷移動部38及び検出部42を介して互いに連結されている。第1駆動軸150、第2駆動軸154、及び、第3駆動軸156は、独立して、検出部42を上下に駆動させる。
上述した各実施形態の構成の形状、配置、個数、及び、機能等は適宜変更してよい。上述のフローチャートにおけるステップの順序は適宜変更してよい。上述の実施形態を適宜組み合わせてもよい。
例えば、上述の実施形態では、2個の距離測定部44a、44bによって測定された距離に基づいて、傾き補正等を実行したが、3個以上の距離測定部によって測定された距離に基づいて、傾き補正等を実行してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…磁気探傷装置、20…制御部、21…検査ロール、44a…距離測定部、44b…距離測定部、50…第1駆動軸(第1調整部材)、54…第2駆動軸(調整部、第2調整部材)、56…第3駆動軸(調整部、第3調整部材)、62a…磁化コイル(磁気生成部)、62b…磁化コイル(磁気生成部)、64…センサユニット(検出ユニット)、66…磁気センサ(磁気検出部)、70…穴(補正用欠陥)、74…第1駆動モータ(第1調整部材)、76…第2駆動モータ(調整部、第2調整部材)、78…第3駆動モータ(調整部、第3調整部材)、84…取得部、86…処理部、90…被検査板、92…欠陥、110…磁気探傷装置、150…第1駆動軸(第1調整部材)、154…第2駆動軸(調整部、第2調整部材)、156…第3駆動軸(調整部、第3調整部材)。

Claims (8)

  1. 被検査板を搬送する搬送ロールと、
    前記被検査板に磁気を生じさせる磁気生成部と、
    前記磁気を検出する複数の磁気検出部を有する検出ユニットと、
    前記搬送ロールに対する前記検出ユニットとの傾きを調整する調整部と、
    前記搬送ロールと前記検出ユニットとの間の距離に対応する第1距離を測定する第1測定部と、
    前記被検査板の搬送方向と交差する方向において前記第1測定部とは異なる位置に設けられ、前記搬送ロールと前記検出ユニットとの間の距離に対応する第2距離を測定する第2測定部と、
    前記第1距離及び前記第2距離に基づいて、前記搬送ロールと前記検出ユニットとの傾きを低減するように前記調整部を制御する制御部と、
    を備える磁気探傷装置。
  2. 前記制御部は、前記第1距離と前記第2距離との平均である平均距離に基づいて、前記調整部を制御する
    請求項1に記載の磁気探傷装置。
  3. 前記制御部は、前記複数の磁気検出部が検出した補正用欠陥の検出信号に基づいて、前記複数の磁気検出部の前記検出信号を補正する補正値を設定する
    請求項1または2に記載の磁気探傷装置。
  4. 前記制御部は、前記複数の磁気検出部が検出した同じ形状の補正用欠陥の前記検出信号が等しくなる前記補正値を設定する
    請求項3に記載の磁気探傷装置。
  5. 前記複数の磁気検出部のうち、一の磁気検出部は、前記被検査板の搬送方向において、他の磁気検出部と異なる位置に配置されている
    請求項3または4に記載の磁気探傷装置。
  6. 前記搬送ロールと前記検出ユニットとの距離を調整する第1調整部材を更に備え、
    前記調整部は、
    前記第1調整部材と異なる位置で前記搬送ロールと前記検出ユニットとの距離を調整する第2調整部材と、
    前記第1調整部材及び前記第2調整部材と異なる位置で前記搬送ロールと前記検出ユニットとの距離を調整する第3調整部材と、
    を有する請求項1から5のいずれか1項に記載の磁気探傷装置。
  7. 搬送ロールによって搬送される被検査板に磁気生成部が生じさせた磁気を検出する複数の磁気検出部を有する検出ユニットと、前記搬送ロールとの間の距離に対応する第1距離を測定する第1測定段階と、
    前記被検査板の搬送方向と交差する方向において前記第1測定段階とは異なる位置で、前記搬送ロールと前記検出ユニットとの間の距離に対応する第2距離を測定する第2測定段階と、
    前記第1距離及び前記第2距離に基づいて、前記搬送ロールと前記検出ユニットとの傾きを低減するように前記搬送ロールと前記検出ユニットとの傾きを調整する調整段階と、
    を備える磁気探傷装置の傾き補正方法。
  8. 被検査板を搬送する搬送ロールと、
    前記被検査板に磁気を生じさせる磁気生成部と、
    前記磁気を検出する複数の磁気検出部を有する検出ユニットと、
    前記搬送ロールと前記検出ユニットとの傾きを調整する調整部と、
    前記搬送ロールと前記検出ユニットとの間の距離に対応する第1距離を測定する第1測定部と、
    前記被検査板の搬送方向と交差する方向において前記第1測定部とは異なる位置に設けられ、前記搬送ロールと前記検出ユニットとの間の距離に対応する第2距離を測定する第2測定部と、
    を備える磁気探傷装置のコンピュータで実行されるプログラムであって、
    前記第1距離及び前記第2距離を取得する取得部と、
    前記第1距離及び前記第2距離に基づいて、前記搬送ロールと前記検出ユニットとの傾きを低減するように前記調整部を制御する処理部と、
    して前記コンピュータを機能させるプログラム。
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