JP2017159585A - 化粧シート、化粧板 - Google Patents

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優衣 河西
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Abstract

【課題】高い耐候性を有する化粧シート及び化粧板を提供する。【解決手段】基材層2と、基材層2上の絵柄模様層3と、絵柄模様層3上の艶調整層4と、艶調整層4上の凸部5を備える化粧シート20であり、艶調整層4が、硬化剤と紫外線吸収剤と光安定剤を含む混合品と、熱可塑性アクリル系樹脂を含み、凸部5が、硬化剤と紫外線吸収剤と光安定剤を含む混合品と、電離放射線硬化型樹脂を含み、さらに、艶調整層4が含む混合品は、熱可塑性アクリル系樹脂100質量部に対して5質量部以上10質量部以下の範囲内で添加され、凸部5が含む混合品は、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して5質量部以上10質量部以下の範囲内で添加されている。【選択図】図1

Description

本発明は、建築物の内装、外装、家具、建具、車両の内装等の表面に用い、表面に凹凸の手触り感や立体感を与える事が可能な化粧シート及び化粧板に関する。特に、表面の耐汚染性等、各種耐性に優れるとともに、絵柄と同調した凹凸を表面に有する、意匠性に優れた化粧シート及び化粧板に有効な技術である。
従来、化粧シートとしては、例えば、特許文献1に記載の技術がある。
特許文献1に記載の技術は、絵柄模様層と、透明艶調整層と、表面に絵柄模様と同調した電離放射線硬化型樹脂からなる凸部とを有する化粧シートである。これに加え、凸部の高さが30[μm]以上100[μm]以下の範囲内であり、凸部同士の間隔が1[mm]以上2[mm]以下の範囲内である。また、凸部は、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して、粒径3[μm]以上10[μm]以下の範囲内の粒状粒子を、20質量部以上30質量部以下の範囲内で含有して形成されている。
特開2013−123863号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、立体感を有するとともに、表面の耐汚染性が高い化粧シートを得ることが可能であるが、高い耐候性を得ることが困難であるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、耐候性を向上させることが可能な、化粧シートと化粧板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、基材層と、基材層上の絵柄模様層と、絵柄模様層上の艶調整層と、艶調整層上の凸部を備える化粧シートである。これに加え、艶調整層が、硬化剤と紫外線吸収剤と光安定剤を含む混合品と、熱可塑性アクリル系樹脂を含み、凸部が、硬化剤と紫外線吸収剤と光安定剤を含む混合品と、電離放射線硬化型樹脂を含む。さらに、艶調整層が含む混合品は、熱可塑性アクリル系樹脂100質量部に対して5質量部以上10質量部以下の範囲内で添加され、凸部が含む混合品は、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して5質量部以上10質量部以下の範囲内で添加されている。
本発明の一態様によれば、従来の構成と比較して、高い耐候性を有する化粧シート及び化粧板を提供することが可能となる。
本発明の第一実施形態の化粧シートの構成を表す断面図である。 本発明の第一実施形態の化粧板の構成を表す断面図である。
以下の詳細な説明では、本発明の実施形態について、完全な理解を提供するように、特定の細部について記載する。しかしながら、かかる特定の細部が無くとも、一つ以上の実施形態が実施可能であることは明確である。また、図面を簡潔なものとするために、周知の構造及び装置を、略図で表す場合がある。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1を参照して、化粧シート20の構成について説明する。
図1中に表すように、化粧シート20は、裏面プライマー層1と、基材層2と、絵柄模様層3と、艶調整層4と、凸部5と、耐汚染樹脂層(図示せず)を備える。
(裏面プライマー層)
裏面プライマー層1は、基材層2の裏面(図1中において、基材層2の下側の面)に設けられている。
裏面プライマー層1の材料としては、例えば、ウレタン系、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系等、各種のプライマー剤を用いることが可能である。
特に、裏面プライマー層1の材料としては、上述した材料の中でも、基材層2の材質に合わせたものを選んで使用すればよい。
なお、裏面プライマー層1に、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の粉末を添加しておくと、裏面プライマー層1の表面が粗面化する。これにより、化粧シート20を巻き取った保存時(巻取保存時)のブロッキングを防止することが可能となるとともに、投錨効果により、ラミネート用接着剤との接着性の向上を図ることも可能となる。
裏面プライマー層1を設ける理由は、以下の理由である。
化粧シート20は、化粧板を形成する際に、例えば、木質系基材や無機質系基材等、各種基材の表面に貼着(ラミネート)して使用されるものであり、一般的には、貼着の際に、例えば、ウレタン系や酢酸ビニル系等の適宜の接着剤が使用される。
このとき、例えば、基材の材質が、オレフィン系樹脂フィルムである場合等、基材の材質によっては、一般的なラミネート用接着剤との接着性が不十分である状況が発生する。
したがって、基材層2の裏面に、一般的なラミネート用接着剤との接着性に優れた樹脂組成物からなる裏面プライマー層1を設けておくことで、化粧シート20と基材とを、十分に接着することが可能となり、化粧板の製造が容易となる。このため、裏面プライマー層1を、基材層2の裏面に設けることが好適である。
(基材層)
基材層2としては、絵柄模様層3を、基材層2の表面(図1中において、基材層2の上側の面)へ印刷等により設けることが可能であるとともに、化粧シート20としての加工適性を有するものであれば、従来公知のものが使用可能である。
基材層2の材料としては、例えば、塩化ビニルを使用しないものとして、ポリエステル系樹脂シート、ポリオレフィン系樹脂シート等を用いることが可能である。
また、基材層2には、必要に応じ、従来公知の充填剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等、各種の添加剤を添加してもよい。
基材層2の厚さは、用途等によるが、50[μm]以上100[μm]以下の範囲内に設定することが好ましい。
(絵柄模様層)
絵柄模様層3は、化粧シート20に絵柄による意匠性を付与するための絵柄を付加するための層であり、基材層2の表面へ、絵柄模様状に形成されている。
また、絵柄模様層3は、例えば、グラビア印刷法、または、オフセット印刷法等の各種印刷法や、グラビアコート法、または、ロールコート法等の各種塗工法等を用いて形成される。
絵柄模様層3の材料としては、例えば、着色剤(染料や顔料等)とバインダー樹脂を、希釈溶媒中に溶解、または、分散して形成した印刷インキや塗料等を用いることが可能である。
バインダー樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩化酢酸ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、硝化綿等、または、それらの混合物等を用いることが可能である。
絵柄の種類は、例えば、木目柄、石目柄、布目柄、抽象柄、幾何学模様、文字、または、記号、それらの組み合わせ等、所望により任意に設定することが可能である。
また、絵柄は、単色無地であっても良い。
なお、化粧シート20の隠蔽性を向上するために、絵柄模様層3の裏面側に、二酸化チタンや酸化鉄等の不透明顔料を多く含む、不透明な印刷インキや塗料による隠蔽層を併設してもよい。
(艶調整層)
艶調整層4は、絵柄模様層3を覆う層であり、絵柄模様層3の上面(図1中において、絵柄模様層3の基材層2と対向する面と反対側の面(上側の面)において、艶調整層4を凸部5側から見て、艶消し状態に形成されている。
第一実施形態の化粧シート20では、印刷等によって手触り感のある絵柄模様層3を設けた後に、絵柄模様層3の上に艶調整層4を設けることで、凹凸があるように見せ、立体感を与えている。
また、艶調整層4は、化粧シート20の表面の光沢を調整するために形成される。
艶調整層4の厚さは、不燃性の観点から、20[μm]以上55[μm]以下の範囲内が好ましい。
艶調整層4は、少なくとも、透明な樹脂に艶調整剤が添加されて形成されている。
透明な樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂等、透明熱可塑性樹脂層等を用いることが可能である。
なお、耐汚染性を向上させるため、艶調整層4へ反応型シリコーン樹脂を含有してもよい。さらに、艶調整層4には、適宜、公知の紫外線吸収剤等を添加してもよい。
第一実施形態では、艶調整層4に、硬化剤と、紫外線吸収剤と、光安定剤を混合した混合品を添加した場合について説明する。
また、艶調整層4は、例えば、アクリルゴムとアクリル樹脂を含む熱可塑性アクリル系樹脂を含んで形成する。この場合、アクリルゴムとアクリル樹脂との質量比は、例えば、30:70から60:40の範囲内に設定する。
すなわち、艶調整層4は、硬化剤と、紫外線吸収剤と、光安定剤を含む混合品と、熱可塑性アクリル系樹脂を含む。
また、艶調整層4は、混合品を、熱可塑性アクリル系樹脂100質量部に対して5質量部以上10質量部以下の範囲内で添加して形成されている。すなわち、艶調整層4が含む混合品が、熱可塑性アクリル系樹脂100質量部に対して、5質量部以上10質量部以下の範囲内で添加されている。
第一実施形態では、艶調整層4が、混合品を熱可塑性アクリル系樹脂100質量部に対して10質量部以上12質量部以下の範囲内で添加して形成されている場合について説明する。すなわち、第一実施形態では、艶調整層4が含む混合品が、熱可塑性アクリル系樹脂100質量部に対して、10質量部以上12質量部以下の範囲内で添加されている。
また、艶調整層4が含む混合品には、硬化剤と紫外線吸収剤と光安定剤とが、15以上29以下の範囲内:3以上7以下の範囲内:3以上7以下の範囲内の混合比で配合されている。
なお、第一実施形態では、一例として、艶調整層4が含む混合品に、硬化剤と紫外線吸収剤と光安定剤とが、15以上20以下の範囲内:3以上7以下の範囲内:3以上7以下の範囲内の混合比で配合されている場合について説明する。
以下、アクリルゴムとアクリル樹脂との質量比を30:70から60:40の範囲内に設定する理由を記載する。
アクリルゴムとアクリル樹脂との質量比を30:70から60:40の範囲内に設定すると、ISO5660−1に準拠したコーンカロリ燃焼試験により、化粧シート20と基板とを備える化粧板の時間に対して、総発熱量及び時間に対する発熱速度を求めた際に、以下に(i)から(iii)で表す要件を成立させることが可能となる。
(i)加熱開始後20分間の総発熱量が、8[MJ/m]以下である。
(ii)加熱開始後20分間、最大発熱速度が10秒以上継続して、200[kW/m]を超えない。
(iii)加熱開始後20分間、防火上で有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴が無いことを満たす不燃性を確保することが可能となる。
また、アクリルゴムとアクリル樹脂との質量比が30:70よりも小さい、すなわち、アクリルゴムの量が少なすぎると、優れた不燃性が得られず、また、折り曲げ加工性が低下する。
さらに、アクリルゴムとアクリル樹脂との質量比が60:40よりも大きい、すなわち、アクリルゴムの量が多すぎると、艶調整層4の形成が困難となり、また、化粧シート20の耐候性が低下する。
以上の観点から、アクリルゴムとアクリル樹脂との質量比は、30:70から60:40の範囲内に設定することが好適である。
また、艶調整層4を、アクリルゴムを含んで形成することで、優れた折り曲げ加工性を得ることが可能となる。
また、艶調整層4を形成する熱可塑性アクリル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を主成分とし、単独、または、共重合させて得られる熱可塑性樹脂である。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル等を用いることが可能である。
また、艶調整層4を形成する熱可塑性アクリル系樹脂には、必要に応じて、例えば、アクリル系単量体や、芳香族系単量体等を、共重合成分として添加してもよい。
アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸等を用いることが可能である。
芳香族系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等を用いることが可能である。
また、艶調整層4を形成する熱可塑性アクリル系樹脂には、例えば、ゴム成分が、グラフト共重合や、ブロック共重合、または、混合されていてもよい。中でも、メタクリル酸メチルを主成分とするものが、耐候性、透明性、加工性、機械的物性、表面物性等、各種の物性面で最も好適である。
ゴム成分としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン−ブタジエン共重合体等を用いることが可能である。
艶調整層4が含むアクリルゴムとしては、特に制限されないが、少なくとも(メタ)アクリル酸エステルモノマーを構成単位とする重合体からなる合成ゴムを用いることが好適である。
また、艶調整層4が含むアクリルゴムとしては、例えば、構成単位を60質量[%]以上含むものが好ましく、構成単位を70質量[%]以上含むものがより好ましい。さらに、構成単位を80質量[%]以上を含むものが、構成単位を70質量[%]以上含むものよりも好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル等を用いることが可能である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数1〜8のアルカノールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましい。
また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等を用いることが可能である。これらの中でも、(メタ)アクリル酸エチル及び(メタ)アクリル酸n−ブチルを用いることが好適である。
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、炭素数2〜8のアルコキシアルカノールと(メタ)アクリル酸とのエステルが好ましい。
また、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル等を用いることが可能である。これらの中でも、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル及び(メタ)アクリル酸2−メトキシエチルを用いることが好適である。
また、(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、多官能性の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを用いることも好適である。
多官能性の(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸とアリルアルコール等の不飽和アルコールとのエステルや、不飽和モノカルボン酸とエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール等のグリコールとのジエステル、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸等のジカルボン酸と不飽和アルコールとのエステル等を用いることが好適である。
より具体的には、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸メタリル、桂皮酸アリル、桂皮酸メタリル、マレイン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等を用いることが可能である。
また、艶調整層4が含むアクリルゴムとしては、架橋点を有する構成単位を含有する共重合体であることが好ましい。これは、共重合体をアクリルゴムとして用いたゴム組成物は、成形時において、効果的に架橋を行うことが可能であるため、弾性を有する架橋物を得ることが可能となるためである。
架橋点を有する構成単位としては、例えば、カルボキシル基、ハロゲン原子、エポキシ基、または、水酸基を有するもの等を用いることが可能である。
艶調整層4が含むアクリルゴムの形状は、特に制限はないが、作業性を考慮すると、粒子状のものが好ましい。
アクリルゴムが粒子状の場合、その平均粒子径は、透明性なアクリル樹脂層の成形加工性を考慮すると、30[nm]以上150[nm]以下の範囲内が好ましく、40[nm]以上120[nm]以下の範囲内がより好ましい。
アクリル樹脂層で使用されるアクリル樹脂は、特に制限されないが、少なくとも、(メタ)アクリル酸エステルモノマーを構成単位とする重合体であることが好ましい。より具体的には、(メタ)アクリル酸エステルモノマーの単独重合体、二種類以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体、あるいは、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと他のモノマーとの共重合体を用いることが好適である。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ノルマルブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸セカンダリーブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリーブチル、(メタ)アクリル酸イソボニル、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等を用いることが好適である。特に、折り曲げ加工性や耐候性を考慮すると、(メタ)アクリル酸メチルを用いることが、より好適である。
二種類以上の異なる(メタ)アクリル酸エステルモノマーの共重合体としては、例えば、上記の例示から選ばれる二種類以上の(メタ)アクリル酸エステルの共重合体を用いることが可能である、また、これらの共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよい。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合体を形成する他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なものであれば特に限定されないが、本発明では、脂環式オレフィンモノマー、マレイミド類、ビニルエーテル類等を用いることが好適である。
脂環式オレフィンモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、スチレン、(無水)マレイン酸、フマル酸、ジビニルベンゼン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニルアルコール、アクリロニトリル、アクリルアミド、ブタジエン、イソプレン、イソブテン、1−ブテン、2−ブテン、N−ビニル−2−ピロリドン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ノルボルネン類等を用いることが可能である。
マレイミド類としては、例えば、ビニルカプロラクタム、シトラコン酸無水物、N−フェニルマレイミド等を用いることが可能である。
なお、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合体を形成する他のモノマーとしては、特に、スチレン及び(無水)マレイン酸が、共重合成分として好適である。
すなわち、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合体を形成する他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルとスチレン、または、(無水)マレイン酸の二元共重合体、(メタ)アクリル酸エステルとスチレン及び(無水)マレイン酸の三元共重合体が好適である。
なお、(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとの共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
また、各種の透明熱可塑性樹脂層との接着の汎用性、化粧シート20を導管溝内へ彎曲させる際の変形追従性、耐擦傷性の点から、その樹脂成分(バインダー樹脂)としては、二液硬化型ウレタン樹脂を用いることが好適である。
二液硬化型ウレタン樹脂としては、ポリオールを主体とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウレタン樹脂である。
ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するもので、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール等を用いることが可能である。
イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートを用いることが可能である。
すなわち、イソシアネートとしては、例えば、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネートや脂環式イソシアネート、各種イソシアネートの付加体、または、各種イソシアネートの多量体を用いることが可能である。
芳香族イソシアネートとしては、例えば、2、4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等を用いることが可能である。
脂肪族イソシアネートや脂環式イソシアネートとしては、例えば、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等を用いることが可能である。
各種イソシアネートの付加体、または、各種イソシアネートの多量体としては、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等を用いることが可能である。
なお、上述したイソシアネートにおいて、脂肪族イソシアネートや脂環式イソシアネートは、化粧シート20の耐候性や耐熱黄変性が良好となる点で好ましい。具体的には、例えば、1、6−ヘキサメチレンジイソシアネート等を用いることが可能である。
艶調整剤は、マット剤や艶消剤とも呼称され、化粧シート20の表面に与える艶に応じて添加される。
艶調整剤としては、例えば、無機物や有機物(樹脂)の微粒子を用いることが可能である。
無機物としては、例えば、シリカ、アルミナ(α−アルミナ等)、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリナイト、アルミノシリケート等を用いることが可能である。
有機物(樹脂)としては、例えば、ポリカーボネート、ナイロン、ウレタン樹脂等を用いることが可能である。
上述したなかでも、艶調整剤としては、シリカを用いることが好適である。
艶調整剤の平均粒径は、1[μm]以上10[μm]以下の範囲内とすることが好適である。
艶調整剤の添加量は、所望の光沢に応じて適宜選択するが、通常は、艶調整層4を構成する樹脂100質量部に対し、粒径が10[μm]以下の粒状粒子の形で、20質量部以上30質量部以下の範囲内で添加される。
第一実施形態では、艶調整剤を構成する粒状粒子として、粒径が3[μm]以下の第一の粒状粒子と、粒径が5[μm]以上の第二の粒状粒子との、二種類の粒状粒子を用いた場合を説明する。
すなわち、第一実施形態では、艶調整剤を構成する粒状粒子として、相対的に粒径が小さい第一の粒状粒子と、相対的に粒径の大きな第二の粒状粒子とを用いた場合を説明する。
また、第一の粒状粒子と第二の粒状粒子との配合比は、相対的に第一の粒状粒子の方が多くなるように配合する。第一の粒状粒子と第二の粒状粒子との配合比は、6:4〜8:2の範囲内とすることが好適である。
また、艶調整層4には、熱可塑性アクリル系樹脂100質量部に対し、反応型シリコーン樹脂を10質量部以上50質量部以下の範囲内で含有することが好ましい。これは、反応型シリコーン樹脂の含有量が10質量部より少ないと、耐汚染性が悪くなる傾向であり、50質量部より多いとシリコーンのブリードアウトによる基材層2との接着不良等の不具合が起こる可能性があるためである。これに加え、艶調整層4は、反応型シリコーン樹脂を含有することで、耐汚染性を備えるようになるためである。
反応型シリコーン樹脂としては、主鎖にシリコン骨格を有する材料、剥型剤等に使用されるシリコーンオイル等を用いることが可能である。特に、耐汚染性の点から、側鎖にシリコン骨格を有する紫外線効果型アクリレート樹脂が好適である。
(凸部)
凸部5は、艶調整層4の上面(図1中において、艶調整層4の絵柄模様層3と対向する面と反対側の面(上側の面))における、複数個所に形成されている。
第一実施形態の化粧シート20では、絵柄模様に同調させた凸部5を盛り上げ印刷等で設けることにより、物理的な凹凸を形成して、より立体感を与えている。
また、凸部5は、紫外線硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂を含んで形成する。
電離放射線硬化型樹脂は、電磁波、または、荷電粒子線の中で、分子を架橋、重合させ得るエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線、または、電子線等を照射することにより、架橋、硬化する樹脂組成物である。
具体的に、電離放射線硬化型樹脂材の材料としては、従来から、電離放射線、または、紫外線硬化性樹脂組成物として慣用されている材料、例えば、重合性モノマー、重合性オリゴマー、プレポリマーの中から、適宜選択して用いることが可能である。
代表的には、重合性モノマーとして、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つ、(メタ)アクリレート系モノマーが好適であり、中でも、多官能性(メタ)アクリレートが好適である。
ここで、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート、または、メタクリレート」を意味する。
多官能性(メタ)アクリレートとしては、分子内にエチレン性不飽和結合を二個以上有する(メタ)アクリレートであればよく、特に制限はない。具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1、4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を用いることが可能である。また、これらの多官能性(メタ)アクリレートは、一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、電離放射線硬化型樹脂材の材料としては、多官能性(メタ)アクリレートとともに、その粘度を低下させるなどの目的で、単官能性(メタ)アクリレートを、本発明の目的を損なわない範囲で適宜併用することが可能である。
単官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等を用いることが可能である。これらの単官能性(メタ)アクリレートは、一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性オリゴマーとしては、分子中にラジカル重合性不飽和基を持つオリゴマー、例えばエポキシ(メタ)アクリレート系、ウレタン(メタ)アクリレート系、ポリエステル(メタ)アクリレート系、ポリエーテル(メタ)アクリレート系等を用いることが可能である。
ここで、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂や、ノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応させてエステル化することにより、得ることが可能である。
また、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを、部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性した、カルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーも用いることが可能である。
ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることが可能である。
ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に、水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、または、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることが可能である。
ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることが可能である。
重合性オリゴマーとしては、上記の他に、ポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基を有する疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー等を用いることが可能である。
また、凸部5には、所望物性に応じて、各種添加剤を配合することが可能である。
添加剤としては、例えば、耐候性改善剤、耐摩耗性向上剤、重合禁止剤、架橋剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、接着性向上剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、カップリング剤、可塑剤、消泡剤、充填剤、溶剤、着色剤等を用いることが可能である。
第一実施形態では、凸部5に、艶調整層4と同様、硬化剤と、紫外線吸収剤と、光安定剤を混合した混合品を添加した場合について説明する。
すなわち、凸部5は、硬化剤と、紫外線吸収剤と、光安定剤を含む混合品と、電離放射線硬化型樹脂を含む。
凸部5は、混合品を、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して5質量部以上10質量部以下の範囲内で添加して形成されている。すなわち、凸部5が含む混合品は、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して、5質量部以上10質量部以下の範囲内で添加されている。
また、凸部5が含む混合品には、硬化剤と紫外線吸収剤と光安定剤とが、15以上29以下の範囲内:3以上7以下の範囲内:3以上7以下の範囲内の混合比で配合されている。
なお、第一実施形態では、一例として、凸部5が含む混合品に、硬化剤と紫外線吸収剤と光安定剤とが、15以上20以下の範囲内:3以上7以下の範囲内:3以上7以下の範囲内の混合比で配合されている場合について説明する。
また、凸部5の形状は、特に限定されず、丸、四角形、六角形の規則的に並んだような定形の形状でも、不定型な絵柄であってもよい。なお、凸部5の形状が不定型な絵柄であると、触感、マット感、光沢感及び意匠性に優れることから好適である。
また、凸部5を、絵柄模様層3と同調させることにより、リアル感を得ることが可能である。
凸部5の高さは、30[μm]以上100[μm]以下の範囲内とする。
各凸部5は、凸部5同士の間隔が、1[mm]以上2[mm]以下の範囲内となるように形成する。
また、凸部5の材料としては、例えば、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対し、粒径3[μm]以上100[μm]以下の範囲内の粒状粒子を、20質量部以上30質量部以下の範囲内で含有したものを用いる。
また、凸部5は、艶調整層4と同様、艶を調整しても良い。
また、凸部5には、反応型シリコーン樹脂を、10質量部以上50質量部以下の範囲内で含有することが好ましい。これは、反応型シリコーン樹脂の含有量が10質量部より少ないと、耐汚染性が悪くなる傾向があるためである。これに加え、反応型シリコーン樹脂の含有量が50質量部より多いと、シリコーンのブリードアウトによる基材との接着不良等の不具合が起こる可能性があるためである。
反応型シリコーン樹脂としては、主鎖にシリコン骨格を有する材料、例えば、剥型剤等に使用されるシリコーンオイル等を用いることが可能である。特に、耐汚染性の点から、側鎖にシリコン骨格を有する紫外線効果型アクリレート樹脂が好適である。
また、凸部5に含有する反応型シリコーン樹脂としては、後述する耐汚染樹脂層に用いる樹脂と同様のものとすると、凸部5の表面が同様の樹脂からなるため、好適である。
(耐汚染樹脂層)
耐汚染樹脂層(耐汚染薄膜コーティング樹脂層)は、艶調整層4の上面のうち、凸部5間10の部分に設けられている。したがって、化粧シート20を図1中の上方から見ると、艶調整層4のうち、凸部5を形成していない部分の上面に、耐汚染樹脂層が形成されている。
また、耐汚染樹脂層は、耐汚染材料を用いて形成されているとともに、透明度を有する層である。
耐汚染樹脂層が有する透明度は、化粧シート20の表面から下層の絵柄模様層3の絵柄模様が視認可能なだけの透明度である。
耐汚染樹脂層の厚さは、凸部5の高さよりも低くする。これは、凸部5による立体感を形成する点で好ましいためである。
したがって、耐汚染樹脂層の厚さは、0.5[μm]以上1.5[μm]以下とする。これは、耐汚染樹脂層の厚さが0.5[μm]よりも薄いと、十分な耐汚染の効果が得られず、耐汚染樹脂層の厚さが1.5[μm]よりも厚いと、立体感と意匠性を損なうものとなるためである。
耐汚染樹脂層を形成する耐汚染材料としては、特に限定しないが、ブロックイソシアネート硬化型ウレタン系樹脂を用いることが好適である。
(化粧板)
以下、図1を参照しつつ、図2を用いて、第一実施形態の化粧板30の構成を説明する。
図1中に表すように、化粧板30は、化粧シート20と、接着剤層7と、基板8を備える。
(接着剤層)
接着剤層7は、化粧シート20が備える裏面プライマー層1と、基板8との間に介装する層であり、裏面プライマー層1と基板8とを接着して結合させる。
接着剤層7の材料としては、例えば、ウレタン樹脂系接着剤を用いることが好ましい。この場合、イソシアネート基を有するものと、ヒドロキシ基を有するものとを配合し、それらの化学結合によって接着剤層7の接着性を発現させる。
(基板)
基板8は、金属系の材料、または、木質系の材料を用いて形成した板状の部材である。
金属系の材料としては、例えば、アルミ、鋼、ステンレス、複合パネル等を用いることが可能である。
複合パネルとしては、例えば、芯材となる樹脂層と、樹脂層の両面それぞれに貼り付けられた金属板(アルミニウム、ガルバリウム、ステンレス等)を備えたものを用いることが可能である。
木質系の材料としては、例えば、MDF(Medium Density Fiberboard)、合板、パーチクルボード等を用いることが可能である。
なお、上述した第一実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第一実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(第一実施形態の効果)
第一実施形態の化粧シート20であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)艶調整層4が含む混合品が、熱可塑性アクリル系樹脂100質量部に対して、5質量部以上10質量部以下の範囲内で添加されている。これに加え、凸部5が含む混合品が、電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して、5質量部以上10質量部以下の範囲内で添加されている。
その結果、従来の構成と比較して、高い耐候性を有する化粧シート20を提供することが可能となる。
(2)艶調整層4が含む混合品が、熱可塑性アクリル系樹脂100質量部に対して、10質量部以上12質量部以下の範囲内で添加されている。
その結果、艶調整層4が、混合品を、熱可塑性アクリル系樹脂100質量部に対して5質量部以上10質量部以下の範囲内で添加して形成されている化粧シートと比較して、耐候性を向上させた化粧シート20を提供することが可能となる。
(3)艶調整層4が含む混合品には、硬化剤と紫外線吸収剤と光安定剤とが、15以上29以下の範囲内:3以上7以下の範囲内:3以上7以下の範囲内の混合比で配合されている。これに加え、凸部5が含む混合品には、硬化剤と紫外線吸収剤と光安定剤とが、15以上29以下の範囲内:3以上7以下の範囲内:3以上7以下の範囲内の混合比で配合されている。
その結果、化粧シート20の耐候性を向上させることが可能となる(例えば、3[OW]:2500[hrs])。
(4)艶調整層4が含む混合品には、硬化剤と紫外線吸収剤と光安定剤とが、15以上20以下の範囲内:3以上7以下の範囲内:3以上7以下の範囲内の混合比で配合されている。これに加え、凸部5が含む混合品には、硬化剤と紫外線吸収剤と光安定剤とが、15以上20以下の範囲内:3以上7以下の範囲内:3以上7以下の範囲内の混合比で配合されている。
その結果、硬化剤の混合比を15以上29以下の範囲内とした場合と比較して、化粧シート20の耐候性をさらに向上させることが可能となる(例えば、3[OW]:2500[hrs])。
また、第一実施形態の化粧板30であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(5)化粧板30が、基板8と、基板8に貼り合わせた化粧シート20を備える。
その結果、従来の構成と比較して、高い耐候性を有する化粧板30を提供することが可能となる。
(変形例)
(1)第一実施形態では、基材層2の裏面に裏面プライマー層1を設けたが、化粧シート20の構成は、これに限定するものではない。すなわち、化粧シート20の構成を、裏面プライマー層1を設けない構成としてもよい。
第一実施形態の図1を参照しつつ、以下に記載する実施例により、本発明例1から4の化粧シートと、比較例1及び2の化粧シートについて説明する。
(本発明例1の化粧シート)
本発明例1の化粧シートは、艶調整層4を、混合品を熱可塑性アクリル系樹脂100質量部に対して5質量部添加して形成した。これに加え、本発明例1の化粧シートは、凸部5を、混合品を電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して10質量部添加して形成した。
(本発明例2の化粧シート)
本発明例2の化粧シートは、艶調整層4を、混合品を熱可塑性アクリル系樹脂100質量部に対して10質量部添加して形成した。これに加え、本発明例2の化粧シートは、凸部5を、混合品を電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して10質量部添加して形成した。
(本発明例3の化粧シート)
本発明例3の化粧シートは、艶調整層4を、混合品を熱可塑性アクリル系樹脂100質量部に対して10質量部添加して形成した。これに加え、本発明例3の化粧シートは、凸部5を、混合品を電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して15質量部添加して形成した。
(本発明例4の化粧シート)
本発明例4の化粧シートは、艶調整層4を、混合品を熱可塑性アクリル系樹脂100質量部に対して15質量部添加して形成した。これに加え、本発明例4の化粧シートは、凸部5を、混合品を電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して15質量部添加して形成した。
(比較例1の化粧シート)
比較例1の化粧シートは、艶調整層4を、混合品を添加せずに形成した。これに加え、比較例1の化粧シートは、凸部5を、混合品を添加せずに形成した。
(比較例2の化粧シート)
比較例2の化粧シートは、艶調整層4を、混合品を熱可塑性アクリル系樹脂100質量部に対して5質量部添加して形成した。これに加え、比較例2の化粧シートは、凸部5を、混合品を電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して5質量部添加して形成した。
(性能評価)
上述した本発明例1から4の化粧シートと、比較例1及び2の化粧シートに対し、以下に示す方法を用いて、耐候性の性能評価を行なった。性能評価の結果は、表1に表す。
(機器条件)
・装置:サンシャインウェザーメーター
・条件:温度 46[℃]
湿度 50[%]
ブラックパネル 62[℃]
120分サイクル(120分照射、そのうち18分降雨)
耐候性の具体的な評価は、外観に著しい変化が無い場合を「○」と評価し、外観に軽微な変化が有る場合を「△」と評価し、外観に顕著な変化が有る場合を「×」で表した。
また、化粧シートを窓枠として用いる用途には、サンシャインウェザーメーターを用いた試験で2000時間相当の耐候性が求められるため、総合評価においては、2000時間を合格基準とした。
Figure 2017159585
(評価結果)
表1中に表されるように、本発明例の化粧シートは、比較例の化粧シートと比較して、外観の変化が少なく、耐候性が高いことが確認された。
1…裏面プライマー層、2…基材層、3…絵柄模様層、4…艶調整層、5…凸部、7…接着剤層、8…基板、20…化粧シート、30…化粧板

Claims (5)

  1. 基材層と、
    前記基材層上の絵柄模様層と、
    前記絵柄模様層上の艶調整層と、
    前記艶調整層上の凸部と、を備え、
    前記艶調整層は、硬化剤と紫外線吸収剤と光安定剤を含む混合品と、熱可塑性アクリル系樹脂と、を含み、
    前記凸部は、硬化剤と紫外線吸収剤と光安定剤を含む混合品と、電離放射線硬化型樹脂と、を含み、
    前記艶調整層が含む混合品は、前記熱可塑性アクリル系樹脂100質量部に対して5質量部以上10質量部以下の範囲内で添加され、
    前記凸部が含む混合品は、前記電離放射線硬化型樹脂100質量部に対して5質量部以上10質量部以下の範囲内で添加されていることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記艶調整層が含む混合品は、前記熱可塑性アクリル系樹脂100質量部に対して10質量部以上12質量部以下の範囲内で添加されていることを特徴とする請求項1に記載した化粧シート。
  3. 前記混合品には、前記硬化剤と前記紫外線吸収剤と前記光安定剤とが、15以上29以下の範囲内:3以上7以下の範囲内:3以上7以下の範囲内の混合比で配合されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載した化粧シート。
  4. 前記混合品には、前記硬化剤と前記紫外線吸収剤と前記光安定剤とが、15以上20以下の範囲内:3以上7以下の範囲内:3以上7以下の範囲内の混合比で配合されていることを特徴とする請求項3に記載した化粧シート。
  5. 基板と、
    前記基板に貼り合わせられた請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載した化粧シートと、を備えることを特徴とする化粧板。
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